JPH018516Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はチエーン送りコンベア方式の生産ライ
ンにおけるパレツトの構造に関するものである。

一般にチエーン送りコンベアと呼ばれるコンベ
アは、作業者の前面に設けられた長いテーブル状
のライン本体の上面を、平行に設けられた、例え
ば自転車に使われているようなチエーン等の移送
体が、作業者の前面を横切るように常に流れてお
り、このチエーンの上に組立てられるべき製品を
運搬するパレツトを載置することによつて製品が
流れるようにしたものであつて、作業者は自分の
組立てるべき製品が、自分の前に流れて来た時に
ストツパを働かせてパレツトを止め、組立て作業
をするものである。そして、所定の組立て作業が
終了した時にストツパを解除することによつて、
コンベアの流れに添つて次の工程に送るものであ
るが、ストツパによつてパレツトを停止させてい
る間、チエーンは常に流れており、パレツトの下
面がチエーンによつてこすられている状態にあ
る。

而して、従来のパレツトにおいては木製である
ため移送条体とのすべり摩擦により摩耗がはげし
く、しかも摺動ノイズが発生して作業環境を悪化
させるばかりでなく、高重量となり、その取り扱
いに不便である等の欠点があつた。

この欠点を解消する為に出願人は先にパレツト
の下面に超高分子ポリエチレン製の摺滑用シート
を貼着することを実願昭56−86630号において提
案した。

しかしながら、自己潤滑性、耐摩耗性等に優れ
たこれら摺滑材はそれ自体優れた物性を有する反
面、これを単に貼着等の手段により取り付けたの
では剥離しやすい等の難点がある。そこで本考案
においては特にパレツト本体と摺滑材との接合が
適確に行われるようにすることを目的とするもの
である。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

図中１はパレツト本体であつて軽量硬質発泡樹
脂、実施例においては硬質発泡ウレタンにより任
意の形状に成型されている。実施例においては全
長600mm、幅500mm、厚さ20mmの板状体とし、前後
側縁にはストツパー係止用の凹部２，２′が形成
されている。パレツト本体１の下面側においてチ
エーン等のコンベアＡが接触する部分である左右
両側部に摺滑材取付用の切欠部３，３′が形成さ
れ、該切欠部に蟻溝状等の篏合溝４が形成され
る。５は合成樹脂製の摺滑材であつて、上記篏合
溝４に対応する突部６を備えており、超高分子ポ
リエチレン樹脂、ナイロン樹脂等の自己潤滑性、
耐摩耗性を有する樹脂（実施例では超高分子ポリ
エチレン）で成型されるが、上記パレツト本体１
と摺滑材５とは同一金型において同時成型する。
これにより摺滑材５の突部６がパレツト本体側の
篏合溝４に密篏し、みだりに離脱したりするおそ
れはない。

また、上記のようにして成型することによりパ
レツト本体底面と摺滑材底面とは面一に形成さ
れ、摺滑材が引つかかつたりするおそれもない。

このパレツトは、第３図に示すような状態で使
用されるもので、コンベア本体１０の両側を常時
流れているチエーン１１の上に載置され、通常の
状態においては、チエーン１１の流れに従つて常
時矢印Ａ方向に流れているものである。

そして、この作業者が組立て作業をする為にパ
レツトを止めたいと思つた時に、スイツチ１２を
オンにすると、図示しない公知の電気回路を通し
てストツパであるプランジヤ１３がオンすること
によつて、鉄心１４が突出する。この鉄心１４の
突出量はパレツト１のストツパ係止用の凹部２が
係止される程度に設定されている為、プランジヤ
１３がオンすることによつてパレツトはストツパ
の位置で停止する。

このコンベアにおいてはこのパレツト１が停止
している時もチエーン１１が常時流れている為に
チエーン１１の上部とパレツト１の下面がこすら
れているものであるが、本考案のパレツトは、こ
のこすられる部分に超高分子ポリエチレン製等の
摺滑材をパレツト本体と一体で且つ嵌合溝４及び
突部６でかみ合うように組合わせてあるものであ
るから、摩擦係数が極めて小さい摺滑材によつて
摺動ノイズは全く発生することなく、しかも重量
物を載置して横方向に移動させても摺滑材が剥離
したりすることはない。

本考案のチエーン送りコンベアにおけるパレツ
ト構造によれば、パレツト本体は硬質発泡ウレタ
ン等の軽量発泡樹脂で成型されるためパレツト形
状を任意に成型できるのは勿論木製のパレツトの
場合重量が８Kgもあつたものが、本考案のものは
4.5Kg程度になるため、軽量であり、しかも大強
度のものが得られる。

また、パレツト本体下面には摺滑材がパレツト
本体と一体的に設けられているから、摺滑材が剥
離したりするおそれはなく、取り付け作業を必要
としないのは勿論、メンテナンス工数も低減で
き、製造コストのダウンを図ることができる。

また、滑り摩擦係数の極めて小さい摺滑材が設
けられていることにより、摺動ノイズ発生のおそ
れはないから作業環境を著しく改善することがで
き、しかも摩耗によるささくれ等の発生はなく危
険性もない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の係るチエーン送りコンベアにお
けるパレツト構造の実施例を示し、第１図は底面
図、第２図は断面図である。第３図は第１図に示
す本考案のパレツトの使用状態を略図的に示す部
分斜視図である。 Ａ……コンベアー、１……パレツト本体、２，
２′……ストツパー係止用の凹部、３，３′……切
欠部、４……嵌合溝、５……摺滑材、６……突
部、１０……コンベア本体、１１……チエーン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. パレツトを移送する移送体が常時移動してお
   り、該移送体が移動している状態でパレツトのみ
   を停止させて組立作業を行なうチエーン送りコン
   ベアのパレツトにおいて、硬質発泡ウレタン等の
   軽量硬質発泡樹脂により平板状で且つ、任意形状
   に形成されたパレツト本体の下面の上記コンベア
   ーに接触すべき部分に摺滑材取付用の切欠部を形
   成すると共に該切欠部に篏合溝を形成し、該篏合
   溝に対応する突部を備え、超高分子ポリエチレン
   樹脂等の自己潤滑性、耐摩耗性を有する合成樹脂
   製の摺滑材を取り付けたことを特徴とするパレツ
   ト構造。