JPH018339Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は射出成形機のノズルに関する。

（従来の技術） 従来、射出成形機においては、シリンダー内で
スクリユウにより樹脂を混練しながら、加熱溶融
することが行われている。しかし、スクリユウに
より樹脂を混練しただけでは、混練が不充分な場
合があるので、ノズル部分の内部に溶融状態に樹
脂に背圧を掛けるブレーカーを設け金型に樹脂が
入る直前にブレーカーにより樹脂を圧縮し樹脂温
度を上げ混練の程度を高めている。このように金
型に樹脂が入る直前に樹脂温度を上げることは、
シリンダー内で樹脂温度を上げる場合に比して樹
脂の熱分解を防ぐことが出来るので、有効な手段
である。

そして第３図に示すように、ブレーカー部の内
面形状を円錐筒状に形成し、ノズル部分の内部に
嵌着することが行われている。

（考案が解決しようとする問題点） しかし、ブレーカーがノズル部分の内部に嵌着
される場合には、シリンダー先端面との間のシー
ルが充分に行われないことがあり、ブレーカーの
後端面がノズル部分に入り込んでいたりすると、
ブレーカーの後端面とノズル部分の内周面との間
に僅かでも隙間があれば、そこから溶融樹脂が入
り込み、ブレーカーの外周面に樹脂が詰まり、樹
脂の分解によりガスを発生したり、樹脂の固化に
よりブレーカーの取り外しができなくなるおそれ
があつた。

またブレーカー自体の形状が外壁面及び内壁面
共に円錐筒状である為に製作が容易でないという
欠点があつた。

本考案は上記の欠点を解消し、ブレーカーの外
周面に樹脂が詰まるのを防ぎ、樹脂の分解による
ガスの発生や、樹脂の固化によるブレーカーの固
着を来すことがなく、しかも製作が容易なブレー
カー設置した射出成形機のノズルに関する。

（問題点を解決するための手段） 本考案の要旨はシリンダー１の先端部に取り付
けられるノズル４のノズル孔５内に、成形品のノ
ズル部の一部を成形する筒状体８と、この筒状体
８に接してシリンダー１内の樹脂に背圧を掛ける
ブレーカー９が嵌着され、ブレーカー９は前記筒
状体８側が筒状外壁面１３と錐状内壁面１２を有
し、シリンダー１側に板状鍔体１１が形成されて
おり、板状鍔体１１はノズル４のシリンダー１側
の端部に形成される段部拡径部７に嵌着されてな
る、射出成形機のノズルに関するものである。

次の本考案射出成形機のノズルについて図面を
参照して詳細に説明する。

１は射出成形機のシリンダーであり、シリンダ
ー１内にスクリユウ２が設けられ、ヒーター３に
よる加熱によりシリンダー１内の樹脂が溶融、混
練される。４はノズルであり、シリンダー１の先
端に取着され、成形用金型内に溶融樹脂を注入す
る。ノズル４内にはノズル孔５が形成されてお
り、シリンダー１寄りのノズル孔５には途中から
拡径部６が形成され、更にシリンダー１側の端部
に段状拡径部７が形成されている。

このノズル孔５内に成形品のノズル部の一部を
成形する筒状体８と、この筒状体８に接してシリ
ンダー１内の樹脂に背圧を掛けるブレーカー９が
嵌着されている。

ブレーカー９は前記筒状体８側が筒状外壁面１
３を有すると共に錐状内壁面１２を有し、シリン
ダー１側に板状鍔体１１が形成されている。

板状鍔体１１はノズル４のシリンダー１側の端
部に形成される段状拡径部７に嵌着されている。
そして板状鍔体１１の後端面はシリンダー１の先
端に当接して取り付けられている。このように板
状鍔体１１が形成されるとシリンダー１の先端面
に当接する面積が大きいものとなる。シリンダー
１内の溶融樹脂が板状鍔体１１に沿つて入り込み
ブレーカー９の外周に廻り込んでブレーカー９を
固着された状態にしてしまうようなことがなくな
る。

（作用） 本考案においては、筒状体８は拡径部６に嵌着
されており、成形品のノズル後端部の形状を成形
品形状に応じて適宜形状に選定すると共にブレー
カー９の錐状内壁面１２と連続して樹脂通路の絞
り込みを行うものである。ブレーカー９は錐状内
壁面１２を有することによつて、樹脂の流量を絞
り込み、樹脂に背圧を掛けることによつて樹脂温
を高め混練効果を増大させる。板状鍔体１１はシ
リンダー１の先端面に当接されて、シリンダー１
内の溶融樹脂に対するシール効果を奏し、溶融樹
脂が板状鍔体１１に沿つて入り込み、ブレーカー
９の外周に廻り込んでブレーカー９を固着された
状態にしてしまうようなことがなくなる。

（考案の効果） 本考案射出成形機のノズルによれば、前記の構
成を備えているので、シリンダー１内の溶融樹脂
に対するシール効果によつて、ブレーカー９の外
周面に樹脂が詰まるのを防ぎ、樹脂の分解による
ガスの発生や、樹脂の固化によるブレーカー９の
固着を来すことがないものとなる。しかもブレー
カー９は筒状外壁面１３を有するため製作が容易
であるとの効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案射出成形機のノズルの一例を示
す部分断面図、第２図は筒状体及びブレーカーの
例を示す断面図、第３図は従来の射出成形機のノ
ズルの例を示す部分断面図である。 １……シリンダー、２……スクリユウ、４……
ノズル、５……ノズル孔、６……拡径部、７……
段状拡径部、８……筒状体、９……ブレーカー、
１１……板状鍔体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダー１の先端部に取り付けられるノズル
   ４のノズル孔５内に、成形品のノズル部の一部を
   成形する筒状体８と、この筒状体８に接してシリ
   ンダー１内の樹脂に背圧を掛けるブレーカー９が
   嵌着され、ブレーカー９は前記筒状体８側が筒状
   外壁面１３と錐状内壁面１２を有し、シリンダー
   １側に板状鍔体１１が形成されており、板状鍔体
   １１はノズル４のシリンダー１側の端部に形成さ
   れる段部拡径部７に嵌着されてなる、射出成形機
   のノズル。