JPH0143496Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (a) 産業上の利用分野 本考案は、エンジンを収容するケース内に、エ
ンジンのシリンダーの側下方位置に燃料タンクを
設け、この燃料タンクの上方位置に、断熱接手を
介してシリンダーの側面に固着する気化器を設け
たチエンソーにおいて、エンジンの熱が気化器に
伝わることを防ぐためのチエンソーにおける気化
器の過熱装置に係るものである。

(b) 従来技術および解決すべき問題点 前述の構成のチエンソーにおいては、シリンダ
ーを覆うシリンダーカバーと燃料タンクとの間に
間隙部があり、シリンダーの熱はシリンダーカバ
ーで遮蔽されているが、クランクケースの外周に
接して加熱された空気がこの間隙部を通つて上昇
して気化器を加熱し、ベーパーロツク等のエンジ
ンの不調をきたしていた。

(c) 問題を解決しようとする手段および作業 本考案は、この間隙部を押圧、閉塞する軟性の
スポンジ状のシール体を、上述の断熱接手に支持
して設けたもので、クランクケースの外周で加熱
された空気を構造簡単に遮断して気化器が加熱さ
れることを防ぐものである。

(d) 実施例 図において、１はチエンソーのケース３内に収
容されたエンジン、５はクランクケース７上に固
着するシリンダーで内部にピストン９が昇降自在
に設けられている。１１はピストン９とクランク
軸１３のクランクピン１５とを連結する連結杆、
１７は点火栓、１９はマフラーに連通する排気
口、２１は吸気口、２３は合成樹脂製の断熱接手
２５を介して吸気口２１に連通する気化器で、ボ
ルト２７，２７によつてシリンダー５の側面に固
着されている。２９は気化器２３にボルト２７に
よつて固着するエルボ３１に、ねじハンドル３３
によつて固着されたエヤクリーナ、３５はエヤク
リーナ２９を覆うカバーで、ねじハンドル３３に
よつて共締めされている。３７はシリンダー５の
側下方位置に設けた燃料タンクで、後部ハンドル
３９と１体に合成樹脂で形成されている。４１は
シリンダー５を覆うシリンダーカバー、４３はシ
リンダーカバー４１と燃料タンク３７との間の間
隙部４５に押圧されて閉塞するシール体で、軟性
のスポンジ状の合成樹脂で形成され、断熱接手２
５の外周に係合して支持されている。４９は燃料
タンク３７と気化器２３とを連通する燃料パイプ
である。

以上の構成において、エンジン１のシリンダー
５の熱はシリンダーカバー４１によつて遮蔽され
ているが、クランクケース７の熱は、外周に接す
る空気を加熱し、この空気が間隙部４５を通つて
上昇しようとするが、シール体４３によつて妨げ
られ、気化器２３を加熱することがない。またシ
リンダー５の熱は断熱接手２５によつて直接気化
器２３に伝達することを防いでいる。

(e) 考案の効果 本考案は請求の範囲に記載のとおりの構成であ
るから、クランクケースの外周に接して加熱され
た空気が、シリンダーカバーと燃料タンクとの間
の間隙部を通つて気化器を加熱することを防ぎ、
しかも、シール体の取付を構造簡単に、かつ容易
にしたもので、またシール体が軟性のスポンジ状
に形成されているので、間隙部の寸法誤差に拘ら
ずシール体を確実に閉塞することができるもので
ある。

なお、本考案は前述の実施例に限定されるもの
ではなく、他の態様においても実施しうるもので
ある。また、請求の範囲に示す符号は本考案の技
術的範囲を限定するものではない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例の側断面図、第２図
は要部の正断面図である。 １……エンジン、３……ケース、５……シリン
ダー、２３……気化器、２５……断熱接手、３７
……燃料タンク、４１……シリンダーカバー、４
３……シール体、４５……間隙部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンジン１を収容するケース３内に、前記エン
   ジン１のシリンダー５の側下方位置に燃料タンク
   ３７を設け、前記燃料タンク３７の上方位置に、
   断熱接手２５を介して前記シリンダー５の側面に
   固着する気化器２３を設けたチエンソーにおい
   て、前記シリンダー５を覆うシリンダーカバー４
   １と前記燃料タンク３７との間の間隙部４５を押
   圧、閉塞する軟性のスポンジ状のシール体４３を
   前記断熱接手２５に支持して設けたことを特徴と
   するチエンソーにおける気化器の過熱防止装置。