JPH0140589Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、プレス機のような加工機における
材料の供給、加工された材料の移送、排出等を行
なう材料供給装置に関する。

一般に、プレス機のような加工機では、自動的
に材料を加工機の作業台上に供給し、また作業台
上で加工された材料を次の加工位置まで移送した
り、作業台から排出したりするために、材料の送
り方向に延びるフイードバーを用いている。そし
て、そのフイードバーに材料を保持されて持ち上
げ、横に送り、また下げて材料を離すという動き
を与えるためにフイードバーを材料送り方向に移
動させる機構と上下に移動させる機構とを備えて
いる。

このようなフイードバーを移動させるための材
料供給装置として従来から知られている機構は、
回転する駆動源から接触カム機構やチエーンを用
いてフイードバーに間欠運動を与えるものであつ
て重い製品を移動させたり、高速で駆動すること
には無理があつた。

この考案は、このような従来の問題に鑑みてな
されたものであり、溝カムに摺動子を嵌合させる
機構を利用してフイードバーの高速駆動を可能に
した加工機の材料供給装置を提供することを目的
とする。

この考案は、以下、図に示す実施例と共に詳説
する。第１図はプレス機１の全体図であり、この
考案の材料供給装置はこのプレス機１の作業台３
の側方に取付けられている。５はフイードバーで
あり、このフイードバー５が駆動ユニツト７によ
り上下、左右に駆動されるのである。９はフイー
ドバー５の動きに従動しつつフイードバー５を水
平に支持すために設けられた従動ユニツトであ
る。また１１は作業台３上に材料を供給し、また
作業台３から加工された材料を移送、又は排出す
るために材料を保持する保持装置である。

この考案の材料供給装置は、上記駆動ユニツト
７内に収容されており、第２図乃至第５図に詳し
く描かれている。

まずフイードバー５の横方向の往復動機構につ
いて説明する。

第１図で説明したフイードバー５の端部にねじ
１３によりカム本体１５が取付けられている。こ
のカム本体１５にはフイードバー５の長手方向に
対して垂直になつたガイド溝１７が設けられてい
る。

１９はローラのついた摺動子であり、ガイド溝
１７内に嵌め込まれており、カム駆動体２１の溝
部２３において、両端を支承されたねじ棒２５に
螺合する角部材２７にて支持されている。

カム駆動体２１にはピニオン２９とキー結合し
ている回転軸３１の回転に従つて揺動する。３３
は回転軸３１の軸受である。

第４図に詳しいようにピニオン２９はラツク３
５とかみ合つており、ラツク３５は空圧シリンダ
３７のピストンロツド３９に継手部材４１を介し
て結合されている。空圧シリンダ３７は、中間位
置から最上位と最下位の両方向にピストンロツド
３９を駆動することができ、この動きによつてラ
ツク３５とかみ合うピニオン２９を左回りと右回
りとの両方向に所定角度ずつ回転させる。４３は
ラツクガイドであり、同時に継手部材４１が当接
するときにピストンロツド３９の上昇を止めるた
めのストツパとしても働く。

しかして、シリンダ３７がピストンロツド３９
を駆動し、ピニオン２９を回転させるとき、カム
駆動体２１が揺動して先端にある摺動子１９を第
２図乃び第３図において鎖線Ａ，Ｂで示す位置ま
で来させ、これによりガイド溝１７を介してカム
本体１５もＡ，Ｂの位置まで水平に平行移動さ
せ、これに伴つてフイードバー５を横方向に往復
移動させることができるのである。

次にフイードバー５の上下駆動機構について説
明する。フイードバー５の端部において、駆動リ
ンク節４５と副リンク節４７とがフイードバー５
を挾んで上下に対設され、両リンク節４５，４７
の先端のガイドローラ４９、，５１がフイードバ
ー５を挾持している。５３は連結リンクであり、
両リンク節４５，４７を連結している。

駆動リンク節４５は駆動軸５５と一体となつて
いる。この駆動軸５５は、第３図、第４図に詳し
いように伝達リンク節５７とも一体化されてお
り、流体シリンダ５９のピストンロツド６１の動
きにより伝達リンク節５７が回動するときにその
回転を駆動リンク節４５に伝達する。副リンク節
４７は支持軸６３にて回転自在にユニツト枠６５
に支持されている。

流体シリンダ５９は、ユニツト７の底板６７に
取付けられたブラケツト６９に軸７１にて下端が
支承され、揺動可能になつている。またピストン
６１と伝達リンク節５７との結合も軸７３によ
る。

第２図及び第３図において、７５はバー保持装
置であつて、連結杆７７により駆動リンク節４５
と連結されていて、この駆動リンク節４５の動き
に連動してフイードバー５を上下動すべく保持し
ている。つまり、ユニツト枠６５に軸７９，８１
を介してそれぞれ支承された従動リンク節８３、
従動副リンク節８５がそれらの先端部に設けられ
たガイドローラ８７，８９にてフイードバー５を
挾持し、駆動リンク節４５の動きに連動したフイ
ードバー５を上下動するように保持しているので
ある。９１は両リンク節８３，８５を連結する連
結リンクである。

しかして、実線矢印ａのように流体シリンダ５
９がピストンロツド６１を下降させるならば、伝
達リンク節５７が第４図において所定角度に左回
転し、これに伴つて駆動軸５５にて共に回転する
駆動リンク節４５と副リンク節４７とが第２図に
おいて右回転し、フイードバー５をガイドローラ
４９，５１間に挾んで下方へ平行移動させる。

逆に、破線矢印ｂのようにピストンロツド６１
を上昇させるならば、伝達リンク節５７と軸５５
との伝達作用により駆動リンク節４５と副リンク
節４７とを第２図において左回転させ、フイード
バー５を上方へ平行移動させる。

尚、第２図において９３は横移動量指針であ
り、９５は移動量目盛板である。

上記構成の加工機の材料供給装置の動作を次に
説明する。第６図は上記実施例の作用を説明する
簡略化した図であるが、フイードバー５の初期待
機位置Ｐが実線で示してある。

の動作 いま、材料を供給すべくスタートさせると、ま
ず横方向に移動するために空圧シリンダ３７がピ
ストンロツド３９及びラツク３５を上昇させ、こ
れによりピニオン２９が時計回り方向へ回転し、
カム本体１５のガイド溝１７内にある摺動子１９
がカム駆動体２１と共に左方向に揺動する。この
動きによりカム本体１５が左方向に平行移動させ
られ、フイードバー５も同じく左方向に移動す
る。

の動作 空圧シリンダ３７はピストンロツド３９を最上
位に保持したままで、次に流体シリンダ５９がピ
ストンロツド６１を下降させる。この動きによ
り、伝達リンク節５７と駆動リンク節４５が共に
回動してフイードバー５を下方に移動させる。

この下降の後、フイードバー５に取付けられて
いる保持装置１１が加工する材料や加工済みの材
料を吸着して保持する。

の動作 次に流体シリンダ５９がピストンロツド６１を
上昇させ、これに連動して伝達リンク節５７と駆
動リンク節４５を回動させ、フイードバー５を元
の高さまで上昇させる。

このとき、保持装置１１は材料を保持して上昇
する。

の動作 材料を保持したまま上昇しているフイードバー
５は、次に右に移動される。

この動作は、空圧シリンダ３７を駆動してピス
トンロツド３９を最上位から中間位置を越えて最
下位まで下降させ、ピニオン２９に左回転を与え
ることにより行なわれる。ピニオン２９が左回転
すれば、摺動子１９がカム駆動体２１と共に右へ
揺動し、カム本体１５が右に移動させられ、同時
にフイードバー５が右に移動させられる。

，の動作 流体シリンダ５９を駆動させることにより、上
記，の動作と同じ動きにより、フイードバー
５を下降、上昇させる。ただし、フイードバー５
が降下した状態で、保持装置１１は材料を離して
作業台上の所定位置に置き、また作業台から外へ
材料を排出する。

の動作 空圧シリンダ３７はピストンロツド３９を最下
位から元の中間位置まで上昇させる。これにより
ラツク３５とかみ合つているピニオン２９が右回
転し、溝カム機構を介してフイードバー５を元の
位置Ｐまで左へ移動させる。

このようにして、空圧シリンダ３７及び流体シ
リンダ５９を駆動源として、フイードバー５は材
料移送のために〜の動作を繰り返して行なう
ことができるのである。

尚、材料の保持装置１１は第７図に示すよう
に、フイードバー５から前方に延びる支持腕９７
にて支持されており、加工機の加工段数に応じた
個数がフイードバー５の所定の位置に取付けられ
るものである。

また、フイードバー５の横方向の移動量の調整
は、第５図におけるねじ棒２５を左又は右に回し
て角部材２７を軸３１に近づけるか軸３１から遠
去けることにより摺動子１９の偏心位置を調整し
て行なう。この場合、カム駆動体２１を水平状態
にしておくことにより、目盛板から偏心量を読み
取ることができる。

この考案は、以上のようにカム本体のガイド溝
にカム駆動体の摺動子を嵌合させてフイードバー
の往復動を可能にしているから、従来のチエーン
や接触カムによる間欠運動の実現の場合と違つ
て、カム駆動体の動きを確実にしかも高速でカム
本体に伝えることができ、フイードバーを高速で
動作させることができる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を使用したプレス
機の正面図、第２図はこの考案の一実施例の正面
図、第３図は同上の水平断面図、第４図は同上の
背面図、第５図は第２図における−線断面
図、第６図は同上の作用説明図、第７図は同上で
用いる保持装置の側面図である。 １……プレス機、３……作業台、５……フイー
ドバー、１１……保持装置、１５……カム本体、
１７……ガイド溝、１９……摺動子、２１……カ
ム駆動体、２９……ピニオン、３１……回転軸、
３５……ラツク、３７……シリンダ、３９……ピ
ストンロツド。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 作業台上に材料を供給し、加工された材料を
   作業台から排出するために、材料を保持自在の
   保持装置を備えたフイードバーを上下動自在か
   つ長手方向へ往復動自在に設けてなる加工機の
   材料供給装置にして、加工機に設けられたユニ
   ツト枠６５に、フイードバー５を長手方向へ移
   動自在に挾圧したガイドローラ４９，５１を上
   下動自在に設けると共に、ガイドローラ４９，
   ５１を上下動する上下作動装置５９を設け、前
   記フイードバー５に設けたカム本体１５に垂直
   なガイド溝１７を設け、前記ユニツト枠６５に
   設けられた水平な軸３１を中心としてフイード
   バー５の長手方向へ揺動自在に設けられたカム
   駆動体２１の偏心位置に、前記ガイド溝１７に
   係合した摺動子１９を設けてなり、かつ上記カ
   ム駆動体２１を揺動するための揺動作動装置３
   ７を、前記上下作動装置５９とは別個に設けて
   なることを特徴とする加工機の材料供給装置。 (2) カム駆動体２１に対し摺動子１９を位置調節
   自在に設けてなることを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項に記載の材料供給装置。