JPH0137555Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は金属製真空二重容器の肩部にこの肩部
を被覆する肩ケースを取り付けた真空金属製魔法
瓶に関する。

この種真空金属製魔法瓶において、肩ケースを
真空二重容器の肩部にそれを被覆して取り付ける
方法として従来実施されているのは、次の２方法
である。

第１の方法は、真空二重容器の外容器の肩部に
ビス受座を溶接し、肩ケースをこのビス受座にビ
ス止めする方法である。ところがこの方法によれ
ば、ビス受座溶接作業や肩ケースのビス止め作業
に人手と時間を多く費やし、作業能率が悪く、コ
スト高になるという欠点がある。

第２の方法は、前記外容器の外周にネジあるい
は突条を形成し、肩ケースを螺着あるいは無理嵌
めし、且つ回り止めとして外容器と肩ケースとの
間に接着剤を使用して両者を固定する方法であ
る。ところがこの方法によれば、前記外容器のネ
ジ切りなどの加工が煩雑となると共に、接着剤使
用による作業に時間を要し、作業能率が悪く、コ
スト高になるという欠点がある。又外容器のネジ
切りなどの加工を省略して、プレス形成によりネ
ジなどを形成する場合には、このネジを正確に形
成することが困難で、肩ケースのネジとの螺合が
確実には行なわれず、肩ケースを外容器に強固に
保持させることが難しくなるという問題がある。

本考案は上記従来例の欠点を是正し、特別な補
強部材を介さず肩部材を取付強度大に取り付ける
ことを目的とし、金属製の内容器と外容器よりな
る金属製真空二重容器を持つた真空金属製魔法瓶
において、前記外容器を胴部と肩部との接合で形
成し、この胴部と肩部の接合部それぞれに外向フ
ランジを形成して接合二重フランジをなし、この
外容器に胴部側から嵌合して前記接合二重フラン
ジに当接される保持リングと、肩部にその先端側
から嵌合して接合二重フランジに当接される肩ケ
ースとを設けると共に、保持リングと接合二重フ
ランジ、肩ケースと接合二重フランジに相互に係
合する回り止め部を形成し、保持リングに肩ケー
ス側からネジリングを螺締することにより肩ケー
スを接合二重フランジと共に保持リングとネジリ
ングとの間に挟持して肩ケースを前記接合二重フ
ランジと共に挟持て肩ケースを真空二重容器に取
り付けたことを特徴とするものである。

金属製二重容器は外容器の成形性を良くしたり
外容器自体を補強したりするため、その肩部と胴
部とを嵌合する必要があるが、本考案によれば、
肩部と胴部と外フランジを接合した接合二重フラ
ンジを利用して、補強部材なしでも強固に肩ケー
スを器体に結合することができるようにしたもの
である。

以下本考案を図面に示す実施例に基づき具体的
に説明する。

第１図及び第２図に示す第１実施例は、ステン
レス製真空二重容器１の肩部側に合成樹脂製肩ケ
ース２を、底部側に合成樹脂製底ケース３を夫々
取り付け、真空二重容器１の肩部に形成される瓶
口４をスクリユー栓５によつて閉栓すると共に、
前記肩ケース２に蓋兼用コツプ６を着脱可能に螺
合している。

真空二重容器１は外容器７と内容器８とからな
り、両者間には真空空間９が形成されている。外
容器７は肩部１０と胴部１１との接合で形成さ
れ、この肩部１０と胴部１１の接合部にそれぞれ
外向きフランジ１０ａ，１１ａを形成して、この
接合部において溶接されて接合二重フランジを形
成している。この接合二重フランジをなす外向フ
ランジ１０ａ，１１ａには位置決め兼回り止め用
の一対の係合凹部、すなわち第１係合凹部１２ａ
と第２係合凹部１２ｂを設けている（第２図）。
又前記胴部１１には強度を補強するための凸環状
コルゲーシヨン１４，１４…を多数設けている。
前記内容器８は丸胴部１と瓶口部１６とからな
り、両者は一体化されている。瓶口部１６はその
先端近傍において半径方向外方に拡開する段部１
７を有すると共に、その先端１８ａは前記肩部１
０の先端１８ｂに接合し、この接合部を熔接する
ことにより、外容器７と内容器８とを一体結合し
ている。

肩ケース２は、第２図に示す如く前記接合二重
フランジに肩部側から当接され、最大径の基端部
２７と先端に位置して半径方向内方に屈曲するよ
うに形成されたラツパ口状をなす注出口部２８と
を有し、且つ基端部２７からラツパ口状をなす注
出口部２８に向け漸次縮径するように構成されて
いる。

前記基端部２７の外面には雄ネジ１３を形成し
ている。

又基端部２７に隣接する部位３２は基端部２７
より若干小径に形成されているが、その外面にコ
ツプ螺合用ネジ３３を形成している。更に注出口
部２８の近傍部３４の外面にはスクリユー栓螺合
用ネジ３５を形成している。

前記基端部２７の端面の適所には、前記外向フ
ランジ１０ａ，１１ａの第１係合凹部１２ａに係
合する係合凸部２６を突設し、両者の係合によつ
て、肩ケース２の真空二重容器１に対する取り付
け位置を定めることができると共に、肩ケース２
が真空二重容器１の回りに回動することを阻止し
うるようにしている。

前記外向フランジ１０ａ，１１ａの後方（第１
図左方）には、外容器７に嵌合してこの外向フラ
ンジ１０ａ，１１ａに胴部側から当接するように
リング状の合成樹脂製保持リング１９を配設して
いる。この保持リング１９は第２図に示す如く、
その内径が前記外容器７の最大外径と略一致する
ように形成され、且つその外面に雄ネジ２０を形
成している。この雄ネジ２０の適所側面にはラチ
エツト爪係合突起２１，２１を形成している。

前記保持リング１９の外向フランジ１０ａ，１
１ａの側面には前記第２係合凹部１２ｂに係合す
る係合凸部２２を突設し、両者の嵌係合によつ
て、保持リング１９の真空二重容器１に対する取
り付け位置を定めることができると共に、保持リ
ング１９が真空二重容器１の回りに回動すること
を阻止しうるようにしている。

前記保持リング１９は真空二重容器１の底部か
ら嵌合され、第１図に示すように、外向フランジ
１０ａ，１１ａに胴部１１側から当接して軸方向
の動きを規制された状態で設けられる。又肩ケー
ス２も第１図に示す位置に配される。このとき前
述の如く保持リング１９及び肩ケース２は共に真
空二重容器１に対して回動不能の状態に配されて
いる。保持リング１９及び肩ケース２は、これら
の雄ネジ２０，１３に共通して螺合する合成樹脂
製ネジリング２５によつて連結合され、両者は真
空二重容器１にその外向フランジ１０ａ，１１ａ
を挟むようにして取り付けられる。

前記ネジリング２５は第２図に示すように、そ
の内周面２４に前記雄ネジ２０，１３に螺合する
雌ネジ２３を有すると共に、その側面所定位置
に、前記ラチエツト爪状係合突起２１，２１に係
合する楔状係合切欠３０，３０を設けている。又
このネジリング２５の基端側（第２図右端側）に
は内方フランジ５９を設けている。更にネジリン
グ２５の外面には吊紐を係止するための係止孔２
９を有する一対の係止部２９ａ，２９ａを突設し
ている。かくして、保持リング１９に前記ネジリ
ング２５を螺締することによつて、肩ケース２を
外向フランジ１０ａ，１１ａと共に挟持して、真
空二重容器１に取り付けることができる。しか
も、ネジリング２５の締結終了時には前記ラチエ
ツト爪状係合突起２１，２１と前記楔状係合切欠
３０，３０とが逆転不可に係合し、これによつて
ネジリング２５、肩ケース２、保持リング１９及
び真空二重容器１の四者の一体化が確実に為され
るようにしている。尚、ネジリング２５の締結終
了時に、前記内向フランジ５９は肩ケース２の基
端部２７の第１図の右端に形成された段部３１に
当接する。

前記肩ケース２を真空二重容器１に取り付ける
に際しては、真空二重容器１の瓶口端１８に断面
〓状且つ環状の瓶口パツキン３６を嵌着し、この
瓶口パツキン３６が肩ケース２のラツパ口部２８
と内容器８の段部１７との間に挟圧保持され、肩
ケース２と真空二重容器１との間のシールが確実
になされるようにしている。又この瓶口パツキン
３６はゴムなどの弾性材で形成されているため、
これが圧縮変形されたとき肩ケース２に第１図右
方向の弾発力を及ぼし、これによつて前記外向フ
ランジ１０ａ，１１ａと前記保持リング１９とが
圧着状態で相係合するようにしている。尚、この
瓶口パツキン３６は、その圧縮変形により、肩ケ
ース２と真空二重容器１との間の軸方向の寸法誤
差を吸収するという作用をも営むことができる。

前記肩ケース２のスクリユー栓螺合用ネジ３５
にはスクリユー栓５を着脱可能に螺合している。
本実施例のスクリユー栓５は外栓３７と中栓３８
とからなる二重構造栓であるが、外栓３７に前記
ネジ３５に螺合するネジ３９を設けている。

中栓３８は外栓３７に進退可能に螺合され、中
栓３８を回動し後退させることにより、中栓３８
と外栓３７との間に形成される注液通路４０が開
くようにしている。真空二重容器１内に給液する
ときや、残留液処理のときは、外栓３７の真空二
重容器１に対する螺合を解き、スクリユー栓５全
体を取り外せばよい。４１，４２はＯリング、４
３は断熱材である。

前記肩ケース２のコツプ螺合用ネジ３３にはコ
ツプ６を着脱可能に螺合している。このためコツ
プ６の端部内面に前記ネジ３３に螺合するネジ４
４を設けている。

前記真空二重容器１の外容器７の底部に取り付
けられる底ケース３は、コツプ形状に形成される
と共に、吊紐を係止するための係止孔４５を有す
る係止部４５ａを突設している。

第３図に示す第２実施例は、第１実施例と略同
様に構成されるが、第１実施例と異なり、肩ケー
ス２の基端部２７に雄ネジを設けず、これに代え
て端縁に外向フランジ４６を設けている。本実施
例によればネジリング２５を保持リング１９に螺
合し、これを締結することにより、ネジリング２
５の内向フランジ５９ａと前記外容器７の外向フ
ランジ１０ａ，１１ａとの間に前記肩ケース２の
外向フランジ４６を挟着保持することができ、こ
れによつて肩ケース２を真空二重容器１の所定位
置に締着することができる。

本考案は上記構成、作用を有するので、次ぎの
ような効果を奏することができる。

外容器の肩部と胴部との接合部をなす強固な接
合二重フランジを利用し、これに胴部側から当接
される保持リングと、この保持リングに螺合する
ネジリングとの２つの部材によつて、肩部側（保
持リングとは反対側）から接合二重フランジに当
接される肩ケースの一部と接合二重フランジとを
押付け合せるように挟持してそれら各部材を真空
二重容器に締結し一体化できる。また肩ケースと
真空二重容器との間に補強部材を介する必要がな
く、しかも前記締結は保持リング、接合二重フラ
ンジ、肩ケースの３者による回り止め状態のもと
で確実に行われる。

したがつて本考案によれば、肩ケースを真空二
重容器の所定位置に確実強固に取付けることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例の一部切欠正面
図、第２図はその主要構成部品を分解した状態で
示す一部切欠斜視図、第３図は本考案の第２実施
例の要部の縦断正面図である。 １……真空二重容器、２……肩ケース、７……
外容器、１０ａ，１１ａ……外向フランジ、１２
ａ……第１係合凹部、１２ｂ……第２係合凹部、
２２，２６……係合凸部｝（回り止め部）、１９…
…保持リング、２５……ネジリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 金属製の内容器と外容器よりなる金属製真空二
   重容器を持つた真空金属製魔法瓶において、前記
   外容器を胴部と肩部との接合で形成し、この胴部
   と肩部の接合部それぞれに外向フランジを形成し
   て接合二重フランジをなし、この外容器に胴部側
   から嵌合して前記接合二重フランジに当接される
   保持リングと、肩部にその先端側から嵌合して接
   合二重フランジに当接される肩ケースとを設ける
   と共に、保持リングと接合二重フランジ、肩ケー
   スと接合二重フランジに相互に係合する回り止め
   部を形成し、保持リングに肩ケース側からネジリ
   ングを螺締することにより肩ケースを接合二重フ
   ランジと共に保持リングとネジリングとの間に挟
   持して肩ケースを真空二重容器に取付けたことを
   特徴とする真空金属製魔法瓶。