JPH01318657A - 防音床 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は建築において建物内居室上下間（界床）に係わ
る床衝撃音を軽減させるための装置を設けた防音床に関
する。

〔従来の技術〕

従来、床衝撃音を軽減させる目的で、建物躯体の床スラ
ブ（以下「スラブ」と省略）の上に防振支持された浮き
床を施工する様々な防音床工法が試みられており、いず
れも軽量衝撃源による中・高音域の床衝撃音に対しては
有効であるが、重量衝撃源による低音域の床衝撃音に対
しては十分な効果が得られていない。その原因は、低音
域の床衝撃音が主として重量衝撃源によって励振される
スラブの低次の振動モードに起因して発生するからで、
従来の浮き床による防音床工法はこの振動モードに対し
てほとんど無効だったからである。

このスラブの振動モードを対象にした床衝撃音軽減対策
としては、従来、スラブの剛性を強化するため、スラブ
の厚みを増したり、小梁の数を増やしたり、あるいは中
空スラブやリブ付きスラブを用いたりする方法がとられ
ていた。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかるに、これらの方法で有意な効果を得るにはいずれ
もスラブ単位面積当り重量のかなりの増加を伴った。こ
の重量増加は直ちに建物躯体構造に影響を及ぼして建物
全体の重量増加と費用上昇を招き、特に事後対策として
は対処困難な場合が多い。

本発明は、上述のような問題点を解決することを目的と
したものである。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は、前記の目的を達成するため、スラブ上に空間
をとって剛性の高いスラブ周辺部または振動しにくいス
ラブの振動モードの節の位置で支持されるようにした上
部床を設け、その床下空間の上部床側に動吸振器を付設
するようにした。なお、この上部床は防振ゴム等を介し
て防振支持された浮き床であってもよい。

〔作　　用〕

動吸振器をある共振系に添加した場合の割振作用は、動
吸振器がある質点系の共振に対し反共振するように働き
、ある共振系の共振時におけるインピーダンス低下を抑
制するからである。本発明は、この作用をスラブの振動
モードの共振時におけるインピーダンス低下を抑えるの
に応用した。

すなわち、スラブは大局的に無限大インピーダンスに連
結された等価質量Ｍｓ、等価ばね定数Ｋｓ、等価抵抗Ｒ
ｓの要素からなる直列回路とみなせるので、そのインピ
ーダンスＺｓは（１）式の共振固有振動数ｆｓで極小と
なる。

一方、動吸振器はＭｓに連結された質量Ｍｄ、ばね定数
Ｋｄ、抵抗Ｒｄの要素からなる並列回路とみなせるので
、そのインピーダンスＺｄは（２）式の反共振固有振動
数ｆｄで極大となる。

従って、ｆｄ　＝　ｆｓとなるように動吸振器の要素を
調整すれば、動吸振器が付設されたスラブのインピーダ
ンス（Ｚｓ＋Ｚｄ　）は、共振固有振動数ｆｓにおいて
Ｚｓ＜＜Ｚｓ＋Ｚｄとすることができ、結果的にスラブ
の振動が抑えられ、そのスラブから放射される音も抑え
られることになる。

さらに、本発明は動吸振器が居室の床として邪魔になら
ないよう、スラブの上に空間をとって支持された上部床
の床下に付設するようにした。また、上部床の支持点は
、上部床にかかる衝撃加振力がスラブの振動しやすい振
動モードの腹の位置に直接加わらないよう、スラブの周
辺部あるいは振動モードの節の位置に設置するようにし
である。

〔実　施　例〕

以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細に説明する
。

第１図は本発明を鉄筋コンクリート構造の建物の浮き床
下に応用した例で、ｌはスラブ、２はスラブ１と結合す
るとともにスラブ１を支える躯体の梁または壁、３は床
下空間６を持った上部床の床板で、根太４ａ、４ｂ及び
防振ゴム台５によって梁または壁２の近傍で支えられて
いる。ここで、根太４ａはスラブ１の両端の支点間を架
は渡すのに十分な長さと剛性を備えていなければならな
い。

根太４ｂは根太４ａ間を結合し補強する部材である。

この状態で、今、床板３の上を人が飛び跳ねたりすると
、その衝撃加振力９は床板３に加わり、さらに根太４ａ
、４ｂ、防振ゴム台５、床下空間６を介してスラブ１へ
伝わる。この時、加振力は一般に幅広い振動パワースペ
クトラムを持っているため、スラブ１の共振固有振動数
ｆｓを励振し、ｆｓを主成分とする放射音１０を階下に
放出して不快感を与える。

動吸振器はこの放射音１０を軽減させる作用を持ち、図
の添加荷重７と、ばねと抵抗の要素を持つばね台８およ
び支承具１１によって構成される。

添加荷重７は質量間を提供するもので剛性の高い材料が
望ましく、コンクリートブロックや鋼材片等が適当であ
る。ばね台８は適当なばね定数Ｋｄと抵抗Ｒｄとを提供
すると共に添加荷重７を支えるもので、防振ゴム、金属
スプリング等の防振台が適当である。抵抗Ｒｄはクーロ
ン摩擦減衰抵抗体、粘性減衰抵抗体、構造減衰抵抗体、
あるいは各種ダンパー等で、一般にはばね台８に含まれ
るが、別個に取付けてもよい。支承具１１はばね台８を
支承するための用具で、鋼材片等充分堅牢な材料が望ま
しく、根太４ａあるいは４ｂに固着される。

このように動吸振器を取付けることにより、衝撃加振力
９で加振された浮き床の床板３から根太４ａ、４ｂおよ
び床下空間６を介してスラブ１へ伝わる加振力は、作用
の項で述べた作用によって制御されるので、スラブ１よ
り放出される放射音１０は軽減されたものとなる。

第２図は、実験用スラブによって確認された動吸振器の
効果を示すｌ実施例である。

供試体の構成は概ね第１図と同じであるが、実験の便宜
上スラブおよびその周辺を固定する梁はプレキャストコ
ンクリートによって造られた。

実験に使用した動吸振器は質量Ｍｄ＝３２ｋｇのもの２
台で、質ｉ１Ｍｄはばね定数Ｋｄと抵抗Ｒｄとの要素か
らなる防振ゴム台によって支えられている。対象とした
共振固有振動数ｆｓは約４０Ｈｚなので、反共振固有振
動数ｆｄも約４０Ｈｚに調整された。

図は上部床上をタイヤ落下によって加振した場合のスラ
ブ上の振動加速度レベルを計測したもので、動吸振器の
付設により共振固有振動数ｆｓの山が著しく減少してお
り、上部床上に衝撃加振力が加わった場合、この領域で
の床衝撃音が軽減されることを意味している。

〔発明の効果〕

本発明は、スラブとの間に空間を持つ上部床の床下に動
吸振器を付設するのみでスラブに係る振動を制御し、床
衝撃音を軽減させることができる。

また、動吸振器は床下空間に付設されるので、目ざわり
になったり邪魔になったりすることがない。

本発明は、単に床衝撃音のみならず、スラブに伝わる床
衝撃加振力以外の外来振動によるスラブの振動も制御す
ることができるので、その外来振動によって上下の居住
者や精密機械等に悪影響を及ぼす振動や放射音を軽減さ
せることができる。

本発明は、スラブに与える重量増加が概ね動吸振器の添
加荷重のみなので軽微であり、従来のスラブの振動制御
法のように躯体構造に荷重負担をかけることがなく、ま
た対象とするスラブの固有振動数に直接効果的に作用す
るので、簡単、低度かつ高性能である。

本発明における上部床は、その支持部に防振ゴム等を挿
入して浮き床とすれば、床衝撃音および外来振動に対す
る防音・防振性能をさらに向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の詳細な説明するもので、ｆａｔは一
部を割截した平面図、（ｂｌは（ａ）のＡ−Ａ断面図、
第２図は、本発明の基本的効果を示す実験結果で、供試
体上部床を衝撃加振した場合の、スラブの１７３オクタ
一ブバンド中心周波数に対する振動加速度レベルを示す
。 １・・・スラブ、２・・・梁または壁、３・・・上部床
の床板、４ａ・・・根太（支点間用）、４ｂ・・・根太
（結合用）、５・・・防振ゴム台、６・・・床下空間、
７・・・添加荷重、８・・・ばね台、９・・・衝撃加振
力、　ＩＯ・・・放射音、１１・・・支承具。 第２図 トーー→動吸振器あり Ｃ−一→動吸振器なし

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）建物躯体の床スラブの上に空間をとって、床スラ
   ブの周辺部または床スラブの振動モードの節の位置で支
   持されるようにした上部床を設け、その床下空間の上部
   床側に、床スラブの固有振動数と整合させるように調整
   した、添加荷重、ばねおよび抵抗の組合せからなる動吸
   振器を付設したことを特徴とする防音床。