JPH0131148Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はいわゆるエアーポツトあるいは電動ポ
ツトと称される液体汲上式の液体容器に関するも
のである。

従来のこの種の液体容器にあつては、液体容器
全体が縦長でしかも液容器内液体を注出するため
の注出管注口が上方位置に開口し、ているため
に、液容器内液体注出時にはコツプ等の受液容器
を持ち上げた状態で注液しなければならずその注
液作業が面倒であつた。又、この従来の液体容器
では幼児が誤つて注口から口で吸引した場合に液
容器内の熱湯が吸い上げられて大火傷を負う危険
があつた。

尚、従来のポンプ注液式液体容器の中には液体
を下方に導く注出補助管を使用して低位置から液
体を注出するようにしたもの（たとえば実開昭49
−148281号公報、実開昭52−105159号公報等）が
あるが、これらの従来例のものは、いづれも注出
補助管がそのまま外部に露出しているため、該注
出補助管に誤つて何らかの物体又は人体（手）が
接触して該注出補助管を脱落させたり又は該注出
補助管の上端が注出管注口から外れて熱湯を周囲
に飛散させたりするおそれがある。

本考案は、上記の如き従来の液体容器の問題点
に鑑み、液体注出口を下方に延出させて低注出口
型とするとともに、幼児の注出口からの熱湯吸引
を防止し得るようにする一方、注出補助管が他の
物体又は人体（手）からの衝撃により不測に脱落
したり注出管の注口から外れたりすることのない
ようにしたポンプ注液式の液体容器を提供するこ
とを目的としてなされたものであり、かかる目的
を達成するために、液容器を内蔵した外ケースの
上部に、液容器内液体を導出するための注出管の
注口を下向きに開口させ、さらに前記注出管注口
に、該注出管とは別体で且つ下方に延びる注出補
助管の上部開口を該注口との間で通気用の隙間を
隔てた状態で臨ませるとともに、前記注出補助管
は、側壁と前壁とをそなえたパイプカバー部材内
にあつてしかも該側壁及び前壁に直接接触するこ
とがないようにその周囲に隙間を隔てた状態で該
パイプカバー部材によりその両側方及び前方が覆
蓋されるようにしたことを特徴とするものであ
る。

以下、図示の実施例に基づいて本考案の液体容
器を説明すると、第１図ないし第３図に示す実施
例の液体容器は、外ケース４内に液容器５を収容
し該外ケース４の上部に肩部材６を載置固定して
なる液体容器本体１と、内側にエアーポンプ９を
収容してなる蓋体２と、液体汲上管１１及び液体
注出管１２を相互に連通状態で取付けてなる栓体
８とによつて構成されている。

液容器５は、瓶胴径が大きく瓶高が低い真空二
重瓶からなるいわゆる胴太瓶が採用されている。

液容器５の肩部５ａの上方には外ケース４内方
で肩部材６より下方に比較的大きな環状空間部２
２が形成されている。

肩部材６のほぼ中央部には詮差込穴７が形成さ
れており、該詮差込穴７には栓体８が脱落自在に
嵌装されている。

液体容器本体１の上部には蓋体２が蝶番３によ
りて枢動開閉自在に枢着されている。尚、この蝶
番３は液体容器本体１の後側に設けられている。

蓋体２の内側にはベローズ式のエアーポンプ９
が収容されている。このエアーポンプ９はポンプ
天板の上部に配置されたポンプ操作板１０によつ
て押圧駆動される。

エアーポンプ９は、閉蓋時には栓体８内に形成
した通気路１７を介して液容器５内と気密的に連
通するようになつている。

栓体８には、下方に延びる液体汲上管１１と横
方向に延びる液体注出管１２とが取付けられてお
り、該汲上管１１と注出管１２とは栓内通水路１
６を介して連通させている。液体汲上管１１の下
端は液容器５内の底部付近に開口させている。液
体注出管１２は液体容器本体１の前側に向けて突
出せしめられており、該注出管１２の注口１３は
外ケース４の前面４ａ側上部付近において下向き
に開口せしめられている。又、この注出管注口１
３は肩部材６の前側寄りに形成した開孔部２３か
ら下方に突出させている。

外ケース４の前面４ａにはその裏側に縦長平板
状の補強用座金１８が当接せしめられており、該
外ケース前面４ａ及び座金１８にはその各上端か
ら下方に向けてそれぞれ縦長の切欠溝１９及び２
０が形成されている。外ケース前面４ａに形成し
た切欠溝１９内の上端付近には前記注出管１２の
注口１３を臨ませている。

注出管注口１３の下方には、注出管１２とは別
体で且つ下方に延びる注出補助管１４の上部開口
３２ａを該注口１３との間で隙間Ｔを隔てた状態
で臨ませている。

注出補助管１４は、略Ｌ字状の管本体３１と該
管本体３１の上端に接続されるシリコンゴム等の
弾性体からなるラツパ状の連結管３２とによつて
構成されている。尚、該連結管３２は蛇腹状に形
成されており、注出補助管１４をそれを囲繞する
パイプカバー部材１５に取付けた際に該蛇腹部に
よつて連結管３２の上部開口部３２ａのシール性
を向上させるようにしている。

パイプカバー部材１５は、外ケース４の前面４
ａに取付けられる縦長のパイプ取付台３５と該パ
イプ取付台３５の前面を覆蓋する蓋３６によつて
構成されている。

パイプ取付台３５は、外ケース前面４ａの切欠
溝１９周縁に固定される縦長Ｕ型の枠部３７と注
出補助管１４を支持するための縦長のパイプ受部
３８とをその上部の連結板３９で連結して一体形
成している。該パイプ受部３８は略Ｌ字状に形成
されており、その上半部３８ａは枠部３７の後面
より後方に突出し、その下半部３８ｂは適宜長さ
だけ斜め前方に突出するような棚部となつてい
る。尚、このパイプ受部棚部３８ｂは注出補助管
１４の管本体３１を安定的に載置させるために樋
状に形成されている。パイプ受部上半部３８ａの
前面には注出補助管１４保持用の保持具４０を掛
止するためのＬ形突起４１が突設されている。又
パイプ受部棚部３８ｂの下面には蓋３６を固定す
るためのビス止め用ボス４２が下方に突設されて
いる。パイプ取付台３５の上部の連結板３９には
前記注出管注口１３を挿通させるための穴４３が
形成されている。この穴４３の内径は注出管注口
１３の外径よりやや大きくされており、注出補助
管１４は注口１３との間の隙間Ｔ及び穴４３を通
して外気と連通せしめられている。即ち、このよ
うに注出補助管１４の上端側を外気に連通させて
おくと、誤つて幼児が注出補助管１４の下端開口
３３を吸つても液容器５内の熱湯が吸出されるこ
とがなく、不測の事故を未然に防止することがで
きる。連結板３９にはその前端部に後述する蓋３
６の上端に形成した係合突起４６を係入するため
の受溝４４が形成されている。パイプ取付台３５
の枠部３７の側壁３７ａの内側面には蓋３６の後
部に形成されたＬ形係合片４７を係合するための
一対の突起４５，４５が突設されている。

このパイプ取付台３５はその枠部３７に座金１
８の裏側からビス３０をネジ込むことにより外ケ
ース前面４ａの切欠溝１９周縁部に固定されてい
る。尚パイプ取付台３５の連結板３９に形成した
穴４３は前記肩部材６に形成した開孔部２３と合
致するようになつている。

注出補助管１４は、その管本体３１の下半部
（横曲部）３１ｂをパイプ受部３８の樋状受部３
８ｂ上に載置させた状態では該管本体３１上端の
連結管３２の開口部３２ａがパイプ取付台３５の
連結板３９に形成した穴４３の開口縁下面に圧接
されるようにその形状が決められている。又この
注出補助管１４はその管本体３１の上半部３１ａ
の適所を弾性保持具４０によつて保持させること
によりパイプ受部３８に着脱自在に取付けられて
いる。この保持具４０は前記パイプ受部３８の上
半部３８ａ前面に突設されたＬ形突起４１に掛止
される板状の取付片４０ａと該取付片４０ａに一
体に突設された円弧状内面をもつ一対の弾性腕片
４０ｂ，４０ｂとによつて構成されており、前記
Ｌ形突起４１に取付片４０ａを掛止し、両腕片４
０ｂ，４０ｂ間に管本体上半部３１ａの適所を嵌
入させることにより注出補助管１４を保持させる
ことができるようになつている。注出補助管１４
を保持させた状態では、その管本体３１の横曲部
３１ｂがパイプ受部３８の樋状棚部３８ｂ上に載
置されるとともに該管本体上端の連結管３２の上
端開口部３２ａが前記注出管注口１３と連通状態
で前記パイプ取付台３５の連結板３９に形成した
穴４３の開口縁下面に圧接するようになつてい
る。尚、この注出補助管１４は、弾性保持具４０
によつて前後左右方向の移動が規制されるととも
に連結板３９の下面とパイプ受部３８の樋状棚部
３８ｂとの間で挟着されているため上下方向の移
動も規制されており、安定した状態でパイプ取付
台３５に固定されている。

パイプカバー部材１５の蓋３６は両側壁３６
ａ，３６ａと前壁３６ｃを有し且つ後方が開口す
る形状とされており、該蓋３６は注出補助管１４
の外側からパイプ取付台３５の前面にかぶせられ
ている。この蓋３６の上端には係合突起４６が突
設され、該蓋３６の両側壁３６ａ，３６ａの後端
にはＬ形係合片４７，４７が形成されている。
又、蓋３６の底部に設けた底板３６ｂにはビス穴
４８が形成され、さらに該底板３６ｂの前端には
注出補助管１４の下端開口３３を下方に露出する
ための切欠口４９が形成されている。この蓋３６
は、その上端の係合突起４６をパイプ取付台３５
の上部に形成した受溝４４内に係入させるととも
に側壁３６ａ後端のＬ形係合片４７，４７をパイ
プ取付台枠部３７の側部内側面に形成した突起４
５，４５に下方から係合させ、さらに底板３６ｂ
に形成したビス穴４８を通してビス５０を前記パ
イプ受部横曲部３８ｂの下面に形成したボス４２
に螺合させることにより該パイプ取付台３５に対
して固着されている。尚この蓋３６はビス５０を
取外すことによりパイプ取付台３５から離脱する
ことができるようになつており、該蓋３６を取外
せば注出補助管１４をパイプ取付台３５から取外
すことができる。

尚、注出補助管１４は、パイプカバー部材１５
の両側蓋（蓋３６の側壁３６ａとパイプ取付台３
５の枠部３７の側壁３７ａの合成壁）と前壁（蓋
３６の前壁３６ｃ）によつてその前方及び側方を
覆蓋され、しかも該注出補助管１４と前記両側壁
３６ａ，３７ａ並びに前壁３６ｃとの間には隙間
Ｓが形成されてそれらが直接注出補助管１４と接
触しないようにされていて、パイプカバー部材１
５に加わる衝撃が直接注出補助管１４に加わるこ
とがないようにされている。

注出補助管１４の下端開口３３はその下方に急
須又はコツプ等の受液容器５１を配置するのに必
要な液体容器本体１の底面から垂直距離Ｈ及び外
ケース４の前面までの水平距離Ｄを有する位置に
開口せしめられている。

この注出補助管１４の下端開口３３と外ケース
４の前面との間に形成される隙間S′は前記底板３
６ｂによつて閉塞されるため、この隙間S′からゴ
キブリ等の小動物が侵入するのを防止することが
できる。

この実施例の液体容器では、パイプ受部３８の
一部（パイプ受部上半部３８ｃ）が外ケース前面
４ａ及び座金１８の各切欠溝１９及び２０から内
方（空間部２２内）に嵌入せしめられているた
め、パイプカバー部材１５の前側面（蓋３６の前
壁３６ｃ）をその嵌入せしめられた部分の範囲だ
け内方に後退させた状態で取付けられている。
尚、切欠溝１９及び２０を形成しないで注出補助
管１４を取付ける場合には、パイプカバー部材１
５の前側面が鎖線Ａで示すように液体容器の前側
に大きく突出し外観上好ましくない。

次に図示の液体容器の作用を説明すると、ポン
プ操作板１０を押圧するとエアーポンプ９からの
加圧空気が栓内通気路１７を通つて液容器５内に
吹き込まれ、その加圧空気によつて液容器５内の
液体Ｗが汲上管１１、栓内通水路１６、注出管１
２を通り、さらに注出補助管１４を経てコツプ等
の受液容器５１に注がれる。この場合、液容器内
液体Ｗの出口となる注出補助管１４の下端開口３
３が液体容器を載置した床面上に置かれた受液容
器５１に近い位置に開口しているので、受液容器
５１を床面に置いたままで注液作業を行うことが
できる。又、注出管注口１３から注出補助管１４
内に吐出された液体Ｗは、該注出補助管１４の連
結管３２の上端開口部３２ａが肩部材６に形成し
た開孔部２３にパイプ取付台連結板３９の穴４３
を介して圧接させているために該開孔部２３から
漏水することがない。又、液容器内液体Ｗが少な
くなると、注出管１２の注口１３から気液が混合
して噴出するいわゆるスプラツシユ現象が起る
が、注出管注口１３を注出補助管１４の上端開口
（連結管３２）内に臨ませているため、注出補助
管下端開口３３からはスプラツシユ現象が起らな
いようになつている。尚、パイプカバー部材１５
の蓋３６を取外せば注出補助管１４はワンタツチ
で脱着することができ、必要に応じて注出補助管
１４を取外して洗浄することができるようになつ
ている。

続いて本考案の効果について説明すると、本考
案の液体容器は次のような効果がある。

(1) 液容器内液体Ｗを注出するための注出管注口
１３の下方に該注口１３と連通する注出補助管
１４を連設しているので、液容器内液体注出時
に、コツプ等の受液容器５１を床面に置いたま
まで注液操作を行うことができしかも受液容器
５１に手を添えずに注液することができるので
受液容器５１内に注がれる熱湯のはね返りによ
る火傷を負うことがない。

(2) 注出管注口１３に、該注出管１３とは別体で
且つ下方に延びる注出補助管１４の上部開口３
２ａを該注口１３との間で通気用の隙間Ｔを隔
てた状態で臨ませているので、幼児が誤つて注
出補助管１４の下端開口３３を吸つた場合でも
液容器５内の熱湯を吸出すことがなく安全であ
るとともに、ポンプ操作時において液容器５内
の残液が少なくなつたときに生じるスプラツシ
ユ現象（液体が気液混じりで勢いよく噴出する
現象）を注出補助管１４の下端開口３３部分で
防止し得るほか、注液時に誤つてサイフオン作
用による連続注出が起きることがない。

(3) 注出補助管１４を、側壁３６ａ，３６ａと前
壁３６ｃとをそなえたパイプカバー部材１５内
にあつてしかも該側壁３６ａ，３６ａ及び前壁
３６ｃに直接接触することがないようにその周
囲に隙間Ｓを隔てた状態で該パイプカバー部材
１５によりその両側方及び前方が覆蓋するよう
にしているので、注出補助管１４に他の物体や
人体（手）等が接触したり衝撃が加わつたりし
て該注出補助管１４が不測に脱落するというこ
とがなくなるとともに、液体注出中には注出補
助管１４はかなり熱くなるが、その熱はパイプ
カバー部材１５にはほとんど伝達されず、従つ
て手などがパイプカバー部材１５に接触しても
熱くなくしかも比較的熱くなる注出補助管１４
には手などが接触することがないので、注出補
助管１４による火傷の危険がなくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例にかかる液体容器の縦
断面図、第２図は第１図の−断面図、第３図
は第１図の液体容器の一部分解斜視図である。 １……液体容器本体、２……蓋体、４……外ケ
ース、５……液容器、６……下口部材、１２……
注出管、１３……注口、１４……注出補助管、１
５……パイプカバー部材、２３……開孔部、３２
……連結管、３６ａ，３７ａ……側壁、３６ｃ…
…前壁、Ｓ……隙間、Ｔ……隙間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 液容器５を内蔵した外ケース４の上部に、液容
   器内液体Ｗを導出するための注出管１２の注口１
   ３を下向きに開口させ、さらに前記注出管注口１
   ３に、該注出管１２とは別体で且つ下方に延びる
   注出補助管１４の上部開口３２ａを該注口１３と
   の間で通気用の隙間Ｔを隔てた状態で臨ませると
   ともに、前記注出補助管１４は、側壁３６ａ，３
   ６ａと前壁３６ｃとをそなえたパイプカバー部材
   １５内にあつてしかも該側壁３６ａ，３６ａ及び
   前壁３６ｃに直接接触することがないようにその
   周囲に隙間Ｓを隔てた状態で該パイプカバー部材
   １５によりその両側方及び前方が覆蓋されるよう
   にしたことを特徴とする液体容器。