JPH0129553Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 イ 産業上の利用分野 本考案は圧力計に関する。

ロ 従来技術 従来、携帯用ガス圧力計において、図面に示す
ように、被計測ガスを導入管１より導入して、そ
のガス圧力にてチヤンバーベローズ２を膨張さ
せ、その膨張移動量に応じてレバー３を図示矢印
方向へ揺動させて伝達機構を介してギヤー４を回
動し、その回動をギヤー５を介して指針６に伝達
して、導入したガス圧力に対応する量だけ指針６
を回転して目盛板７とにより被計測ガスの圧力を
測定するようにしたものがある。このような圧力
計を安価に製作する上からチヤンバーベローズ２
を温度の高低によつて伸縮する安価な材質で形成
したものにおいては、測定季節や場所等におい
て、その環境温度が変化すると、被計測ガスの圧
力が同じであつてもチヤンバーベローズ２の伸長
量が異なり計測誤差が生ずる。すなわち、測定時
の環境温度が機器調整時の温度より高い場合は、
指針が正状な圧力より高い圧力の目盛を示し、温
度が低い場合は低い圧力の目盛を示す。そのた
め、この温度による誤差を補正する必要があるこ
とから、従来、目盛板７を正逆回転可能に設け、
別に、環境温度の変化による補正量を表わした補
正表を用意し、この補正表に基づいて、目盛板を
回転して補正する方法もあるが、この方法による
と、その圧力計の特性に合つた補正表を持ち歩か
なければならない上に、測定時にその補正表を見
なければならない不便がある。

ハ 考案の目的 本考案は、前記の目盛板を回転可能に設けると
共に該目盛板に、環境温度によつて生ずる誤差を
補正する目盛を記載して、誤差の補正作業を容易
にすることを目的とするものである。

ニ 考案の構成 本考案は前記の目的を達成するために、目盛板
７を、指針軸部を中心として回転可能に設けると
共に器体外部には、該目盛板７を回転する操作つ
まみ１０を設け、しかも目盛板７には、温度表示
文字と、該表示された文字の温度に該当する環境
温度時の表示誤差分だけ零目盛１３より増減して
表示した指示線よりなる補正目盛１２を記載した
ことを特徴とするものである。

ホ 実施例 次に図面に示す本考案の実施例について説明す
る。１乃至６は前記のような構造で、周知構造で
あるのでその重複説明を省略する。７は目盛板
で、圧力計本体カバー８と前面カバー９との間
に、指針軸部を中心として正逆回転可能に備えら
れている。目盛板７の上部には突片部７ａが一体
形成され、該突片部７ａを圧力計本体外部へ突出
させてその先端に操作つまみ１０が固着されてい
る。該操作つまみ１０は、第１図の矢印方向に、
すなわち目盛板７の回転方向に正逆回動できるよ
うに備えられている。１１は目盛板７の押え用板
ばねである。１２は目盛板７の表面に、零目盛付
近に位置して記載した補正用目盛である。この補
正用目盛１２は、環境温度の変化によつて、チヤ
ンバーベローズ２等に作動変化を招き、指針７に
指示誤差を生ずる量を、本来の零目盛１３より加
減して設けられている。すなわち、例えば、使用
頻度が多い常温の平均温度が20℃であれば、零目
盛１３の内側に図示の如く「20℃」の文字１２ａ
とその指示線１２ｂを記載し、環境温度が０℃の
場合に、前記20℃の場合と比較して２mm／H₂O
分だけ少ない測定誤差を生ずる場合には、図示の
如く零目盛１３より２mm／H₂O分だけ多い目盛
部に「０℃」の文字とその指示線を記載し、更
に、環境温度が40℃の場合に、前記20℃の場合と
比較して２mm／H₂O分だけ多く測定誤差を生ず
る場合には、図示の如く零目盛１３より２mm／
H₂O分だけ少ない目盛部に「40℃」の文字とそ
の指示線を記載する。尚、同温度下における指示
誤差は、測定圧が低い程小量であり、測定圧が高
い程大量となるが、通常圧力計は、その全目盛を
常に使用するのではなく、一定の小範囲の目盛に
よつて微少な圧力変化を測定するものであるか
ら、その範囲での指示誤差を補正できるように補
正目盛１２を設定すれば、測定誤差の補正は十分
正確に行なえる。また、図面に示す実施例におい
ては０℃、20℃、40℃の場合を示したが、更に10
℃、30℃等必要に応じて補正目盛を記載してもよ
い。

ヘ 作用 次に図面に示す実施例においてその測定作業を
説明する。環境温度が20℃である場合には、その
大気圧下において指針６の先端が位置する部分に
零目盛１３が合致するように目盛板７を、つまみ
１０によつて回転させる。これによつて、その環
境温度下では、補正されないまゝ目盛板７の目盛
によりガス圧力を測定できる。また環境温度が０
℃の場合には、その大気圧下において指針６の先
端が位置する部分に補正用目盛１２の「０℃」の
指示線が合致するように目盛板７を、つまみ１０
によつて回転させる。このように予め誤差量（２
mm／H₂O）分を補正しておくことにより、その
指針７が示す目盛を読むことにより温度誤差が補
正された真値を測定できる。また環境温度が40℃
の場合も前記と同様な操作により温度誤差を補正
した真値を読み取ることができる。尚環境温度が
30℃の場合は、補正用目盛１２の「20℃」と「40
℃」の中間位置に指針６が位置するように目盛板
７を回転して設定すればよい。

ト 考案の効果 以上のように本考案は、目盛板７を回転可能に
設けると共に該目盛板７に環境温度による誤差を
補正する補正用目盛１２を記載したから、測定時
の環境温度に対応する補正用目盛１２が大気圧下
の指針６の位置に合致するように目盛板７を予め
回転して設定しておくことにより、測定時には単
に指針が表示する目盛を読み取るのみで、環境温
度変化によつて生ずる器差を補正した真値を測定
することができ、従来のように環境温度に対応す
る補正表を用いて測定するものに比べ、その測定
作業が極めて容易となるもので、実用上有効なも
のである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
正面図、第２図は側断面図である。 ６……指針、７……目盛板、１０……操作つま
み、１２……補正用目盛、１２ａ……温度表示文
字、１２ｂ……指示線、１３……零目盛。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 目盛板７を、指針軸部を中心として回転可能に
   設けると共に器体外部には、該目盛板７を回転す
   る操作つまみ１０を設け、しかも目盛板７には、
   温度表示文字と、該表示された文字の温度に該当
   する環境温度時の表示誤差分だけ零目盛１３より
   増減して表示した指示線よりなる補正目盛１２を
   記載したことを特徴とする圧力計。