JPH0126659Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、複写機等における原稿自動送り装置
に関するものである。

［従来の技術］ 第１図は従来の原稿自動給紙装置を示すもの
で、図示しないスイツチを閉じることにより、軸
流フアン１、送給ローラ２を回転させる。する
と、軸流フアン１により空気流通室３を介して原
稿４を収容している原稿収容部８上の空気が吸上
げられ、そのため原稿収容部８に収容されている
原稿４が空気流通室３下面に吸着され、送給ロー
ラ２により正転ローラ５とこれに近接して設けら
れた逆転ローラ６の間に送られる。正転ローラ５
は原稿を送り出す方向即ち右方向に移送する方向
に回転しており、逆転ローラ６は原稿が２枚送ら
れてきた場合に、下の原稿が送られないように原
稿を戻す方向即ち左側に送るように回転している
ので、原稿が一枚入つて来た正常の場合は、原稿
は表裏を逆方向にローラにより擦られることにな
り、原稿表面が汚される恐れが生ずる。これは原
稿が右方向に送られて一対の給紙ローラ７，７′
に挟持されるまでの間即ちｌの距離を通過中擦り
が生じていることによるためである。なお、逆転
ローラ６を回転しない停止部材例えば停止ローラ
としてある場合でも原稿表裏の擦り現象が生ず
る。

［目的］ 複写機における原稿自動給紙装置においては、
原稿を一枚づつ送るための正転ローラと、逆転ロ
ーラまたは停止ローラにより、原稿表面が擦られ
るため、原稿に汚れが発生し、特に鉛筆で書かれ
た原稿では特に汚れが激しい。また、正転ローラ
も汚れるため、給紙性能も低下するという欠点も
ある。本考案はこの点を改善しようとするもので
ある。

［構成］ 本考案は、用紙を給紙する方向に回転する正転
ローラ５と逆転ローラ６又は停止部材よりなる二
重送り防止機構を備えた原稿自動給紙装置におい
て、前記ローラ対５，６または正転ローラ５と停
止部材によつて形成される原稿挟持位置より原稿
送り出し側に若干ずれた位置で、下方より正転ロ
ーラ５外周面に部分的に弾圧接触してなる、原稿
４を正転ローラ５と同速度で送出させるための圧
接ブレード９を設けるようにしたものであつて、
以下本考案による実施例について説明する。

第２図は本考案による実施例を示す図で、第１
図と同様に、図示していないスイツチを閉じると
軸流フアン１および送給ローラ２が回転し、軸流
ローラ１により吸い上げられた原稿は、送給ロー
ラ２により正転ローラ５側に送り出される。そし
て、正転ローラ５と逆転ローラ６とにより原稿の
二重送りが防止される。この時摩擦が生じ擦りが
生ずるが、近くに正転ローラ５の送り出し側外周
面下部に先端が部分的に弾圧接触した圧接ブレー
ド９が設けられていて、原稿が正転ローラ５と圧
接ブレード９との間で挟持されると、原稿は摩擦
力で正転ローラ５の速度で送られるため、原稿と
正転ローラ５との間には擦りが生じなくなる。即
ち、図中の短かいl′の距離の間だけ原稿が擦られ
るだけであるので、従来のものに比べて擦り量が
極端に少なくなり、正転ローラ５も汚れにくくな
る。第３図は二重送り防止機構である正転ローラ
５と逆転ローラ６との関係を示す一例である。な
お、第２図においては、圧接ブレード９は、正転
ローラ５と逆転ローラ６との間に原稿を案内する
ためのガイド用ブレード１０とともに機枠１１に
取付けた状態で示されてある。また、以上の作用
を良好に行なわせるためには、正転ローラ５と圧
接ブレード９の摩擦係数をそれぞれμ₁，μ₂とすれ
ば、μ₁＞μ₂の関係としなくてはならない。したが
つて、正転ローラ５の材質はスポンジローラで、
圧接ブレード９の材質は燐青銅板等とすることが
最も好ましい。

第４図は、正転ローラ５と、逆転ローラ６、圧
接ブレード９、ガイド用ブレード１０との関係を
示す斜視図で、原稿４はガイド用ブレード１０に
案内されて正転ローラ５、逆転ローラ６、圧接ブ
レード９に導入される。

なお、第４図に示す例では、ガイド用ブレード
１０は圧接ブレード９の一部に設けられている
が、第５図、第６図に示すように、別個のものと
して圧接ブレード９の正転ローラ５との圧接位置
を調節可能としてもよい。

［効果］ 以上説明したように、本考案においては、正転
ローラ５外周面下部の送り出し側位置で部分的に
圧接するブレード９を設けて、二重送り防止後の
一枚となつた原稿を圧接ブレード９で正転ローラ
５外周面に弾性的に圧接させるようにしたので、
該ローラの回転は確実に原稿に伝えられ、従来例
よりも原稿表面が正転ローラ５によつて擦られる
期間が非常に少なくなり、従つて、鉛筆書き原稿
のような容易に転写し易い付着物を表面にもつ原
稿用紙を送る場合でも、付着物による正転ローラ
の汚れが著しく少なく、且つその汚れを給紙する
用紙に転写する作用も少ない。さらに、正転ロー
ラの搬送力の減少も少ないため、正転ローラの清
掃回数も著しく小さくできる。また、圧接ブレー
ド９を用いれば、同じ位置に圧接ローラを設ける
場合よりも取付けが容易でスペースも少なくてす
む利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の原稿自動給紙装置を示す断面
図、第２図は本考案による原稿自動給紙装置を示
す断面図、第３図は正転ローラと逆転ローラとの
関係を示す図、第４図は正転ローラ、逆転ロー
ラ、圧接ブレードの関係を示す斜視図、第５図、
第６図は圧接ブレードとガイド用ブレードを調節
可能とした変形実施例の断面図、である。 １……軸流フアン、２……送給ローラ、４……
原稿、５……正転ローラ、６……逆転ローラ、７
……給紙ローラ、８……原稿収容部、９……圧接
ブレード、１０……ガイド用ブレード。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 用紙を給紙する方向に回転する正転ローラと逆
   転ローラ又は停止部材よりなる二重送り防止機構
   を備えた原稿自動給紙装置において、前記ローラ
   対または正転ローラと停止部材によつて形成され
   る原稿挟持位置より原稿送り出し側に若干ずれた
   位置で、下方より正転ローラ外周面に部分的に弾
   圧接触してなる、原稿を正転ローラと同速度で送
   出させるための圧接ブレードを設けたことを特徴
   とする原稿自動給紙装置。