JPH0126633Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は包装体の蓋用ラベルに関し、特には繰
り返して開閉され、かつ、密封性の要求される包
装体、例えば水性若しくは油性の化粧料又は薬剤
その他を紙、織布又は不織布等に含浸せしめて水
分不透過性の袋に詰めてなる所謂ウエツトタイプ
のテイツシユペーパー等の液浸紙の包装体、ある
いは菓子、食品等の包装体の取出口の蓋用ラベル
に関するものである。

従来の技術 近時、化粧料又は薬剤を含浸せしめたウエツト
タイプのテイツシユペーパーが広く普及してい
る。その包装体としては、水分不透過性の膜材で
筒状体を形成し、該筒状体内部に液浸紙の束体を
一枚毎に繰り出し自在に収納して開放両端部を熱
圧着し、筒状体の一部に取出口としてミシン目の
開又は閉のループからなる破線切込部を形成して
おき、その破線切込部の上面に独立部品からなる
蓋用のラベルを剥離可能に密着させるものが提供
されている。

考案が解決しようとする問題点 この蓋用のラベルは、使用に際して完全に剥離
してしまうと、使用の都度位置合せをして再度密
着させなければならず、使い勝手が極めて悪く。
又非衛生的でもあるため、全体が剥離されるので
はなく、取出口が開放された後適宜の位置で停止
することが要求されている。すなわち、一定の力
で剥離を続けた場合に、所定の位置以上に剥離で
きないようにするか、剥離する力を停めるか、あ
るいは容易に停止するように軽減することが必要
なのである。しかしながら、従来提供されている
ラベルの一端を包装体に溶着等して固着したもの
（特公昭58−22411号）は固着工程を必要として製
造工程が複雑、かつ、高価なものとなり、また包
装体の取出口を、開放したループ状の切込部によ
り形成し、切込部基部によりラベルの剥離を停め
るもの（実公昭58−31823号）は切込部の基部が
破れやすい欠点がある。さらにラベルの両縁部よ
り切込線を入れてラベルに剥離停止部と剥離自在
部を設けたもの（実開昭59−22470号）は剥離す
る力が切込線により狭くなつたラベルの剥離自在
部の端部にかかるため、充分に剥離する力を軽減
することができず、また切込線をラベルの両縁部
から形成しているため、剥離するラベルの幅を変
えずに充分な剥離停止部を取るためには、その部
分のラベルの幅を広く形成する必要がある等の欠
点がある。

そこで、本考案は上記従来例の欠点を解消し
て、構成簡単にして所定の位置で停止することが
容易な包装体の蓋用ラベルを提供するものであ
る。

問題点を解決するための手段 本考案は上記問題点を解決するため、一面に感
圧接着剤が塗布されて包装体の取出口に密着・剥
離可能な包装体の蓋用ラベルにおいて、感圧接着
剤の塗布された一面の所定部位に感圧接着剤の塗
布されていない空隙部を形成し、蓋用ラベルを剥
離するときに前記空隙部にて剥離が停止すること
を特徴とする包装体の蓋用ラベルを提供する。

作 用 上記構成の本考案によれば、使用に際し蓋用ラ
ベルを所定位置から一定の力で剥離して行き、剥
離が蓋用ラベルの所定位置に形成された感圧接着
剤の塗布されていない空隙部にまで進むと、該空
隙部によつて剥離しようとする力が吸収遮断さ
れ、剥離する力が軽減されて、空隙部の次に塗布
された感圧接着剤の剥離にまで及ばず、その接着
力により蓋用ラベルの剥離を空隙部にて容易に停
止することができて必要部分のみを剥離すること
ができる。

実施例 以下本考案の構成を図面に示す一実施例に基づ
いて説明する。

第１図は本考案に係る包装体の蓋用ラベルの第
１実施例をウエツトテイツシユペーパーの包装体
に実施した例を示す全体斜視図、第２図はその蓋
用ラベルを剥離した状態を示す全体斜視図、第３
図は蓋用ラベルの第１実施例を示す表面図、第４
図はその内面（感圧接着剤の塗布されている面）
の正面図である。である。図において、１は水分
不透過性の膜材からなる包装体であり、一枚毎に
繰り出し自在に積層したウエツトタイプのテイツ
シユペーパー等の液浸紙２の束体を巻装し、その
下面重合部（図示略）及び両端部の重合部１ａ，
１ａを熱融着等により固着してなる。そして、そ
の表面略中央部には破線切込部３が形成され、こ
の破線切込部３が切り取られて液浸紙２の取出口
４となり、又切り取られた部分が後述の蓋用ラベ
ル６の内面に接着されて、取出口２を覆う内蓋５
となるものである。蓋用ラベル６はその内面に非
硬化性の感圧接着剤７が塗布されて、取出口４を
覆つて包装体１に密着・剥離可能に形成され、そ
の一方端には内面に感圧接着剤７が塗布されてい
ない剥離用始端８が突設されている。

そして、この蓋用ラベル６の感圧接着剤７が塗
布されている面の使用時において取出口４と重な
らない所定部位には感圧接着剤７が塗布されてい
ない空隙部９が形成されている。この空隙部９は
例えば第４図に示す如く蓋用ラベル６の剥離方向
端部近傍に所定の幅で幅方向全域にわたつて形成
され、蓋用ラベル６の開蓋に際し、剥離される感
圧接着剤７ａと、空隙部９の次に位置して開蓋時
においても剥離されずに蓋用ラベル６を包装体１
に接着しておくための感圧接着剤７ｂとに二分割
されている。感圧接着剤７ｂは常に剥離されない
のであるから、感圧接着剤７ｂの部分だけ重複し
て感圧接着剤を塗布する等して剥離される感圧接
着剤７ａよりも強固な感圧接着剤を塗布しておい
ても良い。さすれば、蓋用ラベル６の停止がより
スムーズに行ない得るものである。また、空隙部
９は複数形成してもよく。第１０図は２箇所に空
隙部９を形成した例を示すものである。空隙部９
を複数形成する場合にはその数に応じてその幅及
び間隔を調節するものである。

第５図は蓋用ラベル６の第２実施例を示してお
り、空隙部９の前に位置する部分に切欠部１０が
形成され、この部分が狭小となつている。この切
欠部により、剥離する力が弱められ、空隙部９に
おける剥離する力の吸収遮断をより容易、かつ、
確実にすることができる。

第６図は蓋用ラベル６の第３実施例を示す表面
図、第７図はその内面図である。この第３実施例
においては蓋用ラベル６内にその縁部に連続しな
いように剥離方向の一端が開放したループ状の切
込部１１が形成されている。この切込部１１は蓋
用ラベル６の剥離方向端部近傍に、使用時におい
て取出口４と重ならない位置に形成されるもので
ある。図示の例では、円弧状の切込部１１として
あるがこの形状に限定されるものではなく、剥離
方向の端部が開放し、かつ、蓋用ラベル６の縁部
に連続しないループ状のものであればどのような
形状であつても良く、又その個数も複数であつて
も良い。そして、この切込部１１の外部両側には
空隙部９が形成されている。

第８図は蓋用ラベル６の第４実施例を示すもの
であり、蓋用ラベル６の剥離方向端部近傍の使用
時において取出口４と重ならない位置に両縁部か
ら所定形状の切込線１２が形成され、この切込線
１２に囲繞され部分に空隙部９が形成されてい
る。

次に本考案の使用方法を説明する。

包装体１の破線切込部３を覆つて蓋用ラベル６
を密着させて製品として供給する。使用に際して
は、蓋用ラベル６の剥離用始端８を持つて第１図
左端から右方へ向けて剥離を始める。剥離につれ
て、破線切込部３が破られ、取出口４が形成露出
されるとともに、内蓋５が蓋用ラベル６の内面に
接着される。さらに剥離を続けて空隙部９まで剥
離が進むと、空隙部９には感圧接着剤７が塗布さ
れていないから、剥離しようと力がこの空隙部９
にて吸収遮断されて停止する。そのため、剥離し
ようとする力が空隙部９の次に位置する感圧接着
剤７ｂにまで及ばずこの感圧接着剤７ｂを剥離す
ることなく、第２図に示す如く取出口４を露出さ
せた状態で容易に剥離を停止することができる。
そして、使用後は蓋用ラベル６を閉じて密着させ
れば内蓋５が取出口４を覆つて内容物を密封し得
て以後使用に際し、この動作を繰り返すものであ
る。

また、第５図に示す第２実施例では、剥離しよ
うと力が切欠部１０によつて減少するため、前記
空隙部の作用と相まつてより容易、かつ、確実に
必要部分のみにて剥離を停止することができる。
さらに、第６図、第７図、第９図に示す第３実施
及び第８図に示す第４実施例では剥離に際し、そ
れぞれ切込部１１囲繞された部分１１ａ及び込線
１２に囲繞された部分１２ａが剥離されずに包装
体１に密着したまま残つて行き、剥離しようとす
る力に対して剥離を停止する力として働く。その
ため、剥離する力が軽減され、前記空隙部９の作
用と相まつてより容易、かつ、確実に必要部分の
みにて剥離を停止することができる。

なお、上記説明はウエツトタイプのテイツシユ
ペーパーの包装体に本考案を実施した場合に基づ
いて説明したが、本考案は、菓子、食品等の他の
密封性の要求される包装体にそのまま使用できる
ことはもとよりである。

考案の効果 以上記載した本考案によれば、包装体の蓋用ラ
ベルとして、蓋用ラベル内面に感圧接着剤の塗布
されていない空隙部を形成したため、剥離しよう
とする力がこの空隙部にて吸収遮断されるため、
蓋用ラベルの剥離を必要部分のみで容易に停止す
ることができる。さらに、前記空隙部とともに、
空隙部の次に位置する感圧接着剤を空隙部の前に
位置する感圧接着剤よりも強固な感圧接着剤とし
たり、蓋用ラベルに切欠部を形成して剥離する幅
を軽減したり、蓋用ラベル内部にループ状の切込
部を形成し、あるいは蓋用ラベル縁部から切込線
を形成して剥離に際し剥離されずに包装体に密着
したまま残り、剥離する力に対し剥離を停止する
力として働く部分を形成することができるため、
蓋用ラベルの剥離を必要部分のみにて、より容
易、かつ、確実に停止することができる。また、
本考案に係る蓋用ラベルは他の付属品を必要とす
ることなく、蓋用ラベル自体の構成にて剥離を容
易に停止させることができる事及びそれに伴い包
装体の構成を最も簡単な筒状体とすることができ
るから製造が容易、かつ、安価である。さらに、
包装体の取出口を破線切込部によつて形成したた
め、切り取られた部分が蓋用ラベルの内面に接着
した内蓋として機能し内容物に感圧接着剤が接触
することがない。よつて、包装体の蓋用ラベルに
要求される。

取出口が開放された後に適宜の位置で停止す
ること。

繰り返し連続使用できて、特に蓋用ラベル、
包装体の取出口が使用時に破損しないこと。

内容物を密封入できて、特に取出口の構成の
液密性が完全であること。

内容物に接着剤層が接触しないこと。

使用開始時に未使用であることの確認ができ
る蓋用ラベル及び取出口の構成であること。

製造工程が簡単容易であつて、低コストであ
ること等の要求を容易に満足させることができ
る。

なお、本考案に係る包装体の蓋用ラベルはウエ
ツトテイツシユペーパーのみならず、密封性の要
求される食品、菓子等の包装体の蓋用ラベルとし
て使用して著効のあるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る包装体の蓋用ラベルの一実
施例を示し、第１図はその蓋用ラベル閉じた状態
の全体斜視図、第２図はその蓋用ラベルを開いた
状態の全体斜視図、第３図は蓋用ラベルの第１実
施例を示す表面図、第４図はその内面図、第１０
図はその他例を示す内面図、第５図は蓋用ラベル
の第２実施例を示す内面図、第６図は蓋用ラベル
の第３実施例を示す表面図、第７図はその内面
図、第９図はその蓋用ラベルを開いた状態の全体
斜視図、第８図は蓋用ラベルの第４実施例を示す
内面図である。 １……包装体、２……液浸紙、３……破線切込
部、４……取出口、５……内蓋、６……蓋用ラベ
ル、７……感圧接着剤、８……剥離用始端、９…
…空隙部、１０……切欠部、１１……切込部、１
２……切込線。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 一面に感圧接着剤が塗布されて包装体の取出
   口に密着・剥離可能な包装体の蓋用ラベルにお
   いて、感圧接着剤の塗布された一面の所定部位
   に感圧接着剤の塗布されていない空隙部を形成
   し、蓋用ラベルを剥離するときに前記空隙部に
   て剥離が停止することを特徴とする包装体の蓋
   用ラベル。 (2) 前記空隙部は蓋用ラベルの剥離方向端部近傍
   に形成され、空隙部により感圧接着剤が二分割
   されていることを特徴とする実用新案登録請求
   の範囲第１項記載の包装体の蓋用ラベル。