JPH01200535A - 陰極線管の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） 本発明は陰極線管に係わり、特に、そのフェースプレー
トに設けられた帯電防止膜とフェースプレートの側壁部
に巻回された金属バンドとを導電的に接続する導電層を
有する陰極線管の製造方法に関する。

（従来の技術） 陰極線管は外囲器のネック部に設けられた電子銃からの
電子ビームがガラス製のフェースプレートの内面に規則
的に配置されたドツト状もしくはストライプ状の赤色、
緑色、青色に発光する蛍光面を射突することにより文字
、画像等を映出するものである。この陰極線管では、フ
ェースプレートの表面抵抗が高いために、動作時にフェ
ースプレートに電子ビームによる静電荷が蓄積してしま
う。そのために、フェースプレートの外表面に空気中の
塵や埃が吸着し、画像が見にくくなる不都合がある。ま
た、フェースプレートに人が触れた場合には、人体に電
気的ショックを与える等の不都合がある。

この様な不都合を解消するために、特開昭６１−１６４
５２号公報にはシリケート材料に白金、バラジラム、錫
および金等の無機金属塩を添加した帯電防止膜を、フェ
ースプレートの側壁部に巻回された金属バンドに重なる
様に、フェースプレートの外表面に設けた陰極線管が示
されている。

ところで、この陰極線管では、帯電防止膜の機能を発揮
させるために、帯電防止膜を金属バンドに電気的に接続
する必要がある。尚、この金属バンドは陰極線管がテレ
ビセットに組込まれた際にセット内の回路と電気的に接
続される。このために、圧延銅箔に導電性粘着剤が塗布
された銅箔テープを用いて、帯電防止膜と金属バンドと
の導通をとっていた。この銅箔テープを用いることは、
テープを必要な長さに切断して、貼るだけですむために
、作業効率は優れている。しかし、このテープの信頼性
は未だ十分ではなく、その向上が望まれている。すなわ
ち、テレビセットが高温多湿の雰囲気、例えば、温度３
０℃、相対温度７５％で使用される場合、テレビセット
内の温度は７０℃から８０℃に達し、このテープの粘着
剤の粘着性が劣化し、剥がれるために、導通不良を起こ
すおそれがあった。

また、前述のシリケート材料からなる帯電防止膜を直接
金属バンドに重なる様に形成した場合、金属バンドの表
面は亜鉛等により鍍金が施されており滑らかであるため
に、ヒートショックにより剥がれるおそれがある。

（発明が解決しようとするａＩ題） 前述した様に、帯電防止膜と金属バンドとを電気的に接
続するのは耐熱性、耐水性がなく、ヒートショックを与
えると剥がれるおそれがある等、十分な信頼性がなかっ
た。

本発明の目的は、帯電防止膜を金属バンドに導電層によ
り電気的に接続した耐熱性および耐水性が優れると共に
ヒートショックに対しても十分な信頼性を有する陰極線
管の製造方法を提供することにある。

〔発明の構成〕

（課題を解決するための手段） 本発明は、内面に蛍光体スクリーンを備えたフェースプ
レートの外表面に帯電防止膜を形成し、この帯電防止膜
と前記フェースプレートの側壁部の外周に巻回された金
属バンドとを電気的に接続する導電層を設ける陰極線管
の製造方法において、前記導電層が形成される表面を末
端基に少なくとも−Ｎ＝Ｃ＝Ｏ基または−ＳＨ基を有す
るシラン化合物を含有する溶液を塗布した後に、少なく
とも非晶質の酸化珪素または水素化珪素を含有するバイ
ンダーより構成される導電性セラミック膜よりなる導電
層を形成することを特徴とし、帯電防止膜を金属バンド
に導電層により電気的に接続した耐熱性および耐水性が
優れると共にヒートショックに対しても十分な信頼性を
有する陰極線管の製造方法である。

本発明には、−Ｎ＝Ｃ＝○基を有するイソシアネート系
シラン化合物等および−ＳＨ基を有するメルカプト系シ
ラン化合物等が表面処理剤として用いられる。

本発明には、少なくとも非晶質の酸化珪素または水素化
珪素を含有するバインダーより構成される導電性セラミ
ック膜よりなる導電層が形成されるが、この導電層の抵
抗値を下げるために、バインダーにニッケル、アルミニ
ウム、銅、炭素、銀。

金の金属粉またはそれらの混合物を少量添加することも
できる。

（作　用） 一般に、陰極線管のテンションバンドとして用いられて
いる金属バンドは亜鉛または亜鉛の合金が溶融鍍金され
ており、その表面が滑らかなために、この表面に異種材
料を接着させることは困難とされている。従って、帯電
防止膜とこの金属バンドとを電気的に接続するために、
非晶質の酸化珪素または水素化珪素、またはそれらの混
合物をバインダーとして含有する導電性セラミック膜よ
りなる導電層を金属バンド上に形成しても、特に、ヒー
トショックを与えると、導電層が鍍金の表面から絢がれ
ていまい、十分に目的を達成することができなかった。

そこで、導電層を形成する表面を処理する表面処理剤と
して各種のプライマーを検討した結果、末端基に−Ｎ＝
Ｃ＝Ｏ基または−ＳＨ基を有するシラン化合物を前処理
剤として専電層を形成する表面に塗布し乾燥した後に導
電層を形成することにより、ヒートショックにより導電
層が剥がれないことを見出した。

このシラン化合物として１例えば、メルカプト系シラン
化合物およびイソシアネート系シラン化合物があげられ
る。これらの化合物を用いて導電層の接着強度が改善さ
れる理由は以下の様に考えられる。即ち、金属バンドの
表面には空気中の水分により、−ＯＨ基が存在し、この
−ＯＨ基とイソシアネート系シラン化合物の−Ｎ＝Ｃ＝
Ｏ基およびメルカプト系シラン化合物の−ＳＨ基が、０
式、０式または０式に示す様に、夫々反応し導電層と金
属バンドの鍍金層との間の接着を強固にすると考えられ
る。

イソシアネート系シラン化合物の場合の反応メルカプト
系シラン化合物の場合の反応尚、上記の式においてＭは
金属バンドを表わす。

本発明では、上述の様に、導電層を形成する表面を処理
する表面処理剤として末端基に−Ｎ＝Ｃ＝０基または−
ＳＨ基を有するシラン化合物を前処理剤として導電層を
形成する表面に塗布し乾燥した後に導ｆｔｔ層を形成す
ることにより、ヒートショックにより導電層が剥がれる
ことがない。

（実施例） 以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する
。第１図は本発明に基づき製造された陰極線管■を示す
平面図である。この陰極線管（１）は内部が排気された
気密性のガラス製の外囲器■を有する。この外囲器■は
ネック■およびこのネック■から連続するコーン０）を
有する。さらに、外囲器■はコーン（イ）とフリットガ
ラスにより封着されるフェースプレート■を有する。こ
のフェースプレート０の側壁部の外周には防爆のために
金属バンド０が巻回されている。このネック■には電子
ビームを放射する電子銃（図示せず）が配置されている
。また、フェースプレート■の内面には電子銃からの電
子ビームにより励起されて赤色。

緑色、青色に発光するストライプ状の蛍光体層および各
蛍光体層の間に配置されたストライプ状の黒色光吸収層
よりなる蛍光面（図示せず）が設けられている。

また、この陰極線管■のフェースプレート■の外表面は
帯電防止膜■で覆われており、フェースプレート■の表
面抵抗は小さくなっている。この帯電防止膜■は導電層
■により金属バンド０に導電的に接続されている。この
金属バンド■はテレビセットに組込まれた際に、テレビ
セットの回路に電気的に接続される。この導電層（ハ）
により帯電防止膜はその機能を十分に発揮することがで
きる。

ところで、この導電層（８）は、形成される部分の表面
に末端基に一３Ｈ基を有するシラン化合物であるメルカ
プト系シラン化合物の溶液が塗布され。

乾燥された後に形成されるために、ヒートショックに対
しても剥がれることがない。

この導電層（８）を備えた陰極線管（１）は以下の如く
製造される。まず、フェースプレートの側壁部に亜鉛め
っきを施した金属バンドが巻かれた１４インチの陰極線
管を用意する。このフェースプレートの外表面に帯電防
止膜を形成する。この帯電防止膜は以下の組成を有する
溶液をフェースプレートにスプレー塗布し、これを温度
１００℃の雰囲気で１０分間焼成してえられる。

エチルシリケート　　　　　５　υｔ％硝　　　酸　　
　　　　　　　　　　３　誓ｔ％本　　　　　　　　　
　　　　　２　νｔ％イソプロピルアルコール　８９．
５ｗｔ％硝酸リチウム　　　　　　　０．５讐ｔ％この
帯電防止膜は平均膜厚が０．１５７ｆｆｉであり、その
抵抗値を温度２５℃、相対温度４５％の条件下で測定し
たところ５Ｘ１０”Ω■であった。抵抗値の測定は東京
電子株式会社製の高抵抗計スタックＴＲ−３を用いて行
った。

次に、−ＳＨ基を末端基に有するシラン化合物を含む溶
液、例えば信越化学工業株式会社製のプライマーＸ−１
２−４１４を筆で導電層を形成する部分に塗布し、これ
を乾燥した。その後、通電層を形成すべく、以下の組成
を有する溶液を筆で塗布した後に、温度１００℃の雰囲
気で、１０分間乾燥した。

ニッケル金属粉　　　　　３５ｇ エチルシリケート　　　　３０ｇ アルミナ　　　　　　　　　１ｇ 硝酸　　　　０．５ｇ 水　　　　　　　　　　　　　　　　　２ｇイソプロピ
ルアルコール　３１．５　ｇ塗布された上記の組成を有
する溶液中の珪素のアルコキシド化合物は温度７０℃以
上の雰囲気中で、短時間に大気中の水分等により加水分
解を起こし、その結果、アルコキシド同志の重縮合反応
により造膜してニッケル金属粉のバインダーとしてセラ
ミック化して導電層となる。

この様に製造した陰極線管を用いて導電層の信頼性を調
べるために、常温の水に１時間浸漬した場合（テスト１
）、温度７０℃の電気炉に４時間放置した場合（テスト
２）、温度８０℃から温度−４０℃に急冷するヒートシ
ョックを与えた場合（テスト３）の夫々の環境テスト後
に導電層の導通状態および接着状態を調べた。導通状態
のチエツクは導電層の近傍の帯電防止膜と金属バンドと
の間の抵抗値を前述のＴＲ−３を用いて測定した。

アミノ系シラン化合物（信越化学工業株式会社製ＫＢＰ
−４３）、メルカプト系シラン化合物（信越化学工業株
式会社製Ｘ−１２”−４１４）　、イソシアネー゛ト系
シラン化合物（信越化学工業株式会社製Ｘ−１２−４１
３）の各種シラン化合物を導電層の前処理剤として用い
た場合の結果を第１表および第２表に示す。第１表に導
通状態の測定結果を、第２表に接着状態の測定結果を示
す。また、比較例として、厚さ約０．１ｍｍ、幅約１３
薗の銅箔にゴム系（またはアクリル系）接着剤を塗布し
た導電性テープ（例えば、住友スリーエム株式会社製Ｎ
ｏ、１２４５銅箔エンボス）を用いて帯電防止膜と金属
バンドとを電気的に接続したものを調べた。

第１表 第２表 これらの結果から分る様に、本実施例に基づき前処理を
行った後に導電層を形成すると、この導電層は良好な特
性を有する。

次に、本実施例に基づき前処理を行った後に形成された
導電層によるテレビセットからの不要輻射の大きさを調
べるために、第２図に示した様に、２１インチカラー陰
極線管のフェースプレートの四隅で帯電防止膜■と金属
バンド■との導通をとるように上述と同様にシラン化合
物を用いて前処理を行った後に導電層（８）を設けた。

比較例として、先に使用した銅箔テープを導電層の代わ
りに設けた陰極線管、シラン化合物を用いて前処理を行
わずに導電層を形成した陰極線管、および帯電防止膜が
形成されていない陰極線管（従来管）を用意した。これ
らの陰極線管をテレビセットに組込み、テレビセットか
らの不要輻射の大きさを測定した６その結果を第３表に
示す。不要輻射の測定は１通常行われる如く第３図に示
す様に、テレビセット（９）をＡ　Ｃ１００Ｖ電源（１
０）により規定電圧で動作させて信号発生源（１１）か
らの規定の信号を入力し、電源コード（１１）に生じる
周波数１０．７５ＭＨｚの雑音レベルをセンサー（１３
）を介して既知の周波数分析器（１４）にて測定した。

第３表 この結果から分る様に、実施例に基づき形成された導電
層はテレビセット組込み状態で、動作時に発生する不要
輻射は帯電防止膜を持たない従来の陰極線管と略同様に
、銅箔テープを用いた陰極線管に比べて改善されている
ことが分る。

〔発明の効果〕

以上の様に、本発明によれば、帯電防止膜を金属バンド
に導電層により電気的に接続した耐熱性および耐水性に
優れると共にヒートショックに対しても十分な信頼性を
有する陰極線管の製造方法を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に基づく陰極線管の平面図、第２図は本
発明の他の実施例を説明する陰極線管の正面図、第３図
は不要輻射の測定を説明するための模式図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 内面に蛍光体スクリーンを備えたフェースプレートの外
   表面に帯電防止膜を形成し、この帯電防止膜と前記フェ
   ースプレートの側壁部の外周に巻回された金属バンドと
   を電気的に接続する導電層を設ける陰極線管の製造方法
   において、前記導電層が形成される表面を末端基に少な
   くとも−Ｎ＝Ｃ＝Ｏ基または−ＳＨ基を有するシラン化
   合物を含有する溶液を塗布した後に、少なくとも非晶質
   の酸化珪素または水素化珪素を含有するバインダーより
   構成される導電性セラミック膜よりなる導電層を形成す
   ることを特徴とする陰極線管の製造方法。