JPH0118179B2 - - Google Patents

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JPH0118179B2
JPH0118179B2 JP58176398A JP17639883A JPH0118179B2 JP H0118179 B2 JPH0118179 B2 JP H0118179B2 JP 58176398 A JP58176398 A JP 58176398A JP 17639883 A JP17639883 A JP 17639883A JP H0118179 B2 JPH0118179 B2 JP H0118179B2
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Kenkichi Yagi
Hiroyasu Kato
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Toray Industries Inc
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  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、極細繊維とその束からなる新規な交
絡不織布に関するものである。
従来の不織布は、主として人工皮革の基布とか
芯地あるいは資材用の素材として用いられること
が多く、ポリウレタンなどの樹脂が多量に含浸さ
れて、始めて使用に耐え得るものが普通であつ
た。これは従来の不織布は、それ自体では機械的
強力に乏しいこととか、外観品位や風合感触に劣
ることとか、あるいは加工時の寸法安定性が劣る
ことなどの原因によるものであつた。
従来の不織布の代表的なものとしては、普通繊
維のステープルをランダムウエツプとなし、次い
でニードルパンチして得られた不織布や、特公昭
44−24699に示された不織布のように、多数の単
繊維が集束せしめられている繊維束を主体とし、
該繊維束は繊維束同志が繊維束の状態のまま相互
に絡合せしめられた不織布や極細繊維を普通デニ
ールの繊維上に積層した不織布などがある。しか
し、普通繊維の不織布は、比較的太い繊維1本1
本が立体的に絡合した構造を有し、それ故に柔軟
性に乏しく感触など極めて悪いものであり、この
ため、不織布の用途が著しく制限されてきた。極
細繊維束の不織布は、柔軟性に優れているが、不
織布単独では形態保持性がきわめて悪く、表面が
ももけやすいものである。
さらに0.2デニールを越える普通デニールの繊
維交絡体上に0.2デニール以下の極細繊維交絡体
を積層したような場合は、一体感がなく紙のよう
なしわが発生しやすい欠点がある。すなわち従来
の不織布は単独では衣料用途にも使用できるよう
な外観品位が良く、風合が柔軟で加工性の良いも
のは得られなかつた。
本発明の目的は、かかる従来の不織布の欠点を
改良せんとするものであつて、柔軟性や外観品位
が良好で、染色後は光沢や艶の良好な均一性の良
い着色状態を示し、しかも加工時の寸法安定性が
良好な不織布を提供することにある。
本発明はかかる目的を達成するために、次の如
き構成を有する。
すなわち、本発明は、主として0.2デニール以
下の極細繊維からなる緻密な交絡構造部A、主と
して0.2デニール以下の極細繊維およびその束か
らなる交絡構造部B、主として0.2デニール以下
の極細繊維の束からなる交絡構造部Cとが、厚み
方向に表層から順次分布している構造を有し、し
かも交絡構造部Aと交絡構造部Bおよび交絡構造
部Bと交絡構造部Cとの境界付近は極細繊維およ
び/または極細繊維束で連続していることを特徴
とする交絡不織布、という構成を有する。
本発明は、0.2デニール以下、好ましくは0.05
デニール以下の極細繊維から成る緻密な交絡構造
部Aが表層にあたるため、不織布でありながら一
見銀面と見まがう程の緻密な外観を示し、しかも
染色しても束や太デニール繊維の影響による染欠
点はなく、かつ該交絡構造部A、極細繊維および
その束からなる交絡構造部Bおよび極細繊維束か
らなる交絡構造部Cが順次厚み方向に分布してい
るので、折り曲げた時の紙じわが発生せず、非常
にしなやかな風合を示し、かつ交絡度が順次変化
しているので、形態保持性も極めて良好な不織布
を提供するものである。
本発明の極細繊維束とは多数本の異種または同
種のステープルあるいはフイラメント状の極細繊
維が並列的に相互配列されたものであり、本発明
の交絡不織布は、かかる配列状態が実質的にくず
れることなく極細繊維相互が束状で立体的に交絡
した交絡構造部Cと、該極細繊維束から枝分かれ
した極細繊維およびその束(前記Cの繊維束より
実質的に細い束)が主体に交絡した交絡構造部B
および実質的に極細繊維が主体に緻密に交絡した
交絡構造部Aが厚み方向に順次分布した構造の交
絡不織布である。交絡構造部Aと交絡構造部Bお
よび交絡構造部Bと交絡構造部Cとの境界付近
は、極細繊維および/またはその束により連続し
て、交絡構造部A,B,Cは一体化していること
が必要である。交絡構造部Aの極細繊維が、交絡
構造部Bの極細繊維およびその束から連続または
枝分かれして緻密に交絡しており、交絡構造部B
の極細繊維およびその束は交絡構造部Cの極細繊
維束から枝分かれまたは連続したものは、交絡構
造部A,B,Cが極細繊維もしくはその束により
完全に一体化しているので、層間剥離がないこと
や、一体感、感触のしなやかさ、紙じわのできに
くさの点で、特に好ましい特徴を有する。表層に
かかる交絡構造部Aが分布しているものは表面繊
維のほつれが少なく、ももけにくいため好まし
い。また本発明では表裏両面がかかる交絡構造部
Aになつていて、両側から内層に向つて順次交絡
構造部B、遂には交絡構造部Cに至る構造のもの
は両面とも表面として使用できるので好ましい。
また、一方の表面が交絡構造部Aになつてお
り、下層に向つて交絡構造部B、交絡構造部Cと
分布し、さらに最下層、すなわち裏面が交絡構造
部Bになつている構造も、表裏の表面状態が異な
る素材として使用できるので好ましい。また、極
細繊維束を構成する極細繊維が、互に接着されず
に配列されているものは、柔軟性の点において、
より優れた特性を有する。
第1〜7図は本発明に係る交絡不織布のモデル
図である。図中A,B,Cはそれぞれ交絡構造部
A,B,Cに対応するものであり、第1〜7図は
A、BおよびCが厚み方向に分布している態様を
それぞれ示している。
本発明に使用しうる極細繊維は繊維形成能を有
する高分子物質からなり、例えば、ナイロン6、
ナイロン66、ナイロン12、共重合ナイロンなどの
ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、共重
合ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート、共重合ポリブチレンテレフタレー
トなどのポリエステル、ポリエチレン、ポリプロ
ピレンなどのポリオレフイン、ポリウレタン、ポ
リアクリロニトリルおよびビニル重合体などがあ
げられる。これらの高分子物質を用いて極細繊維
を形成する方法としては、小孔より吐出したり更
にスーパードロー現象を用いた方法、更にガス流
を利用したメルトブロー法やジエツト紡糸法等各
種の方法を採用しうる。また、1成分を他成分間
に放射状に介在せしめた菊花状断面の繊維、多層
バイメタル型繊維、ドーナツ状断面の多層バイメ
タル型繊維、2成分以上の成分を溶融混合して紡
糸した混合紡糸繊維、繊維軸方向に連続した極細
繊維が多数配列集合し他の成分で包絡および/ま
たは一部包絡され、1本の繊維を形成した高分子
相互配列体繊維などの多成分系複合繊維に物理的
作用を加え剥離させたり、少なくとも1成分(結
合成分)を溶解除去するなどの方法で極細繊維を
製造することができる。
特に1成分を溶解除去して極細繊維束を得るこ
とのできる繊維は前述した如く、極細繊維束にお
いて極細繊維間の接着がなく、シートの変形に自
由に追随できるので、極めてしなやかで柔軟性の
良い交絡不織布を得ることができるので特に好ま
しい。この意味から海島タイプの繊維が特に良好
であり、海成分中に極細の島成分が多数本含まれ
るタイプの混合紡糸繊維、海成分中に島成分が配
列された高分子相互配列体繊維、該島成分がさら
に海島構造になつており、超極細繊維を発生する
ことのできる島微細化高分子相互配列体繊維が特
に本発明には好ましい繊維である。
極細繊維の繊度は0.2デニール以下であること
が必要である。0.2デニールより太い場合は、繊
維の剛性が過大で不織布の柔軟性が悪く、繊維を
緻密に交絡させることが困難である。不織布表面
の外観を向上させるためには好ましくは0.1デニ
ール以下、さらに好ましくは0.05デニール以下が
良い。さらに0.01デニールより細い超極細繊維の
場合は、手に吸いつくような感触となり、風合も
極めてしなやかとなるので特に好ましい。
交絡不織布をつくるにあたつて、交絡構造部A
以外は必しも100%極細繊維を用いる必要はなく、
本発明の目的をそこなわない範囲で他の繊維を混
入せしめることもできる。また、本発明の目的を
そこなわない範囲で樹脂バインダーを付与するこ
とも可能である。また、前記の多成分系複合繊維
における結合成分もしくは海成分としてはポリス
チレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリア
ミド、ポリウレタン、アルカリ溶液に易溶出型の
共重合ポリエチレンテレフタレート、ポリビニル
アルコール、共重合ポリビニルアルコール、スチ
レン―アクリロニトリル共重合体、スチレンとア
クリル酸の高級アルコールエステルおよび/また
はメタクリル酸の高級アルコールエステルとの共
重合体などが用いられる。1成分を溶解除去する
場合の海成分としては、溶解除去の容易さからポ
リスチレン、スチレン―アクリロニトリル共重合
体、スチレンとアクリル酸のアルコールエステル
および/またはメタクリル酸の高級アルコールエ
ステルとの共重合体は特に好ましく用いられる。
本発明の交絡不織布を具体的に実現させるため
には、例えば前記方法で製造した極細繊維を束ね
て繊維束の状態を保持するために一時的に結合成
分で接着処理を施した結合繊維束、あるいは前記
多成分系複合繊維のフイラメントもしくは短かく
切断したものを用いてウツブを形成し、ニードリ
ングなどを施し、厚み方向に配向した繊維が多数
存在するような絡合構造を形成する。
次いで該絡合シートを、スライスするとスライ
ス面に極細繊維が露出しかかつた繊維が多数並ぶ
ので、この面に水などの高速流体流を噴き当てて
結合成分を割裂してやると、最表面は露出した極
細繊維が緻密に交絡して交絡構造部Aを形成し、
最表層の直ぐ下は極細繊維とその束からなる交絡
構造部Bが形成される。その後溶剤により繊維の
結合成分を除去してやると極細繊維束からなる交
絡構造部Cが形成される。ここで上記の絡合シー
トをスライスした後でスライス面をバフして極細
繊維を完全に露出してやると、交絡構造部Aの形
成がさらに容易となりしかも交絡構造部Aの厚み
が厚くとれる。
また別の方法として、上記絡合シートにした後
結合成分のみを溶解し得る溶媒で該結合成分を溶
解除去する。次に表面をバフするとかスライスし
て表層部の極細繊維束を乱した後、高速流体流を
噴き当てると、表層部の乱れた部分には高速流体
流のエネルギーが最大で噴き当るので極細繊維か
らの交絡構造部Aとなり、次いで、高速流体流の
エネルギーが弱まつた次層は極細繊維とその束か
らなる交絡構造部Bとなり、もはや高速流体流の
エネルギーの到達しない層は極細繊維束からなる
交絡構造部Cを形成する。
高速流体流処理を両面から行なうと、両面の表
層部が交絡構造部Aからなり、高速流体流の条件
の選択により、B,C層を形成できる。ここで、
ニードリングなどを施し絡合構造を形成した後ポ
リビニルアルコールなどの糊剤を付与して不織布
全体を一時固定し結合成分の溶解除去後該糊剤を
除去し、または糊剤除去と同時に高速流体処理を
行ない、結合成分の溶解除去時の不織布の形くず
れを防止する工程を挿入することも可能である。
上記の方法はいずれも交絡構造部Aの極細繊維
は、交絡構造部Bの極細繊維およびその束から連
続または枝分かれし、交絡構造部Bの極細繊維束
およびその束は交絡構造部Cの極細繊維束から枝
分かれしたものであつて、完全に一体化した構造
となるので、本発明において特に好ましい方法で
ある。しかしこれ以外にも、例えば上記の絡合シ
ートもしくは結合成分を除去したシートの上にあ
らかじめ極細化した極細繊維を抄紙法やふりかけ
るなどの方法で積層したシートとし、高速流体処
理を行なう方法により交絡構造部Aの極細繊維の
少なくとも一部を交絡構造部Bの一部に入りこま
せ、一体化させることが可能であるが、この場合
は交絡構造部Aと交絡構造部Bの剥離に注意する
必要がある。
高速流体流の処理をする前の不織布の見掛密度
は、ニードルパンチにより0.1〜0.6g/cm3である
ことが望ましい。0.1gより低い場合は繊維の移
動が容易で、流体流によつて引張られた繊維が不
織布を貫通してしまい、不織布を乗せている金網
などに繊維がくい込んで不織布の表面がきわめて
凹凸のはげしいものになつてしまうため好ましく
なく、0.6g/cm3より高い場合は流体流が不織布
の表面で反射され、交絡が充分に行なわれないた
め好ましくない。ここで言う流体とは、液体ある
いは気体であり、特別な場合はきわめて微細な固
体を含むものであつてもよいが、取り扱いやす
さ、コスト、流体としての衝突エネルギー量の点
から水が最も好ましく用いられる。さらに目的に
応じて、結合成分を溶解可能な種々の有機溶剤あ
るいは水酸化ナトリウムなどのアルカリまたは酸
の水溶液なども使用できる。これらの流体を加圧
し、孔径の小さいノズルあるいは間かくのせまい
スリツトから噴射させ、高速の柱状流あるいはカ
ーテン状流とする。流体にかける圧力は、不織布
の性状によつて異なり5〜300Kg/cm2の範囲を自
由に取りうる。あらかじめ結合成分を溶解除去し
て極細繊維束化したシートなどでは比較的低圧で
良く5〜100Kg/cm2程度で良いが、結合成分の割
裂を行なう必要があるような場合は70〜300Kg/
cm2の高圧が好ましい。
多数回の噴き当て、噴き当てのたびごとに圧力
を変えること、斜め方向から噴き当てること、ノ
ズルを振動もしくは揺動させることなども採用で
きる。極細繊維を束ねて一時的に接着処理をする
のに用いる結合成分としては、工業的安価さから
水によつて除去できるもの、例えばでんぷん、ポ
リビニルアルコール、メチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロースなどが好ましく、このほか
にも他の溶剤で溶解可能なポリビニール系ラテツ
クス、ポリブタジエン系接着剤、ポリウレタン系
接着剤、ポエステル系接着剤、ポリアミド系接着
剤などの合成のり、天然のり、接着剤が用いられ
る。
この様にして得られた交絡不織布は、その後染
色仕上処理を加えても良く、表面に極細繊維の束
などの太い繊維がないので、染色欠点の生じない
均一で良好な外観の交絡不織布素材が得られる。
かかる交絡不織布は表面が一見銀面に見えるよう
な緻密さを有しているので、従来にない衣料用の
素材として特に良好である。また、本発明の交絡
不織布は、柔軟性にすぐれかつ形態がくずれにく
く、特に水など液体を含んだ湿潤状態での形態保
持性にすぐれた特長を有するものである。このた
め、布巾、タオル、各種フイルター、グリツプな
どの把手部材、各種カバー、人工皮革の基材、家
具、自動車、ガラスみがき用クロス、研磨布、カ
セツトパツド、ワイピングクロスなどに好ましく
用いられる。
以下に示す実施例は、本発明をより明確にする
ためのものであつて、本発明はこれに限定される
ものではない。実施例において、部および%とあ
るのは特に記載のないかぎり重量に関するもので
ある。
実施例 1 ポリスチレンを結合成分として60部、極細繊維
成分としてナイロン6が40部からなる割合で1フ
イラメント中に16本の島成分群を有し、さらにそ
の島成分群中に極細繊維成分が多数含まれる形態
の島分割微細化高分子相互配列体繊維の4.0デニ
ール、51mmのステープルをを用いてカード・クロ
スラツパーを通してウエブを形成し、しかる後フ
ツクの数が9個のニードルを用いて3000本/cm2
ニードルパンチして該高分子相互配列体繊維を絡
合させ不織布をつくつた。不織布の目付は450
g/m2、見掛密度は0.18g/m2であつた。極細繊
維の平均デニールは0.001デニールであつた。
該不織布をスライス装置により半裁して、さら
にスライス面をサンドペーパーでバフ掛けした。
該スライスとバフをした面は、ナイロン6の極細
繊維が無数に露出していた。
この不織布のスライスーバフした面に、孔径
0.1mmの孔が孔の中心間距離0.6mmのピツチで一列
に並んだノズルから100Kg/cm2の圧力をかけた水
を、ノズルを揺動させながら、高速で噴射接触さ
せ同じ条件で合計4回処理した。得られた不織布
の高速水流噴き当て面は、極細繊維が極めて緻密
に絡み合いマシユマロのような感触の表面をして
いた。
この不織布をトリクロルエチレンにつけ、浸漬
と絞液をくり返してポリスチレンをほぼ完全に抽
出除去した。該不織布の表層は極細繊維の極めて
緻密な交絡からなる交絡構造部となつており、そ
の下層は極細繊維とその束が入り乱れて交絡した
交絡構造部となつており、表層の極細繊維はこれ
らの極細繊維とその束から連続あるいは枝分かれ
したものであつた。さらに最下層は極細繊維の派
生は殆んど見られない極細繊維束の交絡からなつ
ていた。
この不織布を酸性染料で染色仕上げしたもの
は、極めて緻密なマシユマロのような表面を有
し、着色状態も均一で、外観品位の良いドレープ
性のあるしなやかな風合の絹のような光沢の衣料
用に好適な素材であつた。また、もみをかけても
表面はももけにくく、気械的強力も十分で、剥離
などの問題は全くなかつた。一方、比較のために
不織布のスライス―バフ掛けを行なわない以外は
全く同様にして得た着色不織布は下層の極細繊維
束が枝分かれして、極細繊維と極細繊維が交絡し
た表層を有しており、極細繊維束部が濃く染まつ
た表面をしていて、本発明例に比べると光沢に劣
つたものであつた。
実施例 2 実施例1で得られた不織布をスライス装置で半
裁し、スライス面をさらにサンドペーパーでバブ
掛けした。この不織布を両面から実施例1と同様
の条件で高圧水流処理を行なつた。
この不織布を実施例1と同様にポリスチレン溶
解除去を行なつた後染色したものは、スライス―
バフ掛けした方の面は実施例1と同様の極めて緻
密なマシユマロのような表面を有し、絹様の光沢
を示しており、着色状態も均一である一方、裏面
はやや粗い感じで濃く染まつた極細繊維束が全面
に散在しており、実施例1の比較例と同様の表面
となつており、表裏の着色状態の異なつた素材が
得られた。
スライス―バフ掛けした面は極細繊維の極めて
緻密な交絡からなる交絡構造部となつており、そ
の下層は極細繊維とその束が入り乱れて交絡した
交絡構造部を経て、極細繊維束が主体に交絡した
交絡構造部に至つており、さらに該極細繊維束が
枝分かれした極細繊維束とその束が交絡して裏面
を形成していた。
実施例 3 ポリスチレンを結合成分として45部、極細繊維
成分としてポリエチレンテレフタレート55部なる
割合で1フイラメント中に多数の極細繊維が含ま
れるごとき形態の混合紡糸繊維の3.8デニール、
51mmのものを用いて実施例1と同様の方法で不織
布をつくつた。この不織布の目付は540g/m2
厚みは2.8mmであつた。極細繊維の平均太さは、
約0.006デニールであつた。
該不織布を95℃に加温したポリビニルアルコー
ル(以下PVAという)の5%水溶液に浸漬し、
PVAの含浸と同様に不織布の収縮を行ない乾燥
して水分を除去した後、トリクロルエチレン中に
つけ、浸漬、絞液をくり返しポリスチレンを抽出
除去し乾燥した。得られた不織布は極細繊維が実
質的に束のまま交絡した不織布であつた。この両
面にサイドペーパーでバフ掛けし表層部の極細繊
維束を乱し、極細繊維の状態とした。
この不織布の両面に実施例1と同じノズルを用
いて50Kg/cm2の圧力をかけた水を高速で噴射さ
せ、同じ条件でそれぞれの面に合計3回ずつの処
理を行ないPVAの溶解と同時に枝分かれ、交絡
を行なつた。それぞれ最後の1回はノズルを振動
させながら処理し、PVAを除去後水を含んだ状
態のままマングルを通してニツプした後乾燥し
た。得られた不織布の表層はもとの極細繊維束が
高度に枝分かれして極細繊維層を形成しており、
かつ両方の表層から内層に向けて極細繊維とその
束が交絡した部分を経て、極細繊維束が主体の交
絡層に達するような繊維構造を有するものであつ
た。
得られた交絡不織布を、染色仕上げしたところ
両面とも緻密で絹様の艶のある表面をしており、
一見銀面のような表面に見えるが、良く見れば極
細繊維の交絡表面であり、従来にないような高品
位の外観の表面であり、染色むらも全くなかつ
た。また風合もしなやかで、優れた強力を示し
た。
一方比較のために、サンドペーパーでのバフ掛
けを行なわない以外は全く同様にして得た着色不
織布は両面とも表面の極細繊維束が濃く染つてお
り、本発明に比べると光沢に劣つたものであつ
た。
実施例 4 実施例2で得られたポリスチレンを除去後の極
細繊維束からなる不織布の上に、抄紙法によりポ
リエチレンテレフタレートのメルトブロー法で得
られた0.01デニール、10mm長の短繊維を積層し、
この面に実施例2と同様の条件で高圧水流処理を
行なつた。得られた不織布は表層部はポリエチレ
テレフタレートの極細単繊維層となつており、さ
らにこの極細繊維は、その下層へくい込んで一体
化していた。該表層の直ぐ下層は水流の影響をう
け極細繊維とその束が交絡し、さらに最下層の水
流の影響をうけない極細繊維束の交絡層へ連なつ
ていた。
この交絡不織布を染色仕上したところ、表面の
染色欠点はなく良好な艶を示しており、また普通
の積層不織布に比べ、ポキポキした紙じわはなく
改良されたものであつたが一部最表層の極細繊維
がもつれかけた所もあり、全体としては本発明の
目的を達していたが、実施例1および2の本発明
例に比較するとやや劣つていた。
【図面の簡単な説明】
第1〜7図は本発明に係る交絡不織布のモデル
図であり、図中A,B,Cはそれぞれ交絡構造部
A,B,Cを示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 主として0.2デニール以下の極細繊維からな
    る緻密な交絡構造部A、主として0.2デニール以
    下の極細繊維およびその束からなる交絡構造部
    B、主として0.2デニール以下の極細繊維の束か
    らなる交絡構造部Cとが、厚み方向に表層から順
    次分布している構造を有し、しかも交絡構造部A
    と交絡構造部Bおよび交絡構造部Bと交絡構造部
    Cとの境界付近は極細繊維および/または極細繊
    維束で連続していることを特徴とする交絡不織
    布。 2 交絡構造部Aの極細繊維は、交絡構造部Bの
    極細繊維およびその束から連続または枝分かれし
    たものであり、交絡構造部Bの極細繊維およびそ
    の束は、交絡構造部Cの極細繊維束から枝分かれ
    または連続したものであることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項に記載の交絡不織布。 3 交絡構造部Cの次にさらに交絡構造部B、も
    しくは交絡構造部Bおよび交絡構造部Aを順次分
    布させてなる特許請求の範囲第1項および第2項
    のいずれかに記載の交絡不織布。 4 極細繊維および/またはその束が高分子相互
    配列体繊維の少なくとも一成分を溶解除去して得
    られたものであることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項〜第3項のいずれかに記載の交絡不織
    布。 5 極細繊維および/またはその束が混合紡糸繊
    維の少なくとも一成分を溶解除去して得られたも
    のであることを特徴とする特許請求の範囲第1〜
    第3項のいずれかに記載の交絡不織布。 6 極細繊維の繊度が0.05デニール以下であるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項〜第5項の
    いずれかに記載の交絡不織布。
JP58176398A 1983-09-26 1983-09-26 交絡不織布 Granted JPS6071753A (ja)

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