JPH0115415Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はパチンコ玉を貸出す自動販売機形式の
パチンコ用自動玉貸機に係り、特に外部操作によ
るパチンコ玉の盗用を確実に防止し得るようにし
たパチンコ用自動玉貸機におけるパチンコ玉の流
出防止装置に関する。

近時、パチンコ店において所定個数単位で貸出
されるパチンコ玉は、パチンコ店側の省力化に伴
つて自動販売機形式のパチンコ玉貸機により貸出
されるようになされている。そしてパチンコ玉の
供給および回収をすべて集中制御する傾向に伴
い、パチンコ玉貸機も一連のパチンコ玉の供給系
統に組入れられ、パチンコ機の据付けに際しその
パチンコ機間に設置され、スペースの省略と共に
手近かな箇所でパチンコ玉の貸与を受けられるよ
うになつている。

しかし、コインの投入によりそのコイン自体の
落下動作を利用してパチンコ玉の投出指令とする
構成の玉貸機においては、例えばコインに糸を結
びつけ、このコインをコイン投入口から投入して
コイン感知部材を繰返し作動させることによりパ
チンコ玉を無制限に投出させるような不正操作が
行なわれる危険がある。また硬貨の出口以降に硬
貨詰りが生じた場合にもやはりたれ流しが生じる
という不都合があつた。

本考案はこれに鑑み、上記のような不正な外部
操作によりパチンコ玉が詐取されることはもちろ
ん、硬貨詰りによるたれ流し現象を確実に防止し
得るようにしたパチンコ用自動玉貸機におけるパ
チンコ玉流出防止装置を提供することを目的とし
てなされたものである。

以下、本考案を図面に示す実施例により説明す
る。

本考案に係るパチンコ玉流出防止装置を適用す
る投出装置１の一構成例を説明すると、第１図に
示すように、機体２に組付けられる機枠３に１つ
のユニツトとして組入れられるようになされたも
ので、この機枠３には一部が玉通路４に突出する
スターホイル状の玉カウンタプレート５が軸６に
より回動自在に取付けられ、該通路４を流下する
パチンコ玉が１個通る間に１歯ずつ送られるよう
に配設されている。図示実施例では、玉カウンタ
プレート５の各歯間の凹部はパチンコ玉の半径に
対応する彎曲凹状に形成され、その歯数を10と
し、10個のパチンコ玉が通過することにより１回
転されるように構成されている。

前記玉カウンタプレート５にはこれと一体に回
動する歯車７が設けられ、また前記玉カウンタプ
レート５の軸６と平行に設けられた軸８には、歯
車９と、位相をずらした２つのカム１０ａ，１０
ｂと、玉カウンタストツププレート１１とがそれ
ぞれ一体回動するように取付けられている。

前記歯車７と９とは中間歯車１２により連動さ
れ、また前記歯車７，９の歯数比は歯車９が１回
転する間に玉カウンタプレート５の歯数が１枚の
所定のコインＣに相当するパチンコ玉の個数分だ
け回動されるように設定される。

前記玉カウンタストツププレート１１は、外周
の一部に段部１３が形成され、この段部１３から
回転方向後方部に所要範囲にわたる大径部１４が
形成されており、ばね１５によりストツパ１６に
よる回動許容範囲内で図において時計方向に回動
する習性が与えられている。

前記段部１３にはストツプ解除レバー１７のス
トツプ爪１８が係合自在に配設されている。この
ストツプ解除レバー１７は、機枠３に軸１９によ
り回動自在に枢支され、その一端のコイン当接部
２０はコイン通路２１に上下動可能に突設されて
おり、該通路２１内を落下するコインＣがその上
面に衝接されるようになつている。またストツプ
解除レバー１７の他端側にはウエイト２２が設け
られ、前記コイン当接部２０にコインＣが衝接し
た際、前記ストツプ爪１８が前記段部１３から外
れ易くされている。なお、このストツプ解除レバ
ー１７は、合成樹脂、軽金属等の軽量な材料で形
成し、コインＣの自重による落下衝接時の衝突に
より敏感に応動することが必要である。

コインストツパ２３は、前記ストツプ解除レバ
ー１７のコイン当接部２０の上方に離間した位置
の機枠３に軸２４により枢支され、その軸着され
た上端部分のコイン通路２１側の面は、コインＣ
の一部が係合し得る弧状に凹むコイン嵌合部２５
に形成され、下部は下方に延長されてコイン通路
２１の壁部外面に沿つて自重で垂下され、該垂下
時には前記コイン嵌合部２５の上端２５ａがコイ
ン通路２１の内壁面２１ａと同一面内におかれ、
同下端２５ｂは必然的にコイン通路２１内に進入
して、コインＣの落下を防ぐように構成されてい
る。そして前記コインストツパ２３の延長部のコ
イン通路２１側に面する部分にはほぼコ字状をな
す凹所２６が形成されており、この凹所２６には
前記ストツプ解除レバー１７に突設されたアーム
２７の先端のピン２８が嵌合され、該コインスト
ツパ２３がコインＣを通過させる際の反時計方向
への移動時にのみピン２８が凹所２６から外れ出
るように配設されている。

コインストツパ２３をロツクするコインストツ
パロツクレバー３０は、機枠３に軸３１により枢
支され、そのロツク部３２が前記コインストツパ
２３の段部３３にばね３４の附勢により係合自在
に配設されている。

ストツプ解除レバー１７の復帰を確実ならしめ
る復帰レバー３５は、機枠３に軸３６により枢支
され、その一端がばね３７により突部が僅か先行
する方のカム１０ａのカム面に圧接されるととも
に同他端に延びるアーム３８が前記ストツプ解除
レバー１７の上方に延びるアーム３９に係合自在
に配設され、該復帰レバー３５がカム１０ａによ
り押し上げられたときアーム３８がストツプ解除
レバー１７のアーム３９に当接してこの解除レバ
ー１７が万一ごみの詰りやその他の理由により所
定のタイミングをもつて戻らない場合にこれを強
制的に復帰させるようになつている。また反対端
部４０は前記コインストツパ２３の背面に当接自
在とされ、前記のようにカム１０ａにより押し上
げられたときコインストツパ２３をコイン停止位
置（第３図Ｂ状態）に抑えるようになつている。

前記復帰レバー３５と同軸上には補助レバー４
１が枢支され、この補助レバー４１の一端は後方
にずれているカム１０ｂにばね４２の附勢を受け
て圧接され、同他端部４３は前記ロツクレバー３
０の背面に当接自在とされ、カム１０ｂにより押
し上げられたとき前記ロツクレバー３０をコイン
ストツパ２３の段部３３から外すようになつてい
る。

ストツプ解除レバー拘束部材５０は、第２図に
示すようにコイン通路２１に一側が進入するよう
その上端が軸５１により揺動自在に懸吊支持され
るもので、この拘束部材５０の前記コイン通路２
１内に進入する側面には前記ストツプ解除レバー
１７のコイン当接部２０が緩く嵌合し得るコ字状
の凹部５２が形成されている。この凹部５２の上
端から上方にかけての側縁は傾斜縁５３に形成さ
れており、前記軸５１を中心に自重により垂下し
た際、この傾斜縁５３がコイン通路２１の厚み方
向に横切つておかれるように形成されている。そ
して上記凹部５２を形成する上部端縁５２Ａは、
同下部端縁５２Ｂよりも突出されており、コイン
Ｃが上部端縁５２Ａを押しのけてこれを通過し終
つた瞬間に該上部端縁５２Ａはコイン通路２１に
突出しておかれるようになつている。また拘束部
材５０の下端は、ストツプ解除レバー１７のコイ
ン当接部２０が最下降してもその側縁から外れな
いようになつており、ストツプ解除レバー１７が
上昇復帰する際の妨げとならないようになつてい
る。

上記ストツプ解除レバー拘束部材５０と同軸に
コイン戻り阻止部材５４の基部が軸支され、自重
により垂下されている。このコイン戻り阻止部材
５４は、第２図に示すように、その下端縁５４ａ
が前記ストツプ解除レバー拘束部材５０の凹部５
２の上部端縁５２Ａよりやや上方位置に垂下さ
れ、その側縁５４ｂはコイン通路２１内に臨んで
位置されるように配設されており、コインの落下
時にはストツプ解除レバー拘束部材５０と一緒に
押しやられ、コインの通過とともにコイン戻り阻
止部材５４がストツプ解除レバー拘束部材５０よ
りも先に戻るようになつている。

第１図中５５は玉カウンタプレート５を１歯ず
つ確実に送るためのカバナ、５６は不正コインの
排出口、５７は玉投出口である。

つぎに上記実施例の作用を説明する。

パチンコ用自動玉貸機にパチンコ玉が供給され
ていると、パチンコ玉は玉通路４に充満し、玉カ
ウンタプレート５に至つている。

このとき玉投出装置１は第１図示のようにスト
ツプ解除レバー１７のストツプ爪１８が玉カウン
タストツププレート１１の段部１３に係合してお
り、そのためこれと一体的な歯車９は停止され、
したがつて中間歯車１２を介して噛合する歯車７
も停止されているので、これと一体の玉カウンタ
プレート５の歯にパチンコ玉の荷重が加わつても
回動することなく静止状態を維持している。

この状態において、コイン投入口からコインＣ
が投入されると、図示しないコイン通路を通つて
コイン選別機に入り、ここで適正なコインか否か
の判別が行なわれ、コインＣが適正であるときは
コイン通路２１へ送り込まれ、不正コインである
ときは排出口５５から返却される。

コイン通路２１へ送り込まれたコインC₁は、
第３図Ａのようにコインストツパ２３のコイン嵌
合部２５に一旦入る。するとコインC₁の自重に
よりその嵌合部２５の下端２５ｂを押すので、コ
インストツパ２３は軸２４を中心に反時計方向に
回動し、コインC₁を通過させる。

上記のようにコインストツパ２３がコインC₁
を通過させるだけ回動すると、その段部３３がロ
ツクレバー３０のロツク部３２に第３図Ｂのよう
に係合して戻れなくなり、同時に複数個のコイン
が投入されていても２個以上が同時に通過してし
まうことを防止する。したがつていくつかのコイ
ンC₂，C₃が同時に投入されたとしても、２番目
以降のコインC₂，C₃…は第３図Ｂのようにコイ
ンストツパ２３のコイン嵌合部２５の上端２５ａ
に当つて留められる。

またコインストツパ２３の回動によりその凹所
２６がストツプ解除レバー１７のアーム２７の先
端のピン２８から外れ、該解除レバー１７が回動
し得る状態になる。

前記のようにしてコインストツパ２３のコイン
嵌合部２５を通過したコインC₁は、その落下途
中においてコインC₁のエツジが第５図Ｂのよう
にストツプ解除レバー拘束部材５０の傾斜縁５３
に当るので、コインC₁の落下に伴つて上記拘束
部材５０が軸５１を中心に次第に反時計方向に揺
動し、コインC₁の通過を妨げないよう退去して
ストツプ解除レバー１７の拘束が解かれる。この
拘束部材５０を押しのけて落下するコインC₁は
ストツプ解除レバー１７のコイン当接部２０に加
速度がついて勢いよく衝突し、その衝撃によりス
トツプ解除レバー１７を軸１９を中心として反時
計方向に回動させる（第３図Ｂ）。この際のスト
ツプ解除レバー１７の回動はウエイト２２に作用
し、その初期動作の慣性によりストツプ解除レバ
ー１７を緩やかに大きく回動させることになる。

前記のようにストツプ解除レバー１７の回動さ
せたコインC₁は、機体１の背部側に落入し、図
示しないコンベヤ等により回収される。

前記ストツプ解除レバー１７が反時計方向に回
動すると、そのストツプ爪１８が玉カウンタスト
ツププレート１１の段部１３から外れる。すると
玉カウンタストツププレート１１はばね１５の作
用によりストツパ１６に当る範囲だけ瞬間的に時
計方向に回動し、第４図Ｂのようにその大径部１
４がストツプ爪１８の上端が当り得る位置に入り
込み、ストツプ解除レバー１７がウエイト２２の
作用で復元回動してもストツプ爪１８が段部１３
に係合しない。したがつて今までストツプ爪１８
により拘束を受けていた玉カウンタストツププレ
ート１１を含む歯車９、カム１０ａ，１０ｂは回
転し得る状態となる。

歯車９の拘束が解かれたことにより、玉カウン
タプレート５はパチンコ玉の重量によつて回転さ
れ始め、前記玉カウンタストツププレート１１の
段部１３が第４図Ａのように再び前記ストツプ爪
１８に当るまで回転する。

玉カウンタストツププレート１１が１回転し、
ストツプ解除レバー１７のストツプ爪１８に段部
１３が当つて止ると、それにより歯車９，１２も
停止し、玉カウンタプレート５も停止してパチン
コ玉の投出が止る。この停止までの間に、前記取
り込んだコインC₁に相応する個数のパチンコ玉
が投出口５７から外部の受皿等に投出される。

一方、ストツプ解除レバー１７がコインC₁の
衝突により回動された際、そのアーム３９は第３
図Ｂのように復帰レバー３５のアーム３８の背後
に位置する。

前記ストツプ解除レバー１７がウエイト２２の
重量により時計方向に復帰回動し、ストツプ解除
レバー拘束部材５０を押しのけて元位置（第３図
Ｃ、第５図Ａの状態）に復帰すると、そのアーム
３９はアーム３８から離反するとともに復帰レバ
ー３５のカム当接部側がカム１０ａにより押し上
げられ、これにより押し上げられ、前記復帰レバ
ー３５の先端部４０はコインストツパ２３の背後
に位置すると同時に補助レバー４１はロツクレバ
ー３０を押してそのロツク部３２をコインストツ
パ２３の段部３３から外す。

これによりコインストツパ２３は自重により時
計方向に回動して垂下され、その凹所２６がスト
ツプ解除レバー１７のアーム２７のピン２８に係
合し、当該解除レバー１７の下降を阻止する一
方、コインストツパ２３のコイン嵌合部２５の上
端２５ａが後退するので、次のコインC₂がコイ
ン嵌合部２５に嵌るように落下し、コインストツ
パ２３を回動させて、復帰レバー３５の先端部４
０に当接し、コインC₂をコイン嵌合部２５に一
旦保持する。復帰レバー３５のカム当接部がカム
１０ａの段部に落ちると、前記先端部４０が図に
おいて右斜め上方へ退去し、コインストツパ２３
の回動を許すことになつて、前述の最初のコイン
C₁の場合と同様の作用に入る。

以上のように作用する玉貸機において、例えば
コインＣに糸を結びつけ、これをコイン通路２１
に投入してストツプ解除レバー１７に当接させ、
これを下降動させて再び引上げ、ストツプ解除レ
バー１７を作動させることを繰返すことによりパ
チンコ玉を無制限に投出させることがなされよう
としても、本考案にあつては、コイン通路２１に
臨むストツプ解除レバー拘束部材５０の凹部５２
の上部端縁５２Ａが下部端縁５２Ｂよりも突出さ
れているので、一旦上部端縁５２Ａを押しのけて
これを通過したのちはコインＣを引上げようとし
ても第５図Ｂのようにその上部端縁５２Ａにコイ
ンＣの上端が当つて引上げることができず、コイ
ンＣは落ちも引上けもできない状態におかれるこ
とになる。

そのためパチンコ玉が１回の投出量に近い個数
が投出されたのちカム１０ａが１周回したとき、
前述のようにコインＣにより押下げ状態におかれ
ているストツプ解除レバー１７のアーム３９でア
ーム３８も押しつけられている状態（第３図Ｂ
示）の拘束機構が働いているので、該カムはそれ
以上回転することができず、その結果、パチンコ
玉の流出は停止される。

またコイン通路２１から機体１の背部側に取込
まれるコインが何らかの理由によりその経路が詰
り、コインがコイン通路２１にまで及ぶと、スト
ツプ解除レバー拘束部材５０の下端が、流出しな
いコインによつて第２図右方に押されて逃げた状
態におかれ、ストツプ解除レバー１７の先端はス
トツプ解除レバー拘束部材５０の凹部５２による
拘束作用を受けなくなり、コイン通路２１内に投
入されているコインによりそのストツプ解除レバ
ー１７を押し下げるので上下動を繰返し、これに
よりパチンコ玉をたれ流すことになるが、本考案
においては、最後にストツプ解除レバー１７の先
端に当つてこれを押し下げたコインが第５図Ｂの
ようにコイン戻り阻止部材５４の下端縁５４ａに
当つて戻れなくなり、仮にストツプ解除レバー拘
束部材５０がコインにより右方に押されていたと
してもストツプ解除レバー１７は上昇することが
できず、その結果、パチンコ玉のたれ流しは全く
生じない。

以上のように本考案によれば、コインに糸をつ
けて不正にパチンコ玉を投出させようとしても、
その不正操作は不可能となり、パチンコ玉の盗取
を確実に防止することができるとともに、コイン
回収部にコインの詰りが生じてもパチンコ玉のた
れ流しを確実に防止することができる。

なお、本考案は、図示実施例の投出機構に限定
されるものではなく、投入コイン自体で動作され
るレバーによつて玉カウンタ機構に投出指令を発
する形式のものであれば適用し得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用したパチンコ用自動玉貸
機の玉投出装置部分の拡大図、第２図は第１図の
−線視図、第３図Ａ乃至Ｃは同作動状態を示
す説明図、第４図Ａ，Ｂはストツプ解除レバーと
ストツププレートとの関係を示す説明図、第５図
Ａ，Ｂはストツプ解除レバー拘束部材およびコイ
ン戻り阻止部材の作動状態を示す説明図である。 １……投出装置、２……機体、３……機枠、４
……玉通路、５……玉カウンタプレート、７，９
……歯車、１０ａ，１０ｂ……カム、１１……玉
カウンタストツププレート、１２……中間歯車、
１３……段部、１４……大径部、１７……ストツ
プ解除レバー、１８……ストツプ爪、２０……コ
イン当接部、２２……ウエイト、２３……コイン
ストツパ、２５……コイン嵌合部、２６……凹
所、２７，３８，３９……アーム、２８……ピ
ン、３０……ロツクレバー、３２……ロツク部、
３３……段部、３５……復帰レバー、４１……補
助レバー、５０……ストツプ解除レバー拘束部
材、５２……凹部、５２Ａ……上部端縁、５２Ｂ
……下部端縁、５３……傾斜縁、５４……コイン
戻り阻止部材、５４Ａ……下端縁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 玉通路内に供給されるパチンコ玉に係合し、こ
   のパチンコ玉により回転されて計数する玉カウン
   タ機構と、一端がコイン通路に臨み、投入された
   コインの衝接により揺動して前記玉カウンタ機構
   の拘束を解きパチンコ玉を投出させるストツプ解
   除レバーとを有し、該レバーが復帰しないとき前
   記玉カウンタ機構を不動状態に拘束する拘束機構
   を有するパチンコ用自動玉貸機において、前記コ
   イン通路に一側を臨ませ落下コインにより該通路
   から退去動されるよう揺動自在に垂設されたスト
   ツプ解除レバー拘束部材およびコイン戻り阻止部
   材を設け、前記ストツプ解除レバー拘束部材のコ
   イン通路内に臨む一側に前記ストツプ解除レバー
   の非作動時にこれが嵌入して下降動を阻止する凹
   部を形成し、前記コイン戻り阻止部材の下端縁は
   前記凹部の上部端縁近傍に垂下するよう配設して
   なるパチンコ用自動玉貸機におけるパチンコ玉の
   流出防止装置。