このように従来の太陽光発電システムでは、太陽からの直射光を直接的に受光して発電させるために、多数の太陽光パネルを野外に露出した状態で設置せざるを得なかった。その結果、自然の景観を大きく損なう結果となっていた。
近年、太陽光発電パネルにペロブスカイト系の発電モジュールを使用することが提案され始めている。しかしながら、ペロブスカイト膜は、湿気や紫外線等に弱く、風雨や積雪、鳥の糞や鳥による破損等の鳥害にさらされる屋外環境下に設置する太陽光発電パネルにそのまま使用することは難しかった。
従って本発明の目的は、太陽光発電パネルを屋外環境下に直接的にさらして設置することなく、充分な電力を発電可能なソーラーシェアリングシステムを提供することにある。
本発明の他の目的は、効率の良いソーラーシェアリングシステムを提供することにある。
本発明によれば、太陽光発電システムは、太陽光を拡散透過する光拡散部材と、光拡散部材の下方に固定して設けられ、この光拡散部材の面から離れる方向に伸長している高い光電変換効率の複数の太陽光発電パネルとを備え、光拡散部材により拡散透過された光を太陽光発電パネルに入射させて発電を行うように構成されている。
光拡散部材の下方に、この光拡散部材の面から離れる方向に伸長している高い光電変換効率の複数の太陽光発電パネルが設けられており、光拡散部材により拡散された光を太陽光発電パネルに入射させることによって発電を行っている。太陽光発電パネルが光拡散部材によって覆われ、野外に露出した状態では設置されないことから、自然の景観を損なうことはなくなり、自然環境に対する耐性の乏しい太陽光発電パネルであっても問題なく設置することができる。また、太陽光発電パネルが光拡散部材の面から離れる方向に伸長しているので、光拡散部材からの拡散光を受ける光電変換面の面積が大きくなり、発電量が増大する。さらに、光拡散部材により拡散された光を通過させることによって下方の照明を行うように構成すれば、ソーラーシェアリングシステムに適用することができる。なお、本明細書における「ソーラーシェアリング」とは、太陽光発電と営農(作物の育成)とを同一の土地で行うもののみならず、太陽光発電と他の活動、例えば、種々の仕事、読書、勉学、休憩、睡眠、喫茶、食事、スポーツ、遊び、催事場、フリースペース、駐輪、駐車等のあらゆる活動とを同一の土地で行うものを含んでいる。
太陽光発電パネルが、ペロブスカイト太陽光発電膜を用いた太陽光発電パネルであることが好ましい。ペロブスカイト太陽光発電膜は、日本国内で産出した鉱物で安価に製造でき、光の吸収率が高いので、拡散光である比較的弱い光であっても長時間効果的に発電することができる。また、太陽光発電パネルが光拡散部材の下方に設けられているので、風雨や積雪、直射日光、鳥の糞や鳥による破損等の鳥害にさらされることがなく、湿気や紫外線等に弱いペロブスカイト太陽光発電膜を用いた太陽光発電パネルであっても全く問題は生じない。
この場合、太陽光発電パネルが、基板パネル上にペロブスカイト太陽光発電膜が積層形成された太陽光発電パネルであることが好ましい。薄くて曲がりやすいペロブスカイト太陽光発電膜であっても、基板パネル上に積層形成されることにより、耐久性のある太陽光発電パネルが構成される。
また、この場合、太陽光発電パネルが、シリコン太陽光発電膜とペロブスカイト太陽光発電膜とが基板パネル上に下から順次積層形成された太陽光発電パネルであることも好ましい。ペロブスカイト太陽光発電膜は光透過性があるため、入射した光に対してペロブスカイト太陽光発電膜と、これとは異なる波長領域で最大の変換特性となるシリコン太陽光発電膜との両方で効率良く光電変換を行うことができる。
太陽光発電パネルが、光拡散部材の面から、この面に垂直に近い角度の方向に伸長する複数の太陽光発電パネルであることも好ましい。太陽光発電パネルを光拡散部材の面に垂直に近い角度の方向に伸長するように設置すれば、太陽光発電パネル間を拡散光が通過して下方に照射されるため、下方の領域に光が照射されることとなり、効率良くソーラーシェアリングを行なうことができる。
太陽光発電パネルが、光拡散部材の面から、地平面に垂直に近い角度の方向に伸長する複数の太陽光発電パネルであることも好ましい。太陽光発電パネルを地平面に垂直に近い角度の方向に伸長するように設置すれば、太陽光発電パネル間を拡散光が通過して下方に照射されるため、下方の領域に光が照射されることとなり、効率良くソーラーシェアリングを行なうことができる。
複数の太陽光発電パネルが、光拡散部材の面の一部にのみ設けられていることも好ましい。太陽光発電パネルが設けられている領域においては、この太陽光発電パネルによって拡散光による太陽光発電を行い、太陽光発電パネルが設けられていない領域においては、拡散部材からの拡散光がそのまま下方に照射されることとなるため、効率良くソーラーシェアリングを行なうことができる。太陽光発電パネルが設けられている領域においても、太陽光発電パネルが光拡散部材の面から離れる方向に伸長しているので、光拡散部材からの拡散光のうち太陽光発電パネルの間を通過し太陽光発電パネルによって遮られない光が下方に照射されることとなるため、ソーラーシェアリングを行なうことができる。
複数の太陽光発電パネルが、光拡散部材の面の全体に渡って設けられていることも好ましい。光拡散部材を拡散透過した拡散光のうち、太陽光発電パネルに遮られずその間を通り抜けた光以外の全ての光が太陽光発電パネルによって光電変換されて発電に供される。この太陽光発電システムの設置面積を増大すれば、発電規模が1000kwを超える大規模な太陽光発電システムであるメガソーラーに適用可能である。また、太陽光発電パネルが光拡散部材の面から離れる方向に伸長しているので、光拡散部材からの拡散光のうち太陽光発電パネルの間を通過し太陽光発電パネルによって遮られない光が下方に照射されることとなるため、ソーラーシェアリングを行なうことができる。
複数の太陽光発電パネルの少なくとも一部が、片面のみに太陽光発電膜が設けられた太陽光発電パネルであることも好ましい。光拡散部材の設けられている領域と設けられていない領域との境界に位置する太陽光発電パネルについては、光拡散部材から拡散光を受ける片面のみに太陽光発電膜を設けることにより、この太陽光発電膜が風雨や積雪、直射日光、鳥の糞や鳥による破損等の鳥害にさらされることがなくなる。
複数の太陽光発電パネルの少なくとも一部が、両面に太陽光発電膜が設けられた太陽光発電パネルであることも好ましい。光拡散部材から拡散光を受ける両面に太陽光発電膜を設ければ、太陽光発電パネルの両面で発電が行われるため、光電変換効率が増大する。
複数の太陽光発電パネルが、同一の方向に沿って伸長する複数の太陽光発電パネルであることも好ましい。
複数の太陽光発電パネルが、列状又は行状に配列された複数の太陽光発電パネルであることも好ましい。
複数の太陽光発電パネルが、マス目状に配列された複数の太陽光発電パネルであることも好ましい。
隣り合う太陽光発電パネルの下端が互いに連結されていることも好ましい。下端が互いに連結されることにより、全ての拡散光が太陽光発電パネルに入射し光電変換されて発電に供される。
太陽光発電パネルが、平板形状、波板形状又は凹凸形状の太陽光発電パネルであることも好ましい。
光拡散部材が、平板形状、シート形状又は波板形状の光拡散部材であることも好ましい。
太陽光発電システムが、天面に上述した光拡散部材が設けられ、光拡散部材の下方に上述した複数の太陽光発電パネルが設けられ、4つの側面の各々に、内側の片面のみに太陽光発電膜が設けられた太陽光発電パネルが設けられて構成された、移動可能な箱型形状の少なくとも1つの太陽光発電装置からなることも好ましい。このような太陽光発電装置によれば、発電が必要とされる場所に移動して設置することができ、また、狭い設置面積で大きな発電量(3倍の発電量)を期待できる。
本発明によれば、光拡散部材の下方に、この光拡散部材の面から離れる方向に伸長している高い光電変換効率の複数の太陽光発電パネルが設けられており、光拡散部材により拡散された光を太陽光発電パネルに入射させることによって発電を行っている。太陽光発電パネルが光拡散部材によって覆われ、野外に露出した状態では設置されないことから、自然の景観を損なうことはなくなり、自然環境に対する耐性の乏しい太陽光発電パネルであっても問題なく設置することができる。また、太陽光発電パネルが光拡散部材の面から離れる方向に伸長しているので、光拡散部材からの拡散光を受ける光電変換面の面積が大きくなり、発電量が増大する。さらに、光拡散部材により拡散された光を通過させることによって下方の照明を行うように構成すれば、ソーラーシェアリングシステムに適用することができる。なお、本明細書における「ソーラーシェアリング」とは、太陽光発電と営農(作物の育成)とを同一の土地で行うもののみならず、太陽光発電と他の活動、例えば、種々の仕事、読書、勉学、休憩、睡眠、喫茶、食事、スポーツ、遊び、催事場、フリースペース、駐輪、駐車等のあらゆる活動とを同一の土地で行うものを含んでいる。
図1は本発明の一実施形態における太陽光発電システムの構成を概略的に示しており、図2は本実施形態における太陽光発電パネルの概略構成を(A)は斜視状態で、(B)はB-B線断面でそれぞれ示しており、図3は本実施形態における太陽光発電パネルの構成を光拡散部材の面に沿った断面で概略的に示している。
本実施形態は、本発明のソーラーシェアリングシステムの一例である。図1に示すように、このソーラーシェアリングシステムにおいては、作物(栽培物)や樹木10が植えられた耕地(若しくは水耕栽培の場合は栽培槽)や地面11の上方に、支柱(図示なし)によって支持されたフレーム(図示なし)が設置されており、このフレームに太陽光を透過拡散する波板形状の光拡散部材12が設置され、この光拡散部材12の下に複数の太陽光発電パネルユニット13が固定して設置されている。
本実施形態において、各太陽光発電パネルユニット13は光拡散部材12の面から離れる同一の方向に伸長する面(光電変換面)をそれぞれ有する複数の太陽光発電パネル13aを有している。ここで、「光拡散部材12の面から離れる方向」とは、光拡散部材12の面からこの面に垂直に近い角度の方向か又は光拡散部材12の面から地平面に垂直に近い角度の方向である。ただし、図1の場合は。光拡散部材12の面からこの面に垂直に近い角度の方向と、光拡散部材12の面から地平面に垂直に近い角度の方向とが同じになる。これは、光拡散部材12が南北方向に傾斜し、太陽光発電パネル13aも南北方向に伸長しているためである。太陽光発電パネル13aが東西方向に伸長していれば、光拡散部材12の面からこの面に垂直に近い角度の方向であるか又は光拡散部材12の面から地平面に垂直に近い角度の方向のどちらかとなる。因みに、図1に示した例では、雨水を上面から効果的に流すために光拡散部材12を、図にて手前(北側)から奥(南側)に向けて下がるように若干傾斜させている。これに対して、太陽光発電パネル13aの面は南北方向に伸長している。このように、本実施形態では、太陽光発電パネル13aが光拡散部材12の面から離れる方向に伸長しているので、光拡散部材12からの拡散光を受ける光電変換面の面積が大きくなり、その結果、発電量が増大する。
本実施形態において、複数の太陽光発電パネル13aからなる太陽光発電パネルユニット13は、光拡散部材12の面の一部にのみ設けられている。太陽光発電パネルユニット13が設けられている領域においては、太陽光発電パネル13aによって拡散光による太陽光発電を行い、太陽光発電パネルユニット13が設けられていない領域においては、拡散部材12からの拡散光がそのまま下方に照射され、育成する作物10に光が照射されることとなるため、効率良くソーラーシェアリングを行なうことができる。ただし、太陽光発電パネルユニット13が設けられている領域においても、太陽光発電パネル13aが光拡散部材12の面から離れる方向に伸長しているので、光拡散部材12からの拡散光のうち、太陽光発電パネル13aの間を通り、太陽光発電パネル13aによって遮られない光が下方に照射され、育成する作物10に光が照射されることとなるため、ソーラーシェアリングを行なうことができる。
光拡散部材12は、波板形状を有している。波板形状の光拡散部材12を使用することにより、その表面積が1.2倍程度から1.5倍程度に増えるため、特に曇りや雨の時の天空光や太陽の高度が低くなった時の太陽光を効率よく拡散させて照射できるようになる。また、光拡散部材12は、安価で腰が強く、雨仕舞いに優れ、暴風雨に絶えるものが望ましい。さらに、透過率が50%から80%程度、拡散角度が20度から100度程度であるものが望ましく、これにより真下の作物には東西方向及び南北方向から均一な拡散光を照射させることができ、その結果、高さのある作物も安定的な栽培を行うことができる。さらにまた、光拡散部材12は、紫外線の透過率が低いものであることが望まれる。従って、光拡散部材12としては、屋根材として使用され実績のある材料から、加工が容易であり、波板形状を有しており、光を透過かつ拡散し、紫外線の透過を低減する素材が選ばれる。波板形状としては、山形の折板形状、丸波形状又は角波形状が一般的であるが、凹凸形状であっても良い。光を透過かつ拡散する素材としては、ポリカーボネート材料が望ましいが、FRP材料であっても良い。また、安価で雨仕舞いがよく取付けが簡単な丸波形状の市販品を使用することが望ましい。もちろん、光拡散部材12の透過率、拡散角度については、設置高さ、設置間隔、作物の背丈や必要とする照度を考慮して選択される。本実施形態においては、光拡散部材12は、波板形状のポリカーボネートパネルで構成されており、1枚の寸法は、単なる一例であるが、幅(長辺)が約1800mm、流れ方向の長さ(短辺)が約600mm、山ピッチが約32mm、山高が約9mmとなっている。このようなパネルを複数枚使用して光拡散部材12を構成している。使用したパネルは、具体的には、単なる一例であるが、ポリカーボネート波板パネル(例えば、住友ベークライト株式会社製のポリカナミ32mmフロスト(登録商標)若しくはポリカナミ63mmフロスト(登録商標))、又はポリカーボネート中空パネルである。フロストタイプ、エンボス仕上げを用いると拡散性がより向上する。住友ベークライト株式会社製のポリカツイン(登録商標)、AGC株式会社製のツインカーボ(登録商標)、タキロンシーアイ株式会社製のペアカーボ(登録商標)等の光拡散パネルを用いても良い。拡散性は低下するが、光拡散部材12を平板形状又はシート形状の光拡散部材で構成しても良い。
作物とのソーラーシェアリングの場合、作物への均一な潅水を行うため、本実施形態においては、波型の流れ方向を南北方向とした場合に、光拡散部材12をその流れ方向に1/10程度から3/10程度の水勾配をとり、南方向に下方に傾斜させている。さらに、光拡散部材12の南北方向の一部に図示しない雨水の落し口が作成されており、この落し口を介して雨水が下の作物に注がれるように構成されている。
この光拡散部材12による光拡散特性及び紫外線透過特性を実測した。開口部(採光部)に光拡散を目的とした光透過率88%のポリカーボネート波板(住友ベークライト株式会社製のポリカナミ32mmフロスト(登録商標))を設置し、採光部中心直下の3m下方、及びこの採光部中心から0.9m以上離れた遮光部中心真下の3m下方における照度及び紫外線量を測定した。照度及び紫外線量の測定機器は株式会社ティーアンドディー製、TR-74Uiを用いた。その結果、天候照度(直射光による照度)が11.1万lx、天候紫外線量(直射光による紫外線量)が1.996mw/cm2の場合は、採光部中心直下の3m下方の照度は2.5万lx、紫外線量は0.117mw/cm2となり、採光部中心から0.9m以上離れた遮光部中心真下の3m下方における照度は2.7万lx、紫外線量は0.105mw/cm2となった。このことから、光拡散部材12を透過拡散する拡散光による照度は意外に高く、拡散光がかなりの横方向範囲まで高い照度を維持していることが判明した。また、紫外線についても、95%がカットオフされており、メーカカタログとほぼ同じ透過阻止率であることが確認された。別の日時の実証実験によると、天候照度(直射光による照度)が8.8万lx、天候紫外線量(直射光による紫外線量)が1.018mw/cm2の場合に、光拡散部材12のすぐ下(5mm下方)における照度は5.2万lx、紫外線量は0.026mw/cm2となった。このことからも、光拡散部材12を透過する拡散光の光強度はかなり高く、また、紫外線は大きく減少することが分かった。
太陽光発電パネル13aは、本実施形態においては、図2に示すように、鋼鉄、ステンレス鋼等の金属基板若しくは樹脂基板、又はスレート基板からなる波型形状の基板パネル13a1の両面にペロブスカイト太陽光発電膜13a2及び13a3をそれぞれ積層した長方形の波型形状のパネルで構成されている。波型形状とすることにより、強度が増すため、薄い素材であっても使用することができ、また、拡散光を受ける面積が約1.2倍となる。複数の太陽光発電パネル13aが、図3に示すように、同一の方向(南北方向)に沿って互いに平行に列状配列されている。光拡散部材12からの拡散光を受ける太陽光発電パネル13aについては、両面のペロブスカイト太陽光発電膜13a2及び13a3で発電を行い、光電変換効率を増大させている。一方、南北方向の端部には、基板パネルの片面のみにペロブスカイト太陽光発電膜を積層した波型形状の太陽光発電パネル13bが東西方向に沿って設置されている。光拡散部材12の外側境界に位置する太陽光発電パネル13bについては、光拡散部材13から拡散光を受ける片面のみにペロブスカイト太陽光発電膜を設けることにより、このペロブスカイト太陽光発電膜が風雨や積雪、直射日光、鳥の糞や鳥による破損(例えば、カラスなどがつつくことによる膜の破損)等の鳥害にさらされることがなくなり、湿気や紫外線等に弱いペロブスカイト太陽光発電膜を用いた場合にも、全く問題は生じなかった。図3に示すように、本実施形態においては、太陽光発電パネル13a及び13bは、波型の流れ方向が上下方向となるように設置されている。太陽光発電パネル13a及び13bの寸法として、長さ(L)及び幅(W)は、互いに平行に伸長する太陽光発電パネル13a及び13bのピッチである設置間隔(WS)の倍数である。この設置間隔(WS)は、単なる一例であるが、例えば、約200mm~約1000mmの範囲で適宜選択可能である。高さ(H)は、単なる一例であるが、例えば、約100mm~約2500mmの範囲で適宜選択可能である。
このように、本実施形態においては、太陽光発電パネル13a及び13bにペロブスカイト太陽光発電膜を用いている。ペロブスカイト太陽光発電膜は、軽量で柔軟性があり、日本国内で産出した鉱物で安価に製造でき、光の吸収率が高いので拡散光である比較的弱い光であっても効率良く発電することができる。また、太陽光発電パネル13a及び13bが光拡散部材12で覆われその下方に設けられているので、風雨や積雪、直射日光、鳥の糞や鳥による破損(例えば、カラスなどがつつくことによる膜の破損)等の鳥害にさらされることがなく、湿気や紫外線等に弱いペロブスカイト太陽光発電膜を用いていても全く問題は生じない。
この場合、複数の太陽光発電パネル13a及び13bが、基板パネル上にペロブスカイト太陽光発電膜が積層形成された太陽光発電パネルであることが好ましい。薄くて曲がりやすいペロブスカイト太陽光発電膜であっても、基板パネル上に積層形成されることにより、耐久性のある太陽光発電パネルが構成される。
太陽光発電パネル13a及び13bを、鋼鉄、ステンレス鋼等の金属基板又は樹脂基板からなる波型形状の基板パネル上にシリコン太陽光発電膜を積層し、その上にペロブスカイト太陽光発電膜をして構成することも可能である。このような二重積層構造とすれば、ペロブスカイト太陽光発電膜は光透過性があること、及びペロブスカイト太陽光発電膜とシリコン太陽光発電膜とでは変換特性が最大となる波長領域が異なることから、入射した光に対してペロブスカイト太陽光発電膜とシリコン太陽光発電膜との両方で効率良く光電変換を行うことができる。
本実施形態における重要なポイントは、光拡散部材12が横方向に広く光を透過拡散すること、ペロブスカイト太陽光発電膜を積層形成した太陽光発電パネル13a及び13bの面(光電変換面、ペロブスカイト太陽光発電膜の面)が光拡散部材12の面から離れる方向に伸長するようにこの光拡散部材12の下方に固定設置されていること、並びに太陽光発電パネル13a及び13bが、光拡散部材12の面の一部にのみ設けられていることにある。これにより、光拡散部材12からの横方向に広がる拡散光が、受光面積の大きくなった太陽光発電パネル13a及び13bのペロブスカイト太陽光発電膜に入射し、ペロブスカイト太陽光発電膜によって効率良く発電が行われる。また、太陽光発電パネル13a及び13bの間を通過した拡散光が下方に抜けて、下方の領域を照射する。さらに、太陽光発電パネル13a及び13bが設けられていない部分では、光拡散部材12からの拡散光がそのまま下方の領域に照射される。ペロブスカイト太陽光発電膜は、光の吸収率が高いので拡散光である比較的弱い光がこのような角度で入射しても、効果的に発電することができる。また、光拡散部材12によって覆われてその下方に設けられているので、風雨や積雪、直射日光、鳥の糞や鳥による破損等の鳥害にさらされることがない。さらに、拡散光が間を通過するので、ソーラーシェアリングが効果的に行われることとなる。
本実施形態においては、また、太陽光発電パネル13a及び13bが光拡散部材12によって覆われ、野外に露出した状態では設置されないことから、自然の景観を損なうことはなくなり、自然環境に対する耐性の乏しい太陽光発電パネルであっても問題なく設置することができる。また、太陽光発電システムに木材を使用すれば、景観をより自然に保つことが可能である。
以上、太陽光発電と営農(作物の育成)とを同一の土地で行うソーラーシェアリングシステムについて説明したが、本実施形態のソーラーシェアリングシステムは、太陽光発電と他の活動、例えば、種々の仕事、読書、勉学、休憩、睡眠、喫茶、食事、スポーツ、遊び、催事場、フリースペース、駐輪、駐車等のあらゆる活動とを同一の土地で行うものにも適用可能である。
上述したように、本実施形態では、太陽光発電パネル13aが光拡散部材12の面から離れる方向に伸長しているので、光拡散部材12からの拡散光を受ける光電変換面の面積が大きくなり、その結果、発電量が増大する。一例として、長さ(L)、幅(W)及び高さ(H)が共に2mである太陽光発電パネルユニットについて光電変換面の面積を算出する。両面にペロブスカイト太陽光発電膜による光電変換面を有する太陽光発電パネル13aが内部に3つ設けられ、片面のみにペロブスカイト太陽光発電膜による光電変換面を有する太陽光発電パネル13bが4つの側面に設けられているとする。この場合、光電変換面の合計面積は、2(m)×2(m)×2×3+2(m)×2(m)×4=24(m2)+16(m2)=40(m2)となる。太陽光発電パネルユニットの天面にのみシリコン太陽光発電膜を設ける従来の太陽光発電システムの場合、光電変換面の面積は、2(m)×2(m)=4(m2)であるから、本実施形態における光電変換面の面積は10倍となる。ペロブスカイト太陽光発電膜の発電効率とシリコン太陽光発電膜の発電効率とが同じ20%であると仮定すると、ペロブスカイト太陽光発電膜の場合の入射する拡散光による照度が2.5万lxであり、シリコン太陽光発電膜の場合の入射する直射光による照度(天候照度)が11.1万lxであるから、(ペロブスカイト太陽光発電膜の場合の発電量)/(シリコン太陽光発電膜の場合の発電量)=(2.5(万lx)×40(m2)×0.2)/(11.1(万lx)×4(m2)×0.2)=20/8.88=2.25となる。即ち、本実施形態の太陽光発電システムの場合の発電量は、シリコン太陽光発電膜による従来の太陽光発電システムの発電量の約2.25倍となる。
図4は本実施形態の変更態様における太陽光発電パネルユニット13′の構成を光拡散部材の面に沿った断面で示している。
図4に示すように、この変更態様においては、太陽光発電パネル13a′及び13b′は、平板形状の基板パネルの両面にペロブスカイト太陽光発電膜をそれぞれ積層した太陽光発電パネル13a′と、平板形状の基板パネルの片面にペロブスカイト太陽光発電膜を積層した太陽光発電パネル13b′とから構成されている。両面にペロブスカイト太陽光発電膜をそれぞれ積層した複数の太陽光発電パネル13a′が同一の方向(南北方向)に沿って互いに平行に列状配列されている。南北方向の端部には、基板パネルの片面のみにペロブスカイト太陽光発電膜を積層した平板形状の太陽光発電パネル13b′が東西方向に沿って設置されている。本変更態様のその他の構成及び作用効果は、図1の実施形態の場合と全く同様であるため、説明を省略する。
以上説明した実施形態及び変更態様によれば、太陽光発電パネル13a、13a′が光拡散部材12、12′の面から離れる方向に伸長しているので、光拡散部材12、12′からの拡散光を受ける光電変換面の面積が大きくなり、その結果、発電量が増大する。また、図5に示すように、太陽光発電パネルユニット13、13′の存在しない領域においては、波型の光拡散部材12、12′によって広く拡散された拡散光の一部14aがそのまま下方に照射される。太陽光発電パネルユニット13、13′の存在する領域においては、光拡散部材12、12′によって拡散された拡散光の一部14bが、光拡散部材12、12′の面から離れる方向に伸長する面(光電変換面、ペロブスカイト太陽光発電膜の面)を有する太陽光発電パネル13a、13a′のその光電変換面(ペロブスカイト太陽光発電膜の面)に照射され、弱い拡散光であってもペロブスカイト太陽光発電膜による発電が行われる。さらに、太陽光発電パネルユニット13、13′の存在する領域においては、光拡散部材12、12′によって拡散された拡散光の一部14cが、太陽光発電パネル13a、13a′の間を抜けてそのまま下方に照射される。従って、拡散光がそのまま又は太陽光発電パネル13a、13a′の間を通って下方の領域に光が照射されると共に、拡散光によるペロブスカイト太陽光発電膜による発電が行われる。
図6は本発明の他の実施形態における太陽光発電システムの構成を概略的に示している。
本実施形態は、本発明の太陽光発電システムをソーラーシェアリングシステムに適用した例である。図6に示すように、このソーラーシェアリングシステムにおいては、作物(栽培物)や樹木110が植えられた耕地(若しくは水耕栽培の場合は栽培槽)や地面111の上方に、支柱(図示なし)によって支持されたフレーム(図示なし)が設置されており、このフレームに太陽光を透過拡散する波板形状の光拡散部材112が設置され、この光拡散部材112の下に複数の太陽光発電パネル113aが固定して設置されている。
本実施形態において、複数の太陽光発電パネル113aは光拡散部材112の面から離れる同一の方向に伸長する面(光電変換面、ペロブスカイト太陽光発電膜の面)をそれぞれ有している。ここで、「光拡散部材112の面から離れる方向」とは、図1の実施形態における説明と同様である。
本実施形態において、複数の太陽光発電パネル113aは、光拡散部材112の面の全体に渡って設けられている。これにより、これら太陽光発電パネル113aによって拡散光による太陽光発電が行われる。太陽光発電パネル113aが光拡散部材112の面から離れる方向に伸長しているので、光拡散部材112からの拡散光のうち太陽光発電パネル113aの間を通過した拡散光が下方に抜けて、育成する作物110に光が照射されることとなるため、ソーラーシェアリングを行なうことができる。
光拡散部材112及び太陽光発電パネル113aの構成及び配置については、図1の実施形態の場合と同様であるため、説明を省略する。
本実施形態においても、太陽光発電パネル113aが光拡散部材112の面から離れる方向に伸長しているので、光拡散部材112からの拡散光を受ける光電変換面の面積が大きくなり、その結果、発電量が増大する。また、太陽光発電パネル113aが、ペロブスカイト太陽光発電膜を用いているため、日本国内で産出した鉱物で安価に製造でき、光電変換効率が高く、拡散光である比較的弱い光であっても効果的に発電することができる。また、太陽光発電パネルが光拡散部材によって覆われて下方に設けられているので、風雨や積雪、直射日光、鳥の糞や鳥による破損(例えば、カラスなどがつつくことによる膜の破損)等の鳥害にさらされることがなく、湿気や紫外線等に弱いペロブスカイト太陽光発電膜を用いていても全く問題は生じない。
この場合、複数の太陽光発電パネル113aが、基板パネル上にペロブスカイト太陽光発電膜が積層形成された太陽光発電パネルであることが好ましい。薄くて曲がりやすいペロブスカイト太陽光発電膜であっても、基板パネル上に積層形成されることにより、耐久性のある太陽光発電パネルが構成される。
太陽光発電パネル113aを、鋼鉄、ステンレス鋼等の金属基板又は樹脂基板からなる波型形状の基板パネル上にシリコン太陽光発電膜を積層し、その上にペロブスカイト太陽光発電膜をして構成することも可能である。このような二重積層構造とすれば、ペロブスカイト太陽光発電膜は光透過性があること、及びペロブスカイト太陽光発電膜とシリコン太陽光発電膜とでは変換特性が最大となる波長領域が異なることから、入射した光に対してペロブスカイト太陽光発電膜とシリコン太陽光発電膜との両方で効率良く光電変換を行うことができる。
本実施形態における重要なポイントは、光拡散部材112が横方向に広く光を透過拡散すること、ペロブスカイト太陽光発電膜を積層形成した太陽光発電パネル113aの面(光電変換面、ペロブスカイト太陽光発電膜の面)が光拡散部材112の面から離れる方向に伸長するようにこの光拡散部材112の下方に固定設置されていること、並びに太陽光発電パネル113aが、光拡散部材112の面の全体に渡って設けられていることにある。これにより、光拡散部材112からの横方向に広がる拡散光が、受光面積の大きくなった太陽光発電パネル113aのペロブスカイト太陽光発電膜に入射し、ペロブスカイト太陽光発電膜によって発電が行われる。また、太陽光発電パネル113aの間を通過した拡散光が下方に抜けて、下方の領域を照射する。さらに、ペロブスカイト太陽光発電膜は、光電変換効率が高いため、拡散光である比較的弱い光がこのような角度で入射しても、効果的に発電することができる。また、光拡散部材112によって覆われてその下方に設けられているので、風雨や積雪、直射日光、鳥の糞や鳥による破損等の鳥害にさらされることがない。さらに、拡散光が間を通過するので、ソーラーシェアリングが効果的に行われることとなる。
本実施形態においては、また、太陽光発電パネル113aが光拡散部材112によって覆われ、野外に露出した状態では設置されないことから、自然の景観を損なうことはなくなり、自然環境に対する耐性の乏しい太陽光発電パネルであっても問題なく設置することができる。また、太陽光発電システムに木材を使用すれば、景観をより自然に保つことが可能である。さらに、その木材に、セラミック塗料、例えば株式会社日進産業製の「GAINA」を塗布すると、不朽効果が高まることが実証されている。
以上、太陽光発電と営農(作物の育成)とを同一の土地で行うソーラーシェアリングシステムについて説明したが、本実施形態のソーラーシェアリングシステムは、太陽光発電と他の活動、例えば、種々の仕事、読書、勉学、休憩、睡眠、喫茶、食事、スポーツ、遊び、催事場、フリースペース、駐輪、駐車等のあらゆる活動とを同一の土地で行うものにも適用可能である。
図7は、上述した実施形態の変更態様として、太陽光発電パネルの種々の構成例を光拡散部材の面に沿った断面で示している。これら変更態様の太陽光発電パネル以外の構成及び作用効果は、図1の実施形態の場合と全く同様であるため、説明を省略する。
図7(A)は太陽光発電パネルユニット213が同一の方向(南北方向)に沿って互いに平行に列状配列された複数の波型形状の太陽光発電パネル213aから構成されている例である。太陽光発電パネル213aは、図示しない光拡散部材の面から離れる同一の方向に伸長する面(光電変換面)をそれぞれ有しており、両面にペロブスカイト太陽光発電膜が設けられている。なお、光拡散部材の設けられている領域と設けられていない領域との境界に位置する太陽光発電パネルについては、光拡散部材から拡散光を受ける片面のみにペロブスカイト太陽光発電膜を設けることにより、このペロブスカイト太陽光発電膜が風雨や積雪、直射日光、鳥の糞や鳥による破損(例えば、カラスなどがつつくことによる膜の破損)等の鳥害にさらされることがなくなる。
これら太陽光発電パネル213aはその波型形状の流れ方向が上下方向となるように光拡散部材の下方に固定設置されている。波型形状とすることにより、強度が増すため、薄い素材であっても使用することができ、また、拡散光を受ける面積が約1.2倍となる。太陽光発電パネル213aの寸法として、長さ(L)及び幅(W)は、互いに平行に伸長する太陽光発電パネル213aのピッチである設置間隔(WS)の倍数である。この設置間隔(WS)は、単なる一例であるが、例えば、約200mm~約1000mmの範囲で適宜選択可能である。高さ(H)は、単なる一例であるが、例えば、約100mm~約2500mmの範囲で適宜選択可能である。太陽光発電パネル213aのその他の構成及び作用効果は、図1の実施形態の太陽光発電パネル13aと同様である。
図7(B)は太陽光発電パネルユニット313が同一の方向(東西方向)に沿って互いに平行に行状配列された複数の波型形状の太陽光発電パネル313aから構成されている例である。太陽光発電パネル313aは、図示しない光拡散部材の面から離れる同一の方向に伸長する面(光電変換面)をそれぞれ有しており、両面にペロブスカイト太陽光発電膜が設けられている。なお、光拡散部材の設けられている領域と設けられていない領域との境界に位置する太陽光発電パネルについては、光拡散部材から拡散光を受ける片面のみにペロブスカイト太陽光発電膜を設けることにより、このペロブスカイト太陽光発電膜が風雨や積雪、直射日光、鳥の糞や鳥による破損(例えば、カラスなどがつつくことによる膜の破損)等の鳥害にさらされることがなくなる。
これら太陽光発電パネル313aはその波型形状の流れ方向が上下方向となるように光拡散部材の下方に固定設置されている。波型形状とすることにより、強度が増すため、薄い素材であっても使用することができ、また、拡散光を受ける面積が約1.2倍となる。太陽光発電パネル313aの寸法として、長さ(L)及び幅(W)は、互いに平行に伸長する太陽光発電パネル313aのピッチである設置間隔(LS)の倍数である。この設置間隔(LS)は、単なる一例であるが、例えば、約200mm~約1000mmの範囲で適宜選択可能である。高さ(H)は、単なる一例であるが、例えば、約100mm~約2500mmの範囲で適宜選択可能である。太陽光発電パネル313aのその他の構成及び作用効果は、図1の実施形態の太陽光発電パネル13aと同様である。
図7(C)は太陽光発電パネルユニット413が同一の方向(南北方向)に沿って互いに平行に列状配列された複数の平板形状の太陽光発電パネル413aから構成されている例である。太陽光発電パネル413aは、図示しない光拡散部材の面から離れる同一の方向に伸長する面(光電変換面)をそれぞれ有しており、両面にペロブスカイト太陽光発電膜が設けられている。なお、光拡散部材の設けられている領域と設けられていない領域との境界に位置する太陽光発電パネルについては、光拡散部材から拡散光を受ける片面のみにペロブスカイト太陽光発電膜を設けることにより、このペロブスカイト太陽光発電膜が風雨や積雪、直射日光、鳥の糞や鳥による破損(例えば、カラスなどがつつくことによる膜の破損)等の鳥害にさらされることがなくなる。
これら太陽光発電パネル413aは光拡散部材の下方に固定設置されている。平板形状とすることにより、製造コストが安価となるが、強度や拡散光を受ける面積が低くなる。太陽光発電パネル413aの寸法として、長さ(L)及び幅(W)は、互いに平行に伸長する太陽光発電パネル213aのピッチである設置間隔(WS)の倍数である。この設置間隔(WS)は、単なる一例であるが、例えば、約200mm~約1000mmの範囲で適宜選択可能である。高さ(H)は、単なる一例であるが、例えば、約100mm~約2500mmの範囲で適宜選択可能である。太陽光発電パネル413aのその他の構成及び作用効果は、図1の実施形態の太陽光発電パネル13aと同様である。
図7(D)は太陽光発電パネルユニット513が同一の方向(東西方向)に沿って互いに平行に行状配列された複数の平板形状の太陽光発電パネル513aから構成されている例である。太陽光発電パネル513aは、図示しない光拡散部材の面から離れる同一の方向に伸長する面(光電変換面)をそれぞれ有しており、両面にペロブスカイト太陽光発電膜が設けられている。なお、光拡散部材の設けられている領域と設けられていない領域との境界に位置する太陽光発電パネルについては、光拡散部材から拡散光を受ける片面のみにペロブスカイト太陽光発電膜を設けることにより、このペロブスカイト太陽光発電膜が風雨や積雪、直射日光、鳥の糞や鳥による破損(例えば、カラスなどがつつくことによる膜の破損)等の鳥害にさらされることがなくなる。
これら太陽光発電パネル513aは光拡散部材の下方に固定設置されている。平板形状とすることにより、製造コストが安価となるが、強度や拡散光を受ける面積が低くなる。太陽光発電パネル513aの寸法として、長さ(L)及び幅(W)は、互いに平行に伸長する太陽光発電パネル513aのピッチである設置間隔(LS)の倍数である。この設置間隔(LS)は、単なる一例であるが、例えば、約200mm~約1000mmの範囲で適宜選択可能である。高さ(H)は、単なる一例であるが、例えば、約100mm~約2500mmの範囲で適宜選択可能である。太陽光発電パネル513aのその他の構成及び作用効果は、図1の実施形態の太陽光発電パネル13aと同様である。
図7(E)は太陽光発電パネルユニット613が南北方向及び東西方向にマス目状に配列された複数の平板形状の太陽光発電パネル613aから構成されている例である。太陽光発電パネル613aは、図示しない光拡散部材の面から離れる同一の方向に伸長する面(光電変換面)をそれぞれ有しており、両面にペロブスカイト太陽光発電膜が設けられている。なお、光拡散部材の設けられている領域と設けられていない領域との境界に位置する太陽光発電パネルについては、光拡散部材から拡散光を受ける片面のみにペロブスカイト太陽光発電膜を設けることにより、このペロブスカイト太陽光発電膜が風雨や積雪、直射日光、鳥の糞や鳥による破損(例えば、カラスなどがつつくことによる膜の破損)等の鳥害にさらされることがなくなる。
これら太陽光発電パネル613aは光拡散部材の下方に固定設置されている。マス目状とすることにより、強度が高くなり、大規模に展開するのに適している。太陽光発電パネル613aの寸法として、長さ(L)及び幅(W)は、互いに平行に伸長する太陽光発電パネル613aのピッチである設置間隔(LS)の倍数である。この設置間隔(LS)は、単なる一例であるが、例えば、約200mm~約1000mmの範囲で適宜選択可能である。高さ(H)は、単なる一例であるが、例えば、約100mm~約2500mmの範囲で適宜選択可能である。太陽光発電パネル613aのその他の構成及び作用効果は、図1の実施形態の太陽光発電パネル13aと同様である。各太陽光発電パネル613aを波型形状のパネルとしても良い。
図8は本発明のさらに他の実施形態における太陽光発電システムの光拡散部材及び太陽光発電パネルの部分の構成を概略的に示している。本実施形態の太陽光発電パネル以外の構成及び作用効果は、図1の実施形態の場合と全く同様であるため、説明を省略する。ただし、本実施形態の太陽光発電パネル713aが光拡散部材712の面の全体に渡って設けられている場合は、ソーラーシェアリングには適用できない。
図8に示すように、本実施形態においては、複数の太陽光発電パネル713aは、光拡散部材712の面から離れる方向に伸長する面(光電変換面、ペロブスカイト太陽光発電膜の面)をそれぞれ有している。ただし、本実施形態では、隣り合う太陽光発電パネル713aの下端が互いに連結されている。太陽光発電パネル713aの片面(上面)のみにペロブスカイト太陽光発電膜が形成されている。下端が互いに連結されることにより、光拡散部材712からの全ての拡散光が太陽光発電パネル713aに入射し光電変換されて発電に供される。従って、太陽光発電パネル713aの存在する領域においては、光拡散部材712からの拡散光は下方に照射されない。このように、全ての拡散光が入射されて発電に供されるため、発電効率が高くなる。光拡散部材の下方にこの光拡散部材と平行に太陽光発電パネルを設けることも考えられるが、その場合の光電変換面の面積よりも、本実施形態のごとく太陽光発電パネル713aを、下端を連結して傾斜させてV字状に配置した場合の方が、光電変換面(ペロブスカイト太陽光発電膜の面)の面積が大きくなり発電量が大幅に増大することとなる。
図9は本発明のまたさらに他の実施形態における移動可能な太陽光発電装置の構成を概略的に示している。図9(A)は全体を斜視で示しており、図9(B)は太陽光発電パネルを光拡散部材の面に沿った断面で示している。
図9に示すように、本実施形態においては、太陽光発電システムが、移動可能な箱型形状の少なくとも1つの太陽光発電装置815と、図示されていない蓄電池などの蓄電装置と、発電及び蓄電動作を制御するコンピュータ装置とを備えている。太陽光発電装置815は、車等によって移動可能な台座812が設けられ、4つの側面の各々には内側の片面のみにペロブスカイト太陽光発電膜が設けられた太陽光発電パネル813bが設けられている。太陽光発電装置815の内部において、光拡散部材812の下方にはこの光拡散部材812の面から離れる方向に伸長している波型形状の複数の太陽光発電パネル813aが設けられている。太陽光発電パネル813aはその両面にペロブスカイト太陽光発電膜が設けられている。太陽光発電パネル813a及び813bの寸法として、長さ(L)、幅(W)及び高さ(H)は、単なる一例であるが、例えば、約2000mmに設定されている。太陽光発電パネル813a及び813bのピッチである設置間隔(WS)は、単なる一例であるが、例えば、約500mmに設定されている。これら寸法は、この太陽光発電装置815が設置される場所、必要とする発電量及び移動手段の能力等によって適宜設定される。光拡散部材812並びに太陽光発電パネル813a及び813bの詳細な構成及び作用効果は、図1の実施形態の場合と同様である。このような太陽光発電装置815によれば、発電が必要とされる場所に移動して設置することができ、また、狭い設置面積で大きな発電量(3倍の発電量)を期待することができる。
光拡散部材12に関してその光拡散特性及び紫外線透過特性を実際に測定した。測定は、2024年1月10日(晴)、3月18日(暗い雨)、5月4日(快晴)、及び5月8日(明るい曇り)の正午に、屋外にて行った。幅585mmの採光部に光拡散パネルとしてポリカナミ32mmフロスト(登録商標)を設け、幅1240mmの遮光部に鉄板小波を設け、採光部直下及び遮光部直下の異なる高さ位置(光拡散部材の1.8m下方の位置、2.5m下方の位置、3.1m下方の位置)における照度及び紫外線量を測定した。照度及び紫外線量の測定機器は株式会社ティーアンドディー製、TR-74Uiを複数台(7台)用いた。
測定結果を表1及び表2に示す。これらの表において、照度の単位は(万lx)、紫外線量の単位は(mw/cm
2)である。
表1及び表2より、遮光部直下の照度と採光部直下の照度とが、いずれの高さ位置においてもほとんど差がなく、従って、光拡散部材の下方において、拡散光が横方向に広範囲に広がっていることが確認された。また、紫外線については、いずれの地点においても、天候紫外線より大幅に低い値となっており、光拡散部材によってほとんどがカットオフされていることが確認された。
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。