<構成>以下、この実施例の構成について説明する。
住宅などの建物を、ユニット建物によって構成する。一般に、ユニット建物は、予め工場で製造された建物ユニットを建築現場へ搬送して、建築現場で組み立てることによって、短期間のうちに構築できるようにした建物である。建物ユニットは、ほぼ直方体状に形成される。
この実施例の建物ユニットは、以下のような構成を備えたものとすることができる。
(1)図1(図2~図4も併せて参照)に示すように、建物ユニット1は、天井フレーム2と床フレーム3とを上下に隔てて配設し、これらを柱4で連結した構造を有している。
柱4には、天井フレーム2を構成する天井梁5,6の幅7(図3(b))よりも小さな厚み8(図3(b))を有する角筒状をした薄型角パイプ柱9が少なくとも1本以上用いられるようにしている。
薄型角パイプ柱9は、天井梁5,6の下面にボルト11で固定されている。
ここで、建物ユニット1は、ユニット建物の構成単位となる構造体であり、例えば、箱状または箱枠状のものなどとされている。通常の場合、建物ユニット1は、工場で大規模な製造設備を用いて作られる。建物ユニット1には、鉄骨系のものと、木質系のものとが存在しているが、鉄骨系の建物ユニット1は、その骨格部分に金属製のユニットフレーム12を有している。
天井フレーム2は、建物ユニット1におけるユニットフレーム12の天井部分を構成するほぼ水平な金属製の枠体であり、この実施例では、平面視ほぼ矩形状(長方形状または正方形状)をした1つの部品として形成される。天井フレーム2の内側には、天井フレーム2の面に沿って(天井フレーム2の短辺方向Xへ延びる)複数本の天井根太14が(長辺方向Yに)間隔を有して互いに平行に設置される。天井フレーム2の下面側には、天井面材16(図3(b))が取付けられて天井面を構成する。
なお、短辺方向Xは、建物ユニット1を規定する第1の水平な方向、長辺方向Yは建物ユニット1を規定する第2の水平な方向であり、第1の方向と直交する方向である。短辺方向Xは、天井フレーム2の短辺の延設方向である。また、長辺方向Yは、天井フレーム2の長辺の延設方向である。
床フレーム3は、建物ユニット1におけるユニットフレーム12の床部分を構成するほぼ水平な金属製の枠体であり、この実施例では、平面視ほぼ矩形状(長方形状または正方形状)をした1つの部品として形成される。床フレーム3の内側には、床フレーム3の面に沿って(床フレーム3の短辺方向Xへ延びる)複数本の床小梁17が(長辺方向Yに)間隔を有して互いに平行に設置される。床フレーム3の上面側には、床面材が取付けられて床面を構成する。
柱4は、天井フレーム2を下側から支持する金属製の縦部材であり、上下方向Zへ延ばされる。そして、通常の建物ユニット1の場合、天井フレーム2は、柱4によって床フレーム3の上に支持される。柱4は、建物ユニット1または天井フレーム2を支えるために必要な強度を有する構造的な柱(構造柱)とされる。よって、構造柱とならないような単なる縦材は、この実施例の柱4からは除外される。ユニットフレーム12の側面には、必要に応じて、内壁や外壁などの壁部材19(図3(b))が設置される。柱4は、壁部材19によって隠される。
この実施例のユニットフレーム12は、例えば、工場で天井フレーム2を1つの完結した部品として製造し、また、天井フレーム2とは別に工場で床フレーム3を1つの完結した部品として製造して、工場(または建築現場)で別々の部品の状態の天井フレーム2と床フレーム3とを柱4で連結して一体化することによって、ユニットフレーム12が完成されるようになっている。
そして、天井梁5,6は、矩形状をした天井フレーム2を構成する金属製の横部材であり、互いに直交する方向へ向けて二対設けられている。対を成す各天井梁5および天井梁6は、それぞれ互いに等しい長さを有して水平かつ平行にユニットフレーム12に配置される。この実施例では、天井フレーム2は、平面視ほぼ長方形状とされており、天井フレーム2の長辺を形成する長い天井梁5の対、および、天井フレーム2の短辺を形成する短い天井梁6の対から成っている。
そして、この実施例では、天井フレーム2は、長い天井梁5の端部側面に短い天井梁6の端部を直接突き合わせた状態にして、溶接などによって一体に接合したものとされている。このように天井梁5,6の端部どうしを直接接合することで、ユニットフレーム12は、梁勝ちの構造となる。
各天井梁5,6は、例えば、図2に示すように、縦向きのウェブ部21と、ウェブ部21の上下の縁部から横へ延びる横向きの上下のフランジ部22,23とを有する長尺で均一断面のC型鋼によって構成することができる。上下のフランジ部22,23は、同じ幅寸法とされている。天井梁5,6は、C型鋼の開放部分を適宜外向きや内向きにした状態で互いに接合することができる(図1では全て外向きにしている)。
そして、天井梁5,6の幅7は、上下のフランジ部22,23の幅7となる。
矩形状をした床フレーム3は、床梁24,25で構成されている。床梁24,25は、床フレーム3を構成する金属製の横部材であり、互いに直交する方向へ向けて二対設けられている。対を成す各床梁24および床梁25は、互いに等しい長さを有して水平かつ平行にユニットフレーム12に配置される。この実施例では、床フレーム3は、平面視ほぼ長方形状とされており、床フレーム3の長辺を形成する長い床梁24の対、および、床フレーム3の短辺を形成する短い床梁25の対から成っている。
そして、この実施例では、床フレーム3は、長い床梁24の端部側面に短い床梁25の端部を直接突き合わせた状態にして、溶接などによって一体に接合したものとされている。このように床梁24,25の端部どうしを直接接合することで、ユニットフレーム12は、梁勝ちの構造となる。
各床梁24,25は、例えば、図2に示すように、縦向きのウェブ部26と、ウェブ部26の上下の縁部から横へ延びる横向きの上下のフランジ部27,28とを有する長尺で均一断面のC型鋼によって構成することができる。上下のフランジ部27,28は、同じ幅寸法とされている。床梁24,25は、C型鋼の開放部分を適宜外向きや内向きにした状態で互いに接合することができる(図1では全て外向きにしている)。
そして、床梁24,25の幅7は、上下のフランジ部27,28の幅7となる。この際、天井梁5,6の上下のフランジ部22,23と、床梁24,25の上下のフランジ部27,28の幅7とは、全て同じ寸法に揃えるのが好ましい。これにより、天井梁5,6および床梁24,25は、同じ幅7となる。
なお、天井梁5,6のウェブ部21と、床梁24,25のウェブ部26の高さ寸法については、この実施例では、天井梁5,6のウェブ部21のほうが、床梁24,25のウェブ部26よりも大きく(高く)なっているが、両者の高さ寸法は、同じにしても良いし、逆に床梁24,25のウェブ部26を高くしても良い。
薄型角パイプ柱9の厚み8は、中空の薄型角パイプ柱9の肉厚のことではなく、天井フレーム2の内外方向に対する薄型角パイプ柱9の外形寸法のことであり、薄型角パイプ柱9における、天井梁5,6(または床梁24,25)の長手方向31および上下方向Zと直交する幅方向32の寸法のことである。なお、天井梁5,6(や床梁24,25)の長手方向31および幅方向32は、建物ユニット1を水平に設置したときの各天井梁5,6(や床梁24,25)に対する方向であり、以下、天井梁5,6(や床梁24,25)の長手方向31および幅方向32を、方向の基準にして説明する。
薄型角パイプ柱9は、角筒状(角パイプ状)をした(または、中空矩形断面を有する)小断面の中空の柱4のことである。薄型角パイプ柱9の薄型は、例えば、天井梁5,6や床梁24,25の幅7と比べて、薄型角パイプ柱9の厚み8が薄くなっている状態をいう。
薄型角パイプ柱9は、対応する天井梁5,6(および床梁24,25)の長手方向31と平行な一対の側面(面33)と、対応する天井梁5,6(および床梁24,25)の幅方向32と平行な一対の側面(面34)との4つの側面によって形成された、上下方向Zに延びる均一断面で均一肉厚を有する長尺の中空部材である。
薄型角パイプ柱9は、上記した長手方向31の面33が、上記した幅方向32の面34よりも幅広の長方形状断面を有しており、幅方向32の面34の幅が、上記した薄型角パイプ柱9の厚み8となる。
薄型角パイプ柱9は、例えば、間柱のような、単に壁部材19などを取付けるための縦材(壁取付部材)ではなく、上記したように、少なくとも建物ユニット1に作用される鉛直荷重に耐えられるような強度を備えた構造柱(荷重支持部材)としてユニットフレーム12に設置される。ただし、荷重支持部材となる薄型角パイプ柱9は、間柱としての機能や、その他の機能などを有しても良い。
なお、一般的な建物ユニット1(ユニットフレーム12)に通常使われている柱4(通常柱35、例えば、図13)は、薄型角パイプ柱9よりも大きい矩形断面(例えば、正方形断面)を有する大型の角パイプ状のものとなっているので、薄型角パイプ柱9を小断面角パイプ柱、通常柱35を大断面角パイプ柱ということもできる。
建物ユニット1に通常使われている大型の柱4(通常柱35)は、天井梁5,6(および床梁24,25)の幅7よりも建物ユニット1の内外方向の厚みが大きくなっているのに対し、薄型角パイプ柱9は、天井梁5,6(や床梁24,25)の幅7よりも厚み8が小さく抑えられている点で、両者は明確に区別される。
なお、建物ユニット1に通常柱35を用いる場合、通常柱35の上端部の側面および下端部の側面にジョイントピース37を溶接固定して、このジョイントピース37に対して天井梁5,6や床梁24,25を溶接やボルトなどで取付ける構成となっているため、通常柱35は天井フレーム2および床フレーム3の4つのコーナー部38に対して、それぞれ必ず1本ずつ設置されることになる。
そのため、これら4本の通常柱35は、ユニットフレーム12(の天井フレーム2や床フレーム3)のコーナー部38以外の自由な位置には、簡単に設置できない構造になっている。即ち、4本の通常柱35には配置の自由度がない。なお、通常柱35が、天井梁5,6(や床梁24,25)の幅7よりも厚みが大きくなっていることから、ジョイントピース37は、その平面形状が、天井梁5,6(や床梁24,25)の側から通常柱35の側へ向けて広がる形状になる。
また、4本の通常柱35が天井フレーム2および床フレーム3の4つのコーナー部38にそれぞれ位置することで、各コーナー部38では、天井フレーム2および床フレーム3は、天井梁5,6どうし、および、床梁24,25どうしが直接接合されない、互いに離れた構造になる。
そのため、通常の建物ユニット1(のユニットフレーム12)は、天井梁5,6や床梁24,25が、通常柱35の側面の位置で止まり、通常柱35が、天井梁5,6や床梁24,25の間を上下に突き抜けた、いわゆる柱勝ちの構造になる。これに対して、上記した梁勝ちの構造は、図1に示すように、天井梁5,6や床梁24,25の間を薄型角パイプ柱9が上下に突き抜けられないように薄型角パイプ柱9の端部が天井梁5,6や床梁24,25によって覆われた構造となる。
少なくとも1本以上とは、この実施例の薄型角パイプ柱9が、建物ユニット1(のユニットフレーム12)に対して、必ず1本は存在していることである。最も単純には、例えば、通常の建物ユニット1(のユニットフレーム12)における、コーナー部38の1本~4本の通常柱35を、それぞれ単数または複数の薄型角パイプ柱9に置き換えたような構造にすることなどが考えられる。
天井梁5,6の下面は、天井梁5,6の下側のフランジ部23(の下面)のことである。また、床梁24,25の上面は、床梁24,25の上側のフランジ部27(の上面)となる。
ボルト11は、薄型角パイプ柱9の上端部を、天井梁5,6の下面に下から突当てた状態で、これら(薄型角パイプ柱9の上端部と、天井梁5,6の下面と)の間に、これらを上下方向Zに締結固定するように取付けられる。また、この実施例では、ボルト11は、薄型角パイプ柱9の下端部を、床梁24,25の上面に上から突当てた状態で、これら(薄型角パイプ柱9の下端部と、床梁24,25の上面と)の間に、これらを上下方向Zに締結固定するように取付けることができる。具体的な薄型角パイプ柱9の取付構造については、後述する。ボルト11には、高強度ボルトが使われる。ボルト11は、上下方向Zに延びるものとされる。ボルト11による固定には、ナットやワッシャなどが適宜使われる。
(2) スチフナについて
図5に示すように、天井梁5,6は、一側面が開放された開断面の部材とされており、
天井梁5,6の内側には、薄型角パイプ柱9を取付ける位置にスチフナ41が取付けられても良い。
ここで、天井梁5,6の一側面は、上記したようなC型鋼で構成された天井梁5,6の場合には、ウェブ部21とは反対側の開放された側面(開放面)となる。天井梁5,6の内側とは、天井梁5,6の内部空間のことである。スチフナ41は、天井梁5,6の内部空間からはみ出さないように設置される。
同様に、図6に示すように、床梁24,25は、一側面が開放された開断面の部材とされており、床梁24,25の内側には、薄型角パイプ柱9を取付ける位置にスチフナ42が取付けられても良い。床梁24,25のスチフナ42は、天井梁5,6のスチフナ41とほぼ同様のものとされる。
床梁24,25の一側面は、上記したようなC型鋼で構成された床梁24,25の場合には、ウェブ部26とは反対側の開放された側面(開放面)となる。床梁24,25の内側とは、梁の内部空間のことである。スチフナ42は、床梁24,25の内部空間からはみ出さないように設置される。
薄型角パイプ柱9を取付ける位置とは、天井フレーム2を構成する天井梁5,6(や床フレーム3を構成する床梁24,25)の長手方向31に対する薄型角パイプ柱9の設置位置のことである。
スチフナ41,42は、薄型角パイプ柱9からの構造上の応力を、開断面形状をした天井梁5,6や床梁24,25の断面全体に伝える金属製の部材(補強板)である。スチフナ41,42は、天井梁5,6や床梁24,25とは別部材で構成され、天井梁5,6や床梁24,25に取付けられて一体化される。スチフナ41,42は、ユニットフレーム12に対して薄型角パイプ柱9を取付ける前に、天井梁5,6や床梁24,25に予め取付けておく。
スチフナ41は、天井梁5,6に薄型角パイプ柱9を取付けたときに、薄型角パイプ柱9の上記幅方向32に向いた両側の面34のそれぞれに対して上下方向Zに一直線状に連続する天井梁5,6の内側の位置に、一対設けるのが好ましい(図3)。スチフナ41は、薄型角パイプ柱9の幅方向32に向いた面34と、ほぼ同じ肉厚かそれよりも厚肉のものを使用するのが好ましい。
同様に、スチフナ42は、床梁24,25に薄型角パイプ柱9を取付けたときに、薄型角パイプ柱9の上記幅方向32に向いた両側の面34のそれぞれに対して上下方向Zに一直線状に連続する床梁24,25の内側の位置に、一対設けるようにしても良い(図4)。スチフナ42は、薄型角パイプ柱9の幅方向32に向いた面34と、ほぼ同じ肉厚かそれよりも厚肉のものを使用するのが好ましい。
スチフナ41は、天井梁5,6のウェブ部21および上下のフランジ部22,23に対して直交する縦の面とされる。同様に、スチフナ42は、床梁24,25のウェブ部26および上下のフランジ部27,28に対して直交する縦の面とすることができる。
スチフナ41,42は、天井梁5,6の上下のフランジ部22,23、および、床梁24,25の上下のフランジ部27,28の内面間の間隔とほぼ同じ高さ、および、上下のフランジ部22,23、および、フランジ部27,28の幅7とほぼ同じかそれよりも小さい幅を有して、天井梁5,6や床梁24,25の内側に設置される。
この際、スチフナ41,42は、その一方の側縁部および上下の縁部が、天井梁5,6のウェブ部21および上下のフランジ部22,23、および、床梁24,25のウェブ部26および上下のフランジ部27,28と、それぞれ線接触するように設置される。スチフナ41,42の幅は、薄型角パイプ柱9の厚み8とほぼ同程度とされている。
なお、天井梁5,6のウェブ部21と上下のフランジ部22,23との間の角部、および、床梁24,25のウェブ部26とフランジ部27,28との間の角部と接する、スチフナ41,42の上下の角部分には、角取部を形成しても良い。
そして、スチフナ41,42の一方の側縁部は、少なくともウェブ部21,26の内面に溶接固定される。また、スチフナ41の上下の縁部は、上下のフランジ部22,23、および、フランジ部27,28の上面や下面に溶接固定しても良い。
(3) 添板について
スチフナ41には天井梁5,6の下面に上から当接される添板51が取付けられても良い。
ここで、天井梁5,6の下面は、天井梁5,6の下側のフランジ部23のことである。添板51は、下側のフランジ部23の上面に設置される。
また、スチフナ42には、床梁24,25の上面に下から当接される添板52が取付けられても良い。床梁24,25の上面は、床梁24,25の上側のフランジ部27のことである。添板52は、上側のフランジ部27の下面に設置される。添板52は、添板51とほぼ同様のものとされる。
添板51,52は、開断面とされた天井梁5,6の下面のフランジ部23や、床梁24,25の上面のフランジ部27を部分的に補強して、薄型角パイプ柱9と天井梁5,6や床梁24,25との接合部分を強固にするための金属製の部材(補強板)である。添板51,52は、開断面とされた天井梁5,6の下面のフランジ部23や、床梁24,25の上面のフランジ部27よりも厚肉とするのが好ましい。
添板51,52は、天井梁5,6の下面および床梁24,25の上面の両方に対して設けるのが良いが、状況によっては、どちらか一方のみとすることも可能である。
添板51,52は、スチフナ41,42とは別部材で構成され、スチフナ41,42に取付けられて一体化される。
スチフナ41,42が一対設けられる場合、添板51,52は一対のスチフナ41の両方に対して一体化される。
添板51,52は、天井梁5,6の下側のフランジ部23や床梁24,25の上側のフランジ部27と平行で平坦な面を有して、これらに当接配置される。
添板51,52は、スチフナ41,42と上記幅方向32に対してほぼ同じ幅寸法を有し、薄型角パイプ柱9における上記長手方向31の面33の長手方向31の幅寸法(ほぼ一対のスチフナ41間の間隔)よりも長い長さ寸法を有して、一対のスチフナ41,42から上記長手方向31の両側にはみ出すように、一対のスチフナ41,42に取付けられる。
なお、天井梁5,6のウェブ部21とフランジ部23との間の角部、および、床梁24,25のウェブ部26とフランジ部27との間の角部に接する、添板51,52の縁部には、角取部を形成しても良い。
添板51、添板52は、ユニットフレーム12に対して薄型角パイプ柱9を取付ける前に、スチフナ41および天井梁5,6や、スチフナ42および床梁24,25に予め取付けておく。
添板51,52は、スチフナ41,42の上縁部または下縁部に溶接固定されることでスチフナ41,42と一体化される。
また、添板51,52は、天井梁5,6の下側のフランジ部23や床梁24,25の上側のフランジ部27に対し、スチフナ41,42の縁部に沿って適宜溶接固定されることで、天井梁5,6や床梁24,25と一体化される(溶接部55、図5、図6)。この際、スチフナ41,42の縁部の角部については、角部廻し溶接を行うのが好ましい。また、添板51は、天井梁5,6や床梁24,25のウェブ部21,26に対しても、スチフナ41,42の縁部に沿って溶接固定される(溶接部56、図5、図6)。
なお、添板51,52を設ける場合には、スチフナ41,42は、添板51の厚み8の分だけ高さ寸法を短くする。これにより、スチフナ41,42は、添板51,52を介して天井梁5,6の下側のフランジ部23や床梁24,25の上側のフランジ部27に間接的に固定されることになる。
(4) 補強ピースについて
図3に示すように、薄型角パイプ柱9の上端部の外面には、補強ピース61が取付けられても良い。
ここで、薄型角パイプ柱9(の端部)の外面は、薄型角パイプ柱9の外周面のことであり、薄型角パイプ柱9の側面を構成する4つの面33,34のうちのいずれか1つ以上のことである。
また、図4に示すように、薄型角パイプ柱9の下端部に対しても、補強ピース62を取付けても良い。補強ピース62は、補強ピース61とほぼ同様のものとされる。
補強ピース61,62は、薄型角パイプ柱9の端部を補強する金属製の部材(補強部材)である。補強ピース61,62は、薄型角パイプ柱9とは別部材で構成されて、薄型角パイプ柱9に一体化される。補強ピース61,62は、ユニットフレーム12に対して薄型角パイプ柱9を取付ける前に、薄型角パイプ柱9に予め取付けておく。補強ピース61,62は、薄型角パイプ柱9とほぼ同程度の肉厚のものとされる。
補強ピース61,62は、例えば、板状のものとして薄型角パイプ柱9のいずれか1つ以上の面33,34を補強するようにしたり、例えば、薄型角パイプ柱9の端部のほぼ全周を取り囲むリング状またはリング状に近い単数のC字状の部材として、端部をほぼ全周に亘って補強できるようにしたり、複数のC字状の部材として、端部を両側からほぼ半周程度分ずつ補強できるようにしたりするのが好ましい。
リング状またはC字状の補強ピース61,62は、薄型角パイプ柱9の外周面の全部または一部とほぼ同じ大きさおよび形状の内周面または内面を有して薄型角パイプ柱9の上下方向Zの端部に摺接嵌合(ほぼ隙間なく外嵌)できる形状の部材(外嵌部材)とされる。
この実施例では、薄型角パイプ柱9の端部に取付け易いように、補強ピース61,62を単数または複数のC字状の部材としている。このC字状の補強ピース61,62は、薄型角パイプ柱9の上記幅方向32の面34に接する部分と、上記長手方向31の各面33に接する部分との少なくとも3つまたは4つ以上の部分を有している。
そして、上記長手方向31の面33に接する部分については、中央部分で縦に分断されて2つに分けられており(分断部63)、補強ピース61,62(外嵌部材)は、この分断部63によって薄型角パイプ柱9の3つの面33,34に跨る2つのC字状の部材、または、4つ全部の面33,34に跨る単数のC字状の部材(不連続部材)となっている。
補強ピース61,62は、薄型角パイプ柱9の端部の外面に当接または外嵌した状態でその周縁部を、薄型角パイプ柱9に溶接固定されて、薄型角パイプ柱9と一体化される。この際、補強ピース61,62と薄型角パイプ柱9などとの間は突き合わせ溶接によって強固に溶接接合するのが好ましい。
補強ピース61,62は、薄型角パイプ柱9に取付けた状態で、全体の厚みが天井梁5,6および床梁24,25の幅7と同じかそれよりも小さくなるようにする。
(5) エンドプレートについて
薄型角パイプ柱9の上端部には天井梁5,6の下面に下から当接されるエンドプレート71が取付けられても良い。
ここで、薄型角パイプ柱9の上端部は、薄型角パイプ柱9の上端の開口面(または開口部)のことである。
また、薄型角パイプ柱9の下端部には床梁24,25の上面に上から当接されるエンドプレート72が取付けられても良い。薄型角パイプ柱9の下端部は、薄型角パイプ柱9の下端の開口面(または開口部)のことである。エンドプレート72は、エンドプレート71とほぼ同様のものとされる。
エンドプレート71,72は、薄型角パイプ柱9の上端部や下端部を塞いで、薄型角パイプ柱9の端部を補強する金属製の部材(端面閉止部材)であると共に、天井梁5,6の下面や床梁24,25の上面に対して薄型角パイプ柱9をボルト11で固定するための部位(固定部73)を確保、形成する部材(固定用部材)となる。
エンドプレート71,72は、薄型角パイプ柱9とは別部材で構成されて、薄型角パイプ柱9に一体化される。エンドプレート71,72は、ユニットフレーム12に対して薄型角パイプ柱9を取付ける前に、薄型角パイプ柱9に予め取付けておく。
エンドプレート71,72は、(補強ピース61,62がある場合には、補強ピース61,62を含めた)薄型角パイプ柱9の厚み8とほぼ同じ幅寸法と、添板51,52とほぼ同じ長さとを有する板状の部材とされて、添板51,52と向きがほぼ合致された状態で、フランジ部23、および、フランジ部27を挟んで添板51,52と上下に(ほぼ完全に)重なるように対向配置される。エンドプレート71,72は、天井梁5,6の下側のフランジ部23およびフランジ部27の上側のフランジ部27と同じか、または、それよも厚く、添板51,52とほぼ同程度の肉厚にするのが好ましい。
エンドプレート71,72は、薄型角パイプ柱9にボルト11で固定する部位(固定部73、図3、図4)が確保、形成されるよう、天井梁5,6や床梁24,25の長手方向31の両側に対し、ほぼ均等にはみ出した状態(またはほぼ同じ長さに張出した状態)で取付けられる。なお、添板51,52における、一対のスチフナ41,42から上記長手方向31の両側にほぼ均等にはみ出した部分も同様の固定部分となる。
エンドプレート71,72の固定部73と、天井梁5,6の下側のフランジ部23や床梁24,25の上側のフランジ部27と、添板51,52(の一対のスチフナ41,42の両側へはみ出した部分)との対応する位置には、上下方向Zへ延びるボルト孔75がそれぞれ貫通形成される。各ボルト孔75は、互いに合致して上下に連通する。
そして、エンドプレート71,72は、薄型角パイプ柱9に対して(補強ピース61,62がある場合には、補強ピース61,62にも)溶接固定されるのが好ましい。この際、突き合わせ溶接によってそれぞれ互いに強固に溶接接合するのが好ましい。
なお、上記したエンドプレート71,72を(例えば、フランジ部23,27よりも)厚肉化したり、薄型角パイプ柱9の端部に補強ピース61,62を取付けたり、スチフナ41,42に厚肉の添板51,52を取付けたり、径の太いボルト11を使用したりすることのうちの少なくともいずれか一つまたは全部を採用することで、薄型角パイプ柱9を鉛直荷重および水平荷重(例えば、地震力や風圧力)の両方に耐えられるようにユニットフレーム12に設置することができる。
(6) ウェブ面について
図7(~図9)の別の実施例に示すように、薄型角パイプ柱9の端部のエンドプレート71,72には上下に延びるウェブ面81,82が設けられても良い。
ここで、ウェブ面81,82は、エンドプレート71,72の水平な面を、上下方向Zや上記長手方向31に対して強化するために、エンドプレート71,72に付設、形成される補強部分である。
ウェブ面81,82は、エンドプレート71,72の(上記長手方向31に延びる)縁部の一方または両方に、上方または下方へ延びるように一体に形成される。ウェブ面81,82は、エンドプレート71,72の縁部の全域に亘って連続して設けるのが好ましい。ウェブ面81,82の高さは、全域に亘って一定とするのが好ましい。ウェブ面81,82は、例えば、エンドプレート71,72の幅寸法とほぼ同じ高さまたはそれ以上の高さに形成するのが好ましい。
ウェブ面81,82は、エンドプレート71,72を構成する板材の縁部を、ほぼ直角に曲げ加工することによってエンドプレート71,72の縁部に一体に形成される。このウェブ面81,82により、エンドプレート71,72は、L字状断面の部材(アングル材)またはU字状断面の部材などとなる(この実施例では、L字状断面の部材となっている)。
ウェブ面81,82は、天井梁5,6や床梁24,25とは上下方向Zの反対側へ延びるように設けても良いが、この実施例では、エンドプレート71,72の片側の縁部のみから、天井梁5,6や床梁24,25と同じ側へ延びて天井梁5,6や床梁24,25のウェブ部21,26の外面に重なる(当接または添設する)ように設けられている。
ウェブ面81,82は、例えば、薄型角パイプ柱9に垂直荷重のみを支持させる場合に、エンドプレート71,72に設けられる。薄型角パイプ柱9を鉛直荷重および水平荷重の両方に耐えられるように設置する場合には、図2~図4に示すように、エンドプレート71,72にはウェブ面81,82を設けないようにしても良い。
この場合、上記したような薄型角パイプ柱9を鉛直荷重および水平荷重の両方に耐えられるように設置する場合と比べて、エンドプレート71,72を薄肉化して、図9(c)に示すような、エンドプレート71,72の上下方向Zに対する小さな変形を、ある程度までは許容できるようにする。
図では、水平荷重によって薄型角パイプ柱9が左側へ傾くことで、エンドプレート72が左側(傾いた側)の端部を中心として右側(反対側)の部分が浮くように変形されている。そして、ウェブ面81,82は、その面方向(上下方向Zや上記長手方向31)の耐力Gによって、このとき発生した上下方向Zの応力F(の一部または全部)をボルト11へ伝達させるように機能する。
エンドプレート71,72の肉厚は、例えば、天井梁5,6や床梁24,25のフランジ部23,27とほぼ同じかそれよりも薄くなる程度に薄肉化される。エンドプレート71,72の変形は、ボルト11とボルト孔75との間の上記長手方向31の遊び程度分だけ許容される。
そのために、少なくともエンドプレート71,72のボルト孔75は、上記長手方向31に若干の遊びが形成されるように、使用するボルト11の径よりも若干大きな丸穴にするか、使用するボルト11の径に対して上記長手方向31に若干長い長穴とするのが好ましい。
薄型角パイプ柱9に垂直荷重のみを支持させる場合には、更に、薄型角パイプ柱9の端部に補強ピース61,62を取付けないようにしたり、図10、図11に示すように、スチフナ41,42に添板51を取付けないようにしたり、図2~図4のものよりも径の細いボルト11を使用したりすることのうちの少なくともいずれか一つまたは全部が採用される。
以下、上記薄型角パイプ柱9を備えた建物ユニット1(のユニットフレーム12)についての具体的な実施例について説明する。
(7)図1の実施例に示すように、
天井フレーム2は、薄型角パイプ柱9のみによって下側から支持されても良い。
ここで、天井フレーム2が薄型角パイプ柱9のみによって下側から支持されるとは、建物ユニット1に通常使われている大型の柱4(通常柱35)を1本も用いないで、上記した薄型角パイプ柱9だけで天井フレーム2を上下方向Zに支えることである。このような構造の建物ユニット1は、これまでには存在していなかったものとなる。
この実施例の場合、天井フレーム2の4つのコーナー部38またはその周辺に薄型角パイプ柱9を設置して、薄型角パイプ柱9のみで天井フレーム2を下から支持するようにしている。
薄型角パイプ柱9は、天井フレーム2の長辺を形成する一対の長い天井梁5の両端部またはその近傍の位置に各1本ずつ、合わせて4本設置されている。近傍は、両端部の近くのことであり、例えば、薄型角パイプ柱9の数本分程度までの比較的狭い範囲のことである。
また、天井フレーム2の短辺を形成する一対の短い天井梁6に対して薄型角パイプ柱9が1本ずつ、合わせて2本設置されている。これらによって薄型角パイプ柱9は全部で6本になる。
短い天井梁6に対する薄型角パイプ柱9の設置位置は、一対の長い天井梁5のうちの一方の側の端部またはその近傍となっているが、例えば、長い天井梁5の他方の側の端部またはその近傍としても良いし、互いに異なる側の端部またはその近傍としても良いし、あるいは、後述するように、短い天井梁6の中間部または中央部の位置などとしても良い。
なお、上記は一例であり、天井フレーム2および床フレーム3に対する薄型角パイプ柱9の設置本数や取付け位置については、上記に限るものではない。
この実施例では、上記したように、合わせて6本の薄型角パイプ柱9で、天井フレーム2を支えるようにしているが、薄型角パイプ柱9のみで天井フレーム2を支持する場合、薄型角パイプ柱9は、少なくとも4本以上設けるのが好ましい。
薄型角パイプ柱9は、例えば、5本、または、6本以上など、必要に応じた適宜の数だけ設けることができ、薄型角パイプ柱9の本数をより多くすることで、その分だけ、天井フレーム2に対する支持力が増加されるため、薄型角パイプ柱9の設置位置に対する自由度を増やすことが可能になる。そのため、例えば、薄型角パイプ柱9をたくさん設けて、天井フレーム2に対する支持力を十分に確保、向上することで、天井フレーム2の4つのコーナー部38またはその近傍の位置の少なくとも1つまたは全部に対して薄型角パイプ柱9を設置する必要をなくすことなども構造的には可能になる。この実施例では、薄型角パイプ柱9は、4箇所のコーナー部38またはその近傍のうちの、1つ、2つ、3つ、4つのいずれかの位置に対して、1本、2本、3本程度の本数をそれぞれ設けるようにしている。
そして、この実施例では、床フレーム3については、天井フレーム2とほぼ同じ大きさおよびほぼ同じ平面形状を有しており(通常床フレーム)、平面的に見て、天井フレーム2とほぼ完全に重なるように向きを合わせた状態で、上下に離間させてほぼ平行に配置されている。
床フレーム3と天井フレーム2との間には、同じ長さの複数本の薄型角パイプ柱9が介在されており、床フレーム3と天井フレーム2との同じ位置に、同じ本数の薄型角パイプ柱9が取付けられている。即ち、床フレーム3と天井フレーム2とは、全ての薄型角パイプ柱9によって互いに同じ位置を上下に連結されている。
この場合、薄型角パイプ柱9は、上記したように、天井フレーム2の4つのコーナー部38またはその近傍に、合わせて6本設置されているが、天井フレーム2および床フレーム3に対する薄型角パイプ柱9の設置本数や取付け位置については、上記に限るものではない。
なお、薄型角パイプ柱9は、少なくとも1本以上で、建物ユニット1の構造上必要な本数(例えば、4本程度以上)だけ、鉛直荷重および水平荷重(例えば、地震力や風圧力)の両方に耐えられるような取付け方(図2)によって設置されるようにする。
建物ユニット1に構造上必要な本数を超える本数の薄型角パイプ柱9を設置する場合には、必要な本数を超えた分の薄型角パイプ柱9については、鉛直荷重および水平荷重の両方に耐えられるような取付け方にしても良いし、垂直荷重のみを支持させるような取付け方(図7)にしても良い。
例えば、天井フレーム2の4つのコーナー部38にもっとも近い薄型角パイプ柱9は、鉛直荷重および水平荷重の両方に耐えられるような取付け方にするのが好ましい。また、例えば、長い天井梁5に対して取付けられる薄型角パイプ柱9のうちの少なくとも1本、および、短い天井梁6に対して取付けられる薄型角パイプ柱9のうちの少なくとも1本は、鉛直荷重および水平荷重の両方に耐えられるような取付け方にするのが好ましい。これにより、ユニットフレーム12は、直交する二方向の水平荷重に耐えられるようになる。
この実施例では、全ての薄型角パイプ柱9を、鉛直荷重および水平荷重の両方に耐えられるような取付け方にしている。
(8)図12の他の実施例に示すように、
少なくとも一部の薄型角パイプ柱9は、床フレーム3に固定されない下端部(非連結下端部91)を有しても良い。
ここで、少なくとも一部の薄型角パイプ柱9が、床フレーム3に固定されない下端部を有しているとは、天井フレーム2を支持している薄型角パイプ柱9のうちの少なくとも1本の下端部が、同じ建物ユニット1を構成する床フレーム3以外に対して取付けられるようになっていることである。
建物ユニット1は、少なくとも1本の薄型角パイプ柱9の下端部が、同じ建物ユニット1の床フレーム3に取付けられるようにする(連結下端部)。または、建物ユニット1に連結下端部が少なくとも1本は存在するようにする。これにより、天井フレーム2が床フレーム3と連結されて、建物ユニット1としての最低限の構造が成立するので、建物ユニット1をこの実施例のような構成にすることも可能になる。
建物ユニット1は、薄型角パイプ柱9のみによって天井フレーム2を支持するものとしても良いし、一般的な建物ユニット1に通常使われている大型の柱4(通常柱35、または、大断面角パイプ柱)を少なくとも1本以上有すると共に、薄型角パイプ柱9を少なくとも1本以上有するものとしても良い。
この実施例では、薄型角パイプ柱9は、天井フレーム2の4つのコーナー部38またはその近傍に合わせて5本取付けられており、そのうちの3本の薄型角パイプ柱9の下端部(連結下端部)が同じ建物ユニット1の床フレーム3に取付けられ、2本の薄型角パイプ柱9の下端部(非連結下端部91)は同じ建物ユニット1の床フレーム3には取付けられないようになっている。通常柱35は、用いられていない。
同じ建物ユニット1の床フレーム3に固定されない薄型角パイプ柱9の下端部(非連結下端部91)は、例えば、基礎93や下階の建物ユニット1の天井フレーム2などに対して直接取付けることができる。基礎93や下階の建物ユニット1の天井フレーム2などに直接接合される薄型角パイプ柱9は、その下端部(非連結下端部91)を、(連結下端部よりも長くして)同じ建物ユニット1の床フレーム3の下面(下側のフランジ部28)の位置まで延ばすことで、基礎93や下階の建物ユニット1の天井フレーム2への取付けが可能になる。
または、全ての薄型角パイプ柱9の長さを同じ(同じ長さ)に揃えておき、(非連結下端部91として)長くして使いたい薄型角パイプ柱9については、その下端部に、必要な長さ分の延長部材を取付け(または、継ぎ足し)て、長さを調整(延長)できるようにしても良い。
なお、同じ建物ユニット1の床フレーム3に固定されない薄型角パイプ柱9の下端部(非連結下端部91)には、必要に応じて、補強ピース62やエンドプレート72などを取付けることができる。
この実施例では、天井フレーム2の長辺側の床梁24aを通常のほぼ半分程度の長さとし、天井フレーム2の短辺側の床梁25を通常の長さにすることで、床フレーム3は、天井フレーム2のほぼ半分程度の大きさおよび平面形状を有する小型で異形のものとされている(小型床フレーム3a)。この場合、床梁24aは、床梁25とほぼ同じ長さか、床梁25よりも短くなっても良い。
そして、この床フレーム3は、天井フレーム2(の長辺方向Y)の片側に寄せた状態で、床フレーム3が天井フレーム2からはみ出さないようにコーナー部38の位置を合わせた状態で上下に離間させて平行に配置されている。これにより、天井フレーム2(の長辺方向Y)の反対側の半分の領域の下側には、床フレーム3が存在しない状態になる。
なお、天井フレーム2の内側には、必要に応じて、金属製の中間梁94などを取付けて、天井フレーム2を補強しても良い。この中間梁94は、例えば、小型床フレーム3aにおける、天井フレーム2の内側に位置する床梁25の上側(ほぼ真上)の位置に、床梁25と平行な状態で設置しても良い。
そして、天井フレーム2の下には、床フレーム3(小型床フレーム3a)の上に位置する薄型角パイプ柱9と、床フレーム3から外れて位置する薄型角パイプ柱9とが、それぞれ異なる長さで取付けられており、床フレーム3の上に位置する薄型角パイプ柱9のみが床フレーム3と天井フレーム2との間に、上端部と下端部とを取付けられ、床フレーム3から外れた薄型角パイプ柱9は、上端部を天井フレーム2のみに取付けられている。即ち、床フレーム3と天井フレーム2とは、複数の薄型角パイプ柱9のうちの一部のみによって互いに上下に連結される。
この実施例の場合、薄型角パイプ柱9は、上記したように、天井フレーム2の4つのコーナー部38またはその近傍の位置に、合わせて5本設置されている。
天井フレーム2の長辺方向Yの片側のコーナー部38では、2本の長い天井梁5の端部近傍に薄型角パイプ柱9がそれぞれ1本ずつと、短い天井梁6の一方の端部近傍に薄型角パイプ柱9が1本、合わせて3本取付けられている。これら3本の薄型角パイプ柱9の下端部が床フレーム3(小型床フレーム3a)に固定されることになる。
また、天井フレーム2の長辺方向Yの反対側のコーナー部38では、短い天井梁6の両端部近傍に薄型角パイプ柱9がそれぞれ1本ずつ、合わせて2本取付けられている。これら2本の薄型角パイプ柱9は下端部(非連結下端部91)が床フレーム3(小型床フレーム3a)には固定されないことになる。
ただし、天井フレーム2および床フレーム3に対する薄型角パイプ柱9の設置本数や取付け位置については、上記に限るものではない。例えば、薄型角パイプ柱9は、後述するように、天井フレーム2の長辺方向Yの中間部と、その真下に位置する床フレーム3の内側に位置するコーナー部38との間にも追加で設置することができる。
なお、薄型角パイプ柱9を、鉛直荷重および水平荷重の両方に耐えられるような取付け方(図2)にするか、垂直荷重のみを支持させるような取付け方(図7)にするかについては、上記実施例と同じである。この実施例では、全ての薄型角パイプ柱9を、鉛直荷重および水平荷重の両方に耐えられるように取付けている。
(9)図13の別の実施例に示すように、
薄型角パイプ柱9が、天井フレーム2の辺の中間部に設けられても良い。
ここで、天井フレーム2の辺の中間部とは、建物ユニット1を構成する天井フレーム2の4つの辺のうちの少なくとも一つにおける、両端部およびその近傍から離れた中間の位置のことである。
辺は、平面視ほぼ矩形状をした天井フレーム2の4つの辺のうちの、どの辺であっても良い。薄型角パイプ柱9を取付ける辺は、矩形状をなす、いずれか1つの辺でも、いずれか2つの辺でも、いずれか3つの辺でも、4つ全部の辺でも良い。また、薄型角パイプ柱9を取付ける辺は、天井フレーム2の長辺でも短辺でも良い。この実施例では、長辺のうちの1つの中間部に、薄型角パイプ柱9を取付けるようにしている。
中間部は、辺の中央部(二等分点の位置)であっても良いし、辺の中央部からズレた位置であっても良い。
いずれかの辺に設置する薄型角パイプ柱9の設置本数は、1本であっても良いし、複数本であっても良い。
薄型角パイプ柱9は、天井フレーム2と床フレーム3との間を連結するものであっても良いし、天井フレーム2のみに対して上端部を取付けられるものであっても良い。これにより、中間部の薄型角パイプ柱9を、例えば、荷重支持部材および間柱(構造柱)として使用することができるようになる。
この実施例では、長い天井梁5のうちの一方の中間部(中央部近傍)の位置に対し、1本の薄型角パイプ柱9を天井フレーム2と床フレーム3とを連結するように設置している。なお、天井フレーム2に対する薄型角パイプ柱9の設置本数や取付け位置については、上記に限るものではない。
この場合、建物ユニット1は、薄型角パイプ柱9のみで天井フレーム2を支持したものとしても良いし、一般的な建物ユニット1に通常使われている大型の柱4(通常柱35、または、大断面角パイプ柱)を少なくとも1本以上有するものとしても良い。この実施例では、4つのコーナー部38に4本の通常柱35を有し、天井フレーム2と床フレーム3とが同じ大きさおよび形状を有して上下に完全に重なっている一般的な建物ユニット1に対して薄型角パイプ柱9を追加で設置するようにしている。
なお、薄型角パイプ柱9を、鉛直荷重および水平荷重の両方に耐えられるような取付け方(図2)にするか、垂直荷重のみを支持させるような取付け方(図7)にするかについては、上記各実施例と同じである。
この実施例では、通常の大型の柱4(通常柱35、または、大断面角パイプ柱)が、天井フレーム2の4つのコーナー部38の位置に取付けられており、通常柱35が、鉛直荷重および水平荷重の両方に十分に耐えるものとなっているので、薄型角パイプ柱9は、鉛直荷重および水平荷重の両方に耐えられるような取付け方にしても、垂直荷重のみを支持させるような取付け方にしても、どちらでも良いが、鉛直荷重および水平荷重の両方に耐えられるような取付け方としている。
<作用効果>この実施例によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(作用効果 1)建物ユニット1(ユニットフレーム12)には、天井フレーム2を構成する天井梁5,6の幅7よりも厚み8が小さい角筒状をした薄型角パイプ柱9が少なくとも1本以上用いられても良い。
これにより、薄型角パイプ柱9は、一般的な建物ユニット1に使われている通常の大型の柱4(通常柱35)と比べて軽量であるため、柱4(構造柱)の取扱いが容易になる。また、建物ユニット1に対して薄型角パイプ柱9を少なくとも1本以上用いることで、通常の大型の柱4を減らすことなども可能となり、その分、建物ユニット1の製造を容易化することができるようになる。
薄型角パイプ柱9は、閉断面であるため、比較的高い強度が得られることから、建物ユニット1の構造を支える構造柱(荷重支持部材)として使用するのに十分な機能を有しており、建物ユニット1に一般的に使われている(開断面を有する)天井梁5,6や床梁24,25への柱4の取付けに対して問題となり易い「ねじれ」が発生し難い部材として、建物ユニット1に好適に使用することができる。
薄型角パイプ柱9は、天井梁5,6の幅7よりも厚み8が小さくなっているので、例えば、壁部材19に柱4の影響を与えない(柱4の形が出ない)ように建物ユニット1に設置して、壁部材19の内側にきれいに収めることができる。
また、建物ユニット1のコーナー部38やその近傍に対して、薄型角パイプ柱9を用いることで、薄型角パイプ柱9は、建物ユニット1に通常使われている大型の柱4(通常柱35)よりも厚み8が小さいので、柱4が専有するスペースを小さくすることができ、その分、例えば、建物ユニット1の内外方向に対する壁部材19の設置位置を天井梁5,6により近くして、その分、建物ユニット1の内部スペースを広げることが可能になる。
薄型角パイプ柱9は、天井梁5,6の下面にボルト11で固定されても良い。薄型角パイプ柱9を天井梁5,6の下面に対してボルト11で固定することによって、天井梁5,6の下面の薄型角パイプ柱9は、設置位置に対する制限がなくなるので、薄型角パイプ柱9を天井フレーム2に沿った自由な位置に設置できるようになる。また、ボルト11による固定とすることによって、薄型角パイプ柱9は、位置の移動が容易にできる。
そして、薄型角パイプ柱9は、天井梁5,6の下面と床梁24,25の上面との間にボルト11で固定されても良い。薄型角パイプ柱9を天井梁5,6の下面および床梁24,25の上面にボルト11で固定することにより、天井梁5,6と床梁24,25との間における、薄型角パイプ柱9の設置位置に対する制限がなくなるので、薄型角パイプ柱9を天井フレーム2と床フレーム3との間の自由な位置に設置できるようになる。また、ボルト11による固定とすることによって、薄型角パイプ柱9は、位置の移動が容易にできる。
(作用効果 2)天井梁5,6は、一側面が開放された開断面の部材としても良い。そして、天井梁5,6の内側には、薄型角パイプ柱9を取付ける位置にスチフナ41が取付けられても良い。同様に、床梁24,25は、一側面が開放された開断面の部材としても良い。そして、必要な場合には、床梁24,25の内側には、薄型角パイプ柱9を取付ける位置にスチフナ42が取付けられても良い。
天井梁5,6(や床梁24,25)を開断面の部材とすることで、天井梁5,6(や床梁24,25)の内部空間を利用して、天井梁5,6(や床梁24,25)に、スチフナ41(やスチフナ42)を邪魔にならないように取付けることが可能になる。
なお、開断面の天井梁5,6(や床梁24,25)は、開放される一側面を外向きに配置することで、天井フレーム2(や床フレーム3)を作り易くなり、また、建物ユニット1の外側からスチフナ41を取付けられるようになるため、スチフナ41(やスチフナ42)を取付ける上では好ましい。ただし、開断面の天井梁5,6(や床梁24,25)は、上記したように、開放される一側面を内向きに配置しても良いし、内向きと外向きとを組み合わせて配置しても良い。
薄型角パイプ柱9を設置する位置にスチフナ41(やスチフナ42)を取付けることで、天井梁5,6(や床梁24,25)における薄型角パイプ柱9を取付ける位置を、スチフナ41(やスチフナ42)により部分的かつ効率的に補強して、天井梁5,6(や床梁24,25)の座屈を防止できる。
(作用効果 3)スチフナ41には天井梁5,6の下面に上から当接される添板51が取付けられても良い。同様に、必要な場合には、スチフナ42には床梁24,25の上面に下から当接される添板52が取付けられても良い。
天井梁5,6の下面(や床梁24,25の上面のフランジ部23、および、フランジ部27)の、薄型角パイプ柱9を取付ける位置の周辺を、スチフナ41(やスチフナ42)に設置した添板51(や添板52)の面で押さえることによって、天井梁5,6(や床梁24,25)を部分的かつ効率的に補強することができる。
(作用効果 4)薄型角パイプ柱9の上端部の外面には、補強ピース61が取付けられても良い。同様に、必要な場合には、薄型角パイプ柱9の下端部の外面には、補強ピース62が取付けられても良い。
薄型角パイプ柱9の端部(上端部や下端部)の外面に取付けた補強ピース61や補強ピース62によって薄型角パイプ柱9の端部周辺を部分的かつ効率的に補強できる。
そのため、例えば、薄型角パイプ柱9に作用される鉛直荷重および水平荷重(例えば、地震力や風圧力)などに耐えられるように、薄型角パイプ柱9自体を補強ピース61によって補強することも可能になる。
この際、補強ピース61(や補強ピース62)をリング状や単数または複数のC字状の部材にすることによって、薄型角パイプ柱9をほぼ全周に亘って補強ピース61で補強することができる。
(作用効果 5)薄型角パイプ柱9の上端部には天井梁5,6の下面に下から当接されるエンドプレート71が取付けられても良い。同様に、必要な場合には、薄型角パイプ柱9の下端部には床梁24,25の上面に上から当接されるエンドプレート72が取付けられても良い。
薄型角パイプ柱9の上端部(や下端部)に取付けたエンドプレート71(やエンドプレート72)によって、薄型角パイプ柱9の上端部(や下端部の天井梁5,6や床梁24,25に対する固定部分)を部分的かつ効率的に補強できる。
そして、エンドプレート71(やエンドプレート72)を天井梁5,6の下面(や床梁24,25の上面)に当接させることによって、天井梁5,6の下面(や床梁24,25の上面)に薄型角パイプ柱9をボルト11で固定するための部位(固定部73)を確保、設定することができる。
また、例えば、エンドプレート71(やエンドプレート72)を(厚肉にして)天井梁5,6の下面(や床梁24,25の上面)に当接固定することによって、天井梁5,6(や床梁24,25)から薄型角パイプ柱9に作用される鉛直荷重および水平荷重を、エンドプレート71(やエンドプレート72)を介して薄型角パイプ柱9に受けさせるようにすることが可能になる。
なお、エンドプレート71(やエンドプレート72)を厚肉にすることに加えて、または、エンドプレート71(やエンドプレート72)を厚肉にする以外に、薄型角パイプ柱9の端部に補強ピース61(や補強ピース62)を取付けたり、スチフナ41(やスチフナ42)に添板51(や添板52)を取付けたり、径の太いボルト11を使用したりすることのうちの少なくともいずれか一つまたは全部を採用することで、薄型角パイプ柱9に作用される鉛直荷重および水平荷重を受け得るようにすることができる。
(作用効果 6)薄型角パイプ柱9の端部のエンドプレート71,72には上下に延びるウェブ面81,82が設けられても良い。
例えば、薄型角パイプ柱9に、垂直荷重のみを支持させるようにする場合には、薄型角パイプ柱9は水平荷重を受けなくても良いが、水平荷重による天井梁5,6(や床梁24,25)の横変位に伴って薄型角パイプ柱9が傾くことで、図9(c)に示すように、エンドプレート71,72には上下方向Zの変形が発生されることになる。この場合、エンドプレート71,72の上下方向Zの小さな変形についてはある程度まで許容されるが、発生した上下方向Zの応力Fについては天井梁5,6や床梁24,25と薄型角パイプ柱9との間を固定するボルト11へ伝達させる必要がある。そこで、エンドプレート71,72に上下に延びるウェブ面81,82を一体に形成した。これにより、ウェブ面81,82の面方向(上下方向Zや上記長手方向31)の耐力Gによって必要最小限の応力Fをボルト11へ伝達させることが可能になる。
(作用効果 7)天井フレーム2は、薄型角パイプ柱9のみによって下側から支持されても良い。これにより、上記した薄型角パイプ柱9などの効果に加えて、薄型角パイプ柱9のみで天井フレーム2が支持された建物ユニット1を構成でき、例えば、梁勝ちの構造を有する新たな建物ユニット1を提供できるようになる。なお、この梁勝ちの構造を有する新たな建物ユニット1は、通常の建物ユニット1と一緒に使用してユニット建物を構成することが可能である。
また、薄型角パイプ柱9のみで天井フレーム2を支持することで、建物ユニット1の組み立てが、工場に限らず、建築現場でもできるようになる。
即ち、例えば、部品としての天井フレーム2および床フレーム3をそれぞれ工場で予め製造しておき、これらを建築現場に搬送して、建築現場にて上下に隔てて薄型角パイプ柱9で連結(ボルト11による固定)することによって、建築現場でも建物ユニット1を比較的簡単に組み立てることができる。そのため、大規模な建物ユニット1の製造設備を不要にでき、工場で必要な設備を簡略化できる。
(作用効果 8)少なくとも一部の薄型角パイプ柱9は、床フレーム3に固定されない下端部を有しても良い。これにより、上記した薄型角パイプ柱9や建物ユニット1のなどの効果に加えて、床フレーム3を天井フレーム2よりも小型化できるため、天井フレーム2よりも床フレーム3を小さくした新たな構造の建物ユニット1を提供できる。そして、床フレーム3に固定されない下端部を、基礎93や下階の建物ユニット1の天井フレーム2などに対し直接固定して使うことができる。このような構造の建物ユニット1は、例えば、店舗や、車庫や、玄関などのように、床構造を変則的なものにしたい場合などに適用できる。
(作用効果 9)薄型角パイプ柱9が、天井フレーム2の辺の中間部に設けられても良い。これにより、上記した薄型角パイプ柱9や建物ユニット1のなどの効果に加えて、天井フレーム2の辺の中間部に設けた薄型角パイプ柱9によって、天井フレーム2に対する支持力を増やして、建物ユニット1を自由に補強することができる。また、建築現場においても、建物ユニット1の天井フレーム2に対して、後から追加で自由に薄型角パイプ柱9を取付けることができるようになる。この薄型角パイプ柱9は、上記したように、自由な位置に設置でき、薄型角パイプ柱9の位置の移動も容易にできるため、建物ユニット1を補強する場合などに有効である。
そして、例えば、通常の大型の柱4(通常柱35、または、大断面角パイプ柱)を有する一般的な(柱勝ちの構造の)建物ユニット1に対しても、薄型角パイプ柱9を追加で設けることで、一般的な建物ユニット1を薄型角パイプ柱9によって自由に補強することができる。