JP7717327B1 - ベーカリー食品用ミックス、それを用いたベーカリー食品及びその製造方法 - Google Patents

ベーカリー食品用ミックス、それを用いたベーカリー食品及びその製造方法

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Abstract

【課題】本開示の課題は、50質量%以上の小麦全粒粉を含み、ふんわりとした柔らかい食感のベーカリー食品を製造可能なベーカリー食品用ミックスを提供することである。【解決手段】小麦全粒粉50質量%以上、活性グルテン、及び大豆粉を含む、ベーカリー食品用ミックス。【選択図】なし

Description

本開示は、50質量%以上の小麦全粒粉を含み、ふんわりとした柔らかい食感のベーカリー食品を製造可能なベーカリー食品用ミックスに関する。また、本開示は、当該ベーカリー食品用ミックスを使用したベーカリー食品、及びその製造方法に関する。
パンケーキ等のベーカリー食品は、その食感のよさ、トッピング等によるアレンジの容易性等の魅力があり、人気の高い食品である。また、ベーカリー食品の調理に必要な粉末原料を予め混合したベーカリー食品用ミックスも市販され、ベーカリー食品を手軽に調理できるようになっている。
従来、ベーカリー食品の食感や呈味だけでなく、栄養面からも様々な改良処方が提案されている。例えば、特許文献1では、美味しく食べることができる高タンパク質のパンケーキを製造できるパンケーキミックスとして、ホエイタンパク質、小麦タンパク質、イヌリン及びコーンスターチを含む高タンパク質のパンケーキミックスが記載されている。また、特許文献2には、食物繊維を含有し低糖質且つ低カロリーでありながらも、食感に優れたベーカリー食品を製造可能なベーカリー食品用ミックスとして、可溶性食物繊維、難消化性澱粉、非難消化性澱粉及び穀粉を含有し、該可溶性食物繊維の含有量が3~50質量%、該難消化性澱粉と該非難消化性澱粉との合計含有量が2~70質量%であるベーカリー食品用ミックスが記載されている。
特開2015-142542号公報 特開2019-017275号公報
多くのベーカリー食品では、主原料となる穀粉として、小麦粒の表皮及び胚芽を除いて製粉した小麦粉が使用されている。小麦粒の表皮及び胚芽には、食物繊維、タンパク質、脂質、ミネラル、ビタミン等の栄養が豊富に含まれているため、小麦粉は、小麦粒に含まれる栄養素が損なわれており、小麦全粒粉に比べて栄養面で劣っている。そのため、小麦全粒粉を主原料として含むベーカリー食品は、バランス良く不足しがちな栄養素を補給できる高栄養価の食品として有益である。
しかしながら、ベーカリー食品用ミックスにおいて、小麦全粒粉の含有量を50質量%以上にまで高めると、食物繊維の含有量の増加等に起因して、調理後のベーカリー食品において、硬い食感になるという欠点がある。従来、乳タンパク質をベーカリー食品の硬さやタンパク質量の調整に使用できることが知られているが、乳タンパク質の添加は生地のべちゃつきをもたらし、更に調理後のベーカリー食品の膨らみも悪くなる。また、50質量%以上の小麦全粒粉を含むベーカリー食品用ミックスに乳タンパク質を配合すると、調理後のベーカリー食品が更に硬くなる傾向が現れる。従来、乳タンパク質を添加することによって生じる生地のべちゃつきやべちゃつきに起因する膨らみ等の問題を解決するために、増粘多糖類及び乳化剤を使用できることも知られているが、これらの添加はコスト増大を招き、更に添加する乳化剤の種類によってはクリーンラベルのトレンドに追従できなくなる。
そこで、本開示の課題は、50質量%以上の小麦全粒粉を含み、ふんわりとした柔らかい食感のベーカリー食品を製造可能なベーカリー食品用ミックスを提供することである。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、50質量%以上の小麦全粒粉に加えて、活性グルテン及び大豆粉を含むベーカリー食品用ミックスを使用することにより、ふんわりとした柔らかい食感のベーカリー食品が得られることを見出した。更に、前記ベーカリー食品用ミックスにおいて、小麦全粒粉100質量部に対する活性グルテン及び大豆粉の合計量の質量比が20~40質量部を満たしている場合には、調理後のベーカリー食品の膨らみが向上することをも見出した。本開示は、かかる知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本開示は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 小麦全粒粉50質量%以上、活性グルテン、及び大豆粉を含む、ベーカリー食品用ミックス。
項2. 小麦全粒粉100質量部当たり、活性グルテンと大豆粉の合計量が1~60質量部である、項1に記載のベーカリー食品用ミックス。
項3. 前記小麦全粒粉100質量部当たり、前記活性グルテンが0.05~15質量部、且つ前記大豆粉が0.5~50質量部含まれる、項1又は2に記載のベーカリー食品用ミックス。
項4. 乳タンパク質、増粘多糖類、及び乳化剤よりなる群から選択される少なくとも1種を含まない、項1~3のいずれかに記載のベーカリー食品用ミックス。
項5. 前記ベーカリー食品が非発酵ベーカリー食品である、項1~4のいずれかに記載のベーカリー食品用ミックス。
項6. 項1~5のいずれかに記載のベーカリー食品用ミックスを用いて得られる、ベーカリー食品。
項7. 以下の工程を含むベーカリー食品の製造方法:
項1~5のいずれかに記載のベーカリー食品用ミックスに液体を添加して混合することにより生地を調製する工程、及び
得られた生地を加熱処理する工程。
本開示のベーカリー食品用ミックスは、小麦全粒粉を50質量%以上も含んでいながらも、調理後のベーカリー食品にふんわりとした柔らかい食感を備えさせることができる。また、本開示のベーカリー食品用ミックスでは、乳タンパク質、増粘多糖類、及び乳化剤を使用せずとも、ふんわりとした柔らかい食感を実現できるので、人工乳化剤の添加が不要であり、クリーンラベルのトレンドに追従することもできる。また、本開示のベーカリー食品用ミックスの一態様では、調理後のベーカリー食品にふんわりとした柔らかい食感だけでなく、良好な膨らみを備えさせることができる。また、本開示のベーカリー食品用ミックスでは、栄養素が豊富な小麦全粒粉を50質量%以上も含むことに加え、大豆タンパク質も含まれているので、家庭内で栄養価が高いベーカリー食品を手軽に調理することが可能になるので、SDGs3の「すべての人に健康と福祉を」の「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進するという目標達成に貢献できる。更に、本開示のベーカリー食品用ミックスは、表皮や胚芽等を含む小麦全粒粉を使用しているので、食品ロスの削減に寄与でき、SDGs12「つくる責任つかう責任」及びSDGs13「気候変動に具体的な対策を」という目標達成にも貢献できる。
1.定義
本開示において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。従って、他に定義されない限り、本明細書中で使用されるすべての専門用語及び科学技術用語は、本開示に関する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
本開示において、「ベーカリー食品」とは、穀粉を主原料とする生地を加熱処理することにより得られる食品である。ベーカリー食品には、加熱処理に供する前に生地を発酵させる発酵ベーカリー食品と、生地を発酵させない非発酵ベーカリー食品が包含される。
本開示において、「ベーカリー食品用ミックス」とは、ベーカリー食品を製造するために予め調合してある調製粉(プレミックス)を指す。
本開示において、ベーカリー食品用ミックスにおける各原料の含有量は、ベーカリー食品用ミックスの総量(100質量%)に対する割合である。
2.ベーカリー食品用ミックス
本開示のベーカリー食品用ミックスは、小麦全粒粉50質量%以上、活性グルテン、及び大豆粉を含むことを特徴とする。以下、本開示のベーカリー食品用ミックスについて詳述する。
[小麦全粒粉]
本開示のベーカリー食品用ミックスは、小麦全粒粉を50質量%以上含む。小麦全粒粉とは、小麦粒をそのまま製粉した穀物粉である。従来技術では、ベーカリー食品用ミックスにおいて、小麦全粒粉が50質量%以上も含まれる場合には、調理後のベーカリー食品が硬い食感になっていたが、本開示のベーカリー食品用ミックスでは、小麦全粒粉を50質量%以上に加えて、後述する活性グルテン及び大豆粉を含むことにより、ふんわりとした柔らかい食感のベーカリー食品を得ることが可能になる。
小麦全粒粉は、全粒薄力粉、全粒中力粉、又は全粒強力粉のいずれを使用してもよいが、ベーカリー食品がパンケーキである場合には、全粒薄力粉であることが好ましい。
本開示のベーカリー食品用ミックスにおける小麦全粒粉の含有量は、50質量%以上であればよいが、好ましくは60~85質量%、より好ましくは60~80質量%、更に好ましくは60~70質量%が挙げられる。特に、本開示のベーカリー食品用ミックスにおける小麦全粒粉の含有量が60~70質量%を満たす場合には、調理後のベーカリー食品において、ふんわりとした柔らかい食感に加えて、膨らみを良好にすることも可能になる。
[活性グルテン]
本開示のベーカリー食品用ミックスには、活性グルテンが含まれる。活性グルテンとは、小麦粉に水を加えて作製した生地を水洗して得られるガム状物質(グルテン、小麦たん白)を粉末状に乾燥させたものである。
本開示のベーカリー食品用ミックスにおいて、小麦全粒粉に対する活性グルテンの比率としては、例えば、小麦全粒粉100質量部当たり、活性グルテンが0.05~15質量部、好ましくは0.1~10質量部、より好ましくは0.3~7質量部、更に好ましくは0.4~4質量部が挙げられる。
本開示のベーカリー食品用ミックスにおける活性グルテンの含有量としては、例えば、0.05~10質量%、好ましくは0.1~7質量%、更に好ましくは0.1~5質量%、特に好ましくは0.2~3質量%が挙げられる。このような含有量を満たすことにより、ベーカリー食品においてグルテンの網目構造を適度に形成させることができ、しぼみにくく、ふんわりとした柔らかい食感をより一層好適に備えさせることが可能になる。
[大豆粉]
本開示のベーカリー食品用ミックスには、大豆粉が含まれる。本開示において、大豆粉は、生大豆を粉末状にした生大豆粉、又は熱処理が加えられている失活大豆粉のいずれを使用してもよい。また、大豆粉の原料大豆は、全脂大豆又は脱脂大豆のいずれでもよい。
本開示のベーカリー食品用ミックスにおいて、小麦全粒粉に対する大豆粉の比率としては、例えば、小麦全粒粉100質量部当たり、大豆粉が0.5~50質量部、好ましくは1~40質量部、より好ましくは5~35質量部、更に好ましくは、17~35質量部が挙げられる。特に、小麦全粒粉100質量部当たり、大豆粉が17~35質量部を満たす場合には、調理後のベーカリー食品において、ふんわりとした柔らかい食感に加えて、膨らみを良好にすることも可能になる。
本開示のベーカリー食品用ミックスにおける大豆粉の含有量としては、例えば、5~35質量%、好ましくは5~30質量%、更に好ましくは5~25質量%、特に好ましくは10~22質量%が挙げられる。このような含有量を満たすことにより、ベーカリー食品においてグルテンの網目構造を適度に形成させることができ、ふんわりとした柔らかい食感をより一層好適に備えさせることが可能になる。特に、本開示のベーカリー食品用ミックスにおける大豆粉の含有量が10~22質量%を満たす場合には、調理後のベーカリー食品において、ふんわりとした柔らかい食感に加えて、膨らみを良好にすることも可能になる。
[小麦全粒粉に対する活性グルテン及び大豆粉の合計量の比率]
本開示のベーカリー食品用ミックスにおいて、小麦全粒粉の含有量に対する活性グルテンと大豆粉の合計含有量の比率としては、例えば、小麦全粒粉100質量部当たり、活性グルテンと大豆粉の合計量が1~60質量部、好ましくは5~50質量部、より好ましくは10~40質量部、更に好ましくは20~40質量部が挙げられる。特に、小麦全粒粉100質量部当たり、活性グルテンと大豆粉の合計量が20~40質量部を満たす場合には、調理後のベーカリー食品において、ふんわりとした柔らかい食感に加えて、膨らみを良好にすることも可能になる。
[タンパク質の組成]
本開示のベーカリー食品用ミックスには、前記小麦全粒粉、活性グルテン、及び必要に応じて配合される他の小麦タンパク質含有原料等の小麦原料に由来する小麦タンパク質が含まれる。本開示のベーカリー食品用ミックスにおける小麦タンパク質の含有量については、前記小麦全粒粉及び活性グルテンの含有量を充足する範囲であればよいが、例えば、4.1~12質量%、好ましくは4.5~15質量%、更に好ましくは3~12質量%、特に好ましくは5~9質量%が挙げられる。本開示において、ベーカリー食品用ミックスにおける小麦タンパク質の含有量は、ベーカリー食品用ミックス中の小麦タンパク質自体の含有量であり、小麦全粒粉等の小麦原料の含有量ではない。例えば、ベーカリー食品用ミックス中に小麦全粒粉(小麦タンパク質濃度がX1質量%)をX2質量%、及び活性グルテン(小麦タンパク質濃度がY1質量%)をY2質量%含有させる場合には、ベーカリー食品用ミックスにおける小麦タンパク質の含有量は[{(X1×X2)+(Y1×Y2)}/100]質量%になる。
また、本開示のベーカリー食品用ミックスには、前記大豆粉、及び必要に応じて配合される他の大豆タンパク質含有原料等の大豆原料に由来する大豆タンパク質が含まれる。本開示のベーカリー食品用ミックスにおける大豆タンパク質の含有量については、前記大豆粉の含有量を充足する範囲であればよいが、例えば、0.4~15質量%、好ましくは0.7~12質量%、より好ましくは1~10質量%、更に好ましくは1~8質量%が挙げられる。本開示において、ベーカリー食品用ミックスにおける大豆タンパク質の含有量は、ベーカリー食品用ミックス中の大豆タンパク質自体の含有量であり、大豆粉等の大豆原料自体の含有量ではない。例えば、大豆タンパク質含有原料として、大豆タンパク質濃度がX1質量%の大豆粉をベーカリー食品用ミックス中にX2質量%含有させる場合には、ベーカリー食品用ミックスにおける大豆タンパク質の含有量は[(X1×X2)/100]質量%になる。
本開示のベーカリー食品用ミックスにおける小麦タンパク質と大豆タンパク質の合計含有量としては、例えば、4.5~20質量%、好ましくは6~18質量%、より好ましくは8~15質量%、更に好ましくは10~13質量%が挙げられる。
[乳タンパク質、増粘多糖類、及び乳化剤]
本開示のベーカリー食品用ミックスには、乳タンパク質、増粘多糖類、及び乳化剤よりなる群から選択される少なくとも1種が含まれていてもよい。但し、本開示のベーカリー食品用ミックスの好適な一態様では、乳タンパク質、増粘多糖類、及び乳化剤よりなる群から選択される少なくとも1種は含まれない。また、本開示のベーカリー食品用ミックスの他の好適な一態様では、乳タンパク質、増粘多糖類、及び乳化剤よりなる群から選択される少なくとも2種は含まれない。また、本開示のベーカリー食品用ミックスの更に他の好適な一態様では、乳タンパク質、増粘多糖類、及び乳化剤は含まれない。従来技術では、乳タンパク質、増粘多糖類、及び乳化剤がベーカリー食品の硬さの調整に使用されているが、本開示のベーカリー食品用ミックスでは乳タンパク質、増粘多糖類、及び乳化剤を含まなくても、良好な柔らかさを具備させることができる。
[その他の原料]
本開示のベーカリー食品用ミックスには、必要に応じて、糖類が含まれていてもよい。糖類とは、単糖類と二糖類の総称である。糖類の種類としては、例えば、グラニュー糖、上白糖、三温糖、黒糖等の砂糖;異性化糖等が挙げられる。本開示のベーカリー食品用ミックスに糖類を含有させる場合、その含有量については、使用する糖類の種類等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、1~25質量%、好ましくは5~20質量%、より好ましくは10~15質量%が挙げられる。
また、本開示のベーカリー食品用ミックスには、呈味の調節のために、必要に応じて、食塩が含まれていてもよい。本開示のベーカリー食品用ミックスに食塩を含有させる場合、その含有量については、特に限定されないが、例えば、0.01~5質量%、好ましくは0.1~3質量%、より好ましくは0.5~2質量%が挙げられる。
また、本開示のベーカリー食品用ミックスには、調理後のベーカリー食品の膨らみを良好にするために、ベーキングパウダー(膨張剤)が含まれていてもよい。特に、本開示のベーカリー食品用ミックスを非発酵ベーカリー食品用とする場合には、ベーキングパウダーが含まれていることが好ましい。本開示のベーカリー食品用ミックスにベーキングパウダーを含有させる場合、その含有量については、使用するベーキングパウダーの種類等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、1~8質量%、好ましくは1~5質量%、より好ましくは2~4質量%が挙げられる。
本開示のベーカリー食品用ミックスには、前述する原料に加えて、必要に応じて、ベーカリー食品の製造に通常用いられる他の原料を含んでいてもよい。このような他の原料としては、例えば、穀粉(小麦全粒粉以外)、澱粉、乾燥卵、ゲル化剤、安定剤、酵素、卵殻カルシウム、イースト、イーストフード、呈味剤、香辛料、香料等が挙げられる。これらの他の原料の含有量は、使用する他の原料の種類、ベーカリー食品の種類等に応じて適宜設定すればよい。
[製造方法]
本開示のベーカリー食品用ミックスは、前述の各原料を混合することにより得ることができる。
[適用されるベーカリー食品の種類]
本開示のベーカリー食品用ミックスを用いて調理されるベーカリー食品の種類については、特に限定されないが、例えば、パンケーキ(ホットケーキと同義)、カップケーキ、スポンジケーキ、バターケーキ、ロールケーキ、パウンドケーキ、マフィン等のケーキ類;ワッフル、シュー、ビスケット等の焼き菓子;ドーナツ等の揚げ菓子;クロワッサン、ロールパン、フランスパン、乾パン、コッペパン、食パン等のパン類等が挙げられる。これらの中でも、本開示のベーカリー食品用ミックスは、非発酵ベーカリー食品、とりわけケーキ類、特にパンケーキ用のミックスとして好適に使用される。
[ベーカリー食品の製造]
本開示のベーカリー食品用ミックスを用いたベーカリー食品の製造は、一般的なベーカリー食品用ミックスの製造方法に従って行うことができるが、具体的には、本開示のベーカリー食品用ミックスに液体を添加して混合することにより生地を調製する工程、得られた生地を加熱処理する工程を有していればよい。
生地の調製に使用される液体は、製造対象となるベーカリー食品の種類に応じて適宜設定すればよいが、例えば、水、牛乳、卵等が挙げられる。また、前記ベーカリー食品用ミックスを用いて調製される生地は、製造対象となるベーカリー食品の種類に応じたものであればよく、バッター(流動性がある生地)又はドウ(塊状の生地)のいずれであってもよい。例えば、本開示のベーカリー食品用ミックスによりパンケーキを製造する場合であれば、本開示のベーカリー食品用ミックスを用いてバッターを調製すればよい。
本開示のベーカリー食品用ミックスを用いて調製された生地は、必要に応じて発酵させた後に、加熱処理に供される。加熱処理は、製造対象となるベーカリー食品の種類に応じた方法で行えばよく、例えば、フライパン、オーブン、オーブントースター等を用いた焼成処理;食用油を使用したフライ処理等が挙げられる。例えば、本開示のベーカリー食品用ミックスによりパンケーキを製造する場合であれば、フライパンによる焼成を行えばよい。
以下、本開示を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
1.材料
本試験で使用した小麦全粒粉、乳タンパク質濃縮物、大豆粉、活性グルテン、増粘多糖類、及び乳化剤の組成等については以下の通りである。
小麦全粒粉:全粒薄力粉、小麦タンパク質8質量%含有
活性グルテン:小麦タンパク質80質量%含有
大豆粉:全脂大豆を熱処理して酵素を失活させた大豆粉末、大豆タンパク質34質量%含有
乳タンパク質濃縮物:乳タンパク質80質量%含有
増粘多糖類:サイリウムシードガム
乳化剤:ショ糖パルミチン酸エステル
2.パンケーキ用ミックスの製造
表1及び2に示す原料を混合し、パンケーキ用ミックスを製造した。
3.パンケーキの製造
前記で得られたパンケーキ用ミックス100gに、液卵(全卵)50g及び牛乳100gを添加し、ホイッパーで80回攪拌することにより生地を作製した。ホットプレート(アビエン社製XGM24-BK)を使用して火力1にて加熱し、プレート温度が180℃に到達した時点で、前記生地100mlを約10cmの高さからプレートに落として3分間焼成した後に、裏返して3分間同様に焼成を行った。その後、得られたパンケーキを網天板に移し、25℃にて30分間放冷した。
4.パンケーキの評価方法
4-1.パンケーキの柔らかさ
レオメーター(SHIMADZU製テクスチャーアナライザー「EZ-SX」)を用いた圧縮試験にて、30分間放冷した後のパンケーキの応力を測定した。圧縮試験では、パンケーキを台座中央において、プランジャー(φ20mmアルミ製円柱状)を下降スピード1mm/secで7.5mm押し下げ、10secホールドし、その際の最大応力を応力の測定値として求めた。応力測定はn=3で行い、平均値を算出した。なお、応力は、柔らかさの指標になる値であり、応力が大きい程、硬くなり、応力が小さい程、柔らかくなることを示している。
4-2.パンケーキの膨らみ(高さ)
30分間放冷した後のパンケーキの最も厚みが大きい部分(専ら中心部)を定規にて測定した。
4-3.パンケーキの官能評価
JIS Z 9080:2004「官能評価分析-方法」に従って訓練された評価者5名により、パンケーキの柔らかさ及び風味の評価を行った。具体的には、30分間放冷した後のパンケーキを喫食した後に、以下の判定基準に従って、パンケーキとしてのふんわりとした柔らかい食感及び風味を評点化した。
<パンケーキとしてのふんわりとした柔らかさの判定基準>
3点:ふんわりとした柔らかい食感が非常に良好である
2点:ふんわりとした柔らかい食感がある
1点:ふんわりとしておらず硬い
0点:非常に硬い
<パンケーキとしての風味の判定基準>
3点:非常に良い
2点:良い
1点:悪い
0点:非常に悪い
5.評価結果
結果を表3及び4に示す。50質量%以上の小麦全粒粉を含み、且つ活性グルテン及び大豆粉が未添加のミックスから製造されたパンケーキは、応力が大きく硬い食感になっていた(比較例1)。また、50質量%以上の小麦全粒粉を含み、且つ活性グルテン又は大豆粉の一方のみを添加したミックスから製造されたパンケーキでも、依然として硬い食感であった(比較例2及び3)。また、50質量%以上の小麦全粒粉と乳タンパク質を含むミックスから製造されたパンケーキでは、硬さが更に増していた(比較例4)。
これに対して、50質量%以上の小麦全粒粉、活性グルテン、及び大豆粉を含むミックスから製造されたパンケーキでは、応力が小さく、ふんわりとした柔らかい食感であった(実施例1~3)。特に、小麦全粒粉100質量部に対する活性グルテン及び大豆粉の合計量の質量比が20~40質量部を満たしている場合には、膨らみも良好であった(実施例1及び3)。また、実施例1~3のパンケーキでは、乳タンパク質、増粘多糖類及び乳化剤を配合したミックスから製造されたパンケーキ(参考例1)に比べても、ふんわりとした柔らかさの点で優れていた。

Claims (6)

  1. 小麦全粒粉50質量%以上、活性グルテン、及び大豆粉を含む、非発酵ベーカリー食品用ミックス。
  2. 前記小麦全粒粉100質量部当たり、前記活性グルテンと前記大豆粉の合計量が1~60質量部である、請求項1に記載の非発酵ベーカリー食品用ミックス。
  3. 前記小麦全粒粉100質量部当たり、前記活性グルテンが0.05~15質量部、且つ前記大豆粉が0.5~50質量部含まれる、請求項1又は2に記載の非発酵ベーカリー食品用ミックス。
  4. 乳タンパク質、増粘多糖類、及び乳化剤よりなる群から選択される少なくとも1種を含まない、請求項1又は2に記載の非発酵ベーカリー食品用ミックス。
  5. 請求項1又は2に記載の非発酵ベーカリー食品用ミックスを用いて得られる、非発酵ベーカリー食品。
  6. 以下の工程を含む非発酵ベーカリー食品の製造方法:
    請求項1又は2に記載の非発酵ベーカリー食品用ミックスに液体を添加して混合することにより生地を調製する工程、及び
    得られた生地を加熱処理する工程。
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覚書*低糖質*全粒粉と大豆粉のパン,クックパッド[online],2015年08月02日,<URL:https://cookpad.com/jp/recipes/18671745-覚書低糖質全粒粉と大豆粉のパン>,[2025年3月24日検索]

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