[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の配線システムは、次の通りである。
(1)複数の幹線側回路と、複数の幹線側コネクタとを含み、前記複数の幹線側回路が、複数の接続端を有する形態でまとめられており、前記複数の接続端のそれぞれに前記複数の幹線側コネクタが接続された幹線側配線部材と、前記複数の幹線側コネクタのうちのいずれか1つに接続される端末側コネクタと、前記端末側コネクタに接続された端末側回路とを含み、前記端末側コネクタが前記複数の幹線側コネクタのうちのいずれか1つに接続されることで、前記端末側回路が前記複数の幹線側回路の少なくとも一部に電気的に接続される端末側配線部材と、を備え、前記複数の幹線側コネクタが、極細電線用コネクタを含み、前記複数の幹線側回路が、前記極細電線用コネクタに接続される複数の極細電線用コネクタ接続回路を含み、前記複数の極細電線用コネクタ接続回路が、最も導体断面積が小さい最極細電線として、導体断面積が0.13sq以下の極細電線を含む、配線システムである。
この配線システムは幹線側配線部材と端末側配線部材とを備えており、幹線側配線部材の接続端は、端末側配線部材を介して電気部品に接続され得る。このため、接続端の長さを小さくできる。接続端の長さを小さくできれば、配線部材の取扱い作業時等に、接続端に引張り力が作用し難い。また、前記極細電線用コネクタに複数の極細電線用コネクタ接続回路が接続されており、当該複数の極細電線用コネクタ接続回路が、最も導体断面積が小さい最極細電線として、導体断面積が0.13sq以下の極細電線を含む。このため、前記極細電線用コネクタに接続された複数の極細電線用コネクタ接続回路に引張り力が作用しても、当該引張り力は複数の極細電線用コネクタ接続回路によって受止められる。これらのように、極細電線用コネクタに接続された最極細電線には引張り力自体が作用し難く、また、引張り力が作用しても当該力は複数の極細電線用コネクタ接続回路に分散する。これにより、極細電線の適用箇所を、幹線側配線部材のうちの極細電線用コネクタに接続される回路に広げることができる。
(2)(1)の配線システムであって、前記複数の幹線側回路は、多用途回路と幹線側用途別回路とを有し、前記端末側配線部材として、前記端末側コネクタとしての第1用途コネクタと、前記端末側回路としての第1用途回路とを含む第1用途配線部材と、前記端末側コネクタとしての第2用途コネクタと、前記端末側回路としての第2用途回路とを含む第2用途配線部材と、を排他的に備え、前記極細電線用コネクタに前記第1用途コネクタが接続された場合に、前記多用途回路が前記第1用途回路に接続され、前記極細電線用コネクタに前記第2用途コネクタが接続された場合に、前記多用途回路が前記第2用途回路に接続され、前記幹線側用途別回路は、前記極細電線用コネクタに前記第1用途コネクタが接続された場合に、前記第1用途回路に接続されるか、前記極細電線用コネクタに前記第2用途コネクタが接続された場合に、前記第2用途回路に接続されてもよい。
この場合、多用途回路が第1用途回路にも第2用途回路にも接続される。このため、幹線側配線部材に、第1用途回路に接続される回路と、第2用途回路に接続される回路とを別々に準備しておく場合と比較して、電線の総本数を減らすことができる。これにより、回路数を少なくしつつ、複数の車両の仕様に容易に対応することができる。前記複数の幹線側回路は、多用途回路と幹線側用途別回路とを有しているため、極細電線用コネクタに接続される回路数は、第1用途コネクタに接続される第1用途回路の回路数又は第2用途コネクタに接続される第2用途回路の回路数よりも多くなることが想定される。このため、極細電線用コネクタに最極細電線が接続されている場合において、当該最極細電線に対する引張り力をより多数の回路によって受止めることができる。
(3)(1)又は(2)の配線システムであって、前記極細電線用コネクタに前記端末側コネクタが接続された状態で、前記極細電線用コネクタに接続される前記複数の幹線側回路のうちの少なくとも1つが開かれた状態とされてもよい。
この場合、当該開かれた回路は、他の電気部品への接続に用いられない。かかる開かれた回路を利用して、最極細電線に対する引張り力を分散することができる。
(4)(1)から(3)のいずれか1つの態様に係る配線システムであって、前記最極細電線は、導体断面積が0.08sq以下の極細電線であってもよい。最極細電線がより細い電線であれば、さらに配線システムを軽量化及び低コスト化することが可能となる。
(5)(1)から(4)のいずれか1つの態様に係る配線システムであって、前記端末側配線部材は、前記端末側回路を複数含み、前記端末側コネクタが前記極細電線用コネクタに接続された状態で、前記複数の端末側回路が、前記端末側コネクタから複数に分岐して複数の電気部品に接続されてもよい。
この場合、分岐元における端末側回路の数は、各分岐先における端末側回路の数よりも多い。分岐元の端末側回路は端末側コネクタに接続されており、当該端末側コネクタは極細電線用コネクタに接続されている。このため、極細電線用コネクタに接続される回路数も、分岐先の端末側回路の数よりも多くすることができる。このような極細電線用コネクタに最極細電線を接続することで、より多数の回路によって当該最極細電線に作用する力を分散して受止めることができる。
(6)(1)から(5)のいずれかに1つの態様に係る配線システムであって、前記複数の幹線側回路の総数に対する、導体断面積が0.13sq以下の前記極細電線の数の割合は、40%以上であってもよい。これにより、幹線側配線部材をより軽量化及び低コスト化できる。
(7)(1)から(6)のいずれか1つの態様に係る配線システムであって、前記端末側回路が、導体断面積が前記最極細電線の導体断面積よりも大きい相対的太物電線を有し、前記極細電線用コネクタに対する前記端末側コネクタの接続により、前記最極細電線が前記相対的太物電線に接続されてもよい。
極細電線用コネクタの接続先となる端末側回路については、幹線よりも長く延出しており、引張り力が作用し易く、かつ、本数が少なくなることが考えられる。このため、当該端末側回路については、最極細電線よりも太い相対的太物電線を有する構成とすることで、当該相対的太物電線に引張り力が作用しても自身の強さによって引張り力を受止めることができる。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の配線システムの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
[実施形態1]
以下、実施形態1に係る配線システムについて説明する。図1は配線システムを示す説明図である。
<全体構成>
配線システム1の全体構成について説明する。配線システム1は、幹線側配線部材2と、端末側配線部材5a、5b、5cとを備える。配線システム1は、電気部品9A、9B、9C、9D、9Eを電気的に接続するためのシステムである。幹線側配線部材2は、電気部品9A、9B、9C、9D、9Eに接続された回路がまとめられた幹線3Mを含む配線部材である。端末側配線部材5a、5b、5cは、幹線3Mから各電気部品9A、9B、9C、9D、9Eに向う機器側回路を含む配線部材である。幹線3Mは、最も多くの回路が1つの経路に沿うようにまとめられた部分であってもよい。幹線側配線部材2のうち幹線3Mに沿う部分は、車両に固定されてもよい。固定対象箇所は、例えば、車両におけるリンフォースRであってもよい。機器側回路は、幹線3Mにおける最も多くの回路がまとめられた箇所における回路数と同じ回路数であってもよいし、当該回路数よりも少なくてもよい。
幹線側配線部材2は、複数の幹線側回路3と、複数の幹線側コネクタ4a、4b、4cとを含む。
幹線側回路3は、細長い導体を有する電気の伝送媒体である。本実施形態では、幹線側回路3は、芯線と被覆とを有する被覆電線である。芯線は単芯線であってもよいし、複数の素線が撚り合われた撚り線であってもよい。被覆は、例えば、芯線の周囲に樹脂を押出被覆することによって形成される。
複数の幹線側回路3は、複数の接続端3Ea、3Eb、3Ecを有する形態でまとめられている。本実施形態では、複数の幹線側回路3が、1つの幹線3Mに沿ってまとめられている。当該幹線3Mにおける複数の幹線側回路3のまとめ方は任意である。例えば、複数の幹線側回路3が、粘着テープ又は結束バンド等の結束部材3Bによって束ねられた状態に保たれてもよい。また、複数の幹線側回路が帯状のシートに超音波溶着等の溶着によって固定されてまとめられていてもよい。
幹線3Mの一端側に接続端3Eaが位置し、幹線3Mの他端側に接続端3Ecが位置し、幹線3Mの長手方向中間部に接続端3Ebが位置している。接続端3Ea、3Eb、3Ecが位置している。本実施形態では、幹線3Mは直線状部分であり、接続端3Ea、3Eb、3Ecは、幹線3Mに交差して当該幹線3Mから遠ざかる方向に延出している。幹線側回路3が幹線3Mから遠ざかるように延出する部分において、幹線側回路3は束ねられていてもよいし、束ねられていなくてもよい。
接続端3Ea、3Eb、3Ecのそれぞれにおいて、幹線側回路3の端部が揃えられている。接続端3Ea、3Eb、3Ecのそれぞれにおいて、幹線側回路3の端部にコネクタ端子が圧着等によって取付けられている。複数の接続端3Ea、3Eb、3Ecのそれぞれに、複数の幹線側コネクタ4a、4b、4cが接続されている。
幹線側コネクタ4a、4b、4cは、端末側コネクタ6a、6b、6cに接続されるコネクタである。幹線側コネクタ4a、4b、4cは、例えば、複数のキャビティを有する樹脂コネクタハウジングを有している。当該樹脂コネクタハウジングの複数のキャビティのそれぞれに、幹線側回路3のコネクタ端子が挿入されることによって、複数の接続端3Ea、3Eb、3Ecのそれぞれに、複数の幹線側コネクタ4a、4b、4cが接続される。
幹線側回路3からの接続端3Ea、3Eb、3Ecの長さは任意である。幹線側回路3からの接続端3Ea、3Eb、3Ecの長さLは例えば20cm以下であってもよいし、15cm以下であってもよいし、10cm以下であってもよい。幹線側回路3からの接続端3Ea、3Eb、3Ecの長さLは、例えば、幹線側回路3から接続端3Ea、3Eb、3Ecが曲って延出する箇所を始点として、幹線側コネクタ4a、4b、4cの基端に達する迄の距離であってもよい。
端末側配線部材5a、5b、5bは、端末側コネクタ6a、6b、6cと、端末側回路7とを含む。
端末側コネクタ6a、6b、6cは、それぞれ幹線側コネクタ4a、4b、4cに接続される。端末側コネクタ6a、6b、6cは、例えば、幹線側コネクタ4a、4b、4cは、例えば、複数のキャビティを有する樹脂コネクタハウジングを有している。当該樹脂コネクタハウジングの複数のキャビティのそれぞれに、端末側回路7の端部に取付けられたコネクタ端子が挿入されることで、端末側コネクタ6a、6b、6cのそれぞれに、端末側回路7の一端部が接続される。
端末側回路7は、細長い導体を有する電気の伝送媒体である。本実施形態では、端末側回路7は、幹線側回路3と同じく、芯線と被覆とを有する被覆電線である。上記したように端末側回路7の一端部は端末側コネクタ6a、6b、6cのいずれかに接続されている。端末側回路7の他端部は電気部品9A、9B、9C、9D、9Eのいずれかに接続されている。端末側回路7の他端部はコネクタCを介して電気部品9A、9B、9C、9D、9Eに接続されてもよい。端末側回路7の他端部は電気部品9A、9B、9C、9D、9Eの端子に、はんだ付、溶着、圧着等によって直接接続されてもよい。
端末側配線部材5a、5b、5c別に説明する。
端末側配線部材5aは、複数(図7では5本)の端末側回路7を含み、端末側回路7の一端部が端末側コネクタ6aに接続されている。端末側コネクタ6aが幹線側コネクタ4aに接続されることで、端末側回路7が複数の幹線側回路3の少なくとも一部に電気的に接続される。本実施形態では、接続端3Eaにおける幹線側回路3の複数の端部と、端末側回路7の複数の一端部とが同数であり、接続端3Eaの幹線側回路3の端部と、端末側配線部材5aの端末側回路7の一端部とが、1対1の対応関係で接続される。
複数の端末側回路7は、電気部品9A、9Bに向う途中で分岐する。複数の端末側回路7のうち分岐先の第1群が電気部品9Aに接続され、分岐先の第2群が電気部品9Bに接続される。複数の端末側回路7が複数に分岐して複数の電気部品に接続されることは必須ではない。また、複数の端末側回路7が分岐せず単一の電気部品に接続されてもよい。
端末側配線部材5bは、複数(図7では4本)の端末側回路7を含み、端末側回路7の一端部が端末側コネクタ6bに接続されている。端末側コネクタ6bが幹線側コネクタ4bに接続されることで、端末側回路7が複数の幹線側回路3の少なくとも一部に電気的に接続される。本実施形態では、接続端3Eaと同様に、接続端3Ebにおける幹線側回路3の複数の端部と、端末側回路7の複数の一端部とは同数である。
複数の端末側回路7は、電気部品9Cに向う途中で分岐せず、共通する電気部品9Cに接続される。端末側配線部材5bにおいて、複数の端末側回路7が複数に分岐していていてもよい。
端末側配線部材5cは、複数(図7では4本)の端末側回路7を含み、端末側回路7の一端部が端末側コネクタ6cに接続されている。端末側コネクタ6cが幹線側コネクタ4cに接続されることで、端末側回路7が複数の幹線側回路3の少なくとも一部に電気的に接続される。本実施形態では、接続端3Eaと同様に、接続端3Ecにおける幹線側回路3の複数の端部と、端末側回路7の複数の一端部とは同数である。
複数の端末側回路7は、電気部品9D、9Eに向う途中で分岐する。複数の端末側回路7のうち分岐先の第1群が電気部品9Dに接続され、分岐先の第2群が電気部品9Eに接続される。複数の端末側回路7が複数に分岐して複数の電気部品に接続されることは必須ではない。また、複数の端末側回路7が分岐せず単一の電気部品に接続されてもよい。
端末側配線部材5a、5b、5cのそれぞれにおいて、端末側コネクタ6a、6b、6cに接続された端末側回路7の数が、接続先となる幹線側コネクタ4a、4b、4cに接続された幹線側回路3の数と同じである必要は無い。前者の数が後者の数より多くてもよいし、少なくてもよい。
なお、電気部品としては、車両に搭載される各種電気部品が想定される。電気部品として、例えば、運転者に諸情報を表示する表示装置、運転者からの諸指示を受付けるスイッチ、ECU(Electronic Control Unit)、各部を駆動する駆動部品(モータ等)、各種状態を検出するセンサ等が想定される。
<極細電線の適用について>
上記配線システム1における極細電線の適用例について説明する。
複数の幹線側コネクタ4a、4b、4cが、極細電線用コネクタを含む。本実施形態では、複数の幹線側コネクタ4a、4b、4cが極細電線用コネクタである。なお、極細電線用コネクタとは、少なくとも1本の極細電線が接続されるコネクタをいい、極細電線のみが接続されるコネクタだけを意味するものではない。このため、極細電線用コネクタには、極細電線より太い電線が接続されてもよい。もちろん、極細電線用コネクタには、極細電線のみが接続されてもよい。極細電線とは、導体断面積が極小な電線であり、例えば、導体断面積が0.13sq以下の電線である。極細電線は、例えば、信号伝送用の電線であってもよい。
複数の幹線側回路3が、極細電線用コネクタとしての幹線側コネクタ4a、4b、4cに接続される複数の極細電線用コネクタ接続回路を含む。本実施形態では、複数の幹線側回路3の全てが、極細電線用コネクタ接続回路である。
例えば、上記したように、複数の幹線側コネクタ4a、4b、4cが、極細電線用コネクタではないコネクタを含む場合、複数の幹線側回路3の一部が極細電線用コネクタ接続回路ではない場合も想定され得る。なお、幹線側コネクタ4a、4b、4cのそれぞれに接続される幹線側回路3の数は任意であり、例えば、20本から30本の幹線側回路3が接続されてもよい。
複数の極細電線用コネクタ接続回路としての幹線側回路3が、最も導体断面積が小さい最極細電線として、導体断面積が0.13sq以下の極細電線を含む。以下、説明の便宜上、幹線側回路3のうち最極細電線3a、最極細電線3aより導体断面積が大きい電線3bとして区別する場合がある。また、図1において、便宜上、最極細電線3aは、電線3bよりも細い線で示されている。
ここで、sqとは”square”の略であり、平方mmを意味している。よって、導体断面積が0.13sqである極細電線とは、導体断面積が0.13平方mmである極細電線をいい、従って、導体断面積が0.13sq以下の極細電線とは、導体断面積が0.13平方mm以下の極細電線をいう。導体断面積が0.13sqである極細電線とは、JIS規格における0.13sqに適合する電線であると把握されてもよい。よって、導体断面積が0.13sq以下の極細電線は、JIS規格における0.13sqに適合する電線であってもよいし、当該電線よりも導体断面積が小さい電線であってもよい。例えば、導体断面積が0.13sq以下の極細電線は、JIS規格における導体断面積が0.1sqの電線、導体断面積が0.08sqの電線、導体断面積が0.05sqの電線であってもよい。また、例えば、導体断面積が0.13sq以下の極細電線は、米国ワイヤゲージ規格におけるAWG22に適合する電線、及び、当該AWG22に適合する電線よりも導体断面積が小さい規格の電線(例えば、AWG26の電線など)であってもよい。本実施形態では、特に言及が無い限り、最極細電線3aは、導体断面積が0.13sq以下の極細電線であることを想定した説明がなされる。振動等による耐断線の観点から、極細電線の導体断面積は、0.002sq以上が望ましい。
図1に示す例では、幹線側回路3の一部が最極細電線3aであり、残部が最極細電線3aよりも導体断面積が大きい電線3bである。電線3bは、例えば、導体断面積が0.13sqを超える電線、例えば、導体断面積が0.35sqの電線、0.5sqの電線、0.75sqの電線、1.25qの電線、より大きい導体断面積の電線であってもよい。電線3bは、単一種の導体断面積の電線だけを含む必要は無く、各種導体断面積の電線を含んでもよい。最極細電線3aがより細い電線、例えば、導体断面積が0.1sqの極細電線であれば、電線3bが、導体断面積が0.13sqの電線を含む場合もあり得る。電線3bの少なくとも一部は、電力供給用又はアース用の電線であってもよい。幹線側配線部材は、導体断面積が異なる複数種の電線を含み、複数種の電線の導体断面積の最小値が0.13sq以下であるとも把握され得る。
本実施形態では、幹線側コネクタ4aと幹線側コネクタ4bとを接続する幹線側回路3が1つの最極細電線3aと2本電線3bとを含む。幹線側コネクタ4aと幹線側コネクタ4cとを接続する幹線側回路3が2本の最極細電線3aと2本電線3bとを含む。幹線側コネクタ4bと幹線側コネクタ4bとを接続する幹線側回路3が1本の最極細電線3aを含む。
上記幹線側回路3における最極細電線3a及び電線3bの本数及び適用箇所は任意である。例えば、幹線側回路3のうちの1本が最極細電線3aであってもよいし、幹線側回路3の全てが最極細電線3aであってもよい。
ここで、上記したように、極細電線を、導体断面積が0.13sq以下の電線であるとする。最極細電線3aが、導体断面積が0.13sqの電線であれば、幹線側回路3における極細電線の数は、最極細電線3aの数と同じである。最極細電線3aが、導体断面積が0.13sq未満の電線であれば、幹線側回路3における極細電線の数は、最極細電線3aの数に、電線3bのうち0.13以下の導体断面積の極細電線の数を付加した数である。
この場合、複数の幹線側回路3の総数に対する、導体断面積が0.13sq以下の極細電線の数の割合は、40%以上であってもよく、50%以上であってもよい。当該割合は、70%以下であってもよく、60%以下であってもよい。本実施形態の図1に示す例では、複数の幹線側回路3の総数7本に対する、導体断面積が0.13sq以下の極細電線の3本の割合は、約42.9%である。
端末側配線部材5a、5b、5cにおける端末側回路7の導体断面積は任意である。端末側回路7の導体断面積は、例えば、上記最極細電線3aの導体断面積よりも大きくてもよい。例えば、端末側回路7の導体断面積は、導体断面積が0.13sqを超える電線であってもよい。例えば、端末側回路7の導体断面積は、例えば、導体断面積が0.35sqの電線、0.5sqの電線、0.75sqの電線、1.25qの電線、より大きい導体断面積の電線であってもよい。端末側回路7は、単一種の導体断面積の電線だけを含む必要は無く、各種導体断面積の電線を含んでもよい。端末側回路7は、導体断面積が0.13sq以下の電線を含んでいてもよい。
図2は最極細電線3aと端末側回路7との接続例を示す説明図である。同図に示すように、最極細電線3aの端部にコネクタ端子3Tが接続され、当該コネクタ端子3Tが幹線側コネクタ4bのキャビティに挿入されている。最極細電線3aは、芯線3pと当該芯線3pを被覆する被覆3qとを有している。最極細電線3aの接続先となる端末側回路7の端部にコネクタ端子7Tが接続され、当該コネクタ端子7Tが端末側コネクタ6bに挿入されている。端末側回路7は、芯線7pと当該芯線7pを被覆する被覆7qとを有している。
幹線側コネクタ4bと端末側コネクタ6bとが接続されることで、最極細電線3aの芯線3pが端末側回路7の芯線7pに電気的に接続される。芯線3pの導体断面積は、芯線7pの導体断面積よりも小さい。上記端末側回路7は、導体断面積が最極細電線3aの導体断面積よりも大きい相対的太物電線の一例である。
<効果>
このように構成された配線システム1によると、当該配線システム1は、幹線側配線部材2と、端末側配線部材5a、5b、5cとを備え、幹線側配線部材2の接続端3Ea、3Eb、3Ecは、端末側配線部材5a、5b、5cを介して電気部品9A、9B、9C、9D、9Eに接続される。このため、仮に幹線3Mの経路から直接電線等を延出して電気部品9A、9B、9C、9D、9Eに接続する場合と比較して、接続端3Ea、3Eb、3Ecの長さLを小さくできる。接続端3Ea、3Eb、3Ecの長さLを小さくできれば、幹線側配線部材2の保管、運搬、車両組付時等に、接続端3Ea、3Eb、3Ecが他の部分に引っ掛り難くなり、接続端3Ea、3Eb、3Ecに引張り力や衝撃が加わり難い。
また、極細電線用コネクタとしての幹線側コネクタ4a、4b、4cのそれぞれに、複数の極細電線用コネクタ接続回路としての幹線側回路3が接続されており、複数の幹線側回路3が、最も導体断面積が小さい最極細電線3aとして、導体断面積が0.13sq以下の極細電線を含む。このため、幹線側コネクタ4a、4b、4cに接続された複数の幹線側回路3に引張り力又は衝撃力が作用しても、当該力は複数の幹線側回路3によって受止められる。
これらのように、短尺化された接続端3Ea、3Eb、3Ecの端部の幹線側コネクタ4a、4b、4cに接続された最極細電線には引張り力又は衝撃力自体作用し難く、また、引張り力又は衝撃力が作用しても当該力は複数の幹線側回路3に分散して受止められる。これにより、極細電線、特に,最極細電線3aの適用箇所を、幹線側配線部材2のうちの極細電線用コネクタとしての幹線側コネクタ4a、4b、4cに接続される回路に広げることができる。
また、最極細電線3aは、それよりも導体断面積が大きい電線と比較して軽量かつ安価であるため、最極細電線3aの適用箇所を広げることによって、幹線側配線部材2の軽量化及び低コスト化が可能となる。
特に、最極細電線3aとして、導体断面積が0.08sq以下の極細電線を使用することで、配線システムをより軽量化及び低コスト化することが可能となる。
また、複数の幹線側回路3の総数に対する、導体断面積が0.13sq以下の極細電線の数(最極細電線3aの数又は最極細電線3aの数と電線3bのうちの極細電線の数との和)の割合が、40%以上であれば、幹線側配線部材2をより軽量化及び低コスト化できる。
また、端末側回路7が、導体断面積が前記最極細電線の導体断面積よりも大きい相対的太物電線として電線3bを有し、極細電線用コネクタとしての幹線側コネクタ4a、4b、4cに対する端末側コネクタ6a、6b、6cの接続により、最極細電線3aが相対的太物電線としての電線3bに接続される。ここで、端末側配線部材5a、5b、5cについては、上記接続端3Ea、3Eb、3Ecよりも長い可能性があり、端末側配線部材5a、5b、5cの保管、運搬、車両組付時等に、他の部分に引っ掛って、端末側コネクタ6a、6b、6c若しくは電気部品9A、9B、9C、9D、9Eへの接続箇所と、端末側回路7との間で引張り力又は衝撃が作用する可能性がある。また、接続先となる電気部品9A、9B、9C、9D、9Eの搭載の有無等によっては、端末側回路7自体の数が、接続元の電線3a、3bの数よりも少なくなることが考えられる。端末側回路7自体の数が、接続元の電線3a、3bの数よりも少ない場合、接続元の電線の一部は端末側回路7に接続されず、開かれた状態となる。さらに、端末側配線部材5a、5cのように、端末側回路7が複数に分岐していると、分岐元においては幹線側回路3と同じ数であった端末側回路7の数が、分岐先において少なくなる可能性がある。
そこで、端末側回路7が最極細電線3aよりも太い相対的太物電線を有する構成とすることで、端末側回路7に引張り力が作用しても当該相対的太物電線自身の強さによって引張り力を受止めることができる。これにより、配線システム1全体として、最極細電線3a等の極細電線の利用割合を増やして軽量化及び低コスト化を図りつつ、引張り強度等が要請される箇所については、当該引張り力に耐え得るように設定できる。
端末側配線部材5a、5b、5cが極細電線を有していてもよいが、端末側配線部材5a、5b、5cにおける回路総数に対する極細電線の数の割合は、幹線側配線部材2における回路総数に対する極細電線の数の割合よりも小さくことが好ましい。
分岐する端末側配線部材5a、5cに着目して接続端3Ea、3Ecを見ると、接続端3Ea、3Ecに接続された電線3a、3bの数は、端末側配線部材5a、5cにおける各分岐先の端末側回路7の数よりも多い。このため、このような極細電線用コネクタとしての端末側コネクタ6a、6cに最極細電線3aを接続した場合において、より多数の電線3a、3bによって当該最極細電線3aに作用する力を分散して受止めることができる。
[実施形態2]
実施形態2に係る配線システム30について説明する。実施形態1で説明したように、最極細電線を有する幹線側配線部材に係る構成は、実施形態2に係る配線システムに適用されてもよい。実施形態2に係る配線システムにおいて、幹線側配線部材の一例である多用途配線部材は、異なる仕様に応じた電気的接続のための回路を複数備えており、当該複数の回路の一部が異なる仕様の電気的接続のために使用される。このため、多用途配線部材の回路数は、仕様別の配線部材の回路数より多くなる可能性があるが、各仕様別の配線部材を単純に合体させた配線部の回路数よりは少ない。このため、多用途配線部材は、なるべく少ない本数の回路で、異なる仕様に対応可能な配線部材である。かかる多用途配線部材において、複数の回路が、最も導体断面積が小さい最極細電線として、導体断面積が0.13sq以下の極細電線を含むことで、最極細電線に対する引張り力、衝撃等に耐え得る構成を実現しつつ、当該多用途配線部材を軽量化することができる。以下、多用途配線部材を含む配線システムについて説明する。
<車両に装備されるシステムの例>
説明の便宜上、車両に搭載されるシステムの例について説明する。図3は車両11における配線システム30を示す図である。車両11には、共通装備システム12が搭載される。共通装備システム12は、特定のプラットフォーム又は特定の車種の車両に対して、グレードの違い、及び、オプション部品の違いに拘らず共通して搭載されるシステムである。例えば、特定のプラットフォーム又は特定の車種の車両に対して、共通するインストルメントパネルシステムが搭載される場合、当該インストルメントパネルシステムは、共通装備システム12の一例である。共通装備システム12は、当該共通装備システム12の機能を実現するための電気部品12a、12bを少なくとも1つ備える。例えば、共通装備システム12がインストルメントパネルシステムであれば、当該共通装備システム12は、電気部品12a、12bとして、運転者に諸情報を表示する表示装置、運転者からの諸指示を受付けるスイッチ、ECU等を備える。ECUは、例えば、表示装置の表示制御、スイッチを介した指示の受付け、並びに、各種センサ及び他のECU等からの諸信号の受付を行う。図3では2つの電気部品12a、12bが例示されるが、その数、位置は特に限定されない。
車両11には、排他的装備システム14が設定される。排他的装備システム14は、第1装備仕様16と第2装備仕様18とを排他的に車両11に採用可能なシステムである。ここで、排他的とは、複数の状況のうちのいずれか1つの状況が成立てば、他の状況が成立たなくなることをいう。このため、第1装備仕様16と第2装備仕様18とを排他的に採用し得るとは、第1装備仕様16を採用すれば、第2装備仕様18を採用できず、かつ、第2装備仕様18を採用すれば、第1装備仕様16を採用できなくなることをいう。この場合において、排他的装備システム14が、第1装備仕様16と第2装備仕様18とに加えて、別の排他的な選択肢として、第3装備仕様、第4装備仕様等を採用可能であることを排除しない。
排他的装備システムの一例は、第1装備仕様16がAT(automatic transmission)仕様であり、第2装備仕様18がMT(Manual Transmission)仕様である場合である。例えば、第1装備仕様16がAT仕様であれば、排他的装備システムは、電気部品16a、16b、16c、16dとして、シフトレバーの位置を検出するセンサ、ATの動作モードに対する指令を受付けるスイッチ、各種ソレノイド及び各種センサを含み駆動源の回転数を変速するAT機構、AT用ECU等を備える。AT用ECUは、例えば、車速、エンジンの回転数及びアクセル操作等に応じてAT機構における変速比を制御する。また、例えば、第2装備仕様18がMT仕様であれば、排他的装備システムは、電気部品18a、18b、18cとして、シフトレバーの位置を検出するセンサ、クラッチペダルの位置を検出するセンサ、エンジン用ECU等を備える。本実施形態では、第1装備仕様16がAT仕様であり、第2装備仕様18がMT仕様であることを想定した説明がなされる。AT仕様とMT仕様とは、走行駆動源の回転を、変速して車輪に伝達する仕様として、排他的に車両11に搭載される。
なお、図3では、2つの電気部品12a、12b、4つの電気部品16a、16b、16c、16d、2つの電気部品18a、18b、18cが例示されるが、それらの数、位置は任意である。
排他的装備システムの他の例は、第1装備仕様がメカニカルキー仕様であり、第2装備仕様がスマートキー仕様である場合である。メカニカルキー仕様とは、運転者が所持する鍵をドア、ハンドル周り等に設けられた鍵穴に差込むことで、車両のドアの錠の開閉、ハンドルアンロック状態への切替及び動力源の動作可能状態の切替え等を行うシステムである。スマートキー仕様は、車両に搭載された無線通信機と、運転手が所持する無線鍵端末との間で無線通信を行うことで、車両のドアの錠の開閉、ハンドルアンロック状態への切替及び動力源の動作可能状態の切替え等を行うシステムである。なお、スマートキー仕様にメカニカルキー仕様に係る構成が含まれることもあり得る。メカニカルキー仕様には、スマートキー仕様に係る構成は組込まれない。メカニカルキー仕様とスマートキー仕様とは、車両における各部のロック、アンロックを行うセキュリティ仕様として、排他的に車両に搭載される。
排他的装備システムのさらに他の例は、車両の走行動力システムに関し、第1装備仕様が内燃機関向け仕様であり、第2装備仕様が内燃機関と電気モータとによるハイブリッド向け仕様である場合である。この場合、第1装備仕様又は第2装備仕様が電気モータ向け仕様であってもよい。第1装備仕様及び第2装備仕様に加えて、第3装備仕様として電気モータ向け仕様が設定されてもよい。これらの各仕様は、車両の走行動力に関するシステムとして、排他的に車両に搭載される。
排他的装備システムのさらに他の例は、車両の音響及び映像に関するシステムに関し、第1装備仕様が簡素な仕様であり、第2装備仕様が豪華な仕様である場合である。例えば、第1装備仕様がラジオ受信機とスピーカのみを有する仕様であり、第2装備仕様が、マルチメディアプレイヤー、表示装置、マルチチェンネルスピーカ、車外を撮影するカメラ等を有する仕様である場合が想定される。
なお、上記共通装備システムと排他的装備システムの例に関し、共通装備システムを構成する電気部品の一部と排他的装備システムを構成する電気部品の一部とが、両方に共用されてもよい。また、排他的装備システムとして設定される第1装備仕様を構成する電気部品の一部と第2装備仕様を構成する電気部品の一部とが、共通していてもよい。
なお、第1装備仕様及び第2装備仕様は、車両の製造時に排他的に選択される仕様であってもよいし、車両の製造後に排他的に選択される仕様であってもよい。車両の製造時に第1装備仕様及び第2装備仕様のいずれかが選択された後、第1装備仕様及び第2装備仕様の他方に変更されてもよい。例えば、車両の音響及び映像に関するシステムは、車両の製造後に排他的に選択される仕様とできるし、また、車両の製造後に第1装備仕様及び第2装備仕様のいずれか一方から他方に変更される仕様とできる。
<配線システムについて>
図3を参照して配線システム30について説明する。なお、図3において1本の線によって示される回路42、45、52、55、62、65、72等には、複数の回路が含まれる場合がある。
配線システム30は、多用途配線部材40を備え、さらに、第1用途配線部材50と第2用途配線部材60とを排他的に備える。ここでの排他的とは、上記したように、第1用途配線部材50を備える場合には第2用途配線部材60を備えず、第2用途配線部材60を備える場合には第1用途配線部材50を備えないことをいい、システム30全体として第3用途配線部材、第4用途配線部材等の存在可能性を否定するものではない。
多用途配線部材40は、多用途回路42と、幹線側第1用途回路43と、幹線側第2用途回路44と、多用途コネクタ46とを備える。なお、図3において、回路42、43、44として描かれている1本の線は、場所により複数の回路を含む場合がある。
多用途回路42と、幹線側第1用途回路43と、幹線側第2用途回路44とは、幹線側回路の一例である。
多用途回路42は、線状の導電部材によって構成され、電気を伝送する部分である。多用途回路42は、電気信号伝送用であってもよいし、電力伝送用であってもよい。多用途回路42は、例えば、芯線と芯線の周囲の被覆とを備える電線における芯線であってもよい。電線は、撚り合わされない電線であってもよいし、撚り合わされた電線であってもよいし、周囲にシールド層が形成されたケーブルの形態であってもよい。多用途回路42は、電線における芯線でなくてもよい。例えば、多用途回路42は、平たい絶縁基材上に所定の経路に沿って形成された導体であってもよい。例えば、多用途回路は、一対の樹脂フィルムの間に金属箔等による回路パターンが形成されたFPC(Flexible printed circuit)における回路パターンを含んでもよい。本実施形態では、多用途回路42が電線の芯線であることを想定した説明がなされる。本段落における多用途回路42に関する説明は、以下に説明する回路42、43、44、45、52、55、62、65、72等についても同様に適用され得る。
多用途回路42は、第1用途配線部材50用としても第2用途配線部材60用としても使用される回路である。換言すれば、多用途回路42は、第1装備仕様16においても第2装備仕様18においても、電気の伝送路として使用される回路である。つまり、多用途とは、複数の用途があるという意味である。多用途回路42は、選択された仕様に応じて、異なる種類の電気部品16a、16b、16c、16d又は電気部品18a、18b、18cに接続される回路であるともいえる。
幹線側第1用途回路43は、第1用途配線部材50用として使用される回路であり、幹線側用途別回路の一例である。換言すれば、幹線側第1用途回路43は、第1装備仕様16において電気の伝送路として使用される回路である。幹線側第1用途回路43は、選択された仕様に応じて、電気の伝送路として使用されたり使用されなかったりする。
幹線側第2用途回路44は、第2用途配線部材60用として使用される回路であり、幹線側用途別回路の一例である。換言すれば、幹線側第2用途回路44は、第2装備仕様18において電気の伝送路として使用される回路である。幹線側第2用途回路44は、選択された仕様に応じて、電気の伝送路として使用されたり使用されなかったりする。
多用途回路42、幹線側第1用途回路43及び幹線側第2用途回路44を含む複数の幹線側回路は、第1実施形態と同様に、複数の接続端を有する形態でまとめられている。
多用途コネクタ46は、多用途回路42、幹線側第1用途回路43及び幹線側第2用途回路44のうちの少なくとも1つが接続されたコネクタである。つまり、多用途コネクタ46は、多用途回路42、幹線側第1用途回路43及び幹線側第2用途回路44を含む幹線側回路の上記各接続端に接続された幹線側コネクタの一例である。多用途コネクタ46に、後述する第1用途コネクタ56又は第2用途コネクタ66が排他的に接続される。
多用途配線部材40は、共通回路45を備えてもよい。共通回路45は、第1用途配線部材50及び第2用途配線部材60のいずれが選択された場合でも、同じ種類の電気の伝送路として使用される回路である。共通回路45は、例えば、共通装備システム12を構成する電気部品12a、12bに電気的に接続される回路である。共通回路45は、より多数であり、例えば、排他的装備システム14に関する回路数よりも多数であってもよい。多用途配線部材40が、共通回路45を備えることは必須ではない。
多用途配線部材40は、共通コネクタ48を備えてもよい。共通コネクタ48は、第1用途配線部材50及び第2用途配線部材60のいずれが選択された場合でも、他の配線部材又は電気部品への接続インターフェースとして使用されるコネクタである。例えば、共通回路45が共通コネクタ48に接続されることが想定される。多用途配線部材40が共通コネクタ48を備えることは必須ではない。
第1用途配線部材50は、第1用途回路52と、第1用途コネクタ56とを含む。図3では3つの第1用途配線部材50が示される。第1用途配線部材50は、端末側配線部材の一例であり、第1用途回路52は端末側回路の一例であり、第1用途コネクタ56は端末側コネクタの一例である。
第1用途回路52は、第1用途コネクタ56に接続されている。第1用途コネクタ56が多用途コネクタ46に接続されることによって、多用途回路42が第1用途回路52に電気的に接続される。また、第1用途コネクタ56が多用途コネクタ46に接続されることによって、幹線側第1用途回路43が第1用途回路52に接続されてもよい。なお、第1用途コネクタ56が多用途コネクタ46に接続された場合、幹線側第2用途回路44は第1用途回路52に接続されない。
第1用途回路52は、第1装備仕様16における電気部品16a、16b、16c、16dに電気的に接続される。第1用途回路52は、電気部品16a、16b、16c、16dにコネクタCを介して接続されていてもよい。第1用途回路52の他端部は電気部品16a、16b、16c、16dに直接導かれ、電気部品16a、16b、16c、16dの電気的な要素にコネクタを介さずに接続されていてもよい。電気部品16a、16b、16c、16dは、第1電気部品の一例である。
第2用途配線部材60は、第2用途回路62と、第2用途コネクタ66とを含む。図3では上記3つの第1用途配線部材50に対応して3つの第2用途配線部材60が示される。第2用途配線部材60は、端末側配線部材の一例であり、第2用途回路62は端末側回路の一例であり、第2用途コネクタ66は端末側コネクタの一例である。
第1用途配線部材50の数と第2用途配線部材60の数とが同じであることは必須ではない。この場合、仕様によっては多用途コネクタ46の接続先が無い場合も想定される。第1用途配線部材50と第2用途配線部材60とは、選択される仕様に応じて、排他的に車両11に組付けられる。換言すれば、第2用途配線部材60は、車両11において第1電気部品(例えば電気部品16a、16b、16c、16d)に対して排他的に搭載される第2電気部品(例えば、電気部品18a、18b、18c)に接続される。
第2用途回路62は、第2用途コネクタ66に接続されている。第2用途コネクタ66が多用途コネクタ46に接続されることによって、多用途回路42が第2用途回路62に電気的に接続される。第2用途コネクタ66が多用途コネクタ46に接続されることによって、幹線側第2用途回路44が第2用途回路62に電気的に接続されてもよい。第2用途コネクタ66が多用途コネクタ46に接続された場合、幹線側第1用途回路43が第2用途回路62に電気的に接続されない。
つまり、第1用途コネクタ56及び第2用途コネクタ66が多用途コネクタ46に接続された2つの状態において、幹線側第1用途回路43は第1用途回路52に接続されるが第2用途回路62には接続されない回路であり、幹線側第2用途回路44は第1用途回路52に接続されないが第2用途回路62に接続される回路である。
第2用途回路62は、第2装備仕様18における電気部品18a、18b、18cに電気的に接続される。第2用途回路62は、電気部品18a、18b、18c、18dにコネクタCを介して接続されていてもよい。第2用途回路62の他端部は電気部品18a、18b、18cに直接導かれ、電気部品18a、18b、18cの電気的な要素にコネクタを介さずに接続されていてもよい。電気部品18a、18b、18c、18dは、第1電気部品とは異なる種類の第2電気部品の一例である。第1電気部品と第2電気部品との種類が異なるとは、例えば、適用される仕様が異なる結果、異なる種類として把握可能なことをいう。なお、第1装備仕様を構成する複数の第1電気部品の一部と第2装備仕様を構成する複数の第2電気部品の一部とが同じ部品であることも想定される。
第1用途コネクタ56及び第2用途コネクタ66は、同じ多用途コネクタ46に接続される。このため、第2用途コネクタ66は、第1用途コネクタ56と同じコネクタであることが想定される。但し、第1用途回路52及び第2用途回路62の数が異なる分、第1用途コネクタ56及び第2用途コネクタ66のコネクタ端子の数が異なるか、第1用途コネクタ56及び第2用途コネクタ66の少なくとも一方が電線に接続されないダミーのコネクタ端子を備えることが想定される。
第1用途配線部材50又は第2用途配線部材60において、多用途コネクタ46からの接続先となる電気部品が複数である場合には、複数の第1用途回路52又は複数の第2用途回路62が途中で分岐していてもよい。図3では、第1装備仕様16の電気部品16b、16cに応じて、複数の第1用途回路52が途中で分岐している。
第1用途配線部材50及び第2用途配線部材60のそれぞれが、共通装備システム12における電気部品12a、12b用の端末側共通回路55、65を有していてもよい。図3では、電気部品12aに対応して、第1用途配線部材50が端末側共通回路55を有し、第2用途配線部材60が端末側共通回路65を有する例が示される。端末側共通回路55が第1用途コネクタ56に接続され、端末側共通回路65が第2用途コネクタ66に接続されている。第1用途配線部材50が選択された場合、多用途配線部材40における共通回路45が端末側共通回路55を介して電気部品12aに接続される。第2用途配線部材60が選択された場合、多用途配線部材40における共通回路45が端末側共通回路65を介して電気部品12aに接続される。つまり、端末側共通回路55、65は、仕様に拘らず、同種の電気部品に接続される回路である。
図3において、共通コネクタ48に、端末側共通配線部材70が接続される。端末側共通配線部材70は、回路72と、コネクタ76とを備える。回路72の一端部がコネクタ76に接続され、回路72の他端部が共通装備システムにおける電気部品12bにコネクタCを介して又はコネクタを介さず接続される。コネクタ76が共通コネクタ48に接続されることで、多用途配線部材40における共通回路45が回路72を介して電気部品12bに接続される。つまり、端末側共通配線部材70は、仕様に依存する第1用途回路52及び第2用途回路62を含まず、仕様に拘らず、同種の電気部品に接続される配線部材である。
本実施形態2において、多用途コネクタ46が極細電線用コネクタであり、多用途回路42、幹線側第1用途回路43及び幹線側第2用途回路44を含む幹線側回路が、当該極細電線用コネクタに接続される複数の極細電線用コネクタ接続回路を含み、当該複数の極細電線用コネクタ接続回路が、最も導体断面積が小さい最極細電線として、導体断面積が0.13sq以下の極細電線を含むことが考えられる。
<配線システムの具体例>
図3で説明した配線システム30を前提として、図4を参照して配線システム30の一具体例について説明する。図4において回路、コネクタ等が区別して記載されているが、当該回路の数、経路、コネクタの数等は一例であり、適用対象となるシステム、仕様に応じて変更され得る。図4において説明の便宜上、各回路が実線、太線、点線、2点鎖線等で区別されている。
多用途配線部材40は、少なくとも1本(例えば、5本)の多用途回路42を備える。以下、必要に応じて、複数の多用途回路42が多用途回路42a、42b、42c、42d、42eに区別される。
多用途配線部材40は、少なくとも1本(例えば、6本)の幹線側第1用途回路43を備える。以下、必要に応じて、複数の幹線側第1用途回路43が幹線側第1用途回路43a、43b、43c、43d、43e、43fに区別される。
多用途配線部材40は、少なくとも1本(例えば、5本)の幹線側第2用途回路44を備える。以下、必要に応じて、複数の幹線側第2用途回路44が幹線側第2用途回路44a、44b、44c、44d、44eに区別される。
上記したように、幹線側第1用途回路43及び幹線側第2用途回路44は、幹線側用途別回路の一例である。幹線側第1用途回路43及び幹線側第2用途回路44の一方が省略される場合も想定される。
多用途配線部材40における多用途コネクタ46を、接続先に応じて多用途コネクタ46A、46B、46Cに区別する。多用途コネクタ46A、46B、46C及び共通コネクタ48は、例えば、複数のコネクタ端子46a(図4において一部を図示)とコネクタハウジング46bとを備える。多用途回路42、幹線側第1用途回路43及び幹線側第2用途回路44の各端部は、多用途コネクタ46A、46B、46C及び共通コネクタ48におけるいずれかのコネクタ端子46aに接続されている。
ここでは、多用途回路42a、42b、42c、42dの一端が多用途コネクタ46Bにおけるコネクタ端子に接続され、他端が多用途コネクタ46Cにおけるコネクタ端子に接続されている。多用途回路42eの一端が多用途コネクタ46Aにおけるコネクタ端子に接続され、他端が多用途コネクタ46Cにおけるコネクタ端子に接続されている。
幹線側第1用途回路43a、43b、43c、43d、43e、43fの一端が多用途コネクタ46Aにおけるコネクタ端子に接続され、他端が多用途コネクタ46Bにおけるコネクタ端子に接続されている。
幹線側第2用途回路44a、44b、44cの一端が多用途コネクタ46Aにおけるコネクタ端子に接続され、他端が多用途コネクタ46Cにおけるコネクタ端子に接続されている。幹線側第2用途回路44d、44eの一端が多用途コネクタ46Bにおけるコネクタ端子に接続され、他端が多用途コネクタ46Cにおけるコネクタ端子に接続されている。
なお、共通回路45の一端は多用途コネクタ46Aにおけるコネクタ端子に接続され、他端は共通コネクタ48におけるコネクタ端子に接続されている。上記複数の回路が同一の経路を通る場合、複数の回路は、粘着テープ又は結束バンド等の結束部材90によって束ねられた状態に保たれてもよい。
この多用途配線部材40の例において、総回路数は17本であり、共通回路45を除く排他的装備システム14用の総回路数は16本である。また、多用途回路42の回路数は5本である。このため、多用途配線部材40における全ての回路数17本に対する多用途回路42の数は、約29.41%である。排他的装備システム14用の総回路数16本に対する多用途回路42の回路の数は、31.25%である。
複数の第1用途配線部材50を、第1用途配線部材50A、50B、50Cに区別する。第1用途配線部材50Aは多用途コネクタ46Aに接続され、第1用途配線部材50Bは多用途コネクタ46Bに接続され、第1用途配線部材50Cは多用途コネクタ46Cに接続される。第1装備仕様16に着目すると、第1用途配線部材50Aは電気部品16aに接続され、第1用途配線部材50Bは電気部品16b、16cに接続され、第1用途配線部材50Cは電気部品16dに接続される。
第1用途配線部材50Aは、少なくとも1つ(例えば、7本)の第1用途回路52と、端末側共通回路55とを有している。複数の第1用途回路52を、第1用途回路52a、52b、52c、52d、52e、52f、52gに区別する。
第1用途コネクタ56を、多用途コネクタ46Aに接続すると、第1用途回路52a、52b、52c、52d、52e、52fが幹線側第1用途回路43a、43b、43c、43d、43e、43fに電気的に接続されると共に、第1用途回路52gが多用途回路42eに接続される。このため、幹線側第1用途回路43a、43b、43c、43d、43e、43f及び多用途回路42eが、第1用途回路52a、52b、52c、52d、52e、52f、52gを介して、電気部品16aに電気的に接続される。
共通回路45は、端末側共通回路55を介して電気部品12aに電気的に接続される。幹線側第2用途回路44a、44b、44cは、多用途コネクタ46A側では開かれた回路となっている。
第1用途配線部材50Bは、少なくとも1つ(例えば、10本)の第1用途回路52を有している。複数の第1用途回路52は、第1用途コネクタ56から離れる途中で分岐して電気部品16b、16cに接続される。第1用途コネクタ56を、多用途コネクタ46Bに接続すると、第1用途回路52が幹線側第1用途回路43a、43b、43c、43d、43e、43f及び多用途回路42a、42b、42c、42dに接続される。このため、幹線側第1用途回路43a、43b、43c、43d、43e、43f及び多用途回路42a、42b、42c、42dが、第1用途配線部材50Bの第1用途回路52を介して、電気部品16b又は電気部品16cに電気的に接続される。この場合、多用途コネクタ46Bにおいて、幹線側第2用途回路44d、44eは開かれた状態となっている。
また、第1用途配線部材50Cは、少なくとも1つ(例えば、5本)の第1用途回路52を有している。第1用途コネクタ56を、多用途コネクタ46Cに接続すると、第1用途回路52が多用途回路42a、42b、42c、42d、42eに接続される。このため、多用途回路42a、42b、42c、42d、42eが、第1用途配線部材50Cの第1用途回路52を介して、電気部品16dに電気的に接続される。この場合、多用途コネクタ46Cにおいて、幹線側第2用途回路44a、44b、44c、44d、44eは開かれた状態となっている。
上記と同様に、複数の第2用途配線部材60を、第2用途配線部材60A、60B、60Cに区別する。
第2用途配線部材60Aは、少なくとも1つ(例えば、3本)の第2用途回路62と、端末側共通回路65とを有している。複数の第2用途回路62を、第2用途回路62a、62b、62c、62dに区別する。
第2用途コネクタ66を、多用途コネクタ46Aに接続すると、第2用途回路62a、62b、62cが幹線側第2用途回路44a、44b、44cに電気的に接続されると共に、第2用途回路62dが多用途回路42eに接続される。このため、幹線側第2用途回路44a、44b、44c及び多用途回路42eが、第2用途回路62a、62b、62c、62dを介して、電気部品18aに電気的に接続される。
第1用途配線部材50Aを選択した場合と同様に、共通回路45は、端末側共通回路65を介して電気部品12aに電気的に接続される。第1用途配線部材50Aを選択した場合とは異なり、幹線側第1用途回路43a、43b、43c、43d、43e、43fは、多用途コネクタ46A側では開かれた状態となっている。
第2用途配線部材60Bは、少なくとも1つ(例えば、6本)の第2用途回路62を有している。第2用途コネクタ66を、多用途コネクタ46Bに接続すると、第2用途回路62が幹線側第2用途回路44d、44e及び多用途回路42a、42b、42c、42dに接続される。このため、幹線側第2用途回路44d、44e及び多用途回路42a、42b、42c、42dが、第2用途配線部材60Bの第2用途回路62を介して、電気部品18bに電気的に接続される。この場合、多用途コネクタ46Bにおいて、幹線側第1用途回路43a、43b、43c、43d、43e、43fは開かれた状態となる。
また、第2用途配線部材60Cは、少なくとも1つ(例えば、10本)の第2用途回路62を有している。第2用途コネクタ66を、多用途コネクタ46Cに接続すると、第2用途回路62が多用途回路42a、42b、42c、42d、42e及び幹線側第2用途回路44a、44b、44c、44d、44eに接続される。このため、多用途回路42a、42b、42c、42d、42e及び幹線側第2用途回路44a、44b、44c、44d、44eは、第2用途配線部材60Cの第2用途回路62を介して電気部品18cに電気的に接続される。
配線システム30が第1装備仕様16に適用される際には、第1用途配線部材50A、50B、50Cが選択される。この場合、多用途配線部材40における多用途回路42及び幹線側第1用途回路43が使用され、幹線側第2用途回路44は各コネクタにおいて開かれたまま使用されない状態となる。
配線システム30が第2装備仕様18に適用される際には、第2用途配線部材60A、60B、60Cが選択される。この場合、多用途配線部材40における多用途回路42及び幹線側第2用途回路44が使用され、幹線側第1用途回路43は各コネクタにおいて開かれたまま使用されない状態となる。
いずれの場合において、多用途回路42が使用される。つまり、多用途回路が複数仕様用の回路として利用される。多用途回路が複数仕様間で共通して多用途回路として使用される分、複数仕様用の配線部材として、回路の数を削減することができる。
本実施形態2において、多用途回路42、幹線側第1用途回路43、幹線側第2用途回路44及び共通回路45のうちの少なくとも1つの回路が、最も導体断面積が小さい最極細電線として、導体断面積が0.13sq以下の極細電線を含むことが考えられる。例えば、多用途回路42、幹線側第1用途回路43、幹線側第2用途回路44及び共通回路45のうちの信号回路が、最極細電線であってもよい。また、例えば、多用途回路42のうちの一部又は全部の回路のみが最極細電線であってもよい。また、例えば、幹線側第1用途回路43及び幹線側第2用途回路44のうちの一部又は全部の回路のみが最極細電線であってもよい。
回路に対する最極細電線の適用態様によっては、複数の多用途コネクタ46A、46B、46Cのうちの全てが極細電線用コネクタとなり得るし、複数の多用途コネクタ46A、46B、46Cのうちの一部が極細電線用コネクタとなり得る。例えば、幹線側第1用途回路43のみが最極細電線であれば、多用途コネクタ46A、46Bは極細電線用コネクタであり、多用途コネクタ46Cは極細電線用コネクタではない。また、例えば、多用途回路42が最極細電線であれば、多用途コネクタ46A、46B、46Cの全てが極細電線用コネクタである。
<比較のための例>
比較のため、多用途回路を使用しない場合を想定する。図5には第1の例として第1装備仕様16専用の配線システム130が示される。この場合、幹線側配線部材140は、上記配線システム30の多用途配線部材40において幹線側第2用途回路44が省略された構成であることが想定される。幹線側配線部材140のコネクタ、及び、第1用途配線部材50に対応する第1用途配線部材150において、削減された回路数に応じた数のコネクタ端子を有するサイズのコネクタC1が使用されることが想定される。本幹線側配線部材140の回路総数は12本であり、排他的装備システムに係る回路総数は11本である。
図6には第2の例として第2装備仕様18専用の配線システム230が示される。この場合、幹線側配線部材240は、上記配線システム30の多用途配線部材40において幹線側第1用途回路43が省略された構成であることが想定される。幹線側配線部材240のコネクタ、及び、第2用途配線部材60に対応する第2用途配線部材260において、削減された回路数に応じた数のコネクタ端子を有するサイズのコネクタC2が使用されることが想定される。本幹線側配線部材240の回路総数は11本であり、排他的装備システムに係る回路総数は10本である。
第1装備仕様16と第2装備仕様18とで別々の幹線側配線部材140、240を準備する場合、配線部材の管理品番、管理在庫が増えてしまう。第1装備仕様16と第2装備仕様18との両方の仕様に対応可能とするため、幹線側配線部材140、240を単純に合体させてしまうと、回路数が増えすぎてしまう。例えば、幹線側配線部材140、240を単純に合体させると、回路総数の単純和から共通回路45分の本数を減算して22本となる。排他的装備システムに係る回路だけを考慮すると、合体後の総本数は21本となる。
これに対して、本配線システム30では、多用途回路42が第1装備仕様16及び第2装備仕様18の両方に使用される。第1装備仕様16の電気部品16a、16b、16c、16d及び第2装備仕様18の電気部品16a、16b、16cとの種類違いに起因する回路長さ、経路、接続構成等の違いは、第1用途配線部材50又は第2用途配線部材60によって解消される。多用途回路42が使用される分、回路数を減らすことができる。図4に示す例では、多用途配線部材40が5本の多用途回路42を含むため、幹線側配線部材140、240を単純に合体させた場合と比較して、5本の回路数が削減される。
多用途配線部材40における総回路数に対する多用途回路42の数の割合が大きいほど、回路数の削減効果が高くなる。例えば、多用途配線部材40における全ての回路数に対する多用途回路の数が10%以上であってもよい。多用途配線部材40における全ての回路数に対する多用途回路の数は、好ましくは、15%以上であり、より好ましくは、20%以上であり、さらに好ましくは25%以上であり、さらに好ましくは30%以上である。
同様に、多用途配線部材40における排他的装備システム14用の総回路数に対する多用途回路42の数の割合も、10%以上であってもよく、好ましくは、15%以上であり、より好ましくは、20%以上であり、さらに好ましくは25%以上であり、さらに好ましくは30%以上であってもよい。
なお、幹線側配線部材140、240における回路が、最も導体断面積が小さい最極細電線として、導体断面積が0.13sq以下の極細電線を含んでもよい。
<多用途回路の接続先の例>
図7は多用途回路42の接続先の例を示す説明図である。図7では多用途回路42a、42b、42c、42dが第1用途配線部材50を介して電気部品16cに接続される例と第2用途配線部材60を介して電気部品18bに接続される例とが示される。
図7に示すように、多用途回路42は、多用途コネクタ46Bに第1用途コネクタ56が接続された状態と、多用途コネクタ46Bに第2用途コネクタ66が接続された状態とで、異なる種類の電気を伝送する回路42c、42dを含む。
異なる種類の電気を伝送する回路は、例えば、第1装備仕様16と第2装備仕様18とで、印加される電圧が異なっていたり、想定される最大電流値が異なっていたり、信号形式が異なったりしている回路である。
多用途コネクタ46は、多用途コネクタ46Bに第1用途コネクタ56が接続された状態と、多用途コネクタ46Bに第2用途コネクタ66が接続された状態とで、電源用、アース用及び信号用とのいずれかに関し異なる電気を伝送する回路42c、42dを含んでもよい。
図7に示す例では、第1用途配線部材50の第1用途コネクタ56が多用途コネクタ46Bに接続された場合、多用途回路42cはアクチュエータ81に接続され、当該アクチュエータ81の電源電力供給用の回路となる。これに対して、第2用途配線部材60の第2用途コネクタ66が多用途コネクタ46Bに接続された場合、多用途回路42cはセンサ83に接続され、検出信号伝送用の回路となる。
また、第1用途配線部材50の第1用途コネクタ56が多用途コネクタ46Bに接続された場合、多用途回路42dは通信回路82に接続され、通信信号伝送用の回路となる。これに対して、第2用途配線部材60の第2用途コネクタ66が多用途コネクタ46Bに接続された場合、多用途回路42dはアース回路84に接続され、アース用として電気を伝送する回路となる。
多用途回路42の断面の大きさは特に限定されない。例えば、多用途回路42が電線の芯線である場合、芯線の断面積は0.13sq、0.35sq、0.5sq、2sqのいずれに分類されるものであってもよい。sqはJIS規格で定められる芯線の断面積に関する規格であり、平方mmを意味している。回路の断面積、素材等に応じて許容される電流の範囲内で、多用途回路42が各種電気の伝送用途に使用され得る。
最極細電線は、第1用途配線部材50及び第2用途配線部材60のいずれが接続された場合においても、信号を伝送するための回路に適用されることが好ましいが、これは必須ではない。
<効果等>
以上のように構成された配線システム30によると、上記実施形態1と同様の効果を得ることができる。
また、本配線システム30によると、多用途回路42が第1用途回路52にも第2用途回路62にも接続される。このため、幹線側配線部材に、第1用途回路52に接続される回路と、第2用途回路62に接続される回路とを別々に準備しておく場合と比較して、回路の総本数を減らすことができる。これにより、回路数を少なくしつつ、複数の車両の仕様に容易に対応することができる。
かかる利点を有する多用途配線部材40を前提として、幹線側回路は、多用途回路42と幹線側用途別回路とを有している。このため、多用途配線部材40における回路数は、第1装備仕様専用の配線システム130の回路数と、第2装備仕様専用の配線システム230の回路数の少なくとも一方よりは多くなることが想定される。このため、極細電線用コネクタとしての多用途コネクタ46に最極細電線が接続されている場合において、当該最極細電線に対する引張り力をより多数の回路によって受止めることができる。
また、極細電線用コネクタとしての多用途コネクタ46に、端末側コネクタとしての第1用途コネクタ56又は第2用途コネクタ66が接続された状態で、多用途コネクタ46に接続された回路のうちの少なくとも1つが開かれた状態とされる。例えば、上記多用途コネクタ46に、第1用途コネクタ56が接続された場合に、幹線側第2用途回路44が開かれた状態に保たれる。また、例えば、上記多用途コネクタ46に、第2用途コネクタ66が接続された場合に、幹線側第1用途回路43が開かれた状態に保たれる。開かれた回路は、他の電気部品への接続に用いられない。開かれた回路は、極細電線又は最極細電線であってもよいし、極細電線よりも太い電線である場合も想定される。かかる開かれた回路に適用された電線を利用して、最極細電線に対する引張り力を分散することができる。
[変形例]
なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。