JP7693347B2 - ベーカリー類用形状保持剤 - Google Patents

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Description

本発明は、ベーカリー類用形状保持剤に関する。
消費者の嗜好の多様化が進むなか、パンやケーキを中心としたベーカリー類の種類も広がりを見せている。例えば、水分、油脂類、クリーム類等を多く配合し、よりしっとりとして濃厚な風味を付与したベーカリー類や小麦粉の代わりに米粉を使用することでより健康志向を訴求したベーカリー類等が販売されている。また、消費者の生活スタイルの変化に伴い、簡便性がありバリエーションが豊富なサンドイッチの需要が高まるなかで、サンドイッチ用の食パンについても、チルド保存下における澱粉の老化防止や食感の向上を目的に、澱粉分解酵素、乳化剤といった改良剤を添加するケースが増えており、各社が趣向を凝らした商品開発に力を入れている。
一方、ベーカリー類は、焼成後の冷却工程により、その表面にしわやへこみ、いわゆるケービングが発生し、製品価値を著しく低下させるケースがある。これは、ベーカリー類の内部の水蒸気や気泡が焼成により膨張し、その後冷却されることで水蒸気や気泡が収縮され、その結果、ベーカリー類の表面が内側へと引き寄せられることで発生する現象である。特に、内部の骨格が弱く、表面のクラスト部分が軟らかい水分、油脂類、クリーム類、米粉等を多く配合したベーカリー類や酵素、乳化剤等の改良剤を多く添加したベーカリー類で発生しやすい。また、サンドイッチ用の食パンについては、その表面のクラスト部分をカットし、一定の厚さに切りそろえる工程において、ケービングが発生すると規定の大きさを満たすことができず、ロスが発生しやすいという問題もある。そのため、製造工程におけるロス率が低減され、より高品質なベーカリー類の需要に応えるためにも、ケービングの発生を抑制し、ベーカリー類の形状を保持する技術が求められている。
ベーカリー類の形状保持に関する技術としては、例えば、ホエー蛋白質濃縮物及びカルシウムからなるケービング防止剤(特許文献1)、パン用小麦粉に水不溶性カルシウムを配合した原料を混捏しパン生地を得て、次いでこれを焼成することを特徴とする、パンの製造方法(特許文献2)、炭素数14~18の直鎖脂肪酸を含有する組成物からなることを特徴とするケービング抑制剤(特許文献3)、澱粉類100質量部に対し、アルギン酸プロピレングリコールエステルを0.05~1質量部、親油性乳化剤の水和物を0.05~2質量部含有するパン生地(特許文献4)、炊飯玄米を添加する炊飯玄米パンにおいて、パン生地を構成する小麦粉に、小麦グルテン、小麦グリアジン、粉末卵白からなる群から選択される1種又は2種以上を添加することにより、ケービングを抑制することを特徴とする、炊飯玄米パンの製造方法(特許文献5)、アルギニンを小麦粉に対して0.01~0.60重量%添加して得られるパン類(特許文献6)等が開示されている。
しかし、これらの技術では、ベーカリー類の形状保持効果は十分とはいえず、ベーカリー類の製造工程や風味、食感等に悪影響をもたらす可能性もあり、より実用性があり、効果に富んだベーカリー類の形状保持に関する技術が求められている。
特開2002-119196号公報 特開2002-186406号公報 特開2010-57481号公報 特開2013-85483号公報 特開2019-41598号公報 特開2019-115328号公報
本発明は、焼成後のベーカリー類の表面のしわやへこみ、いわゆるケービングを抑制し、ベーカリー類の形状を保持するベーカリー類用形状保持剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題に対して鋭意検討を行った結果、所定の平均粒子径を有する固形状の油脂の粉末をベーカリー類に含有させることにより、前記課題が解決されることを見出し、この知見に基づいて本発明を成すに至った。
すなわち、本発明は、
(1)平均粒子径が300μm以下である固形状の油脂の粉末を有効成分として含有するベーカリー類用形状保持剤、
(2)(1)記載のベーカリー類用形状保持剤を含有するベーカリー類、
から成っている。
本発明のベーカリー類用形状保持剤をベーカリー類に含有させることにより、焼成後のベーカリー類の表面のしわやへこみ、いわゆるケービングを抑制し、ベーカリー類の形状を保持することができる。
図1は、ベーカリー類である角型食パンのスライス面を上から撮影し画像解析した場合の一例を概略図として示したものである。Aは、隣接する四隅の曲線部の端点を水平に結んだ四辺と四隅の曲線部とからなる四角形様の面積(実線で囲まれた部分)、Bは、実際のスライス面の面積(四隅の曲線部の実線と破線とで囲まれた部分)、Cは、AとBとの差であるケービング面積(四辺の実線と破線とで囲まれた部分の合計)を示している。
本発明で用いられる固形状の油脂は、常温(15~25℃)以下で固体状態となる油脂であればよく、例えば、植物油脂、動物油脂を原料とした硬化油脂、分別油脂、これらを含有する油脂等を挙げることができる。原料の植物油脂としては、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、オリーブ油、落花生油等を挙げることができる。原料の動物油脂としては、豚脂、牛脂、乳脂、魚油等を挙げることができる。上記した硬化油脂、分別油脂としては、パーム硬化油脂、パーム核硬化油脂、パーム分別油脂、ヤシ硬化油脂、ヤシ分別油脂、大豆硬化油脂、大豆分別油脂、菜種硬化油脂、菜種分別油脂が好ましく、パーム硬化油脂、菜種硬化油脂がより好ましく、パーム硬化油脂がさらに好ましい。本発明においては、固形状の油脂を1種のみ用いてもよく、任意の2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、最終的に常温(15~25℃)以下で固体状態となるのであれば、上記した油脂の他に常温(15~25℃)以下で液状の油脂を含んでもよい。
本発明で用いられる固形状の油脂の融点は、常温(15~25℃)を超え、好ましくは35℃以上、より好ましくは40℃以上、さらに好ましくは50℃以上である。なお、本発明で用いられる固形状の油脂の融点は、日本油化学会編「基準油脂分析試験法」2.4.3.2-71に準じて測定される。
本発明で用いられる固形状の油脂には、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の任意の成分を含有させることができる。任意の成分としては、例えば、抽出トコフェロール、L-アスコルビン酸パルミチン酸エステル等の酸化防止剤、乳化剤等を挙げることができる。なお、本発明で用いられる固形状の油脂にこれら任意の成分を含有させる場合、本発明で用いられる固形状の油脂とともに加熱溶解させることが好ましい。
本発明で用いられる固形状の油脂の粉末は、粉末状や顆粒状を含む性状をいい、例えば、固形状の油脂から構成された粉末、固形状の油脂とデキストリン等の粉末化基材から構成された粉末を挙げることができる。本発明で用いられる固形状の油脂の粉末の平均粒子径は、300μm以下であり、好ましくは200μm以下である。なお、平均粒子径は、例えば、自動乾式音波式振動篩分け測定器、レーザー回折式乾式粒度分布測定装置等を用いて体積基準での粒度分布を測定し、その平均値として算出することができる。
本発明で用いられる固形状の油脂の粉末の製造方法は、固形状の油脂を粉末にすることができれば、特に制限はないが、固形状の油脂を圧縮破砕機、剪断粗砕機、衝撃破砕機等を使用して物理的に粉砕する方法、固形状の油脂を加熱して溶解した後、噴霧冷却して粉末化する方法、固形状の油脂とデキストリン等の粉末化基材とを溶解混合した後、噴霧乾燥して粉末化する方法等、自体公知の方法を採用することができる。
本発明のベーカリー類用形状保持剤は、得られた固形状の油脂の粉末のみをそのまま用いてもよく、ベーカリー類に一般的に用いられる任意の成分を混合し粉末製剤として調整してもよい。粉末製剤として調整する場合、粉末製剤中における固形状の油脂の含有量に特に制限はないが、好ましくは30質量%以上、より好ましくは60質量%以上である。
ベーカリー類に一般的に用いられる任意の成分としては、例えば、澱粉類、デキストリン類、糖類、糖アルコール、賦形剤、乳化剤、酵素、酸化剤、還元剤、食品素材等を挙げることができる。澱粉類としては、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、小麦澱粉、米澱粉、片栗澱粉、葛澱粉、タピオカ澱粉等やこれらの澱粉に酸処理、アルカリ処理、酸化処理、エステル化処理、エーテル化処理、リン酸化処理、架橋処理、加熱処理、α化処理、粉砕処理、酵素処理等を施した加工澱粉等を挙げることができる。デキストリン類としては、マルトデキストリン、粉飴、分岐デキストリン、環状デキストリン、難消化性デキストリン等を挙げることができる。糖類としては、ブドウ糖、果糖、ショ糖、グラニュー糖、乳糖、麦芽糖、トレハロース、パラチノース、キシロース等を挙げることができる。糖アルコールとしては、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール、キシリトール等を挙げることができる。賦形剤としては、カゼインナトリウム、リン酸塩、セルロース等を挙げることができる。
乳化剤としては、グリセリンモノ脂肪酸エステル、グリセリンジ脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル等のグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、ステアロイル乳酸ナトリウム、ステアロイル乳酸カルシウム等を挙げることができる。酵素としては、α-アミラーゼ、β-アミラーゼ、グルコアミラーゼ、イソアミラーゼ、プロテアーゼ、グルコースオキシダーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、リパーゼ、4-α-グルカノトランスフェラーゼ、6-α-グルカノトランスフェラーゼ等を挙げることができる。酸化剤としては、ビタミンC、L-シスチン等を挙げることができる。還元剤としては、L-システイン塩酸塩等を挙げることができる。食品素材としては、果汁粉末、粉末グルテン等を挙げることができる。粉末製剤の調整方法としては、特に制限はなく、粉粉混合等自体公知の方法を用いることができる。
本発明のベーカリー類用形状保持剤は、ベーカリー類の生地に含まれる小麦粉100質量部に対して固形状の油脂が好ましくは0.01~5質量部、より好ましくは0.1~3質量部、さらに好ましくは0.2~2質量部となるようベーカリー類に含有させることができる。
本発明のベーカリー類用形状保持剤の使用方法は、焼成前のベーカリー類の生地に添加し得る方法であれば、特に制限はないが、ベーカリー類の製造工程で直接添加する方法、他の粉末原料にあらかじめ添加する方法等を挙げることができる。
本発明のベーカリー類用形状保持剤の「形状保持」とは、焼成後に発生するベーカリー類の表面のしわやへこみ、いわゆるケービングを抑制することで、焼成直後のベーカリー類の形状を保持することをいう。例えば、角型食パンの場合、直方体様の箱状のプルマン型で焼成されると、焼成直後は、型の内側に接していた各面が水平な直方体様の形状を形成しているが、その後冷却されることによる内部の気泡の収縮等により、角型食パンの各面が内側へと引き寄せられることで表面にしわやへこみ、いわゆるケービングが発生するが、これを本発明のベーカリー類用形状保持剤は抑制する。
本発明のベーカリー類用形状保持剤のケービング抑制による形状保持効果の評価方法は、本発明のベーカリー類用形状保持剤を含有するベーカリー類と本発明のベーカリー類用形状保持剤を含有しないベーカリー類とをそれぞれ、焼成後の表面のしわやへこみを目視で確認し比較する方法、焼成後の表面のしわやへこみの深さを測定し比較する方法、焼成後の体積を測定し比較する方法、ベーカリー類のスライス面を画像解析し比較する方法等を挙げることができる。ベーカリー類のスライス面を画像解析し比較する方法としては、例えば、角型食パンの場合、スライス面を上から撮影し、隣接する四隅の曲線部の端点を水平に結んだ四辺と四隅の曲線部とからなる四角形様の面積A(図1のA:実線で囲まれた部分)と、実際のスライス面の面積B(図1のB:四隅の曲線部の実線と破線とで囲まれた部分)の差であるケービング面積C(図1のCの合計部分)を用いて評価することができる。例えば、本発明のベーカリー類用形状保持剤を含有する角型食パンのケービング面積と、本発明のベーカリー類用形状保持剤を含有しない角型食パン(対照)のケービング面積を用いて、下記計算式にてどれだけしわやへこみ、いわゆるケービングが抑制されたかを示すケービング抑制率(%)なる値を算出することで形状保持効果を評価することができる。ケービング抑制率(%)が高いほど、ケービングを抑制する効果が高く、形状保持効果も高いことを示す。また、ケービング抑制率(%)がマイナスの値の場合、ケービングが増加し、形状保持効果を有さないことを示す。
ケービング抑制率(%)=(本発明のベーカリー類用形状保持剤を含有しない角型食パンのケービング面積-本発明のベーカリー類用形状保持剤を含有する角型食パンのケービング面積)×100/本発明のベーカリー類用形状保持剤を含有しない角型食パンのケービング面積
ベーカリー類のスライス面を画像解析し比較する方法に使用される画像解析装置としては、例えば、C-CELL(商品名;Calibre Control International社製)を使用することができる。
本発明のベーカリー類用形状保持剤を含有するベーカリー類も本発明の形態の1つである。
本発明のベーカリー類は、小麦粉等の穀粉を主体とした原料を混合し得られる生地をオーブン等で焼成する食品であれば、特に制限はないが、例えば、パン、ケーキ等を挙げることができる。パンは、食パン、菓子パン、デニッシュ、ペストリー、クロワッサン、ブリオッシュ、フランスパン等を挙げることができる。食パンは、生地を箱状の型に入れて焼成したパンであり、角型食パン(プルマン)、山型食パン(イギリスパン)、デニッシュ食パン、バラエティ食パン等を挙げることができる。菓子パンは、コッペパン、バンズ、バターロール、餡パン、クリームパン、チョコパン、ジャムパン、メロンパン、揚げパン、イーストドーナツ、バラエティ菓子パン等を挙げることができ、揚げパンは、カレーパン、ピロシキ等を挙げることができる。バラエティ食パン、バラエティ菓子パンは、食パンの生地又は菓子パンの生地にライ麦、米等の小麦以外の穀類、ごま、くるみ等の種実類、レーズン等の果実加工品等を配合した食パン又は菓子パンをいう。ケーキは、スポンジケーキ、バタースポンジケーキ、パウンドケーキ、シフォンケーキ、ロールケーキ、マドレーヌ、マフィン、バウムクーヘン、カステラ、パンケーキ、ケーキドーナツ等を挙げることができる。また、本発明のベーカリー類は、焼成されたものだけではなく、焼成前の生地の状態のものも含む。
本発明のベーカリー類の原料は、ベーカリー類に一般的に用いられる原料であれば、特に制限なく用いることができ、本発明のベーカリー類用形状保持剤以外に、例えば、穀粉類、澱粉類、デキストリン類、糖類、糖アルコール、イースト、大豆タンパク、小麦タンパク、乳化剤、酵素、酸化剤、還元剤、起泡剤、膨張剤、食塩、着色料、酸化防止剤、香料、酸味料、調味料、卵、水、油脂類、乳製品、果実加工品、果実類、種実類、クリーム類、ジャム、チョコレート、洋酒類等を挙げることができる。穀粉類としては、小麦粉、ライ麦粉、米粉等を挙げることができる。澱粉類としては、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、片栗澱粉、葛澱粉、タピオカ澱粉等やこれらの澱粉に酸処理、アルカリ処理、酸化処理、エステル化処理、エーテル化処理、リン酸化処理、架橋処理、加熱処理、α化処理、粉砕処理、酵素処理等を施した加工澱粉等を挙げることができる。デキストリン類としては、マルトデキストリン、粉飴、分岐デキストリン、環状デキストリン、難消化性デキストリン等を挙げることができる。糖類としては、ブドウ糖、果糖、ショ糖、グラニュー糖、乳糖、麦芽糖、トレハロース、パラチノース、キシロース等を挙げることができる。糖アルコールとしては、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール、キシリトール等を挙げることができる。
乳化剤としては、グリセリンモノ脂肪酸エステル、グリセリンジ脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル等のグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、ステアロイル乳酸ナトリウム、ステアロイル乳酸カルシウム等を挙げることができる。酵素としては、α-アミラーゼ、β-アミラーゼ、グルコアミラーゼ、イソアミラーゼ、プロテアーゼ、グルコースオキシダーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、リパーゼ、4-α-グルカノトランスフェラーゼ、6-α-グルカノトランスフェラーゼ等を挙げることができる。酸化剤としては、ビタミンC、L-シスチン等を挙げることができる。還元剤としては、L-システイン塩酸塩等を挙げることができる。膨張剤としては、ベーキングパウダー、重曹等を挙げることができる。油脂類としては、マーガリン、ショートニング、加工油脂等を挙げることができる。乳製品としては、牛乳、濃縮乳、生クリーム、全粉乳、脱脂粉乳、ホエー、乳タンパク、練乳、チーズ、バター等を挙げることができる。果実加工品としては、レーズン等を挙げることができる。クリーム類としては、ホイップクリーム、カスタードクリーム等を挙げることができる。種実類としては、ごま、くるみ等を挙げることができる。
本発明のベーカリー類の原料として、プレミックスを用いることができる。プレミックスは、ベーカリー類の原料の一部があらかじめ混合された組成物であり、本発明のベーカリー類用形状保持剤をあらかじめ混合させることもできる。プレミックスとしては、例えば、食パン用プレミックス、菓子パン用プレミックス、フランスパン用プレミックス、ドーナツ用プレミックス等を挙げることができる。
本発明のベーカリー類の製造方法は、特に制限はないが、パンの場合、例えば、ストレート法、中種法、液種法、生地リタード法等を挙げることができる。ストレート法は、全ての原料を混合し、前発酵工程を取らず、生地を製造する方法である。中種法は、二段階で生地を製造する方法であり、一段階目として原料の穀粉の一部、イースト、水等を混合し、前発酵工程を取り、中種生地を得る工程と、二段階目として中種生地と残りの原料を混合し、本捏生地を得る工程を有する製造方法である。それぞれの製造方法において、生地を捏ね上げた後、一次発酵(フロア)、分割、ベンチ、成型、最終発酵(ホイロ)の各工程を取ることができ、最終的にオーブン等で焼成工程を取る。例えば、角型食パンの場合、本捏生地の捏ね上げ温度は、26~28℃が好ましく、フロア時間は、15~30分が好ましく、ベンチ時間は、15~30分が好ましく、最終発酵条件は、37~39℃、湿度83~88%、50~70分が好ましく、焼成条件は、180~230℃、10~40分が好ましい。パンの製造工程において、分割した生地を冷凍(生地玉冷凍)、最終発酵前の成型した生地を冷凍(成型後冷凍)、最終発酵後の生地を冷凍(ホイロ後冷凍)、焼成したパンを冷凍(焼成後冷凍)等の冷凍工程を取ることもできる。
ケーキの場合、例えば、シュガーバッター法、フラワーバッター法、オールインミックス法、溶かしバター法、別立て法、後粉法、後油法又は湯捏法等を挙げることができる。得られた生地をロール、ワイヤーカット、ルートプレス、ロータリーモルダー、デポジッター、ステンシル等で分割、成型し、最終的に焼成工程を取る。
本発明のベーカリー類は、カット又はスライスし、野菜、加工食品等の具材、ソース類等を挟み、調理ベーカリー類に加工することができる。調理ベーカリー類は、例えば、サンドイッチ、ハンバーガー、ホットドック、焼きそばパン、ツナパン、コロッケパン等を挙げることができる。
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
[ベーカリー類用形状保持剤の作製]
(1)ベーカリー類用形状保持剤A
パーム硬化油脂(融点58℃)を80~90℃で溶解し、塔内温度を10~20℃に冷却した噴霧冷却装置に送液の上、加圧ノズルにより噴霧冷却した。その後、目開き850μmの篩を通過したものを回収しベーカリー類用形状保持剤Aを得た。得られたベーカリー類用形状保持剤Aの平均粒子径を測定したところ、150μmであった。
(2)ベーカリー類用形状保持剤B
菜種硬化油脂(融点68℃)を80~90℃で溶解し、塔内温度を10~20℃に冷却した噴霧冷却装置に送液の上、加圧ノズルにより噴霧冷却した。その後、目開き850μmの篩を通過したものを回収しベーカリー類用形状保持剤Bを得た。得られたベーカリー類用形状保持剤Bの平均粒子径を測定したところ、100μmであった。
(3)ベーカリー類用形状保持剤C
ベーカリー類用形状保持剤A1000gを目開き355μmの篩に通し、篩を通過せず篩の上部に残った部分を回収した。この操作を3回繰り返し、ベーカリー類用形状保持剤C130gを得た。得られたベーカリー類用形状保持剤Cの平均粒子径を測定したところ、350μmであった。
[食パンの作製、形状保持効果の評価1]
(1)原料
1)強力粉(商品名:ミリオン;日清製粉社製)
2)イースト(商品名:レギュラー;オリエンタル酵母工業社製)
3)イーストフード(商品名:C・オリエンタルフード;オリエンタル酵母工業社製)
4)乳化剤(商品名:パンマック200V;グリセリン脂肪酸エステル製剤;理研ビタミン社製)
5)加工油脂(商品名:フレンジーF(S);理研ビタミン社製)
6)上白糖(商品名:上白糖ST;大日本明治製糖社製)
7)食塩(商品名:特級塩R;日本海水社製)
8)脱脂粉乳(商品名:脱脂粉乳;森永乳業社製)
9)ショートニング(商品名:エンブレム;ミヨシ油脂社製)
10)水
11)ベーカリー類用形状保持剤A(パーム硬化油脂の粉末;融点58℃;平均粒子径150μm)
12)ベーカリー類用形状保持剤C(パーム硬化油脂の粉末;融点58℃;平均粒子径350μm)
(2)食パンの作製方法
1)食パン1(実施例1)
20クォートミキサー(商品名:HPI-20M;関東混合機工業社製)に、強力粉1400g、イースト46g、イーストフード2g、乳化剤5g、水820gを投入し、低速3分間、中速1分間混捏し、捏ね上げ温度24℃にて生地をホイロに移動し、温度24℃、湿度75%で4時間発酵させ、中種生地を得た。前記中種生地、強力粉600g、加工油脂20g、ベーカリー類用形状保持剤A6g、上白糖160g、食塩36g、脱脂粉乳20g、水530gを20クォートミキサー(商品名:HPI-20M;関東混合機工業社製)に投入し、低速3分間、中速2分間、高速1分間混捏し、ショートニング90gを投入後、さらに低速2分間、高速4~5分間混捏し、捏ね上げ温度27℃で生地を取り出し、本捏生地を得た。前記本捏生地を20分間一次発酵(フロア)させ、ラウンダー(商品名:RQ;オシキリ社製)及び分割機(商品名:DQE;オシキリ社製)を用いて230gに分割し、20分間のベンチ時間を取った。その後、ストレートモルダー(商品名:WF;オシキリ社製)を用いて成型し、プルマン型(3斤サイズ;容積6300mL)に230gの生地を6個並べ、ホイロにて温度38℃、湿度85%の条件で発酵させ、生地がプルマン型の容積の85%まで膨張した時点でホイロから取り出し、オーブン(商品名:SGR-606MS;三幸機械社製)で、220℃、32分間焼成した。オーブンから取り出した後、食パンをプルマン型から取り出し、20分間放冷後、温度15℃、湿度70%のドウコンディショナーに入れ、翌日、ポリ袋に入れ室温で保管し、3斤からなる食パン1を得た。
2)食パン2(実施例2)
ベーカリー類用形状保持剤Aを24gに変更すること以外は、食パン1と同様な方法で3斤からなる食パン2を得た。
3)食パン3(比較例1)
ベーカリー類用形状保持剤A6gをベーカリー類用形状保持剤C10gに変更すること以外は、食パン1と同様な方法で3斤からなる食パン3を得た。
4)ベーカリー類用形状保持剤を含有しない食パン(以下、対照1という。)
ベーカリー類用形状保持剤Aを投入しない以外は、食パン1と同様な方法で3斤からなる食パン(対照1)を得た。
(3)形状保持効果の評価1
食パンの作製翌日に、3斤からなる食パン1、食パン2、食パン3及び対照1それぞれについて、間隔20mmの刃を有する食パンスライサー(商品名:EX-2;富士島工機社製)を用いて、上面と垂直に厚さ20mmにスライスし、画像解析用の試料10枚を得た。得られた各試料について画像解析装置(商品名:C-CELL;Calibre Control International社製)にかけ、試料10枚の平均ケービング面積を求めた。また、下記計算式にてどれだけしわやへこみ、いわゆるケービングが抑制されたかを示すケービング抑制率(%)なる値を算出した。ケービング抑制率5%以上を、本発明の効果を満足するものとした。
ケービング抑制率(%)=(対照1の平均ケービング面積-食パン1、食パン2又は食パン3の平均ケービング面積)×100/対照1の平均ケービング面積
食パン1、食パン2、食パン3及び対照1の各原料の含有量(小麦粉100質量部とした場合の質量部)、ケービング抑制率の結果を表1に示す。
表1
Figure 0007693347000001
表1から、ベーカリー類用形状保持剤Aを含有する食パン1及び食パン2は、いずれも本発明の効果を満足する形状保持効果を有することがわかった。ベーカリー類用形状保持剤Cを含有する食パン3は、ケービングの抑制は見られるものの、本発明の効果を満足する形状保持効果はなかった。
また、それぞれの食パンを試食評価したところ、食パン3及び対照1は、口溶けが悪かったのに対し、食パン1及び食パン2は、口の中にほとんど残らず、口溶けが良好であった。口溶けは、食パン1よりも食パン2の方が顕著であった。
[食パンの作製、形状保持効果の評価2]
(1)原料
1)強力粉(商品名:ミリオン;日清製粉社製)
2)イースト(商品名:レギュラー;オリエンタル酵母工業社製)
3)イーストフード(商品名:C・オリエンタルフード;オリエンタル酵母工業社製)
4)乳化剤(商品名:エマルジーMM-100;グリセリン脂肪酸エステル製剤;理研ビタミン社製)
5)加工油脂(商品名:ソフィカルDX;理研ビタミン社製)
6)上白糖(商品名:上白糖ST;大日本明治製糖社製)
7)食塩(商品名:特級塩R;日本海水社製)
8)脱脂粉乳(商品名:脱脂粉乳;森永乳業社製)
9)ショートニング(商品名:エンブレム;ミヨシ油脂社製)
10)水
11)ベーカリー類用形状保持剤A(パーム硬化油脂の粉末;融点58℃;平均粒子径150μm)
12)ベーカリー類用形状保持剤B(菜種硬化油脂の粉末;融点68℃;平均粒子径100μm)
(2)食パンの作製方法
1)食パン4(実施例3)
20クォートミキサー(商品名:HPI-20M;関東混合機工業社製)に、強力粉1400g、イースト46g、水800gを投入し、低速3分間、中速1分間混捏し、捏ね上げ温度24℃にて生地をホイロに移動し、温度28℃、湿度75%で4時間発酵させ、中種生地を得た。前記中種生地、強力粉600g、イーストフード2g、乳化剤6g、加工油脂20g、ベーカリー類用形状保持剤A10g、上白糖100g、食塩40g、脱脂粉乳40g、水540gを20クォートミキサー(商品名:HPI-20M;関東混合機工業社製)に投入し、低速3分間、中速2分間、高速1分間混捏し、ショートニング100gを投入後、さらに低速2分間、高速4~5分間混捏し、捏ね上げ温度27℃で生地を取り出し、本捏生地を得た。前記本捏生地を20分間一次発酵(フロア)させ、ラウンダー(商品名:RQ;オシキリ社製)及び分割機(商品名:DQE;オシキリ社製)を用いて250gに分割し、20分間のベンチ時間を取った。その後、ストレートモルダー(商品名:WF;オシキリ社製)を用いて成型し、プルマン型(3斤サイズ;容積6300mL)に250gの生地を6個並べ、ホイロにて温度38℃、湿度80%の条件で発酵させ、生地がプルマン型の上面から2cmまで膨張した時点でホイロから取り出し、オーブン(商品名:SGR-606MS;三幸機械社製)で、220℃、35分間焼成した。オーブンから取り出した後、食パンをプルマン型から取り出し、20分間放冷後、温度15℃、湿度70%のドウコンディショナーに入れ、翌日、ポリ袋に入れ室温で保管し、3斤からなる食パン4を得た。
2)食パン5(実施例4)
ベーカリー類用形状保持剤Aをベーカリー類用形状保持剤Bに変更すること以外は、食パン4と同様な方法で3斤からなる食パン5を得た。
3)ベーカリー類用形状保持剤を含有しない食パン(以下、対照2という。)
ベーカリー類用形状保持剤Aを投入しない以外は、食パン4と同様な方法で3斤からなる食パン(対照2)を得た。
(3)形状保持効果の評価2
形状保持効果の評価1と同様な方法で、食パン4、食パン5及び対照2それぞれについて、平均ケービング面積を求めた。また、下記計算式にてどれだけしわやへこみ、いわゆるケービングが抑制されたかを示すケービング抑制率(%)なる値を算出した。ケービング抑制率5%以上を、本発明の効果を満足するものとした。
ケービング抑制率(%)=(対照2の平均ケービング面積-食パン4又は食パン5の平均ケービング面積)×100/対照2の平均ケービング面積
食パン4、食パン5及び対照2の各原料の含有量(小麦粉100質量部とした場合の質量部)、ケービング抑制率の結果を表2に示す。
表2
Figure 0007693347000002
表2から、ベーカリー類用形状保持剤Aを含有する食パン4及びベーカリー類用形状保持剤Bを含有する食パン5は、いずれも本発明の効果を満足する形状保持効果を有することがわかった。
また、それぞれの食パンを試食評価したところ、対照2は、口溶けが悪かったのに対し、食パン4及び食パン5は、口の中にほとんど残らず、口溶けが良好であった。
[食パンの作製、形状保持効果の評価3]
(1)原料に用いる油脂A、油脂Bの作製
本発明で用いられる固形状の油脂が、粉末の形態を取ることで、形状保持効果が発揮されることを確認するために、比較評価用として、原料のショートニングのみを溶解した油脂Aと原料のショートニングにベーカリー類用形状保持剤Aを溶解した油脂Bを作製した。
1)油脂A
ショートニング(商品名:エンブレム;ミヨシ油脂社製)300gを500mLステンレス製容器に投入し、ホットスターラー(商品名:EGホットスターラー;井内盛栄堂社製)とスパチュラを用いて、70℃で15分間加熱溶解し、その後、氷水を入れたボールにステンレス製容器を浸し、品温が20℃になるまで攪拌し、油脂Aを得た。
2)油脂B
ショートニング(商品名:エンブレム;ミヨシ油脂社製)270gとベーカリー類用形状保持剤A(パーム硬化油脂の粉末;融点58℃;平均粒子径150μm)30gを500mLステンレス製容器に投入し、ホットスターラー(商品名:EGホットスターラー;井内盛栄堂社製)とスパチュラを用いて、70℃で15分間加熱溶解し、その後、氷水を入れたボールにステンレス製容器を浸し、品温が20℃になるまで攪拌し、油脂Bを得た。
(2)原料
1)強力粉(商品名:ミリオン;日清製粉社製)
2)イースト(商品名:レギュラー;オリエンタル酵母工業社製)
3)イーストフード(商品名:C・オリエンタルフード;オリエンタル酵母工業社製)
4)乳化剤A(商品名:パンマック200V;グリセリン脂肪酸エステル製剤;理研ビタミン社製)
5)加工油脂(商品名:フレンジーF(S);理研ビタミン社製)
6)上白糖(商品名:上白糖ST;大日本明治製糖社製)
7)食塩(商品名:特級塩R;日本海水社製)
8)脱脂粉乳(商品名:脱脂粉乳;森永乳業社製)
9)水
10)油脂A
11)油脂B
12)ベーカリー類用形状保持剤A(パーム硬化油脂の粉末;融点58℃;平均粒子径150μm)
13)乳化剤B(商品名:エマルジーMS粉末;グリセリン脂肪酸エステルの粉末;融点62℃;平均粒子径150μm;理研ビタミン社製)
14)アルギン酸エステル(商品名:昆布酸501;キミカ社製)
(3)食パンの作製方法
1)食パン6(実施例5)
20クォートミキサー(商品名:HPI-20M;関東混合機工業社製)に、強力粉1400g、イースト46g、イーストフード2g、乳化剤A5g、水820gを投入し、低速3分間、中速1分間混捏し、捏ね上げ温度24℃にて生地をホイロに移動し、温度24℃、湿度75%で4時間発酵させ、中種生地を得た。前記中種生地、強力粉600g、加工油脂20g、ベーカリー類用形状保持剤A10g、上白糖160g、食塩36g、脱脂粉乳20g、水530gを20クォートミキサー(商品名:HPI-20M;関東混合機工業社製)に投入し、低速3分間、中速2分間、高速1分間混捏し、油脂A90gを投入後、さらに低速2分間、高速4~5分間混捏し、捏ね上げ温度27℃で生地を取り出し、本捏生地を得た。前記本捏生地を20分間一次発酵(フロア)させ、ラウンダー(商品名:RQ;オシキリ社製)及び分割機(商品名:DQE;オシキリ社製)を用いて230gに分割し、20分間のベンチ時間を取った。その後、ストレートモルダー(商品名:WF;オシキリ社製)を用いて成型し、プルマン型(3斤サイズ;容積6300mL)に230gの生地を6個並べ、ホイロにて温度38℃、湿度85%の条件で発酵させ、生地がプルマン型の容積の85%まで膨張した時点でホイロから取り出し、オーブン(商品名:SGR-606MS;三幸機械社製)で、220℃、32分間焼成した。オーブンから取り出した後、食パンをプルマン型から取り出し、20分間放冷後、温度15℃、湿度70%のドウコンディショナーに入れ、翌日、ポリ袋に入れ室温で保管し、3斤からなる食パン6を得た。
2)食パン7(比較例2)
ベーカリー類用形状保持剤Aを投入しないこと、及び油脂A90gの代わりに油脂B100gを投入すること以外は、食パン6と同様な方法で3斤からなる食パン7を得た。
3)食パン8(参考例1)
ベーカリー類用形状保持剤Aを乳化剤Bに変更すること以外は、3斤からなる食パン6と同様な方法で食パン8を得た。
4)食パン9(参考例2)
ベーカリー類用形状保持剤A10gをアルギン酸エステル1gに変更すること以外は、食パン6と同様な方法で3斤からなる食パン9を得た。
5)ベーカリー類用形状保持剤を含有しない食パン(以下、対照3という。)
ベーカリー類用形状保持剤Aを投入しない以外は、食パン6と同様な方法で3斤からなる食パン(対照3)を得た。
(4)形状保持効果の評価3
形状保持効果の評価1と同様な方法で、食パン6、食パン7、食パン8、食パン9及び対照3それぞれにつて、平均ケービング面積を求めた。また、下記計算式にてどれだけしわやへこみ、いわゆるケービングが抑制されたかを示すケービング抑制率(%)なる値を算出した。ケービング抑制率5%以上を、本発明の効果を満足するものとした。
ケービング抑制率(%)=(対照3の平均ケービング面積-食パン6、食パン7、食パン8又は食パン9の平均ケービング面積)×100/対照3の平均ケービング面積
食パン6、食パン7、食パン8、食パン9及び対照3の各原料の含有量(小麦粉100質量部とした場合の質量部)、ケービング抑制率の結果を表3に示す。
表3
Figure 0007693347000003
表3から、ベーカリー類用形状保持剤Aを含有する食パン6は、本発明の効果を満足する形状保持効果を有するのに対し、比較例である食パン7は、対照3よりもケービングが増加し、形状保持効果がないことがわかった。また、食パン7は、ベーカリー類用形状保持剤Aをショートニングに溶解した形態で含有しているにもかかわらず、形状保持効果が確認されなかったことから、ベーカリー類用形状保持剤は、粉末の形態を取ることで、ケービングを抑制し、形状保持効果を発揮することがわかった。また、食パン8は、ベーカリー類用形状保持剤Aと同様の融点、平均粒子径を有する乳化剤Bを含有しているにもかかわらず、形状保持効果が確認されなかったことから、ベーカリー類用形状保持剤は、固形状の油脂の粉末を有効成分とすることで、ケービングを抑制し、形状保持効果を発揮することがわかった。また、ベーカリー類用形状保持剤Aを含有する食パン6は、従来技術であるアルギン酸エステルを含有する食パン9よりもケービングを抑制し、形状保持効果を有することがわかった。
また、それぞれの食パンを試食評価したところ、食パン7、食パン8及び食パン9は、口溶けが悪かったのに対し、食パン6は、口の中にほとんど残らず、口溶けが良好であった。
A ベーカリー類である角型食パンのスライス面を上から撮影し画像解析した場合の隣接する四隅の曲線部の端点を水平に結んだ四辺と四隅の曲線部とからなる四角形様の面積(実線で囲まれた部分)
B ベーカリー類である角型食パンのスライス面を上から撮影し画像解析した場合の実際のスライス面の面積(四隅の曲線部の実線と破線とで囲まれた部分)
C AとBとの差であるケービング面積(四辺の実線と破線とで囲まれた部分の合計)

Claims (2)

  1. 平均粒子径が300μm以下であるパーム硬化油脂及び/又は菜種硬化油脂の粉末を有効成分として含有する角型食パン用ケービング抑制剤。
  2. 平均粒子径が300μm以下であるパーム硬化油脂及び/又は菜種硬化油脂の粉末を焼成前の角型食パンの生地に添加し、焼成後の角型食パンのケービングを抑制する方法。
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