JP7659356B1 - 大開口用カーテンウォール型窓構造 - Google Patents

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Figure 0007659356000001
【課題】断熱性能と強度との両立を図るとともに、異種材料同士の熱変形による変形差による破損などを防止することのできる、大開口用カーテンウォール型窓構造を提供する。
【解決手段】建造物の壁面Wにおける大開口Oに対して複数枚のガラス板Gを設置する大開口用カーテンウォール型窓構造1であって、ガラス板Gを保持し、大開口Oに対して上下方向および左右方向に並べて配置される複数枚の樹脂製窓枠2と、大開口Oの建造物の室内側に立設される複数本の金属製支柱3とを有しており、左右に並置された樹脂製窓枠2同士の縦接合部と金属製支柱3とは、熱変形による変形差を吸収する熱変形吸収型ジョイント機構4によって連結されている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、建造物の壁面における大開口に対して複数枚のガラス板を設置するための、大開口用カーテンウォール型窓構造に関するものである。
一般的な建造物の外壁面を形成するカーテンウォールは、上下方向に延びる縦桟と、水平方向に延びる横桟とによって形成された矩形状の枠内に、ガラス板や化粧板等のパネル部材を組み込んだ構造である。
これまでのカーテンウォールの縦桟および横桟は金属製であり、主にはアルミニウムが用いられている。公共建築工事の指標の一つである公共建築工事標準仕様書においてもアルミ製のカーテンウォールについて様々な規定がなされている。
また、規定されている金属製のカーテンウォールは、各階層にわたり形成される各階層型となっており、複数の階層にわたり形成される吹き抜け型の規定がほぼ無い状態である。しかしながら、近年、自然採光を目的とした大型ガラススクリーン構造が注目されており、吹き抜け型に対するニーズが高まっている。
また、ゼロエネルギー住宅(ZEB:Net Zero Energy Building)基準の推奨に伴い、大型ガラススクリーン構造における高断熱化が求められている。
本願発明者は、特許第6592058号公報において、このような大型ガラススクリーン構造の高断熱化における結露発生の問題およびコスト、さらには組み付け作業性の問題を解決するため、金属よりも熱伝導率が低い非金属材料からなる取付部材を具備した上下方向に延びる方立および水平方向に延びる無目とで形成された枠内に、ガラス板等のパネル部材を組込んでなる建造物のカーテンウォールに係る発明を開示し、特許権を得ている(特許文献1)。
特許第6592058号公報
ところで、これまでにガラス板を建造物の外壁面に固定する構造として樹脂製の窓枠がある。この樹脂製の窓枠は、アルミサッシなどの金属製の窓枠よりも断熱性能が高く、多くの一般住宅で使用されている。
しかしながら、これまでの樹脂製窓枠は、大きくても2メートル四方程度の寸法であり、大開口用のものはない。大開口に対し複数個の樹脂製窓枠を上下方向および左右方向に並べて設置する方法も考えられるが、これまで樹脂製窓枠は、金属製の窓枠に比べて弱く、並べて使用するために十分な強度は備えていない。
また、このような樹脂製窓枠を補強するため、方立のように窓枠の縦枠に沿って強度の高い金属製支柱を立て、前記金属製支柱に前記樹脂製窓枠を支持させる対策も考えられるが、樹脂製窓枠と金属製支柱とでは、熱膨張による変形量が異なるため、破損などが生じるおそれがある。特に、多数の階層に跨がる大開口に設置する場合には、金属製支柱の高さ(長さ)に比例して変形量の差は大きくなり、破損しやすくなる問題がある。
これらの強度や異種材料同士の熱変形における問題により、これまでに複数個の樹脂製窓枠を大開口に設置した構造は見当たらない。
本発明は、以上のような問題点を解決するためになされたものであって、断熱性能と強度との両立を図るとともに、異種材料同士の熱変形による変形差による破損などを防止することのできる、大開口用カーテンウォール型窓構造を提供することを目的としている。
本発明に係る大開口用カーテンウォール型窓構造は、断熱性能と強度との両立を図るとともに、異種材料同士の熱変形による変形差による破損などを防止するという課題を解決するために、建造物の壁面における大開口に対して複数枚のガラス板を設置する大開口用カーテンウォール型窓構造であって、前記ガラス板を保持し、前記大開口に対して上下方向および左右方向に並べて配置される複数枚の樹脂製窓枠と、前記大開口の前記建造物の室内側に立設される複数本の金属製支柱とを有しており、左右に並置された前記樹脂製窓枠同士の縦接合部と前記金属製支柱とは、熱変形による変形差を吸収する熱変形吸収型ジョイント機構によって連結されている。
また、本発明の一態様として、異種材料同士の熱変形による変形差による破損等を防止するとともに、上方からの荷重および地震などの揺れによる破損を防止するという課題を解決するために、前記熱変形吸収型ジョイント機構は、前記縦接合部と前記金属製支柱とを、相対的に上下方向および左右方向に移動可能でかつ前後方向に移動不可能な状態に連結する構成であってもよい。
さらに、本発明の一態様として、簡単な構成でかつ確実に異種材料同士の熱変形による変形差による破損等を防止するという課題を解決するために、前記熱変形吸収型ジョイント機構は、前記樹脂製窓枠の前記縦接合部において上下方向に移動可能に設置される窓側凸状ジョイント部と、前記金属製支柱において左右方向に移動可能に設置される支柱側凹状ジョイント部とを有しており、前記窓側凸状ジョイント部と前記支柱側凹状ジョイント部とは互いの凸部と凹部とを組み合わせた状態で、相互に上下方向に移動可能に連結されていてもよい。
また、本発明の一態様として、上方に配置される樹脂製窓枠に対する耐荷重の強度を向上させるという課題を解決するために、前記樹脂製窓枠は、金属製の補強用金属心材を内蔵し、かつ前記補強用金属心材の外表面を樹脂材によって形成された左枠部、右枠部、上枠部および下枠部によって略矩形枠状に形成されており、前記左枠部および前記下枠部の前記補強用金属心材同士と、前記右枠部および前記下枠部の前記補強用金属心材同士とは、前記樹脂製窓枠の左右下方角部に配置されたL字金具によって連結されていてもよい。
さらに、本発明の一態様として、建設現場における設置作業の工数を減らして設置コストおよび設置ミスを低減させるとともに、樹脂製窓枠の強度の向上を図るという課題を解決するために、複数枚の前記樹脂製窓枠を上下に並べて固定された樹脂製窓枠ユニットでは、前記L字金具が最下部の樹脂製窓枠における左右下方角部に設置されていてもよい。
また、本発明の一態様として、樹脂製窓枠同士の接合部から浸入する浸入水の内部漏水を防止するという課題を解決するために、前記樹脂製窓枠には、外周面に沿って凹状の水受け溝が形成されており、前記水受け溝には、前記樹脂製窓枠同士の縦接合部および横接合部から浸入する浸入水を吸水し、前記浸入水を下方の前記樹脂製窓枠の前記水受け溝に滴下させて排水する吸排水用ロープが埋設されていてもよい。
さらに、本発明の一態様として、大開口に複数個の樹脂製窓枠を設置したときの意匠性を向上させるという課題を解決するために、隣接する前記樹脂製窓枠同士の接合面には、互いに対向する連結溝が形成されており、前記各連結溝には1枚の連結プレートが挿入されていてもよい。
本発明によれば、断熱性能と強度との両立を図るとともに、異種材料同士の熱変形による変形差による破損などを防止することができる。
本発明に係る大開口用カーテンウォール型窓構造の実施形態を示す正面図である。 本実施形態における樹脂製窓枠を示す正面図である。 本実施形態において左右に隣接させた樹脂製窓枠同士を接合する縦接合部、金属製支柱およびこれらを連結する熱変形吸収型ジョイント機構を示す横断面図である。 本実施形態における左枠部および上枠部の(a)溶着前および(b)溶着後の状態を示す正面図である。 本実施形態におけるL字金具を示す(a)正面図および(b)側面図である。 本実施形態において樹脂製窓枠の左下方角部にL字金具を設置した状態を示す(a)正面図および(b)側面図である。 本実施形態において上下に隣接させた樹脂製窓枠同士を接合する横接合部を示す縦断面図である。 本実施形態における樹脂製窓枠ユニットを示す正面図である。 本実施形態における窓側凸状ジョイント部を示す(a)正面図および(b)平面図である。 本実施形態における支柱側凹状ジョイント部を示す(a)正面図、(b)平面図および(c)右側面図である。
以下、本発明に係る大開口用カーテンウォール型窓構造の一実施形態について図面を用いて説明する。
本実施形態の大開口用カーテンウォール型窓構造1は、図1に示すように、建造物の壁面Wにおける大開口Oに対して複数枚のガラス板Gを設置するための構造であって、複数個の樹脂製窓枠2と、これら複数個の樹脂製窓枠2を支持する複数本の金属製支柱3と、図3に示すように、樹脂製窓枠2および金属製支柱3とを連結する熱変形吸収型ジョイント機構4とを有している。以下、各構成について詳細に説明する。
大開口Oは、建造物の屋内と屋外とを隔てる壁面Wに形成された開口であり、本実施形態では、複数の階層を備えた建造物において、複数の階層にわたり形成される吹き抜け構造における壁面Wにおいて、各階を跨ぐように大きく開けられた略矩形状の開口として構成されている。
樹脂製窓枠2は、大開口Oにおいてガラス板Gを保持するためのものであり、本実施形態では、図2および図3に示すように、複数本の枠部21によって略矩形枠状に形成されており、具体的には左枠部21a、右枠部21b、上枠部21cおよび下枠部21dによって形成されている。そして樹脂製窓枠2の内周には、ガラス板Gが嵌め込まれており、取り外し可能な押え縁22によって固定されている。
本実施形態における各枠部21は、図2および図3に示すように、金属製の補強用金属心材23を内蔵し、補強用金属心材23の外表面は樹脂材24によって覆われている。
補強用金属心材23は、各枠部21を補強するためのものであり、本実施形態では、図3に示すように、中空でかつ略矩形状の断面を有する金属性の角パイプ材によって構成されている。
なお、補強用金属心材23は、角パイプ材に限定されるものではなく、丸形断面形状や中実状の金属棒材、金属板材、断面L字型のアングル材などから適宜選択してもよい。また、補強用金属心材23の素材は、特に限定されるものではないが、鉄やアルミニウムなど安価でかつ強度の高い素材を用いることが好ましい。
樹脂材24は、各枠部21の形状を構成しつつ断熱性能を高めるためのものであって、補強用金属心材23より熱伝導性の低い(熱が伝わり難い)樹脂からなり、補強用金属心材23の外表面を覆うように形成されている。本実施形態では、押し出し加工により所定の形状に形成し、補強用金属心材23を挿入することで形成している。
なお、樹脂材24に用いる樹脂は、主に硬質の塩化ビニル樹脂が用いられるが、これに限定されるものではなく、断熱性能の高い樹脂材料から適宜選択してもよい。
また、各枠部21同士は、お互いの端部を溶着することにより矩形状に形成されている。具体的には、図4に示すように、両端部を枠部21の長手方向に対して約45度の角度になるように傾斜部25を形成し、当該傾斜部25と他の枠部21の傾斜部25とを溶着することで矩形枠状に形成している。
このとき、補強用金属心材23は、樹脂材24に比べて融点が高く、樹脂材24を溶着する温度帯では溶接をすることができない。よって、この状態の樹脂製窓枠2は、樹脂材24同士のみが接続された状態であり、強度的には弱い。そこで、本実施形態では、L字金具26によって補強用金属心材23同士を連結している。
具体的には、L字金具26は、図5に示すように、金属板を約90度に屈曲させたL字状の金具からなる。本実施形態では、図6に示すように、樹脂製窓枠2の左右下方角部に配置され、左枠部21aおよび下枠部21dの補強用金属心材23同士ならびに右枠部21bおよび下枠部21dの補強用金属心材23同士に対して、ドリルネジからなるファスナー27によって締結固定されている。これにより、左枠部21aおよび下枠部21dならびに右枠部21bおよび下枠部21dの補強用金属心材23同士が連結され、樹脂製窓枠2の左右下方角部の強度が高められる。
なお、L字金具26の配置は、樹脂製窓枠2の左右下方角部に限定されるものではなく、左右上方角部に配置して、左枠部21aおよび上枠部21cならびに右枠部21bおよび上枠部21cの補強用金属心材23同士を連結してもよい。
また、本実施形態における樹脂製窓枠2には、隣接する樹脂製窓枠2との接合部から浸入した浸入水を枠外に排出するための吸排水用ロープ5を埋設するための水受け溝28および隣接する樹脂製窓枠2同士を所定の位置に配置するための連結プレート6を挿入させる連結溝29が形成されている。
水受け溝28は、図3および図7に示すように、樹脂製窓枠2の外周面に沿って凹状に形成された溝であり、本実施形態では、樹脂製窓枠2の前後方向に対して中心位置より屋外側に形成されている。本実施形態における水受け溝28は、埋設させる吸排水用ロープ5を保持するため、溝の入口が若干狭く形成されている。
吸排水用ロープ5は、樹脂製窓枠2同士の縦接合部および横接合部から浸入する浸入水を吸水し、その吸水した浸入水を下方の樹脂製窓枠2の水受け溝28に滴下させて排水するためのロープであり、本実施形態における給排水用ロープ5は、ナイロンやポリエチレンなどからなる合成樹脂繊維を水受け溝28に埋設可能な太さに編み込んだロープからなり、下枠部21d以外の3辺の水受け溝28に埋設されている。
なお、吸排水用ロープ5の素材は、ナイロン等の樹脂に限定されるものではなく、麻や綿などの天然素材を用いてもよい。また、吸排水用ロープ5は、下枠部21dを含む樹脂製窓枠2の外周面全てに埋設してもよい。
連結溝29は、横方向または縦方向に隣接する樹脂製窓枠2同士を接合する際に、連結プレート6を挿入する溝であり、図3および図7に示すように、本実施形態では、樹脂製窓枠2同士の接合面において、樹脂製窓枠2の屋外側面から同じ位置で、かつ互いに対向する位置に形成されている。
連結プレート6は、樹脂製窓枠2同士の接合面において互いの連結溝29に挿入されるプレートであり、連結溝29の前後幅と略同一の厚さに形成されている。連結プレート6は、鉄やアルミニウムなどの金属製のプレートが用いられるが、素材は特に限定されるものではない。
本実施形態では、以上の樹脂製窓枠2を用い、樹脂製窓枠ユニット2Uを形成している。具体的には、図8に示すように、予め工場などにおいて3個の樹脂製窓枠2を上下方向に並べ、図7に示すように、上方の樹脂製窓枠2における下枠部21dの補強用金属心材23と、下方の樹脂製窓枠2における上枠部21cの補強用金属心材23とをユニット用ファスナー30によって締結固定することによりユニット化している。
また、樹脂製窓枠ユニット2UにおいてL字金具26は、最下部の樹脂製窓枠2における左右下方角部に設置されている。
なお、樹脂製窓枠ユニット2UにおけるL字金具26は、最下部の樹脂製窓枠2における左右下方角部のみに設置されるものに限定されるものではなく、最上部の樹脂製窓枠2における左右上方角部に設置してもよい。
金属製支柱3は、図1に示すように、大開口Oに並べて設置された複数個の樹脂製窓枠2を支持する金属製の支柱であり、建造物の室内側に立設されている。本実施形態における金属製支柱3は、図3に示すように、中空でかつ略矩形状の横断面を有する金属性の鋼管によって構成されており、図1に示すように、左右に並置された樹脂製窓枠2同士の縦接合部に沿って立設されている。
なお、金属製支柱3は、鋼管によるものに限定されるものではなく、H鋼やL字鋼、中実の棒鋼などから適宜選択してもよい。
熱変形吸収型ジョイント機構4は、樹脂製窓枠2と金属製支柱3とを連結しつつ、樹脂製窓枠2に用いられる樹脂の熱変形と、金属製支柱3に用いられる金属の熱変形とによる変形差を吸収することのできる機構である。
つまり、樹脂製窓枠2と金属製支柱3とは熱変形の特性、例えば熱膨張率(線膨張係数)がそれぞれ異なる素材であり、温度変化に対して異なる伸縮をする。具体的には、樹脂製窓枠2に用いられる硬質の塩化ビニルの線膨張係数は50~100[10-6/℃]である。これに対し、金属製支柱3に用いられるアルミニウムの線膨張係数は約23.9[10-6/℃]であり、硬質塩化ビニルはアルミニウムに対して2倍~4倍程度の変形差が生じる。このため、樹脂製窓枠2と金属製支柱3とが完全に固定された状態では、温度変化に対して変形差が生じ、樹脂製窓枠2および金属製支柱3のいずれかまたはその両方に、歪みや破損が生じるおそれがある。
そこで、熱変形吸収型ジョイント機構4は、熱変形における変形差による破損等を防ぐため、樹脂製窓枠2同士の縦接合部と金属製支柱3とを相対的に上下方向および左右方向に移動可能でかつ前後方向に移動不可能な状態に連結する構成としている。
本実施形態における熱変形吸収型ジョイント機構4は、図3に示すように、樹脂製窓枠2に設置される窓側凸状ジョイント部41と、金属製支柱3に設置される支柱側凹状ジョイント部42とにより構成されている。
窓側凸状ジョイント部41は、樹脂製窓枠2同士の縦接合部に設置される部材であり、金属製支柱3側に向けて凸状に形成されている。本実施形態における窓側凸状ジョイント部41は、図9に示すように、左右一対のL字形のアングル材によって構成されており、L字形の一片が樹脂製窓枠2に固定する窓側固定部411となり、他片が凸部412として構成されている。
また、窓側固定部411には、ドリルネジからなるファスナー43を挿通させる窓側挿通孔413が開口しており、この窓側挿通孔413は、図9(a)に示すように、縦長孔状に形成されている。
そして、この窓側凸状ジョイント部41は、窓側挿通孔413を挿通させたファスナー43によって、樹脂製窓枠2に締結固定される。具体的には、図3に示すように、左側の窓側凸状ジョイント部41は、左側に配置された樹脂製窓枠2の右枠部21bに内蔵された補強用金属心材23に締結固定されるとともに、右側の窓側凸状ジョイント部41は、右側に配置される樹脂製窓枠2の左枠部21aに内蔵された補強用金属心材23に締結固定される。
支柱側凹状ジョイント部42は、金属製支柱3に設置される部材であり、図3および図10に示すように、金属製支柱3に固定される底部421と、この底部421の左右両端に形成されて窓側凸状ジョイント部41の凸部412を左右両側から挟み込む挟持部422とからなり、これら底部421および左右一対の挟持部422により凹部423を形成している。
底部421には、ファスナー43を挿通させる支柱側挿通孔424が開口している。この支柱側挿通孔424は、横長孔状に形成されており、支柱側凹状ジョイント部42が金属製支柱3に対して左右方向に移動可能に設置されている。
さらに、支柱側凹状ジョイント部42の左右一対の挟持部422には、窓側凸状ジョイント部41の凸部412と締結固定させるファスナー43を挿通させるジョイント連結用挿通孔425が開口している。このジョイント連結用挿通孔425は、縦長孔状に形成されており、窓側凸状ジョイント部41と支柱側凹状ジョイント部42とが、互いの凸部412と凹部423とを組み合わせた状態で、相互に上下方向に移動可能に連結されている。
樹脂製窓枠2同士の縦接合部と金属製支柱3とを連結した熱変形吸収型ジョイント機構4の周囲には、防水処理のためのシーリング材44が施工されている。
なお、熱変形吸収型ジョイント機構4において、窓側凸状ジョイント部41および支柱側凹状ジョイント部42を固定するために用いるファスナー43は、ドリルネジに限定されるものではなく、予め樹脂製窓枠2や金属製支柱3、窓側凸状ジョイント部41の凸部412に形成された雌ネジとボルトなどの各種ファスナーから適宜選択してもよい。
次に、本実施形態の大開口用カーテンウォール型窓構造1における各構成の作用について説明する。
本実施形態における複数個の樹脂製窓枠2(樹脂製窓枠ユニット2U含む、以下同じ)は、図1に示すように、大開口Oに並べて配置されている。樹脂製窓枠2の外表面を覆う樹脂材24は、従来の金属製の窓枠より断熱性能が高く、ゼロエネルギー住宅(ZEB:Net Zero Energy Building)基準をクリアすることに寄与する。
また、樹脂製窓枠2は、各枠部21に補強用金属心材23が内蔵されており、少なくとも左枠部21aおよび下枠部21dの補強用金属心材23同士と、右枠部21bおよび下枠部21dの補強用金属心材23同士とはL字金具26によって連結されており、強度が高められている。このため、大開口Oに対して樹脂製窓枠2を上下方向に複数個の並べて配置したときに、上方に配置される他の樹脂製窓枠2の荷重を受けても破損することなく支持するすることができる。
金属製支柱3は、熱変形吸収型ジョイント機構4を介して、樹脂製窓枠2同士の縦接合部に連結されており、樹脂製窓枠2を室内側から支持している。この金属製支柱3は、樹脂製窓枠2より強度が高く、かつ熱変形吸収型ジョイント機構4は、樹脂製窓枠2と金属製支柱3とを前後方向に移動不可能な状態に連結しているため、大開口Oに配置された複数個の樹脂製窓枠2は、室外から受ける風圧や建築物の内外に生じる圧力差などによる前後方向の力に耐えられる。
一方、熱変形吸収型ジョイント機構4は、樹脂製窓枠2と金属製支柱3とを相対的に上下方向に移動可能にしている。具体的には、樹脂製窓枠2と窓側凸状ジョイント部41とを連結するファスナー43を挿通させる窓側挿通孔413、および、支柱側凹状ジョイント部42と窓側凸状ジョイント部41とを連結するファスナー43を挿通させるジョイント連結用挿通孔425が、縦長孔状に形成されており、樹脂製窓枠2と金属製支柱3とは窓側挿通孔413およびジョイント連結用挿通孔425の縦長孔の寸法分、相対的に上下方向に移動できるようになっている。
よって、樹脂製窓枠2と金属製支柱3とに対して、熱変形による変形差が生じた場合、相対的に上下方向に移動することができるため、樹脂製窓枠2や金属製支柱3に異常な負荷がかからず、歪みや破損を防止することができる。
また、本実施形態における熱変形吸収型ジョイント機構4は、樹脂製窓枠2と金属製支柱3とを相対的に左右方向にも移動可能に連結している。具体的には、支柱側凹状ジョイント部42と金属製支柱3とを連結するファスナー43を挿通させる支柱側挿通孔424が、横長孔状に形成されており、この横長孔の寸法分、樹脂製窓枠2と金属製支柱3とは相対的に左右方向に移動できるようになっている。
よって、樹脂製窓枠2と金属製支柱3とは、上方の他の樹脂製窓枠2の荷重がかかったときや、地震などで揺れたときに相対的に左右方向に移動することができるため、樹脂製窓枠2や金属製支柱3に異常な負荷がかからず、歪みや破損を防止することができる。
吸排水用ロープ5は、樹脂製窓枠2同士の縦接合部および横接合部から浸入して水受け溝28に流れ込む浸入水をループ内に浸透させて吸収する。吸収された浸入水は、吸排水用ロープ5の毛細管現象および自重によって横方向および下方向へと移動する。下方へと移動し、飽和して吸排水用ロープ5で保てなくなった浸入水は、図7に示すように、下方の樹脂製窓枠2の水受け溝28に滴下して排水される。水受け溝28に排水された浸入水は、順次吸排水用ロープ5を伝って下方の樹脂製窓枠2へと滴下していき、最下部の樹脂製窓枠2における吸排水用ロープ5から樹脂製窓枠2の外に排水される。
このように、樹脂製窓枠2同士の縦接合部および横接合部から浸入した浸入水は、水受け溝28や吸排水用ロープ5を伝って下方に排水されるため、室内への内部漏水を確実に防止することができる。
連結プレート6は、樹脂製窓枠2同士を所定の前後方向の位置に合わせて設置することができる。特に、大開口Oに設けられる複数個の樹脂製窓枠2は、室外から多数人に見られるため意匠性が重視されている。このため、例えば、各樹脂製窓枠2の外面を段差無く設置し、整然と綺麗に配置された印象を与えることができる。
以上のような本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
1.大開口Oに対して断熱性能の高い複数個の樹脂製窓枠2を用いることができるため、従来の金属製の枠体によるカーテンウォール構造に比べて断熱性能を向上させることができる。
2.大開口Oに対して並べられた複数個の樹脂製窓枠2を複数本の金属製支柱3によって支持することにより、室外から受ける風圧などに耐えうる強度を持つことができる。
3.樹脂製窓枠2と金属製支柱3とを、熱変形吸収型ジョイント機構4によって連結することにより、温度変化に伴う熱変形の変形差を吸収することができ、樹脂製窓枠2および金属製支柱3の歪みや破損を防止することができる。
4.熱変形吸収型ジョイント機構4は、樹脂製窓枠2と金属製支柱3とを上下方向とともに左右方向にも移動可能に連結することにより、上方からの樹脂製窓枠2の荷重による変形や地震などによる揺れにも対応することができる。
5.熱変形吸収型ジョイント機構4において、樹脂製窓枠2や金属製支柱3等を連結するファスナー43を挿通させる挿通孔を縦長孔状または横長孔状とする簡単な構造によって、上下方向および左右方向に移動可能にすることができる。
6.樹脂製窓枠2は、各枠部21に補強用金属心材23が内蔵されており、かつ左右下方角部に配置されたL字金具26によって補強用金属心材23同士が連結されているため、上方に配置される他の樹脂製窓枠2からの荷重に耐えうる強度を備えることができる。
7.複数個の樹脂製窓枠2を上下方向に並べて固定してユニット化させるとともに、少なくとも最下部の樹脂製窓枠2の左右下方角部をL字金具26によって補強することによって、建設現場における設置作業の工数が減り設置コストを抑えることができるとともに、設置ミスが減って品質を安定させることもできる。
8.樹脂製窓枠2の外周面に沿って形成された水受け溝28に吸排水用ロープ5を埋設させたことにより、樹脂製窓枠2同士の縦接合部および横接合部から浸入する浸入水を吸排水用ロープ5に吸収させ、適宜下方の樹脂製窓枠2の水受け溝28へと滴下して排水することができるため、室内への内部漏水を確実に防ぐことができる。
9.連結プレート6によって隣接する樹脂製窓枠2同士を所定の位置で連結することができるため、意匠性の高い壁面Wを構成することができる。
なお、本発明に係る大開口用カーテンウォール型窓構造は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。例えば、本実施形態における樹脂製窓枠2は、ガラス板Gが嵌め込まれており開閉することのできないはめ殺し窓(FIX窓)の窓枠として説明しているが、これに限定されるものではなく、片開き窓、上げ下げ窓および内倒し窓等を備えた開閉可能な窓の窓枠として用いてもよい。
1 大開口用カーテンウォール型窓構造
2 樹脂製窓枠
2U 樹脂製窓枠ユニット
3 金属製支柱
4 熱変形吸収型ジョイント機構
5 吸排水用ロープ
6 連結プレート
21 枠部
21a 左枠部
21b 右枠部
21c 上枠部
21d 下枠部
22 押え縁
23 補強用金属心材
24 樹脂材
25 傾斜部
26 L字金具
27 ファスナー
28 水受け溝
29 連結溝
30 ユニット用ファスナー
41 窓側凸状ジョイント部
42 支柱側凹状ジョイント部
43 ファスナー
44 シーリング材
411 窓側固定部
412 凸部
413 窓側挿通孔
421 底部
422 挟持部
423 凹部
424 支柱側挿通孔
425 ジョイント連結用挿通孔
W 壁面
O 大開口
G ガラス板

Claims (4)

  1. 建造物の壁面における大開口に対して複数枚のガラス板を設置する大開口用カーテンウォール型窓構造であって、
    前記ガラス板を保持し、前記大開口に対して上下方向および左右方向に並べて配置される複数個の樹脂製窓枠と、
    前記大開口の前記建造物の室内側に立設される複数本の金属製支柱とを有しており、
    左右に並置された前記樹脂製窓枠同士の縦接合部と前記金属製支柱とは、ファスナーを挿通させる挿通孔を、前記樹脂製窓枠と前記金属製支柱とを相対的に上下方向に移動可能な寸法に形成することで、熱変形による変形差を吸収する熱変形吸収型ジョイント機構によって連結されているとともに、
    前記樹脂製窓枠は、
    金属製の補強用金属心材を内蔵し、かつ前記補強用金属心材の外表面を樹脂材によって形成された左枠部、右枠部、上枠部および下枠部によって略矩形枠状に形成されており、
    前記左枠部および前記下枠部の前記補強用金属心材同士と、前記右枠部および前記下枠部の前記補強用金属心材同士とは、前記樹脂製窓枠の左右下方角部に配置されたL字金具によって連結されている、前記大開口用カーテンウォール型窓構造。
  2. 複数枚の前記樹脂製窓枠を上下に並べて固定された樹脂製窓枠ユニットでは、前記L字金具が最下部の樹脂製窓枠における左右下方角部に設置されている、請求項1に記載の大開口用カーテンウォール型樹脂窓構造。
  3. 前記樹脂製窓枠には、外周面に沿って凹状の水受け溝が形成されており、前記水受け溝には、前記樹脂製窓枠同士の縦接合部および横接合部から浸入する浸入水を吸水し、前記浸入水を下方の前記樹脂製窓枠の前記水受け溝に滴下させて排水する吸排水用ロープが埋設されている、請求項1または請求項2のいずれかに記載の大開口用カーテンウォール型窓構造。
  4. 隣接する前記樹脂製窓枠同士の接合面には、互いに対向する連結溝が形成されており、前記各連結溝には1枚の連結プレートが挿入されている、請求項1に記載の大開口用カーテンウォール型樹脂窓構造。
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