JP7540811B1 - 細胞凝集塊の製造方法 - Google Patents

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Abstract

細胞凝集塊の製造方法であって、ゲル形成性ポリマーを含有する細胞懸濁液を調製する工程、前記細胞懸濁液中の前記ゲル形成性ポリマーをゲル化させる工程、前記ゲル形成性ポリマーをゲル化させる工程で得られた細胞包埋ゲルをサイズの制御された細胞包埋ゲル断片にする工程及び前記サイズの制御された細胞包埋ゲル断片を培養する工程を含む、製造方法が開示される。

Description

本開示は、細胞凝集塊の製造方法に関する。
細胞同士が凝集することによって形成された細胞凝集塊中の細胞は、ディッシュ上で二次元的に培養された細胞に比べ、周囲の細胞及び細胞外マトリックス等と三次元的に相互作用する点及び表層から中心部への代謝勾配を形成する点などにおいて、生体内に近い環境にある。それゆえ、細胞凝集塊は、薬物の有効性及び毒性の生体外スクリーニング等に汎用されている。近年では、再生医療分野及び組織工学分野における応用が注目されており、特に3Dバイオプリンティング分野においては、再生組織構造体の構成単位として細胞凝集塊を用いる研究が盛んに行われている。例えば日本国においては、細胞凝集塊を積層して作製した人工血管の臨床研究も2019年頃から始まっている。
細胞凝集塊を再生組織構造体の構成単位又は薬物の有効性評価、毒性評価若しくはスクリーニング等に用いる場合、細胞凝集塊が示す性質(生存率、タンパク質産生能等)はそのサイズに大きく依存してしまうため、細胞凝集塊を用いて再現性及び均質性のある再組織構造体の作製又は薬物評価若しくはスクリーニング等を行う上では、狙ったサイズを有する細胞凝集塊を大量に作製して用いることが必要不可欠である。特に3Dバイオプリンティング分野においては、再生組織構造体の作製を効率化するために、直径が500μmを超えるようなサイズの大きい細胞凝集塊を大量に作製することが求められる。
一般にサイズの大きい細胞凝集塊を細胞のみを凝集させて作製した場合、その中心部においては酸素及び栄養が枯渇し、結果として細胞死が生じやすくなってしまうことが知られている。そのため、細胞凝集塊に細胞以外の成分を含有させ、細胞凝集塊の中心部にも酸素及び栄養が供給されるようにすることで、中心部における細胞死が抑制されたサイズの大きい細胞凝集塊を作製する技術の開発が行われてきた。例えば非特許文献1には、セルロースナノファイバーからなるハイドロゲルの破砕物と、細胞とを混和し、培養することにより得られた細胞凝集塊が開示されている。また、特許文献1~3には、細胞と、生体適合性ハイドロゲルとを含有する液滴を作製した後、生体適合性ハイドロゲルを硬化させ、細胞包埋硬化ゲル形成体を作製する工程と、細胞包埋硬化ゲル形成体を浮遊培養し、細胞の牽引力により凝集させる工程と、を備えることを特徴とする細胞包埋ビーズの製造方法が開示されている。
特開2017-51160号公報 特開2017-79704号公報 国際公開第2017/217393号 国際公開第2008/123614号
David B. Gehlen et al., "Granular Cellulose Nanofibril Hydrogel Scaffolds for 3D Cell Cultivation" Macromol. Rapid Commun. 2020, 41, 2000191.
特許文献1~3に開示された方法は、細胞がハイドロゲルに包埋されているため細胞凝集塊の中心部にも酸素及び栄養が供給されやすく、細胞死が生じづらい一方、細胞凝集塊の作製において、細胞と生体適合性ハイドロゲルとを含有する懸濁液を、油性成分からなる溶液中又は撥水性表面を有する支持体上等に1滴ずつ滴下して1つ1つの液滴を作製する必要があり、かつ細胞凝集塊の形成を細胞の牽引力に依存するため、量産化及びサイズの制御は困難であった。
本開示の目的は、細胞凝集塊の製造方法を提供することである。
本発明者らは、ゲル形成性ポリマーを含有する細胞懸濁液をゲル化させて細胞包埋ゲルを作製した後、粉砕及び選別等の操作によってサイズの制御された細胞包埋ゲル断片にしてから培養すると、大きなサイズながら生体内に近い環境を再現可能な細胞凝集塊を、サイズを制御しながら量産できることを見出した。
本開示は、以下の[1]~[14]に関する。
[1]細胞凝集塊の製造方法であって、
ゲル形成性ポリマーを含有する細胞懸濁液を調製する工程、
前記細胞懸濁液中の前記ゲル形成性ポリマーをゲル化させる工程、
前記ゲル形成性ポリマーをゲル化させる工程で得られた細胞包埋ゲルをサイズの制御された細胞包埋ゲル断片にする工程、及び
前記サイズの制御された細胞包埋ゲル断片を培養する工程
を含む、製造方法。
[2]前記細胞包埋ゲルをサイズの制御された細胞包埋ゲル断片にする工程が、
前記細胞包埋ゲルを粉砕すること、及び
得られた粉砕物を選別して前記サイズの制御された細胞包埋ゲル断片を得ること
を含む、請求項1に記載の製造方法。
[3]前記ゲル形成性ポリマーを含有する細胞懸濁液を調製する工程が、
ゲル形成性ポリマーを含有する溶液にゲル化を開始する刺激を与えること、及び
前記刺激を与えられたゲル形成性ポリマーを含有する溶液に細胞を添加すること
を含む、[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4]前記ゲル形成性ポリマーを含有する細胞懸濁液を調製する工程が、
ゲル形成性ポリマーを含有する溶液に細胞を添加すること
を含み、前記ゲル形成性ポリマーをゲル化させる工程が、
前記ゲル形成性ポリマーを含有する細胞懸濁液にゲル化を開始する刺激を与えること
を含む、[1]又は[2]に記載の製造方法。
[5]前記ゲル形成性ポリマーが、シルク、コラーゲン、キトサン、エラスチン、アガロース、メチルセルロース及びポリビニルアルコールからなる群より選択される少なくとも1つである、[1]~[4]のいずれか一つに記載の製造方法。
[6]前記ゲル形成性ポリマーがカイコシルクフィブロインである、[1]~[4]のいずれか一つに記載の製造方法。
[7]前記細胞が接着細胞である、[1]~[6]のいずれか一つに記載の製造方法。
[8]前記細胞が上皮細胞である、[1]~[6]のいずれか一つに記載の製造方法。
[9]前記細胞が線維芽細胞である、[1]~[8]のいずれか一つに記載の製造方法。
[10]前期細胞が肝臓細胞である、[1]~[8]のいずれか一つに記載の製造方法。
[11]前記ゲル形成性ポリマーを含有する細胞懸濁液における細胞の濃度が、3×10個/mL以上1×10個/mL以下である、[1]~[10]のいずれか一つに記載の製造方法。
[12]ゲル形成性ポリマー及び細胞を含む、[1]~[11]のいずれか一つに記載の製造方法を実施するための、キット。
[13][1]~[11]のいずれか一つに記載の製造方法で製造された、細胞凝集塊。
[14][1]~[11]のいずれか一つに記載の製造方法で製造された細胞凝集塊を含む、人工血管。
本開示の製造方法によれば、サイズの制御された細胞凝集塊を作製することができる。作製される細胞凝集塊のサイズを制御することができれば、細胞凝集塊に含有される細胞の生存率及びタンパク質産生能等といった細胞凝集塊のサイズに依存して変化することが知られている細胞凝集塊が示す性質についても制御することができる。
また、本開示の製造方法によれば、サイズの制御された細胞凝集塊を量産することができる。本開示の製造方法における細胞包埋ゲル断片のサイズ制御方法は限定されず、セルストレーナー(ふるい)及びセルソーター等を用いることができるため、量産化が可能である。量産されたサイズの制御された細胞凝集塊を用いることで、再現性及び均質性のある再生組織構造体の作製又は薬物評価若しくはスクリーニング等を効率的に行うことができる。
さらに、本開示の製造方法によれば、生体内に近い環境が再現された細胞凝集塊を作製することができる。本開示の製造方法によって製造された細胞凝集塊においては、細胞がゲルに包埋された状態となるため、細胞のみを用いて細胞凝集塊を作製した場合、及びゲルの粉砕物に細胞を接着させる場合と比較して、酸素及び栄養の枯渇による細胞死を抑制しながら、周囲の細胞及び細胞外マトリックスとの三次元的相互作用並びに表層から中心部への代謝勾配等を生体内に近い環境で再現することができる。また、本開示の製造方法においては、細胞凝集塊の使用の目的に合わせてゲル形成性ポリマーを選択することができ、例えば細胞凝集塊を再生組織構造体の作製に使用する場合には、生体適合性が高いゲル形成性ポリマーを用いると、作製される再生組織構造体の生体適合性を高めることができる。
(A)実施例2において、フィルタによりサイズを制御したサンプルに含まれる細胞包埋フィブロインゲル断片を播種直後に観察した結果を表す図である。(B)実施例1における、フィルタによるサイズ制御を行わなかったサンプルに含まれる細胞包埋フィブロインゲル断片を播種直後に観察した結果を表す図である。 実施例2において、培養開始後0、2、4、6及び8日目における細胞包埋フィブロインゲル断片を観察した結果を表す図である。 実施例3において、細胞包埋フィブロインゲル断片の培養開始後3、5、7、11、14、18、21、24及び28日目に、WST-1アッセイによって得られた450nmにおける吸光度と650nmにおける吸光度の差分の推移を表す図である。 実施例4において、固定処理した細胞凝集塊をヘキスト33342/PBS溶液で染色し、蛍光観察することによって得られた細胞凝集塊断面の細胞核染色像を表す図である。 実施例5において、培養開始後0、2、4及び6日目における細胞包埋コラーゲンゲル断片を観察した結果を表す図である。 実施例6において、培養開始後0、2、4、6、8、10及び14日目における肝臓細胞包埋フィブロインゲル断片を観察した結果を表す図である。 実施例7において、細胞包埋ゲル又は細胞から作製した細胞凝集塊の位相差像の経時変化を示す図である。 実施例7において、細胞凝集塊の投影面積の経時変化を示す図である。 実施例7において、細胞凝集塊の円形度の経時変化を示す図である。 実施例7において、細胞凝集塊の長軸長の経時変化を示す図である。 実施例7において、細胞凝集塊の短軸長の経時変化を示す図である。 実施例8において、細胞包埋ゲルから作製した細胞凝集塊のヘマトキシリン&エオジン染色の結果を示す図である。 実施例8において、細胞包埋ゲルから作製した細胞凝集塊のLive/Dead染色の結果を示す図である。 実施例8において、細胞から作製した細胞凝集塊のヘマトキシリン&エオジン染色の結果を示す図である。
以下、本開示を実施するための形態について詳細に説明するが、本開示は以下の実施形態に限定されるものではない。
本開示の一側面は、細胞凝集塊の製造方法であって、(工程A)ゲル形成性ポリマーを含有する細胞懸濁液を調製する工程、(工程B)上記細胞懸濁液中の上記ゲル形成性ポリマーをゲル化させる工程、(工程C)上記ゲル形成性ポリマーをゲル化させる工程で得られた細胞包埋ゲルをサイズの制御された細胞包埋ゲル断片にする工程、及び(工程D)上記サイズの制御された細胞包埋ゲル断片を培養する工程を含む、製造方法である。
工程Aは、ゲル形成性ポリマーを含有する細胞懸濁液を調製する工程である。ゲル形成性ポリマーを含有する細胞懸濁液は、少なくともゲル形成性ポリマー及び細胞を含有する水である。
本開示において、ゲル形成性ポリマーとは、細胞を包埋可能なゲルを形成することができるポリマー及びその混合物を意味する。ゲル形成性ポリマーにおけるポリマーとしては、アミノ酸のポリマーであるタンパク質及びその重合体、糖のポリマーである多糖及び合成ポリマー等を挙げることができる。
タンパク質及びその重合体であるゲル形成性ポリマーとしては、例えばシルク、コラーゲン、キトサン、エラスチン及びゼラチン等を挙げることができ、また例えばマトリゲル等のラミニン及びエンタクチン等の混合物を挙げることもできる。本開示において「シルク」とは、昆虫をはじめとする節足動物によって分泌、紡糸される繊維状タンパク質を意味し、フィブロイン及びセリシン等を含む。ゲル形成性ポリマーがシルクである場合、その由来は特に限定されず、例えば昆虫が分泌する繭糸又はクモ目(Araneae)に属する動物が産生する牽引糸から単離したシルクであってもよく、絹糸腺から抽出した液状のシルクや昆虫が分泌する繭糸から単離したシルクであってもよい。またシルクは、例えばカイコ(家蚕、Bombyx mori)又はハチ目スズメバチ科(Vespinae)又はハチ目ミツバチ科(Adidae)に属する昆虫の幼虫が分泌する繭糸から単離されたシルクであってもよく、カイコの幼虫が分泌する繭糸から単離されたシルク(カイコシルク)であってもよく、カイコのシルクに含まれるフィブロイン(カイコシルクフィブロイン)又はカイコのシルクに含まれるセリシン(カイコシルクセリシン)であってもよい。ゲル形成性ポリマーがコラーゲンである場合、その由来及びタイプは限定されず、例えばI型コラーゲン、II型コラーゲン、III型コラーゲン、V型コラーゲン又はそれらの混合物であってもよい。
多糖であるゲル形成性ポリマーとしては、例えばアガロース、アガロペクチン、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、ヒアルロン酸、カラギーナン、ジェランガム及びタマリンドシードガムを挙げることができる。これらは単独で用いられてもよく、複数種の混合物として用いられてもよく、またローストビーンガム等のゲル化を促進する多糖との混合物として用いられてもよい。
合成ポリマーであるゲル形成性ポリマーとしては、例えばポリビニルアルコール及び架橋性デキストラン等を挙げることができる。
本開示に係るゲル形成性ポリマーは、例えばシルク、コラーゲン、キトサン、エラスチン、アガロース、メチルセルロース及びポリビニルアルコールからなる群より選択される少なくとも1つであってよく、好ましい一実施形態においてはシルク、コラーゲン、アガロース及びメチルセルロースからなる群より選択される少なくとも1つであってよく、他の好ましい一実施形態においてはシルク、コラーゲン、キトサン及びエラスチンからなる群より選択される少なくとも1つであってよく、より好ましい一実施形態においてはシルク又はコラーゲンであってよく、さらに好ましい一実施形態おいてはシルクであってもよい。また、本開示におけるシルクは、好ましい一実施形態においてはカイコシルクであってよく、他の好ましい一実施形態においてはフィブロイン及びセリシンからなる群から選択される少なくとも一つであってもよく、より好ましい一実施形態においてはカイコシルクフィブロイン及びカイコシルクセリシンからなる群から選択される少なくとも一つであってもよく、さらに好ましい一実施形態においてはカイコシルクフィブロインであってもよい。カイコシルクフィブロイン等のフィブロインゲルは破断ひずみが小さく、粉砕しやすいため、ゲル形成性ポリマーがカイコシルクフィブロイン等のフィブロインゲルであると、後述する工程Cにおける細胞包埋ゲル断片の作製を細胞へのダメージを抑えながら高効率に行うことができ、細胞凝集塊を量産化することができる。
ゲル形成性ポリマーを含有する細胞懸濁液におけるゲル形成性ポリマーの濃度は、細胞包埋ゲルを作製可能な濃度あれば限定されず、ゲル形成性ポリマー及び細胞の種類に応じて定めることができ、例えば0.02w/v%以上50w/v%以下、0.05w/v%以上30w/v%以下、0.10w/v%以上20w/v%以下、0.15w/v%以上15w/v%以下又は0.20w/v%以上10w/v%以下であってよいか、一般に適切な濃度範囲はゲル形成性ポリマーの種類に大きく依存する。例えば、ゲル形成性ポリマーがフィブロインである場合、フィブロイン濃度としては例えば0.50w/v%以上20w/v%以下、1.0w/v%以上10w/v%以下、2.0w/v%以上8。0w/v%以下又は2.5w/v%以上5.0w/v%以下であってよく、また例えばゲル形成性ポリマーがI型コラーゲンである場合、I型コラーゲン濃度としては例えば0.05w/v%以上5.0w/v%以下、0.10w/v%以上3.0w/v%以下、0.15w/v%以上2.0w/v%以下又は0.20w/v%以上1.0w/v%以下であってよい。
本開示において、ゲル形成性ポリマーを含有する細胞懸濁液に含まれる細胞は特に限定されず、例えば初代培養細胞又は株化細胞のいずれであってもよく、接着細胞又は浮遊細胞のいずれであってもよく、またその由来となる動物及び疾患等も特に限定されない。細胞は、例えば接着細胞であってよく、上皮細胞であってもよく、線維芽細胞又は肝臓細胞であってもよい。
ゲル形成性ポリマーを含有する細胞懸濁液に含まれる細胞の濃度は特に限定されず、ゲル形成性ポリマー及び細胞の種類に応じて定めることができ、例えば1×10個/mL以上1×10個/mL以下であってよく、1×10個/mL以上1×10個/mL以下であってもよく、3×10個/mL以上3×10個/mL以下であってもよく、1×10個/mL以上1×10個/mL以下であってもよく、3×10個/mL以上7×10個/mL以下であってもよく、4×10個/mL以上6×10個/mL以下であってもよい。
本開示の好ましい一実施形態において、ゲル形成性ポリマーは細胞接着性のポリマーであり、かつ細胞は接着細胞である。このようなゲル形成性ポリマーと細胞の組み合わせによれば、接着細胞がポリマーに接着した状態で包埋され、生体内の環境に近い状態に置かれる。そうすると、より生体内の環境に近い状態の細胞凝集塊を作製することができることに加え、細胞包埋ゲル断片内において生体内と同様の細胞分裂が生じるため、細胞凝集塊の作製に必要な細胞数が少なくなり、細胞凝集塊を量産することができる。
本開示の他の好ましい一実施形態において、ゲル形成性ポリマーはシルクであり、かつ細胞は線維芽細胞である。シルクは生体において酵素分解される一方で、線維芽細胞はコラーゲン、エラスチン及びヒアルロン酸といった細胞外マトリックスに含まれる内因性のゲル形成性ポリマーを分泌するため、シルクと線維芽細胞の組み合わせによる細胞凝集塊を再生組織構造体の作製に用いると、生体内において細胞凝集塊に含まれるゲルが細胞外マトリックス成分に置換されることとなり、より生体適合性の高い再生組織構造体となる。この場合において、シルクは、カイコシルクであることが好ましい。
本開示の他の好ましい一実施形態において、ゲル形成性ポリマーはシルクであり、かつ細胞は肝臓細胞である。シルクは生体において酵素分解される一方で、肝臓組織の主成分である肝細胞(肝実質細胞)等の肝臓細胞について、凝集した肝臓細胞同士の間には微細な血管及び胆管が張り巡らされている。よって、シルクと肝臓細胞の組み合わせによる細胞凝集塊を再生組織構造体の作製に用いると、生体内において細胞凝集塊に含まれるゲルが分解され、肝臓細胞を主成分として形成された細胞凝集塊となるため、より生体適合性の高い再生組織構造体となる。また、シルクと肝臓細胞の組み合わせによる細胞凝集塊を薬物の評価又はスクリーニングに用いると、細胞凝集塊の形成の過程において細胞凝集塊に含まれるゲルが分解され、肝臓細胞を主成分として形成された細胞凝集塊となるため、肝小葉などの肝臓組織において肝臓細胞同士の間に張り巡らされる微細な血管及び胆管が存在する条件下において、薬物の毒性及び代謝物等について評価することができる。
ゲル形成性ポリマーを含有する細胞懸濁液は、ゲル形成性ポリマー及び細胞以外のその他成分を含んでいてもよい。その他成分としては、例えば細胞培養に通常用いられる成分及び細胞接着性を高める成分等を挙げることができ、また水溶性の低い成分を水に溶解させるための成分としてジメチルスルホキシド、エタノール及び界面活性剤等をさらに挙げることもできる。
細胞培養に通常用いられる成分としては、例えばD-グルコース、D-ガラクトース、L-グルタミン及びピルビン酸ナトリウム等のエネルギー源、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化カリウム及び硫酸マグネシウム等の金属イオン源、塩化ナトリウム等の浸透圧調整剤、塩酸、炭酸及び炭酸水素ナトリウム等のpH調整剤、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、トリスヒドロキシメチルアミノメタン(Tris)及び4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)等の緩衝剤、必須アミノ酸を含むアミノ酸、ビタミン、牛胎児血清アルブミン(FBS)等の血清並びにペニシリン及びストレプトマイシン等の抗生物質等を挙げることができる。これらは塩又は水和物として添加されてもよく、またDulbecco’s Modified Eagle Medium(DMEM)及びRoswell Park Memorial Institute(RPMI)1640等の汎用培地に含まれる成分として添加されてもよい。
細胞接着性を高める成分としては、コラーゲン、キトサン、エラスチン及びゼラチン等のタンパク質及びその重合体であるゲル形成性ポリマーに加えて、例えばフィブロネクチン、ラミニン及びビトロネクチン等の細胞外マトリックス成分、Arg-Gly-Asp(RGD)、Arg-Glu-Asp-Val(REDV)、Tyr-Ile-Gly-Ser-Arg(YIGSR)及びIle-Lys-Val-Ala-Val(IKVAV)等の細胞接着性ペプチド並びにポリリジン等を挙げることができる。
工程Aにおけるゲル形成性ポリマーを含有する細胞懸濁液を調製する工程における調製方法は、ゲル形成性ポリマーを含有する溶液に細胞を添加することができる方法であれば、特に限定されない。例えば、ゲル形成性ポリマーを含有する溶液と細胞懸濁液とを混和する方法、又は細胞のペレットに対してゲル形成性ポリマーを含有する溶液を添加する方法等によって調製することができる。この場合、上述したその他成分はゲル形成性ポリマーを含有する溶液及び/又は細胞懸濁液に含まれていてもよく、またさらに別の溶液として添加されてもよい。
工程Bは、工程Aにおいて調製した細胞懸濁液中のゲル形成性ポリマーをゲル化させる工程である。工程Bにおいて細胞懸濁液中のゲル形成性ポリマーをゲル化させることにより、細胞包埋ゲルが作製される。
ゲル形成性ポリマーのゲル化は、ゲル形成性ポリマーに対して、ゲル化を開始する刺激が与えられることによって開始するが、ゲル化を開始する刺激は、工程Aにおいてゲル形成性ポリマーを含有する溶液(すなわち、細胞を含有せず、かつゲル形成性ポリマーを含有する溶液)に対して与えられてもよく、工程Bにおいてゲル形成ポリマーを含有する細胞懸濁液に対して与えられてもよい。すなわち、一実施形態において、工程Aはゲル形成性ポリマーを含有する溶液にゲル化を開始する刺激を与えること及び刺激を与えられたゲル形成性ポリマーを含有する溶液に細胞を添加することを含んでもよく、他の一実施形態において、工程Aはゲル形成性ポリマーを含有する溶液に細胞を添加することを含み、かつ工程Bがゲル形成性ポリマーを含有する細胞懸濁液にゲル化を開始する刺激を与えることを含んでもよい。
ゲル化を開始する刺激としては、加熱若しくは冷却による温度刺激、超音波刺激、pH変化刺激及び特定のイオン、架橋剤、糖若しくはアルコール等を添加する刺激等を挙げることができ、これらはゲル形成性ポリマーの種類に応じて選択することができる。例えば、ゲル形成性ポリマーがI型コラーゲンである場合、I型コラーゲンは中性条件かつ37℃付近の温度条件においてゲル化しやすくなるため、ゲル化を開始する刺激としては、例えばI型コラーゲンを含有する酸性かつ37℃付近の溶液に対してpH調整剤として塩基を添加して中性にするpH変化刺激や、I型コラーゲンを含有する中性かつ0~10℃付近の溶液を加熱して37℃付近にする温度刺激等を用いることができる。また、例えば、ゲル形成性ポリマーがフィブロインである場合、フィブロインは超音波照射によりゲル化しやすくなるため、ゲル化を開始する刺激としては、例えば超音波刺激を用いることができる。また、例えば、ゲル形成性ポリマーがアガロースである場合、アガロース水溶液は一度80℃以上の高温状態に曝露して液体状態にしたあと、40℃付近又はそれ以下の温度まで冷却するとゲル化しやすくなることが知られているため、ゲル化を開始する刺激としては、例えば一度80℃以上の高温状態に曝露した後に40℃付近又はそれ以下の温度まで冷却する温度刺激を用いることができる。
なお、ゲル化を開始する刺激が、細胞が生存可能な温度領域の範囲外への加熱若しくは冷却、超音波照射又は細胞が生存可能なpH領域の範囲外へのpH変化等を伴う場合、細胞に与えるダメージを抑える観点から、ゲル化を開始する刺激は、工程Aにおいてゲル形成性ポリマーを含有する溶液(すなわち、細胞を含有せず、かつゲル形成性ポリマーを含有する溶液)に対して与えられることが好ましい。
工程Bにおける細胞懸濁液中のゲル形成性ポリマーのゲル化は、ゲル化を開始する刺激を与えられたゲル形成性ポリマーを含有する細胞懸濁液をインキュベートすることによって行うことができる。インキュベートの条件は、ゲル形成性ポリマーがゲル化することができ、かつ細胞に与えるダメージを抑えることができる条件であれば特に限定されず、例えば37℃、5%CO、湿度100%の条件下で1分~24時間インキュベートすることにより行うことができる。インキュベートの時間はゲル形成性ポリマーの種類に応じて選択することができ、例えば1分~24時間、5分~6時間、10分~3時間又は15分~1時間であってもよい。
工程Cは、ゲル形成性ポリマーをゲル化させる工程で得られた細胞包埋ゲルをサイズの制御された細胞包埋ゲル断片にする工程である。細胞包埋ゲル断片のサイズを制御することで、最終的に得られる細胞凝集塊のサイズを制御することができる。
工程Cにおける細胞包埋ゲルをサイズの制御された細胞包埋ゲル断片にする方法は、細胞包埋ゲルのサイズを小さくし、かつそのサイズを制御することができる方法であれば特に限定されず、例えば目的のサイズになるようにレーザー等によって細胞包埋ゲルを切断する方法又は細胞包埋ゲルを粉砕し、その粉砕物のサイズを制御する方法等であってもよいが、細胞凝集塊を効率的に量産する観点及び局所加熱による細胞へのダメージを抑える観点から、細胞包埋ゲルを粉砕し、その粉砕物のサイズを制御する方法であることが好ましい。すなわち、好ましい一実施形態において、工程Cは、(工程C-1)細胞包埋ゲルを粉砕すること、及び(工程C-2)得られた粉砕物を選別してサイズの制御された細胞包埋ゲル断片を得ることを含む。
工程C-1において細胞包埋ゲルを粉砕する方法は、細胞に対するダメージを抑えながら粉砕可能な方法であれば特に限定されず、例えば細胞包埋ゲルに対してバッファー又は細胞培養培地等の溶液を添加した状態におけるピペッティング、タッピング及び振盪等の方法により行うことができる。
工程C-2において細胞包埋ゲルの粉砕物を選別する方法は、細胞包埋ゲル断片のサイズを制御することができる方法であれば特に限定されず、例えばFalcon(登録商標)セルストレーナー(コーニング社)若しくはPluriStrainer(PluriSelect Life Science社)等のセルストレーナー(ふるい)又はBD FACSMelody(登録商標)セルソーター(ベクトン・ディッキンソン社)若しくはOn-Chip Sort(オンチップ・バイオテクノロジーズ社)等のセルソーターを用いることができる。
工程C-2における細胞包埋ゲル断片のサイズ制御は、細胞包埋ゲル断片の直径の下限のみを制御してもよく、下限及び上限の両方を制御してもよい。細胞包埋ゲル断片の直径の下限及び上限の制御をセルストレーナーで行う場合においては、例えば細胞包埋ゲルの粉砕物を含む溶液を、まず直径の上限値に対応するメッシュサイズを有するセルストレーナーに入れ、フィルタを通過した細胞懸濁液を続いて直径の下限値に対応するメッシュサイズを有するセルストレーナーに入れて、フィルタを透過しなかった細胞包埋ゲル断片を回収することで、細胞包埋ゲル断片の直径が下限値以上上限値以下の細胞包埋ゲル断片を選別することができる。
細胞包埋ゲル断片の直径の下限としては、例えば30μm、50μm、70μm、100μm、130μm、150μm、200μm、250μm、300μm、350μm、400μm、450μm又は500μmであってよく、上限としては、例えば1500μm、1000μm、900μm、800μm、750μm、700μm、650μm、600μm、500μm、400μm、300μm、250μm、200μm、150μm、130μm又は100μmであってよい。
工程Dは、サイズの制御された細胞包埋ゲル断片を培養する工程である。細胞包埋ゲル断片を培養することで、細胞包埋ゲル断片に包埋された細胞が増殖し、細胞凝集塊を得ることができる。
工程Dにおける細胞包埋ゲル断片の培養方法は特に限定されないが、通常は細胞培養培地中でインキュベートすることによって行われる。細胞培養培地としては、細胞培養において通常用いられるものを用いることができ、例えば上述した細胞培養に通常用いられる成分を含有する培地中でインキュベートしてもよく、Dulbecco’s Modified Eagle Medium(DMEM)又はRoswell Park Memorial Institute(RPMI)1640等の汎用培地中でインキュベートしてもよい。また、培養条件も細胞培養において通常用いられるものを用いることができ、例えば37℃、5%CO、湿度100%の条件下においてインキュベートしてもよい。
工程Dにおける培養期間は特に限定されず、用いるゲル形成性ポリマー及び細胞の種類に応じて定めることができる。培養期間としては、例えば1日間以上60日間以下、2日間以上50日間以下、3日間以上40日間以下又は4日間以上30日間以下であってよい。
工程Dにおける培養期間中、エネルギーを安定的に供給して細胞増殖を促進し、かつ細胞死を抑制する観点から、細胞培養培地を定期的に新鮮な細胞培養培地に交換することが好ましい。培地交換における培地の除去方法は特に限定されず、例えば細胞包埋ゲル断片を含む培地を静置し、細胞包埋ゲル断片が沈殿した状態において培地をデカンテーション等により除去してもよく、また細胞包埋ゲル断片を含む培地を遠心分離することにより細胞包埋ゲル断片を沈殿させ、上清を除くことにより除去してもよい。培地交換の頻度としては、例えば1~4日毎、1~3日毎、2~3日毎、1日毎、2日毎又は3日毎等であってよい。
本開示の一側面の一実施形態に係る製造方法では、細胞包埋ゲル断片における細胞の増殖速度が速い。例えば、本開示の一側面に係る製造方法では、工程Dにおける培養開始21日目の細胞包埋ゲル断片に含まれる細胞数が、工程Dにおける培養開始0日目の細胞包埋ゲル断片に含まれる細胞数の10倍以上、20倍以上、30倍以上、50倍以上、70倍以上、100倍以上、130倍以上、200倍以上又は300倍以上であってよい。
本開示の一側面に係る製造方法は、例えば再生組織構造体の作製又は薬物評価若しくはスクリーニング等に使用する細胞凝集塊の製造に用いることができ、典型的には3Dバイオプリンティングに使用する細胞凝集塊の製造に用いることができる。3Dバイオプリンティングにおいては、細胞凝集塊を三次元的に一定のパターンで配列することで、細胞凝集塊を主成分とし、狙った構造を有する三次元構造体が作製される。
細胞凝集塊の使用対象となる再生組織構造体は特に限定されず、例えば人工血管若しくは神経導管等の管状の人工組織又は臓器等の人工器官等であってよい。本開示の一側面に係る製造方法によれば、サイズが制御された細胞凝集塊を高効率に製造することができるため、再生組織構造体の作製に使用可能な細胞凝集塊を量産することができる。また、本開示の一側面に係る製造方法においては、細胞凝集塊の使用の目的に合わせてゲル形成性ポリマーを選択することができ、例えば細胞凝集塊を管状の人工組織又は人工器官等の作製に使用する場合には、生体適合性が高いゲル形成性ポリマーを用いると、作製される管状の人工組織又は人工器官等の生体適合性を高めることができる。
本開示の一側面に係る製造方法によれば、評価又はスクリーニングの対象となる薬剤及びその標的疾患に応じて、細胞凝集塊に含有される細胞及び細胞凝集塊のサイズを任意に選択することができ、かつそのような細胞凝集塊を量産することができる。そうすると、薬物の評価及びスクリーニング等に用いる場合には、細胞凝集塊に含有される細胞の生存率及びタンパク質産生能等といった細胞凝集塊のサイズに依存して変化することが知られている細胞凝集塊が示す性質についても制御することができ、また、量産されたサイズの制御された細胞凝集塊を用いることで、再現性及び均質性のある薬物の評価及びスクリーニング等を効率的に行うことができ、さらに、酸素及び栄養の枯渇による細胞死を抑制しながら、周囲の細胞及び細胞外マトリックスとの三次元的相互作用並びに表層から中心部への代謝勾配等を生体内に近い環境で再現することができる。
本開示の他の一側面は、ゲル形成性ポリマー及び細胞を含む、本開示の一側面に係る製造方法を実施するための、キットである。ゲル形成性ポリマー及び細胞は、本開示の一側面に係る製造方法と同様のゲル形成性ポリマー及び細胞を用いることができ、またゲル形成性ポリマー及び細胞に加えて、さらに本開示の一側面に係る製造方法において説明したその他成分及び培地等を含んでいてもよい。
本開示の他の一側面は、本開示の一側面に係る製造方法で製造された、細胞凝集塊である。
本開示の他の一側面は、本開示の一側面に係る製造方法で製造された細胞凝集塊を含む、人工血管である。人工血管は、本開示の一側面に係る製造方法で製造された細胞凝集塊を用いた3Dバイオプリンティングにより、例えば特許文献4に記載の方法で作製することができる。この場合において、使用する細胞凝集塊のサイズとしては、例えば直径100μm以上1500μm以下、130μm以上1000μm以下、200μm以上800μm以下又は250μm以上650μm以下であってよい。
以下に実施例に基づいて本開示を具体的に説明するが、本開示は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1:細胞包埋ゲルの作製]
(1)フィブロイン水溶液の調製
家蚕(Bombyx mori)の繭(あつまるホールディングス社より購入)を、90℃以上の0.02M炭酸ナトリウム水溶液中で30分間撹拌した後、熱水中で洗浄することで精練し、シルクセリシンタンパク質層が除かれたフィブロインタンパク質を得た。得られたフィブロインを室内環境で一晩乾燥させた。フィブロイン3gを9M臭化リチウム水溶液50mL中に3~6時間浸漬し、その後、室温で一晩撹拌することで、溶解した。得られたフィブロイン溶液を、分画分子量6000~8000の透析膜(Repligen社より購入)を用いて、脱イオン水中で浴比×160、室温の条件下、3日間で透析外液を6回交換して透析し、フィブロイン水溶液を得た。透析膜中のフィブロイン水溶液を室温で風乾することで濃縮し、コニカルチューブに移してからオートクレーブ滅菌(121℃、2気圧、20分)を2回行った。以降、フィブロイン水溶液は清潔操作で取り扱った。フィブロイン水溶液を遠心(40000×g、20℃、30分)して不溶物を除いた後、保存用のチューブに移した。フィブロイン水溶液の一部を採取し、凍結乾燥によりフィブロイン水溶液の濃度を求めた。
(2)線維芽細胞懸濁液の調製
凍結保存された、マウス線維芽細胞であるNIH/3T3細胞(国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 JCRB細胞バンクより分譲)を37℃で解凍し、10%牛胎児血清(Hyclone社より購入)と1%ペニシリン-ストレプトマイシン(Gibco、Thermo Fisher Scientific社より購入)を含有したダルベッコ改変イーグル培地(Gibco、Thermo Fisher Scientific社より購入)(以下では、「培地」とも記載する。)中に懸濁した後、組織培養用培養皿(IWAKI社より購入)上に播種し、COインキュベータ(アステック社より購入)内で、37℃、5%CO、湿度100%の条件下で3日間培養した。培養中、2日に1回培地交換を行った。培地を除去し、PBSで洗浄した後、0.25%トリプシン-EDTA液(Gibco、Thermo Fisher Scientific社より購入)を添加して、組織培養用培養皿から細胞を剥離した。培地を加えることでトリプシン-EDTAをクエンチした後、遠心(300×g、室温、3分)して細胞を沈殿させ、上清を除いた。沈殿した細胞をPBS(Gibco、Thermo Fisher Scientific社より購入)で洗浄した後、培地を加えて細胞を懸濁させた。細胞懸濁液の一部を採取し、0.4%トリパンブルー(Gibco、Thermo Fisher Scientific社より購入)を加えて死細胞を染色した後、血球計算盤(NanoEntek社より購入)を用いて生細胞をカウントすることで細胞懸濁液の生細胞濃度を求めた。その後、培地を用いて細胞懸濁液を希釈し、生細胞濃度を1×10又は1×10cells/mLに調整した。
(3)フィブロインゲルへの線維芽細胞の包埋
(1)で調製したフィブロイン水溶液を、滅菌水と、孔径0.22μmのフィルタを通して滅菌した10倍濃縮PBSで希釈することで、6w/v%(60mg/mL)フィブロイン/PBS溶液を得た。超音波ホモジナイザー(VCX-750、Sonics&Materials社より購入)を用いて、フィブロイン/PBS溶液に超音波照射(室温、10秒)し、ゲル化を開始させた。超音波照射直後のフィブロイン/PBS溶液と、(2)で調製した線維芽細胞懸濁液とを体積比1:1で混合して、細胞懸濁フィブロイン溶液を得た(フィブロイン終濃度:3w/v%、線維芽細胞終濃度:5×10又は5×10cells/mL)。得られた細胞懸濁フィブロイン溶液を37℃、5%CO、湿度100%の条件下で15分間インキュベートしてフィブロインのゲル化を完了させ、線維芽細胞包埋フィブロインゲルを得た。
[実施例2:細胞凝集塊の作製]
実施例1(3)において、フィブロイン濃度3w/v%、生細胞濃度5×10cells/mLの細胞懸濁フィブロイン溶液100μLから作製した細胞包埋フィブロインゲルに対して、培地を100μL添加し、1000μL用マイクロピペット(エッペンドルフ社より購入)を用いたピペッティング(出し入れ20回程度)により粉砕した。粉砕した細胞包埋フィブロインゲル粉砕物の懸濁液をフィルタ(セルストレーナー、孔径70μm、コーニング社より購入)に入れ、フィルタを通過しなかった細胞包埋フィブロインゲル粉砕物、すなわち直径が70μmを超える細胞包埋フィブロインゲル断片を回収した。回収できた細胞包埋フィブロインゲル断片は35mmディッシュ1枚あたり約8000個であった。細胞包埋フィブロインゲル断片をガラスボトム培養皿(IWAKI社より購入)に播種したサンプルを用意した。また、粉砕した細胞包埋フィブロインゲル粉砕物の懸濁液をそのままガラスボトム培養皿に播種したサンプルも用意した。フィルタによりサイズを制御したサンプルを、COインキュベータ内に設置した×4固定対物レンズ搭載顕微鏡(BioStudio-mini、ニコン社より購入)で播種直後に観察した結果を図1(A)に示す。フィルタによるサイズ制御を行っていないサンプルを×10固定対物レンズ搭載顕微鏡(BioStudio-mini、ニコン社より貸与)で播種直後に観察した結果を図1(B)に示す。図1によれば、フィルタによるサイズ制御を行ったサンプルではサイズの小さな細胞包埋フィブロインゲル断片が見られなかったのに対し、フィルタによるサイズ制御を行わなかったサンプルではサイズが小さな細胞包埋フィブロインゲル断片が数多く観察されたことから、フィルタを用いることで、直径の小さい細胞包埋フィブロインゲル粒子が取り除かれたことが示された。
続いて、フィルタによるサイズ制御を行ったサンプルについて、細胞包埋フィブロインゲル断片を37℃、5%CO、湿度100%の条件下で、タイムラプス観察しながら8日間培養した。培養中、2日に1回の頻度で、ガラスボトム培養皿内の細胞包埋フィブロインゲル断片懸濁液を全量2mLのマイクロチューブ(エッペンドルフ社より購入)に回収した後にスピンダウンを行い、上清を除いて新鮮な培地を添加し、新たなガラスボトム培養皿に播種することで培地交換を行った。細胞包埋フィブロインゲル断片の培養開始後0、2、4、6及び8日目における細胞包埋フィブロインゲル断片をCOインキュベータ内に設置した×4固定対物レンズ搭載顕微鏡(BioStudio-mini、ニコン社より購入)で観察した結果を図2に示す。図2によれば、培養期間を経るごとにフィブロインゲル粒子表面が細胞に覆われ、かつ培養期間中における細胞包埋フィブロインゲル断片のサイズの顕著な変化は見られなかったことから、フィルタによるサイズ制御を行った細胞包埋フィブロインゲル断片を培養することで、サイズの制御された細胞凝集塊が作製可能であることが示された。
[実施例3:細胞凝集塊中の細胞の増殖性の評価]
本開示の細胞凝集塊の製造方法において、細胞凝集塊に含まれる細胞が増殖するかを検討した。
実施例1(3)において、フィブロイン濃度:3w/v%、生細胞濃度5×10cells/mLの細胞懸濁フィブロイン溶液100μLから作製した細胞包埋フィブロインゲルについて、実施例2と同様の方法によって細胞包埋フィブロインゲル断片を作製し、24ウェル組織培養プレート(IWAKI社より購入)に播種して、28日間培養した。なお、培地の量は500μL/ウェルとし、培養中、培地交換は実施例2と同様の方法によって1~3日毎に行った。細胞包埋フィブロインゲル断片の培養開始後3、5、7、11、14、18、21、24及び28日目に、以下に述べる方法でWST-1アッセイを実施し、細胞凝集塊に含まれる細胞の量を評価した。
ウェル内の細胞包埋フィブロインゲル断片懸濁液を全量2mLのマイクロチューブ(エッペンドルフ社より購入)に回収した後にスピンダウンを行い、上清を除いて新鮮な培地500μLを添加した後、新たな24ウェル組織培養プレートに播種した。そこに、WST-1試薬(Roche社より購入)を50μL添加し、37℃、5%CO、湿度100%の条件下で2時間静置した。その後、ウェル内の細胞包埋フィブロインゲル断片懸濁液を全量2mLのマイクロチューブに回収した後にスピンダウンを行った。上清75μLを96ウェルアッセイプレート(IWAKI社より購入)のウェルに添加し、マイクロプレートリーダー(Varioskan LUX、Thermo Fisher Scientific社より購入)を用いて、波長450nm及び650nmの吸光度を測定した。650nmにおける吸光度は参照用吸光度とし、450nmにおける吸光度と650nmにおける吸光度の差分を細胞の量の指標とし、その推移から細胞凝集塊に含まれる細胞の量を評価した。結果を図3に示す。
図3によれば、培養5~11日目にかけて一旦吸光度は減少したものの、その後、吸光度は増加したことから、細胞凝集塊中の細胞は増殖することが示された。
[実施例4:細胞凝集塊内部の細胞の染色]
実施例2及び3において見られた細胞の増殖が、細胞凝集塊の表面のみでなく、細胞凝集塊内部においても生ずるかを検討した。
実施例1(3)において、フィブロイン濃度:3w/v%、生細胞濃度5×10cells/mLの細胞懸濁フィブロイン溶液100μLから作製した細胞包埋フィブロインゲルについて、実施例2と同様の方法によって細胞包埋フィブロインゲル断片を作製し、24ウェル組織培養プレート(IWAKI社より購入)に播種して、培養することで細胞凝集塊を作製した。なお、培地の量は500μL/ウェルとし、培養中、培地交換は実施例2と同様の方法によって1~3日毎に行った。培養開始後28日目に、細胞凝集塊をPBSで洗浄した後、10%中性緩衝ホルマリン(富士フィルム和光純薬社より購入)に浸漬して固定した。固定済の細胞凝集塊をOCTコンパウンド(サクラファインテック社より購入)に包埋し、-20℃で凍結した後、クライオスタット(ライカ社より購入)を用いて10μmの厚さに薄切した。切片をAPSコートスライドガラス(松浪硝子社より購入)に貼り付けた後、室温で乾燥させた。切片の周囲にダコペン(Dako社より購入)で揮発性サークルを描いた後、切片をPBSで洗浄した。その後、切片をヘキスト33342/PBS溶液に室温で10分間浸漬し、細胞核を染色した。なお、ヘキスト33342/PBS溶液は、ヘキスト33342水溶液(同仁化学研究所より購入)とPBSとを体積比1:250で混合して調製した。その後、切片をPBSで2回洗浄し、褪色防止用封入剤(ProLong Gold、Thermo Fisher Scientific社より購入)で封入した。細胞核が染色された切片をDAPI用フィルタキューブ(オリンパス社より購入)がセットされた蛍光顕微鏡(IX-70、オリンパス社より購入)で蛍光観察した。得られた細胞凝集塊断面の細胞核染色像を図4に示す。
図4によれば、ヘキストに由来する蛍光が細胞凝集塊の表面だけでなく、細胞凝集塊内部からも観察されたことから、細胞凝集塊内部にも細胞が存在することが示された。
[実施例5:粉砕した細胞包埋コラーゲンゲルによる細胞凝集塊の作製]
実施例1~4において実証した細胞包埋ゲルを用いた細胞凝集塊の作製が、フィブロインゲル以外の細胞包埋ゲルを用いた場合にも可能であるか検討した。
セルマトリックスTypeI-A(I型コラーゲン濃度3mg/mL、新田ゼラチン社より購入)、再緩衝液(新田ゼラチン社より購入)及び10倍濃縮PBSをクラッシュアイス上において体積比8:1:1で混合し、コラーゲン溶液を調製した。コラーゲン溶液と、実施例1(2)と同様の方法で得た生細胞濃度1×10cells/mLの線維芽細胞懸濁液とを体積比9:1で混合して、細胞懸濁コラーゲン溶液を得た(I型コラーゲン終濃度:2.16mg/mL、線維芽細胞終濃度:1×10cells/mL)。得られた細胞懸濁コラーゲン溶液を、37℃、5%CO、湿度100%の条件下で30分インキュベートしてコラーゲンのゲル化を完了させ、線維芽細胞包埋コラーゲンゲルを得た。
コラーゲン濃度2.16mg/mL、線維芽細胞終濃度1×10cells/mLの細胞懸濁コラーゲン溶液100μLから作製した細胞包埋コラーゲンゲルに対して、培地を100μL添加し、1000μL用マイクロピペットを用いたピペッティングにより粉砕した。粉砕した細胞包埋コラーゲンゲル断片の懸濁液をフィルタ(セルストレーナー、孔径70μm、コーニング社より購入)に入れ、フィルタを通過しなかった細胞包埋コラーゲンゲル断片、すなわち直径が70μmを超える細胞包埋コラーゲンゲル断片を回収した。回収できた細胞包埋コラーゲンゲル断片は1個であった。細胞包埋コラーゲンゲル断片をガラスボトム培養皿に播種し、37℃、5%CO、湿度100%の条件下で、タイムラプス観察しながら8日間培養した。培養中、2日に1回の頻度で、ガラスボトム培養皿内の細胞包埋コラーゲンゲル断片懸濁液を全量2mLのマイクロチューブ(エッペンドルフ社より購入)に回収した後にスピンダウンを行い、上清を除いて新鮮な培地を添加し、新たなガラスボトム培養皿に播種することで培地交換を行った。細胞包埋コラーゲンゲル断片の培養開始後0、2、4及び6日目における細胞包埋コラーゲンゲル断片をCOインキュベータ内に設置した×4固定対物レンズ搭載顕微鏡(BioStudio-mini、ニコン社より購入)で観察した結果を図5に示す。図5によれば、培養期間を経るごとにコラーゲンゲル粒子表面が細胞に覆われたことから、実施例1~4において実証した細胞包埋ゲルを用いた細胞凝集塊の作製が、細胞包埋コラーゲンゲルを用いた場合にも可能であることが示された。
[実施例6:肝臓細胞凝集塊の作製]
実施例1~5において実証した細胞包埋ゲルを用いた細胞凝集塊の作製が、線維芽細胞以外の細胞を用いた場合にも可能であるか検討した。
(1)肝臓細胞懸濁液の調製
凍結保存された、ヒト肝芽腫由来細胞であるHepG2細胞(国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 JCRB細胞バンクより分譲)を37℃で解凍し、培地中に懸濁した後、組織培養用培養皿(IWAKI社より購入)上に播種し、COインキュベータ(アステック社より購入)内で、37℃、5%CO、湿度100%の条件下で4日間培養した。培養中、2日に1回培地交換を行った。その後、実施例1(2)と同様の方法で生細胞濃度が2×10cells/mLの細胞懸濁液を得た。
(2)フィブロインゲルへの肝臓細胞の包埋
(1)で得た肝臓細胞懸濁液を使用し、実施例1(3)と同様の方法で、肝臓細胞包埋フィブロインゲルを得た。
(3)肝臓細胞凝集塊の作製
(2)において、フィブロイン濃度3w/v%、肝臓細胞濃度1×10cells/mLの細胞懸濁フィブロイン溶液100μLから作製した細胞包埋フィブロインゲルに対して、培地を100μL添加し、1000μL用マイクロピペット(エッペンドルフ社より購入)を用いたピペッティング(出し入れ20回程度)により粉砕した。粉砕した細胞包埋フィブロインゲル粉砕物の懸濁液を孔径の異なる2種類を組み合わせたフィルタ(下から孔径70μm、200μm、PluriStrainer、PluriSelect Life Science社より購入)に入れ、一番上の孔径200μmのフィルタを通過しなかった細胞包埋フィブロインゲル断片を5mLシリンジ(テルモ社より購入)の押し子の持ち手部分で潰した。その後、70μmのフィルタを通過しなかった細胞包埋フィブロインゲル断片、すなわち直径が70~200μmの細胞包埋フィブロインゲル断片を回収した。細胞包埋フィブロインゲル断片を6ウェル組織培養プレート(IWAKI社より購入)に播種し、37℃、5%CO、湿度100%の条件下で、14日間培養した。培養中、2、3日に1回の頻度で、6ウェル組織培養プレート内の細胞包埋フィブロインゲル断片懸濁液を全量回収し、セルストレーナー(孔径70μm、コーニング社より購入)を通して古い培地を除いた。セルストレーナーにフィルタ部を通過しなかった細胞包埋フィブロインゲル断片を回収し、新鮮な培地を入れた新たな6ウェル組織培養プレート(IWAKI社より購入)に播種することで培地交換を行った。細胞包埋フィブロインゲル断片の培養開始後0、2、4、6、8、10及び14日目における細胞包埋フィブロインゲル断片を×10対物レンズを搭載した位相差顕微鏡(IX-70、オリンパス社より購入)で観察した結果を図6に示す。図6によれば、培養期間を経るごとにフィブロインゲル粒子表面が細胞に覆われ、かつ培養期間中における細胞包埋フィブロインゲル断片のサイズの顕著な変化は見られなかったことから、実施例1~5において実証した線維芽細胞包埋ゲルを用いた細胞凝集塊の作製が、肝臓細胞細胞包埋フィブロインゲルを用いた場合にも可能であることが示された。また、一種類のフィルタを用いて得られる細胞凝集塊(図2)よりもサイズの統一された細胞凝集塊が得られたことから、異なる孔径のフィルタを複数組み合わせて用いることで、細胞凝集塊のサイズ制御が容易となることが示された。
[実施例7:細胞凝集塊の形状比較]
細胞包埋フィブロインゲルによって調製した細胞凝集塊と、細胞のみから調製した細胞凝集塊において、サイズ及び形状の経時的な変化を評価した。
(1)細胞包埋フィブロインゲルを用いた細胞凝集塊の調製
実施例1と同様の方法によって、フィブロイン終濃度が3w/v%、線維芽細胞終濃度が5×10cells/mLの細胞懸濁フィブロイン溶液200μLから、細胞包埋フィブロインゲルを作製した。作製した細胞包埋フィブロインゲルに対して、培地を200μL添加し、1000μL用マイクロピペット(エッペンドルフ社より購入)を用いたピペッティング(出し入れ20回程度)により粉砕した。粉砕した細胞包埋フィブロインゲル粉砕物の懸濁液を孔径の異なる2種類を組み合わせたフィルタ(下から孔径500μm、750μm、PluriStrainer、PluriSelect Life Science社より購入)に入れ、一番上の孔径750μmのフィルタを通過しなかった細胞包埋フィブロインゲル断片を5mLシリンジ(テルモ社より購入)の押し子の持ち手部分で潰した。その後、500μmのフィルタを通過しなかった細胞包埋フィブロインゲル断片、すなわち直径が500~750μmの細胞包埋フィブロインゲル断片を回収した。細胞包埋フィブロインゲル断片を6ウェル組織培養プレート(IWAKI社より購入)に播種し、37℃、5%CO、湿度100%の条件下で、1日間培養した。その後、得られた培養物が懸濁した状態の培養液を孔径500μmのフィルタを用いてフィルタリングした。フィルタを通過しなかった培養物を回収し、低細胞接着96穴U字プレート(EZ-BindShut II、IWAKI社より購入)に移植して、37℃、5%CO、湿度100%の条件下で、培養した。なお、培地の量は100μL/ウェルとし、培養中、1~2日毎に培地の半量(50μL)を交換した。
(2)細胞を用いた細胞凝集塊の調製
対照群として、細胞から(すなわち、ゲル形成性ポリマーを用いずに)細胞凝集塊を調製した。実施例1(2)において調製した、線維芽細胞であるNIH/3T3細胞を含む細胞懸濁液を、培地によって細胞濃度2.5×10cells/mLまで希釈した後、低細胞接着96穴U字プレートに対して1ウェル当たり100μL(2.5×10cells/well)となるように移植して、37℃、5%CO、湿度100%の条件下で、培養した。培養中、1~2日毎に培地の半量(50μL)を交換した。
(3)細胞凝集塊の形状評価
低細胞接着96穴U字プレート上での培養開始後3、7、10、14、17及び21日目における、各ウェル内に作製された細胞凝集塊又はその作製中間体を、×4対物レンズを搭載した位相差顕微鏡(IX-70、オリンパス社より購入)で観察した結果を図7に示す。また、図7の写真における細胞凝集塊又はその作製中間体の投影面積、円形度をそれぞれ図8及び図9に示し、また投影された細胞凝集塊又はその作製中間体を楕円形に近似した場合の長軸長及び短軸長をそれぞれ図10及び図11に示す。投影面積、円形度、長軸長及び短軸長は、ImageJソフトウェア(National Institute of Health)を用いた形状解析(面積、円形度および楕円近似)によって評価した。また、図8~11の結果は、n=4における平均値±標準偏差として示した。これらの結果によると、細胞包埋フィブロインゲルを用いて細胞凝集塊を調製すると、培養初期には歪な形状であったが、培養期間を経るごとに縁が滑らかとなり、かつその培養過程で投影面積、長軸長及び短軸長の顕著な変化は見られなかった。これに対し、細胞から細胞凝集塊を調製した場合、培養初期は形状が球状であったものの、培養期間を経ることに形状が歪となり、さらに培養開始して2週間経過頃からは細胞凝集塊が収縮してしまい、投影面積、長軸長及び短軸長の顕著な減少が見られた。これらの結果から、サイズの制御された細胞包埋ゲル断片を培養することによって、サイズの制御された細胞凝集塊を製造できることが示された。
[実施例8:細胞凝集塊内部における細胞状態の評価]
実施例7で調製した細胞凝集塊について、凝集塊内部における細胞状態を評価した。
細胞包埋フィブロインゲル断片から作製した細胞凝集塊について、培養開始後21日目に細胞数をCytotoxicity Detection Kit(LDH)(Roche社より購入)によって評価したところ、細胞凝集塊1つあたりに約1.6×10個の細胞が存在した。培養前の細胞包埋ゲル断片中の細胞数は1個当たり約330~1100個であるから、21日間の培養によって、細胞数は約140~480倍に増殖した。これに対し、実施例7において対照群として作製した、ゲル形成性ポリマーを用いずに細胞から作成した細胞凝集塊では、培養前の細胞濃度が2.5×10cells/well、培養開始から21日後の細胞濃度が2.2×10cells/wellであり、その増殖の倍率は9倍であった。このことから、細胞包埋ゲル断片から作成した細胞凝集塊は、細胞増殖速度が顕著に大きいことが明らかとなった。
実施例4と同様の方法によって、培養開始から21日後に細胞包埋フィブロインゲル断片から作製した細胞凝集塊を洗浄、固定、包埋した後、20μmの厚さに薄切した。切片をAPSコートスライドガラス(松浪硝子社より購入)に貼り付けた後、室温で乾燥させた。スライドガラス上の切片を流水で洗浄した後、マイヤーヘマトキシリン溶液(富士フィルム和光純薬社より購入)に浸漬した(室温、10分)。流水洗浄後、1%エオシンY溶液(富士フィルム和光純薬社より購入)浸漬した(室温、2分)。その後、水道水、70%エタノール(ナカライテスク社より購入)、99.5%エタノール(ナカライテスク社より購入)、キシレン(富士フィルム和光純薬社より購入)に順次浸漬することで脱水、透徹処理を行った。そして、封入剤(エンテランニュー、Merck社より購入)中に封入した。得られたヘマトキシリン&エオジン染色切片を×10及び×60対物レンズを搭載した顕微鏡(IX-70、オリンパス社より購入)で明視野観察した。
培養開始から21日後に細胞包埋フィブロインゲル断片から作製した細胞凝集塊を0.1μMのカルセイン-AM(ナカライテスク社より購入)と1μMのエチジウムホモダイマーIIIが溶解したPBSに浸漬(室温、15分)した。染色済の細胞凝集塊をOCTコンパウンド(サクラファインテック社より購入)に包埋し、液体窒素で凍結した後、クライオスタット(ライカ社より購入)を用いて50μmの厚さに薄切した。切片をAPSコートスライドガラス(松浪硝子社より購入)に貼り付けた後、GFP用フィルタキューブ及びTRITC用フィルタキューブがセットされた蛍光顕微鏡(BZ-X710、キーエンス社より購入)で蛍光観察した。
細胞包埋フィブロインゲル断片から作製した細胞凝集塊を、培養開始から21日後にヘマトキシリン&エオジン染色した結果(左側)及びその拡大図(右側)を図12に示す。細胞包埋フィブロインゲル断片から作製した細胞凝集塊を、培養開始から21日後に0.1μMのカルセイン-AM(生細胞)及び1μMのエチジウムホモダイマーIII(死細胞)で染色した後に、蛍光像を撮像した結果を図13に示す。対照として、細胞から作製した細胞凝集塊を、培養開始から21日後にヘマトキシリン&エオジン染色した結果及びその拡大図を図14に示す。図12の結果によれば、細胞包埋フィブロインゲル断片から作製した細胞凝集塊においては、点線で示した箇所にコラーゲンの蓄積が確認され、細胞凝集塊に含まれるゲルが細胞外マトリックス成分に置換されたことが示された。図12の結果によれば、細胞凝集塊の中心においても細胞の核が円形又は楕円形でであり、かつ染色性も良好であり、また図13の結果によれば、細胞凝集塊の中心に存在する細胞からも生細胞由来の蛍光が観測されたことから、細胞包埋フィブロインゲル断片から作製した細胞凝集塊では、中心部でも細胞が健康に生存可能であることが明らかとなった。これに対し、図14の結果によれば、細胞から作製した細胞凝集塊では、細胞凝集塊の内部の細胞は細胞核の形が歪であり、また染色性も悪かったことから、細胞凝集塊の内部に存在する細胞の状態はあまり良好でないことが明らかとなった。以上の結果から、細胞包埋ゲル断片から作製された細胞凝集塊は、細胞のみから作製した細胞凝集塊よりも、生体内に近い環境を再現できることが示された。

Claims (3)

  1. 細胞凝集塊の製造方法であって、
    ゲル形成性ポリマーを含有する細胞懸濁液を調製する工程、
    前記細胞懸濁液中の前記ゲル形成性ポリマーをゲル化させる工程、
    前記ゲル形成性ポリマーをゲル化させる工程で得られた細胞包埋ゲルをサイズの制御された細胞包埋ゲル断片にする工程、及び
    前記サイズの制御された細胞包埋ゲル断片を培養する工程
    を含み、
    前記細胞包埋ゲルをサイズの制御された細胞包埋ゲル断片にする工程が、
    前記細胞包埋ゲルを粉砕すること、及び
    得られた粉砕物を選別して前記サイズの制御された細胞包埋ゲル断片を得ること
    を含む、製造方法。
  2. 前記ゲル形成性ポリマーがカイコシルクフィブロインである、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記細胞懸濁液に含まれる細胞が線維芽細胞又は肝臓細胞である、請求項1に記載の製造方法。
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