以下、図面を参照して、実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、実施形態に係る在庫管理システムの構成例を示す図である。在庫管理システム1は、例えば、物流センターや倉庫等の施設10に収容される物品(商品、商材等)の管理に用いられる。施設10には、例えば物品を収容するための棚11が設けられる。
また、物品には、物品管理情報の一例であるEPC(Electronic Product Code)を記憶するRFID(Radio Frequency IDentifier)タグが付されている。RFIDタグは無線タグの一例であって、近距離の無線通信によって情報をやりとりする技術に対応したICタグである。以下では、RFIDタグに記憶されたEPC等の情報をタグ情報ともいう。
在庫管理システム1は、入荷ゲート2、出荷ゲート3、タグ発行装置4、サーバ装置5、及びリーダ端末6等を含む。入荷ゲート2、出荷ゲート3、タグ発行装置4及びサーバ装置5と、リーダ端末6とは、有線又は無線のネットワークにより通信可能に接続される。
入荷ゲート2は、施設10内に収容(入庫)される物品が通過するゲート装置である。入荷ゲート2は、物品に付されたRFIDタグからタグ情報を読み取り、読み取ったタグ情報をサーバ装置5へ送信する。より詳細には、入荷ゲート2は、物品から読み取ったタグ情報を、自己の装置を識別可能な識別子(例えば、IPアドレス等)とともにサーバ装置5へ送信する。
入荷ゲート2は、例えば、コンベア上を搬送される物品からRFIDタグを読み取る自動搬送式のトンネルゲート21により実現される。また、入荷ゲート2は、例えば、台車等に載せられた物品からRFIDタグを読み取る手動搬送式のトンネルゲート31により実現される。
出荷ゲート3は、施設10内から出荷(出庫)される物品が通過するゲート装置である。出荷ゲート3は、物品に付されたRFIDタグからタグ情報を読み取り、読み取ったタグ情報をサーバ装置5へ送信する。より詳細には、出荷ゲート3は、物品から読み取ったタグ情報を、自己の装置を識別可能な識別子とともにサーバ装置5へ送信する。
出荷ゲート3は、例えば、入荷ゲート2と同様に、自動搬送式のトンネルゲート21や、手動搬送式のトンネルゲート31により実現される。
タグ発行装置4は、RFIDタグの読み取りと書き込みを行うことが可能なリーダライタ装置である。タグ発行装置4は、例えば、物品に付された既存のRFIDタグが落失や故障等の理由により使用することができなくなった場合に、操作者の操作に応じて、新たなRFIDタグを発行する。
具体的には、タグ発行装置4は、物品の品種を示すJANコードをRFIDタグに書き込むことで、RFIDタグを発行する。また、タグ発行装置4は、書き込んだJANコードを含んだタグ情報(EPC)をRFIDタグから読み取り、読み取ったタグ情報をサーバ装置5へ送信する。より詳細には、タグ発行装置4は、読み取ったタグ情報を、自己の装置を識別可能な識別子とともにサーバ装置5へ送信する。なお、タグ発行装置4で発行された新たなRFIDタグは、該当する物品に付された後、施設10内に収納されるものとする。
サーバ装置5は、情報処理装置の一例である。サーバ装置5は、入荷ゲート2、出荷ゲート3及びタグ発行装置4の各々から送信されるタグ情報を受信し、受信元の装置と受信したタグ情報とに基づいて物品の在庫管理に関するステータスを管理する。また、サーバ装置5は、棚卸業務を行うリーダ端末6で読み取られたRFIDタグの読み取り結果に基づき、棚卸業務の進捗状況を示す画面を表示させたり、棚卸業務を支援する支援情報をリーダ端末6に提供したりする。
リーダ端末6は、無線タグリーダの一例である。リーダ端末6は、物品に付されたRFIDタグからタグ情報を読み取るハンディ型のリーダ装置である。リーダ端末6は、RFIDタグと無線通信することにより、RFIDタグからタグ情報を読み取り、読み取ったタグ情報をサーバ装置5へ送信する。また、リーダ端末6は、サーバ装置5から提供される支援情報を受信し、当該支援情報に応じた画面を表示する。
本実施形態では、リーダ端末6は、主に施設10内に収容された在庫分の物品の数量を計数する棚卸業務に使用される。なお、図1では、2台のリーダ端末6を棚卸業務に用いる例を示しているが、リーダ端末6の台数はこれに限定されない、また、リーダ端末6は、据え置き型のリーダ装置であってもよい。
以下、上述した在庫管理システム1のうち、サーバ装置5及びリーダ端末6の構成について説明する。
まず、図2を参照して、サーバ装置5のハードウェア構成について説明する。図2は、サーバ装置5のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示すように、サーバ装置5は、CPU(Central Processing Unit)51と、ROM(Read Only Memory)52と、RAM(Random Access Memory)53とを備える。
CPU51は、プロセッサの一例である。ROM52、各種のプログラムや設定情報を記憶する。RAM53は、ワーキングメモリであって、各種データの展開に用いられる。CPU51は、バス等を介して、ROM52及びRAM53に接続される。CPU51は、ROM52や後述する記憶部57に記憶されたプログラムをRAM53に読み出して実行することにより、サーバ装置5の動作を統括的に制御する。
また、CPU51には、バス等を介して、表示部54、操作部55、通信部56、及び記憶部57等が接続される。
表示部54は、液晶ディスプレイ等の表示デバイスである。表示部54は、CPU51の制御の下、各種の情報を表示する。操作部55は、キーボードやポインティングデバイス等の入力デバイスである。操作部55は、操作者からの操作を受け付け、受け付けた操作内容を指示する情報をCPU51に出力する。なお、操作部55は、表示部54の表示画面に設けられたタッチパネルであってもよい。
通信部56は、図示しないネットワークに接続することが可能な通信インタフェースである。通信部56は、ネットワークNを介して、入荷ゲート2、出荷ゲート3、タグ発行装置4、及びリーダ端末6等の外部装置との間で各種情報を送受信する。
記憶部57は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記憶装置である。記憶部57は、CPU51が実行可能なプログラムや設定情報を記憶する。また、記憶部57は、ステータス管理テーブル571、理論在庫テーブル572、物品マスタテーブル573、及び棚卸管理テーブル574等を記憶する。
図3は、ステータス管理テーブル571のデータ構成の一例を示す図である。図3に示すように、ステータス管理テーブル571は、倉庫コード、EPC、ステータス、及び読取日時等を記憶する。なお、ステータス管理テーブル571は、ステータス管理情報の一例である。
倉庫コードは、物品が収容される施設10を一意に特定可能な識別情報であって、例えば所定桁数の数字等で構成される。なお、本実施形態では、施設10が単一であるため倉庫コードも単一となるが、施設10が複数存在するような場合には、施設10毎に異なる倉庫コードが登録される。
EPCは、物品に付されたRFIDタグから読み取られたタグ情報に含まれる。EPCは、RFIDタグが付された物品の品種を示すJANコードと、そのRFIDタグ自体を一意に特定する識別情報であるシリアルコードとを含む。例えば、同一種別の複数の物品から読み取られたタグ情報は、JANコードは全て同一となるが、シリアルコードは相違するものとなる。つまり、同一種別の物品であっても、シリアルコードに基づき識別することで、物品を個品単位で特定することができる。
ステータスは、EPCに対応する物品のステータスを示す情報である。ステータスには、在庫対象の物品であることを示す「在庫」や、出荷対象の物品であることを示す「出荷」等の情報が格納される。読取日時は、EPCの読取日時を示す日時情報である。
図4は、理論在庫テーブル572のデータ構成の一例を示す図である。図4に示すように、理論在庫テーブル572は、管理コード、倉庫コード、フロアコード、エリアコード、JANコード、在庫数、及び作成日時等を記憶する。
管理コードは、各レコードを一意的に特定するためのユニークコードである。倉庫コードは、ステータス管理テーブル571が記憶する倉庫コードと同じもので、施設10を一意に特定可能な識別情報である。フロアコードは、施設10内のフロアを一意的に特定する識別情報であって、例えば所定桁数の数字等で構成される。エリアコードは、エリアを一意的に特定する識別情報であって、例えば所定桁数の数字等で構成される。
ここで、倉庫コード、フロアコード及びエリアコードは、例えば棚11の配置位置を特定するために用いられる。一例として、図1に示した施設10の倉庫コードを「101」、棚11が配置されたフロアのフロアコードを「F1」、4つの棚11の各々にエリアコード「A1」~「A4」をそれぞれ割り当てたとする。この場合、倉庫コード、フロアコード及びエリアコードの組により棚11の各々を特定することができる。つまり、倉庫コード、フロアコード及びエリアコードは、施設10内での特定の位置を示す位置情報となる。なお、位置情報は、棚11の列や段を特定するロケーション情報等を更に含んでもよい。
JANコードは、物品の種別を示す情報である。在庫数は、当該JANコードに対応する物品の、同レコードの位置情報が示す位置における、理論在庫数である。作成日時は、当該レコード(在庫情報データ)の作成日時である。
図5は、物品マスタテーブル573のデータ構成の一例を示す図である。図5に示すように、物品マスタテーブル573は、各種物品のJANコードに関連付けて、当該JANコードに対応する物品の物品名(商品名等)を記憶する。なお、物品マスタテーブル573は、物品名以外の情報を関連付けて記憶してもよい。
図6は、棚卸管理テーブル574のデータ構成の一例を示す図である。棚卸管理テーブル574は、リーダ端末6の各々から取得される棚卸業務の結果を示す読取データに基づいて更新される。ここで、読取データは、RFIDタグのタグ情報(EPC)と、当該タグ情報が読み取られた位置を示す位置情報とで構成される。
図6に示すように、棚卸管理テーブル574は、倉庫コード、フロアコード、エリアコード、及びEPC等を記憶する。ここで、倉庫コード、フロアコード及びエリアコードは、タグ情報の読み取り位置を示す位置情報である。また、EPCは、読み取り位置で読み取られたタグ情報に含まれるEPCである。
棚卸管理テーブル574は、リーダ端末6の各々で読み取られたタグ情報を、当該タグ情報が読み取られた位置を示す位置情報と関連付けて記憶する。なお、棚卸管理テーブル574のデータ構成は図6に限らないものとする。例えば、棚卸管理テーブル574は、EPCに関連付けて、当該EPCを読み取ったリーダ端末6の識別情報を記憶する構成としてもよい。また、棚卸管理テーブル574は、EPCに関連付けて、当該EPCの読み取りが行われた読取日時を記憶する構成としてもよい。
次に、図7を参照して、リーダ端末6のハードウェア構成について説明する。図7は、リーダ端末6のハードウェア構成の一例を示す図である。図7に示すように、リーダ端末6は、CPU61と、ROM62と、RAM63とを備える。
CPU61は、プロセッサの一例である。ROM62、各種のプログラムや設定情報を記憶する。RAM63は、ワーキングメモリであって、各種データの展開に用いられる。CPU61は、バス等を介して、ROM62及びRAM63に接続される。CPU61は、ROM62や後述する記憶部68に記憶されたプログラムをRAM63に読み出して実行することにより、リーダ端末6の動作を統括的に制御する。
また、CPU61には、バス等を介して、リーダ部64、表示部65、操作部66、通信部67、及び記憶部68等が接続される。
リーダ部64は、RFIDタグからタグ情報を読み取るための部位であって、アンテナや当該アンテナを介してRFIDタグと無線通信するための通信処理部等を有する。具体的には、アンテナは、通信処理部の制御に従って電波を放射し、当該電波を受信したRFIDタグから応答波としてタグ情報を受信し、タグ情報を通信処理部に出力する。
本実施形態では、物品に付されたRFIDタグは、上述したEPC(タグ情報)を記憶する。リーダ部64は、物品に付されたRFIDタグに対し、タグ情報を要求する「応答要求」を伝送するための電波を発信する。RFIDタグは、受信した電波により起動し、当該RFIDタグに記憶されたタグ情報を、応答電波に乗せて送信する。リーダ部64は、RFIDタグからの応答電波を受信し、所定の規格に従ってRFIDタグからタグ情報を読み取る。例えば、RFIDタグと無線通信するための規格は、ISO/IEC 18000-6 TypeC(EPC global Class1 Generation2)等である。リーダ部64は、受信した応答電波に含まれるタグ情報を、RAM63や記憶部68に記憶させる。なお、後述する変形例2で説明するように、リーダ部64を無線タグリーダとし、リーダ端末6自体を情報処理装置とする構成としてもよい。
表示部65は、液晶ディスプレイ等の表示デバイスである。表示部65は、CPU51の制御の下、リーダ部64で読み取られたタグ情報等の各種の情報を表示する。操作部66は、キーボードやポインティングデバイス等の入力デバイスである。操作部66は、操作者からの操作を受け付け、受け付けた操作内容を指示する情報をCPU61に出力する。なお、操作部66は、表示部65の表示画面に設けられたタッチパネルであってもよい。
通信部67は、図示しないネットワークに接続することが可能な通信インタフェースである。通信部67は、ネットワークNを介して、サーバ装置5等の外部装置との間で各種情報を送受信する。記憶部68は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記憶装置である。記憶部68は、CPU61が実行可能なプログラムや設定情報を記憶する。
上述した構成のリーダ端末6において、リーダ端末6を操作する操作者は、棚卸業務(以下、単に棚卸ともいう)を開始するにあたり、棚卸の対象となる施設10内の位置を示す倉庫コード、フロアコード及びエリアコードを入力する。リーダ端末6のCPU61は、入力された倉庫コード、フロアコード及びエリアコードの組を位置情報とすると、棚卸の開始を通知する情報とともにサーバ装置5に送信する。ここで入力される位置情報(倉庫コード、フロアコード及びエリアコードの組)は、リーダ端末6が物品(RFIDタグ)の読み取りを行う施設10内での位置に対応する。
また、リーダ端末6のCPU61は、サーバ装置5から提供される後述する指示書に基づき棚卸を開始することで、指示書に含まれたJANコードを含むタグ情報(EPC)の読み取りを行う。リーダ端末6で読み取られたタグ情報は、先に入力された位置情報とともに読取データとしてサーバ装置5に送信される。読取データは、サーバ装置5からの要求に応じて送信されてもよいし、所定時間毎や読取データが読み取られる毎に送信されてもよい。
また、リーダ端末6のCPU61は、サーバ装置5から提供される後述する支援情報に基づき、EPCの重複チェックを行ったり、各種画面を表示部65に表示させたりすることで、棚卸を支援するための処理を実行する。
次に、サーバ装置5の機能構成について説明する。
図8は、サーバ装置5の機能構成の一例を示す図である。図8に示すように、サーバ装置5は、ステータス管理部511と、指示書提供部512と、棚卸結果取得部513と、表示制御部514と、支援情報提供部515とを備える。
上述したサーバ装置5の機能部の一部又は全ては、サーバ装置5のプロセッサ(例えばCPU51)とメモリ(例えばROM52、記憶部57)に記憶されたプログラムとの協働により実現されるソフトウェア構成であってもよい。また、サーバ装置5の機能部の一部又は全ては、サーバ装置5に搭載された専用回路等で実現されるハードウェア構成であってもよい。
ステータス管理部511は、第1管理手段及び第2管理手段の一例である。ステータス管理部511は、入荷ゲート2、出荷ゲート3及びタグ発行装置4の各々から送信されるタグ情報に基づき、ステータス管理テーブル571が記憶するEPCの在庫管理に関するステータスを管理する。
具体的には、ステータス管理部511は、入荷ゲート2からタグ情報を受信すると、タグ情報に含まれるEPCと、「在庫」を示すステータスと、そのタグ情報を受信した日時を示す日時情報(読取日時)とを関連付けてステータス管理テーブル571に登録する。また。ステータス管理部511は、タグ発行装置4からタグ情報を受信した場合も同様に、タグ情報に含まれるEPCと、「在庫」を示すステータスと、そのタグ情報を受信した日時を示す日時情報(読取日時)とを関連付けてステータス管理テーブル571に登録する。なお、ステータス管理部511は、入荷ゲート2及びタグ発行装置4が設けられた施設10の倉庫コードを、上記したEPC、ステータス及び読取日時に関連付けて登録する。
また、ステータス管理部511は、出荷ゲート3からタグ情報を受信すると、そのタグ情報(EPC)と同一のEPCを記憶したレコードをステータス管理テーブル571から検索する。次いで、ステータス管理部511は、検索したレコードに含まれるステータスを「出荷」に変更するとともに、当該レコードに含まれる読取日時を出荷ゲート3からタグ情報を受信した日時情報に更新する。
指示書提供部512は、リーダ端末6から棚卸の開始が通知されると、リーダ端末6から通知された位置情報に関する指示書をリーダ端末6に提供(送信)する。ここで、指示書は、理論在庫テーブル572に記憶されたレコードのうち、棚卸の対象として指示された位置情報の条件に該当するレコードを抽出したものである。つまり、指示書には、リーダ端末6から通知された位置情報の位置に収納された物品のJANコードや理論数等が含まれる。
棚卸結果取得部513は、取得手段の一例である、棚卸結果取得部513は、棚卸の結果を示す情報(読取データ)を、リーダ端末6の各々から取得する。具体的には、棚卸結果取得部513は、リーダ端末6の各々から取得する読取データに対してEPC(又はシリアルコード)に基づく重複チェック等を実施し、棚卸管理テーブル574を更新する。
より詳細には、棚卸結果取得部513は、リーダ端末6から取得した読取データに含まれるEPCが、棚卸管理テーブル574に記憶された何れのEPCとも重複しない場合、取得した読取データを棚卸管理テーブル574に登録する。なお、EPCが重複する読取データについては、棚卸結果取得部513は、棚卸管理テーブル574への登録を抑制し、破棄する等の無効化処理を実行する。
表示制御部514は、表示制御手段及び出力手段の一例である。表示制御部514は、管理対象となる各物品のEPCと、当該物品の在庫管理に関するステータスとを関連付けたステータス管理テーブル571に基づいて、棚卸結果取得部513が取得したEPCに関する情報をステータスの種別毎に表示させる。具体的には、表示制御部514は、リーダ端末6から取得された読取データに基づいて、棚卸結果を示す画面(以下、在庫管理画面ともいう)を表示部54に表示させる。より詳細には、表示制御部514は、記憶部57に記憶されたステータス管理テーブル571、理論在庫テーブル572、物品マスタテーブル573、及び棚卸管理テーブル574に基づいて、在庫管理画面を表示部54に表示させる。
図9は、表示制御部514が表示する在庫管理画面の一例を示す図である。図9に示すように、在庫管理画面は、表示の対象を絞り込むための条件(以下、絞り込み条件ともいう)を指定することが可能な第1領域71を有している。
具体的には、第1領域71は、倉庫コード、フロアコード及びエリアコード等を入力可能な項目711~項目713と、表示ボタン714とを有している。この場合、操作者は、項目711~項目713に位置情報(倉庫コード、フロアコード、エリアコード)を入力した後、表示ボタン714を操作することで絞り込み条件をセットする。表示制御部514は、セットされた絞り込み条件に基づき、第2領域72及び第3領域73の表示を行う。
ここで、項目711~項目713の何れか又は全ては未入力の状態としてもよい。例えば、項目711~項目713の全てを未入力とすることで、管理対象の全ての位置を指定することができる。また、例えば、項目713を未入力とすることで、項目711(倉庫コード)及び項目712(フロアコード)に属する全てのエリアコードを指定することもできる。
なお、図9では、倉庫コード、フロアコード及びエリアコードの各々を択一的に選択可能な形態としたが、これに限らず、複数のコードを選択可能な形態としてもよい。また、例えば、理論在庫に登録された作成日時の範囲等、他の絞り込み条件をセット可能な形態としてもよい。
第2領域72は、総読取数が表示される項目721と、総在庫数が表示される項目722とを有する。総読取数は、絞り込み条件で読み取られたユニークなRFIDタグの総数、つまりEPCの総数を意味する。総読取数は、棚卸管理テーブル574に記憶された絞り込み条件に該当するEPC(又はシリアルコード)の個数を計数することで導出される。例えば、図9では、総読取数が「139、500」である場合を示している。
総在庫数は、総読取数のうち、ステータスが「在庫」のRFIDタグ(EPC)の個数を意味する。具体的には、総在庫数は、棚卸管理テーブル574に記憶された絞り込み条件に該当するEPCのうち、そのステータスが「在庫」のEPCの個数を計数することで導出される。例えば、図9では、総在庫数が「138、000」である場合を示している。なお、図9では、後述する理論数の合計値「150、000」を対比する形態で表示している。このように、総在庫数を総読取数や理論数の合計値と対比可能な状態で示すことで、サーバ装置5の操作者は、全体進捗の把握を容易に行うことができる。
第3領域73には、絞り込み条件で読み取られたRFIDタグの細目が表示される。具体的には、第3領域73は、進捗、倉庫、フロア、エリア、読取数、在庫シリアル、出荷シリアル、対象外シリアル、理論数、差分数等を表示するための項目7301~項目7310を有する。
項目7301には、棚卸の進捗状況が表示される。進捗状況としては、例えば、進行度順に「未実施」、「実施中」、「完了」等がある。未実施は、当該行が示す棚卸が未着手であることを意味する。実施中は、当該行が示す棚卸を何れかのリーダ端末6が行っている最中であることを意味する。完了は、当該行が示す棚卸を何れかのリーダ端末6が終えたことを意味する。
項目7302~項目7304には、第1領域71で指定された絞り込み条件に該当する位置情報(倉庫コード、フロアコード、エリアコード)が表示される。項目7305には、理論在庫テーブル572から読み出された、絞り込み条件の条件に該当するEPCの個数、つまりリーダ端末6で読み取られたEPCの個数が表示される。項目7305の読取数は、棚卸管理テーブル574に記憶されたEPCのうち、項目7302~項目7304の位置情報の条件に該当するEPCの個数を計数することで導出される。
項目7306及び項目7307には、項目7305に表示されたEPCの読取数のうち、ステータスが「在庫」のEPCの個数(以下、在庫シリアルともいう)と、ステータスが「出荷」のEPCの個数(以下、出荷シリアルともいう)とがそれぞれ表示される。ここで、項目7306の在庫シリアルは、項目7305の読取数の導出で抽出されたEPCのうち、ステータス管理テーブル571に記憶されたステータスが「在庫」であるEPCの個数を計数することで導出される。また、項目7307の出荷シリアルは、項目7305の読取数の導出で抽出されたEPCのうち、ステータス管理テーブル571に記憶されたステータスが「出荷」であるEPCの個数を計数することで導出される。
項目7308には、項目7305に表示されたEPCの読取数のうち、ステータスが「在庫」及び「出荷」以外の個数(以下、対象外シリアルともいう)が表示される。対象外シリアルは、項目7305の読取数の導出で抽出されたEPCの個数から、項目7306の在庫シリアルと項目7307の出荷シリアルとを減算することで導出される。
このように、在庫管理画面では、同一の読取位置で読み取られたEPCの読取数が、在在庫シリアル、出荷シリアル、及び対象外シリアル等のステータスの種別毎に比較可能な状態で表示される。
項目7309には、理論在庫テーブル572に記憶された、項目7302~項目7304の位置情報の条件に該当する物品の理論数の合計値が表示される。そして、項目7310には、項目7306の在庫シリアルから項目7309の理論数を減算した値が差分数として表示される。
なお、項目7301の進捗状況は、項目7305の読取数や項目7310の差分数に応じてその表示内容を切り替えることができる。例えば、項目7305の読取数が0の場合、進捗状況として「未実施」が表示される。また、例えば、項目7305の読取数が1以上で且つ差分数が0以外の場合、進捗状況として「実施中」が表示される。また、例えば、項目7305の読取数が1以上で且つ差分数が0の場合、進捗状況として「完了」が表示される。
これにより、サーバ装置5の操作者は、在庫管理画面を見ることで、施設10内の各エリアにおける棚卸の進捗状況を容易に確認することができる。また、サーバ装置5に操作者は、各エリアで読み取られたRFIDタグのうち、ステータスが「在庫」や「出荷」の個数、またそれ以外の個数を容易に確認することができる。したがって、サーバ装置5の操作者は、誤送等の理由により出荷済の物品や所属不明の物品が施設10に存在するような場合に、これらの物品が存在することや、どのエリアに存在しているのかを容易に把握することができる。
例えば、項目7307の出荷シリアルは、物品(RFIDタグ)のステータスが「出荷」で確定しているものの、実際には出荷されておらず、何らかの事情により施設10内に残留している物品の個数を意味する。このような場合、例えば、出荷シリアルの個数や、在庫シリアルの個数との差を確認することで、別の同一商品が出荷されているような事象を容易に把握することができる。
また、例えば、項目7308の対象外シリアルは、ステータス管理テーブル571に登録されていないが、何らかの事情により施設10内に紛れ込んでしまった物品の個数を意味する。このような場合、例えば、対象外シリアルの個数を確認することで、管理対象外の物品が施設10に収納されていることや、その個数を容易に把握することができる。
さらに、在庫管理画面は、詳細ボタン74を備えている。また、在庫管理画面は、第3領域73の各行を選択するためのチェックボックス75を備えている。何れかのチェックボックス75にチェックが入力された状態で、詳細ボタン74の操作を受けると、表示制御部514は、表示部54に、チェックにより選択された行の詳細画面を表示させる。
図10は、表示制御部514が表示する詳細画面の一例を示す図である。図10に示すように、詳細画面は、第4領域81と、第5領域82とを有する。
第4領域81は、総読取数が表示される項目811と、総在庫数が表示される項目812とを有する。項目811の総読取数には、選択された行に含まれる読取数の合計値が表示される。項目812には、選択された行に含まれる在庫シリアルの合計値が表示される。なお、図10では、選択された行に含まれる理論数の合計値を対比する形態で表示している。このように、総在庫数を総読取数や理論数の合計値と対比可能な状態で示すことで、サーバ装置5の操作者は、特定のエリアに関する棚卸の進捗状況の把握を容易に行うことができる。
第5領域82には、選択された行の条件に係る物品の詳細が表示される。具体的には、第5領域82は、倉庫、フロア、エリア、管理コード、JANコード、商品名、読取数、在庫シリアル、出荷シリアル、対象外シリアル、理論数、及び差分数等を表示するための項目8201~項目8212を有する。
ここで、項目8201~項目8203には、選択された行に含まれる位置情報(倉庫コード、フロアコード、エリアコード)が表示される。項目8204及び項目8205には、理論在庫テーブル572から読み出された、項目8201~項目8203の位置情報の条件に該当する物品の管理コードとJANコードとが表示される。また、項目8206には、物品マスタテーブル573から読み出された、項目8205のJANコードに対応する物品名が表示される。
項目8207には、理論在庫テーブル572から読み出された、項目8201~項目8203の位置情報及び項目8205のJANコードの条件に該当するEPCの個数が表示される。具体的には、項目8207の読取数は、棚卸管理テーブル574に記憶されたEPCのうち、項目8201~項目8203の位置情報の条件に該当し、且つ項目8205のJANコードを含んだEPCの個数を計数することで導出される。
項目8208と項目8209とには、項目8207に表示されたEPCの読取数のうち、ステータスが「在庫」のEPCの個数(在庫シリアル)と、ステータスが「出荷」のEPCの個数(出荷シリアル)とがそれぞれ表示される。ここで、項目8208の在庫シリアルは、項目8207の読取数の導出で抽出されたEPCのうち、ステータス管理テーブル571に記憶されたステータスが「在庫」であるEPCの個数を計数することで導出される。また、項目8209の出荷シリアルは、項目8207の読取数の導出で抽出されたEPCのうち、ステータス管理テーブル571に記憶されたステータスが「出荷」であるEPCの個数を計数することで導出される。
項目8210には、項目8207に表示されたEPCの読取数のうち、ステータスが「在庫」及び「出荷」以外の個数(対象外シリアル)が表示される。対象外シリアルは、項目8207の読取数の導出で抽出されたEPCの個数から、項目8208の在庫シリアルと項目8209の出荷シリアルとを減算することで導出される。
このように、詳細画面では、同一の読取位置で読み取られた物品の品種毎のEPCの読取数が、在庫シリアル、出荷シリアル、及び対象外シリアル等のステータスの種別毎に比較可能な状態で表示される。
項目8211には、理論在庫テーブル572に記憶された、項目8201~項目8203の位置情報及び項目8205のJANコードの条件に該当する物品の理論数が表示される。そして、項目8212には、項目8208の在庫シリアルから項目8211の理論数を減算した値が差分数として表示される。
これにより、サーバ装置5の操作者は、詳細画面を見ることで、施設10内の各エリアにおける棚卸の進捗状況を物品の単位で容易に確認することができる。また、サーバ装置5の操作者は、各エリアで読み取られたRFIDタグのうち、ステータスが「在庫」や「出荷」の個数、またそれ以外の個数を容易に確認することができる。したがって、サーバ装置5に操作者は、誤送等の理由により出荷済の物品や所属不明の物品が施設10に存在するような場合に、それらの物品が存在するエリアや、品目や個数を容易に把握することができる。
例えば、項目8209の出荷シリアルは、物品(RFIDタグ)のステータスが「出荷」で確定しているものの、実際には出荷されておらず、何らかの事情により施設10内に残留している物品の個数を意味する。このような場合、例えば、出荷シリアルの個数や、在庫シリアルの個数との差を確認することで、別の同一商品が出荷されているような事象を容易に把握することができる。
また、例えば、項目8210の対象外シリアルは、ステータス管理テーブル571に登録されていないが、何らかの事情により施設10内に紛れ込んでしまった物品の個数を意味する。このような場合、例えば、対象外シリアルの個数を確認することで、管理対象外の物品が施設10に収納されていることや、その個数を容易に把握することができる。
図8に戻り、支援情報提供部515は、提供手段の一例である。支援情報提供部515は、棚卸を支援するための支援情報をリーダ端末6に提供する。
具体的には、支援情報提供部515は、棚卸管理テーブル574に記憶されたEPC、つまり読み取りが完了したEPCのリストを第1支援情報としてリーダ端末6に提供する。これにより、リーダ端末6では、タグ情報を読み取った場合に、第1支援情報に基づき、読み取ったタグ情報が他のリーダ端末6等で読取済か否かの重複チェックを行うことができる。なお、リーダ端末6から、フロアコード及びエリアコードが指定された場合には、支援情報提供部515は、棚卸管理テーブル574に記憶されたEPCのうち、その位置情報に該当するEPCを抽出してリーダ端末6に提供してもよい。
また、支援情報提供部515は、表示制御部514等と協働することで、上述した在庫管理画面や詳細画面の表示に係る第2支援情報をリーダ端末6に提供する。例えば、支援情報提供部515は、在庫管理画面や詳細画面を表すWeb画面を第2支援情報としてリーダ端末6に提供する。これにより、リーダ端末6では、サーバ装置5にアクセスすることで、上述した在庫管理画面や詳細画面を表示部65に表示することができるため、棚卸の進捗状況を容易に把握することができる。
以下、上述した構成のサーバ装置5の動作例について説明する。
まず、図11を参照して、サーバ装置5と、入荷ゲート2、出荷ゲート3及びタグ発行装置4との間で行われる処理について説明する。図11は、サーバ装置5と、入荷ゲート2、出荷ゲート3及びタグ発行装置4との間で行われる処理の一例を示すシーケンス図である。
まず、入荷ゲート2では、トンネルゲート21等を物品が通過すると、当該物品に付されたRFIDタグからタグ情報を読み取る(ステップS11)。次いで、入荷ゲート2は、読み取ったタグ情報をサーバ装置5に送信する(ステップS12)。
サーバ装置5のステータス管理部511は、入荷ゲート2からタグ情報を受信すると、そのタグ情報に含まれるEPCを、「在庫」を示すステータスと、受信日時を示す日時情報とを関連付けてステータス管理テーブル571に登録する在庫登録処理を行う(ステップS13)。
また、RFIDタグの落失等が発生した場合には、タグ発行装置4は、操作者の操作に応じて新たなタグ情報(RFIDタグ)を発行する(ステップS14)。タグ発行装置4は、新たなタグ情報を発行すると、当該タグ情報をサーバ装置5に送信する(ステップS15)。
サーバ装置5のステータス管理部511は、タグ発行装置4からタグ情報を受信すると、そのタグ情報に含まれるEPCを、「在庫」を示すステータスと、受信日時を示す日時情報とを関連付けてステータス管理テーブル571に登録する在庫登録処理を行う(ステップS16)。
また、出荷ゲート3では、トンネルゲート31等を物品が通過すると、当該物品に付されたRFIDタグからタグ情報を読み取る(ステップS17)。次いで、出荷ゲート3は、読み取ったタグ情報をサーバ装置5に送信する(ステップS18)。
サーバ装置5のステータス管理部511は、出荷ゲート3からタグ情報を受信すると、そのタグ情報に含まれたEPCに一致するレコードをステータス管理テーブル571から検索する(ステップS19)。次いで、ステータス管理部511は、検索したレコードに含まれるステータスを「出荷」に変更し、当該レコードに含まれる読取日時を出荷ゲート3からタグ情報を受信した日時情報に更新する(ステップS20)。
上記の処理により、ステータス管理部511は、入荷ゲート2を通ることで施設10内に入庫された各物品や、タグ発行装置4でRFIDタグが新たに発行された各物品のステータスを、在庫分の物品を表す「在庫」に設定する。また、ステータス管理部511は、出荷ゲート3を通過して施設10外に出庫された各物品のステータスを、施設10外に出荷されたことを示す「出荷」に設定する。
次に、図12を参照して、サーバ装置5とリーダ端末6との間で行われる処理について説明する。図12は、サーバ装置5とリーダ端末6との間で行われる処理の一例を示すシーケンス図である。
まず、リーダ端末6では、操作部66を介して棚卸の対象となる位置情報(倉庫コード、フロアコード、エリアコード)が入力されると(ステップS31)、CPU61は、入力された位置情報とともに棚卸の開始を通知する情報をサーバ装置5に送信する(ステップS32)。
サーバ装置5の指示書提供部512は、リーダ端末6から棚卸の開始が通知されると、当該リーダ端末6から通知された位置情報に該当するレコードを理論在庫テーブル572から抽出する(ステップS33)。次いで、指示書提供部512は、抽出したレコードを指示書として、棚卸の開始を通知したリーダ端末6に提供(送信)する(ステップS34)。
リーダ端末6のCPU61は、サーバ装置5から指示書を受信すると、受信した指示書に基づき棚卸を開始する(ステップS35)。具体的には、CPU61は、リーダ部64と協働することで、指示書で指示されたJANコードを含むタグ情報の読み取りを実行する。なお、CPU61は、同一EPCのタグ情報を読み取らないように重複チェックを行うものとする。
次いで、リーダ端末6のCPU61は、ステップS31で入力された位置情報と、ステップS35で読み取ったタグ情報とを含む読取データをサーバ装置5に送信する(ステップS36)。
サーバ装置5の棚卸結果取得部513は、リーダ端末6から読取データを取得すると、当該読取データを棚卸管理テーブル574に登録する(ステップS37)。なお、棚卸結果取得部513は、同一EPCの読取データを棚卸管理テーブル574に登録しないように重複チェックを行うものとする。
また、サーバ装置5の支援情報提供部515は、棚卸管理テーブル574に登録されたEPCのリストを第1支援情報として、リーダ端末6の各々に提供する(ステップS38)。これにより、リーダ端末6のCPU61は、サーバ装置5から提供されたEPCのリストに基づいて重複チェックを行うことで、他のリーダ端末6で読み取られたEPCを重複して読み取ってしまうことを防ぐことができる。
次に、図13を参照して、サーバ装置5の表示制御部514が行う処理について説明する。図13は、サーバ装置5が行う表示制御処理の一例を示すシーケンス図である。なお、本処理の前提として、図9で説明した在庫管理画面のうち第1領域71が少なくとも表示されているものとする。
まず、表示制御部514は、在庫管理画面の第1領域71を表示させ、絞り込み条件の入力を受け付けるまで待機する(ステップS41;No)。第1領域71では、例えば倉庫コード、フロアコード及びエリアコードの位置情報が絞り込み条件として入力される。
絞り込み条件の入力後(ステップS41;Yes)、在庫管理画面の表示の指示を受け付けると、表示制御部514は、絞り込み条件に応じた在庫管理画面(図9参照)を表示部54に表示させる(ステップS42)。
ここで、在庫管理画面には、絞り込み条件で指定された位置情報に係るタグ情報の総読取や総在庫数等が第2領域72に表示される。また、在庫管理画面には、絞り込み条件で指定された位置情報が示す位置毎に、棚卸の進捗や読取数、在庫シリアル、出荷シリアル、対象外シリアル、理論数、及び差分数等の情報が第3領域73に表示される。
続いて、表示制御部514は、表示制御部514は、詳細ボタン74等を介して、詳細画面の表示が指示されたか否かを判定する(ステップS43)。具体的には、表示制御部514は、第3領域73に行形式で表示された各行のうち、チェックボックス75を介して何れかの行が選択された後、詳細ボタン74が操作されたか否かを判定する。
ここで、詳細画面の表示が指示されない場合には(ステップS43;No)、ステップS42に処理を戻す。なお、在庫管理画面の表示を維持したままステップS41に処理を戻すことで、絞り込み条件の変更操作を受け付ける形態としてもよい。
また、詳細画面の表示が指示された場合には(ステップS43;Yes)、表示制御部514は、選択された行に含まれる位置情報の位置(エリア)で読み取られた物品に関する詳細画面(図10参照)を表示部54に表示させる(ステップS44)。
ここで、ステップS44で表示される詳細画面には、選択されたエリアでの、タグ情報の総読取や総在庫数が第4領域81に表示される。また、詳細画面には、選択されたエリアで読み取られたJANコード毎に、物品名や読取数、在庫シリアル、出荷シリアル、対象外シリアル、理論数、及び差分数等の情報が第5領域82に表示される。
続いて、表示制御部514は、所定の操作により、在庫管理画面に戻ることが指示されたか否かを判定する(ステップS45)。在庫管理画面に戻ることが指示されない場合(ステップS45;No)、表示制御部514は、ステップS44に処理を戻すことで、詳細画面の表示を継続する。
また、在庫管理画面に戻ることが指示された場合(ステップS45;Yes)、表示制御部514は、ステップS42に処理を戻すことで、在庫管理画面を再度表示させる。
なお、表示制御部514は、在庫管理画面又は詳細画面の表示中に棚卸管理テーブル574が更新された場合、その更新後の棚卸管理テーブル574に基づき、表示中の画面の更新を行うものとする。
以上のように、本実施形態によれば、サーバ装置5は、リーダ端末6により物品に付された無線タグから読み取られた、当該物品の品種及び個品を特定可能なEPCを取得し、管理対象となる各物品のEPCと、当該物品の在庫管理に関するステータスとを関連付けたステータス管理テーブル571に基づいて、取得したEPCに関する情報をステータスの種別毎に表示させる。
これにより、サーバ装置5は、リーダ端末6で読み取られたEPCに関する情報を、「在庫」や「出荷」等のステータス毎に表示させることができるため、在庫分の物品から読み取られたEPCに関する情報と、在庫分以外の物品から読み取られたEPCに関する情報とを識別可能に提示することができる。したがって、サーバ装置5は、在庫分以外の物品が在庫分の物品と混在して計上されてしまうことを防ぐことができるため、棚卸業務の効率化を図ることができる。
また、本実施形態によれば、サーバ装置5は、リーダ端末6が棚卸を行った読取位置でのEPCの読取数や、JANコードで特定される物品の種別毎のEPCの読取数を、ステータスの種別毎に表示させる。
これにより、サーバ装置5は、誤送等の理由により出荷済の物品や所属不明の物品が施設10内に存在するような場合に、これらの物品の個数や存在する位置、品種を提示することができる。したがって、サーバ装置5は、在庫分以外の物品が施設10内に存在する場合に、その物品の内訳を提示することができるため、棚卸業務の効率化を図ることができる。
なお、上述した実施形態は、上述した各装置が有する構成又は機能の一部を変更することで、適宜に変形して実施することも可能である。そこで、以下では、上述した実施形態に係るいくつかの変形例を他の実施形態として説明する。なお、以下では、上述した実施形態と異なる点を主に説明することとし、既に説明した内容と共通する点については詳細な説明を省略する。また、以下で説明する変形例は、個別に実施されてもよいし、適宜組み合わせて実施されてもよい。
(変形例1)
上述の実施形態では、在庫管理に係るステータスを「在庫」と「出荷」との2種類としたが、他のステータスを定義することで、3種類以上としてもよい。例えば、「返品」や「仮出庫」等のステータスを定義してもよい。
(変形例2)
上述の実施形態では、在庫管理画面及び詳細画面を第2支援情報としてサーバ装置5からリーダ端末6に提供する形態を説明した。しかしながら、第2支援情報の提供方法は、この形態に限らないものとする。
例えば、サーバ装置5は、ステータス管理テーブル571、理論在庫テーブル572、物品マスタテーブル573、及び棚卸管理テーブル574を、リーダ端末6の各々が参照可能な形態で提供してもよい。この場合、リーダ端末6のCPU61は、例えば上述した表示制御部514として機能することで、サーバ装置5に記憶された各種テーブルを参照しながら自端末の表示部65に在庫管理画面及び詳細画面を表示させてもよい。このような構成とすることで、上述した実施形態と同様の効果を奏することができるため、棚卸業務の効率化を図ることできる。なお、この場合、リーダ端末6は情報処理装置の一例であり、リーダ部64は無線タグリーダの一例とも定義することができる。
(変形例3)
上述の実施形態では、サーバ装置5の表示制御部514は、在庫管理画面及び詳細画面を表示部54に出力する形態を説明した。しかしながら、在庫管理画面及び詳細画面の出力方法は、これに限定されるものではない。
例えば、表示制御部514は、出力手段の一例である出力制御部として機能することで、在庫管理画面や詳細画面に関する情報を図示しないプリンタ装置を介して印刷(出力)させてもよい。これにより、出力制御部は、管理対象となる各物品のEPCと、当該物品の在庫管理に関するステータスとを関連付けたステータス管理テーブル571に基づいて、棚卸結果取得部513が取得したEPCに関する情報をステータスの種別毎に表した画像等を用紙に印刷することができる。
また、例えば、表示制御部514は、出力手段の一例である出力制御部として機能することで、在庫管理画面や詳細画面に関する情報を、図示しないネットワークに接続された外部装置や、サーバ装置5に接続された外部機器(以下、総称して外部装置)に送信(出力)してもよい。これにより、出力制御部は、管理対象となる各物品のEPCと、当該物品の在庫管理に関するステータスとを関連付けたステータス管理テーブル571に基づいて、棚卸結果取得部513が取得したEPCに関する情報をステータスの種別毎に表した画像やデータ等を外部装置に送信することができる。
(変形例4)
上述の実施形態では、物品の入庫先を単一の施設10としたが、物品の入庫先は複数であってもよい。この場合、入庫先となる施設毎にユニークな倉庫コードを付与することで識別可能に管理する。また、施設毎に入荷ゲート2と出荷ゲート3とを設けてもよい。
なお、サーバ装置5は、各施設に設けられた入荷ゲート2及び出荷ゲート3からタグ情報を受信することで、各施設に収容される物品(RFIDタグ)を一元的に管理する構成としてもよい。また、施設毎にサーバ装置5を設け、複数のサーバ装置5が連携することで、各施設に収容される物品(RFIDタグ)を管理する構成としてもよい。
(変形例5)
上述の実施形態では、サーバ装置5が、ステータス管理テーブル571、理論在庫テーブル572、物品マスタテーブル573、及び棚卸管理テーブル574を保持する形態としたが、これに限らず、サーバ装置5がアクセス可能な外部装置が保持する形態としてもよい。例えば、サーバ装置5がアクセス可能なデータベースサーバを別途設け、当該データベースサーバが、ステータス管理テーブル571、理論在庫テーブル572、物品マスタテーブル573、及び棚卸管理テーブル574の何れか又は全てを保持する形態としてもよい。
上述の実施形態及び変形例の各装置で実行されるプログラムは、ROMや記憶部等に予め組み込まれた状態で提供される。上述の実施形態及び変形例の各装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
さらに、上述の実施形態及び変形例の各装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上述の実施形態及び変形例の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
以上、本発明の実施形態及び変形例を説明したが、これらの実施形態やその変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態やその変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。