JP7505912B2 - オートファジー活性化剤 - Google Patents

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Description

本発明は、生体内でオートファジーを活性化できるオートファジー活性化剤に関する。
オートファジーとは、細胞質の一部が隔離膜によって取り囲まれてオートファゴソームとよばれる膜構造を形成し、このオートファゴソームがリソソームと融合してオートリソソームとなって、老廃物や不要な蛋白質等を分解する細胞内分解機構である。近年、オートファジーが、生体において生理学的又は病理学的機能に重要な役割を担っており、オートファジー活性の低下が一因となっている疾患や症状が多数報告されている。このような疾患や症状としては、例えば、神経変性疾患、感染症、炎症性疾患、免疫疾患、腎疾患、呼吸器疾患、眼疾患、筋疾患、ミトコンドリア病、生活習慣病、皮膚老化、その他の各種疾患又は症状等がある。
そこで、従来、オートファジー活性の低下が一因となっている疾患や症状の予防又は治療のために、オートファジーを活性化する有効成分を配合した医薬や食品が種々開発されている。例えば、特許文献1には、メマンチン、クレマスチン及びそれらの塩をオートファジー誘導剤として使用できることが報告されている。特許文献2には、特定のピロロキノリンキノンをオートファジー誘導剤として使用できることが報告されている。特許文献3には、環状グルコオリゴ糖をオートファジー誘導剤として使用できることが報告されている。特許文献4には、梅肉エキスの疎水性有機溶媒抽出物又は梅肉エキスの中和処理物は、オートファジー誘導用飲食品として使用できることが開示されている。しかしながら、製剤処方の多様化、オートファジー活性化作用の更なる向上等に対応するために、オートファジーを活性化させる新たな有効成分の開発が望まれている。
特開2019-94304号公報 特開2018-83790号公報 国際公開第2018/173653号 特開2007-143452号公報
本発明の目的は、生体内でオートファジーを活性化できるオートファジー活性化剤を提供することである。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、ヘパリン類似物質、グリチルリチン酸及びその塩、トコフェロール及びその誘導体、εアミノカプロン酸及びその塩、ニコチン酸アミド、尿素、パントテニルアルコール、並びにビタミンAには、優れたオートファジー活性化作用があり、オートファジー活性化剤の有効成分として使用できることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. ヘパリン類似物質、グリチルリチン酸及びその塩、トコフェロール及びその誘導体、εアミノカプロン酸及びその塩、ニコチン酸アミド、尿素、パントテニルアルコール、並びにビタミンAよりなる群から選択される少なくとも1種を有効成分として含む、オートファジー活性化剤。
項2. 前記有効成分が、ヘパリン類似物質、グリチルリチン酸ジカリウム、トコフェロール酢酸エステル、εアミノカプロン酸、ニコチン酸アミド、尿素、パントテニルアルコール、及びビタミンAよりなる群から選択される少なくとも1種である、項1に記載のオートファジー活性化剤。
項3. 飲食品、医薬品、又は化粧料である、項1又は2に記載のオートファジー活性化剤。
本発明のオートファジー活性化剤は、優れたオートファジーの活性化作用を有しており、更に飲食品、医薬品、化粧料等の様々な形態で提供できるので、オートファジーの活性低下が一因となって生じる疾患や症状を予防又は改善できる様々な製品の提供が可能になる。
本発明のオートファジー活性化剤は、ヘパリン類似物質、グリチルリチン酸及びその塩、トコフェロール及びその誘導体、εアミノカプロン酸及びその塩、ニコチン酸アミド、尿素、パントテニルアルコール、並びにビタミンAよりなる群から選択される少なくとも1種を有効成分とすることを特徴とする。以下、本発明のオートファジー活性化剤について詳述する。
[有効成分]
ヘパリン類似物質は、コンドロイチン多硫酸等の多硫酸化ムコ多糖であり、保湿作用や血流量増加作用等を有することが知られている公知の薬剤である。本発明で使用されるヘパリン類似物質の由来については、特に制限されないが、例えば、ムコ多糖類を多硫酸化することにより得られたもの、食用獣の組織(例えば、ウシの気管軟骨を含む肺臓)から抽出したもの等が挙げられる。本発明では、日本薬局方外医薬品規格に収戴されているヘパリン類似物質が好適に使用される。
グリチルリチン酸は、抗炎症作用や抗アレルギー作用等を有することが知られている公知の薬剤である。また、グリチルリチン酸の塩としては、薬学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;アンモニウム塩等が挙げられる。これらの塩の中でも、好ましくはカリウム塩(即ち、グリリルリチン酸ジカリウム)が挙げられる。
トコフェロールは、ビタミンEとして知られる公知の化合物である。トコフェロールの誘導体としては、薬学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、酢酸、ニコチン酸、コハク酸等のカルボン酸とのエステル体、リン酸とのジエステル体等が挙げられる。これらのトコフェロールの誘導体の中でも、好ましくはカルボン酸とのエステル体、更に好ましくは酢酸トコフェロールが挙げられる。また、トコフェロール及びその誘導体は、d体、l体、dl体のいずれであってもよいが、好ましくはdl体が挙げられる。更に、トコフェロール及びその誘導体は、α体、β体、γ体、δ体のいずれであってもよいが、好ましくはα体が挙げられる。
ε-アミノカプロン酸は、炭素数6の飽和脂肪酸の末端の水素原子がアミノ基と置換した公知の化合物である。ε-アミノカプロン酸の塩としては、薬学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;塩酸塩、硫酸塩等の無機酸塩等が挙げられる。
ニコチン酸アミドは、ビタミンB3として知られている公知の化合物である。
尿素は、カルバミドとも称される公知の化合物である。
パントテニルアルコールは、プロビタミンB5とも称される公知の化合物である。
ビタミンAは、レチノール及びその誘導体として知られる公知の化合物である。レチノールの誘導体としては、薬学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、酢酸、パルミチン酸等のカルボン酸とのエステル体が挙げられ、具体的には、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等が例示される。ビタミンAは、ビタミンAが植物油等の油中に溶解させた状態で使用してもよい。ビタミンAを油中に溶解させたものは、「ビタミンA油」として知られている。ビタミンA油は、例えば日本薬局方に記載の方法に従って製造することができる。ビタミンA油としては、通常、ビタミンAの含有量が10万~200万I.U./g、好ましくは50万~170万I.U./g、更に好ましくは50万~100万I.U./gのものを使用できる。なお、本明細書において、レチノール及び/又はその誘導体の含有量の単位「I.U.」は、国際単位を示す。
本発明のオートファジー活性化剤は、有効成分として、ヘパリン類似物質、グリチルリチン酸及びその塩、トコフェロール及びその誘導体、εアミノカプロン酸及びその塩、ニコチン酸アミド、尿素、パントテニルアルコール、並びにビタミンAの中から1種を選択して単独で使用してもよく、またこれらの中から2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの有効成分の中でも、好ましくは、ヘパリン類似物質、グリチルリチン酸の塩、トコフェロールの誘導体、εアミノカプロン酸、ニコチン酸アミド、尿素、パントテニルアルコール、並びにビタミンA;より好ましくはヘパリン類似物質、グリチルリチン酸ジカリウム、トコフェロール酢酸エステル、εアミノカプロン酸、ニコチン酸アミド、尿素、パントテニルアルコール、及びビタミンAが挙げられる。
[剤型・形態]
本発明のオートファジー活性化剤の剤型については、特に限定されず、固体状、半固体状、又は液体状のいずれであってもよい。
本発明のオートファジー活性化剤の適用形態については、経口、経皮、経腸、経静脈、経肺、皮下、経粘膜、筋肉内等のいずれの形態で適用してもよく、予防又は治療対象となる疾患や症状等に応じて適宜設定すればよい。
本発明のオートファジー活性化剤の形態として、具体的には、飲食品、医薬品、化粧料等が挙げられる。
本発明のオートファジー活性化剤を飲食品の形態にする場合(即ち、オートファジー活性化用の飲食品として提供する場合)、前記有効成分を、そのまま又は他の食品素材や添加成分と組み合わせて所望の形態に調製すればよい。飲食品としては、一般の飲食品の他、保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品を含む)、病者用食品等の食品等が挙げられる。これらの飲食品の形態として、特に限定されないが、具体的には、茶飲料、栄養ドリンク、果汁飲料、炭酸飲料、乳酸飲料等の飲料;カプセル剤(ソフトカプセル剤、ハードカプセル剤)、錠剤、顆粒剤、粉剤、ゼリー剤、リポソーム製剤等のサプリメント;グミ、キャンディー、ゼリー等の嗜好品等が挙げられる。これらの飲食品の中でも、好ましくはサプリメントが挙げられる。
本発明のオートファジー活性化剤を飲食品の形態にする場合、有効成分としては、トコフェロール及びその誘導体、ニコチン酸アミド、及びビタミンAよりなる群から選択される少なくとも1種を使用することが好ましい。本発明のオートファジー活性化剤を飲食品の形態にする場合、飲食品における有効成分の含有量については、飲食品の種類、1日当たりの有効成分の摂取量等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、前記有効成分が総量で0.0001~100重量%、好ましくは0.0005~90重量%、より好ましくは0.001~80重量%が挙げられる。
本発明のオートファジー活性化剤を医薬品(医薬部外品を含む)の形態にする場合(即ち、オートファジー活性化用の医薬品として提供する場合)、前記有効成分を、そのまま又は他の添加剤等と組み合わせて所望の形態に調製すればよい。医薬品としては、具体的には、錠剤、丸剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、カプセル剤(ハードカプセル及びソフトカプセルを含む)、トローチ剤、チュアブル剤、エキス剤(軟エキス剤、乾燥エキス剤等を含む)、ゼリー剤、シロップ剤、酒精剤、エリキシル剤、リポソーム製剤等の内服用医薬品;軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、噴霧剤、貼付剤、乳液剤、懸濁液剤、パップ剤、リニメント剤、エアゾール剤、軟膏剤、パック剤、吸入剤、坐剤等の外用医薬品;注射剤等が挙げられる。
本発明のオートファジー活性化剤を内服用医薬品の形態にする場合、有効成分は、グリチルリチン酸及びその塩、トコフェロール及びその誘導体、εアミノカプロン酸及びその塩、ニコチン酸アミド、尿素、並びにビタミンAよりなる群から選択される少なくとも1種を使用することが好ましい。また、本発明のオートファジー活性化剤を外用医薬品の形態にする場合、有効成分は、前述するいずれの成分でも好適に使用される。
本発明のオートファジー活性化剤を医薬品の形態にする場合、医薬品における前記有効成分の含有量については、医薬品の種類、1日当たりの有効成分の投与量等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、内服用医薬品の場合であれば、前記有効成分が総量で0.0001~100重量%、好ましくは0.0005~90重量%、より好ましくは0.001~80重量%が挙げられる。また、外用医薬品の場合、尿素及びパントテニルアルコール以外の有効成分を使用する場合であれば、当該有効成分が0.0001~10重量%、好ましくは0.0002~7重量%、より好ましくは0.0005~5重量%;有効成分として尿素を使用する場合であれば、尿素が0.01~30重量%、より好ましくは0.03~25重量%、より好ましくは0.05~20重量%;有効成分としてパントテニルアルコールを使用する場合であれば、パントテニルアルコールが0.00001~5重量%、好ましくは0.00002~3重量%、より好ましくは0.00003~1重量%が挙げられる。
本発明のオートファジー活性化剤を化粧料の形態にする場合(即ち、オートファジー活性化用の化粧料として提供する場合)、前記有効成分を、そのまま又は他の添加剤等と組み合わせて所望の形態に調製すればよい。化粧料としては、具体的には、クリーム剤、ローション剤、ジェル剤、乳液剤、液剤、軟膏剤、パック剤等が挙げられる。
本発明のオートファジー活性化剤を化粧料の形態にする場合、有効成分は、前述するいずれの成分でも好適に使用される。本発明のオートファジー活性化剤を化粧料の形態にする場合、化粧料における前記有効成分の含有量については、化粧料の種類、1日当たりの有効成分の適用量等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、尿素及びパントテニルアルコール以外の有効成分を使用する場合であれば、当該有効成分が0.0001~10重量%、好ましくは0.0003~7重量%、より好ましくは0.0005~5重量%;有効成分として尿素を使用する場合であれば、尿素が0.01~30重量%、より好ましくは0.03~25重量%、より好ましくは0.05~20重量%;有効成分としてパントテニルアルコールを使用する場合であれば、パントテニルアルコールが0.00001~5重量%、好ましくは0.00002~3重量%、より好ましくは0.00003~1重量%が挙げられる。
[用途・用量等]
本発明のオートファジー活性化剤は、生体内でオートファジーの活性を向上させる用途に使用される。
生体内でオートファジーの活性を向上させることによりオートファジーの活性低下が一因となって生じる疾患や症状を予防又は改善できるので、本発明のオートファジー活性化剤は、当該疾患又は症状の予防又は改善剤として使用することができる。
オートファジー活性の低下が一因となって生じる疾患及び症状としては、例えば、神経変性疾患、感染症、炎症性疾患、免疫疾患、腎疾患、呼吸器疾患、眼疾患、筋疾患、ミトコンドリア病、生活習慣病、皮膚老化、その他の各種疾患又は症状等が挙げられる。
当該疾患及び症状として、具体的には、筋委縮症、ミオパチー、アルツハイマー病、パーキンソン病(神経セロイドリポフスチン症、多系統萎縮症(MSA)等を含む)、ハンチントン病、リー症候群、進行性核上性麻痺(PSP)、大脳皮質基底核変性症(CBD)、レビー小体型認知症(DLB)、クロイツフェルト-ヤコブ病、特発性急速眼球運動睡眠行動障害等の神経変性疾患;オートファジーにより殺菌される病原体(例えば、A群連鎖球菌、結核菌、黄色ブドウ球菌、赤痢菌等)の感染症;クローン病、膵炎、鼻副鼻腔炎等の炎症性疾患;グレーブス病、自己免疫性甲状腺炎、橋本病、1型糖尿病、重症筋無力症、グッドパスチャー病、全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、乾癬、アトピー性皮膚炎、シェーグレン症候群等の免疫疾患;糸球体硬化症、腎不全等の腎疾患;嚢胞性線維症、喘息、気管支拡張症、慢性閉塞性肺疾患、特発性肺線維症等の呼吸器疾患;ドライアイ、加齢黄斑変性症等の眼疾患;筋肉減退、筋肉萎縮、悪液質、サルコペニア、筋ジストロフィー、ミオペニア等の筋疾患;糖尿病難聴症候群(DAD)、レーベル遺伝性視神経萎縮症、ニューロパシー,運動失調,網膜色素変性症候群(NARP)、ミトコンドリア神経胃腸管性脳症症候群(MNGIE)、赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF)、ミトコンドリア脳筋症・乳酸アシドーシス・脳卒中様発作症候群(MELAS)等のミトコンドリア病;2型糖尿病、動脈硬化、肝線維化症、肝硬変症、肝炎、アルコール性肝疾患、脂肪肝、非アルコール性脂肪肝炎、メタボリックシンドローム、高脂血症、肥満等の生活習慣病;メラニン蓄積、しみ、皺等の皮膚老化;脳腫脹、ライソゾーム病、ダウン症、心不全、貧血、疲労、睡眠不足、冷え性、便秘、筋肉低下、創傷治癒遅延等のその他の疾患及び症状等が挙げられる。
本発明のオートファジー活性化剤の適用量については、剤形、製剤形態、付与すべきオートファジー活性化作用の程度等に応じて適宜設定すればよい。
例えば、本発明のオートファジー活性化剤が経口投与又は経口摂取される場合、成人1日当たりの前記有効成分の適用量については、有効成分の種類等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、有効成分としてグリチルリチン酸及びその塩、トコフェロール及びその誘導体、並びにコチン酸アミドのいずれかを使用する場合であれば、当該有効成分が1日当たり10~800mg程度;有効成分としてεアミノカプロン酸及びその塩、並びに尿素のいずれかを使用する場合であれば、当該有効成分が1日当たり1~20g程度;有効成分としてビタミンAを使用する場合であれば、ビタミンAが1日当たりレチノール活性当量(RAE)換算で100~1000μgが挙げられる。1日当たりの前記適用量は、1日当たり1回、又は1日当たり複数回に分けて経口投与又は経口摂取すればよい。
また、例えば、本発明のオートファジー活性化剤が経皮適用される場合、1回当たりの適用量については、有効成分の種類等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、尿素及びパントテニルアルコール以外の有効成分を使用する場合であれば、当該有効成分が皮膚1cm2当たり1~100000μg程度;有効成分として尿素を使用する場合であれば、尿素が皮膚1cm2当たり100~300000μg程度;有効成分としてパントテニルアルコールを使用する場合であれば、パントテニルアルコールが皮膚1cm2当たり0.1~50000μg程度が挙げられる。前記適用量で、1日1~数回程度の頻度で経皮適用すればよい。
以下に実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
表1に示す成分について、オートファジー活性化効果を測定した。具体的には、先ず、NHEK細胞(正常ヒト新生児表皮角化細胞、クラボウ株式会社)をHuMedia-KG2培地(クラボウ株式会社)に懸濁させた液を、5×103cells/25μL/wellとなるように384ウェルプレートに播種して、37℃で終夜培養した。次いで、培地を除去後、表1に示す濃度の各成分を含むHuMedia-KG2培地(以下、試験液)を各ウェルに25μL添加して、37℃で18時間インキュベートした。その後、各ウェルの上清を除去し、PBSで1回洗浄した後に、CYTO-ID(登録商標)オートファジー検出キット(Enzo Life Science,Inc)を用いて、オートファジー小胞を特異的に緑色に染色した。また、核をDAPIで青色に核染色した。また、ポジティブコントロールとして、前記試験液に代えて、ラパマイシンを0.475μg/mL含むHuMedia-KG2培地を使用して前記と同条件で操作を行った。更に、ネガティブコントロールとして、前記試験液に代えて、HuMedia-KG2培地(添加成分なし)を使用して前記と同条件で操作を行った。
次いで、各ウェルの中心部分を蛍光顕微鏡で観察し、ImageJを用いて画像解析を行い、緑色(オートファジー小胞)の蛍光強度と青色(核)の蛍光強度をそれぞれ求めた。細胞数を標準化するために、緑色(オートファジー小胞)の蛍光強度を青色(核)の蛍光強度で除して、オートファジー活性値を求めた。ポジティブコントロールのオートファジー活性値を1、ネガティブコントロールのオートファジー活性値を0として、各試験液のオートファジー活性値の相対値を算出した。
結果を表1に示す。この結果、ヘパリン類似物質、グリチルリチン酸ジカリウム、トコフェロール酢酸エステル、εアミノカプロン酸、ニコチン酸アミド、尿素、パントテニルアルコール、及びビタミンA油は、オートファジー活性値の相対値が1を超えており、ラパマイシンを凌ぐ優れたオートファジー活性化作用があることが明らかとなった。
Figure 0007505912000001

Claims (3)

  1. ヘパリン類似物質、グリチルリチン酸及びその塩、トコフェロール、トコフェロールとカルボン酸とのエステル体、トコフェロールとリン酸とのジエステル体、εアミノカプロン酸及びその塩、尿素、パントテニルアルコール、並びにビタミンAよりなる群から選択される少なくとも1種を有効成分として含む、オートファジー活性化剤
    (但し、以下の(1)~(4)のいずれかに該当する場合を除く:
    (1)N-アセチルグルコサミンを含む場合
    (2)有効成分として、ヘパリン類似物質、尿素、及びトコフェロール、トコフェロールとカルボン酸とのエステル体、トコフェロールとリン酸とのジエステル体よりなる群から選択される少なくとも1種を使用し、且つ皮膚の抗老化用途に使用される場合
    (3)有効成分として、εアミノカプロン酸及びその塩よりなる群から選択される少なくとも1種を使用し且つ、網膜疾患の治療用途に使用される場合
    (4)有効成分として、パントテニルアルコールを使用し、且つ色素沈着抑制用途に使用される場合)。
  2. 前記有効成分が、ヘパリン類似物質、グリチルリチン酸ジカリウム、トコフェロール酢酸エステル、εアミノカプロン酸、尿素、パントテニルアルコール、及びビタミンAよりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載のオートファジー活性化剤。
  3. 飲食品、医薬品、又は化粧料である、請求項1又は2に記載のオートファジー活性化剤。

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