JP7503793B2 - ファン付きウェア - Google Patents

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Description

本発明は、ファン付きウェアに関する。
ファン付きウェアとして、衣服に取り付けられたファン等の空気導入装置により衣服内へ空気を導入し、汗を気化させ、その時の気化熱を利用し涼しさを体感できるように構成されたものが知られている。
例えば、特許文献1には、衣服内に取り込まれた外気を、人体に沿って上方に流通させるための流路確保のために襟後部と首後部との間に設けられた空気排出部の開口度を調整する機構として流路調整部材を備えている。流路調整部材は、襟後部に設けられており、左側に位置する左側調整紐と右側に位置する右側調整紐とを含んでいる。左側調整紐は左端部に衣服に縫合される取付部を有し、右端部に右側調整紐に係合される係合部を有している。右側調整紐は、右端部に衣服に縫合される取付部を有し、左側に左側調整紐に係合される係合部を有している。左右一対の調整紐を、それぞれの取付部間の距離が短くなるように、一対の係合部を係合することによって襟後部に後方に膨出した弛みを設けるものが開示されている。
特許第6158675号公報
このようなファン付きウェアでは、さらなる冷却効果の向上が求められており、衣服本体内に取り込まれた外気を、より効率的に流通路に案内して空気排出部から排出しやすくすることが望まれる。
本発明は、ファン付きウェアにおいて、襟元の空気排出部の開口を確保しつつ、衣服本体内に取り込まれた外気を、より効率的に流通路に案内して空気排出部から排出しやすくすることで、冷却効果を高めることを課題とする。
本発明の一態様は、少なくとも上半身を覆う衣服本体と、前記衣服本体内に空気を取り込むための空気導入装置と、前記衣服本体の襟部と人体の首後部との間に形成されて、前記空気導入手段によって導入された空気を外部に排出する空気排出部と、前記衣服本体内の空気を前記空気排出部に向かって流通させる流通路を、前記衣服本体を幅方向に撓ませて前記人体から離間させることで形成する、流通路調整部材と、を備え、前記流通路調整部材は、前記衣服本体の後ろ身頃におけるアームホールの下端以上で前記アームホールの上端以下で、前記人体の背中ないし肩甲骨に対応する位置に取付けられる取付部を有する、ファン付きウェアを提供する。
本発明によれば、アームホールの下端以上かつアームホールの上端以下の高さ位置に流通路調整部材が取付けられるので、流通路調整部材がアームホールの下端よりも下方に位置する場合に比べて、流通路調整部材の取付け位置から空気排出部に連続する流通路を形成しやすい。
また、流通路調整部材がアームホールの上端よりも上方に位置する場合に比べて、後身頃のうち、流通路調整部材によって中央側に引っ張られる左右両側の部分の生地が背中(例えば、肩甲骨)に沿いやすい。これによって、衣服本体内に取り込まれた外気による流通路の両側の部分に意図しない空気溜まりが形成されにくく、衣服本体内に取り込まれた外気を効率的に流通路に案内しやすい。
さらに、意図しない空気溜まりの抑制によって、背中に沿った左右両側部分の下方においては、衣服本体内に取り込まれた外気が、流通路の両側の部分からアームホール側に案内される。これによって、衣服本体内に取り込まれた外気が、アームホールに接続された袖部からも排出され得るので、着用者の脇下や二の腕等に対する冷却効果も高めやすい。
前記流通路調整部材の取付け位置H1は、前記アームホールの下端から上端までの高さをH2としたとき、H2の1/2の高さ位置よりも上方に設定されてもよい。
本構成によれば、流通路調整部材の取付け位置H1をH2の1/2高さ位置よりも下方に配置する場合に比べて、流通路調整部材の取付け位置H1が襟部に近づくので、空気排出部に連続する流通路を形成しやすい。
前記流通路調整部材の取付け位置H1は、前記アームホールの下端から上端までの高さをH2としたとき、前記アームホールの下端からH2の2/3の高さ位置よりも上方に設定されてもよい。
本構成によれば、流通路調整部材の取付け位置H1が襟部により近づくので、空気排出部に連続する流通路をより形成しやすい。
本発明の一態様は、少なくとも上半身を覆う衣服本体と、前記衣服本体内に空気を取り込むための空気導入装置と、前記衣服本体の襟部と人体の首後部との間に形成されて、前記空気導入装置によって導入された空気を外部に排出する空気排出部と、前記衣服本体内の空気を前記空気排出部に向かって流通させる流通路を、前記衣服本体を幅方向に撓ませて前記人体から離間させることで形成する、流通路調整部材と、を備え、前記流通路調整部材は、前記衣服本体の後ろ身頃におけるアームホールの下端以上で前記アームホールの上端以下に取付けられる取付部を有し、前記流通路調整部材は、前記衣服本体の幅方向に延びる帯状の右側部材及び左側部材を備え、前記右側部材の前記取付部は、前記後ろ身頃の中心線よりも右側に位置し、前記左側部材の前記取付部は、前記後ろ身頃の中心線よりも左側に位置し、前記右側部材及び前記左側部材の前記取付部よりも幅方向内側には、前記右側部材と前記左側部材とを互いに係合させることで前記衣服本体を背中から離間する方向に撓ませる係合部をそれぞれ備え、各取付部の前記衣服本体の幅方向寸法は、各取付部の前記衣服本体の上下方向寸法以上に設定されているファン付きウェアを提供する。
本構成によれば、右側部材及び左側部材の取付部が幅方向(左右方向)に長い面状に設けられているので、一対の係合部を係合させるときにそれぞれの取付部に作用する幅方向内側に向かう力に抗するように剛性を高めやすく、各取付部を人体の背中部分に沿わせやすい。これにより、流路調整部材(右側部材及び左側部材)によって生地を撓ませて各取付部の間に流通路を形成しやすい。衣服本体内に取り込まれた外気の流通路以外への拡散を抑制しつつ空気排出部に向けて案内しやすい。
本発明の一態様は、少なくとも上半身を覆う衣服本体と、前記衣服本体内に空気を取り込むための空気導入装置と、前記衣服本体の襟部と人体の首後部との間に形成されて、前記空気導入装置によって導入された空気を外部に排出する空気排出部と、前記衣服本体内の空気を前記空気排出部に向かって流通させる流通路を、前記衣服本体を幅方向に撓ませて前記人体から離間させることで形成する、流通路調整部材と、を備え、前記流通路調整部材は、前記衣服本体の後ろ身頃におけるアームホールの下端以上で前記アームホールの上端以下に取付けられる取付部を有し、前記流通路調整部材の前記取付部の前記衣服本体の幅方向における最も外側の部分は、前記衣服本体の肩部において、首周り部よりも前記アームホールに近い位置に配置されているファン付きウェアを提供する。
本構成によれば、取付部がアームホールに隣接する広範囲にわたって取り付けられるので、一対の取付部間の距離が短縮するように一対の係合部を係合するときに衣服本体を人体の背中部分に沿わせつつ全体的に幅方向内側に寄せやすい。これによって、衣服本体のうち、一対の取付部の間に位置する部分を背中部分から離間するように撓ませて流通路を形成しつつ、流通路の幅方向両側(アームホール側)の部分を背中部分に沿わせやすいので、衣服本体内に取り込まれた外気が、衣服本体の幅方向両端側へ拡散することを抑制できる。この結果、衣服本体内に取り込まれた外気を、より効率的に流通路に案内して空気排出部から排出しやすく、冷却効果を高めやすい。また、流通路の幅方向両側に皺が生じることを抑制できるので見栄えの悪化が抑制される。
本発明の一態様は、少なくとも上半身を覆う衣服本体と、前記衣服本体内に空気を取り込むための空気導入装置と、前記衣服本体の襟部と人体の首後部との間に形成されて、前記空気導入装置によって導入された空気を外部に排出する空気排出部と、前記衣服本体内の空気を前記空気排出部に向かって流通させる流通路を、前記衣服本体を幅方向に撓ませて前記人体から離間させることで形成する、流通路調整部材と、を備え、前記流通路調整部材は、前記衣服本体の後ろ身頃におけるアームホールの下端以上で前記アームホールの上端以下に取付けられる取付部を有し、前記流通路調整部材は、前記衣服本体の幅方向に延びる帯状の右側部材及び左側部材を備え、前記右側部材の前記取付部は、前記後ろ身頃の中心線よりも幅方向一方側に位置し、前記左側部材の前記取付部は、前記後ろ身頃の中心線よりも幅方向他方側に位置し、前記右側部材と前記左側部材とが係合された状態では、前記右側部材及び前記左側部材が幅方向に平行かつ直線状になるように互いに係合され、前記右側部材と前記左側部材とが係合されていない状態では、前記右側部材及び前記左側部材は、前記衣服本体の幅方向外側から前記中心線に向かって上方に傾斜させて取り付けられているファン付きウェアを提供する。
本構成によれば、傾斜した状態で取り付けられている右側部材及び左側部材が直線状になるように(幅方向に平行になるように)互いに係合させることで流路が形成されるので、右側部材及び左側部材の取付部よりも中心側の生地が背中から離間する方向に立ち上がりやすく、流路を形成しやすい。
本発明の一態様は、少なくとも上半身を覆う衣服本体と、前記衣服本体内に空気を取り込むための空気導入装置と、前記衣服本体の襟部と人体の首後部との間に形成されて、前記空気導入装置によって導入された空気を外部に排出する空気排出部と、前記衣服本体内の空気を前記空気排出部に向かって流通させる流通路を、前記衣服本体を幅方向に撓ませて前記人体から離間させることで形成する、流通路調整部材と、を備え、前記流通路調整部材は、前記衣服本体の後ろ身頃におけるアームホールの下端以上で前記アームホールの上端以下に取付けられる取付部を有し、前記後ろ身頃は、背中部を覆う後ろ身頃本体と、前記後ろ身頃本体の上端に縫合されて肩部を覆うヨーク部を備え、展開状態で、前記後ろ身頃の上端部は、幅方向に平行な直線で形成され、縫合前の状態において、前記ヨーク部は、幅方向中央部に設けられて幅方向に平行に延びる直線部と、前記直線部の両端から前記アームホールに向かって下方に傾斜する傾斜部とを有するファン付きウェアを提供する。
本構成によれば、ヨーク部と後ろ身頃本体とを縫合した状態では、ヨーク部の両端の傾斜部が後ろ身頃本体の上端部の直線に沿って上方に持ち上がるので、ヨーク部の両端の傾斜部よりも中央部分の生地が背中から離間する方向に立ち上がりやすく、流通路が形成されやすい。
前記流通路調整部材は、前記衣服本体の幅方向に延びる帯状の右側部材及び左側部材を備え、前記右側部材の前記取付部は、前記後ろ身頃の中心線よりも幅方向一方側に位置し、前記左側部材の前記取付部は、前記後ろ身頃の中心線よりも幅方向他方側に位置し、縫合前の状態において、前記右側部材及び前記左側部材の前記取付部は、前記ヨーク部の前記傾斜部に配置されると共に、前記傾斜部の傾斜に沿って幅方向外側から前記中心線に向かって上方に傾斜していてもよい。

本構成によれば、縫合後の状態では、ヨーク部の傾斜部の移動に追従して第1ベルトと第2ベルトが左右方向に平行かつ直線状になるので、第1ベルトと第2ベルトとを係合させることで、生地を背中から離間する方向に撓ませて流通路を形成することができる。
前記ヨーク部の前記傾斜部は、円弧状に形成されてもよい。
本構成によれば、ヨーク部と後ろ身頃本体とをなめらかに縫合できる。
前記衣服本体は、上半身及び下半身を覆うつなぎ服であってもよい。
つなぎ服は、上半身のみを覆う場合に比して下半身をも覆うために衣服自体の重量が大きく肩部(主として「肩線」部分、肩の稜線部分近辺)にかかる荷重が増大しやすい上、着用者が膝を曲げて屈む姿勢をとった場合にズボン部によって上着部が下方に引っ張られてさらに肩部が突っ張ってしまうことで、背中上部に沿って衣服が身体に密着することで流通路を形成しづらい特性を有する。本構成によれば、つなぎ服において、本発明の上記効果が好適に発揮される。
具体的には、流路調整部材をアームホールの下端以上かつ上端以下に配置するので、流路調整部材の高さ方向の位置を、つなぎ服の荷重が増大しやすい肩部からずらすことができる。その結果、流通路を形成しづらい背中部分から空気排出部までの流通路を形成することができ、着用者の姿勢に依らず、背中上部に沿って衣服が身体に密着することによる流通路の消失が抑制される。
さらに、流路調整部材は、肩部から下方にずれるので、肩部の稜線の延長線上に位置する首後部に位置しない。よって、つなぎ服の荷重が肩部にかかる一方で首後部にかかることが防止されるので、首後部に生じ得る異物感が抑制される。
前記つなぎ服のうち下半身を覆うズボン部の素材が上半身を覆う上着部よりも高い通気性を備えてもよい。
本構成によれば、ベルト等によって上着部とズボン部との間のウエスト部を絞って着用した状態でも、ズボン部の快適性が確保できる。
本発明の他の態様は、上半身及び下半身を覆う衣服本体と、前記衣服本体内に空気を取り込むための空気導入装置と、を備え、前記衣服本体の下半身を覆うズボン部の素材が、前記衣服本体の前記上半身を覆う上着部の素材よりも通気性を備えるファン付きウェアを提供する。
本構成によれば、空気導入装置を作動させない状態においても、ズボン部が通気性を備えているので、下半身の快適性を確保できる。
本発明によれば、ファン付きウェアの襟元の空気排出部の開口を確保しつつ、衣服本体内に取り込まれた外気を、より効率的に流通路に案内して空気排出部から排出しやすくすることで、冷却効果を高めることができる。
本発明の一実施形態に係るファン付きウェアの背面図。 後ろ身頃本体とヨーク部とが縫合される前の後ろ身頃の展開図。 作業服を着用者が着用した状態を説明するための説明図。 縫合前のヨーク部の拡大展開図。 後ろ身頃の流通路調整部材を係合する前の後ろ身頃の展開図。 後ろ身頃の流通路調整部材を係合した後の後ろ身頃の展開図。 流通路調整部材の取付部の上下位置を変化させた場合の上着部の背面図。 流通路調整部材の取付部の面積を変化させた場合の上着部の背面図。 流通路調整部材の取付部の取付角度を変化させた場合の上着部の背面図。
以下、本発明の実施形態にかかるファン付きウェア100について図を参照しながら説明する。
図1に示すように、ファン付きウェア100は、上半身及び下半身を覆う衣服本体1と、衣服本体1内に空気を取り込むための空気導入装置30とを備える。本実施形態における衣服本体1は、上半身を覆う上着部2と、下半身を覆うズボン部3とを備えた所謂つなぎ服である。
上着部2は、着用者の胴を覆う前身頃21(図3参照)及び後ろ身頃22と、着用者の腕を覆う一対の袖部25と、着用者の首周りを覆う襟部26とを有する。袖部25は、前身頃21及び後ろ身頃22に設けられたアームホール27に縫合されている。襟部26は、前身頃21及び後ろ身頃22の首周り部分に縫合されている。なお、上着部2の下端部には、上着部2とズボン部3とが縫合されるウエスト部4が設けられている。
上着部2(後ろ身頃22)には、左右外側の両側面において、内面側と該面側とを貫通する貫通穴29が形成されている。各貫通穴29には、空気導入装置としてのファン30がそれぞれ取り付けられている。各貫通穴29は、上着部2のアームホール27よりも下側かつウエスト部分4よりも上側に位置している。貫通穴29は、上着部2を上下方向に沿って左右に二等分する中心線Cに対して線対称に位置している。
各ファン30は、衣服本体1と人体又は下着との間の空間に空気の流れを強制的に生じさせる。各ファン30は、外部の空気を衣服本体内に取り込む方向に回転する。本実施形態では、ファン30の送風方式としては吸気方式が採用される。ファン付きウェア100には、ファン30を駆動させるための電源部としてバッテリ(図示せず)が取り付けられている。
図1の矢印で示すように、ファン付きウェア100は、ファン30を用いて衣服本体1と人体9との間に空気を流通させることにより人体9を送風する機能を有するため、上着部2の素材としては、細番手で高密度に織り上げられた通気性が低い生地が好ましい。より詳しくは、本実施形態においては、糸番手24/*150d(縦糸24番手単糸、横糸150デニール)や30/*30/(縦糸30番手単糸、横糸30番手単糸)、縦糸120本~140本程度かつ横糸66本~90本の打ち込み本数、目付140g/m2~170g/m2に設定される。
ズボン部3の素材は、上着部2に比べて通気性のよい素材が採用されている。ズボン部3の素材としては、細番手で上着部2に比べて低密度に織り上げられた生地が好ましく、本実施形態においては糸番手30/*30/(縦糸30番手単糸、横糸30番手単糸)や34/*34/(縦糸34番手単糸、横糸34番手単糸)、縦糸90~120本かつ横糸50~60本の打ち込み本数、目付140g/m2~160g/m2に設定される。
図2には、縫合される前の展開状態の後ろ身頃22が示されている。図2に示すように、後ろ身頃22は、着用者の背中に対応する生地片である後ろ身頃本体23と、着用者の左右両方の肩部に対応した生地片であって後ろ身頃本体23の上端に縫合されるヨーク部24とを有する。
なお、図2には、作業服100の後ろ身頃本体23及びヨーク部24を展開して平面上に広げたときの状態であって、人体9の首後部91と対向する襟部26の内表面を上にしたときの状態が示されている。
ヨーク部24の下端部24aは、左右に向かって延びる直線部24bと、直線部24bの両端から延びる一対の傾斜部24cとを備える。一対の傾斜部24cは、直線部24bの外側の両端部から外側に向かって下方に傾斜して延びて形成されている。
直線部24bに対する傾斜部24cの傾斜角度θ1は、0度以上45度未満、より好ましくは20度未満に設定されることが好ましい。本実施形態においては、12度に設定されている。傾斜角度θ1は、直線部24bを水平方向に延長した直線L1に対する、直線部24bの端部と傾斜部24cの幅方向の端部とを通る直線L2の傾斜角度である。
各傾斜部24cは、直線部24bと滑らかに連続すると共に、ヨーク部24の下端部24aが上方に向かって凹状となる円弧で形成されてもよい。傾斜部24cの円弧の曲率中心はヨーク部24の下端部24aよりも下方に位置する。
後ろ身頃本体23の上端部23aは、水平方向に対して平行な直線状に形成されていると共に、所定の幅方向寸法aを有する。後ろ身頃本体23の上端部23aの幅方向寸法aは、ヨーク部24の下端部24aの寸法b(直線部24bの距離b1+一対の傾斜部24cの距離2b×2)と一致している。
ヨーク部24の上端部24dには、襟部26が縫合される首周り部24eと、前身頃21と縫合されると共に肩を覆う肩部24fとが設けられている。本実施形態において、傾斜部24cは、首周り部24eよりも幅方向外側に設けられている。
本実施形態においてアームホール27は、後ろ身頃本体23及びヨーク部24に跨って設けられており、後ろ身頃本体23に設けられる下側アームホール部27aと、ヨーク部24に設けられる上側アームホール部27bとによって構成される。
図3に示すように、ファン付きウェア100は、衣服本体1の襟部26と人体9の首後部91との間に形成されて、ファン30によって導入された空気を外部に排出する空気排出部40と、空気排出部40に向かって衣服本体1内の空気を流通させる流通路28を、衣服本体1を背中から離間する方向に撓ませて人体9から離間させることで形成する、流通路調整部材50と、を備える。
図4に示すように、流通路調整部材50は、ヨーク部24に設けられており、右側に位置する衣服本体1の幅(左右)方向に延びる帯状の右側部材としての第1ベルト51と左側に位置する左側部材としての第2ベルト52とを含んでいる。右側部材としての第1ベルト51及び左側部材としての第2ベルト52を備える。第1ベルト51及び第2ベルト52は、後ろ身頃22に取り付けられるための取付部51a,52aと、第1ベルト51と第2ベルト52とを互いに係合させるための係合部51b,52bとを備える。
第1ベルト51の取付部51aは、第1ベルト51の左端部に設けられると共に、取付部51aが上着部2の内表面であってヨーク部24の所定位置に縫合されることによって、第1ベルト51がヨーク部24に取り付けられている。
第1ベルト51の取付部51aは、後ろ身頃22の左右方向の中心線Cよりも一方側(左側)の部分で、ヨーク部24の傾斜部24cに対応する位置に取り付けられている。より詳しくは、取付部51aは、幅方向において傾斜部24cの幅方向内端部よりも幅方向外側の所定位置から上側アームホール27bに隣接する所定位置までの間の所定領域P1に縫合されている。
第2ベルト52の取付部52aは、第2ベルト52の他方側の端部に設けられると共に、取付部52aが上着部2の内表面であってヨーク部24の所定位置に縫合されることによって、第2ベルト52がヨーク部24に取り付けられている。
第2ベルト52の取付部52aを後ろ身頃22の幅方向の中心線Cよりも他方側(右側)の部分で、ヨーク部24の傾斜部24cに対応する位置に取付られている。より詳しくは、取付部52aは、幅方向において傾斜部24cの幅方向内端部よりも幅方向外側の所定位置から上側アームホール27bに隣接する所定位置までの間の所定領域P2に縫合されている。
第1ベルト51及び第2ベルト52の取付部51a,52aは、ヨーク部24の傾斜部24cに沿って配置されており、取付部51a,52aは幅方向外側に向かって下方に傾斜している。取付部51a,52aの取付角度θ2は、ヨーク部24の傾斜部24cの傾斜角θ1と概ね一致するので、各取付部51a,52aの取付角度θ2は、中心線Cに直交すると共に幅方向に延びる直線に対して20度以下となるように設定されている。本実施形態においては、取付角度θ2は、12度に設定されている。
各取付部51a,52aの幅方向寸法Wは、上下方向の寸法Hよりも長くなるように設定されている。取付部51a,52aは、所定の面積を有する面状に設けられているので、取付部51a,52aの剛性が高められている。
各係合部51b,52bには、本実施形態において、面ファスナーがそれぞれ縫合されている。面ファスナーによって、各係合部51b,52b同士が係合できるように構成されている。
図5に示すように、後ろ身頃22は、後ろ身頃本体23の上端23aと、ヨーク部24の下端24aとを縫合することで形成されている。図には、後ろ身頃本体23とヨーク部24とが縫合された状態が示されており、縫合前のヨーク部24が仮想線で示されている。
ヨーク部24と後ろ身頃本体23とを縫合すると、後ろ身頃本体23の上端23aに沿って、ヨーク部24の傾斜部24cが直線状に縫合されるので、ヨーク部24の中央側の生地が人体から離間する方向に持ち上げられる。
具体的には、図5において矢印R1で示すように、傾斜部24cは、直線部24bとの境点P0を中心として幅方向の外端部が上方に向かって回転する。このとき、傾斜部24cの幅方向外側に位置する部分ほど上方に移動する(持ち上げられる)。
ヨーク部24の上端部24dの肩部24fについては、図5矢印R2に示すように、境点P0を中心として肩部24fの幅方向外側の端部24gが幅方向内側に向かいながら回転して持ち上げられる。これにより、ヨーク部24の中央部の生地が人体9から離れる方向に弛む(矢印X参照)。
第1ベルト51と第2ベルト52とは、ヨーク部24の傾斜部24cに対応させて取り付けられているので、傾斜部24cの動きに追従して回転する。第1ベルト51及び第2ベルト52は取付部51a,52aの外端部が境点P0を中心に上方に向かって回転し、後ろ身頃本体23とヨーク部24とが縫合された状態では、第1ベルト51と第2ベルト52は幅方向に平行な直線状となる。
第1ベルト51の係合部51bと第2ベルト52の係合部52bの中央側の部分には、幅方向位置においてオーバーラップするオーバーラップ領域P3が形成される。このとき、ヨーク部24の下端部24aは弛みが略ゼロの状態であって、第1ベルト51の取付部51aの幅方向内側の端部から第2ベルト52の取付部52aの幅方向内側の端部との間に位置するヨーク部24の下端24aの直線部24bにも弛みが略ゼロ状態である。
後ろ身頃本体23とヨーク部24とが縫合された状態では、第1ベルト51及び第2ベルト52の各取付部51a,52aは、後ろ身頃22におけるアームホール27の下端27c以上でアームホール27の上端27d以下に配置されている。
各取付部51a,52aの上下方向寸法Wの中央位置は、アームホール27の下端27cから上方にH1の高さに位置している。各取付部51a,52aの高さH1は、アームホール27の下端27cから上端27dまでの高さH2の1/2の高さH3よりも上方に配置されることが好ましい。
より好ましくは、各取付部51a,52aの高さH1は、アームホール27の下端27cから上端27dまでの高さH2の2/3の高さH4よりも上方に配置されることが好ましい。
図6には、第1ベルト51と第2ベルト52とが、各取付部51a及び52a間の間隔を狭めて係合された状態が示されており、第1ベルト51と第2ベルト52とが係合されていない状態が仮想線で示されている。
第1ベルト51と第2ベルト52の係合状態では、第1ベルト51の係合部51bと第2ベルト52の係合部52bのオーバーラップ領域P4を、非係合状態に比べて増大させた状態で両ベルト51,52が係合させるので、第1ベルト51と第2ベルト52の取付部51a,52a間の距離が狭められた状態となる。
第1ベルト51と第2ベルト52の係合により、ヨーク部24の第1ベルト51及び第2ベルト52が取り付けられている部分の間の中央側部分が、オーバーラップ領域が増加した分、生地が背中から離間する方向に撓む。
これにより、図3に示すように、上着部2には、襟後部26aと首後部91との間には、ファン30によって衣服本体1に送り込まれた空気を外部に排出するための空気排出部40が形成される。
図6に示すように、ヨーク部24の弛みに伴って、ヨーク部24に縫合されている後ろ身頃本体23も同様に幅が狭められると共に、後ろ身頃本体23の中央側部分にも撓みが生じる。第1ベルト51と第2ベルト52の係合状態では、後ろ身頃22の中央部に上下方向に延びる流通路28が形成される。
以上の構成により、アームホール27の下端27c以上かつアームホール27の上端27d以下の高さ位置に流通路調整部材50が取付けられるので、流通路調整部材50がアームホール27の下端27cよりも下方に位置する場合に比べて、流通路調整部材50の取付け位置から空気排出部40に連続する流通路28を形成しやすい。
また、流通路調整部材50がアームホール27の上端27dよりも上方に位置する場合に比べて、後身頃22のうち、流通路調整部材50によって中央側に引っ張られる左右両側の部分の生地が背中(例えば、肩甲骨)に沿いやすい。これによって、衣服本体1内に取り込まれた外気による流通路28の両側の部分に意図しない空気溜まりが形成されにくく、衣服本体1内に取り込まれた外気を効率的に流通路に案内しやすい(図1矢印参照)。例えば、衣服本体1内に取り込まれた外気が、流路調整部材50よりも上方へ拡散して、図1に破線で示すように肩部等の意図しない部位に空気溜まりが生じることが抑制できる。
さらに、意図しない空気溜まりの抑制によって、背中に沿った左右両側部分の下方においては、衣服本体1内に取り込まれた外気が、流通路28の両側の部分からアームホール27側に案内されやすい(図1矢印参照)。これによって、衣服本体1内に取り込まれた外気が、アームホール27に接続された袖部25からも排出され得るので、着用者の脇下や二の腕等に対する冷却効果も高めやすい。
第1ベルト51及び第2ベルト52の取付部51a,52aが幅方向(左右方向)に長い面状に設けられているので、一対の係合部を係合させるときにそれぞれの取付部51a,52aに作用する幅方向内側に向かう力に抗するように剛性を高めやすく、各取付部51a,52aを人体の背中部分に沿わせやすい(図3参照)。これにより、流通路調整部材50(第1及び第2ベルト51,52)によって生地を撓ませて各取付部51a,52aの間に流通路28を形成しやすい。衣服本体1内に取り込まれた外気の流通路28以外への拡散を抑制しつつ空気排出部に向けて案内しやすい。
取付部51a,52aがアームホール27に隣接する広範囲にわたって取り付けられるので、一対の取付部51a,52a間の距離が短縮するように一対の係合部51b,52bを係合するときに衣服本体1を人体の背中部分に沿わせつつ全体的に幅方向内側に寄せやすい。これによって、衣服本体1のうち、一対の取付部51a,52aの間に位置する部分を背中部分から離間するように撓ませて流通路28を形成しつつ、流通路28の幅方向両側の部分を背中部分に沿わせやすいので、衣服本体内1に取り込まれた外気が、衣服本体1の幅方向両端側(アームホール27側)へ拡散することを抑制できる。この結果、衣服本体1内に取り込まれた外気を、より効率的に流通路28に案内して空気排出部40からに排出しやすく、冷却効果を高めやすい。また、流通路28の幅方向両側に皺が生じることを抑制できるので見栄えの悪化が抑制される。
ヨーク部24と後ろ身頃本体23とを縫合した状態では、ヨーク部24の両端の傾斜部24cが後ろ身頃本体23の上端部の直線に沿って上方に持ち上がるので、ヨーク部24の両端の傾斜部24cよりも中央部分の生地が背中から離間する方向に立ち上がりやすく、衣服と人体との間に流通路28が形成されやすい。
縫合後の状態では、ヨーク部24の傾斜部24cの移動に追従して第1ベルト51と第2ベルト52が幅方向に平行かつ直線状になるので、第1ベルトと第2ベルトとを係合させることで、幅方向に生地を撓ませて流通路28を形成することができる。
ヨーク部24の24c傾斜部は、円弧状に形成されているので、ヨーク部24と後ろ身頃本体23とをなめらかに縫合できる。
つなぎ服(衣服本体)1は、上半身のみを覆う場合に比して下半身をも覆うために衣服自体の重量が大きく肩部にかかる荷重が増大しやすい上、着用者が膝を曲げて屈む姿勢をとった場合にズボン部3によって上着部2が下方に引っ張られてさらに肩部が突っ張ってしまうことで、背中上部に沿って衣服が身体に密着することで流通路28を形成しづらい特性を有する。つなぎ服に流路調整部材50を適用することで、衣服本体1が上着部2のみで構成される場合に比べて、流路調整部材50による流通路28の形成の効果がより好適に発揮される。
具体的には、流路調整部材50をアームホール27の下端27c以上かつ上端27d以下に配置するので、流路調整部材50の高さ位置を、つなぎ服の荷重が増大しやすい肩部からずらすことができる。その結果、流通路28を形成しづらい背中部分から空気排出部40までの流通路28を形成することができ、着用者の姿勢に依らず、背中上部に沿って衣服が身体に密着することによる流通路28の消失が抑制される。
さらに、流路調整部材50は、肩部から下方にずれるので、肩部の稜線の延長線上に位置する首後部に位置しない。よって、つなぎ服の荷重が肩部にかかる一方で首後部にかかることが防止されるので、首後部に生じ得る異物感が抑制される。
ズボン部3の素材が上着部2に比べて高い通気性を備えるので、ベルト等によって上着部2とズボン部3との間のウエスト部4を絞って着用した状態でも、ズボン部3の快適性が確保できる。
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態では、後ろ身頃22が後ろ身頃本体23とヨーク部24とを備える構成について説明したが、これに限られるものではなく、後ろ身頃22にヨーク部24が一体に設けられてもよい。この場合、第1ベルト51と第2ベルト52とが係合された状態では、第1ベルト51及び第2ベルト52が幅方向に平行かつ直線状になるように互いに係合され、第1ベルト51と第2ベルト52とが係合されていない状態では、第1ベルト51及び第2ベルト52は、後ろ身頃22の幅方向外側から中心線Cに向かって上方に傾斜させて取り付けられていればよい。
本構成により、傾斜した状態で取り付けられている第1ベルト51及び第2ベルト52が直線状になるように(幅方向に平行になるように)互いに係合させることで流通路28が形成されるので、第1ベルト51及び第2ベルト52の取付部51a,52aよりも中心側の生地が背中から離間する方向に立ち上がりやすく、流通路28を形成しやすい。
また、ヨーク部24が傾斜部24cを備えずに、直線部24bのみで構成されていてもよいし、傾斜部24cが円弧状に形成されていなくてもよい。
本実施形態においては、衣服本体1がつなぎ服である構成について説明したが、衣服本体1が上着部2のみで構成されていてもよい。なお、ファン付きウェアは、作業服に限られるものではなく、スポーツウェア、アウトドアウェア等に適用できる。
本実施形態においては、流通路調整部材50の係合部が面ファスナーである構成について説明したが、これに限られるものではなく、係合部51b,52bはボタンとボタンホールとで構成されてもよいし、リボンで構成されてもいい。
本実施形態においては、取付部51a,52aが上下方向寸法Hよりも幅方向寸法Wが大きい面状である構成について説明したが、これに限られるものではなく、取付部51a,52aの上下方向寸法Hよりも幅方向寸法Wが小さく設定されてもよい。
本実施形態においては、取付部51a,52aの幅方向端部がアームホール27に隣接する構成について説明したが、これに限られるものではなく、取付部51a,52aの幅方向端部がアームホール27よりも幅方向内側の位置に配置されてもよい。
本実施形態においては、ファン付きウェア100が流通路調整部材50を備える構成について説明したが、これに限られるものではない。例えば、上半身及び下半身を覆う衣服本体1と、衣服本体1内に空気を取り込むための空気導入装置としてのファン30と、を備え、衣服本体1の下半身を覆うズボン部3の素材が、衣服本体1の上半身を覆う上着部2の素材よりも通気性を備えるファン付きウェアであってもよい。
本構成によれば、ファン30の回転を停止させた場合においてもズボン部3が通気性を備えているので、下半身の快適性を確保できる。
図7には、流通路調整部材50の取付部の上下位置を変化させた場合の上着部の背面図が示されている。図7では、流通路調整部材50がアームホール27よりも下方に位置する比較例1が破線で示されており、流通路調整部材50がアームホール27の下端から上端の間H2に位置する実施例1が実線で示されている。なお、実施例1の流通路調整部材50は、ヨーク部の内表面側(人体側)に取り付けられているが、比較例1と識別するために、図7では実線で記載している。
図7に示されるように、比較例1では、後ろ身頃本体23の流通路調整部材50が取り付けられている部分のみが、後ろ身頃本体23が背中から離間する方向に撓み、流通路28は襟元に向かって徐々に消失している。一方、実施例1では、流通路調整部材50から上方の襟部26に向かって流通路28が形成されていることがわかる。
図8には、流通路調整部材50の取付部の面積を変化させた場合の上着部の背面図が示されている。図8では、流通路調整部材50の取付部の幅方向寸法が上下方向寸法以下に設定された実施例2が破線で示されており、流通路調整部材50の取付部の幅方向寸法よりも上下方向寸法が大きく設定されて広い面積を有する実施例3が実線で示されている。なお、実施例3の流通路調整部材50は、ヨーク部の内表面側(人体側)に取り付けられているが、実施例2と識別するために、図8では実線で記載している。
図8に示されるように、実施例2では、流通路調整部材50によって、後ろ身頃22の幅方向中央部に襟部26に向かう流通路28が形成されているが、取付部の面積が実施例2に比べて小さな面積を有するので、取付部が設けられた衣服本体1の幅方向両端側の部位が背中部分に沿っていない。そのため、衣服本体1内に取り込まれた外気が、衣服本体1の幅方向両端側(アームホール27側)へ拡散し、肩部が実施例2に比べて人体から離間する方向に膨出している。
一方、実施例3では、取付部51a,52aが面状に設けられているので、他の部分に比べて各取付部51a,52aの剛性が高まり、各取付部51a,52aが対応する人体の背中部分に沿っているので、衣服本体1内に取り込まれた外気が、衣服本体1の幅方向両端側(アームホール27側)へ拡散することが抑制され、流通路28が形成されていることがわかる。
図9には、流通路調整部材の取付部の取付角度を変化させた場合の上着部の背面図が示されている。図9では、流通路調整部材の取付角度が推奨水準の範囲内(10度)に設定されている実施例4が実線で示され、取付角度が推奨水準の範囲よりも大きな角度となる利用可能水準の範囲内(30度)に設定されている実施例5が二点鎖線で示され、取付角度が推奨水準の範囲よりも大きな角度(45度)に設定されている比較例2が破線で示されている。なお、実施例4の流通路調整部材50は、ヨーク部の内表面側(人体側)に取り付けられているが、比較例2及び実施例5と識別するために、図9では実線で記載している。
図9に示されるように、実施例4では、取付角度が推奨水準の範囲内に設定されているので、第1ベルト51及び第2ベルト52は取付部51a,52aの外端部が取付部51a,52aの内端部P1を中心に上方に向かって回転して幅方向に平行な直線状となるときに、上方に回転しながら持ち上がる肩部が稜線に沿うと共に、ヨーク部24の中央部の生地が人体9から離れる方向に弛んで、流通路が形成されていることがわかる。
実施例5では、取付角度が推奨水準よりも大きな角度となる利用可能水準の範囲内に設定されているので、実施例4に比べて肩部の回転量が大きくなって、肩部の両端部分のふくらみが徐々に目立ち始めるが、流通路の崩れはない。
比較例2では、取付角度が利用可能水準の範囲よりも大きな角度に設定されているので、実施例5に比べてさらに肩部の回転量が大きくなって、肩部の両端部分が膨らむと共に、ヨーク部には取付部の内端部P1に向かって皺が形成される。また、取付部の内端部P1を中心に後ろ身頃本体23の幅方向外側も回転するので、後ろ身頃本体23には、取付部の内端部P1に向かって皺が形成される。その結果、流通路28がヨーク部の皺と後ろ身頃の皺とによって、流通路が押しつぶされている。
以上のように、本発明によれば、ファン付きウェアの襟元の開口部を確保しつつ、衣服本体内に取り込まれた外気を、より効率的に流通路に案内して空気排出部から排出しやすくすることで、冷却効果を高めることができるから、ファン付きウェア関連産業の分野において好適に利用される可能性がある。
1 衣服本体
2 上着部
3 ズボン部
9 人体
22 後ろ身頃
23 後ろ身頃本体
24 ヨーク部
24b 直線部
24c 傾斜部
26 襟部
27 アームホール
27c 下端
27d 上端
28 流通路
30 空気導入装置
40 空気排出部
50 流通路調整部材
51 第1ベルト(右側部材)
52 第2ベルト(左側部材)
51a,52a 取付部
51b,52b 係合部
91 首後部
100 ファン付きウェア
C 中心線
H 上下方向寸法
H1 取付け位置
W 幅方向寸法

Claims (11)

  1. 少なくとも上半身を覆う衣服本体と、
    前記衣服本体内に空気を取り込むための空気導入装置と、
    前記衣服本体の襟部と人体の首後部との間に形成されて、前記空気導入装置によって導入された空気を外部に排出する空気排出部と、
    前記衣服本体内の空気を前記空気排出部に向かって流通させる流通路を、前記衣服本体を幅方向に撓ませて前記人体から離間させることで形成する、流通路調整部材と、
    を備え、
    前記流通路調整部材は、前記衣服本体の後ろ身頃におけるアームホールの下端以上で前記アームホールの上端以下に取付けられる取付部を有し、
    前記流通路調整部材は、前記衣服本体の幅方向に延びる帯状の右側部材及び左側部材を備え、
    前記右側部材の前記取付部は、前記後ろ身頃の中心線よりも幅方向一方側に位置し、
    前記左側部材の前記取付部は、前記後ろ身頃の中心線よりも幅方向他方側に位置し、
    前記右側部材及び前記左側部材の前記取付部よりも幅方向内側には、前記右側部材と前記左側部材とを互いに係合させることで前記衣服本体を背中から離間する方向に撓ませる係合部をそれぞれ備え、
    各取付部の前記衣服本体の幅方向寸法は、各取付部の前記衣服本体の上下方向寸法以上に設定されているファン付きウェア。
  2. 少なくとも上半身を覆う衣服本体と、
    前記衣服本体内に空気を取り込むための空気導入装置と、
    前記衣服本体の襟部と人体の首後部との間に形成されて、前記空気導入装置によって導入された空気を外部に排出する空気排出部と、
    前記衣服本体内の空気を前記空気排出部に向かって流通させる流通路を、前記衣服本体を幅方向に撓ませて前記人体から離間させることで形成する、流通路調整部材と、
    を備え、
    前記流通路調整部材は、前記衣服本体の後ろ身頃におけるアームホールの下端以上で前記アームホールの上端以下に取付けられる取付部を有し、
    前記流通路調整部材の前記取付部の前記衣服本体の幅方向における最も外側の部分は、前記衣服本体の肩部において、首周り部よりも前記アームホールに近い位置に配置されている、ファン付きウェア。
  3. 少なくとも上半身を覆う衣服本体と、
    前記衣服本体内に空気を取り込むための空気導入装置と、
    前記衣服本体の襟部と人体の首後部との間に形成されて、前記空気導入装置によって導入された空気を外部に排出する空気排出部と、
    前記衣服本体内の空気を前記空気排出部に向かって流通させる流通路を、前記衣服本体を幅方向に撓ませて前記人体から離間させることで形成する、流通路調整部材と、
    を備え、
    前記流通路調整部材は、前記衣服本体の後ろ身頃におけるアームホールの下端以上で前記アームホールの上端以下に取付けられる取付部を有し、
    前記流通路調整部材は、前記衣服本体の幅方向に延びる帯状の右側部材及び左側部材を備え、
    前記右側部材の前記取付部は、前記後ろ身頃の中心線よりも幅方向一方側に位置し、
    前記左側部材の前記取付部は、前記後ろ身頃の中心線よりも幅方向他方側に位置し、
    前記右側部材と前記左側部材とが係合された状態では、前記右側部材及び前記左側部材が幅方向に平行かつ直線状になるように互いに係合され、
    前記右側部材と前記左側部材とが係合されていない状態では、前記右側部材及び前記左側部材は、前記衣服本体の幅方向外側から前記中心線に向かって上方に傾斜させて取り付けられているファン付きウェア。
  4. 少なくとも上半身を覆う衣服本体と、
    前記衣服本体内に空気を取り込むための空気導入装置と、
    前記衣服本体の襟部と人体の首後部との間に形成されて、前記空気導入装置によって導入された空気を外部に排出する空気排出部と、
    前記衣服本体内の空気を前記空気排出部に向かって流通させる流通路を、前記衣服本体を幅方向に撓ませて前記人体から離間させることで形成する、流通路調整部材と、
    を備え、
    前記流通路調整部材は、前記衣服本体の後ろ身頃におけるアームホールの下端以上で前記アームホールの上端以下に取付けられる取付部を有し、
    前記後ろ身頃は、背中部を覆う後ろ身頃本体と、前記後ろ身頃本体の上端に縫合されて肩部を覆うヨーク部を備え、
    展開状態で、前記後ろ身頃の上端部は、幅方向に平行な直線で形成され、
    縫合前の状態において、
    前記ヨーク部は、幅方向中央部に設けられて幅方向に平行に延びる直線部と、前記直線部の両端から前記アームホールに向かって下方に傾斜する傾斜部とを有するファン付きウェア。
  5. 前記流通路調整部材は、前記衣服本体の幅方向に延びる帯状の右側部材及び左側部材を備え、
    前記右側部材の前記取付部は、前記後ろ身頃の中心線よりも幅方向一方側に位置し、
    前記左側部材の前記取付部は、前記後ろ身頃の中心線よりも幅方向他方側に位置し、
    縫合前の状態において、
    前記右側部材及び前記左側部材の前記取付部は、前記ヨーク部の前記傾斜部に配置されると共に、前記傾斜部の傾斜に沿って幅方向外側から前記中心線に向かって上方に傾斜している請求項に記載のファン付きウェア。
  6. 前記ヨーク部の前記傾斜部は、円弧状に形成されている請求項または請求項に記載のファン付きウェア。
  7. 前記衣服本体は、上半身及び下半身を覆うつなぎ服である請求項1から請求項のいずれか1項に記載のファン付きウェア。
  8. 前記つなぎ服のうち下半身を覆うズボン部の素材が上半身を覆う上着部よりも高い通気性を備える請求項に記載のファン付きウェア。
  9. 前記取付部は、前記人体の背中ないし肩甲骨に対応する位置に取付けられている、請求項1から8のいずれか1項に記載のファン付きウェア。
  10. 前記流通路調整部材の取付け位置H1は、前記アームホールの下端から上端までの高さをH2としたとき、H2の1/2の高さ位置よりも上方に設定されている請求項1から9のいずれか1項に記載のファン付きウェア。
  11. 前記流通路調整部材の取付け位置H1は、前記アームホールの下端から上端までの高さをH2としたとき、前記アームホールの下端からH2の2/3の高さ位置よりも上方に設定されている請求項又は請求項10に記載のファン付きウェア。
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