JP7501879B2 - Phf6を標的にするヒストンh2bエピジェネティクスス調節剤スクリーニング方法 - Google Patents
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Description
実験材料及び方法
細胞培養及び試薬条件付きでOct4欠乏を誘導することができる(ZHBTc4)マウス胚性幹細胞ラインは既に知られている。細胞培養は簡略に、初1~2継代でマウス胚芽繊維亜細胞が敷かれている状態で維持した。この状態で安定化後、0.1%ゼラチンがコーティングされた培養皿を使って胚性幹細胞を培養した。培養液は、Dulbecco’s modified Eagle medium(DMEM;Welgene)に15%牛胎児血清(FBS;Hyclone)、0.055mMβ-メルカプトエタノール(b-mercaptoethanol)、2 mML-グルタミン酸(L-glutamine)、0.1mM非必須アミノ酸(non-essential amino acids)、5,000units/mlペニシリン/ストレプトマイシン(penicillin/streptomycin)(GIBCO)、そして1,000units/ml leukemia inhibitory factor(LIF)(Chemicon)が添加されて、37℃の加湿インキュベーターで培養した。すべての細胞株は、定期的にマイコプラズマ汚染に対してテストされた。ZHBTc4の胚盤胞分化リプログラミングのために、0.5mg/mlドキシサイクリン(DOX)(#D3072,SIGMA)を2日間処理した。ZHBTc4の神経外胚葉分化のために、10mg/mlトランス-レチノイン酸(RA)(#R2625,SIGMA)を4日間LIFなしで処理した。マウス胚性幹細胞でのDNA トランスフェクションはLipofectamine 3000(Invitrogen)を使って行われた。CBP及びp300のノックダウンに対するsiRNA配列は、ttp://gesteland.genetics.utah.edu/siRNA_scalesで設計した。RNF20のノックダウンに対するsiRNA配列は、前に報告された通りに使われた。実験に使われた抗体の情報は次のとおりである。:Novus社の抗-PHF6(#68262);Abcam社の抗-ナノグ(ab21624)、抗-H3(ab1791)、抗-H2B(ab1790)、抗-H4(ab10158)、抗-H3K4me3(ab8580)、抗-H3K4me1(ab8895)、抗-H3K27me3(ab6002)、抗-H3K27Ac(ab4729)、抗-H3K9me3(ab8898)、抗-H2BK12Ac(ab195494)、抗-RNF40(ab191309)及び抗-Cdx2(ab157524);Santacruz社の抗-USP44(sc-377203)、抗-p300(sc-584)、抗-CBP(sc-1211)、抗-Oct4(sc-5279)、抗-GAPDH(sc-25778)及び抗-GST(sc-459);Bethly社の抗-RNF20(A300-714A);Active Motif社の抗-H2BK120ub(#39623);シグマ社の抗-Flag(#F3165)及び抗-β-actin(#A1978);Abm社の抗-His(#G020)。
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5’-AATTCAAAAAGACCACTCTAATCGAACCCATCTCGAGATGGGTTCGATTAGAGTGGTC-3’。
Phf6 KOマウス胚性幹細胞作製は、CRISPR-Cas9システムを使った。Phf6標的化のために、単一ガイドRNA(sgRNA)デザインをGPP sgRNA Designer(CRISPRko)から行った。選択したsgRNAをpRGEN-U6ベクターにクローニングしてZHBTc4にトランスフェクションした。ピューロマイシン処理による単一コロニー選択後、Phf6 KOコロニーを収得して、免疫ブロッティングで確認した後、サンガーシーケンシングによってフレームシフト突然変異を確認した。
ZHBTc4胚性幹細胞をハンギングドロップ方法によって1000個の細胞/滴で開始した。滴状態で2日間維持した後、各滴はコーティングされなかった滅菌カパーガラス及び丸い底の96ウェルプレートに移して培養した。培地は、毎日添加あるいは取り替えて、プレート移動は、EBに対する物理的影響を最小化するために最小で固定された。すべてのEBは、LIFがない培地を使って培養された。
AP染色のために、野生型(WT)及びPhf6 KO ZHBTc4を12ウェルプレートで0.1%ゼラチンコーティングされたカパーガラス上で培養した。ウェル当たり104個の細胞が初めにまかれた。2日後、AP染色は、アルカリ性フォスファターゼ検出キット(#SCR004,Millipore)を使って行われた。提供されたプロトコルにより染色を行った。簡略に、各細胞を1-2%の間4%パラホルムアルデヒドで固定させて、室温で溶液(ナフトール/ファーストレッドバイオレットミックス)と15-20分の間反応させた。反応後溶液を洗い落としてイメージスライドを作った。
ZHBTc4幹細胞及び胚芽体の成長を追跡するために、JuLI Stageリアルタイム細胞履歴記録器(NanoEnTeK)が使われた。胚性幹細胞成長を追跡するために、104細胞を0.1%ゼラチンコーティングされた12ウェル培養皿に撒いて、12時間毎に細胞が育った程度を記録した。記録が完了した後、細胞成長曲線は、JuLIによって提供されたソフトによって分析された。胚芽体形成の場合、各々の滴を96ウェル丸い形プレートの各々のウェルに移動させて12時間毎に細胞形態を記録した。そうした後、提供されたソフトでイメージを撮影した。胚芽体コアの他に細胞領域を計算するために、ImageJプログラムを使って7日に撮影したイメージで領域の大きさを計算した。
免疫蛍光撮影のための胚芽体を実験前にカバースリップで成長させた(カバースリップ当たり一つの胚芽体)。胚芽体をPBSに混ぜた2%パラホルムアルデヒドで10分の間固定させた後、室温においてDPBSで2回洗浄した。固定細胞を室温で5分の間PBS(PBS-T)中0.5%トリトンX-100で透過化させた。0.1% PBS-T中10% FBSで30分の間ブロッキングを行った。染色のために、細胞を室温で4時間の間1次抗体と共にインキュベーションして、0.1% PBS-Tで4回洗浄して、蛍光標識された2次抗体(Invitrogen)と共に1時間の間インキュベーションした。細胞を洗浄してDAPI(Sigma)と共にVECTASHIELD(H-1200、Vector Laboratories)によって固定した。蛍光は、Zeiss LSM700共焦点顕微鏡(Carl Zeiss)で撮影した。
融解前細胞は冷たいPBSで簡単にすすいだ。プロテアーゼ抑制剤が添加された溶解液(50mM Tris-HCl pH8.0、200mM NaCl及び0.5% NP-40)に細胞を溶解した後、ブランソンソニファイア450を使って超音波処理で細胞を溶解した(出力4、10~12パルス)。溶解物はブラッドフォード方法で定量してSDS-PAGEで分析した。
大腸菌でGSTビーズを使ってGST-PHF6タンパク質を精製した。ZHBTc4胚性幹細胞からヒストン抽出物をSDS-PAGEで分離した。大きさに応じてH3、H2B、H2A及びH4順にヒストンオクタマーを分離した後、精製されたGST-PHF6タンパク質0.1mg/mlを緩衝溶液(100mM NaCl、20mM Tris-HCl[pH7.6]、10%グリセロール、0.1%ツイン-20、50mM ZnCl2、2%脱脂粉乳及び1mM DTT)でヒストン抽出物と共に反応させた。ヒストンが分離されたメンブレイン上にGST-PHF6の結合後、抗-GST抗体を使って免疫ブロット分析を行った。
分析緩衝液(250mM NaCl、50mM Tris-HCl[pH7.5]、0.05% NP-40、及び50mM ZnCl2)で0.3μgのGST精製したタンパク質と0.5μgのビオチン化されたヒストンペプチドを一晩インキュベーションした。続いて、50%スラリーのストレプトアビジンビーズを添加して1時間の間追加でインキュベーションした。この後、洗浄で非特異的相互作用を除去した後、ビーズをサンプリング緩衝液で沸騰させてペプチド-タンパク質相互作用を免疫ブロッティングによって検出した。ヒストンH3修飾に対するビオチン化されたヒストンペプチドはBoston BioChemsから購入して、ヒストンH2B修飾についてはJPT peptide technologyから購入した。
ヒストンペプチド結合アレイキットは、ActiveMotif(#13005)から購入した。提供されたプロトコルにより次の分析が進行された。簡単に、4℃で一晩中5%牛乳が混ざったTTBS(10mM Tris-HCl[pH7.5]、150mM NaCl及び0.05%ツイン-20)でキットをブロッキングした。以後、キットを室温で1時間の間結合緩衝剤(100mM KCl、20mM HEPES[pH7.9]、1mM EDTA、10%グリセロール及び0.1mM DTT)中0.3μgの溶離されたGST-PHF6と共に培養した。続いて、GST 1次抗体及び2次抗体をキットで室温で1時間の間順次インキュベーションした。各段階の間にTTBSで3回洗浄作業を進めた。
PHF6 WT及びE223S突然変異体(MT)は、ロゼッタ(DE3)大腸菌細胞でGST融合タンパク質として発現した。0.25mMイソプロフィール1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(IPTG)に誘導した後、20℃で一晩中成長させた後、細胞を収穫して、500mM NaCl及び1mMフェニルメタンスルホニルフルオリド(PMSF)が補充されたホスフェート緩衝食塩水(PBS)中エマルシーフレックスC3(アバスチン)を使って溶解させた。15分の間14,000rpmで遠心分離した後、上澄み液をグルタチオンアガロースカラム(Thermo Scientific)にローディングした。平衡緩衝液(20mM HEPES-NaOH[pH7.5]及び300mM NaCl)でカラム洗浄した後、各タンパク質を溶離緩衝液(100mM HEPES-NaOH[pH7.5]、300mM NaCl及び20mM還元グルタチオン)で溶離させた。各々のGST-PHF6(WT及びE223S)をゲルろ過緩衝液(20mM HEPES-NaOH[pH7.5]及び150mM NaCl)で予め平衡化したSuperdex 200のサイズ排除カラムであるHiTrap SPカチオン交換カラムで精製した。対照実験のために、GSTはRosetta(DE3)大腸菌細胞で発現されて、HiTrap SPカラムの代わりにHiTrap Qアニオン交換カラムを使うことを除いては前述したのと類似するように精製された。
結合性測定は、Nanotemper Monolith NT.115picoで行われた。H2Bペプチド(1-20)WT及びK12Ac修飾を有するペプチドは、Genscriptから購入して、各々のGST-PHF6(WT及びE223S MT)及びGSTは、染料NT-647(Cy5)(Lumiprobe)で標識された。標識されたGST及びGST-PHF6は、~90nMの濃度で使われた。各々のH2BペプチドをMST緩衝液(20mM HEPES-NaOH[pH7.5]、150mM NaCl、0.05%ツイン-20及び0.5mg/mL BSA)で~880mMから26nMに希釈して、標識されたタンパク質と共に10分の間室温で培養した。MST測定は、40% MST電力及び25% LED電力(GST-PHF6 WT)または12% LED電力(GST-PHF6 E223S及びGST)において22℃で行われた。各データセットは、MOを使って分析された(Nanotemper Technology)。
基質の場合、H2B-Flag WT/K12RをPhf6 KO胚性幹細胞に形質感染させて、モノヌクレオソームを含有するH2B-FlagをMNase消化によって精製した。精製後、これらのヌクレオソームをE1、E2、E3酵素、ユビキチン、50mM ZnCl2及び10x緩衝液(500mM Tris-HCl[pH7.5]、20mM ATP、10mM MgCl2,2mM DTT)と50μlで混合した。続いて37℃で1時間の間インキュベーションした。反応を停止させるために、サンプリング緩衝液を添加して、サンプルを100℃で10分の間沸騰させた。E1、E2(UBCH3、UBCH6)及びユビキチンは、Boston Biochemsから購入した。精製されたGST-PHF6 WT/突然変異は、E3リガーゼと見なされた。
E2及びE3関係として、PHF6とUCBH3間の相互作用を確認するために、試験管内ユビキチン化分析によってHis-UBCH3をユビキチン化した。UBCH3-ユビキチンコンジュゲーションのために、50ngのE1、0.5μgのHis-UBCH3及びユビキチンをユビキチン化分析緩衝液と共に37℃で1時間の間培養した。次に、1μgのユビキチン接合されたHis-UBCH3を1ml体積のプルダウン検定緩衝剤(20mM Tris-HCl[pH7.8]、125mM NaCl、10%グリセロール、0.1% NP-40及びプロテアーゼ抑制剤)でビーズ結合されたGST単独またはGST-PHF6 WTまたは突然変異と共に4℃で一晩中培養した。反応後、同じ緩衝液でビーズを4回洗浄して、サンプリング緩衝液でビーズを沸騰させた。
ChIP分析は、基本的に報告された通り行われた。ChIP分析のために、細胞を室温で15分の間1%ホルムアルデヒドによって架橋させた。核ペレットをRIPA緩衝液で超音波処理した。MNase-ChIPの場合、核ペレットをMNase溶解緩衝液に溶解させて超音波処理の代わりに37℃で10分の間MNaseと反応させた。逆架橋は65℃で一晩中行われた。MNase-ChIPサンプルの逆架橋及び免疫ブロッティングのために、免疫沈殿されたビーズを2Xサンプリング緩衝液と混合して100℃で45分の間沸騰させた。精製カラム(#28105、QIAGEN)によってDNAを単離した。溶離されたDNAはqRT-PCRによって検出された。すべての反応を3回行った。この研究に使用されたChIP-qRT-PCRプライマーは次の表1のとおりである。
総RNAをTrizol(Invitrogen)を使って抽出して、M-MLV cDNA Synthesis Kit(Enzynomics)を使って1~2μgの総RNAで逆転写を行った。mRNAの量は、SYBR TOPreal qPCR 2X PreMix(Enzynomics)を有するABIプリズム7500システムまたはBioRad CFX384によって検出された。mRNAの量は、ddCt方法を使って計算してGapdh及びβ-actinを対照群として使用した。すべての反応を3回行った。この研究に使用されたqRT-PCRプライマーは表1のとおりである。
総RNAは、DOX処理有無により各々WT及びPhf6欠乏細胞から抽出された。その後、IlluminaのTruSeqプロトコルに従って、鎖mRNA-seqライブラリーを準備した。HiSeqプラットホームで生データを生成した後、Trimmomatic(v0.36)によって品質が低いアダプタ及びべースを除去するために読み取りを事前処理した。次にSTAR(v2.5.3)を使って読み取り値を整列して、TPM(transcripts per Million)をRSEM(v1.3.0)で計算した。遺伝子当たり読み取り回数を使って、正常状態、DOX処理及びRA処理でWTとPhf6 KOのすべての可能な6種類対別比較のために、DESeq2(v1.18.1)で差別的に発現された遺伝子(DEG)を確認した。R-(v3.4.3)で4セットのDEGの結合に対してk-平均群集化を行った。遺伝子セット濃縮分析(GSEA)の場合、表現型ラベルは2:2:50:10=WT-DOX:KO-DOX:WT+DOX:KO+DOXと定義されて、遺伝子当たりピアソン相関係数は、順位のために使われた。その後、分子シグネチャデータベース(MSigDB)v6.2の遺伝子セットに対して濃縮点数を計算した。各クラスターに対するWTとPhf6 KO細胞間のDOX反応性の差を分析するために、まず各サンプルに対して各クラスターにある遺伝子のz-点数平均を求めた。その後、各々のWT及びPhf6 KO細胞でDOXの存在または不在に応じた平均値の差を計算して、これはWT及びPhf6 KO細胞のDOX反応性と見なされた。最終的に、クラスターによるWT及びPhf6 KO細胞間のDOX反応性の差は計算されて、クラスター当たりPHF6の存在または不在に応じてDOX反応性であるものと見なされた。
応答差=|(Σ(+DOXz-点数)-WT(/DOXz-点数)WT)/n-(Σ(+DOXz-点数)-Σ(-DOXz-点数)KO)/n|
すべての実験は3回独立的に行われた。値は平均±SEMで表示された。ANOVAテストを使って有意性を分析した。0.05未満のP-値は統計的に有意であると見なされた。
哺乳動物の初期発達段階で、PHF6の潜在的な機能を確認するために、本発明者等はPhf6欠乏胚性幹細胞(Phf6 KO ESCs)を作り、Phf6の欠乏が胚性幹細胞の多能性及び分化に影響を及ぼすか否かを調べた(図1A)。本発明者等はZHBTc4マウス胚性幹細胞ラインを使ったが、これはテトラサイクリン(Tc)またはドキシサイクリン(DOX)処理によってOct4が欠乏するように設計されている幹細胞である。胚性幹細胞は、Oct4の発現抑制後、初期胚盤胞系統でリプログラミングされることが知られている。従って、ZHBTc4胚性幹細胞システムは、試験管内で初期段階胚芽の全体系統を確認することができる利点がある。免疫ブロット分析によって本発明者等は、Phf6欠乏ZHBTc4胚性幹細胞ライン(以下Phf6 KO ESC)でPHF6の発現が完全に消えたことを確認した(図1B)。また、短いヘアピンRNA(short-hairpin RNA)でPhf6の発現を抑制した時にも、ZHBTc4でPHF6発現が相当に減少されたのを確認した(図1B)。
胚性幹細胞の胚盤胞細胞でのリプログラミングの間PHF6の機能を詳しく識別するために、本発明者等はDOX処理有無に応じたWTとPhf6 KO ESCsの間DEGに対するk-平均クラスタリング(k=6)を行った(図2A)。その後、各クラスターでWTとPhf6 KO胚性幹細胞との間のDOX反応の差を測定した結果、クラスター1がWTとPhf6 KOと間のDOX反応の差が最も大きいことを確認することができた(図2B)。この結果は、クラスター1内で遺伝子発現の調節がPHF6に大きく依存することを示唆する。クラスター1内の遺伝子発現の様子を確認した結果、胚性幹細胞状態(-DOX)でWTとPhf6 KOとの間に殆どまたは全く差を見せなかったが、胚盤胞細胞でのリプログラミング状態(+DOX)で発現が相当増加して、この増加した発現がPhf6 KOで相当減少した遺伝子が集まったクラスターであることを確認することができた(図2C)。また、DOX処理をより発現が抑制される遺伝子のクラスター(クラスター2及び4)に対するWTとPhf6 KOの差を確認して結果、これらのクラスターの遺伝子発現の差は、クラスター1に比べて高くないことを確認することができた(図2B)。クラスター1に属した遺伝子の生物学的機能をGO分析によって確認した結果、予想した通り胚盤胞分化から派生する胎盤発生が最も有意味な生物学的機能と確認された(図2D)。この結果は、PHF6が胚盤胞細胞リプログラミングの間転写活性因子として機能することを示す。
PHF6が胚盤胞系統決定に対する遺伝子の発現に重要な役割をするのを確認したため、本発明者等は実際にPHF6が全体分化状態で胚盤胞分化に重要な役割をするか確認した。これのために胚芽体(EB)形成方法を活用してPhf6 KO及びWT胚性幹細胞から抽出したEBを比較して、分化過程でPHF6の役割を確認した。胚芽体形成実験は、本来胚性幹細胞を三つの系統(内胚葉、中胚葉、外胚葉)に分化させる方法であるが、近年このような胚芽体を付着させて分化させながら三つの胚葉に分化するEBコアだけでなく、胚芽体系統に分化する外部細胞層を生成できることが報告された。この方法を使って確認した結果、Phf6 KO胚性幹細胞で形成した胚芽体が、WT胚芽体とは異なって外部細胞層の形成に失敗することを確認した(図3A)。また、この胚芽体を胚芽体分化のマーカー遺伝子であるCDX2と共に免疫染色をした結果、WT胚芽体の外部細胞層でCDX2が高く発現することを確認することによって、この外部細胞層が胚芽体系統に分化していく細胞層であることを確認した(図3B)。興味深いことに、PHF6は外部細胞層でCDX2と共に発現するのを確認することができた(図3C)。また、Phf6 KO胚芽体での分化の間、Cdx2、Plac1、Ascl2及びGata2を含む胚盤胞マーカー遺伝子のmRNA水準を確認した結果、WT胚盤胞に比べて相当低く発現するのを確認することができた(図3D)。これによりPHF6が胚盤胞分化でのマーカー遺伝子の転写活性化に決定的な役割をするのを確認することができた。
次に、本発明者等はPHF6がどのようなヒストン修飾を認識して、このような転写調節因子としての機能を有するかを確認した。まずPHF6が4種類のヒストン中どのようなヒストンの修飾を認知するのか確認するために、ZHBTc4 ESCからヒストンを抽出した後、GST-PHF6組換えタンパク質と共にFar-western実験技法によってPHF6が直接認知するヒストンを確認した。その結果、GST-PHF6組換えタンパク質が、ヒストンH2B及びH3を選択的に認知することを発見した(図4A)。次に、PHF6によって認識されるH2B及びH3の特定修飾を確認するために、ヒストンペプチド配列キットを使ってスクリーニングを進めた。以前のFar-western実験結果と一致するように、スクリーニング結果、PHF6がいくつかの種類のヒストンH2B及びH3の修飾が入っているペプチドに特異的に結合することを確認した。これを分析した結果、上位五つのヒストン修飾は、H2BK15Ac、H3K27Ac、H2BK12Ac、H3R26me2a及びH3K27me2であった(図4B)。これらを独立的に確認するために、各々のH2BまたはH3修飾に対してペプチド結合分析実験を行って、その結果PHF6が試験管内でH2BK12Acに特異的に結合することを確認した(図4C)。
従来の報告でPHDドメイン自体がE3リガーゼ活性を有する場合が報告された。PHF6は、2回目拡張PHDドメインを介してH2BK12Acを認識して、H2BでK12AcとK120ubとの間にPHF6依存性が存在するため、PHF6がPHDドメインを介してH2BK120ubに対するE3ユビキチンリガーゼ活性を有するか否かを調べた。まず、Micrococcal Nucleaseを使って、Phf6 KO胚性幹細胞でH2BK12Rアセチル化欠乏突然変異及びH2B WTが入っているモノヌクレオソームを溶離させた。続いて、精製されたGST-PHF6と溶離されたモノヌクレオソームを混合して試験管内のユビキチン化分析実験を行った(図5A)。その結果、E2リガーゼパートナーとしてUBCH6でないUBCH3が作動した時、PHF6がE3ユビキチンリガーゼとして機能することを発見した(図5B)。この時、PHF6は、H2BK12Rアセチル化突然変異には、H2BK120をユビキチンすることができないことを確認することによって、PHF6が先行H2BK12Ac認識によってH2BK120ubに対するE3ユビキチンリガーゼとして機能することを追加で確認した。次に、この時、PHF6の最初の拡張PHDドメインが、PHF6のE3ユビキチンリガーゼ活性を有するかを確認した。試験管内ユビキチン化分析により、PHF6 WTはH2BK120をユビキチン化するが、C82A(亜鉛イオン捕捉を妨げることによって一番目の拡張PHDドメインの機能的活性が壊れた突然変異)またはE223S(2番目の拡張PHDドメインのH2BK12Acを認識できない突然変異)で、二つ共H2BK120をユビキチン化できないことを確認した(図5C)。この結果は、PHF6が2番目の拡張PHDを介してH2BK12Acを認識して、続いて一番目の拡張PHDドメインを介してH2BK120残基をユビキチン化することを暗示する。
PHF6の2番目の拡張PHDドメインは、H2BK12Acの認識を担当して、PHF6の一番目の拡張PHDドメインは、E3リガーゼ活性を発揮するため、DOX処理をした胚性幹細胞の胚盤胞分化への分化過程で、PHF6のこのような活性を追加で確認した。まず、MNase-ChIP分析を行って、E223残基がPHF6のH2BK12Ac認識に重要であることを確認した。実際に、PHF6 E223S突然変異は、H2BK12Acが含まれたモノヌクレオソームに対する結合が相当減少した一方、PHF6 WT及びE3リガーゼ突然変異M125Aは、H2BK12Acが含まれたモノヌクレオソーム結合能力を維持することを確認した(図6A)。また、PHF6 WTが、エンハンサーのマーカーであるH3K4me1が含まれたモノヌクレオソームとは結合できないことを発見した。このような結果は、PHF6がH2BK12Acを認識することによって標的遺伝子のプロモーター領域で機能をすることを示唆する。次に、PHF6 WTまたは突然変異をPhf6 KO胚性幹細胞に発現させた後、H2BK120ubの変化を確認した。その結果、PHF6 WTを発現させた時は、H2BK120ub水準が再び回復するのを確認したが、H2BK12Acを認識することはできない突然変異であるE223SまたはE3リガーゼ活性がない突然変異であるM125AやR129Aの発現は、H2BK120ub水準が回復されないことを確認した(図6B)。次に、DOX処理有無に応じだWT及びPhf6 KO胚性幹細胞でCdx2及びGata2のプロモーターに対してChIP分析を行った。その結果、DOX処理は、WT胚性幹細胞で、このような遺伝子のプロモーターでH2BK120ub水準と共にPHF6の募集が増加するのを確認したが、Phf6 KO胚性幹細胞では、この増加が見られないことを確認した(図6C)。また、Phf6と有無と関係なく発現する遺伝子であるMsx2のプロモーターに対するChIP分析では、WTとPhf6 KO胚性幹細胞との間にPHF6募集及びH2BK120ub水準の有意味な変化が現れないことを確認した(図6D)。これに加えて、プロモーター領域でH2BK120ubに続いて現れるH3K4me3の水準も確認した。予想した通り、Cdx2及びGata2プロモーターでのH3K4me3水準は、DOX処理に依存してH2BK120ub及びPhf6増加に応じて共に増加するのを確認した(図6C)。しかし、PHF6と関係がない遺伝子であるMsx2のプロモーターでは、H3K4me3水準もPHF6の有無と関係がなく増加するのを確認した(図6D)。次に、本発明者等はlenti-virus方法によって、Phf6 KO胚性幹細胞でPHF6 WTまたは突然変異を持続的に発現する細胞株を作製して、ここでPHF6 WTまたは突然変異が発現するPhf6 KO胚性幹細胞で胚盤胞分化マーカー遺伝子のmRNA水準を比較した(図6E)。qRT-PCR分析によって遺伝子の発現を確認した結果、PHF6突然変異を発現した胚性幹細胞はPHF6 WTが発現するPhf6 KO胚性幹細胞と比較した時、Cdx2、Ascl2、Wnt7b、Fgfr2及びPlac1を含む胚盤胞分化マーカー遺伝子の発現が有意に低くなっていることを確認した(図6F)。
Claims (9)
- PHF6(PHD finger-containing protein 6)タンパク質及び12番目リシン残基がアセチル化で修飾されたヒストン2B(H2BK12-Ac)タンパク質を発現する真核細胞を提供する段階;
前記真核細胞を前記PHF6の前記H2BK12-Acの認識を調節すると期待される試験物質の存在中で接触する段階;
前記アセチル化で修飾されたヒストン2B(H2BK12-Ac)タンパク質の120番目リシン残基のユビキチン化(H2BK120-ub)を測定する段階;及び
測定の結果、前記試験物質で処理されなかった対照群と比較して、前記試験物質で処理された細胞で前記アセチル化で修飾されたヒストン2B(H2BK12-Ac)タンパク質の120番目リシン残基のユビキチン化水準に変化がある場合、前記試験物質をPHF6活性調節候補物質として選別する段階;を含む、PHF6によるヒストンエピジェネティクス調節剤スクリーニング方法。 - 前記PHF6タンパク質及び前記H2BK12-Acは、ヒトを除いた動物モデルとして提供されるものである、請求項1に記載のPHF6によるヒストンエピジェネティクス調節剤スクリーニング方法。
- 前記真核細胞は、ヒトを除いた動物の胚性幹細胞である、請求項1に記載のPHF6によるヒストンエピジェネティクス調節剤スクリーニング方法。
- 前記PHF6タンパク質は、PHD1及びPHD2ドメインを含み、前記H2BK12-Acは、前記PHD2ドメインによって認識されて、前記H2BK120のユビキチン化は、前記PHD1によるものである、請求項1~3のいずれか一項に記載のPHF6によるヒストンエピジェネティクス調節剤スクリーニング方法。
- 前記エピジェネティクス調節剤は、白血病治療剤で開発されるものである、請求項1~3のいずれか一項に記載のPHF6によるヒストンエピジェネティクス調節剤スクリーニング方法。
- PHF6のPHD1ドメイン;またはPHD2ドメインが欠失または突然変異されたPHF6タンパク質及びヒストン2Bタンパク質を発現する真核細胞を提供する段階;
前記真核細胞と前記ヒストン2Bタンパク質の結合を促進させると期待される物質の存在中で前記タンパク質を接触する段階;
前記ヒストン2Bタンパク質の120番目リシン残基のユビキチン化水準を測定する段階;及び
測定の結果、試験物質と処理されなかった対照群と比較して、処理された場合、ヒストン2Bタンパク質の120番目リシン残基のユビキチン化が増加した場合、前記試験物質をPHF6活性調節候補物質として選別する段階;を含む、PHF6によるヒストンエピジェネティクス調節剤スクリーニング方法。 - 前記PHD1ドメイン;またはPHD2ドメインが欠失または突然変異されたPHF6タンパク質及びヒストン2Bタンパク質は、ヒトを除いた動物モデルとして提供されるものである、請求項6に記載のPHF6によるヒストンエピジェネティクス調節剤スクリーニング方法。
- 前記真核細胞は、ヒトを除いた動物の胚性幹細胞である、請求項6に記載のPHF6によるヒストンエピジェネティクス調節剤スクリーニング方法。
- 前記エピジェネティクス調節剤は、白血病治療剤で開発されるものである、請求項6~8のいずれか一項に記載のPHF6によるヒストンエピジェネティクス調節剤スクリーニング方法。
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