JP7491563B2 - 導電ピン、電気部品及び電気部品の製造方法 - Google Patents
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Description
一般的に、一体型の合成樹脂製のハウジングが採用される場合において、フォーミングされている端子とハウジングを一体化するには、インサート成形の採用は避けられないとされている。
即ち、金型に形成されたキャビティーの定められた位置にコンタクト端子を正確に載置し、位置ずれをしないように金型を閉じ、閉鎖されたキャビティー内に溶融した合成樹脂を充填することにより、コンタクト端子とハウジングが一体化した電気コネクタが形成される。
また、L字状中空部分を有するハウジング内に、単一導体線材の略直角に曲げられた中心導体を絶縁部材の介在により配置構成したL型同軸コネクタであり、ハウジングの中空部に2個の導体ピンを直交部で連結した中心導体を配置した構成が開示されている(下記特許文献2参照)。
また、インサート成形等、複雑なフォーミングを施したコンタクト端子をキャビティー内、又はコネクタハウジングの定位置に配置してコンタクト端子とコネクタハウジングとを一体化する作業は極めて困難な作業であり、それに要する技術も高く、設備コスト及び製品コストも嵩むと言う問題がある。
更に、当該良好な導通は、前記製造工程において導電ピンのフォーミングを回避できることや、キャビティーや絶縁ブロックに対する導電ピンの載置を回避できることとも相俟って高い歩留まりの獲得に寄与することとなる。
図に示す例は、電気部品の一例として電気コネクタを示し、導電ピンの一例として電気コネクタの屈曲したコンタクト端子を構成する導電ピンを示したものである。
前記挟持ピンAは、保持孔を備えた保持部3を設けるに足る面積が必要であるため、平板で撃ち抜かれた細板材から、切断加工、切削加工又はプレス加工を行い、ハウジングHの圧入孔Yに圧入される内装部1、圧入孔Yから抜けないように掛かるアンカ部4及び圧入量を規制するストッパ5、並びにハウジングHから露出する端子部6等を成形することが望ましい。
これらプレスフィット端子は、圧入工程の便宜のため、当該内装部1に先端を先細りとする面取り部7が四側面の先端部のそれぞれに設けられている。
これらの実施例において、電気コネクタは、下記のとおり直線状の圧入孔X,Yが相互に直交するL字状又はS字状のハウジング(図6乃至図8参照)Hを用い、その形態に沿ってL字状又はS字状に導電路を設けるものとする。
即ち、当該圧入孔Y,Xに、挟持ピンA、挿入ピンBの順で、各圧入孔Y,Xとの関係により定まる向きでストッパ5まで圧入すれば、前記保持部3に前記連結部2が自動的に適量だけ挿通されることとなる。
前記薄肉部10は、当該挟持ピンAの長手方向に沿った直線状の切込11を同じ長さで平行に二本備える。前記切込11,11の間隔は、前記挿入ピンAの連結部2の幅と略等しく設定され、当該切込11,11の長さは、当該連結部2の幅の2倍から5倍に設定されている。
前記保持孔8の長さ(一対の挟持爪9,9の間隔)は、前記挟持爪9のバネ性に応じて前記挿入ピンBの連結部2の厚みより僅かに小さく設定されている。
その際、前記保持孔8より厚肉な挿入ピンBの連結部2は、一対の挟持爪9,9の先端部を押し開きながら前記保持孔8へ進入する。
また、一対の挟持爪9,9は、挿入ピンBの連結部2の側面に対する突っ張り力によって、連結する両導電ピンA,Bの導通を確実に維持する機能を果たすことともなる。
また、前記保持部3は、当該挟持ピンAの長手方向に沿った長方形状の保持孔12が穿設されることによって、当該保持孔12の両側に左右保持枠13,13が同じ長さで平行に二本形成される。
前記保持孔12の幅(保持枠13,13の間隔)は、前記挟持枠13のバネ性に応じて前記挿入ピンBの連結部2の幅よりも僅かに狭く設定し、当該保持孔12の長さは、当該連結部2の幅の2倍から5倍に設定する。
その際、前記保持孔12より幅広な挿入ピンBの連結部2は、一対の挟持枠13,13の中間部を押し開きながら前記保持孔12へ進入するが、保持枠13,13の外側(膨出側)にくびれ部14が存在することによって、保持枠13,13が対称的に側方へ迫り出した際の緩衝空間が確保される。尚、圧入孔Yの形態や性状をもって緩衝空間が生じる場合には、必ずしもくびれ部14を設けるには及ばない。
また、一対の挟持枠13,13は、挿入ピンBの連結部2の側面に対する加圧及び面接触構造によって連結する両導電ピンA,Bの導通を確実に維持する機能を果たすことともなる。
この実施例の挟持ピンAにあっても、バネ性を持つ導電金属を素材とする直線状のワイヤ、又は平板から打ち抜かれた細板材にプレス加工、切断加工、切削加工又は穴開け加工等を施すことにより、ハウジングHの圧入孔Yに圧入される内装部1、圧入孔Yから抜けないように掛かるアンカ部4及び圧入量を規制するストッパ5、並びに求められる機能に応じてハウジングHから露出する端子部6等が成形されている。
尚、一本の挟持ピンAに、3つ以上の保持部3設けることもでき、その際、構成の異なる保持部3を混在させることもできる。また、一本の挟持ピンAに他の挟持ピンAの保持部3に挿入する連結部2(下記実施例4又は実施例5を含む)を設けることもできる。
その際、当該挟持ピンAは、ハウジングHの圧入孔Yへ、当該挟持ピンAの保持部3がそれぞれ圧入孔X,Yの交差点に達するまで先行して圧入され、その後、挿入ピンBを圧入孔X,Xへ圧入することによって、自動的に三つの導電ピンが連結される。
図5乃至図8に示す例は、S字状に導電路を形成する電気コネクタを構成した例であるが、U字状、m字状等に導電路を内装するジャンパーピンなどとして構成することができる。
尚、この例に用いられる挟持ピンAは、前記実施例2の構成と略同じであるが、連結部2の挿入に伴う保持枠22,22の押し開きは必ずしも要請されていないため、保持部3の側方のくびれ部と保持枠22,22のバネ性は考慮しなくてもよい。
前記挟持ピンAの圧入長を安定的に維持させるためには、この例に用いる挟持ピンAの保持孔15の長さ(挟持ピンAの長手方向の長さ)は、前記連結部2の厚みと略等しく設定することが必要である。
前記緩衝孔21は、当該連結部2の中央部を当該挟持ピンAの長手方向に沿った長方形状に表裏を貫通する透孔であって、当該緩衝孔21を備えることによって、当該緩衝孔21の両側に左右突っ張り枠20,20が同じ長さで且つ対照的に二本形成される。
前記突っ張り枠20,20を外縁とする連結部2の横幅は、前記突っ張り枠20,20のバネ性に応じて前記挟持ピンAの保持孔15の幅よりも僅かに幅広に設定し、当該緩衝孔21の長さは、当該保持孔15の長さ(保持部3の厚み)の3倍から5倍に設定する。
その際、突っ張り枠20,20の間に緩衝孔21が存在することによって、突っ張り枠20,20が対称的に内側へ押し狭められた際の緩衝空間となる。
また、一対の突っ張り枠20,20は、挟持ピンAの保持部3の内面に対する突っ張り力及び面接触構造によって連結する両導電ピンA,Bの導通を確実に維持する機能を果たすことともなる。
尚、この例に用いられる挟持ピンAも、前記実施例2の構成と略同じであるが、連結部2の挿入に伴う保持枠22,22の押し開きは必ずしも要請されていないため、保持部3の側方のくびれ部と保持枠22,22のバネ性は考慮しなくてもよい。
前記挟持ピンAの幅を狭くするためには、この例に用いる挿入ピンBの幅は、強度及び導電性が許す限り細く設定することが望ましい。
前記薄肉部17は、当該挿入ピンBの長手方向に沿った直線状の切込18を中央に一本備える。
当該連結部2にあっては、前記切込18で左右に分割された領域に対し、表裏同じ振幅となるように逆方向へ互い違いの山形に曲げ成形を行うことによって、前記切込18の左右に2本の突っ張り部16,16が形成され、同時に、当該突っ張り部16,16の表裏に突出した部分の裏側に緩衝空間19,19が形成される。
一方、当該切込18の長さは、当該挟持ピンAの保持部3の肉厚の3倍から5倍に設定する。
その際、前記保持孔15の長さより厚肉な挿入ピンBの連結部2は、保持孔15の内面に押し縮められながら当該保持孔15へ挿入される。その際、突っ張り部16,16の内側(収縮側)に緩衝空間19が存在することによって、突っ張り部16,16が表裏均等に内側へ押し縮められた際の逃げ場となる。
また、一対の突っ張り部16,16は、挟持ピンAの保持部3の内面に対する突っ張り力及び面接触構造によって連結する両導電ピンA,Bの導通を確実に維持する機能を果たすことともなる。
その結果、L字状やS字状の導電路(図5乃至図8参照)を内装する電気コネクタのみならず、電気モジュールその他の様々な電気部品を比較的容易に製造することができる。
また、図示した導電ピンは、非連結状態において表裏対称形状であるが、表裏左右非対称の形態を採用することもできる。
更に、実施例1の保持部3に実施例2の構成及び作用を与えた構成や、実施例4の連結部2に実施例5の構成及び作用を与えた構成を採ることもできる。
X,Y,Z 圧入孔,
1 内装部,2 連結部,3 保持部,
4 アンカ部,5 ストッパ,6 端子部,7 面取り部,
8 保持孔,9 挟持爪,10 薄肉部,11 切込,
12 保持孔,13 保持枠,14 くびれ部,
15 保持孔,16 突っ張り部,17 薄肉部,18 切込,19 緩衝空間,
20 突っ張り枠,21 緩衝孔,
22 保持枠,
Claims (6)
- 絶縁ブロック内に屈曲した導電路を形成するために連結される導電ピンであって、
前記絶縁ブロックに挿し入れられる内装部に他の導電ピンの連結部を挟持する保持部を側方へ向けて備え、
前記保持部は、前記連結部の挿入によって生じた変形に対する復元性を備え、
前記保持部は、前記連結部が挿入される保持孔と、当該保持孔への前記連結部の挿入によって押し開かれる一対の挟持枠を備えることを特徴とする導電ピン。 - 絶縁ブロック内に屈曲した導電路を形成するために連結される導電ピンであって、
前記絶縁ブロックに挿し入れられる内装部に他の導電ピンの連結部を挟持する保持部を側方へ向けて備え、
前記保持部は、前記連結部の挿入によって生じた変形に対する復元性を備え、
前記保持部は、前記連結部が挿入される保持孔と、当該保持孔への前記連結部の挿入によって先端部が対称的に当該挿入方向へ押し出される一対の挟持爪を当該保持孔を挟んで備えることを特徴とする導電ピン。 - 絶縁ブロック内に屈曲した導電路を形成するために連結される導電ピンであって、
前記絶縁ブロックに挿し入れられる内装部に他の導電ピンの連結部を挟持する保持部を側方へ向けて備え、
前記保持部は、前記連結部の挿入によって生じた変形に対する復元性を備え、
前記保持部は、前記連結部が挿入される保持孔と、当該保持孔への前記連結部の挿入によって押し開かれる一対の挟持枠を備えると共に、当該保持孔への前記連結部の挿入によって先端部が対称的に当該挿入方向へ押し出される一対の挟持爪を当該保持孔を挟んで備えることを特徴とする導電ピン。 - 絶縁ブロックの圧入孔に圧入された導電ピンの保持部の保持孔へ、前記圧入孔と交差する他の圧入孔に圧入した他の導電ピンの連結部を挿入し当該連結部を弾性変形させる導電ピンの連結構造を備え、
前記他の導電ピンは、
前記絶縁ブロック内に屈曲した導電路を形成するために連結される導電ピンであって、
前記絶縁ブロックに挿し入れられる内装部に他の導電ピンの保持部に挟持される連結部を備え、
前記連結部は、保持部に挟持されたことによって生じた変形に対する復元性を備えることを特徴とする電気部品。 - 前記連結部は、前記保持部に挟持されることによって側方から対称的に押し狭められる一対の突っ張り枠と、当該突っ張り枠に挟まれた緩衝孔を備える請求項4に記載の電気部品。
- 前記連結部は、前記保持部に挟持されることによって表裏又は側方から互い違いに押し縮められる突っ張り部を備える請求項4又は請求項5のいずれかに記載の電気部品。
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JP5841633B2 (ja) | 2014-04-15 | 2016-01-13 | キヤノン株式会社 | 印刷装置、その制御方法、及びプログラム |
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