JP7490289B1 - 雨水浸透貯留循環システム - Google Patents

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Abstract

【課題】まず雨水を地中に浸透させて涵養することを優先し、浸透しきらずに余った分については貯留し、その貯留した水を利用しつつ自然に近い形で循環させる。
【解決手段】敷地内の浸透しにくい箇所に降った雨水が流れ込むように複数埋設された浸透升と、前記浸透升の一と隣接する他の浸透升との間を次々に繋ぐように配設された浸透排水管と、繋いでいった前記浸透排水管の終端まで到達した前記雨水を浄化した上で貯留する貯水タンクと、を有し、前記浸透升は、前記雨水の一部を敷地内の土壌へ浸透させることを優先し、前記浸透排水管は、前記浸透升から流入した前記雨水を漏出させながら土壌へ浸透しきれなかった雨水を前記貯水タンクへ向けて流出させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、雨水を浸透・貯留・循環させることによって有効に利用する雨水浸透貯留循環システムに関する。
二酸化炭素などの温室効果ガスによって地球温暖化が進むことで、海面上昇、降水量の局地的な変化、大規模な自然災害などの異常気象の頻発、砂漠化の進行、線状降水帯及びゲリラ豪雨などの影響が生じている。第21回気候変動枠組条約締結国会議(COP21)において採択されたパリ協定でも温室効果ガスの排出削減の目標が定められ、企業や一般家庭においてもエネルギーの使い方や消費行動を見直すことが求められている。
国連総会でも持続可能な開発目標(SDGs)として、気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる等、17の開発目標が採択されている。企業が倫理的観点から事業活動を通じて自主的に社会に貢献する責任を持つという企業の社会的責任(CSR)もあり、多くの企業が目標を達成すべく取り組んでいる。災害などにより緊急事態が発生したときに企業が損害を最小限に抑えて事業を継続させながら周辺地域と共に復旧を図るための事業継続計画(BCP)等にも取り組んでいる。
近年の気候の変動等に伴い水資源の循環の適正化を図るために、雨水の利用が果たす役割と、水資源の有効利用を図ることにより、下水道や河川等への一局集中的な流出を抑制することも定められている。雨水の利用においては、一時的に貯留されて水洗便所や散水など他の用途に利用範囲を拡大することが求められているが、水道法(昭和32年法律第77号)第3条第8項の規定、土地改良法(農業用水)、工業用水事業法等で、水の原水としての使用が制限されている。
大気中の蒸気が雲となり地表に降った雨水は、表面浸透して地下水として貯留され、工業用水や水田などで利用されている。雨水的環境が保全されている地域とはいえ、地下水は無限にあるものとの考えから大量に汲み上げてしまい地盤沈下や湧水河川の枯渇を招いている。
水の供給において上下水道の社会基盤整備の普及率が先進国としての評価の1つであり、日本の上下水道普及率は先進国の中でも高い位置にある。他方、居住地域や物流インフラ高速道路等で雨水が浸透しにくい不浸透層が拡大することになり、雨水環境にとっては環境破壊である。
気候変動における水災害は年々深刻化しており、社会基盤の崩壊、居住地域の壊滅的被害をもたらしている。地表のコンクリート化やアスファルト化で雨水本来の循環性が失われ、下水道や河川等への流速が増し、河川の氾濫や浸水被害を拡大させる要因となっている。
特許文献1に記載されているように、都市公園の地下を利用する事によって、短時間豪雨による急激な洪水を緩和し、台地が持つ浄化システムを応用する事によって清涼な飲料水が常時貯留されている防災エリアを提供する雨水の浸透循環貯留槽の発明も開示されている。
地中に埋設される雨水の浸透循環貯留槽は、床面および側面が透水性部材で形成された浸透槽と、浸透槽床面の上方かつ浸透槽側面の高さ以内で浸透槽の内側に位置するように床材および側壁が不透水性部材で形成された循環貯留槽とを有し、浸透槽および循環貯留槽の内部には多孔質部材が充填され、循環貯留槽から水を排出する揚水手段が設けられている。
特許第4826975号公報
特許文献1に記載の発明では、浸透槽の内部に循環貯留槽があり、循環貯留槽から揚水手段で水を汲み上げている。循環貯留槽に入らなかった浸透槽内の雨水は浸透するが、浸透層の面積と浸透係数(水の浸透率は横に2m弱)は比例することから、地下水を涵養させるには不十分であり、貯留するにも不足するおそれがある。
そこで、本発明は、まず雨水を地中に浸透させて涵養することを優先し、浸透しきらずに余った分については貯留し、その貯留した水を利用しつつ自然に近い形で循環させる雨水浸透貯留循環システムを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明である雨水浸透貯留循環システムは、敷地内の浸透しにくい箇所に降った雨水が流れ込むように複数埋設された浸透升と、前記浸透升の一と隣接する他の浸透升との間を次々に繋ぐように配設された浸透排水管と、繋いでいった前記浸透排水管の終端まで到達した前記雨水を浄化した上で貯留する貯水タンクと、を有し、前記浸透升は、前記雨水の一部を敷地内の土壌へ浸透させることを優先し、前記浸透排水管は、前記浸透升から流入した前記雨水を漏出させながら土壌へ浸透しきれなかった雨水を前記貯水タンクへ向けて流出させる、ことを特徴とする。
前記雨水浸透貯留循環システムにおいて、前記浸透排水管は、多孔質のセラミックス管であり、複数のセラミックス管を連結したときの隙間から前記雨水の一部を土壌へ浸透させる、ことを特徴とする。
前記雨水浸透貯留循環システムは、前記貯水タンクに貯留された前記雨水を定期的に敷地内へ強制的に放出するための浸透層を備える、ことを特徴とする。
前記雨水浸透貯留循環システムにおいて、前記敷地内に、前記雨水を一時的に溜めて蒸発散させるための水庭を形成した、ことを特徴とする。
前記雨水浸透貯留循環システムにおいて、前記浸透層から前記水庭へ前記雨水を供給すると共に、前記水庭から前記浸透層へ前記雨水を供給する循環手段を有する、ことを特徴とする。
また、雨水浸透貯留循環方法は、敷地内の浸透しにくい箇所に降った雨水が流れ込むように複数埋設された浸透升それぞれについて隣接する他の浸透升との間を次々に繋ぐように浸透排水管を配設し、繋いでいった前記浸透排水管の終端まで到達した前記雨水を浄化した上で貯水タンクに貯留する方法であって、前記浸透升から前記雨水の一部を敷地内の土壌へ浸透させることを優先し、前記浸透升から前記浸透排水管へ流入した前記雨水を漏出させながら土壌へ浸透しきれなかった雨水を前記貯水タンクへ向けて流出させ、定期的に前記雨水を前記貯水タンクから敷地内へ強制的に放出する、ことを特徴とする。
本発明によれば、雨水を地中に浸透させて涵養することを優先し、浸透しきらずに余った分については貯留しておくことで、各家庭に自然本来の水環境に基づいた小さなダムを形成することができる。雨水を水道水ほどの水質でなくても使用可能なトイレ用水や散水などに使用することで、災害等の緊急時には代替水源になり、平常時でも節水の効果が期待できる。
舗装面において浸透しない雨水を下水道に排出するのではなく、雨が降った場所の土壌へ浸透させることで、下水道や河川への集中や地下水の枯渇なども抑制され、環境保全に繋がる。貯留した水は、生活用水などに利用し、またそれを回収して浄化することを繰り返すことで、上下水道の費用を抑えることができる。庭の池や散水により水を蒸発させることで自然に近い形で循環させることができ、散水により温度上昇を抑制すれば、空調の使用頻度が減り省エネにもなる。
水を循環させることで利用する際に不衛生な状態となるのを回避できる。災害等で水道が止まったり、貯水タンクの水が不足したりしても、土壌への浸透を優先しているので、地下水から汲み上げることも可能である。地球温暖化や土地利用の変化などが気候変動の一因にもなっていることから、水の循環を自然に近い形に戻すことは、気候変動の影響を軽減することにも繋がる。
自然本来の環境を維持することが自然を破壊せずに共存していく方法であり、持続可能な社会に資するものである。気候変動への対策だけでなく、健康福祉の促進、水の衛生管理、持続可能なエネルギー、インフラ構築、居住環境、生産消費形態など、様々な付加価値も得られる。また、地下の暗渠に水があるとしても、敷地内に水庭などを設けることで景観が良くなり、水不足にならないという安心感も得られ、緊急時だけでなく平常時においても、こうした視覚的な魅力も付加価値となる。
本発明である雨水浸透貯留循環システムが導入された敷地の例を示す平面図である。 本発明である雨水浸透貯留循環システムが導入された敷地の一部を側方から見た断面図である。 本発明である雨水浸透貯留循環システムにおいて雨水の流れを示す概略図である。 本発明である雨水浸透貯留循環システムで貯留した雨水を循環させる例を示す平面図である。 本発明である雨水浸透貯留循環システムで貯留した雨水を循環させる例を示す正面側の断面図である。 本発明である雨水浸透貯留循環システムで貯留した雨水を循環させる例を示す側面側の断面図である。
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
まず、本発明である雨水浸透貯留循環システムについて説明する。図1は、雨水浸透貯留循環システムが導入された敷地の例を示す平面図である。図2は、雨水浸透貯留循環システムが導入された敷地の一部を側方から見た(a)断面図と、(b)浸透升および(c)浸透排水管を示す図である。図3は、雨水浸透貯留循環システムにおいて雨水の流れを示す(a)概略図と、(b)貯水タンクおよび(c)使用例を示す図である。
図1~3に示すように、雨水浸透貯留循環システム100は、敷地200内の浸透しにくい箇所に降った雨水110が流れ込むように複数埋設された浸透升300、各浸透升300について隣接する他の浸透升300aとの間を次々に繋ぐように配設された浸透排水管400、および繋いでいった浸透排水管400の終端400aまで到達した雨水110を浄化した上で貯留する貯水タンク510を有する。
また、雨水浸透貯留循環システム100において、浸透升300は、雨水110の一部を敷地200内の土壌120へ浸透させることを優先し、浸透排水管400は、浸透升300から流入した雨水110を漏出させながら土壌120へ浸透しきれなかった雨水110を貯水タンク510へ向けて流出させる。
雨水浸透貯留循環システム100を導入した敷地200は、塀などの境界250で仕切られ、出入口210において外部から敷地200内に入ったり敷地200内から外部へ出たりする。敷地200内には、建物220を建てた箇所、地面を舗装した舗装面230、土壌120のまま植物(芝生等)が生えている緑地240等があるとする。
また、境界250及び出入口210の内側に降った雨水110は敷地200内に入り、敷地200内から外部へ雨水110が流出したり、外部から敷地200内へ雨水110が流入したりしないものとする。外部の雨水110は、河川や排水路などへ流れ込むことになる。
敷地200内の地面のうち、緑地240においては雨水110が土壌120に浸透しやすいが、舗装面230においては雨水110が浸透しにくい。なお、舗装面230は主に車両等の通路なので、車輪が通らない箇所を緑地240aにしても良い。その他に雨水110が浸透しにくい箇所も舗装面230と同様の扱いとする。
舗装面230上の雨水110を土壌120に浸透させるために敷地200内に浸透升300を設ける。特に雨水110が浸透しにくい不浸透層の家や舗装された場所の周辺に複数埋設する。浸透升300は、雨水110を地中に浸透させ、地下水を涵養するための設備である。例えば、底の空いた又は底や側面に孔を開けた筒体を地面から地中へ埋設し、内部に砕石740や割栗石750などを充填すれば良い。なお、筒体は、樹脂やコンクリート等を円形や矩形状に成形したものでも良いし、透水シートを巻いたようなものでも良い。
複数の浸透升300を、例えば、建物220を囲むように、又は舗装面230と緑地240の境に沿って、環状となるように配置する。一の浸透升300とそれに隣接する他の浸透升300aの間は、浸透排水管400で連結していき、全体を環状に繋げば良い。
雨水110を何れかの浸透升300に流入させるために、敷地200の境界250側から浸透升300側に向かって雨水110が流れるように舗装面230を傾斜させても良い。浸透升300の上面は地面と連にして雨水110が流れ込むようにするので、浸透升300間を繋ぐ浸透排水管400は、地中に埋設された暗渠となる。
浸透排水管400は、素焼陶管など透水性のあるセラミック管を使用する。天然素材のセラミック管は、多孔質であり、浸透性、保水性、浄化機能性に優れる。なお、浸透升300と浸透升300aの間に複数のセラミック管を繋げて配置しても良い。浸透排水管400同士は、緩く連結していれば良く、隙間があっても大量の水が流れてきたときに隣接する浸透排水管400aへ送り込めれば良い。浸透排水管400に浸み込んだり、隙間から漏れたりした雨水110は、土壌120へ浸透することになる。
雨水110の一部を浸透させながら、浸透升300で浸透しきれなかった雨水110が浸透排水管400へ流出し、浸透排水管400及びその隙間から漏れなかった雨水110は、終端の浸透排水管400bから浄化タンク500を介して貯水タンク510に貯留される。なお、浸透排水管400bは、終端同士が繋がっている必要はなく、終端に集まった雨水110が浄化タンク500に送られれば良い。
浄化タンク500は、雨水110からゴミ等の不純物を取り除く。暗渠排水中に浄化作用を持つものを配しても良い。例えば、活性炭に吸着させたり、多孔質のフィルタで濾過したりする。浄化タンク500内を、活性炭をセラミックスで挟んだ三重構造のフィルタにしても良い。集まった不純物入りの雨水110を逆浸透させた上澄み液を貯水タンク510に送るなどすれば良い。
貯水タンク510は、浄化タンク500で処理された雨水110が貯留される。飲料水として使用可能な水道水ほどの水質でなくても、風呂やトイレなどの生活用水として使用可能な程度に浄化されていれば良い。なお、災害などの緊急時には、殺菌処理を施せば水道水に近い水質で使用可能となる。
貯水設備でも日光が当たると藻などが発生して不衛生な状態となるので、貯水タンク510は、日光を遮蔽するか地下に埋設するのが好ましい。また、雨水110に有機物が含まれたまま放置すると水が腐るので、定期的に循環させて浄化するのが好ましい。
図2に示すように、敷地200内の舗装面230に降った雨水110は、舗装面230の傾斜によって浸透升300に向かって流れる。浸透升300に集まった雨水110は、まず浸透升300から土壌120へ浸透し、水量が多く浸透しきれなかった分は浸透排水管400に流れ込む。
浸透排水管400の隙間などからも土壌120へ浸透し、それでも浸透しきれなかった雨水110は、浄化タンク500に集まり、浄化された上で貯水タンク510に貯留される。貯水タンク510には給水手段520が設けられ、地上まで汲み上げて生活用水などに利用される。それがまた蒸発したり、地中に浸透したりして、水が循環される。
図3に示すように、浸透升300の高い位置から浸透升300aの低い位置に浸透排水管400を繋ぐようにすれば、浸透しきれなかった余剰分の雨水110が浸透排水管400に沿って流れる。浸透升300及び浸透排水管400から地中に浸透した雨水110aは、地下水として涵養されるので、井戸などから汲み上げることが可能である。
貯水タンク510に溜められた雨水110は、給水手段520によって敷地200内に設けた貯水槽600、水庭610、浸透層700などに供給される。雨水110を蓄えておくことで、外部からの水の利用を抑制できるし、外部からの水の供給が困難になっても水を利用することができる。
このように、敷地200内の土壌120に地下水として涵養された雨水110と、余剰分が貯水タンク510に貯留された雨水110より、敷地200内にダムが形成され、必要に応じて雨水110が利用可能となる。なお、貯水タンク510だけでなく、貯水槽600や塀で囲まれた敷地200自体も建物220が浸水しない程度に水を溜めることが可能である。
その他、地中においても、境界250に沿って不透水性のシートなどを張っておけば、地下水が敷地200内外へ流出しにくくなる。雨水110を浸透させたい箇所と、浸透させたくない箇所を仕切るようにしても良い。
図1に示すように、貯水タンク510に貯留された雨水110を利用するために、敷地200内に貯水槽600、水庭610、浸透層700などを設ける。例えば、散水して大気中に蒸発させたり、敷地200の景観など見栄えを良くしたり、敷地200内の土壌120に浸透させて地下水を涵養したり等、雨水110を利用して循環させる。
貯水タンク510から雨水110は、給水手段520によって汲み上げられ、生活用水その他の目的で使用される。トイレ用水など再利用が困難な水は下水道などに排出するが、敷地200内への散水など再利用が可能な水については、雨水110と同様に循環させる。例えば、建物220の屋根から散水すれば温度上昇の抑制になるが、さらに草屋根にする等しても良い。
敷地200内に設けた貯水槽600や水庭610に水を張っておくことで、夏季の温度上昇を抑制したり、火災時の放水に利用したりすることが可能となる。貯水槽600は、地面を掘ってコンクリート等で施工した上で水を溜めたもののほか、タンクに水を溜める施設や設備を含むものとする。また、プールや調整池のようにしても良い。また、雨水110を一時的に溜めておくことで蒸発散させる。
水庭610は、庭に小さな池や滝、噴水などの水景物を設けたウォーターガーデン(池泉庭園)である。貯水槽600等からの水が建物220側に行かないように、地面が水に浸かっていても良い側と、水に浸かって欲しくない側との境目となる箇所に小さな水溜まりのようなものを形成し、適度に水を存在させておく。貯水槽600等の水が溢れても少々であれば水庭610で受け止められる。
浸透層700は、敷地200内の雨水110が浸透しやすい緑地240など土壌120が出ている箇所であり、浸透升300や浸透排水管400が配置される箇所を含む。建物220や舗装面230など雨水110が浸透しにくい箇所以外を全体的に浸透層700としても良い。
貯水槽600に水が溜まっている状態で、大雨などが予想される場合には、貯水槽600の水を浸透層700に強制的に排出しても良い。また、貯水槽600及び水庭610から水が溢れたとしても、敷地200の境界250に設けた塀などから外部への水の流出を抑制可能である。なお、境界250及び出入口210は敷地200内より高くなっており、出入口210を超えた水は排水路や河川へ流出することになる。ゲリラ豪雨や線状降水帯などの災害級の状況に対応すべく、滝・池・水の庭と連携した調整池を形成し、時間100mmの雨水を貯留可能にしても良い。
図4は、雨水浸透貯留循環システムで貯留した雨水を循環させる例を示す平面図である。図5は、貯留した雨水を循環させる例を正面側から見たA-A断面図である。図6は、貯留した雨水を循環させる例を側面側から見たB-B断面図である。
図4~6に示すように、貯水タンク510に貯留された雨水110を、定期的又は任意のタイミングで給水手段520によって汲み上げ、例えば、散水や噴水などに利用した後、敷地200内の浸透層700などに排水する。
浸透層700は、敷地200内の地面を掘った穴に沿って敷いた浸透シート730内に割栗石750及び砕石740を敷き詰め、その上を土壌120で覆うなど、雨水110を地中に浸透させるために設けた領域である。自然に近い形態で地下水を貯留するものであり、敷地200内に大きな範囲で設けても良いし、小さなものを複数設けても良い。
砕石740は、浸透層700の底付近に、まずグリと呼ばれる割栗石750など比較的大きい石材(径が15cm程度)を隙間のある状態で敷き詰め、その上に徐々に石材の塊を小さくして(10mm程度まで破砕されたもの)隙間が少なくなっていくように敷き詰めていけば良い。砕石740の上の土壌120は、水の浸透が確保されれば良いので、芝生や樹木を植えたり、花壇などにしたりしても良い。
例えば、浸透層700の近くに岩などを配置して、貯水タンク510から汲み上げた雨水110を岩の上部から流すことで滝のようにしたものや、噴水などを設けたウォーターガーデンを形成し、流れた雨水110を池などに溜めておき、その後、浸透層700に浸み込ませるようにする。なお、浸透層700から汲み上げて浸透層700に供給する循環にしても良い。
浸透層700の深さは、地下の帯水層130の位置に合わせるのが好ましい。浸透層700に浸透した水は、浸透シート730を通過して帯水層130へ地下水として供給され、また、帯水層130の地下水が浸透シート730を通過して浸透層700内に浸入する。
浸透層700には、地下パイプ710や涵養パイプ720などが配設される。浸透層700から水庭610へ雨水110を供給すると共に、水庭610から浸透層700へ雨水110を供給する循環手段となる。地下パイプ710は、浸透層700の砕石740や割栗石750が充填されていて帯水層130がある底部付近までパイプを延ばし、地上まで地下水を汲み上げる。汲み上げた水は、滝として流すために供給したりすれば良い。
涵養パイプ720は、浸透層700の砕石740や割栗石750までパイプを延ばし、地上の水を浸透層700から帯水層130に供給する。滝として流れた水を強制的に砕石740や割栗石750まで送り込んだりすれば良い。なお、パイプを浸透升300に繋げたり、浸透升300からパイプを出したりしても良い。
直接降った雨水110や貯水タンク510から供給された水が浸透層700に浸透し、浸透層700から汲み上げた地下水が利用されて、蒸発したり、敷地200の外部へ排出されたり、また浸透層700に浸透したりして、大域的または局所的に水の循環サイクルが形成される。なお、敷地200を仕切る塀などの境界250より内側においては、浸透層700の周囲の水が浸透層700に向かって流れるように地面を傾斜させても良い。
また、水が腐るのを抑制するために地下水を汲み上げるポンプを設けても良い。ポンプの電源は、太陽光発電などにより供給する。さらに、汲み上げた水を滝など高い位置から流し、それを水車で受けることによって水力発電し、蓄電しておいてポンプ等の電源の一部に充てつつ水を循環させても良い。
雨水浸透貯留循環システムは、コンピュータを用いて制御しても良い。コンピュータが、貯水タンクに貯留された雨水の量を取得する手段、雨水の量が予め設定した上限値を超えたら、予め設定した下限値に達するまで、敷地内に雨水を放出するように、貯水タンクに指示する手段、及びインターネットを介して雨水の量を端末に送信する手段を有し、雨水浸透貯留循環方法について貯水量を調整する処理を実行すれば良い。
また、水量を検出可能なセンサ等を設置して貯水槽などの状況を把握しておいた上で、天気情報を取得して、大雨が予想される場合には、貯水槽の水を浸透層に強制排出したり、涵養されている地下水の量をモニタリングしたりしても良い。収集した情報をサーバのデータベース等に蓄積し、端末で土壌の乾燥度合いを確認できるようにしても良い。
なお、雨水浸透貯留循環方法は、敷地内の浸透しにくい箇所に降った雨水が流れ込むように複数埋設された浸透升それぞれについて隣接する他の浸透升との間を次々に繋ぐように浸透排水管を配設し、繋いでいった浸透排水管の終端まで到達した雨水を浄化した上で貯水タンクに貯留する。なお、浸透升から雨水の一部を敷地内の土壌へ浸透させることを優先し、浸透升から浸透排水管へ流入した雨水を漏出させながら土壌へ浸透しきれなかった雨水を貯水タンクへ向けて流出させ、定期的に雨水を貯水タンクから敷地内へ放出することで水を循環させる。
本発明によれば、雨水を地中に浸透させて涵養することを優先し、浸透しきらずに余った分については貯留しておくことで、各家庭に自然本来の水環境に基づいた小さなダムを形成することができる。雨水を水道水ほどの水質でなくても使用可能なトイレ用水や散水などに使用することで、災害等の緊急時には代替水源になり、平常時でも節水の効果が期待できる。
舗装面において浸透しない雨水を下水道に排出するのではなく、雨が降った場所の土壌へ浸透させることで、下水道や河川への集中や地下水の枯渇なども抑制され、環境保全に繋がる。貯留した水は、生活用水などに利用し、またそれを回収して浄化することを繰り返すことで、上下水道の費用を抑えることができる。庭の池や散水により水を蒸発させることで自然に近い形で循環させることができ、散水により温度上昇を抑制すれば、空調の使用頻度が減り省エネにもなる。
水を循環させることで利用する際に不衛生な状態となるのを回避できる。災害等で水道が止まったり、貯水タンクの水が不足したりしても、土壌への浸透を優先しているので、地下水から汲み上げることも可能である。地球温暖化や土地利用の変化などが気候変動の一因にもなっていることから、水の循環を自然に近い形に戻すことは、気候変動の影響を軽減することにも繋がる。
自然本来の環境を維持することが自然を破壊せずに共存していく方法であり、持続可能な社会に資するものである。気候変動への対策だけでなく、健康福祉の促進、水の衛生管理、持続可能なエネルギー、インフラ構築、居住環境、生産消費形態など、様々な付加価値も得られる。また、地下の暗渠に水があるとしても、敷地内に水庭などを設けることで景観が良くなり、水不足にならないという安心感も得られ、緊急時だけでなく平常時においても、こうした視覚的な魅力も付加価値となる。
以上、本発明の実施例を述べたが、これらに限定されるものではない。例えば、コンピュータシステムをクラウド化したり、蓄積された情報をビッグデータとしてAIを用いて分析したりしても良い。
100:雨水浸透貯留循環システム
110:雨水
120:土壌
130:帯水層
200:敷地
210:出入口
220:建物
230:舗装面
240:緑地
250:境界
300:浸透升
400:浸透排水管
500:浄化タンク
510:貯水タンク
520:給水手段
600:貯水槽
610:水庭
700:浸透層
710:地下パイプ
720:涵養パイプ
730:浸透シート
740:砕石
750:割栗石

Claims (3)

  1. 敷地内の浸透しにくい箇所に降った雨水が流れ込むように複数埋設された浸透升と、
    前記浸透升の一と隣接する他の浸透升との間を次々に繋ぐように配設された浸透排水管と、
    繋いでいった前記浸透排水管の終端まで到達した前記雨水を浄化した上で貯留する貯水タンクと、
    前記貯水タンクに貯留された前記雨水を定期的に敷地内へ強制的に放出するための浸透層と、
    前記敷地内に前記雨水を一時的に溜めて蒸発散させるために形成した水庭と、を備え、
    前記浸透升は、前記雨水の一部を敷地内の土壌へ浸透させることを優先し、
    前記浸透排水管は、前記浸透升から流入した前記雨水を漏出させながら土壌へ浸透しきれなかった雨水を前記貯水タンクへ向けて流出させ、
    前記浸透層から前記水庭へ前記雨水を供給すると共に、前記水庭から前記浸透層へ前記雨水を供給する循環手段を有する、
    ことを特徴とする雨水浸透貯留循環システム。
  2. 前記浸透排水管は、多孔質のセラミックス管であり、複数のセラミックス管を連結したときの隙間から前記雨水の一部を土壌へ浸透させる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の雨水浸透貯留循環システム。
  3. 敷地内の浸透しにくい箇所に降った雨水が流れ込むように複数埋設された浸透升それぞれについて隣接する他の浸透升との間を次々に繋ぐように浸透排水管を配設し、繋いでいった前記浸透排水管の終端まで到達した前記雨水を浄化した上で貯水タンクに貯留する方法であって、
    前記浸透升から前記雨水の一部を敷地内の土壌へ浸透させることを優先し、前記浸透升から前記浸透排水管へ流入した前記雨水を漏出させながら土壌へ浸透しきれなかった雨水を前記貯水タンクへ向けて流出させ、定期的に前記雨水を前記貯水タンクから敷地内の浸透層へ強制的に放出し、
    前記浸透層から前記敷地内に前記雨水を一時的に溜めて蒸発散させるために形成した水庭へ前記雨水を供給すると共に、前記水庭から前記浸透層へ前記雨水を供給することで循環させる、
    ことを特徴とする雨水浸透貯留循環方法。
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