JP7490160B1 - 生体情報取得装置および生体情報取得方法 - Google Patents

生体情報取得装置および生体情報取得方法 Download PDF

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Abstract

生体情報取得装置は、信号を発生させる信号発生部(11)と、信号発生部(11)からの信号を送信可能かつ送信された信号発生部(11)からの信号の生体による反射波を受信可能な第1アンテナ(51)及び第2アンテナ(52)と、第1アンテナ(51)に接続され、第1アンテナ(51)からの負荷インピーダンスを調節する第1調節部(41)と、第2アンテナ(52)に接続され、第2アンテナ(52)からの負荷インピーダンスを調節する第2調節部(42)と、第1アンテナ(51)から送信された信号の生体による反射信号を第1アンテナ(51)で受信した信号と、第1アンテナ(51)から送信された信号の生体による反射信号を第2アンテナ(52)で受信した信号と、第2アンテナ(52)から送信された信号の生体による反射信号を第2アンテナ(52)で受信した信号と、を取得し、取得した信号に基づいて第1調節部(41)及び第2調節部(42)の調節量を制御する制御部(81)と、を備えた。

Description

本開示は、生体情報取得装置および生体情報取得方法に関する。
近年、運輸業では、少子化に伴う労働人口の減少によりドライバー1人あたりの負荷が増加しており疲労の蓄積及び居眠り運転の抑制が課題となっている。福祉業および介護業では、急速な高齢化に伴いケアの必要な高齢者の数が増加し、これら高齢者の日々のバイタルチェックに対する職員の負荷の抑制が課題となっている。
このような背景から、心拍および呼吸運動などから生体の情報を取得し、健康状態の変化を推定する技術に関する研究が行われており、心拍および呼吸運動等、周期的な生体の運動に関する情報を高い精度で取得できる装置の開発が期待されている。また、従来、生体の運動に関する情報を非接触かつ非拘束で取得できる装置として、電波を用いたドップラーセンサが知られている。
一般に、ドップラーセンサは、周囲の物体からの電波の反射や生体の個体差の影響を受けるため、生体の情報を正確に取得できない場合がある。
このため、特許文献1では、可変容量ダイオードを用いた可変整合回路によって、アンテナの入力インピーダンスを適正な値となるように制御することで、周囲の物体からの電波の反射や生体の個体差の影響の抑制を図っている心拍センサが開示されている。
特許第6808105号
しかしながら、特許文献1の心拍センサは、アンテナのサイズによって電波の検出範囲が限られるため、生体の情報の取得結果がアンテナと生体との相対位置の影響を受けやすかった。
本開示は、上述のような課題を解決するためになされたもので、生体の情報の取得結果がアンテナと生体との相対位置の影響を受けにくくすることができる生体情報取得装置および生体情報取得方法を提供することを目的とする。
本開示に係る生体情報取得装置は、信号を発生させる信号発生部と、信号発生部からの信号を送信可能かつ送信された信号発生部からの信号の生体による反射波を受信可能な第1アンテナ及び第2アンテナと、第1アンテナに接続され、第1アンテナからの負荷インピーダンスを調節する第1調節部と、第2アンテナに接続され、第2アンテナからの負荷インピーダンスを調節する第2調節部と、第1アンテナから送信された信号の生体による反射信号を第1アンテナで受信した信号と、第1アンテナから送信された信号の生体による反射信号を第2アンテナで受信した信号と、第2アンテナから送信された信号の生体による反射信号を第2アンテナで受信した信号と、を取得し、取得した信号に基づいて第1調節部及び第2調節部の調節量を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする。
本開示によれば、第1アンテナ及び第2アンテナの反射信号とこれらアンテナ間の通過信号とに基づいてアンテナのインピーダンスの調整および検波を行うので、単一のアンテナを用いる場合と比較して生体の情報の取得結果がアンテナと生体との相対位置の影響を受けにくくすることができる。
実施の形態1に係る生体センサ装置を示す構成図である。 実施の形態1に係る可変整合回路の構成図の一例である。 実施の形態1に係る直交検波回路の構成図の一例である。 実施の形態1に係る制御部のハードウェア構成図の一例である。 制御部の動作を説明するフローチャートである。 制御部の整合回路を調整する動作を説明するフローチャートである。 制御部の整合回路を調整する動作を説明するフローチャートである。 図2に示す可変整合回路に対し、第1の可変素子と第2の可変素子をキャパシタ素子に置き換えた場合の可変整合回路の一例である。 図2に示す可変整合回路に対し、第3の可変素子をキャパシタ素子に置き換えた場合の可変整合回路の一例である。 図2に示す可変整合回路から、インダクタ素子を取り除いた場合の可変整合回路の一例である。 図9に示す可変整合回路から、インダクタ素子を取り除いた場合の可変整合回路の一例である。 図10に示す可変整合回路から、インダクタ素子を取り除いた場合の変整合回路の一例である。 実施の形態2に係る生体センサ装置を示す構成図である。 実施の形態3に係る生体センサ装置を示す構成図である。 実施の形態4に係る生体センサ装置を示す構成図である。 実施の形態5に係る生体センサ装置を示す構成図である。 実施の形態6に係る生体センサ装置を示す構成図である。 実施の形態6に係る制御部の動作を説明するフローチャートである。 実施の形態7に係る生体センサ装置を示す構成図である。 実施の形態8に係るハードウェア構成の一例で、図4に示すハードウェア構成に変換係数を備えた場合である。 実施の形態8に係る制御部の動作を説明するフローチャートである。 図10に示す可変整合回路に対し、アンテナのアンテナインピーダンスをZaとして接続した場合の可変整合回路の一例である。 図21に示す可変整合回路の等価回路の一例である。 実施の形態9に係る制御部の動作を説明するフローチャートである。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態に係る生体センサ装置を示す構成図である。図1において、本実施の形態に係る生体情報取得装置としての生体センサ装置には、信号発生器11と、分配回路21、22と、スイッチ31、32と、可変整合回路41、42と、アンテナ51、52と、直交検波回路61と、検知部71と、制御部81と、負荷抵抗91とが設けられており、たとえば心拍および呼吸などの生体波形を非接触で電波を用いて取得する。
アンテナ51、52は、送受信を行う波長に比べて小さい小形アンテナであり、例えば、ループアンテナやダイポールアンテナなどが挙げられる。アンテナ51、52の設置位置は、本実施の形態で限定するものではなく、例えば、被測定者の心臓近傍に設置することで心拍および呼吸波形などの生体波形の検知精度を向上させることが可能である。なお、アンテナ51は、実施の形態1における第1アンテナを構成し、アンテナ52は、実施の形態1における第2アンテナを構成する。
信号発生器11は、高周波信号を発生させる回路であり、出力端子1101を有する。例えば、信号発生器11は、連続波信号である高周波信号を発生させる。なお、信号発生器11は、実施の形態1において信号を発生させる信号発生部を構成する。
分配回路21は、3つの端子2101、2102、2103を有する高周波回路であり、端子2101に入力された信号は、2分配されて端子2102、2103から出力される。また、端子2102と端子2103とは、互いにアイソレーションが取れているので、端子2102に入力された信号は、端子2103からは出力されず、端子2101からのみ出力される。なお、分配回路21は、実施の形態1における第1分配器を構成する。
同様に、分配回路22は、3つの端子2201、2202、2203を有する高周波回路であり、端子2203に入力された信号は、2分配されて端子2201、2202から出力される。また、端子2201と端子2202は互いにアイソレーションが取れているので、端子2201に入力された信号は、端子2202からは出力されず、端子2203からのみ出力される。
分配回路21と分配回路22は、出力端子間のアイソレーションが取れていればよいので、ウィルキンソン型分配器またはアイソレーション端子が終端抵抗に接続された方向性結合器を用いて構成されていてもよい。なお、分配回路22は、実施の形態1における第2分配器を構成する。
スイッチ31は、4つの端子3101、3102、3103、3104を有する回路であり、信号の経路を切換える回路である。スイッチ31は、2極双投の機能を有する回路であり、例えば、DPDT(Double Poles Double Throws)スイッチまたはSPST(Single Poles Single Throw)スイッチを2つ組み合わせたもので構成されていてもよい。
スイッチ31は端子の接続状況によって状態1と状態2の2つの状態を有する。状態1は端子3101と端子3103、端子3102と端子3104が接続された状態であり、状態2は端子3101と端子3104、端子3102と端子3103が接続された状態を指す。
同様に、スイッチ32は、4つの端子3201、3202、3203、3204を有する回路であり、信号の経路を切換える回路である。スイッチ32は、2極双投の機能を有する回路であり、例えば、DPDTスイッチまたはSPSTスイッチを2つ組み合わせたもので構成されていてもよい。
同じく、スイッチ32は端子の接続状況によって状態1と状態2の2つの状態を有する。状態1は端子3201と端子3203、端子3202と端子3204が接続された状態であり、状態2は端子3201と端子3204、端子3202と端子3203が接続された状態を指す。
スイッチ31およびスイッチ32は、2極双投の機能を有する回路であれば、機械式、電気式のどちらを用いて構成されていてもよい。なお、スイッチ31およびスイッチ32によって、実施の形態1における切換部(第1切換部)が構成される。
次に、第1のスイッチ31および第2のスイッチ32の動作について説明する。
第1のスイッチ31および第2のスイッチは、制御部81からの制御信号に従い、信号の経路を切換える。
なお、本実施の形態では、可変整合回路41が、3つの可変素子と1つのインダクタとを備えた場合について説明する。図2は、可変整合回路41の構成図の一例である。
可変整合回路41は、3つの端子4101、4102、4103を有し、第3の端子4103に接続される負荷インピーダンスを、第1の端子4101に接続される回路のインピーダンスに整合させる回路であり、その通過特性および反射特性を可変できる。第3の端子4103は、アンテナ1に接続されている。また、第2の端子4102は、接地されている。
図2において、414は第1の可変素子、415は第2の可変素子、416は第3の可変素子で、417はインダクタである。なお、可変素子として可変容量ダイオードやエアバリコン、ポリバリコンなどを用いても良い。なお、第1の可変素子414は、実施の形態1における第1容量素子を構成し、第2の可変素子415は、実施の形態1における第2容量素子を構成し、第3の可変素子416は、実施の形態1における第3容量素子を構成する。
第1の可変素子414は、端子4141と端子4142とを有し、第2の可変素子415は、端子4151と端子4152とを有し、第3の可変素子416は、端子4161と端子4162とを有し、インダクタ素子417は、端子4171と端子4172とを有する。なお、端子4171は、実施の形態1における第1入力端子を構成し、端子4172は、実施の形態1における第2入力端子を構成し、端子4101は、実施の形態1における出力端子を構成する。
インダクタ素子417の端子4171と第1の可変素子414の端子4142とが接続され、インダクタ素子417の端子4172と第2の可変素子415の端子4152とが接続され、第1の可変素子の端子4141と第3の可変素子416の端子4161とが接続され、第2の可変素子の端子4151と第3の可変素子416の端子4162とが接続される。
次に可変整合回路41の動作について説明する。
可変整合回路41は、制御部81の制御信号に従い、第1の可変素子414、第2の可変素子415、第3の可変素子416の値を制御する。制御部81の制御信号の詳細については後述する。
直交検波回路61は、2つの入力端子(第1の入力端子6101、第2の入力端子6102)と2つの出力端子(第1の出力端子6103、第2の出力端子6104)を有し、第1の入力端子6101に入力された信号を、第2の入力端子6102に入力されたローカル信号により、直交検波し、検波信号としてI(In Phase)信号およびQ(Quadrature)信号を生成して、第1の出力端子6103と第2の出力端子6104に出力する。Q信号は、I信号と90度位相の異なる信号である。図3は、直交検波回路61の構成図の一例である。なお、直交検波回路61は、実施の形態1における検波信号生成部(第1検波信号生成部)を構成する。
図3において、611は第1の分配回路、612は第2の分配回路、613は第1のミキサ、614は第2のミキサ、615は入力された信号の位相を90度移相する90度移相器である。
分配回路611は、3つの端子6101、6111、6112を有する高周波回路であり、端子6101に入力された信号は、2分配されて端子6111、6112から出力される。また、端子6111と端子6112とは、互いにアイソレーションが取れているので、端子6111に入力された信号は、端子6112からは出力されず、端子6101からのみ出力される。
同様に、分配回路612は、3つの端子6102、6121、6122を有する高周波回路であり、端子6102に入力された信号は、2分配されて端子6121、6122から出力される。また、端子6121と端子6122とは、互いにアイソレーションが取れているので、端子6121に入力された信号は、端子6122からは出力されず、端子6102からのみ出力される。
分配回路611と分配回路612とは、出力端子間のアイソレーションが取れていればよいので、ウィルキンソン型分配器またはアイソレーション端子が終端抵抗に接続された方向性結合器を用いて構成されていてもよい。
第1のミキサ613は、3つの端子6131、6132、6103を有し、入力端子6131と入力端子6132とから入力された信号を乗算し、出力端子6103から出力する。
同様に、第2のミキサ614は、3つの端子6141、6142、6104を有し、入力端子6141と入力端子6142とから入力された信号を乗算し、出力端子6104から出力する。
90度移相器615は、2つの端子6151、6152を有し、入力端子6151から入力された信号の位相を90度移相し、移相した信号を出力端子6152から出力する。
以上のように、第1のミキサ613の端子6103から出力された信号、第2のミキサ614の端子6104から出力された信号をそれぞれI信号とQ信号として出力する。
第1の分配回路611の端子6111と第1のミキサ613の端子6131とが接続され、第2の分配回路612の端子6121と第1のミキサ613の端子6132とが接続される。
第1の分配回路611の端子6112と第2のミキサ614の端子6141とが接続され、第2の分配回路612の端子6122と90度移相器615の端子6151とが接続され、90度移相器615の端子6152と第2のミキサの端子6142とが接続される。
なお、第1のミキサ613の端子6103と検知部71との間、および、第2のミキサ614の端子6104と検知部71との間にLPF(Low Pass Filter:低域通過フィルタ)が設置されていてもよい。
次に、直交検波回路61の動作について説明する。
本実施の形態において、第2の分配回路612の端子6102からローカル信号として入力された信号は、端子6121と6122とに2分配される。また、第1の分配回路611の端子6101から生体で反射された反射信号もしくはアンテナ間の通過信号として入力された信号は、端子6111と6112とに2分配される。
第1の分配回路611の出力端子6111から出力された信号は、第1のミキサ613の入力端子6131に入力され、第2の分配回路612の端子6121から出力された信号は、第1のミキサ613の入力端子6132に入力される。
入力端子6101に入力された信号および入力端子6102に入力された信号は、第1のミキサ613で乗算され、出力端子6103から出力される。
第1の分配回路611の出力端子6112から出力された信号は、第2のミキサ614の端子6141からミキサ614に入力される。
ミキサ614は、入力端子6141と入力端子6142とから入力された信号を乗算し、出力端子6104から出力する。
以上のように、直交検波回路61の端子6101に入力された通過信号及び反射信号は、端子6102に入力されたローカル信号により直交検波され、位相が互いに90度異なるI信号、Q信号を直交検波回路61の端子6103、6104からそれぞれ出力する。I信号、Q信号は振幅等の情報として、検知部71に入力される。
検知部71は、直交検波回路61から出力されたI信号およびQ信号の2波を入力として受け取り、アナログ信号であるI信号とQ信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換器を備える。
なお、アナログデジタル変換器は専用の処理を行うハードウェアを用いても良いし、同処理を行うプログラムを用いても良い。
検知部71は、直交検波回路61から出力されたアナログ信号であるI信号とQ信号をデジタル信号Id信号、Qd信号に変換し、デジタル信号Id信号、Qd信号を制御部81へ出力する。
制御部81は、検知部71から出力されたデジタル信号Id信号、Qd信号の2波を入力として受け取り、Id信号、Qd信号の値を記録する。
さらに制御部81では、反射測定モード1(モード1)、反射測定モード2(モード2)、通過測定モード(モード3)の3つのモードに従って、第1のスイッチ31と第2のスイッチ32に対し制御信号を出力する。
制御部81では、予め定められた一定の微小な所定期間である時間(T)の間に入力されたId信号の値とQd信号の値の時間平均値を算出し、Id信号の値とQd信号の値の時間平均値の絶対値が所定の閾値以下となるよう可変整合回路41、42に対し制御信号を出力する。なお、可変整合回路41は、実施の形態1における第1調節部を構成し、可変整合回路42は、実施の形態1における第2調節部を構成する。
制御部81が可変整合回路41、42に対し正確な制御信号を出力するためには、時間(T)が、少なくとも心拍および呼吸波形が測定できる一周期分の時間である必要がある。例えば、時間(T)が一周期分未満であると、制御部81は、正確な素子値の算出ができず、取得精度が大幅に劣化する可能性がある。
制御部81のハードウェア構成の具体例を概略的に示すブロック図を図4に示す。
図4に示されるように、制御部81は、Id信号とQd信号の値を記憶する記憶装置812と、整合回路調整モードと生体信号取得モードの2つのモードに従って第1のスイッチ31と第2のスイッチ32の制御及びId信号とQd信号から可変整合回路41、42の制御を行うプロセッサ811と、デジタルデータをアナログ信号に変換するデジタルアナログ変換器813を有する。
記憶装置812は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリや、ハードディスクなどの外部記憶装置の総称であり、プロセッサ811によってプログラムやデータの読み書きが行われ、また、一時データの格納先としても使用される。また、記憶装置812は、整合回路調整モードと生体信号取得モードの現在の状態の記録及び検知部71から制御部81に対して出力されるId信号とQd信号の読み書きも行われる。さらに、モードによる第1のスイッチ31と第2のスイッチ32の切り換えと、可変整合回路41、42の整合を行うプログラム(制御プログラム)も記憶装置812に格納される。
図5~図7は、制御部81で動作する制御プログラムのフローチャートである。
制御プログラムは、電源が投入されるとスイッチ31と32を状態1に切り替えてモード1に設定し(ステップST101)、検知部71でデジタル信号に変換されたId信号とQd信号を受け取ると次の処理を実行する。デジタル信号に変換されたId信号とQd信号の値をある時間t秒間分、記憶装置812に記憶する(ステップST102)。
可変整合回路41の可変素子の値を調整し(ステップST103)、さらにデジタル信号に変換されたId信号とQd信号の値と可変素子の値をある時間t秒間分、記憶装置812に記憶する(ステップST104)。
次に制御プログラムは、スイッチ31を状態2に、スイッチ32を状態1に切り替えてモード2に設定し(ステップST201)、デジタル信号に変換されたId信号とQd信号の値をある時間t秒間分、記憶装置812に記憶する(ステップST202)。
同様に、制御プログラムで可変整合回路42の可変素子の値を調整し(ステップST203)、Id信号とQd信号の値と可変素子の値をある時間t秒間分、記憶装置812に記憶する(ステップST204)。
制御プログラムは、スイッチ31を状態1に、スイッチ32を状態2に切り替えてモード3に設定し(ステップST301)、可変整合回路41の可変素子の値をST104で記憶した値に、可変整合回路42の可変素子の値をST204で記憶した値に設定する(ステップST302)。Id信号とQd信号の値をある時間t秒間分、記憶装置812に記憶する(ステップST303)。
ST104、ST204、ST303で記憶したId信号とQd信号の値のp-p値(Peak to peak)がもっとも大きいモードを判定し(ステップST401)、判定したモードとなるスイッチ31、32の状態に設定を変更する(ステップST402)。デジタル信号に変換されたId信号とQd信号の値をある時間t秒間分記憶装置812に記憶し(ステップST403)、p-p値(Peak to peak)がある閾値Δを下回る場合(YES:ST4041)にはST101に戻り、ある閾値Δを上回る場合(NO:ST4042)には信号取得を継続する。
この条件分岐は、ある時間Tx秒と時間を定めてST101処理に戻ることや、信号が測定レンジを超えたり微小となったりして測定不可能となった場合にST101処理に戻ることも考えられる。
次に、図6、図7を参照して、可変整合回路41または42を整合させる素子の定数を計算(ステップST103、ST104)し、可変整合回路41または42の素子の定数を調整する指示を出力する一連の処理の詳細について説明する。
図6においてST103の処理では、整合回路41の可変素子の値を決定する計算及び制御をおこなう。
記憶装置812に記憶させておいたId信号の値とQd信号の値との時間平均値の絶対値を計算する(ステップST1031)。
次に制御プログラムは、この平均値と、予め設定しておいた閾値と比較を行い(ステップST1032)、平均値が閾値よりも小さかった場合(ステップST1032:NO)には、ステップST201の処理に進み、平均値が閾値以上だった場合(ステップST1032:YES)には、可変整合回路41の端子4103に接続される負荷インピーダンスを端子4101に接続される回路のインピーダンスに整合するよう、調整値の計算を行う。(ステップST1033)。
そして、可変整合回路41へ調整値を出力する(ステップST1034)。
同様に、図7においてST203の処理は、整合回路42の可変素子の値を決定する計算及び制御をおこなう。
記憶装置812に記憶させておいたId信号の値とQd信号の値との時間平均値の絶対値を計算する(ステップST2031)。
次に制御プログラムは、この平均値と、予め設定しておいた閾値と比較を行い(ステップST2032)、平均値が閾値よりも小さかった場合(ステップST2032:NO)には、ステップST301の処理に進み、平均値が閾値以上だった場合(ステップST2032:YES)には、可変整合回路42の端子4203に接続される負荷インピーダンスを端子4201に接続される回路のインピーダンスに整合するよう、調整値の計算を行う。(ステップST2033)。
そして、可変整合回路42へ調整値を出力する(ステップST2034)。
なお、本実施の形態では、時間平均の取り方として、ある測定時間をT秒間とし、Id信号とQd信号の全時間平均を取る方法としたが、このほかに、T秒間を更に細かい区間に区切り、その区間で波形を加重平均する方法でもよい。
例えば、T秒間中S秒(S≦T)までの時間平均をA(S)とすると、A(S)をT-u≦S≦T(u≦T)の間で平均化し、I信号、Q信号の時間平均値の絶対値が十分小さいある閾値以下になるか判定する。
閾値は、実際に測定を行う環境のノイズの影響によって決定する。例えば、周囲のノイズの数値を幾つか測定しておき、その最大値としても良いし、標準偏差を求めた値、もしくは最大値と平均値あるいは最頻値から、適宜適切な値を求めても良い。また、閾値は固定とせず、状況に応じて変化できるよう、例えば、一定間隔でノイズの測定を行い、再設定できるようにしてもよい。
これにより、Sに対するA(S)の変動が小さくなるため平均値を取る際の誤差が小さくなる。
また、たとえば可変整合回路41で端子4103に接続される負荷インピーダンスを端子4101に接続される回路のインピーダンスに整合するよう、調整値の計算を行うには、以下のような方法が考えられる。
まず、可変整合回路41のZ特性インピーダンス(Z0)が50Ωとなるよう、制御部81に入力されたId信号とQd信号の値と、可変整合回路41の現在の可変素子414~416の値から、計算し、I信号とQ信号の時間平均の絶対値が閾値を下回るよう可変素子414~416の容量を調整する方法が考えられる。
また、Id信号とQd信号の時間平均の絶対値が閾値を下回るように可変素子414~416の値を掃引することで各可変素子の容量値(調節量)を調整してもよい。
例えば、第1の可変素子414の値と第2の可変素子415の値をC1とし、第3の可変素子416の値をC2とする。そして、C1とC2それぞれの容量値が、a1≦C1≦a2、b1≦C2≦b2の間の値をとるとした場合、まず、最初にC1の値をa1に固定し、C2の値をb1からb2の間で順に変化させ、そのC1とC2の値を組み合わせた状態の可変整合回路で、I信号とQ信号の時間平均の全体値が、閾値を下回るか判断する。
C2がb1からb2の間の全ての値を用いても下回らなかった場合、C1の値を変え、再度C2の値をb1からb2まで変化させ、そのC1とC2の値を組み合わせた状態の可変整合回路で、Id信号とQd信号の時間平均の全体値が閾値を下回るか判断する。
更に、制御部81が受け取るId信号の値とQd信号の値とその平均値から、C1とC2の取りうる容量値として適切な値が格納されたテーブルを予め用意しておく方法が考えられる。
制御部81は、Id信号とQd信号の値を受け取ると、このテーブルを参照し、テーブルが指し示すC1とC2が設定されるべき容量値を用いることにより、Id信号とQd信号の時間平均の絶対値が閾値を下回るよう可変整合回路41の可変素子の値を短時間で調整することが可能となる。
信号発生器11の出力端子1101と第1の分配回路21の端子2101とが接続され、第1の分配回路21の端子2102と第2の分配回路22の端子2201とが接続され、第2の分配回路22の端子2203と第1のスイッチ31の端子3101とが接続され、第1のスイッチ31の端子3103と第1の可変整合回路41の端子4101とが接続され、第1の可変整合回路41の端子4103と第1のアンテナ51の端子5101とが接続され、第2のアンテナ52の端子5201と第2の可変整合回路42の端子4203とが接続され、第2の可変整合回路42の端子4201と第1のスイッチ31の端子3104とが接続され、第1のスイッチ31の端子3102と第2のスイッチ32の端子3201とが接続され、第2のスイッチ32の端子3202と第2の分配回路22の端子2202とが接続され、第2のスイッチ32の端子3203と負荷抵抗91の端子9101とが接続され、第2のスイッチ32の端子3204と直交検波回路61の端子6101とが接続され、直交検波回路61の端子6102と第1の分配回路21の端子2103とが接続される。
次に、本実施の形態における生体センサ装置の全体の動作について説明する。まず、信号発生器11の出力端子1101から出力される信号が、第1の分配回路21の端子2101に入力され、端子2102と端子2103に信号が2分配される。
ここで、信号の経路a-1を、端子2102→端子2201→分配回路22→端子2203→端子3101→スイッチ31→端子3103→端子4101→可変整合回路41→4103→端子5101の経路とする。
また、信号の経路b-1を、端子5101→端子4103→可変整合回路41→端子4101→端子3103→スイッチ31→端子3101→端子2203→分配回路22→端子2202→端子3202→スイッチ32→端子6101の経路とする。
第1の分配回路21の端子2102から出力された信号は、経路a-1を通りアンテナ51へ入力され、第1の分配回路21の端子2103から出力された信号は、直交検波回路61の端子6102から直交検波回路61にローカル信号として入力される。
経路a-1を通過した信号は、アンテナ51から電波として放射され、生体によって反射された反射波の信号がアンテナ51に入力し、経路b-1を通り直交検波回路61の端子6101から直交検波回路61に入力される。
直交検波回路61の端子6101に入力された生体からの反射信号は、端子6102に入力されたローカル信号により直交検波され、位相が互いに90度異なるI信号、Q信号として、直交検波回路61の端子6103、6104からそれぞれ出力する。
I信号、Q信号は検知部71に入力される。
信号の経路a-2を、端子2102→端子2201→分配回路22→端子2203→端子3101→スイッチ31→端子3104→端子4201→可変整合回路42→4203→端子5201の経路とする。
また、信号の経路b-2を、端子5201→端子4203→可変整合回路42→端子4201→端子3104→スイッチ31→端子3101→端子2203→分配回路22→端子2202→端子3202→スイッチ32→端子6101の経路とする。
第1の分配回路21の端子2102から出力された信号は、経路a-2を通りアンテナ52へ入力され、第1の分配回路21の端子2103から出力された信号は、直交検波回路61の端子6102から直交検波回路61にローカル信号として入力される。
経路a-2を通過した信号は、アンテナ52から電波として放射され、生体によって反射された反射波の信号がアンテナ51に入力し、経路b-2を通り直交検波回路61の端子6101から直交検波回路61に入力される。
直交検波回路61の端子6101に入力された生体からの反射信号は、端子6102に入力されたローカル信号により直交検波され、位相が互いに90度異なるI信号、Q信号として、直交検波回路61の端子6103、6104からそれぞれ出力する。
I信号、Q信号は検知部71に入力される。
ここで、信号の経路c-1を、端子2102→端子2201→分配回路22→端子2203→端子3101→スイッチ31→端子3103→端子4101→可変整合回路41→4103→端子5101の経路とする。
また、信号の経路c-2を、端子5201→端子4203→可変整合回路42→端子4201→端子3104→スイッチ31→端子3102→端子3201→スイッチ32→端子3204→端子6101の経路とする。
第1の分配回路21の端子2102から出力された信号は、経路c-1を通りアンテナ52へ入力され、第1の分配回路21の端子2103から出力された信号は、直交検波回路61の端子6102から直交検波回路61にローカル信号として入力される。
アンテナ51から自由空間中を媒介としてアンテナ52に入力された信号は、経路c-2を通り直交検波回路61の端子6101から直交検波回路61に入力される。
直交検波回路61の端子6101に入力されたアンテナ間の通過信号は、端子6102に入力されたローカル信号により直交検波され、位相が互いに90度異なるI信号、Q信号として、直交検波回路61の端子6103、6104からそれぞれ出力する。
I信号、Q信号は検知部71に入力される。
検知部71に入力されたI信号とQ信号は、アナログデジタル変換器でデジタル信号Id信号とQd信号として制御部81に入力される。
制御部81では、スイッチ31、32の切り替え、整合回路41、42の素子の調整及び計算を行う。
負荷抵抗91は、負荷抵抗91はモード1及びモード2は50Ω終端器として動作する抵抗器で、端子9101がスイッチ32の端子3203と接続され、端子9102は接地される。
このように構成されて、スイッチ31およびスイッチ32は、信号発生器11とアンテナ51とが接続可能であると共にアンテナ51と制御部81とが検波回路61および検知部71を介して接続可能なモード1と、信号発生器11とアンテナ52とが接続可能であると共にアンテナ52と制御部81とが検波回路61および検知部71を介して接続可能なモード2と、信号発生器11とアンテナ51とが接続可能であると共にアンテナ52と制御部81とが検波回路61および検知部71を介して接続可能なモード3との間で、信号の経路を切換える。
また、検波回路61は、モード1でアンテナ51から送信された信号の生体による反射信号をアンテナ51で受信した信号と、信号発生器11からの信号に基づいて検波信号を生成し、モード2でアンテナ52から送信された信号の生体による反射信号をアンテナ52で受信した信号と、信号発生器11からの信号に基づいて検波信号を生成し、モード3でアンテナ51から送信された信号の生体による反射信号をアンテナ52で受信した信号と、信号発生器11からの信号に基づいて検波信号を生成する。
以上のように、実施の形態1に係る生体センサ装置は、アンテナから放射した電波の信号と、生体によって反射された反射波の信号を直交検波して求めたId信号、Qd信号の時間平均値の絶対値を十分小さくし、0に近づけるほど、アンテナのインピーダンスの不整合損が低減されセンサ感度を向上し、また反射信号及びアンテナ間の通過信号を取得することが可能なため設置位置に対するロバスト性が向上する。
また、特許文献1の心拍センサ装置は、信号発生器からの信号と送受共用のアンテナで受信した人体からの反射信号とをミキシングして心拍信号を検出するため、カプラや方向性結合器が必要となり、当該部品の結合損失により生体信号の振幅が減少するためS/Nが劣化してしまうが、実施の形態1に係る生体センサ装置は、上述した構成により、アンテナ51及びアンテナ52の反射信号とこれらアンテナ間の通過信号とに基づいてアンテナのインピーダンスの調整および検波を行うので、単一のアンテナを用いる場合と比較して生体の情報の取得結果がアンテナと生体との相対位置の影響を受けにくくすることができる。
心拍波形のピークが正確に検知されれば、被測定者の心拍間隔の変動値を精度よく測定することができ、体調や健康状態および心理状態の推定等に幅広く応用できる。同様に、呼吸波形の波形及びピークを正確に検知することで体調や健康状態及び心理状態の推定等に応用できる。
なお、本実施の形態では、制御部81において、予め設定しておいた時間(T)が経過したかで判断を行い、時間(T)が経過した場合には、現在の時刻から時間(T)遡った間、記憶装置812に記憶させておいたId信号とQd信号の値の平均値を計算する場合について説明したが、時間(T)が経過したか判断するのではなく、制御部81がId信号とQd信号の値を受け取った回数を予め設定しておき、制御部81において、その回数だけId信号とQd信号の値を受けった場合には、予め設定しておいた回数分のId信号とQd信号の値から平均値を計算するようにしてもよい。
また、計算したId信号とQd信号の値の平均値が閾値を越えたか越えなかったかの結果を毎回記憶しておき、その結果に応じて、時間(T)もしくは、回数を変更してもよい。例えば、Id信号とQd信号の値の平均値が閾値を越えなかった状態が例えば3回連続した場合、時間(T)もしくは回数を減らし、逆に例えば3回連続してI信号とQ信号の値の平均値が閾値を越えた場合には、時間(T)もしくは回数を増やすようにしてもよい。
このように、時間(T)もしくは回数を増減させることにより、制御部の動作を効率的に行うことが可能となる。
また、本実施の形態では、可変整合回路41として、図2に示すような、3つの可変素子と1つのインダクタを備えた場合について説明したが、可変整合回路41の構成はこれに限られるものではない。
可変整合回路41は、図8、図9、図10、図11、図12に示すような構成であってもよい。
例えば、図9に示す可変整合回路41は、図2に示す可変整合回路41の第1の可変素子414と第2の可変素子415をある固定の値としたキャパシタ素子414A、415Aに置き換えたものであり、図10に示す可変整合回路41は、図2の第3の可変素子416をある固定の値としたキャパシタ素子416Aに置き換えたものである。なお、キャパシタ素子414Aは、実施の形態1における第1容量素子を構成し、キャパシタ素子415Aは、実施の形態1における第2容量素子を構成し、キャパシタ素子416Aは、実施の形態1における第3容量素子を構成する。
また、図11に示す可変整合回路41は、図2に示す可変整合回路41のインダクタ素子417を取り除いたもので、図12に示す可変整合回路41は図9に示す可変整合回路41のインダクタ素子417を取り除いたもので、図13に示す可変整合回路41は、図11に示す可変整合回路41からインダクタ素子417を取り除いたものである。
さらに、図8、図9、図10、図11、図12において、第3の可変素子416もしくはある固定の値としたキャパシタ素子416Aはオープン(開放)でもよく、また第1の可変素子414もしくはある固定の値としたキャパシタ素子414A、第2の可変素子415もしくはある固定の値としたキャパシタ素子415Aはショート(短絡)でもよい。ただし、第1の可変素子と第2の可変素子の値および状態は、同一であるとする。
以上のように、生体センサ装置をアンテナ51、52と、信号発生器11と、分配回路21、22と、スイッチ31、32と、可変整合回路41、42と、直交検波回路61と、検知部71と、制御部81と、負荷抵抗91と、を備えるように構成したので、I信号とQ信号の時間平均値の絶対値がある閾値以下になるように、可変整合回路41、42を制御し、アンテナの反射信号からアンテナのインピーダンスを調整した上で、たとえば呼吸や心臓の拍動に伴う体表面の変化をアンテナ間の結合信号の変化量として検出することで、センサ感度を向上させ、検知精度が高く、設置位置のロバスト性の高い、簡易な構成の生体センサ装置を得られるという効果を有する。
実施の形態2.
実施の形態1では、分配器を用いた生体センサ装置について説明したが、本実施の形態では、分配器の代わりに方向性結合器を用いた場合について説明する。方向性結合器で分配器2つを代用することで低コストでより簡易な構成の生体センサ装置を得ることができる。
図13は、本実施の形態に係る生体センサ装置の構成図である。
図13において、101は方向性結合器である。本実施の形態では、方向性結合器101が4つの端子1011~1014を有した場合について説明する。
なお、図13において、図1と同一符号は、同一または、相当部分を示している。
方向性結合器101は、端子1011に信号が入力された場合には、端子1013、端子1014に信号を2分配して出力し、端子1013に信号が入力された場合には、端子1011、端子1012に信号を2分配して出力する。また、端子1011と端子1012間、端子1013と端子1014間は、アイソレーションが取れている。
本実施の形態では、図13に示されるように、信号発生器11の出力端子1101と方向性結合器101の端子1011が接続され、方向性結合器101の端子1012と直交検波回路61の端子6102が接続され、方向性結合器の端子1013とスイッチ31の端子3101が接続され、方向性結合器の1014とスイッチ32の端子3201が接続されている。
本実施の形態における動作について説明する。
信号発生器11の出力端子1101から出力された信号は、方向性結合器101の端子1011に入力され、端子1013と端子1014に信号が2分配される。
方向性結合器101の端子1014から出力された信号は、直交検波回路61の端子6102にローカル信号として入力される。また、方向性結合器101の端子1013から出力された信号は、スイッチ31の端子3101から入力し、端子3103から出力した場合には可変整合回路41に端子4101から入力し、端子4103からアンテナ51へ出力され、アンテナ51から電波として放射される。また、端子3104から出力した場合には可変整合回路42に端子4201から入力し、端子4203からアンテナ52へ出力され、アンテナ52から電波として放射される。
スイッチ31、32が制御部81で、モード1で制御されている場合には、アンテナ51から放射された信号は、生体で反射され、反射信号としてアンテナ51に入力される。この反射信号は、可変整合回路41の端子4103へ入力され、端子4101から出力され、スイッチ31の端子3103へ入力され、端子3101から出力され、方向性結合器101の端子1013に入力される。
この端子1013に入力された反射信号の一部が、端子1012から出力され、スイッチ32の端子3202へ入力され、端子3204から出力され、直交検波回路61の端子6101に入力される。
また、スイッチ31、32が制御部81で、モード2で制御されている場合には、アンテナ52から放射された信号は、生体で反射され、反射信号としてアンテナ52に入力される。この反射信号は、可変整合回路42の端子4203へ入力され、端子4201から出力され、スイッチ31の端子3104へ入力され、端子3101から出力され、方向性結合器101の端子1013に入力される。
この端子1013に入力された反射信号の一部が、端子1012から出力され、スイッチ32の端子3202へ入力され、端子3204から出力され、直交検波回路61の端子6101に入力される。
さらに、スイッチ31、32が制御部81で、モード3で制御されている場合には、アンテナ51から放射された信号は、生体で反射され、自由空間を媒介としてアンテナ52に入力される。この通過信号は、可変整合回路42の端子4203へ入力され、端子4201から出力され、スイッチ31の端子3104へ入力され、端子3102から出力され、スイッチ32の端子3201へ入力され、端子3204から出力され、直交検波回路61の端子6101に入力される。
このとき、通過信号は方向性結合器を通過しないため、方向性結合器での結合損の影響を受けずに信号を検波することができる。
実施の形態1の場合と同様に、直交検波回路61の端子6102に入力された生体からの反射信号は、端子6101に入力されたローカル信号により直交検波され、位相が互いに90度異なるI信号、Q信号を直交検波回路61の端子6103、6104からそれぞれ出力する。I信号、Q信号は検知部71に入力される。
検知部71に入力された信号はデジタル変換されId信号、Qd信号として制御部81に入力される。
制御部81では、モード1、モード2のとき入力されたId信号とQd信号の2波をある時間測定し、Id信号、Qd信号の時間平均を算出する。両信号の時間平均値の絶対値が十分小さい、ある閾値以下となるか判定を行う。
両信号の時間平均値の絶対値が閾値よりも大きい場合、制御部81から可変整合回路41および42へ制御信号を発信し、両信号の時間平均の絶対値が閾値以下となるように可変整合回路41、42の反射特性を調整する。
さらに、モード1、モード2、モード3で取得した信号でp-p値がもっとも大きいモードを選択し、生体信号の取得を継続する。
以上のように、生体センサ装置をアンテナ51、52と、信号発生器11と、方向性結合器101と、スイッチ31、32と、可変整合回路41、42と、直交検波回路61と、検知部71と、制御部81と、負荷抵抗91において、I信号とQ信号の時間平均値の絶対値がある閾値以下になるように、可変整合回路41、42を制御し、アンテナ間の通過信号の変化量を取得することで、検知精度及び設置性の高い、低コストで簡易な構成の生体センサ装置が得られるという効果を有する。
実施の形態3.
実施の形態1では、2分配回路と1つの直交検波回路を用いた生体センサ装置について説明したが、本実施の形態では、信号発生器に接続する2分配回路の代わりに3分配回路とし、さらに直交検波回路を2つ用いた場合について説明する。3分配回路を設け2つの直交検波回路を備えることで、通過信号で得られる生体信号の補完として反射信号からも生体信号を取得することができる構成となり、より検知精度の高い生体センサ装置が得られる。
図13は、本実施の形態に係る生体センサ装置の構成図である。
図13において、23は3分配回路、62は直交検波回路である。本実施の形態では、3分配回路23が4つの端子2301~2304を有し、直交検波回路62が4つの端子6201~6204を有した場合について説明する。
なお、図13において、図1と同一符号は、同一または、相当部分を示している。
方向性結合器23は、端子2301に信号が入力された場合には、端子2302、端子2303、端子2304に信号を3分配して出力する。また、端子2302、端子2303、端子2304間は、アイソレーションが取れている。
直交検波回路62は、直交検波回路61と同等の機能を有する回路で、2つの入力端子(第1の入力端子6201、第2の入力端子6202)と2つの出力端子(第1の出力端子6203、第2の出力端子6204)を有し、第1の入力端子6201に入力された信号を、第2の入力端子6202に入力されたローカル信号により、直交検波し、I(In Phase)信号を出力端子6203から出力し、I信号と90度位相の異なるQ(Quadrature)信号を出力端子6204に出力する。なお、直交検波回路61は、実施の形態3における第1検波信号生成部を構成し、直交検波回路62は、実施の形態3における第2検波信号生成部を構成する。
本実施の形態では、図14に示されるように、信号発生器11の出力端子1101と3分配回路23の端子2301が接続され、3分配回路23の端子2303と2分配回路22の端子2102とが接続され、3分配回路23の端子2303と直交検波回路61の端子6201とが接続され、3分配回路23の端子2304と直交検波回路62の端子6202とが接続され、直交検波回路62の端子6201と2分配回路の端子2202とが接続されている。
本実施の形態における動作について説明する。
信号発生器11の出力端子1101から出力された信号は、3分配回路23の端子2301に入力され、端子2302と端子2303と端子2304に信号が3分配される。
3分配回路23の端子2303から出力された信号は、直交検波回路61の端子6102にローカル信号として入力される。同様に、3分配回路23の端子2304から出力された信号は、直交検波回路62の端子6202にローカル信号として入力される。
また、3分配回路23の端子2302から出力された信号は、2分配回路22の端子2201へ入力し、端子2203から出力し、スイッチ31の端子3103から入力し、端子3103から出力した場合には可変整合回路41に端子4101から入力し、端子4103からアンテナ51へ出力され、アンテナ51から電波として放射される。また、端子3104から出力した場合には可変整合回路42に端子4201から入力し、端子4203からアンテナ52へ出力され、アンテナ52から電波として放射される。
本実施の形態では、反射信号及び通過信号を同時に取得可能な構成である。
まずスイッチ31の経路が3101→3103もしくは3103→3101、3102→3104もしくは3104→3102となる場合について説明する。アンテナ51から放射された信号は、生体で反射され、反射信号としてアンテナ51に入力される。この反射信号は、可変整合回路41の端子4103へ入力され、端子4101から出力され、スイッチ31の端子3103へ入力され、端子3101から出力され、2分配回路22の端子2203に入力される。
この端子2203に入力された反射信号の一部が、端子2202から出力され、直交検波回路62の端子6201に入力される。
さらに直交検波回路62の端子6202に入力された生体からの反射信号は、端子6201に入力されたローカル信号により直交検波され、位相が互いに90度異なるI2信号、Q2信号を直交検波回路61の端子6203、6204からそれぞれ出力する。I2信号、Q2信号は検知部71に入力される。S/Nの点で通過信号より劣るが、反射信号からも微小な生体信号を取得できる。
このとき、アンテナ51から放射された信号は、生体で反射され、自由空間を媒介としてアンテナ52に入力される。この通過信号は、可変整合回路42の端子4203へ入力され、端子4201から出力され、スイッチ31の端子3104へ入力され、端子3102から出力され、直交検波回路61の端子6101に入力される。
直交検波回路61の端子6102に入力された生体からの反射信号は、端子6101に入力されたローカル信号により直交検波され、位相が互いに90度異なるI信号、Q信号を直交検波回路61の端子6103、6104からそれぞれ出力する。I信号、Q信号は検知部71に入力される。以上のように3分配回路を設け2つの直交検波回路を備えることで、通過信号で得られる生体信号の補完として反射信号からも生体信号を取得することができる。
続いてスイッチ31の経路が3101→3104もしくは3104→3101、3102→3103もしくは3103→3102となる場合について説明する。アンテナ52から放射された信号は、生体で反射され、反射信号としてアンテナ52に入力される。この反射信号は、可変整合回路42の端子4203へ入力され、端子4201から出力され、スイッチ31の端子3104へ入力され、端子3101から出力され、方向性結合器101の端子1013に入力される。
この端子1013に入力された反射信号の一部が、端子1012から出力され、直交検波回路62の端子6201に入力される。直交検波回路61の端子6102に入力された生体からの反射信号は、端子6101に入力されたローカル信号により直交検波され、位相が互いに90度異なるI信号、Q信号を直交検波回路61の端子6103、6104からそれぞれ出力する。I信号、Q信号は検知部71に入力される。S/Nの点で通過信号より劣るが、反射信号からも微小な生体信号を取得できる。
また、アンテナ52から放射された信号は、生体で反射され、自由空間を媒介としてアンテナ51に入力される。この通過信号は、可変整合回路41の端子4101へ入力され、端子4101から出力され、スイッチ31の端子3103へ入力され、端子3102から出力され、直交検波回路61の端子6101に入力される。直交検波回路62の端子6202に入力された生体からの通過信号は、端子6201に入力されたローカル信号により直交検波され、位相が互いに90度異なるI2信号、Q2信号を直交検波回路61の端子6203、6204からそれぞれ出力する。I2信号、Q2信号は検知部71に入力される。以上のように3分配回路を設け2つの直交検波回路を備えることで、通過信号で得られる生体信号の補完として反射信号からも生体信号を取得することができる。
検知部71に入力されたI信号、Q信号、I2信号、Q2信号はデジタル変換されId信号、Qd信号、I2d信号、Q2d信号として制御部81に入力される。
制御部81では、入力されたId信号とQd信号を記録しつつ、入力されたI2d信号とQ2d信号の2波をある時間測定し、I2d信号、Q2d信号の時間平均を算出する。両信号の時間平均値の絶対値が十分小さい、ある閾値以下となるか判定を行う。
両信号の時間平均値の絶対値が閾値よりも大きい場合、制御部81から可変整合回路41および42へ制御信号を発信し、両信号の時間平均の絶対値が閾値以下となるように可変整合回路41、42の反射特性を調整する。
以上のように、生体センサ装置をアンテナ51、52と、信号発生器11と、3分配回路23と、2分配回路22と、可変整合回路41、42と、直交検波回路61、62と、検知部71と、制御部81と、負荷抵抗91において、I信号とQ信号の時間平均値の絶対値がある閾値以下になるように、可変整合回路41、42を制御し、アンテナ間の通過信号の変化量を取得し、さらに反射信号を生体信号の補完信号とすることで、検知精度及び設置性の高い生体センサ装置が得られるという効果を有する。
実施の形態4.
本実施の形態では、実施の形態1、2で示した直交検波回路61の代わりに、実施の形態3で示した直交検波回路61、62の代わりにミキサを用いた場合について説明する。直交検波回路をミキサに置き換えることで得られる信号はI信号のみであるが通過信号及び反射信号を取得することができより低コストに生体センサ装置を構成することができる。
図15は、本実施の形態に係る生体センサ装置の構成図である。
図15において、102はミキサである。本実施の形態では、ミキサ102が3つの端子1021~1023を有した場合について説明する。なお、1021と1022は入力端子、1023は出力端子とする。
ミキサ102は、入力端子1021と入力端子1022から入力された信号を乗算し、出力端子1023から信号を出力する。
本実施の形態では、図15に示されるように、2分配回路21の端子2103とスイッチ32の端子3204との間に3つの端子1021~1023を有するミキサ102が設置されている。
なお、図15において、図1と同一符号は、同一または、相当部分を示している。
本実施の形態では、2分配回路21の端子2103とミキサ102の端子1022が接続され、スイッチ32の端子3204とミキサ102の端子1021とが接続されている。このとき、ミキサ102と端子1023間にLPFを設置してもよい。
本実施の形態における動作について説明する。
信号発生器11の出力端子1101から出力された信号は、2分配回路21の端子2101に入力され、端子2102と端子2103に信号が2分配される。
ここで、信号の経路a-1を、端子2102→端子2201→分配回路22→端子2203→端子3101→スイッチ31→端子3103→端子4101→可変整合回路41→4103→端子5101の経路とする。
また、信号の経路b-1を、端子5101→端子4103→可変整合回路41→端子4101→端子3103→スイッチ31→端子3101→端子2203→分配回路22→端子2202→端子3202→スイッチ32→端子3204→端子1021の経路とする。
第1の分配回路21の端子2102から出力された信号は、経路a-1を通りアンテナ51へ入力され、第1の分配回路21の端子2103から出力された信号は、ミキサ102の端子1022からミキサ102にローカル信号として入力される。
経路a-1を通過した信号は、アンテナ51から電波として放射され、生体によって反射された反射波の信号がアンテナ51に入力し、経路b-1を通りミキサ102の端子1021からミキサ102に入力される。
ミキサ102の端子1021に入力された生体からの反射信号は、端子1022に入力されたローカル信号がミキサ102で乗算され、I信号としてミキサ102の端子1023から出力される。このI信号は検知部71に入力される。
信号の経路a-2を、端子2102→端子2201→分配回路22→端子2203→端子3101→スイッチ31→端子3104→端子4201→可変整合回路42→4203→端子5201の経路とする。
また、信号の経路b-2を、端子5201→端子4203→可変整合回路42→端子4201→端子3104→スイッチ31→端子3101→端子2203→分配回路22→端子2202→端子3202→スイッチ32→端子3204→端子1021の経路とする。
第1の分配回路21の端子2102から出力された信号は、経路a-2を通りアンテナ52へ入力され、第1の分配回路21の端子2103から出力された信号は、ミキサ102の端子1022からミキサ102にローカル信号として入力される。
経路a-2を通過した信号は、アンテナ52から電波として放射され、生体によって反射された反射波の信号がアンテナ51に入力し、経路b-2を通りミキサ102の端子1021からミキサ102に入力される。
ミキサ102の端子1021に入力された生体からの反射信号は、端子1022に入力されたローカル信号がミキサ102で乗算され、I信号としてミキサ102の端子1023から出力される。このI信号は検知部71に入力される。
ここで、信号の経路c-1を、端子2102→端子2201→分配回路22→端子2203→端子3101→スイッチ31→端子3103→端子4101→可変整合回路41→4103→端子5101の経路とする。
また、信号の経路c-2を、端子5201→端子4203→可変整合回路42→端子4201→端子3104→スイッチ31→端子3102→端子3201→スイッチ32→端子3204→端子1021の経路とする。
第1の分配回路21の端子2102から出力された信号は、経路c-1を通りアンテナ52へ入力され、第1の分配回路21の端子2103から出力された信号は、ミキサ102の端子1022からミキサ102にローカル信号として入力される。
アンテナ51から自由空間中を媒介としてアンテナ52に入力された信号は、経路c-2を通りミキサ102の端子1021からミキサ102に入力される。
ミキサ102の端子1021に入力されたアンテナ間の通過信号は、端子1022に入力されたローカル信号がミキサ102で乗算され、I信号としてミキサ102の端子1023から出力される。このI信号は検知部71に入力される。
検知部71に入力されたI信号は、アナログデジタル変換器でデジタル信号Idとして制御部81に入力される。
制御部81では、信号の経路a-1からb-1へ入力されたI信号、信号の経路a-2からb-2へ入力されたI信号をある時間測定し、I信号の時間平均を算出する。I信号の時間平均値の絶対値が十分小さい、ある閾値以下となるか判定を行う。
信号の時間平均値の絶対値が閾値よりも大きい場合、制御部81から可変整合回路41、42へ制御信号を発信し、両信号の時間平均の絶対値が閾値以下となるように可変整合回路41、42の反射特性を調整する。調整後に経路c-1からc-2を通過する信号を取得する。さらに各経路となるモード(a-1→b-1、a-2→b-2、c-1→c-2)で最もp-p値の高いモードを選択することで位置に対するロバスト性の高いセンサを構成する。
以上のように、生体センサ装置をアンテナ51、52と、信号発生器11と、2分配回路21、22と、スイッチ31、32と、可変整合回路41、42と、ミキサ102と、検知部71と、制御部81と、負荷抵抗91において、I信号とQ信号の時間平均値の絶対値がある閾値以下になるように、可変整合回路41、42を制御し、アンテナ間の通過信号の変化量を取得することで設置周囲環境の変化に適応した、設置性の高い、簡易で低コストな構成の生体センサ装置が得られるという効果を有する。
実施の形態5.
本実施の形態では、増幅回路を更に追加した場合について説明する。増幅回路を追加することで取得信号の振幅を増幅することができ、精度高く信号を取得することが可能となる。
図16は、本実施の形態に係る生体センサ装置の構成図である。
図16において、103は増幅回路である。本実施の形態で用いる増幅回路103は、2つの端子1031、1032を有し、端子1031に入力された信号を増幅し、端子1032から出力する。なお、増幅回路103は、実施の形態5における増幅部を構成する。
本実施の形態では、図16に示されるように、スイッチ32の端子3204と増幅回路103の端子1031とが接続され、増幅回路103の端子1032と直交検波回路61の端子6101が接続される。
なお、図16において、図1と同一符号は、同一または、相当部分を示している。
本実施の形態における動作について説明する。
まず、信号発生器11の出力端子1101から出力される信号が、第1の分配回路21の端子2101に入力され、端子2102と端子2103に信号が2分配される。
ここで、信号の経路a-1を、端子2102→端子2201→分配回路22→端子2203→端子3101→スイッチ31→端子3103→端子4101→可変整合回路41→4103→端子5101の経路とする。
また、信号の経路b-1を、端子5101→端子4103→可変整合回路41→端子4101→端子3103→スイッチ31→端子3101→端子2203→分配回路22→端子2202→端子3202→スイッチ32→端子3204→端子1031の経路とする。
第1の分配回路21の端子2102から出力された信号は、経路a-1を通りアンテナ51へ入力され、第1の分配回路21の端子2103から出力された信号は、直交検波回路61の端子6102から直交検波回路61にローカル信号として入力される。
経路a-1を通過した信号は、アンテナ51から電波として放射され、生体によって反射された反射波の信号がアンテナ51に入力し、経路b-1を通り増幅回路103で増幅された信号が端子1032から出力され、直交検波回路61の端子6101から直交検波回路61に入力される。
信号の経路a-2を、端子2102→端子2201→分配回路22→端子2203→端子3101→スイッチ31→端子3104→端子4201→可変整合回路42→4203→端子5201の経路とする。
また、信号の経路b-2を、端子5201→端子4203→可変整合回路42→端子4201→端子3104→スイッチ31→端子3101→端子2203→分配回路22→端子2202→端子3202→スイッチ32→端子3204→端子1031の経路とする。
第1の分配回路21の端子2102から出力された信号は、経路a-2を通りアンテナ52へ入力され、第1の分配回路21の端子2103から出力された信号は、直交検波回路61の端子6102から直交検波回路61にローカル信号として入力される。
経路a-2を通過した信号は、アンテナ52から電波として放射され、生体によって反射された反射波の信号がアンテナ51に入力し、経路b-2を通り増幅回路103で増幅された信号が端子1032から出力され、直交検波回路61の端子6101から直交検波回路61に入力される。
ここで、信号の経路c-1を、端子2102→端子2201→分配回路22→端子2203→端子3101→スイッチ31→端子3103→端子4101→可変整合回路41→4103→端子5101の経路とする。
また、信号の経路c-2を、端子5201→端子4203→可変整合回路42→端子4201→端子3104→スイッチ31→端子3102→端子3201→スイッチ32→端子3204→端子1031の経路とする。
第1の分配回路21の端子2102から出力された信号は、経路c-1を通りアンテナ52へ入力され、第1の分配回路21の端子2103から出力された信号は、直交検波回路61の端子6102から直交検波回路61にローカル信号として入力される。
アンテナ51から自由空間中を媒介としてアンテナ52に入力された信号は、経路c-2を通り増幅回路103で増幅された信号が端子1032から出力され、直交検波回路61の端子6101から直交検波回路61に入力される。
直交検波回路61の端子6101に入力された増幅回路103を通過し増幅された信号は、端子6102に入力されたローカル信号により直交検波され、位相が互いに90度異なるI信号、Q信号として、直交検波回路61の端子6103、6104からそれぞれ出力する。
I信号、Q信号は検知部71に入力される。
検知部71に入力されたI信号とQ信号は、アナログデジタル変換器でデジタル信号Id信号とQd信号として制御部81に入力される。
制御部81では、入力されたI信号とQ信号の2波をある時間測定し、I信号、Q信号の時間平均を算出する。信号の経路a-1からb-1へ入力されたI信号とQ信号、信号の経路a-2からb-2へ入力されたI信号とQ信号をある時間測定し、I信号とQ信号の時間平均を算出する。I信号とQ信号の時間平均値の絶対値が十分小さい、ある閾値以下となるか判定を行う。
信号の時間平均値の絶対値が閾値よりも大きい場合、制御部81から可変整合回路41、42へ制御信号を発信し、両信号の時間平均の絶対値が閾値以下となるように可変整合回路41、42の反射特性を調整する。調整後に経路c-1からc-2を通過する信号を取得する。さらに各経路となるモード(a-1→b-1、a-2→b-2、c-1→c-2)で最もp-p値の高いモードを選択することで位置に対するロバスト性の高く、増幅回路103信号を増幅することで、S/Nを向上させることができるセンサを構成する。
以上のように、生体センサ装置をアンテナ51、52と、信号発生器11と、2分配回路21、22と、スイッチ31、32と、可変整合回路41、42と、増幅回路103と、直交検波回路61、62と、検知部71と、制御部81と、負荷抵抗91において、I信号とQ信号の時間平均値の絶対値がある閾値以下になるように、可変整合回路41、42を制御し、増幅回路で増幅されたアンテナ間の通過信号の変化量を取得することでS/Nが向上した簡易な構成の生体センサ装置が得られるという効果を有する。
実施の形態6.
実施の形態1では、第1のアンテナ51と第2のアンテナ52が単素子を用いた生体センサ装置について説明したが、本実施の形態では、第1、第2のアンテナを複数個用いた場合について説明する。
図16は本実施の形態に係る生体センサ装置の構成図である。本実施の形態では、アンテナの総本数をN個(N≧2)、第1のアンテナ51の本数をK個(K≧1)、第2のアンテナ52の本数を(N-K)個である場合、各アンテナに1つずつ可変整合回路が接続され、さらに信号の経路を切換えるSPKT(K=1の場合にはSPST、K=2の場合にはSPDTに対応)の機能を有するスイッチとSP(N-K)Tの機能を有するスイッチを有している。
本実施の形態では、アンテナ51はK個のアンテナ群を示し、左から5101、5102…510Kの端子を有し、アンテナ52は(N-K)個のアンテナ群を示し左から5201、5202…520(N-K)の端子を有している。また、アンテナの個数と同数の可変整合回路41-1~41-Nを有し、それぞれ3つの入出力端子を備えている。加えて、アンテナ切り換えスイッチ104及び105を有し、可変整合回路と接続する端子1042-1~1042-K、1052-1~1052-(N-K)を有し、スイッチ31の端子3103とアンテナ切り換えスイッチ104の端子1041が接続され、スイッチ31の端子3104とアンテナ切り換えスイッチ105の端子1051が接続さる。上記の場合について説明する。なお、スイッチ104は、実施の形態6における第2切換部を構成する。また、アンテナ5101は、実施の形態6における第1アンテナを構成し、アンテナ5102は、実施の形態6における第3アンテナを構成し、アンテナ520(K+1)は、実施の形態6における第2アンテナを構成し、可変整合回路41-1は、実施の形態6における第1調節部を構成し、可変整合回路41-2は、実施の形態6における第3調節部を構成し、可変整合回路41-(K+1)は、実施の形態6における第2調節部を構成する。
図16において、図1と同一符号は、同一または、相当部分を示している。
本実施の形態では、図16に示されるように、信号発生器11の出力端子1101と第1の分配回路21の端子2101とが接続され、第1の分配回路21の端子2102と第2の分配回路22の端子2201とが接続され、第2の分配回路22の端子2203と第1のスイッチ31の端子3101とが接続され、第1のスイッチ31の端子3103とアンテナ切り換えスイッチ104の端子1041とが接続され、アンテナ切り換えスイッチ104の端子1042-1と可変整合回路41-1の端子4101-1とが接続され、アンテナ51の個数K個に対応して、アンテナ切り換えスイッチ104の端子1042-Kと可変整合回路41-Kの端子4101-Kとが接続され、可変整合回路41-1の端子4103-1とアンテナ51の端子5101とが接続され、アンテナ51の個数K個に対応して、可変整合回路41-Kの端子4103-Kとアンテナ51の端子510Kとが接続され、アンテナ52の端子520(K+1)と可変整合回路42―(K+1)の端子4203―(K+1)とが接続され、アンテナ52の個数(N-K+1)個に対応して、アンテナ52の端子520Nと可変整合回路42―Nの端子4203―Nとが接続され、可変整合回路42―(K+1)の端子420―(K+1)とアンテナ切り換えスイッチ105の端子1052-1とが接続され、アンテナ52の個数(N-K+1)個に対応して、アンテナ切り換えスイッチ105の端子1052-(N-K+1)とが接続され、アンテナ切り換えスイッチ105の端子1051と第1のスイッチ31の端子3104とが接続され、第1のスイッチ31の端子3102と第2のスイッチ32の端子3201とが接続され、第2のスイッチ32の端子3202と第2の分配回路22の端子2202とが接続され、第2のスイッチ32の端子3203と負荷抵抗91の端子9101とが接続され、第2のスイッチ32の端子3204と直交検波回路61の端子6101とが接続され、直交検波回路61の端子6102と第1の分配回路21の端子2103とが接続される。また、2つの分配器は1つの4分配方向性結合器としてもよいし、検波回路はミキサで代用してもよい。
本実施の形態における動作について説明する。
信号発生器11の出力端子1101から出力された信号は、第1の分配回路21の端子2101に入力され、端子2102と端子2103に信号が2分配される。
第1の分配回路21の端子2103から出力された信号は、直交検波回路61の端子6102にローカル信号として入力される。また、第1の分配回路21の端子2102から出力された信号は、第2の分配回路22の端子2201から入力し、端子2203から出力され、スイッチ31の端子3101から入力し、端子3103から出力した場合にはアンテナ切り換えスイッチ104の端子1041に入力し、可変整合回路41―Kの端子4101―Kから入力し、端子4103―Kからアンテナ51の端子510Kへ入力し、アンテナ51から電波として放射される。このときアンテナ切り換えスイッチ104はあらかじめ定められた順序で切り換えてもよいし、前回の状態と異なる状態へ切り換えてもよい。また、端子3104から出力した場合にはアンテナ切り換えスイッチ105の端子1051に入力し、可変整合回路42―Nの端子4201―Nから入力し、端子4203―Nからアンテナ52の端子520Nへ入力し、アンテナ52から電波として放射される。このときアンテナ切り換えスイッチ105はあらかじめ定められた順序で切り換えてもよいし、前回の状態と異なる状態へ切り換えてもよい。
スイッチ31、32が制御部81から、モード1として制御されている場合には、アンテナ51から放射された信号は、生体で反射され、反射信号としてアンテナ51に入力される。この反射信号は、アンテナ51の端子510Kから可変整合回路41―Kの端子4103―Kへ入力され、端子4101―Kから出力され、アンテナ切り換えスイッチ104の端子1042-Kから端子1041に入力され、アンテナ切り換えスイッチ104の端子1041からスイッチ31の端子3103へ入力され、端子3101から出力され、第2の分配回路22の端子2203に入力される。
この端子2203に入力された反射信号の一部が、端子2202から出力され、スイッチ32の端子3202へ入力され、端子3204から出力され、直交検波回路61の端子6101に入力される。
また、スイッチ31、32が制御部81で、モード2で制御されている場合には、アンテナ52から放射された信号は、生体で反射され、反射信号としてアンテナ52に入力される。この反射信号は、アンテナ52の端子520Nから可変整合回路42―Nの端子4203―Nへ入力され、端子4201―Nから出力され、アンテナ切り換えスイッチ105の端子1052-(N-K+1)から端子1051に入力され、アンテナ切り換えスイッチ105の端子1051からスイッチ31の端子3104へ入力され、端子3101から出力され、第2の分配回路22の端子2203に入力される。
この端子2203に入力された反射信号の一部が、端子2202から出力され、スイッチ32の端子3202へ入力され、端子3204から出力され、直交検波回路61の端子6101に入力される。
さらに、スイッチ31、32が制御部81で、モード3で制御されている場合には、アンテナ51から放射された信号は、生体で反射され、自由空間を媒介としてアンテナ52に入力される。この通過信号は、アンテナ52の端子520Nから可変整合回路42―Nの端子4203―Nへ入力され、端子4201―Nから出力され、アンテナ切り換えスイッチ105の端子1052-(N-K+1)から端子1051に入力され、アンテナ切り換えスイッチ105の端子1051からスイッチ31の端子3104へ入力され、端子3102から出力され、スイッチ32の端子3201へ入力され、端子3204から出力され、直交検波回路61の端子6101に入力される。
このとき、通過信号は第2の分配回路22を通過しないため、方向性結合器での結合損の影響を受けずに信号を検波することができる。
次に制御部81での動作について説明する。
図18は、制御部81で動作する制御プログラムのフローチャートである。
制御プログラムは、電源が投入されるとスイッチ31と32を状態1に切り替えてモード1に設定し(ステップST101)、検知部71でデジタル信号に変換されたId信号とQd信号を受け取ると次の処理を実行する。デジタル信号に変換されたId信号とQd信号の値をある時間t秒間分と、現在選択されている整合回路の番号を記憶装置812に記憶する(ステップST102)。
可変整合回路41-kと可変整合回路42-kの可変素子の値を調整し(ステップST103)、さらにデジタル信号に変換されたId信号とQd信号の値と可変素子の値をある時間t秒間分、記憶装置812に記憶する(ステップST104)。ST102~ST104の処理をk=Kとなるまで繰り返す。
次に制御プログラムは、スイッチ31を状態2に、スイッチ32を状態1に切り替えてモード2に設定し(ステップST201)、デジタル信号に変換されたId信号とQd信号の値をある時間t秒間分と、現在選択されている整合回路の番号を記憶装置812に記憶する(ステップST202)。
同様に、制御プログラムで可変整合回路41-kと可変整合回路42-kの可変素子の値を調整し(ステップST203)、Id信号とQd信号の値と可変素子の値をある時間t秒間分、記憶装置812に記憶する(ステップST204)。ST202~ST204の処理をk=Kとなるまで繰り返す。
ST204の処理後、制御プログラムはモード1、モード2で最もp-p値が大きいアンテナを判定する(ステップST205)。
制御プログラムは、スイッチ31を状態1に、スイッチ32を状態2に切り替えてモード3に設定し(ステップST301)、可変整合回路41―kの可変素子の値とアンテナ切り替えスイッチの状態をST205で判定した値に、可変整合回路42―kの可変素子の値とアンテナ切り替えスイッチの状態をST205で判定した値に設定する(ステップST302)。Id信号とQd信号の値をある時間t秒間分、記憶装置812に記憶する(ステップST303)。
ST205、ST303で記憶したId信号とQd信号の値のp-p値(Peak to peak)がもっとも大きいモードを判定し(ステップST401)、判定したモードとなるスイッチ31、32の状態に設定を変更する(ステップST402)。デジタル信号に変換されたId信号とQd信号の値をある時間t秒間分記憶装置812に記憶し(ステップST403)、p-p値(Peak to peak)がある閾値Δを下回る場合(YES:ST4041)にはST101に戻り、ある閾値Δを上回る場合(NO:ST4042)には信号取得を継続する。
この条件分岐は、ある時間Tx秒と時間を定めてST101処理に戻ることや、信号が測定レンジを超えたり微小となったりして測定不可能となった場合にST101処理に戻ることも考えられる。
次に、図19を参照して、可変整合回路41―kまたは42―kを整合させる素子の定数を計算(ステップST103、ST104)し、可変整合回路41または42の素子の定数を調整する指示を出力する一連の処理の詳細について説明する。
ST103の処理は、整合回路41―kの可変素子の値を決定する計算及び制御をおこなう。また整合回路42―kの図2の可変素子414、415及び416に対応する素子を可変整合回路42―kの端子4201-nとアンテナ切り替えスイッチ1052-nとが接続する終端素子91による反射振幅がおよそ1となるようにあらかじめ定められた値に調整する(ステップST1031)。
記憶装置812に記憶させておいたId信号の値とQd信号の値との時間平均値の絶対値を計算する(ステップST1032)。
次に制御プログラムは、この平均値と、予め設定しておいた閾値と比較を行い(ステップST1033)、平均値が閾値よりも小さかった場合(ステップST1033:NO)には、アンテナ切り替えスイッチを変更し、さらにすべてのアンテナの整合が完了した場合にはステップST201の処理に進む。平均値が閾値以上だった場合(ステップST1033:YES)には、可変整合回路41の端子4103に接続される負荷インピーダンスを端子4101に接続される回路のインピーダンスに整合するよう、調整値の計算を行う。(ステップST1034~ステップST1036)。
そして、可変整合回路41―kへ調整値を出力する(ステップST1037)。
同様に、ST203の処理は、整合回路42―kの可変素子の値を決定する計算及び制御をおこなう。また整合回路41―kの図2の可変素子414、415及び416を可変整合回路41―kの端子4101―nとアンテナ切り替えスイッチ1041-nとが接続する終端素子91による反射振幅がおよそ1となるようにあらかじめ定められた値に調整する(ステップST2031)。
記憶装置812に記憶させておいたId信号の値とQd信号の値との時間平均値の絶対値を計算する(ステップST2032)。
次に制御プログラムは、この平均値と、予め設定しておいた閾値と比較を行い(ステップST2033)、平均値が閾値よりも小さかった場合(ステップST2033:NO)には、アンテナ切り替えスイッチを変更し、さらにすべてのアンテナの整合が完了した場合にはステップST301の処理に進み、平均値が閾値以上だった場合(ステップST2033:YES)には、可変整合回路42の端子4203に接続される負荷インピーダンスを端子4201に接続される回路のインピーダンスに整合するよう、調整値の計算を行う。(ステップST2034~ステップST2036)。
そして、可変整合回路42へ調整値を出力する(ステップST2037)。
アンテナの切り替えは、前回のアンテナと接続する整合回路と異なる端子を選択してもよいし、あらかじめ決められた順番で、例えば、まず整合回路41―Kを選択し、次に整合回路42―Nを選択するといった方法で決定してもよい。
なお、本実施の形態では、時間平均の取り方として、ある測定時間をT秒間とし、Id信号とQd信号の全時間平均を取る方法としたが、このほかに、T秒間を更に細かい区間に区切り、その区間で波形を加重平均する方法でもよい。
例えば、T秒間中S秒(S≦T)までの時間平均をA(S)とすると、A(S)をT-u≦S≦T(u≦T)の間で平均化し、I信号、Q信号の時間平均値の絶対値が十分小さいある閾値以下になるか判定する。
閾値は、実際に測定を行う環境のノイズの影響によって決定する。例えば、周囲のノイズの数値を幾つか測定しておき、その最大値としても良いし、標準偏差を求めた値、もしくは最大値と平均値あるいは最頻値から、適宜適切な値を求めても良い。また、閾値は固定とせず、状況に応じて変化できるよう、例えば、一定間隔でノイズの測定を行い、再設定できるようにしてもよい。
これにより、Sに対するA(S)の変動が小さくなるため平均値を取る際の誤差が小さくなる。
また、たとえば可変整合回路41―kで端子4103―kに接続される負荷インピーダンスを端子4101―kに接続される回路のインピーダンスに整合するよう、調整値の計算を行うには、以下のような方法が考えられる。
まず、可変整合回路41のZ特性インピーダンス(Z0)が50Ωとなるよう、制御部81に入力されたId信号とQd信号の値と、可変整合回路41―kの現在の可変素子414~416に相当する素子の値から、計算し、I信号とQ信号の時間平均の絶対値が閾値を下回るよう可変素子414~416に相当する素子の容量を調整する方法が考えられる。
まず、可変整合回路41のZ特性インピーダンス(Z0)が50Ωとなるよう、制御部81に入力されたId信号とQd信号の値と、可変整合回路41―kの現在の可変素子414~416に相当する素子の値から、計算し、I信号とQ信号の時間平均の絶対値が閾値を下回るよう可変素子414~416に相当する素子の容量を調整する方法が考えられる。
また、Id信号とQd信号の時間平均の絶対値が閾値を下回るように可変素子414~416に相当する素子の値を掃引することで各可変素子の容量値(調節量)を調整してもよい。
例えば、第1の可変素子414に相当する素子の値と第2の可変素子415に相当する素子の値をC1とし、第3の可変素子416に相当する素子の値をC2とする。そして、C1とC2それぞれの容量値が、a1≦C1≦a2、b1≦C2≦b2の間の値をとるとした場合、まず、最初にC1の値をa1に固定し、C2の値をb1からb2の間で順に変化させ、そのC1とC2の値を組み合わせた状態の可変整合回路で、I信号とQ信号の時間平均の全体値が、閾値を下回るか判断する。
C2がb1からb2の間の全ての値を用いても下回らなかった場合、C1の値を変え、再度C2の値をb1からb2まで変化させ、そのC1とC2の値を組み合わせた状態の可変整合回路で、Id信号とQd信号の時間平均の全体値が閾値を下回るか判断する。
更に、制御部81が受け取るId信号の値とQd信号の値とその平均値から、C1とC2の取りうる容量値として適切な値が格納されたテーブルを予め用意しておく方法が考えられる。
制御部81は、Id信号とQd信号の値を受け取ると、このテーブルを参照し、テーブルが指し示すC1とC2が設定されるべき容量値を用いることにより、Id信号とQd信号の時間平均の絶対値が閾値を下回るよう可変整合回路41―kの可変素子の値を短時間で調整することが可能となる。
この選択は、前回整合した整合回路と異なる整合回路を選択してもよいし、あらかじめ決められた順番で、例えば、まず整合回路41―Kを選択し、次に整合回路42―Nを選択するといった方法で決定してもよい。次に、制御プログラムは、ステップST1071で選択した回路に信号が入力するよう第1のスイッチと第2のスイッチを制御する(ステップST1072)。
次に、検知部71から出力されたId信号とQd信号を受け取ると、記憶装置812に記憶する(ステップST1081)。
制御プログラムは、予め設定しておいた時間(T)が経過したか判断する(ステップST1082)。
その結果、時間(T)がまだ経過していない場合(ステップST1082:NO)には、ステップST1081の処理に戻り、時間(T)が経過した場合(ステップST1082:YES)には、現在の時刻から時間(T)遡った間、記憶装置812に記憶させておいたI信号とQ信号の値の平均値を計算する(ステップST1083)。
次に制御プログラムは、この平均値と、予め設定しておいた閾値と比較を行い(ステップST1084)、平均値が閾値よりも小さかった場合(ステップST1084:NO)には、ステップST102の処理に戻り、平均値が閾値以上だった場合(ステップST1084:YES)には、可変整合回路41―kの端子4103―kに接続される負荷インピーダンスを端子4101―kに接続される回路のインピーダンスもしくは可変整合回路42―kの端子4203―kに接続される負荷インピーダンスを端子4201―kに接続される回路のインピーダンスに整合するよう、調整値の計算を行う。(ステップST1085~ステップST1087)。
そして、可変整合回路41―kもしくは可変整合回路42―kへ調整値を出力する(ステップST109)。
以後、検知部71から出力されたId信号とQd信号を再度受け取るたびにステップST101~ステップST109の処理を繰り返す。
なお、本実施の形態では、時間平均の取り方として、ある測定時間をT秒間とし、Id信号とQd信号の全時間平均を取る方法としたが、このほかに、T秒間を更に細かい区間に区切り、その区間で波形を加重平均する方法でもよい。
例えば、T秒間中S秒(S≦T)までの時間平均をA(S)とすると、A(S)をT-u≦S≦T(u≦T)の間で平均化し、I信号、Q信号の時間平均値の絶対値が十分小さいある閾値以下になるか判定する。
閾値は、実際に測定を行う環境のノイズの影響によって決定する。例えば、周囲のノイズの数値を幾つか測定しておき、その最大値としても良いし、標準偏差を求めた値、もしくは最大値と平均値あるいは最頻値から、適宜適切な値を求めても良い。また、閾値は固定とせず、状況に応じて変化できるよう、例えば、一定間隔でノイズの測定を行い、再設定できるようにしてもよい。
これにより、Sに対するA(S)の変動が小さくなるため平均値を取る際の誤差が小さくなる。
以上のように、生体センサ装置をアンテナ51、52と、信号発生器11と、方向性結合器101と、スイッチ31、32と、可変整合回路41、42と、直交検波回路61と、検知部71と、制御部81と、負荷抵抗91において、I信号とQ信号の時間平均値の絶対値がある閾値以下になるように、可変整合回路41―k、42―kの素子を制御し、最も反射量の変化の大きい2つのアンテナを選択することで設置位置のロバスト性が高く、生体信号の検知精度が高い、生体センサ装置が得られるという効果を有する。
実施の形態7.
実施の形態6では、第1のアンテナ51と第2のアンテナ52の数だけ整合回路が接続されていたが、本実施の形態では整合回路41、42とアンテナ51、52の間にスイッチ106、107を設けた場合について説明する。なお、スイッチ106は、実施の形態7における第3切換部を構成する。
図18は本実施の形態に係る生体センサ装置の構成図である。本実施の形態では、アンテナの総本数をN個(N≧2)、第1のアンテナ51の本数をK個(K≧1)、第2のアンテナ52の本数を(N-K)個、アンテナ51とアンテナ52の間に信号の経路を切換えるDPKTの機能を有するスイッチとDP(N-K)Tの機能を有するスイッチと、整合回路41、42とを有している。
本実施の形態では、アンテナ51のK個のアンテナは、左から5101、5102…510Kの端子を有し、アンテナ52の(N-K)個のアンテナは左から5201、5202…520(N-K)の端子を有した場合について説明する。なお、アンテナ5101は、実施の形態7における第1アンテナを構成し、アンテナ5102は、実施の形態7における第2アンテナを構成する。
図20において、図1と同一符号は、同一または、相当部分を示している。
本実施の形態では、図18に示されるように、信号発生器11の出力端子1101と第1の分配回路21の端子2101とが接続され、第1の分配回路21の端子2102と第2の分配回路22の端子2201とが接続され、第2の分配回路22の端子2203と第1のスイッチ31の端子3101とが接続され、第1のスイッチ31の端子3103と可変整合回路41の端子4101とが接続され、可変整合回路41の端子4103とアンテナ切り換えスイッチ106の端子1061とが接続され、アンテナ51の個数K個に対応して、アンテナ切り換えスイッチ106の端子1062-Kとアンテナ51の端子510Kとが接続され、アンテナ52の端子520(K+1)とアンテナ切り換えスイッチ107の端子1072―(K+1)とが接続され、アンテナ切り換えスイッチ107の端子1071と可変整合回路42の端子4203とが接続され、可変整合回路42の端子4201と第1のスイッチ31の端子3104とが接続され、第1のスイッチ31の端子3102と第2のスイッチ32の端子3201とが接続され、第2のスイッチ32の端子3202と第2の分配回路22の端子2202とが接続され、第2のスイッチ32の端子3203と負荷抵抗91の端子9101とが接続され、第2のスイッチ32の端子3204と直交検波回路61の端子6101とが接続され、直交検波回路61の端子6102と第1の分配回路21の端子2103とが接続される。また、2つの分配器は1つの4分配方向性結合器としてもよいし、直交検波回路はミキサで代用してもよい。
本実施の形態における動作について説明する。
信号発生器11の出力端子1101から出力された信号は、第1の分配回路21の端子2101に入力され、端子2102と端子2103に信号が2分配される。
第1の分配回路21の端子2103から出力された信号は、直交検波回路61の端子6102にローカル信号として入力される。また、第1の分配回路21の端子2102から出力された信号は、第2の分配回路22の端子2201から入力し、端子2203から出力され、スイッチ31の端子3101から入力し、端子3103から出力した場合には可変整合回路41の端子4101から入力し、端子4103からアンテナ切り換えスイッチ106の端子1061に入力する。アンテナ切り換えスイッチ106の端子1061に入力した信号はアンテナ切り換えスイッチ106の端子1062-Kへ出力し、アンテナ51の端子510Kへ入力し、アンテナ51から電波として放射される。このときアンテナ切り換えスイッチ106はあらかじめ定められた順序で切り換えてもよいし、前回の状態と異なる状態へ切り換えてもよい。アンテナ切り換えスイッチ107の端子1071に入力した信号はアンテナ切り換えスイッチ107の端子1072-Nへ出力し、アンテナ52の端子520Nへ入力し、アンテナ52から電波として放射される。このときアンテナ切り換えスイッチ107はあらかじめ定められた順序で切り換えてもよいし、前回の状態と異なる状態へ切り換えてもよい。
スイッチ31、32が制御部81から、モード1として制御されている場合には、アンテナ51から放射された信号は、生体で反射され、反射信号としてアンテナ51に入力される。この反射信号は、アンテナ51の端子510Kからアンテナ切り換えスイッチ106の端子1061-Kに出力される。アンテナ切り換えスイッチ106の端子1061-Kから出力された信号はアンテナ切り換えスイッチ106の端子1061へ入力され、可変整合回路41の端子4103に入力される。可変整合回路41の端子4103から入力された信号は、端子4101から出力され、スイッチ31の端子3103へ入力され、端子3101から出力され、第2の分配回路22の端子2203に入力される。
この端子2203に入力された反射信号の一部が、端子2202から出力され、スイッチ32の端子3202へ入力され、端子3204から出力され、直交検波回路61の端子6101に入力される。
また、スイッチ31、32が制御部81で、モード2で制御されている場合には、アンテナ52から放射された信号は、生体で反射され、反射信号としてアンテナ52に入力される。この反射信号は、アンテナ52の端子520Nからアンテナ切り換えスイッチ107の端子1072-Nに出力される。アンテナ切り換えスイッチ107の端子1072-Nから出力された信号はアンテナ切り換えスイッチ107の端子1071へ入力され、可変整合回路42の端子4203に入力される。可変整合回路42の端子4203から入力された信号は、端子4201から出力され、スイッチ31の端子3104へ入力され、端子3101から出力され、第2の分配回路22の端子2203に入力される。
この端子2203に入力された反射信号の一部が、端子2202から出力され、スイッチ32の端子3202へ入力され、端子3204から出力され、直交検波回路61の端子6101に入力される。
さらに、スイッチ31、32が制御部81で、モード3で制御されている場合には、アンテナ51から放射された信号は、生体で反射され、自由空間を媒介としてアンテナ52に入力される。この通過信号は、アンテナ52の端子520Nからアンテナ切り換えスイッチ107の端子1072-Nへ入力され、アンテナ切り換えスイッチ107の端子1071から出力される。アンテナ切り換えスイッチ107の端子1071から可変整合回路42の端子4203へ入力し、可変整合回路42の端子4201へ出力され、スイッチ31の端子3104へ入力され、端子3102から出力され、スイッチ32の端子3201へ入力され、端子3204から出力され、直交検波回路61の端子6101に入力される。
このとき、通過信号は第2の分配回路22を通過しないため、方向性結合器での結合損の影響を受けずに信号を検波することができる。
実施の形態6の場合と同様に、直交検波回路61の端子6102に入力された生体からの反射信号は、端子6101に入力されたローカル信号により直交検波され、位相が互いに90度異なるI信号、Q信号を直交検波回路61の端子6103、6104からそれぞれ出力する。I信号、Q信号は検知部71に入力される。
検知部71に入力された信号はデジタル変換されId信号、Qd信号として制御部81に入力される。
制御部81で整合回路の調整は、入力されたId信号とQd信号の2波をある時間測定し、Id信号、Qd信号の時間平均を算出する。両信号の時間平均値の絶対値が十分小さい、ある閾値以下となるか判定を行う。
両信号の時間平均値の絶対値が閾値よりも大きい場合、制御部81から可変整合回路41および42へ制御信号を発信し、両信号の時間平均の絶対値が閾値以下となるように可変整合回路41、42の反射特性を調整する。このときすべてのアンテナの中でもっとも反射係数の大きい2つのアンテナを選択し、モード3へと移行する。さらに、モード1、モード2、モード3でもっともp-p値が大きいモードを選択し、取得を継続することで感度向上、位置に対するロバスト性を向上させることが可能となる。
以上のように、生体センサ装置をアンテナ51、52と、信号発生器11と、方向性結合器101と、スイッチ31、32と、可変整合回路41、42と、直交検波回路61と、検知部71と、制御部81と、負荷抵抗91において、I信号とQ信号の時間平均値の絶対値がある閾値以下になるように、可変整合回路41、42を制御し、複数のアンテナのうち最も反射量の変化の大きいアンテナを選択することで設置位置のロバスト性が高く、生体信号の検知精度が高い、簡易な構成の生体センサ装置が得られるという効果を有する。
実施の形態8.
本実施の形態では実施の形態1において、制御部81が変換係数を用いて処理を行う場合を説明する。
図18は、制御部81のハードウェア構成を概略的に示すブロック図で、実施の形態1の図4の記憶装置812に変換係数8121を備えた場合を示している。
変換係数8121は、記憶装置812に予め格納されている係数で、図1の回路構成に依存する振幅・位相情報を備えている。また、変換係数8121は、I信号、Q信号の2つの信号の時間平均値を、可変整合回路41の端子4101からみたアンテナの反射係数Γmに変換する。変換係数は、たとえば、本生体センサ装置の出荷前に予め求め記憶装置812に格納してもよい。
また、図1の回路構成が変更されたときは、変換係数8121を再設定する必要がある。例えば、可変整合回路41とスイッチ31を同軸ケーブルで接続するとき、そのケーブル長が変化した場合には変換係数8121を再設定する。
変換係数8121の求め方を説明する。変換係数8121を決定するときには、アンテナ51を心臓近傍等に設置するのではなく、アンテナ51の周囲に動くもののない、I信号、Q信号が時間的にほとんど変動しない環境で行う。
図1の回路構成を用いて、可変整合回路41の設定値を変化させて得られる可変整合回路41の端子4101からみたアンテナの反射係数ΓmをVNA(ベクトルネットワークアナライザ)などで測定し、同一設定値でのI信号、Q信号を同様に測定し、互いに対応する値を記録しておく。
ここで、I信号、Q信号に対応する電圧をそれぞれVI、VQ、心拍波形信号Vr=VI-jVQとすると、複素数である変換係数8121は(1)式から計算できる。
Figure 0007490160000001
反射係数Γmと対応する心拍波形信号Vrは、たとえば、VSWRが2~5程度となる、互いが可能な限り離れた2点を用いて(1)式から振幅項と位相項をそれぞれ算出し、平均化したものを変換係数8121とする。
また、変換係数8121は、反射係数Γmと対応する心拍波形信号Vrを用いて可変整合回路41の設定値ごとにそれぞれ算出してもよいし、反射係数Γmと対応する心拍波形信号Vrを用いて可変整合回路41の設定値ごとに振幅項・位相項をそれぞれ計算し、すべての点の平均値から算出してもよい。
(1)式から求めた変換係数8121を記憶装置812に予め備えることで、図1の構成のみで、ほかに特別な測定機器がない環境であっても、心拍波形の検知信号I信号、Q信号に変換係数8121(=Aejθ)を乗算することで、対応する可変整合回路41の端子4101からみたアンテナの反射係数Γmを求めることが可能となる。
図19におけるプロセッサ811が実行する制御プログラムの動作について図20を用いて説明する。
図20は、制御部81で動作する整合プログラムの処理フローの一例である。
制御プログラムは、整合する回路を選択する(ステップST201)。整合する回路に合わせてスイッチ31とスイッチ32の経路を切換える制御信号を送信する(ステップST202)。
次に制御プログラムは、デジタル信号に変換したId信号とQd信号の値を、記憶装置812に記憶する(ステップST203)。
制御プログラムは、予め設定しておいた時間(T)が経過したか判断する(ステップST204)。
その結果、時間(T)がまだ経過していない場合(ステップST204:NO)には、ステップST203の処理に戻り、時間(T)が経過した場合(ステップST204:YES)には、現在の時刻から時間(T)遡った間、記憶装置812に記憶させておいたI信号とQ信号の値の平均値を計算する(ステップST205)。
次に制御プログラムは、この平均値と、予め設定しておいた閾値と比較を行い(ステップST206)、平均値が閾値よりも小さかった場合(ステップST206:YES)には、生体信号取得モードに切り換わり(ステップST209)、平均値が閾値以上だった場合(ステップST206:NO)には、記憶装置812に記憶させておいたI信号とQ信号の値に変換係数8121(=Aejθ)を乗算することで、可変整合回路41の端子4101からみたアンテナ1の反射係数Γmを算出する(ステップST2071)。算出した反射係数Γmを用いて、可変整合回路41の端子4101からみたアンテナ51側のインピーダンスが端子4101に接続される回路のインピーダンス(50Ω)になるよう、可変整合回路41の調整値の計算を行う(ステップST207)。
そして、最後に制御プログラムは、可変整合回路41へ調整値を出力する(ステップST208)。
変換係数8121を導入することで、図1の構成のみで、ほかに特別な測定機器がない環境であっても、直交検波回路61の検波信号から、可変整合回路41の端子4101からみたアンテナの反射係数Γmを求められることで、可変整合回路41の調整値を正確に設定することが可能となり、調整後にアンテナ間の通過信号を測定することで検知精度高く、かつ位置に対してロバスト性の高い簡易な構成の生体センサ装置が得られるという効果を有する。
実施の形態9.
本実施の形態では実施の形態8において可変整合回路41の一例を用いて、制御部81で可変整合回路41を調整する場合を説明する。
図21に、本実施の形態で説明する可変整合回路41の構成を示し、図22に、図21の等価回路を示す。
また、図23に、本実施の形態で説明する制御フローの一例を示す。
図21は、実施の形態1の図9において、第1、第2の可変素子の端子4142と端子4152とをアンテナ51の端子5101と接続したものである。端子4103と接続するアンテナ51をアンテナ51の負荷インピーダンスZaとして示した。
図22は、図21の等価回路を示している。図21で示す回路を構成するとき、実際には図22に示すように第1、第2、第3の可変素子414、415、416には寄生抵抗が存在する。そのため、第1、第2、第3の可変素子414、415、416の値を正確に算出する際には考慮する必要がある。ここで、寄生抵抗は第1、第2、第3の可変素子414、415、416に直列に接続すると考える。
417は第1の可変素子414に接続する第1の寄生抵抗、418は第2の可変素子415に接続する第2の寄生抵抗、419は第3の可変素子416に接続する第3の寄生抵抗、である。なお、第1の寄生抵抗417は、実施の形態9における第1直列抵抗を構成し、第2の寄生抵抗418は、実施の形態9における第1直列抵抗を構成し、第3の寄生抵抗419は、実施の形態9における第2直列抵抗を構成する。
第1の寄生抵抗417は端子4171と端子4172を有し、第2の寄生抵抗418は端子4181と端子4182を有し、第3の寄生抵抗419は、端子4191と端子4192を有する。なお、端子4102は接地されている接地端子である。
第1の寄生抵抗417の端子4171と第1の可変素子414の端子4142とが接続され、第2の寄生抵抗418の端子4181と第2の可変素子415の端子4152が接続され、第1の寄生抵抗417の端子4172と第2の寄生抵抗418の端子4182とがアンテナ51の端子4103に接続され、第3の寄生抵抗419の端子4191と第3の可変素子416の端子4162が接続され、第3の寄生抵抗419の端子4192と第2の可変素子415の端子4151が接続される。なお、第1の可変素子414および第2の可変素子415の可変容量値をC1、第3の可変素子416の可変容量値をC2、第1の寄生抵抗417および第2の寄生抵抗418の抵抗値をR1、第3の寄生抵抗419の抵抗値をR2とする。
本実施の形態において、図19のプロセッサ811が実行する制御プログラムの動作について図23を用いて説明する。
制御プログラムは、整合する回路を選択する(ステップST201)。整合する回路に合わせてスイッチ31とスイッチ32の経路を切換える制御信号を送信する(ステップST202)。
次に制御プログラムは、デジタル信号に変換したId信号とQd信号の値を、記憶装置812に記憶する(ステップST203)。
制御プログラムは、予め設定しておいた時間(T)が経過したか判断する(ステップST204)。
その結果、時間(T)がまだ経過していない場合(ステップST204:NO)には、ステップST203の処理に戻り、時間(T)が経過した場合(ステップST204:YES)には、現在の時刻から時間(T)遡った間、記憶装置812に記憶させておいたId信号とQd信号の値の平均値を計算する(ステップST205)。
次に制御プログラムは、この平均値と、予め設定しておいた閾値と比較を行い(ステップST206)、平均値が閾値よりも小さかった場合(ステップST206:YES)には、生体信号取得モードに移行し、平均値が閾値以上だった場合(ステップST206:NO)には、可変整合回路41の調整値の計算を実施する(ステップST2071~ステップST2073)。そして、最後に制御プログラムは、可変整合回路41へ調整値を出力する(ステップST208)。
図21の等価回路である図22を用いて制御プログラムの可変整合回路41の調整値の計算を実施する(ステップST2071~ステップST2073)について具体的に説明する。
まず、はじめに、制御プログラムのサブルーチンステップST2071での計算について説明する。
記憶装置812に記憶させておいたI信号とQ信号の時間平均値をそれぞれVI、VQ、心拍波形信号Vr=VI-jVQとすると、心拍波形信号Vrに変換係数8121(=Aejθ)を乗算することで、可変整合回路41の参照面t1からみたアンテナ1の反射係数Γmを算出する。
Figure 0007490160000002
続いて、サブルーチンステップST2072での計算について説明する。
ステップST2071で算出した反射係数Γmから、可変整合回路41の参照面t1からみたアンテナ1のインピーダンスZ=R+jXを計算し、このインピーダンスZと現在の整合回路41の回路定数と、信号発生器11から発生する信号の周波数をωとを用いて、端子4103に接続するアンテナのインピーダンスをZa=Ra+jXaを計算する。
ステップST1062における具体的な計算は、図22に示す、参照面t1および参照面t2からみたアンテナ51のインピーダンスについて連立方程式を解くことで算出する。
アンテナ51のインピーダンスZa=Ra+jXaの実部と虚部はそれぞれ(3)、(4)式となる。
Figure 0007490160000003
続いて、サブルーチンステップST2073での計算について説明する。
サブルーチンステップST2072で求めたアンテナ51のインピーダンスZaと、参照面t1からみたアンテナ51の反射係数Γmが0になる条件(Z=R0=50Ω)から可変整合回路41の各容量値を計算し、それぞれ(5)、(6)式となる。

Figure 0007490160000004

(5)、(6)式を用いて、可変容量値C1、C2を調整することでΓmを低減することができる。
そして、最後に制御プログラムは、可変整合回路41へ調整値を出力する(ステップST208)。
たとえば可変素子が可変容量ダイオードであるとき、調整値は、予め制御部81に可変容量ダイオードとその容量値とする印加電圧のテーブルを備え、算出された容量値からテーブルの情報により調整値となる印加電圧値を可変整合回路41に指示しても良い。
可変整合回路41の調整値の計算を実施する(ステップST2071~ステップST2073)ことで、可変整合回路41の調整値を正確に設定することが可能となり、検知精度の高い、簡易な構成の生体センサ装置が得られるという効果を有する。
なお、本開示は、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
本開示に係る生体情報取得装置は、例えば、心拍および呼吸運動等の生体の運動に関する情報を取得することに利用することができる。
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
信号を発生させる信号発生部と、
前記信号発生部からの信号を送信可能かつ送信された前記信号発生部からの信号の生体による反射波を受信可能な第1アンテナ及び第2アンテナと、
前記第1アンテナに接続され、前記第1アンテナからの負荷インピーダンスを調節する第1調節部と、
前記第2アンテナに接続され、前記第2アンテナからの負荷インピーダンスを調節する第2調節部と、
前記第1アンテナから送信された信号の生体による反射信号を前記第1アンテナで受信した信号と、前記第1アンテナから送信された信号の生体による反射信号を前記第2アンテナで受信した信号と、前記第2アンテナから送信された信号の生体による反射信号を前記第2アンテナで受信した信号と、を取得し、取得した信号に基づいて前記第1調節部及び前記第2調節部の調節量を制御する制御部と、を備えた
ことを特徴とする生体情報取得装置。
(付記2)
前記信号発生部と前記第1アンテナとが接続可能であると共に前記第1アンテナと前記制御部とが接続可能な第1状態で前記第1アンテナから送信された信号の生体による反射信号を前記第1アンテナで受信した信号と、前記信号発生部からの信号と、に基づいて検波信号を生成し、前記信号発生部と前記第2アンテナとが接続可能であると共に前記第2アンテナと前記制御部とが接続可能な第2状態で前記第2アンテナから送信された信号の生体による反射信号を前記第2アンテナで受信した信号と、前記信号発生部からの信号と、に基づいて検波信号を生成し、前記信号発生部と前記第1アンテナとが接続可能であると共に前記第2アンテナと前記制御部とが接続可能な第3状態で前記第1アンテナから送信された信号の生体による反射信号を前記第2アンテナで受信した信号と、に基づいて検波信号を生成する検波信号生成部を備え、
前記制御部は、前記第1~第3状態での最もp-p値の大きい信号を選択する機能を備え、すべての状態で生体信号を取得する機能を備えた
ことを特徴とする付記1記載の生体情報取得装置。
(付記3)
前記制御部は、前記第1アンテナ及び前記第2アンテナが、生体信号の一周期以上である所定期間に亘って受信した信号に基づいて、前記第1調節部及び前記第2調節部の調節量を制御する
ことを特徴とする付記1または2記載の生体情報取得装置。
(付記4)
前記第1状態、前記第2状態及び前記第3状態の間で、信号の経路を切換える切換部を備え、
前記制御部は、前記第1アンテナ及び前記第2アンテナが受信した信号に基づいて前記切換部による信号の経路の切換えを制御する
ことを特徴とする付記1乃至3のいずれか1項記載の生体情報取得装置。
(付記5)
前記制御部は、前記検波信号生成部が生成した検波信号に基づいて、前記切換部による信号の経路の切換え並びに前記第1調節部及び前記第2調節部の調節量を制御する
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項記載の生体情報取得装置。
(付記6)
前記検波信号生成部は、前記第1アンテナ及び前記第2アンテナが受信した信号と、前記信号発生部からの信号と、を乗算するミキサを有する
ことを特徴とする付記1乃至5のいずれか1項記載の生体情報取得装置。
(付記7)
前記第1アンテナ及び前記第2アンテナが受信した信号を増幅する増幅部を備え、
前記検波信号生成部は、前記増幅部が増幅した信号に基づいて検波信号を生成する
ことを特徴とする付記1乃至6のいずれか1項記載の生体情報取得装置。
(付記8)
前記信号発生部からの信号を前記第1アンテナ及び前記第2アンテナと、前記検波信号生成部と、に向けて分配する第1分配器と、
前記第1分配器と前記第1アンテナ及び前記第2アンテナとの間に配置され、前記第1分配器によって前記第1アンテナ及び前記第2アンテナに向けて分配された信号を前記第1アンテナ及び前記第2アンテナに向けて通過させると共に、前記第1アンテナが受信した信号及び前記第2アンテナが受信した信号を前記信号発生部と、前記検波信号生成部と、に向けて分配する第2分配器と、を備えた
ことを特徴とする付記1乃至7のいずれか1項記載の生体情報取得装置。
(付記9)
前記信号発生部からの信号を前記第1アンテナ及び前記第2アンテナと、前記検波信号生成部と、に向けて分配し、前記第1アンテナが受信した信号及び前記第2アンテナが受信した信号を前記信号発生部と、前記検波信号生成部と、に向けて分配する方向性結合器を備えた
ことを特徴とする付記1乃至8のいずれか1項記載の生体情報取得装置。
(付記10)
前記第1調節部は、前記第1アンテナからの信号が入力される第1入力端子及び第2入力端子と、前記第1入力端子及び前記第2入力端子から入力された信号を前記制御部に向けて出力する出力端子と、接地された接地端子と、前記第1入力端子と前記出力端子との間に配置された第1容量素子と、前記第2入力端子と前記接地端子との間に配置された第2容量素子と、前記出力端子と前記接地端子の間に配置された第3容量素子と、を有し、
前記第1容量素子、前記第2容量素子及び前記第3容量素子の少なくとも1つは、容量を変更可能であり、
前記第1調節部は、前記第1容量素子、前記第2容量素子及び前記第3容量素子のうち容量を変更可能なものの容量を変更することによって、前記第1アンテナからの負荷インピーダンスを調節する
ことを特徴とする付記1乃至9のいずれか1項記載の生体情報取得装置。
(付記11)
前記第1調節部は、前記第1入力端子と前記第2入力端子との間に配置されたインダクタ素子を有する
ことを特徴とする付記1乃至10のいずれか1項記載の生体情報取得装置。
(付記12)
前記切換部は、第1切換部であり、
前記信号発生部からの信号を送信可能かつ送信された前記信号発生部からの信号の生体による反射波を受信可能な第3アンテナと、
前記第3アンテナに接続され、前記第3アンテナからの負荷インピーダンスを調節する第3調節部と、
前記第1状態で、前記第1アンテナ及び前記第3アンテナのうち一方と前記信号発生部とが接続されかつ前記第1アンテナ及び前記第3アンテナのうち一方と前記制御部とが接続される状態と、前記第1アンテナ及び前記第3アンテナのうち他方と前記信号発生部とが接続されかつ前記第1アンテナ及び前記第3アンテナのうち他方と前記制御部とが接続される状態と、を切換え、前記信号発生部と前記第2アンテナとが接続可能であると共に前記第1アンテナと前記制御部とが接続可能な第4状態で、前記第1アンテナ及び前記第3アンテナのうち一方と前記制御部とが接続される状態と、前記第1アンテナ及び前記第3アンテナのうち他方と前記制御部とが接続される状態と、の間で、信号の経路を切換える第2切換部を備えた
ことを特徴とする付記1乃至11のいずれか1項記載の生体情報取得装置。
(付記13)
前記制御部は、前記検波信号生成部が生成する検波信号の振幅が大きくなるように、前記第2切換部による信号の経路の切換えを制御する
ことを特徴とする付記1乃至12のいずれか1項記載の生体情報取得装置。
(付記14)
前記切換部は、第1切換部であり、
前記信号発生部からの信号を送信可能かつ送信された前記信号発生部からの信号の生体による反射波を受信可能な第3アンテナと、
信号の経路を切換える第3切換部と、を備え、
前記第1調節部は、前記第1アンテナ及び前記第3アンテナに接続され、前記第1アンテナ及び前記第3アンテナからの負荷インピーダンスを調節し、
前記第3切換部は、前記第1状態で、前記第1アンテナ及び前記第3アンテナのうち一方と前記信号発生部とが接続されかつ前記第1アンテナ及び前記第3アンテナのうち一方と前記制御部とが接続される状態と、前記第1アンテナ及び前記第3アンテナのうち他方と前記信号発生部とが接続されかつ前記第1アンテナ及び前記第3アンテナのうち他方と前記制御部とが接続される状態と、を切換え、前記信号発生部と前記第2アンテナとが接続可能であると共に前記第1アンテナと前記制御部とが接続可能な第4状態で、前記第1アンテナ及び前記第3アンテナのうち一方と前記制御部とが接続される状態と、前記第1アンテナ及び前記第3アンテナのうち他方と前記制御部とが接続される状態と、の間で、信号の経路を切換える
ことを特徴とする付記1乃至13のいずれか1項記載の生体情報取得装置。
(付記15)
前記制御部は、所定期間において前記検波信号生成部が生成する検波信号の時間平均が小さくなるように、前記第1調節部及び前記第2調節部の調節量を制御する
ことを特徴とする付記1乃至14のいずれか1項記載の生体情報取得装置。
(付記16)
前記第1アンテナ及び前記第2アンテナの一方が受信した信号と、前記信号発生部からの信号と、に基づいて検波信号を生成する第1検波信号生成部と、
前記第1アンテナ及び前記第2アンテナの他方が受信した信号と、前記信号発生部からの信号と、に基づいて検波信号を生成する第2検波信号生成部と、を備え、
前記制御部は、前記第1検波信号生成部及び前記第2検波信号生成部が生成した検波信号に基づいて、前記第1調節部及び前記第2調節部の調節量を制御する
ことを特徴とする付記1乃至15のいずれか1項記載の生体情報取得装置。
(付記17)
前記信号発生部と前記第1アンテナ、前記信号発生部と前記第1検波信号生成部、前記信号発生部と前記第2検波信号生成部、前記第1アンテナと前記第1検波信号生成部、及び前記第2アンテナと前記第2検波信号生成部が互いに接続される第1状態と、前記信号発生部と前記第2アンテナ、前記信号発生部と前記第1検波信号生成部、前記信号発生部と前記第2検波信号生成部、前記第1アンテナと前記第2検波信号生成部、及び前記第2アンテナと前記第1検波信号生成部が互いに接続される第2状態と、の間で、信号の経路を切換える切換部を備え、
前記第1検波信号生成部は、前記第1状態で前記第1アンテナから送信された信号の生体による反射信号を前記第1アンテナで受信した信号と、前記信号発生部からの信号と、に基づいて検波信号を生成し、前記第2状態で前記第1アンテナから送信された信号の生体による反射信号を前記第2アンテナで受信した信号と、前記信号発生部からの信号と、に基づいて検波信号を生成し、
前記第2検波信号生成部は、前記第1状態で前記第1アンテナから送信された信号の生体による反射信号を前記第2アンテナで受信した信号と、前記信号発生部からの信号と、に基づいて検波信号を生成し、前記第2状態で前記第2アンテナから送信された信号の生体による反射信号を前記第1アンテナで受信した信号と、前記信号発生部からの信号と、に基づいて検波信号を生成する
ことを特徴とする付記1乃至16のいずれか1項記載の生体情報取得装置。
(付記18)
前記制御部は、所定期間の前記検波信号生成部が生成した検波信号の時間平均値と複素数で与えられる変換係数とを乗算して算出された前記第1調節部及び前記第1アンテナを含む反射係数と、前記第1調節部の回路定数と、に基づいて前記第1アンテナの負荷インピーダンスを算出し、算出した負荷インピーダンスに基づいて前記反射係数が低減するように、前記第1調節部を制御する
ことを特徴とする付記1乃至17のいずれか1項記載の生体情報取得装置。
(付記19)
前記第1容量素子および前記第2容量素子に寄生する第1直列抵抗と、
前記第3容量素子に寄生する第2直列抵抗と、を備え、
前記信号発生部は、連続波信号を発生させ、
前記第1容量素子、前記第2容量素子及び前記第3容量素子は、それぞれ容量を変更可能であり、
前記制御部は、所定期間の前記検波信号生成部が生成した検波信号の時間平均値と複素数で与えられる変換係数とを乗算して算出された前記第1調節部及び前記第1アンテナを含む反射係数と、前記第1調節部の回路定数と、に基づいて前記第1アンテナの負荷インピーダンスZaを算出し、算出した負荷インピーダンスに基づいて前記反射係数が0になる条件から、前記反射係数をΓm、前記第1アンテナの負荷インピーダンスをZa、前記反射係数をΓm、前記第1容量素子及び前記第2容量素子の容量値をC1、前記第3容量素子の容量値をC2、前記第1直列抵抗の抵抗値をR1、前記第2直列抵抗の抵抗値をR2、前記信号発生部が発生させる連続波信号の周波数をωとして、前記第1調節部の調節量が、式(5)および(6)を満たすように前記第1調節部を制御する
ことを特徴とする付記1乃至18のいずれか1項記載の生体情報取得装置。
(付記20)
信号発生部と、第1アンテナ及び第2アンテナと、前記第1アンテナに接続された第1調節部と、前記第2アンテナに接続された第2調節部と、制御部と、を備えた装置が行う生体情報取得方法であって、
前記信号発生部が、信号を発生させるステップと、
前記第1アンテナ及び前記第2アンテナが、前記信号発生部からの信号を送信するステップと、
前記第1アンテナ及び前記第2アンテナが、前記第1アンテナ及び前記第2アンテナから送信された前記信号発生部からの信号の生体による反射波を受信するステップと、
前記第1調節部が、前記第1アンテナからの負荷インピーダンスを調節するステップと、
前記第2調節部が、前記第2アンテナからの負荷インピーダンスを調節するステップと、
前記制御部が、前記第1アンテナから送信された信号の生体による反射信号を前記第1アンテナで受信した信号と、前記第1アンテナから送信された信号の生体による反射信号を前記第2アンテナで受信した信号と、前記第2アンテナから送信された信号の生体による反射信号を前記第2アンテナで受信した信号と、を取得し、取得した信号に基づいて前記第1調節部及び前記第2調節部の調節量を制御するステップと、を備えた
ことを特徴とする生体情報取得方法。
11 信号発生器(信号発生部)、21 2分配回路(第1分配器)、22 2分配回路(第2分配器)、23 3分配回路、31 スイッチ、32 スイッチ、41 可変整合回路(第1調節部)、42 可変整合回路(第2調節部)、51 アンテナ(第1アンテナ)、52 アンテナ(第2アンテナ)、61 直交検波回路(検波信号生成部)、62 直交検波回路(検波信号生成部)、71 検知部、81 制御部、91 負荷抵抗、101 方向性結合器、102 ミキサ、103 増幅回路(増幅部)、104 スイッチ(第2切換部)、105 スイッチ、106 スイッチ(第3切換部)、107 スイッチ、414 第1の可変素子(第1容量素子)、414A キャパシタ素子(第1容量素子)、415 第2の可変素子(第2容量素子)、415A キャパシタ素子(第2容量素子)、416 第3の可変素子(第3容量素子)、416A キャパシタ素子(第3容量素子)、417 第1の寄生抵抗(第1直列抵抗)、418 第2の寄生抵抗(第1直列抵抗)、419 第3の寄生抵抗(第2直列抵抗)、611 分配回路、612 分配回路、613 ミキサ、614 ミキサ、615 90度移相器、811 プロセッサ、812 記憶装置、813 デジタルアナログ変換器。

Claims (20)

  1. 信号を発生させる信号発生部と、
    前記信号発生部からの信号を送信可能かつ送信された前記信号発生部からの信号の生体による反射波を受信可能な第1アンテナ及び第2アンテナと、
    前記第1アンテナに接続され、前記第1アンテナからの負荷インピーダンスを調節する第1調節部と、
    前記第2アンテナに接続され、前記第2アンテナからの負荷インピーダンスを調節する第2調節部と、
    前記第1アンテナから送信された信号の生体による反射信号を前記第1アンテナで受信した信号と、前記第1アンテナから送信された信号の生体による反射信号を前記第2アンテナで受信した信号と、前記第2アンテナから送信された信号の生体による反射信号を前記第2アンテナで受信した信号と、を取得し、取得した信号に基づいて前記第1調節部及び前記第2調節部の調節量を制御する制御部と、を備えた
    ことを特徴とする生体情報取得装置。
  2. 前記信号発生部と前記第1アンテナとが接続可能であると共に前記第1アンテナと前記制御部とが接続可能な第1状態で前記第1アンテナから送信された信号の生体による反射信号を前記第1アンテナで受信した信号と、前記信号発生部からの信号と、に基づいて検波信号を生成し、前記信号発生部と前記第2アンテナとが接続可能であると共に前記第2アンテナと前記制御部とが接続可能な第2状態で前記第2アンテナから送信された信号の生体による反射信号を前記第2アンテナで受信した信号と、前記信号発生部からの信号と、に基づいて検波信号を生成し、前記信号発生部と前記第1アンテナとが接続可能であると共に前記第2アンテナと前記制御部とが接続可能な第3状態で前記第1アンテナから送信された信号の生体による反射信号を前記第2アンテナで受信した信号と、に基づいて検波信号を生成する検波信号生成部を備え、
    前記制御部は、前記第1~第3状態での最もp-p値の大きい信号を選択する機能を備え、すべての状態で生体信号を取得する機能を備えた
    ことを特徴とする請求項1記載の生体情報取得装置。
  3. 前記制御部は、前記第1アンテナ及び前記第2アンテナが、生体信号の一周期以上である所定期間に亘って受信した信号に基づいて、前記第1調節部及び前記第2調節部の調節量を制御する
    ことを特徴とする請求項1記載の生体情報取得装置。
  4. 前記第1状態、前記第2状態及び前記第3状態の間で、信号の経路を切換える切換部を備え、
    前記制御部は、前記第1アンテナ及び前記第2アンテナが受信した信号に基づいて前記切換部による信号の経路の切換えを制御する
    ことを特徴とする請求項2記載の生体情報取得装置。
  5. 前記制御部は、前記検波信号生成部が生成した検波信号に基づいて、前記切換部による信号の経路の切換え並びに前記第1調節部及び前記第2調節部の調節量を制御する
    ことを特徴とする請求項4記載の生体情報取得装置。
  6. 前記検波信号生成部は、前記第1アンテナ及び前記第2アンテナが受信した信号と、前記信号発生部からの信号と、を乗算するミキサを有する
    ことを特徴とする請求項4記載の生体情報取得装置。
  7. 前記第1アンテナ及び前記第2アンテナが受信した信号を増幅する増幅部を備え、
    前記検波信号生成部は、前記増幅部が増幅した信号に基づいて検波信号を生成する
    ことを特徴とする請求項4記載の生体情報取得装置。
  8. 前記信号発生部からの信号を前記第1アンテナ及び前記第2アンテナと、前記検波信号生成部と、に向けて分配する第1分配器と、
    前記第1分配器と前記第1アンテナ及び前記第2アンテナとの間に配置され、前記第1分配器によって前記第1アンテナ及び前記第2アンテナに向けて分配された信号を前記第1アンテナ及び前記第2アンテナに向けて通過させると共に、前記第1アンテナが受信した信号及び前記第2アンテナが受信した信号を前記信号発生部と、前記検波信号生成部と、に向けて分配する第2分配器と、を備えた
    ことを特徴とする請求項4記載の生体情報取得装置。
  9. 前記信号発生部からの信号を前記第1アンテナ及び前記第2アンテナと、前記検波信号生成部と、に向けて分配し、前記第1アンテナが受信した信号及び前記第2アンテナが受信した信号を前記信号発生部と、前記検波信号生成部と、に向けて分配する方向性結合器を備えた
    ことを特徴とする請求項4記載の生体情報取得装置。
  10. 前記第1調節部は、前記第1アンテナからの信号が入力される第1入力端子及び第2入力端子と、前記第1入力端子及び前記第2入力端子から入力された信号を前記制御部に向けて出力する出力端子と、接地された接地端子と、前記第1入力端子と前記出力端子との間に配置された第1容量素子と、前記第2入力端子と前記接地端子との間に配置された第2容量素子と、前記出力端子と前記接地端子の間に配置された第3容量素子と、を有し、
    前記第1容量素子、前記第2容量素子及び前記第3容量素子の少なくとも1つは、容量を変更可能であり、
    前記第1調節部は、前記第1容量素子、前記第2容量素子及び前記第3容量素子のうち容量を変更可能なものの容量を変更することによって、前記第1アンテナからの負荷インピーダンスを調節する
    ことを特徴とする請求項4乃至8のいずれか1項記載の生体情報取得装置。
  11. 前記第1調節部は、前記第1入力端子と前記第2入力端子との間に配置されたインダクタ素子を有する
    ことを特徴とする請求項10記載の生体情報取得装置。
  12. 前記切換部は、第1切換部であり、
    前記信号発生部からの信号を送信可能かつ送信された前記信号発生部からの信号の生体による反射波を受信可能な第3アンテナと、
    前記第3アンテナに接続され、前記第3アンテナからの負荷インピーダンスを調節する第3調節部と、
    前記第1状態で、前記第1アンテナ及び前記第3アンテナのうち一方と前記信号発生部とが接続されかつ前記第1アンテナ及び前記第3アンテナのうち一方と前記制御部とが接続される状態と、前記第1アンテナ及び前記第3アンテナのうち他方と前記信号発生部とが接続されかつ前記第1アンテナ及び前記第3アンテナのうち他方と前記制御部とが接続される状態と、を切換え、前記信号発生部と前記第2アンテナとが接続可能であると共に前記第1アンテナと前記制御部とが接続可能な第4状態で、前記第1アンテナ及び前記第3アンテナのうち一方と前記制御部とが接続される状態と、前記第1アンテナ及び前記第3アンテナのうち他方と前記制御部とが接続される状態と、の間で、信号の経路を切換える第2切換部を備えた
    ことを特徴とする請求項4記載の生体情報取得装置。
  13. 前記制御部は、前記検波信号生成部が生成する検波信号の振幅が大きくなるように、前記第2切換部による信号の経路の切換えを制御する
    ことを特徴とする請求項12記載の生体情報取得装置。
  14. 前記切換部は、第1切換部であり、
    前記信号発生部からの信号を送信可能かつ送信された前記信号発生部からの信号の生体による反射波を受信可能な第3アンテナと、
    信号の経路を切換える第3切換部と、を備え、
    前記第1調節部は、前記第1アンテナ及び前記第3アンテナに接続され、前記第1アンテナ及び前記第3アンテナからの負荷インピーダンスを調節し、
    前記第3切換部は、前記第1状態で、前記第1アンテナ及び前記第3アンテナのうち一方と前記信号発生部とが接続されかつ前記第1アンテナ及び前記第3アンテナのうち一方と前記制御部とが接続される状態と、前記第1アンテナ及び前記第3アンテナのうち他方と前記信号発生部とが接続されかつ前記第1アンテナ及び前記第3アンテナのうち他方と前記制御部とが接続される状態と、を切換え、前記信号発生部と前記第2アンテナとが接続可能であると共に前記第1アンテナと前記制御部とが接続可能な第4状態で、前記第1アンテナ及び前記第3アンテナのうち一方と前記制御部とが接続される状態と、前記第1アンテナ及び前記第3アンテナのうち他方と前記制御部とが接続される状態と、の間で、信号の経路を切換える
    ことを特徴とする請求項4記載の生体情報取得装置。
  15. 前記制御部は、所定期間において前記検波信号生成部が生成する検波信号の時間平均が小さくなるように、前記第1調節部及び前記第2調節部の調節量を制御する
    ことを特徴とする請求項4記載の生体情報取得装置。
  16. 前記第1アンテナ及び前記第2アンテナの一方が受信した信号と、前記信号発生部からの信号と、に基づいて検波信号を生成する第1検波信号生成部と、
    前記第1アンテナ及び前記第2アンテナの他方が受信した信号と、前記信号発生部からの信号と、に基づいて検波信号を生成する第2検波信号生成部と、を備え、
    前記制御部は、前記第1検波信号生成部及び前記第2検波信号生成部が生成した検波信号に基づいて、前記第1調節部及び前記第2調節部の調節量を制御する
    ことを特徴とする請求項1記載の生体情報取得装置。
  17. 前記信号発生部と前記第1アンテナ、前記信号発生部と前記第1検波信号生成部、前記信号発生部と前記第2検波信号生成部、前記第1アンテナと前記第1検波信号生成部、及び前記第2アンテナと前記第2検波信号生成部が互いに接続される第1状態と、前記信号発生部と前記第2アンテナ、前記信号発生部と前記第1検波信号生成部、前記信号発生部と前記第2検波信号生成部、前記第1アンテナと前記第2検波信号生成部、及び前記第2アンテナと前記第1検波信号生成部が互いに接続される第2状態と、の間で、信号の経路を切換える切換部を備え、
    前記第1検波信号生成部は、前記第1状態で前記第1アンテナから送信された信号の生体による反射信号を前記第1アンテナで受信した信号と、前記信号発生部からの信号と、に基づいて検波信号を生成し、前記第2状態で前記第1アンテナから送信された信号の生体による反射信号を前記第2アンテナで受信した信号と、前記信号発生部からの信号と、に基づいて検波信号を生成し、
    前記第2検波信号生成部は、前記第1状態で前記第1アンテナから送信された信号の生体による反射信号を前記第2アンテナで受信した信号と、前記信号発生部からの信号と、に基づいて検波信号を生成し、前記第2状態で前記第2アンテナから送信された信号の生体による反射信号を前記第1アンテナで受信した信号と、前記信号発生部からの信号と、に基づいて検波信号を生成する
    ことを特徴とする請求項16記載の生体情報取得装置。
  18. 前記制御部は、所定期間の前記検波信号生成部が生成した検波信号の時間平均値と複素数で与えられる変換係数とを乗算して算出された前記第1調節部及び前記第1アンテナを含む反射係数と、前記第1調節部の回路定数と、に基づいて前記第1アンテナの負荷インピーダンスを算出し、算出した負荷インピーダンスに基づいて前記反射係数が低減するように、前記第1調節部を制御する
    ことを特徴とする請求項4記載の生体情報取得装置。
  19. 前記第1容量素子および前記第2容量素子に寄生する第1直列抵抗と、
    前記第3容量素子に寄生する第2直列抵抗と、を備え、
    前記信号発生部は、連続波信号を発生させ、
    前記第1容量素子、前記第2容量素子及び前記第3容量素子は、それぞれ容量を変更可能であり、
    前記制御部は、所定期間の前記検波信号生成部が生成した検波信号の時間平均値と複素数で与えられる変換係数とを乗算して算出された前記第1調節部及び前記第1アンテナを含む反射係数と、前記第1調節部の回路定数と、に基づいて前記第1アンテナの負荷インピーダンスZaを算出し、算出した負荷インピーダンスに基づいて前記反射係数が0になる条件から、前記反射係数をΓm、前記第1アンテナの負荷インピーダンスをZa、前記反射係数をΓm、前記第1容量素子及び前記第2容量素子の容量値をC1、前記第3容量素子の容量値をC2、前記第1直列抵抗の抵抗値をR1、前記第2直列抵抗の抵抗値をR2、前記信号発生部が発生させる連続波信号の周波数をωとして、前記第1調節部の調節量が、次式(1)および(2)を満たすように前記第1調節部を制御する
    ことを特徴とする請求項10記載の生体情報取得装置。
    Figure 0007490160000005
  20. 信号発生部と、第1アンテナ及び第2アンテナと、前記第1アンテナに接続された第1調節部と、前記第2アンテナに接続された第2調節部と、制御部と、を備えた装置が行う生体情報取得方法であって、
    前記信号発生部が、信号を発生させるステップと、
    前記第1アンテナ及び前記第2アンテナが、前記信号発生部からの信号を送信するステップと、
    前記第1アンテナ及び前記第2アンテナが、前記第1アンテナ及び前記第2アンテナから送信された前記信号発生部からの信号の生体による反射波を受信するステップと、
    前記第1調節部が、前記第1アンテナからの負荷インピーダンスを調節するステップと、
    前記第2調節部が、前記第2アンテナからの負荷インピーダンスを調節するステップと、
    前記制御部が、前記第1アンテナから送信された信号の生体による反射信号を前記第1アンテナで受信した信号と、前記第1アンテナから送信された信号の生体による反射信号を前記第2アンテナで受信した信号と、前記第2アンテナから送信された信号の生体による反射信号を前記第2アンテナで受信した信号と、を取得し、取得した信号に基づいて前記第1調節部及び前記第2調節部の調節量を制御するステップと、を備えた
    ことを特徴とする生体情報取得方法。
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