JP7477871B2 - 引戸ストッパ機構、並びに、引戸 - Google Patents
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Description
また、ストッパをレール片に押し付けて引き戸に制動をかけるので、戸板を所定の場所に強固に留めるという観点から改良の余地がある。
以上のことから、引戸ストッパ機構を構成する部材(ストッパ装置)の部品点数の削減が可能であり、また、ストッパ装置の小型化が可能である。そして、ストッパ装置を小型化することで、設置のために上下方向に広がる広いスペースを必要とせず、様々な場所に取り付け可能となる。つまり、様々な引戸に採用可能な引戸ストッパ機構を提供できる。
ここで、閉位置は、引戸2が閉状態であるときの戸板13の位置であり、戸板13の戸先側部分が戸枠12の戸当たり部分に近接又は接触する位置である。つまり、戸板13を移動可能範囲内で移動させたとき、戸板13の戸先側部分が戸当たり部分に最も近づく位置である。対して、全開位置は、戸板13を最も開いた状態としたときの位置であり、戸板13を移動可能範囲内で移動させたとき、戸板13の戸先側部分が戸当たり部分から最も離れる位置である。
本実施形態では、戸板13が閉位置に配されているとき、引戸2が閉状態であるものとし、戸板13が全開位置、又は、閉位置と全開位置の間の中途位置に配されているとき、引戸2が開状態であるとする。したがって、引戸2が閉状態であるとき、戸板13を開方向(図1(a)の左方)に移動させることで、引戸2が開状態となる。
係止片取付部15aは、当接部材11を取り付ける平板状の部分である。本実施形態では、当接部材11を係止片取付部15aの上に載置し、ねじ等の一時締結要素によって当接部材11を係止片取付部15aに取り付ける。なお、「一時締結要素」とは、締結要素の一種であって、被締結物を取り外せるように結合する機械構成要素の総称であり、ねじやボルトナット等である。
本実施形態では、当接部材11は、戸板13の一主面(厚さ方向の一端部)から外側に離れた位置であり、戸板13の上端からやや下方に離れた位置に取り付けられている。このとき、当接部材11は、戸板13の移動方向(図1(a)の左右方向)と長さ方向(長手方向)が同方向又は略同方向となるように取り付けられる。すなわち、当接部材11の長さ方向は、戸板13の一主面と平行な方向となる。また、長さ方向の両端面は、いずれも戸板13の一主面及び水平面に対して垂直又は略垂直な面となる。
ケース本体40は、上記した2つの板状部20と、2つの取付片部21と、2つの側壁形成部22a(図2参照)と、平板状部22c(図2参照)とを含んで形成され、2つの取付片部21の間に各部材を収容する収容凹部40aを有する。
収容凹部40aは下方に窪んだ凹部であり、一時係止装置10の長手方向に延びている。この収容凹部40aは、平板状部22cの上方に形成され、2つの板状部20と2つの側壁形成部22aによって四方を囲まれている(図2参照)。
第一移動規制凹部46は、第三側壁部43c、第四側壁部43dに一つずつ形成され、それぞれが一時係止装置10の幅方向で離れた位置に配される。第一移動規制凹部46は、第三側壁部43c、第四側壁部43dの高さ方向の下端から逆側の端部となる上端側に向かって延びた欠落部分(切り欠き部分)である。
第二移動規制凹部47もまた、第三側壁部43c、第四側壁部43dに一つずつ形成され、それぞれが一時係止装置10の幅方向で離れた位置に配されている。これらは、いずれも側壁形成部43の下端から上方に延びた欠落部分(切り欠き部分)となっている。
ラック部49は、平板状部42及び第四側壁部43dのそれぞれの内側面と隣接する位置に設けられ、一時係止装置10の長手方向に沿って延びる突起部分を有する。また、この突起部分の一部に歯列部49aが形成されている。
バネ受け突起部50は、平板状部42及び第四側壁部43dのそれぞれの内側面と隣接する位置に設けられた突起部分である。バネ受け突起部50は、図4(b)で示されるように、一時係止装置10の幅方向を視線方向とした平面視において、略L字状となる突起部分である。
傾斜面部61bは、長さ方向で回転軸形成部62に向かうにつれて、高さ方向で回転軸形成部62に近づくように傾斜する傾斜面を形成する部分である。すなわち、規制片形成部材53が図6(b)で示す姿勢をとる際、回転軸形成部62に向かうにつれて高さが高くなるように傾斜する傾斜面を形成する。
詳細に説明すると、先端側部60bのうちで下側(高さ方向の一端側)に位置する端面部分68は、基端側に位置する基端側面部68aと、先端側に位置する先端側面部68bを有する。また、基端側面部68aと先端側面部68bの境界となる部分に連結面部68cを有する。ここで、基端側面部68a、先端側面部68bは、本体部60の長手方向と平行又は略平行な面であり、連結面部68cは、本体部60の長手方向と垂直又は略垂直な面となっている。
以上のことから、基端側面部68aと先端側面部68bが段差を介して連続しており、基端側面部68aが、先端側面部68bよりも下側(高さ方向の外側)に位置する。そして、先端側面部68bの下側に隣接する部分であり、連結面部68cの先端側に隣接する部分が欠落部67となっている。
本実施形態の回転軸形成部62は、本体部60(基端側部60a)を挟んだ両側に一つずつ形成された2つの突起部分62a,62bによって構成される。2つの突起部分62a,62bは、いずれも外形が略円柱状であり、それぞれの中心軸が同一直線上に位置するように配される。そして、本体部60の両側面のそれぞれから互いに離れる方向に突出している。なお、本体部60の両側面は、厚さ方向の両端にそれぞれ位置する面であり、2つの主面の一方と他方でもある。
規制姿勢は、規制片部61の大部分が第一開口部分78aから外側に突出した姿勢である。このとき、規制片形成部材53の上側に位置する端面部分69は、本体収容部78の底部分(上面)から離れた位置に配される。なお、移動規制部材31が規制姿勢をとるとき、規制片部61が規制片突出孔28(図2(b)参照)から一時係止装置10(ケース部材30)の外部に突出する。また、規制片形成部材53の移動規制突起部64(図7等参照)が、ケース本体40の底部分を形成する平板状部22c(図2(b)参照)に内側から当接する。このことにより、規制片部61を突出させる方向への規制片形成部材53のさらなる回動が規制される。
姿勢制御部材32は、幅方向と長さ方向のそれぞれが、一時係止装置10の幅方向及び長さ方向と同方向となるようにケース部材30の内部に収容される(図3参照)。また、姿勢制御部材32の幅方向と長さ方向のそれぞれは、制御部材本体93の幅方向及び長さ方向と同方向となる。
ここで、底側溝部103とトリガー収容部104は、制御部材本体93の長さ方向で並んだ位置にそれぞれ形成され、トリガー収容部104が底側溝部103よりも開口部分100a側の位置に配される。また、底側溝部103は、制御部材本体93の開口部分100a側の端部とは逆側の端部から、トリガー収容部104に至るまでの間で延びている。
突起部121は、図12(b)で示されるように、厚さ方向を視線方向とした平面視において、外形が略三角形状となる突起部分である。この突起部121は、本体部120の下側から下方に張り出した部分である。
湾曲面部130は、厚さ方向を視線方向とした平面視において、円弧状に延びる湾曲面を形成する部分である。
傾斜面部131は、長さ方向で軸孔部127に向かうにつれて、高さ方向で軸孔部127に近づくように傾斜する傾斜面を形成する部分である。すなわち、トリガー部材94が図12(b)で示す姿勢をとるとき、軸孔部127に向かうにつれて上り勾配となるように傾斜する傾斜面を形成する。
ここで、制御部材本体93は、回転軸部145の突出端からさらに突出方向で離れた位置に、欠落部146を有する。欠落部146は、制御部材本体93の側壁部分の一部が欠落して形成される部分であり、本体収容部140の内部と外部とを連通する。すなわち、欠落部146は、回転軸部145の基端側が連続する内壁部分と、制御部材本体93の幅方向で対向する位置にある。
また、突起収容部141の一方は、制御部材本体93の側壁部分の一部を欠落して形成される部分であり、外部と本体収容部140を連通する部分となる。
以上のことから、トリガー付勢部材95は、トリガー部材94の基端側端部から先端側に離れた部分を、下方側に向かって常時付勢する。
なお、2つの移動規制突起153の一方は、図9(a)で示されるように、姿勢制御部材32の長さ方向で断続しつつ延びている。対して、図9(b)で示されるように、移動規制突起153の他方は、姿勢制御部材32の長さ方向の一端から他端までの間で連続して延びている。
第一姿勢は、図14(a)で示されるように、突起部121の大部分がトリガー収容部104の下側の開口部分から外部に突出する姿勢である。このとき、トリガー部材94の上側に位置する端面部分134は、本体収容部140の底部分(上面)から離れた位置に配される。なお、姿勢制御部材32が第一姿勢をとるとき、突起部121がトリガー突出孔29(図2(b)参照)から一時係止装置10(ケース部材30)の外部に突出する。なお、姿勢制御部材32は、突起部121がトリガー突出孔29から外部に突出した状態で、一時係止装置10の長さ方向に移動可能となっている(詳しくは後述する)。
本体部33aは、貫通孔部163を有している。貫通孔部163は、本体部33aを延出部33bの延設方向に貫通している。ここで、本体部33aは、下面から内部に延びるナット挿入孔(図示しない)を有しており、板ナットをナット挿入孔から挿入して内部に配することが可能となっている。このことから、ケース本体40に対して一時締結要素を介して固定可能となっている(図3等参照)。
延出部33bは、本体部33aの一側面から外側に向かって延設される棒状の部分である。そして、先端側部分に付勢部材係止部164を有する。付勢部材係止部164は、延出部33bの一部を貫通する貫通孔であり、移動用付勢部材34の一端側部分を係止可能となっている(図16参照)。また、図3等で示されるように、付勢体支持部材33は、延出部33bの延び方向が一時係止装置10の長さ方向と同方向又は略同方向となるように配される。
このことから、移動規制部材31は、緩衝用付勢部材35によって開方向端部側に付勢された状態となっており、他の部材等から閉方向端部側に向かう力が加わらない限り、移動可能範囲内で最も開方向端部側に配される。
しかしながら、この際、姿勢制御部材32は、配置された位置から開方向に移動できない状態となっている。そのため、突起部121に上方向に向かう力が働き、突起部121がトリガー付勢部材95(図13参照)の付勢力に抗して上方に移動する。すなわち、先端側部分(突起部121)が上方に移動するように、トリガー部材94が回動する。
つまり、第一姿勢(図18(c)参照)は、突起部121の突出部分が当接部材11に対して側方(開方向端部側又は閉方向端部側)から接触可能な姿勢である。これに対し、第二姿勢は、突起部121が当接部材11に上方から接触可能であり、側方から接触しない姿勢である。したがって、姿勢制御部材32が第二姿勢となった状態では、突起部121が当接部材11に側方から当接せず、この当接に起因する姿勢制御部材32の閉方向への移動規制がなされない。
すなわち、戸板13が移行完了位置からさらに開方向に移動可能な場合には、戸板13を開方向に移動させてもよい。この場合、使用者が戸板13を開方向に移動させた後、戸板13から手を離す等することで、戸板13が閉方向に移動する。つまり、戸板13は、一旦開方向に移動した後に閉方向に移動する。
また、戸板13が移行完了位置に配されている状態で、使用者が戸板13から手を離す等すると、戸板13が閉方向に移動する。この場合、戸板13は、移行完了位置から閉方向に移動する。なお、戸板13の全開位置と移行完了位置が同じ位置となるように、引戸ストッパ装置1を戸枠12に取り付けてもよい。
いずれにしても、戸板13は、移行完了位置から閉方向へと移動することとなり、それに伴って当接部材11が移動する。すなわち、戸板13の閉方向への移動に伴い、当接部材11が一時係止装置10に対して相対的にスライド移動(第二相対移動)する。
なお、当接部材11が戸板13と共に待機位置から閉方向へ移動し、トリガー部材94(突起部121)の下方側に当接部材11の一部が位置しない状態(図18(a)参照)となると、姿勢制御部材32が第二姿勢から第一姿勢に姿勢変更する。すなわち、トリガー部材94の突起部121がケース部材30の内部空間から外部に突出する。
また、このように移動規制部材31と姿勢制御部材32が係合した状態では、姿勢制御部材32に移動用付勢部材34(図16参照)の付勢力に抗する力が加わって開方向端部側へ移動しない限り、係合状態が維持される。すなわち、移動規制部材31の非規制姿勢が維持される。
また、当接部材11は、規制片(規制片部61)によって戸板13の移動が規制されるとき、規制片に直接接触して係止される部材(係止部材)である一方で、タイマー部材を作動させるための部材(操作部材)でもある。
また、一時係止装置10、当接部材11を固定体、移動体の一方と他方に取り付ける際には、一時締結要素等を介して直接取り付けてもよく、ブラケット金具等の取付用部材を介して取り付けてもよい。
2 引戸
10 一時係止装置(ストッパ装置)
11 当接部材(当接体部)
12 戸枠
13 戸板
30 ケース部材
31 移動規制部材
32 姿勢制御部材
34 移動用付勢部材(付勢部材)
94 トリガー部材(トリガー部)
Claims (6)
- 引戸の戸板を一時的に所定位置に留める引戸ストッパ機構であって、
ストッパ装置と当接体部を有し、
前記当接体部は、前記戸板の開方向への移動に伴って前記ストッパ装置に対して相対的にスライド移動する第一相対移動と、前記戸板の閉方向への移動に伴って前記ストッパ装置に対して相対的にスライド移動する第二相対移動をするものであり、
前記ストッパ装置は、移動規制部材と、姿勢制御部材を有し、
前記移動規制部材は、前記第二相対移動を規制する規制姿勢と、前記第二相対移動を規制しない非規制姿勢との間で姿勢変更するものであり、
前記姿勢制御部材は、前記移動規制部材から離れる方向に移動する離反移動と、前記移動規制部材に近づく方向に移動する接近移動をするものであり、且つ、前記移動規制部材と係合して前記移動規制部材を前記非規制姿勢とするものであり、
前記戸板が開方向に移動することで、前記第一相対移動に伴って、前記当接体部が前記姿勢制御部材と接触し、前記姿勢制御部材が前記当接体部から力を受けて前記離反移動し、前記姿勢制御部材と前記移動規制部材の係合が解除されるものであり、
前記戸板が一定以上開いた状態から閉方向に移動することで、前記第二相対移動に伴って、前記当接体部が前記規制姿勢をとる前記姿勢制御部材と接触し、当該接触によって前記第一相対移動及び前記戸板の移動が一時的に規制され、
前記戸板の移動が一時的に規制された状態で、前記姿勢制御部材が前記接近移動し、前記移動規制部材と係合する動作が実行される、引戸ストッパ機構。 - 前記姿勢制御部材は、トリガー部を有し、前記トリガー部が前記当接体部から前記離反移動の移動方向に力を受けることが可能な第一姿勢と、前記当接体部から前記離反移動の移動方向に力を受けることができない第二姿勢の間で姿勢変更が可能であり、
前記第一相対移動に伴い、前記当接体部が前記トリガー部と接触し、前記当接体部と前記トリガー部が接触した状態を維持したまま、前記姿勢制御部材が前記当接体部から力を受けて前記離反移動をするものであり、
前記姿勢制御部材が前記移動規制部材から一定以上離れた状態で、前記トリガー部が前記当接体部から前記離反移動時と同じ方向に力を受けることで、前記姿勢制御部材が前記第一姿勢から前記第二姿勢に姿勢変更し、前記接近移動が開始される、請求項1に記載の引戸ストッパ機構。 - 前記当接体部は、前記移動規制部材の前記規制姿勢への姿勢変更を規制し、前記姿勢制御部材の前記第一姿勢への姿勢変更を規制する、請求項2に記載の引戸ストッパ機構。
- 前記ストッパ装置は、前記移動規制部材、前記姿勢制御部材を含む各部材をケース部材に収容して形成されるものであり、
引戸の戸枠と、前記戸枠が設けられる室内空間の壁と、前記室内空間の天井から選ばれる一つを固定体としたとき、前記ストッパ装置と前記当接体部は、前記戸板と前記固定体の一方と他方にそれぞれ後付け可能である、請求項1乃至3のいずれかに記載の引戸ストッパ機構。 - 前記ストッパ装置は、付勢部材を備え、
前記付勢部材は、前記姿勢制御部材を前記移動規制部材に近づく方向に付勢するものであり、前記姿勢制御部材は、前記付勢部材の付勢力を減衰させる速度調整部材を有する、請求項1乃至4のいずれかに記載の引戸ストッパ機構。 - 請求項1乃至5のいずれかに記載の引戸ストッパ機構により、戸板を一時的に所定位置に留めることが可能である、引戸。
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