JP7477861B2 - マグネットスクリーン装置 - Google Patents
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Description
図1は、本発明に係るマグネットスクリーン装置Sの一実施形態を示す全体斜視図であり、図2は図1のマグネットスクリーン装置の底面斜視図であり、図3は図1のA-A線断面図である。これらの図に示すマグネットスクリーン装置Sは、長手方向に長い収納ケース1と、収納ケース1内に回動自在に取り付けられた巻取ロール2と、引き出し方向後端部が巻取ロール2に接合されて、巻取ロール2に巻き取られるスクリーン本体3と、スクリーン本体3の引き出し方向先端部に接合された固定用バー4と、押さえロール(押さえ部材)5とを有する。
図4に、収納ケース1の組立斜視図を示す。収納ケース1は、長手方向両端部が開口で筒形状のケース本体11と、ケース本体11の長手方向両端部の開口を封鎖する一対のキャップ部材12a,12bとを有する。
(ケース本体1)
ケース本体1は長手方向に延在する略板状の底壁部材11a及び側壁部111と断面略円弧形状の上壁部112とが連続一体成形され長手方向に延在する周壁部材11bから構成される。
底壁部材11aは長手方向に延在する略板状体であって、底壁部材11aの短手方向両端部に、上方に突出し長手方向に延在する一対の第1突条113a,113bと、下方に突出し長手方向に延在する一対の第2突条114a,114bとを有する。一対の第1突条113a,113bの各々の先端には断面円弧形状の溝部115a,115bが長手方向に連続して形成されている。後述するように、この溝部115a,115bの長手方向両端部には、キャップ部材と底壁部材11aとがネジ部材18によって固定される際にネジ部材18のネジ部が螺入する。
図4において、周壁部材11bは、高さ方向に立ち上がった側壁部111と断面略円弧形状の上壁部112とが連続一体成形され長手方向に延在する。周壁部材11bは、側壁部111の下端部及び上壁部112の先端部に、内側に向かって突出し長手方向に延在する第3突条116及び第4突条117を有する。第3突条116と第4突条117の先端には断面円弧形状の溝部118,119が長手方向に連続して形成されている。これらの溝部118,119の長手方向両端部には、キャップ部材12a,12bと周壁部材11bとがネジ部材18によって固定される際にネジ部材18のネジ部が螺入する。また、周壁部材11bの側壁部111と上壁部112との境界近傍には断面四角形状の2本の線状リブ110a,110bが長手方向に連続して形成されている。これらの線状リブ110a,110bによって周壁部材11bの長手方向の剛性が高められる。周壁部材11bの材質はアルミニウムなどの金属材料や樹脂材料など従来公知の材料を用いることができる。なお、本実施形態では周壁部材11bは側壁部111と上壁部112との一体成形物とされていたが、側壁部111と上壁部112とを別部材として成形しても勿論構わない。また、周壁部材11bの側壁部111の長手方向中央部には把持部19が設けられている。
図5及び図6にキャップ部材12a及びキャップ部材12bの斜視図をそれぞれ示す。一対のキャップ部材12a,12bは、巻取ロール2を支持する第1ボス部122a,122bの形状を除き左右対称の形状を有する。すなわち、一対のキャップ部材12a,12bは、上縁が円弧状で略四角形の本体部120a,120bと、本体部120a,120bの短手方向一方側の側辺の上側から外方に向かって斜め下方に延出する腕状部121a,121bとが一体に成形されてなる。
一対のキャップ部材12a,12bの突出部125a,125b、突出部126a,126b、突出部127a,127bに周壁部材11b及び底壁部材11aの長手方向両端部の内周面が接触するように、底壁部材11a及び周壁部材11bが一対のキャップ部材12a,12bに対して位置付けされる。これにより底壁部材11a及び周壁部材11bの4つの溝部115a,115b,118,119の長手方向両端部がキャップ部材12a,12bの各々の4つの貫通孔128a,128bと対向するように位置される。そして、ネジ部材18がキャップ部材12a,12bの外側からキャップ部材12a,12bの貫通孔128a,128bを通って溝部115a,115b,118,119の端部開口に螺入されることによって収納ケース1が組み立てられる。図1及び図3に示されているように、組み立てられたケース本体11における底壁部材11aと周壁部材11bのスクリーン本体3の引き出し方向側の端部間は高さ方向に離間し、スクリーン本体3の引き出し及び巻き取りのための開口部13が形成される。ここで重要なことは、底壁部材11aが周壁部材11bと別体で長手方向両端部で支持されていることである。このような構成によって底壁部材11aの長手方向における撓み変形が許容される。
図7に、巻取バネユニットUを内蔵した巻取ロール2の断面図を示す。巻取ロール2は、円筒形状の巻取パイプ21と、巻取パイプ21の軸方向両端開口に嵌合する第1蓋部材22a及び第2蓋部材22bと、この第1蓋部材22a及び第2蓋部材22bに取り付けられた第1軸部材23aと第2軸部材23bと、巻取パイプ21に内蔵された巻取バネユニットUとを備える。第1軸部材23aは、巻取バネユニットUの一部を構成し、第1蓋部材22aに対して相対回動可能に取り付けられている。一方、第2軸部材23bは第2蓋部材22bに形成された貫通孔221に嵌め入れられ第2蓋部材22bに固定されている。巻取ロール2は、第1蓋部材22aに取り付けられた第1軸部材23aと第2蓋部材22bに固定された第2軸部材23bとが、キャップ部材12a,12bの第1ボス122a,122bにそれぞれ取り付けられることによって収納ケース1に回動可能に軸支されている。
図1及び図3に示すように、押さえロール5は円筒形状を有し、長手方向の長さはスクリーン本体3の長さ以上である。押さえロール5の全体は収納ケース1の開口部13から外に突出して露出している。押さえロール5の長手方向両端部には、押さえロール5の軸中心を通り外方に突出する支持軸(不図示)が設けられている。そして、支持軸がキャップ部材12a,12bの第2ボス129a,129b内に係入することによって、押さえロール5は軸中心が巻取ロール2の軸中心と平行で且つ収納ケース1に回動自在に取り付けられる。図1及び図4に示すように、第2ボス129a,129bは、キャップ部材12a,12bの腕状部121a,121bの先端部に形成されているので、第2ボス129a,129bに軸支された押さえロール5は全体が収納ケース1の開口部13から外方に突出している。押さえロール5の直径は小さくする方がマグネットスクリーン装置Sの小型・軽量化が図れるが、極度に小さくすると長手方向において押さえロール5が撓むおそれがある。押さえロール5の好適な直径は10mm以上20mm以下の範囲である。また、押さえロール5の断面形状は円形でなくてもよく、また回動不能に取り付けられていてもよいが、収納ケース1からスクリーン本体3を引き出し・巻き取る際の押さえロール5とスクリーン本体3との摺擦を低減する観点からは、押さえロール5は断面形状が円形で且つ回動可能であるのが望ましい。
スクリーン本体3は正面視において四角形状であり、使用時における表面側にスクリーン層31を有し、使用時における裏面側にマグネット層32を有する(図3の拡大図を参照)。もちろん、スクリーン層31及びマグネット層32の外にコート層など他の層を有していても構わない。スクリーン本体3の引き出し方向後端部は、巻取ロール2に接合されている。具体的には、スクリーン本体3の引き出し方向後端部におけるマグネット層32側の面(裏面側)が巻取ロール2に接合されている。これにより、スクリーン本体3はマグネット層32側を内側として巻取ロール2にロール状に巻き取られて、スクリーン本体3を収納ケース1から引き出して展開した際の長手方向端部の捲れ上がりが抑制される。
図1及び図3に示すように、固定用バー4はスクリーン本体3の引き出し方向先端部に接合される。固定用バー4の長手方向に対して垂直な断面外形は略三角形状で、長手方向の長さはスクリーン本体3よりも長く、収納ケース1と略同一である。そして長手方向略中央部に把持部42が設けられている。また図2に示すように、固定用バー4の被着磁体と当接する底外面の長手方向の両端部及び中央部にはマグネット部材41が取り付けられている。これらのマグネット部材41によって固定用バー4は黒板などの被磁着体に固定することができる。また、スクリーン本体3が収納ケース1に巻き取られる際には、固定用バー4は開口部13から収納ケース1内に進入することはできず、固定用バー4が収納ケース1のキャップ部材12a,12bあるいは押さえロール5に当接することでスクリーン本体3の巻き取りが完了する。
図7に示すように、巻取バネユニットUは巻取パイプ21内の軸方向一方側に設けられている。巻取バネユニットUは、巻取パイプ21の軸方向一方端を封鎖し巻取パイプ21と共に回動する第1蓋部材22aと、第1蓋部材22aの内面側に取り付けられた軸受28を介して第1蓋部材22aに相対回動可能に設けられた第1軸部材(不動部材)23aと、巻取パイプ21内に軸方向に移動可能で巻取パイプ21と共に回動する回動部材24と、回動部材24に固定された回動軸部材25と、一方端が第1軸部材23aに接続され他方端が回動軸部材25に接続された接続パイプ26と、接続パイプ26の外周部に装着され、一方端が第1軸部材23aに固定され、他方端が回動軸部材25に固定されたコイルバネ27とを有する。本実施形態では回動部材24と回動軸部材25とが本発明の回動部材を構成する。
第1蓋部材22aは、円柱形状の本体部221と、本体部221の軸方向一方側(図7の右側)に形成された半径方向外方に突出したフランジ部222と、本体部221に軸方向他方側面(図7の左側面)から軸方向内方に向かって軸中心と同心円状に形成された円柱形状の凹部223とを有し、樹脂等によって一体に成形されている。そして第1蓋部材22aの軸中心には軸方向に貫通する第1貫通孔224が形成されている。第1蓋部材22aの本体部221の外径は巻取パイプ21の内径と略同一で、第1蓋部材22aのフランジ部222の外径は巻取パイプ21の外径と略同一に設定されている。
第1軸部材23aは、円柱形状の本体部231と、本体部231の軸方向一方側(図7の右側)から軸方向外方に突出した四角柱形状の支持軸部232と、本体部231の軸方向他方側に(図7の左側)に形成された本体部231よりも小径で円柱形状の第1係合部233とを有し、これらが樹脂等によって一体に成形されている。第1軸部材23aの本体部231の外径は第1蓋部材22aの第1貫通孔224の内径よりもわずかに小さく設定されている。また、第1軸部材23aの第1係合部233と軸受28との間位置には、半径方向外方に突出した第1係合凸片234が形成されている。後述するように、この第1係合凸片234にコイルバネ27の一方端が係止固定される。
回動部材24は、巻取パイプ21の内径よりもわずかに小さい外径を有する円柱形状の本体部241と、本体部241の外周の対向する位置(図7の上下位置)に軸方向と平行に形成された2本の長溝(不図示)と、本体部241の軸中心に軸方向に貫通する第2貫通孔242とを有する。
回動軸部材25は円柱形状の本体部251と、本体部251の軸方向一方側(図7の右側)に本体部251の外径よりも小径で第1軸部材23aの第1係合部233と同じ外径の第2係合部252とを有する。また、第2軸部材23bの第2係合部252と回動部材24との間位置には、半径方向外方に突出した第2係合凸片253が形成されている。後述するように、この第2係合凸片253にコイルバネ27の他方端が係止固定される。
接続パイプ26は円柱形状で所定の長さを有し、接続パイプ26の外周には接続パイプ26と略同一長さのコイルバネ27が装着されている。接続パイプ26の軸方向一方端側は第1軸部材23aの第1係合部233の外周に嵌め入れられ、軸方向他方端側は第2軸部材23bの第2係合部252の外周に嵌め入れられる。そして、必要によりネジ等によって接続パイプ26の軸方向両端は第1軸部材23aと回動軸部材25とに固定される。また、コイルバネ27の軸方向一方端は第1軸部材23aの第1係合凸片234に係合され、軸方向他方端は第2軸部材23bの第2係合凸片253に係合される。
上記構成のマグネットスクリーン装置Sの使用手順について図9及び図10に基づいて説明する。図9は、被磁着体として黒板MBにマグネットスクリーン装置Sを磁着させる工程を示す正面図であり、図10は、図9のB-B線断面図である。なお、図9における上下方向、左右方向及び紙面奥行き方向が装置の上下方向、左右方向及び高さ方向である。
以上説明した実施形態では、スクリーン本体3はマグネット層32側を内側として巻取ロール2に巻き取られていたが、スクリーン層31を内側として巻取ロール2に巻き取られる形態としても構わない。ただし、このような形態の場合、巻取ロール2に巻き取られている間の癖によってスクリーン本体3を展開したときに長手方向両端部が捲れ上がるおそれがあるので、スクリーン本体3はマグネット層32側を内側として巻取ロール2に巻き取られる形態が推奨される。
U 巻取バネユニット
1 収納ケース
2 巻取ロール
3 スクリーン本体
4 固定用バー
5 押さえロール(押さえ部材)
11 ケース本体
11a 底壁部材
11b 周壁部材
12a,12b キャップ部材
13 開口部
16 マグネット部材
19 把持部
21 巻取パイプ
23a 第1軸部材(固定部材)
24 回動部材
25 回動軸部材
27 コイルバネ
41 マグネット部材
CT 隙間(切欠き)
MB 黒板(被磁着体)
120a,120b 本体部
121a,121b 腕状部
122a,122b 第1ボス
123a,123b 板状リブ
124a,124b 円柱
125a,125b 突出部
126a,126b 突出部
127a,127b 突出部
128a,128b 貫通孔
129a,129b 第2ボス
Claims (7)
- マグネット部材によって被磁着体に磁着可能な収納ケースと、
スクリーン層とマグネット層とが積層されたスクリーン本体と、
前記収納ケース内に回動自在に取り付けられ前記スクリーン本体を巻き取る巻取ロールと、
前記スクリーン本体の引き出し及び巻き取りのための前記収納ケースの長手方向に連続して形成された開口部から少なくとも一部が外方に突出するように取り付けられた押さえ部材とを備え、
前記スクリーン本体が前記押さえ部材によって被磁着体に押圧されながら引き出され、巻き取られるマグネットスクリーン装置であって、
前記収納ケースが、
長手方向両端が開口した筒形状のケース本体と、
前記ケース本体の長手方向両端の開口を封鎖する一対のキャップ部材とを備え、
前記ケース本体は、
長手方向に延在し、前記マグネット部材を備え被磁着体に磁着する底壁部材を有し、
前記底壁部材は可撓性を有し、前記一対のキャップ部材によって長手方向両端部が支持されていることを特徴とするマグネットスクリーン装置。 - 前記収納ケースが、側壁と上壁とが一体成形された周壁部材をさらに有し、前記周壁部材は前記一対のキャップ部材によって長手方向両端部が支持されている請求項1に記載のマグネットスクリーン装置。
- 前記押さえ部材が、前記一対のキャップ部材によって支持され、
前記一対のキャップ部材は、前記押さえ部材と前記巻取ロールとの間に張り渡されているスクリーン本体の長手方向両端部と対向する部分に切欠きが形成されている請求項1又は2に記載のマグネットスクリーン装置。 - 前記押さえ部材の全体が前記収納ケースの前記開口部から前記スクリーン本体の引き出し方向に突出している請求項1~3のいずれかに記載のマグネットスクリーン装置。
- 前記スクリーン本体の巻き取り方向の一端部におけるマグネット層側の面が、前記巻取ロールに接合され、
前記スクリーン本体は、マグネット層側を内側として前記巻取ロールにロール状に巻き取られる請求項1~4のいずれかに記載のマグネットスクリーン装置。 - 前記収納ケースから引き出し可能な前記スクリーン本体の長さが1m以上4m以下であり、
前記巻取ロールに内蔵されたバネのバネ定数が3.5N/m以上5.0N/m以下の範囲である請求項1~5のいずれかに記載のマグネットスクリーン装置。 - 前記スクリーン本体を前記収納ケースから2m引き出したときの前記バネの弾性力が15N以下である請求項6記載のマグネットスクリーン装置。
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