JP7477064B1 - 還元鉄の製造方法 - Google Patents

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Abstract

鉄鉱石ペレットのクラスタリングを抑制することが可能な還元鉄の製造方法を提供する。本発明に係る還元鉄の製造方法は、鉄鉱石粉末とバインダーと副原料とを混合し、造粒してグリーンペレットを得て、次いで前記グリーンペレットを焼成して鉄鉱石ペレットを得るペレット製造工程と、前記鉄鉱石ペレットを竪型シャフト炉に装入して、還元ガスによって直接還元して、還元鉄ペレットを得る還元工程と、を有し、前記鉄鉱石粉末の原料として、全Fe量が63質量%以下、かつ、SiO2及びAl2O3の和が4質量%以上である組成を有する鉄鉱石を含み、前記還元鉄ペレットが以下の式を満たすことを特徴とする。(SiO2+Al2O3+CaO+MgO+FeO)/M.Fe≧0.15

Description

本発明は、鉄鉱石ペレットを竪型シャフト炉で直接還元する工程を含む還元鉄の製造方法に関する。
直接還元製鉄法として現在主流の竪型シャフト炉方式の還元では、装入原料として鉄鉱石ペレットや塊鉱石を使用する。竪型シャフト炉内の高温の還元雰囲気では、装入原料がクラスタリングと呼ばれる固着現象を引き起こし、装入原料が降下しにくくなり生産性が低下するという課題があった。そのため、炉内の最高温度を制御してクラスタリングを抑える必要があり、炉内の温度を上昇させて還元速度を高めることができなかった。
クラスタリングを抑制する技術について、鉄鉱石ペレットの副原料の検討や、鉄鉱石の鉄品位による評価などの検討がされている。特許文献1では、「原料鉄鉱石の表面をセメントで被覆」したペレットが記載されている。また、非特許文献1では、「鉄品位の高いペレットほど収縮率が高くクラスターが生成しやすい」ことが記載されている。
特開昭62-7806号公報
金子伝太郎、他2名、「酸化鉄の還元過程におけるクラスター生成現象に関する研究」、鉄と鋼、第64年(1978)、第6号、p.681-690
しかし、特許文献1のように実際の還元に不要な不純物を添加することは、設備の大規模な改造が必要であり、スラグ比の増加による電力原単位の上昇などの原因になるため望ましくなく、クラスタリング抑制について改善の余地があった。また、後述する本発明の実施例で示すように、還元工程における金属化率や鉄鉱石ペレットの塩基度もクラスタリングに影響するため、非特許文献1のように鉄鉱石の品位のみに着目すれば、クラスタリングを抑制した還元鉄製造の操業が行えるというものではない。したがって、鉄鉱石原料の種類、還元工程における金属化率、鉄鉱石ペレットの塩基度などを包含した包括的な評価基準に基づいて、鉄鉱石ペレットのクラスタリングを抑制できる還元鉄の製造方法が求められていた。
上記課題を鑑みて、本発明は、鉄鉱石ペレットのクラスタリングを抑制することが可能な還元鉄の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、還元鉄ペレットに含まれるSiO、Al、CaO、及びMgOの含有量、還元鉄ペレットに残留した酸化鉄の含有量FeO、及び還元鉄ペレットに含まれる金属鉄の含有量M.Feが以下の式(1)を満たす場合に、鉄鉱石ペレットのクラスタリングを抑制できることを発見した。
(SiO+Al+CaO+MgO+FeO)/M.Fe≧0.15 ・・・(1)
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
[1]鉄鉱石粉末とバインダーと副原料とを混合し、造粒してグリーンペレットを得て、次いで前記グリーンペレットを焼成して鉄鉱石ペレットを得るペレット製造工程と、
前記鉄鉱石ペレットを竪型シャフト炉に装入して、還元ガスによって直接還元して、還元鉄ペレットを得る還元工程と、
を有し、
前記鉄鉱石粉末の原料として、全Fe量が63質量%以下、かつ、SiO及びAlの和が4質量%以上である組成を有する鉄鉱石を含み、
前記還元鉄ペレットが以下の式(1)を満たすことを特徴とする還元鉄の製造方法。
(SiO+Al+CaO+MgO+FeO)/M.Fe≧0.15 ・・・(1)
ここで、式(1)中、SiO、Al、CaO、及びMgOは、それぞれ前記還元鉄ペレットに含まれるSiO、Al、CaO、及びMgOの含有量(質量%)であり、FeOは、前記還元鉄ペレットに残留した酸化鉄の含有量(質量%)であり、M.Feは、前記還元鉄ペレットに含まれる金属鉄の含有量(質量%)である。
なお、本明細書において、式(1)の左辺(SiO+Al+CaO+MgO+FeO)/M.Feを「クラスタリング指標」と称する。
[2]前記還元鉄ペレットが前記式(1)を満たすように、(A)前記鉄鉱石ペレットに含まれるSiO、Al、CaO、及びMgOの含有量、並びに、(B)前記還元工程における金属化率、の一方又は両方を意図的に設定する、[1]に記載の還元鉄の製造方法。
[3]前記(B)が既定であり、前記還元鉄ペレットが前記式(1)を満たすように、前記(A)を意図的に設定する、[2]に記載の還元鉄の製造方法。
[4]前記(A)の設定は、前記ペレット製造工程における、(A-1)前記鉄鉱石粉末の組成、並びに、(A-2)前記バインダー及び前記副原料の種類及び含有量、の一方又は両方を設定することにより行う、「2」又は[3]に記載の還元鉄の製造方法。
[5]前記(A-2)が既定であり、前記還元鉄ペレットが前記式(1)を満たすように、前記(A-1)を意図的に設定する、[4]に記載の還元鉄の製造方法。
[6]前記還元工程における金属化率を88~96%の範囲内に設定する、[1]~[5]のいずれか一項に記載の還元鉄の製造方法。
[7]前記式(1)の左辺の値に基づいて、前記還元工程における前記還元ガスの温度を決定する、[1]~[6]のいずれか一項に記載の還元鉄の製造方法。
本発明の還元鉄の製造方法によれば、鉄鉱石ペレットのクラスタリングを抑制することができる。
各実験例で用いた(a)荷重軟化還元試験装置及び(b)I型回転試験機の模式図を示す。 実験例1における、還元鉄ペレットのT.Feと、還元鉄ペレットのクラスタリング強度との関係を示す。 実験例1における、還元鉄ペレットのクラスタリング指標と、還元鉄ペレットのクラスタリング強度との関係を示す。 実験例2で得られた還元鉄ペレットのT.Feと、還元鉄ペレットのクラスタリング強度との関係を示す。 実験例2における、還元鉄ペレットのクラスタリング指標と、還元鉄ペレットのクラスタリング強度との関係を示す。 実験例3における、金属化率と還元鉄ペレットのクラスタリング指標との関係を示す。 実験例4における、鉄鉱石ペレット中の低・中品位鉄鉱石の配合率と、還元鉄ペレットのクラスタリング指標との関係を示す。 実験例4における、還元鉄ペレットのクラスタリング指標と、還元鉄ペレットのクラスタリング強度との関係を示す。 実験例5における、還元鉄ペレットのクラスタリング指標と炉内上限温度の関係を示す。
以下、本発明に係る還元鉄の製造方法を説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を具体化した一例であって、その具体例をもって本発明の構成を限定するものではない。
本発明の一実施形態による還元鉄の製造方法は、鉄鉱石粉末とバインダーと副原料とを混合し、造粒してグリーンペレットを得て、次いで前記グリーンペレットを焼成して鉄鉱石ペレットを得るペレット製造工程と、前記鉄鉱石ペレットを竪型シャフト炉に装入して、還元ガスによって直接還元して、還元鉄ペレットを得る還元工程と、を有する。そして、前記鉄鉱石粉末の原料として、全Fe量が63質量%以下、かつ、SiO及びAlの和が4質量%以上である組成を有する鉄鉱石を含み、前記還元鉄ペレットが以下の式(1)を満たすことを特徴とする。
(SiO+Al+CaO+MgO+FeO)/M.Fe≧0.15 ・・・(1)
ここで、式(1)中、SiO、Al、CaO、及びMgOは、それぞれ前記還元鉄ペレットに含まれるSiO、Al、CaO、及びMgOの含有量(質量%)であり、FeOは、前記還元鉄ペレットに残留した酸化鉄の含有量(質量%)であり、M.Feは、前記還元鉄ペレットに含まれる金属鉄の含有量(質量%)である。
鉄鉱石ペレットの原料は一般に、鉄鉱石粉末、バインダー、及び副原料からなる。本発明において、鉄鉱石に含まれる全Fe量(T.Fe)、Al含有量、及びSiO含有量に応じて、以下のとおり、高品位鉄鉱石、中品位鉄鉱石、及び低品位鉄鉱石を定義する。
・高品位鉄鉱石:T.Fe>63%、又は、Al+SiO<4%
・中品位鉄鉱石:T.Fe≦63%、かつ、4%≦Al+SiO<6%
・低品位鉄鉱石:T.Fe≦63%、かつ、Al+SiO≧6%
なお、鉄鉱石の成分分析時の加熱によって成分の一部が揮発し、揮発分(Ignition loss)として測定されるが、T.Feはその揮発分を含む鉄鉱石の組成における含有量(揮発前の鉄鉱石における含有量)とし、SiO及びAlは揮発分を含まない鉄鉱石の組成における含有量(揮発後の鉄鉱石における含有量)とする。
本発明において、鉄鉱石粉末の原料として、全Fe量が63質量%以下、かつ、SiO及びAlの和が4質量%以上である組成を有する鉄鉱石、すなわち、中品位鉄鉱石又は低品位鉄鉱石を含むものとする。中品位鉄鉱石又は低品位鉄鉱石を使用することで、クラスタリング指標を好適に調整することができる。また、鉄鉱石粉末の原料中の中品位鉄鉱石又は低品位鉄鉱石の使用比率の上限はなく、鉄鉱石粉末の原料をすべて中品位鉄鉱石及び低品位鉄鉱石の一方又は両方としてもよい。
鉄鉱石ペレットは、1種類以上のバインダーを含むことが好ましい。鉄鉱石ペレットのバインダーとしては、ベントナイトが好ましいが、同様の効果が得られる有機・無機バインダー等、公知又は任意のバインダーを使用してもよい。
鉄鉱石ペレットは、副原料として、生石灰、石灰石(CaCO)、ドロマイト(CaMg(CO)などを混合してもよい。副原料によって、鉄鉱石ペレットの塩基度の調整(CaO含有量の調整)を行う。鉄鉱石ペレットの塩基度は、鉄鉱石ペレットに含まれるCaO/SiOの重量比によって計算する。CaO/SiOを低い値に調整することで、鉄鉱石ペレットにおける鉄分すなわちヘマタイトの(Fe)含有量を高くすることができる。一般に鉄鉱石ペレットはヘマタイトの固相結合によって強度を発現しているため、CaO/SiOを低い値に調整することで、ヘマタイトの固相結合の割合が増加し、より高強度な鉄鉱石ペレットが得られる。したがって、鉄鉱石ペレットの塩基度は、その強度を好適に得るという観点から、0.6以下とすることが好ましい。また、塩基度が0.6以下であると好適にスラグ比を抑えることができる。なお、鉄鉱石ペレットの塩基度の下限値は、特に制限はないが、概ね0.1以上である。
上記原料を使用して、一般的な粉砕、混合、造粒、焼成という工程を経て鉄鉱石ペレットを製造する。ボールミルなどの粉砕機によって細かく砕いた原料を、高速撹拌ミキサー等を使用して混合し、ペレタイザーやドラムミキサーなどを使用してペレット形状に加工し、電気炉やロータリーキルン等を使用して焼成する。鉄鉱石ペレットの圧壊強度は250kgを超えることが好ましい。十分な圧壊強度を得るために、焼成条件は、焼成温度(炉内温度)を1200~1350℃とし、焼成温度での保持時間を10~25分とすることが好ましい。鉄鉱石ペレットの粒径は特に制限はないが10~12.5mm程度の粒径であることが好ましい。
鉄鉱石ペレットの還元工程では、竪型シャフト炉を使用して還元鉄ペレットを得る。還元ガスは、特に制限するものではなく、例えば体積%で、H:55%及びCO:35%を含み、残部がCO及びCHからなる混合ガスや、H:75%及びCO:20%を含み、残部がCO及びNからなる混合ガスを使用してもよい。
還元ガスの温度は、クラスタリングが発生しないように、クラスタリング指標に基づいて決定するのが好ましい。還元ガスの温度は、900℃以上であることが好ましく、950℃以上であることがより好ましく、1000℃以上であることがさらに好ましい。還元ガス温度が900℃以上であると、還元効率が好適である。なお、本発明においては、後述の実験例5(図9参照)のように、クラスタリング指標に基づいて、クラスタリングが発生しにくい還元ガス温度の上限を決定することができるので、決定された上限値以下の還元ガス温度とすることが好ましい。
鉄鉱石ペレットの還元工程において、還元後ペレット中のT.Fe(全鉄量)のうちM.Fe(金属鉄)に還元される割合を金属化率と呼ぶ。なお、還元されなかった鉄は主にFeOとなる。金属化率が低い場合、還元中の鉄鉱石ペレットの強度が低下し炉内で粉化するため生産性が低下する。したがって、金属化率は88%以上であることが好ましい。一方、金属化率が過剰に高い場合は、クラスタリングが発生し、炉内でペレットが棚釣りするため生産性が低下する。したがって、金属化率は、96%以下であることが好ましい。以上より、金属化率が88%~96%であると、スラグ比が好適に制御できてクラスタリングを抑制できる。金属化率は、一般に還元工程の操業条件(還元ガス量、温度、保持時間など)や使用する設備によって定まる。
本実施形態では、還元鉄ペレットが以下の式(1)を満たすことが重要である。
(SiO+Al+CaO+MgO+FeO)/M.Fe≧0.15 ・・・(1)
ここで、式(1)中、SiO、Al、CaO、及びMgOは、それぞれ前記還元鉄ペレットに含まれるSiO、Al、CaO、及びMgOの含有量(質量%)であり、FeOは、前記還元鉄ペレットに残留した酸化鉄の含有量(質量%)であり、M.Feは、前記還元鉄ペレットに含まれる金属鉄の含有量(質量%)である。なお、各種酸化物及びM.Feの含有量は鉄鉱石の揮発分を含めなかった場合の含有量とする。
式(1)のとおり、クラスタリング指標は0.15以上とする。クラスタリング指標は、0.2以上であることが好ましい。クラスタリング指標が0.15未満の場合、クラスタリングを抑制することができない。また、クラスタリング指標は0.4以下であることが好ましく、0.3以下であることがより好ましい。クラスタリング指標が0.4以下であると、スラグの量が好適であり効率的に還元を行うことができる。
還元鉄ペレットが式(1)を満たすように、(A)鉄鉱石ペレットに含まれるSiO、Al、CaO、及びMgOの含有量、並びに、(B)還元工程における金属化率、の一方又は両方を意図的に設定することが好ましい。(B)還元工程における金属化率は、クラスタリング指標を考慮することなく、操業条件として設定されることも多い。このように、金属化率が既定である場合には、還元鉄ペレットが式(1)を満たすように、(A)鉄鉱石ペレットに含まれるSiO、Al、CaO、及びMgOの含有量を意図的に設定することがより好ましい。
(A)鉄鉱石ペレットに含まれるSiO、Al、CaO、及びMgOの含有量の設定は、鉄鉱石ペレット製造工程における、(A-1)鉄鉱石粉末の組成、並びに、(A-2)バインダー及び副原料の種類及び含有量、の一方又は両方を設定することにより行うことが好ましい。(A-2)バインダー及び副原料の種類及び含有量は、クラスタリング指標を考慮することなく、鉄鉱石ペレットに要求される特性(強度、塩基度等)によって設定されることも多い。このように(A-2)バインダー及び副原料の種類及び含有量が既定である場合には、還元鉄ペレットが式(1)を満たすように、(A-1)鉄鉱石粉末の組成を意図的に設定することがより好ましい。この際、鉄鉱石ペレットの塩基度を変更せずに、クラスタリング指標が0.15以上となるように、脈石成分を多く含む鉄鉱石を配合することで設定することが好ましい。
鉄鉱石ペレットの原料として、鉄鉱石、バインダー、副原料を用意した。表1に、実験例1~5で使用した鉄鉱石の成分組成を示す。バインダーとして、CaOが3%、SiOが60%、Alが15%、MgOが3%含有されているベントナイトを用意した。副原料として、CaOが53%、SiOが1%以下、Alが1%以下、MgOが1%含有されている石灰石を用意した。
Figure 0007477064000001
(実験例1)
表1に示す5種類の鉄鉱石の配合率と、石灰石及びベントナイトの含有量とを変更して、鉄鉱石ペレットを製造した。まず、鉄鉱石をボールミルで粉砕し鉄鉱石粉末を得た。各例において、還元鉄ペレットのT.Feが種々の値となるように、表1に示す5種類の鉄鉱石の配合率を変更して、合計2000g分の混合鉄鉱石粉末を用意した。また、鉄鉱石ペレットの塩基度が0.2又は1.1となるように設定した添加量で、石灰石を混合鉄鉱石粉末に加えた。一般に塩基度0.2は酸性、塩基度1.1は塩基性と呼ばれ、後述にて説明する図2、図3にもそのように表記している。さらに、ベントナイトを所定の量加えて、高速撹拌ミキサーを使用して20rpmで3min混合した。次に、混合した原料を1.2mφのペレタイザーに入れて水を添加しながら造粒を実施した。10~12.5mmの粒径を有するペレット粒子を採取し、更に10分ペレタイザーで転動させて、生ペレットを得た。生ペレットを焼成温度(炉内温度)1200~1350℃に制御した電気炉で25分焼成し、鉄鉱石ペレット(焼成ペレット)を得た。鉄鉱石ペレットの圧壊強度をオートグラフを用いて速度1mm/minで測定すると、圧壊強度(荷重が極大を示した点)はどれも250kgを超えていた。
[クラスタリング強度評価]
各例において、クラスタリング強度の評価試験を行った。この評価試験は、通常の還元鉄の製造時よりもクラスタリングが起こりやすい条件下で、鉄鉱石ペレットを還元して、得られた還元鉄ペレットのクラスタリングの程度を調べるものである。この評価試験は、荷重軟化還元試験装置およびI型回転試験機を用いて行った。図1(a)に荷重軟化還元試験装置の模式図を示す。φ100mmのカーボンるつぼ10に、アルミナボール12、鉄鉱石ペレット500g(14)、アルミナボール12の順に充填した。カーボンるつぼに1kg/cmの荷重を加えながら、体積比でH:N=20:80の還元ガス16を24L/minで流し、試験装置内部の温度は900℃として(ヒーター18で加熱)、保持時間は金属化率94%の例は360分、金属化率98%の例は400分として試験を行い、クラスタリングした還元鉄ペレットの集合体を作製した。
図1(b)にI型回転試験機の模式図を示す。クラスタリングした還元鉄ペレット20をI型回転試験機22に入れ、30rpmで5分間回転させて壊砕を行った。壊砕した試料を取り出し、15mmの篩で仕訳を行った。篩上の試料の重量を測定し、以下の式からクラスタリング強度CR(%)を算出した。このクラスタリング強度が高いほど、実際の還元鉄の製造時にシャフト炉内でクラスタリングが起こりやすい。
CR=Ws/W*100
W :壊砕前の試料の全質量
Ws:壊砕後の15mm篩上の質量
図2に、還元鉄ペレットのT.Feと、得られた還元鉄ペレットのクラスタリング強度との関係を示す。なお、T.Feが鉄鉱石原料のT.Feよりも低い例は、石灰石を加えることでT.Feを下げている。還元鉄ペレットのT.Feが増加するとクラスタリング強度が増加する傾向は確認されるが、金属化率や鉄鉱石ペレットの塩基度による影響も強く表れている。例えば、還元鉄ペレットのT.Feが65%付近の試料において、塩基度によってクラスタリング強度は5~13%の範囲でばらついている。このことから、非特許文献1に記載されているような従来のT.Fe(鉄品位)を指標としてクラスタリングを抑制する手法では、鉄鉱石の種類や金属化率によってはクラスタリングの抑制が困難な場合があることが分かる。
図3に、本発明が着目した還元鉄ペレットのクラスタリング指標と、還元鉄ペレットのクラスタリング強度との関係を示す。金属化率や塩基度に関わらず、クラスタリング指標が0.15以上のものは、クラスタリング強度は9.5%以下であり、クラスタリングが十分に抑制できるレベルであった。このことから、本発明のようにクラスタリング指標で還元鉄ペレットを評価した場合、金属化率や塩基度に関わらずクラスタリング強度を評価できることが分かる。
(実験例2)
表1に示す5種類の鉄鉱石の配合率、及び鉄鉱石ペレットの塩基度をさらに変更して試験例の数を増やして、上記実験例1と同様にして鉄鉱石ペレットを製造した。得られた鉄鉱石ペレットに対してクラスタリング強度評価試験を行い、結果を図4,5に示した。その際、クラスタリング強度評価試験における保持時間を変更することによって、還元鉄ペレットの金属化率を変更した。図4から、還元鉄ペレットのT.Fe(鉄品位)を指標とした場合はクラスタリング強度がさらにばらつくのが分かる。図5から、試験例の数を増やしても、クラスタリング指標が0.15以上のものはクラスタリング強度が9.5%以下であり、クラスタリングが十分に抑制できるレベルであった。
(実験例3)
低品位鉄鉱石OreA、中品位鉄鉱石OreC、高品位鉄鉱石OreDをそれぞれ原料として、鉄鉱石ペレットを製造した。まず、各鉄鉱石をボールミルで粉砕し鉄鉱石粉末を得た。各鉄鉱石粉末を2000g分用意し、鉄鉱石ペレットの塩基度が0.2となるように設定した添加量で、石灰石を鉄鉱石粉末に加えた。さらに、ベントナイトを鉄鉱石粉末量に対して1.0wt%加えて、実験例1と同様にして鉄鉱石ペレットを製造した。得られた鉄鉱石ペレットに対してクラスタリング強度評価試験を行い、保持時間を変更することによって還元鉄ペレットの金属化率を変更した。保持時間は、金属化率92%の場合360分で行い、金属化率を2%上げるごとに保持時間を20分延ばして金属化率100%まで試験を行った。
図6に、本実験例で得られた金属化率とクラスタリング指標との関係を示す。同じ原料を用いて製造した鉄鉱石ペレットであっても、金属化率を高めるとクラスタリング指標が減少することが分かる。これは、金属化率が高いと、還元鉄ペレット中で未還元のFeOの量が低下するため、スラグ比が減少しクラスタリングが起こりやすくなるからと考えられる。図6より、低品位鉄鉱石又は中品位鉄鉱石を用いた場合には、金属化率を96%以下とすることで、クラスタリング指標を0.15以上とすることができることが分かる。よって、金属化率は96%以下とすることが好ましい。他方で、金属化率を低くすると、還元性が損なわれるため好ましくない。この観点から、金属化率は88%以上が好ましい。さらに、図6からは、高品位鉄鉱石のみを原料とした場合、クラスタリング指標を0.15以上にすることは困難であることも分かる。
(実験例4)
実験例で使用した高品位鉄鉱石OreDに、低品位鉄鉱石OreA又は中品位鉄鉱石OreCを配合して、鉄鉱石ペレットを製造した。まず、各鉄鉱石をボールミルで粉砕し鉄鉱石粉末を得た。高品位鉄鉱石の粉末に、低品位鉄鉱石又は中品位鉄鉱石の粉末を0,10,20,40質量%配合した混合鉄鉱石粉末をそれぞれ合計2000g分用意した。鉄鉱石ペレットの塩基度が0.2となるように設定した添加量で、石灰石を混合鉄鉱石粉末に加えた。さらに、ベントナイトを混合鉄鉱石粉末量に対して1.0wt%加えて、実験例1と同様にして鉄鉱石ペレットをそれぞれ製造した。得られた鉄鉱石ペレットに対してクラスタリング強度評価試験を行い、結果を図7,8に示した。その際、クラスタリング強度評価試験における保持時間を変更することによって、還元鉄ペレットの金属化率を変更した。中品位鉄鉱石を配合した場合は保持時間を380分として金属化率は94%、低品位鉄鉱石を配合した場合は保持時間を400分として金属化率は96%とした。
図7に、鉄鉱石ペレット中の低・中品位鉄鉱石の配合率と、還元鉄ペレットのクラスタリング指標との関係を示す。低・中品位鉄鉱石の配合率が高いほどクラスタリング指標が高くなり、低品位鉄鉱石を配合した場合も、中品位鉄鉱石を配合した場合も、配合率が40質量%の場合、クラスタリング指標を0.15以上とすることができることが分かった。図8から、クラスタリング指標を制御することでクラスタリング強度が制御できることが分かる。
(実験例5)
表1に示す5種類の鉄鉱石の配合率を変更することで、クラスタリング指標を変更した鉄鉱石ペレットを製造した。各鉄鉱石ペレットについて、竪型シャフト炉内でクラスタリングが発生せずに操業できる炉内温度上限を測定した。竪型シャフト炉に鉄鉱石ペレットを500g装入し、体積比H:N=20:80のガス雰囲気で、ガス温度800℃、保持時間360分で試験を行った。サンプルを取り出し、クラスタリングが確認されなかったら、ガス温度を50℃上げて新しいサンプルを装入し、同様の試験を繰り返した。クラスタリングが確認された場合試験を終了し、クラスタリングが発生する前の温度を炉内温度上限とした。
図9にクラスタリング指標と炉内上限温度との関係を示す。クラスタリング指標の増加に伴い炉内上限温度が線形的に上昇することが分かる。したがって、クラスタリング指標を用いることで、クラスタリングを抑制することができ、シャフト炉内の温度を従来よりも高めることができることが分かる。よって本発明の効果が明らかである。
本発明によれば、鉄鉱石ペレットのクラスタリングを抑制することが可能な還元鉄の製造方法を提供することができる。
10 φ100mmのカーボンるつぼ
12 アルミナボール
14 鉄鉱石ペレット(焼成ペレット)
16 還元ガス
18 ヒーター
20 クラスタリングした還元鉄ペレット
22 I型回転試験機

Claims (7)

  1. 鉄鉱石粉末とバインダーと副原料とを混合し、造粒してグリーンペレットを得て、次いで前記グリーンペレットを焼成して鉄鉱石ペレットを得るペレット製造工程と、
    前記鉄鉱石ペレットを竪型シャフト炉に装入して、還元ガスによって直接還元して、還元鉄ペレットを得る還元工程と、
    を有し、
    前記鉄鉱石粉末の原料として、全Fe量が63質量%以下、かつ、SiO及びAlの和が4質量%以上である組成を有する鉄鉱石を含み、
    前記還元鉄ペレットが以下の式(1)を満たすことを特徴とする還元鉄の製造方法。
    (SiO+Al+CaO+MgO+FeO)/M.Fe≧0.15 ・・・(1)
    ここで、式(1)中、SiO、Al、CaO、及びMgOは、それぞれ前記還元鉄ペレットに含まれるSiO、Al、CaO、及びMgOの含有量(質量%)であり、FeOは、前記還元鉄ペレットに残留した酸化鉄の含有量(質量%)であり、M.Feは、前記還元鉄ペレットに含まれる金属鉄の含有量(質量%)である。
  2. 前記還元鉄ペレットが前記式(1)を満たすように、(A)前記鉄鉱石ペレットに含まれるSiO、Al、CaO、及びMgOの含有量、並びに、(B)前記還元工程における金属化率、の一方又は両方を意図的に設定する、請求項1に記載の還元鉄の製造方法。
  3. 前記(B)が既定であり、前記還元鉄ペレットが前記式(1)を満たすように、前記(A)を意図的に設定する、請求項2に記載の還元鉄の製造方法。
  4. 前記(A)の設定は、前記ペレット製造工程における、(A-1)前記鉄鉱石粉末の組成、並びに、(A-2)前記バインダー及び前記副原料の種類及び含有量、の一方又は両方を設定することにより行う、請求項に記載の還元鉄の製造方法。
  5. 前記(A-2)が既定であり、前記還元鉄ペレットが前記式(1)を満たすように、前記(A-1)を意図的に設定する、請求項4に記載の還元鉄の製造方法。
  6. 前記還元工程における金属化率を88~96%の範囲内に設定する、請求項1~5のいずれか一項に記載の還元鉄の製造方法。
  7. 前記式(1)の左辺の値に基づいて、前記還元工程における前記還元ガスの温度を決定する、請求項1~のいずれか一項に記載の還元鉄の製造方法。
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