JP7472243B1 - 吊荷介錯方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】吊荷に外乱力による回動が生じるのを抑制する吊荷介錯方法及び吊荷介錯装置を提供すること。【解決手段】懸下された吊荷Wに外乱力による回動が生じるのを抑制する吊荷介錯方法であって、前記吊荷Wに外乱力が作用した場合に生じる回動中心を挟んで両側に位置される前記吊荷Wの第一端部Waと第二端部Wbのそれぞれに対応させて吊荷介錯装置100a、100bを配置し、前記第一端部Waと対応する吊荷介錯装置100aから伸びるロープLaを前記第一端部Waと接続するとともに前記第二端部Wbと対応する吊荷介錯装置100bのロープLbを前記第二端部Wbと接続して、前記第一端部Waと接続したロープLaと前記第二端部Wbと接続したロープLbに繰出し抵抗力を与えることで、移動する吊荷に接続されたそれぞれのロープに釣り合う張力Ta、Tbを自ずと生じさせることを特徴とする。【選択図】図4

Description

本発明は、吊荷に外乱力による回動が生じるのを抑制する吊荷介錯方法及び吊荷介錯装置に関する。
周知のように、橋梁をはじめとする大型の構造物を建設する際には、トラック等で現場まで輸送した建設材料をクレーンで吊下げて設置位置まで運搬して組立てられる。
従来、クレーンCで吊荷Wを吊上げる際には、図18に示すように、吊荷の両端部にロープを接続し、それぞれのロープを作業者Mが持って吊荷Wに意図しない挙動(回動等)が生じないように吊荷介錯を行うのが一般的であった。
このような作業者Mによる吊荷介錯では、作業者が常にロープを把持すると、意図せず挙動する吊荷がロープを介して作業者を引っ張り危険であり、ロープを引き続ける労働負担や摩擦熱が手に伝わる身体負担も伴うため、吊荷の挙動を目視で感知してからロープLを把持して操作する。例えば、吊荷が回動しだしてから引き戻したい側の一方端のロープを引き寄せている。
しかしながら、クレーンで吊下げられた吊荷に揺れや風等に起因する外乱力により吊荷の回動が発生しても、速度の遅い回動の初期段階を目視で検知するのは容易ではなく制動の操作が遅れたり、強い力で引き寄せすぎたりして、吊荷が却って不安定になる。その結果、吊荷に回動運動が始まった場合に、回動を安定して抑制することは困難であった。
また、吊荷の回動運動を抑制することを目的として、例えば特許文献1に記載の技術が提案されている。
特許文献1に記載の技術は、装置本体内に垂直面内で回転するフライホイールとフライホイールの支軸に直交する支持軸が形成されたジンバルとを有するジャイロ機構の動力を備えた方向制御装置においてジンバルの傾動を制御することにより吊荷の旋回及び停止を制御するものである。介錯ロープを張り渡す必要がないことから、例えば高層建造物の建設資材をタワークレーンで吊上げるのに好適である。
特許第6733321号公報
しかしながら、これらジャイロ機構を備えた吊荷方向制御装置は、回動中心の近傍で力を与えるため、吊荷に発生させ得る制動トルクが小さい。ジャイロ機構の制御装置は、タワークレーンで吊下げられる比較的小さく軽い吊荷を対象にしており、橋桁のように長尺で慣性モーメントが大きく、かつ移動式クレーンで架設する重い吊荷の回動を抑制できない(制御しようとすると、非常に大きくて重い装置になる)。
また、構成が複雑となり設備費及びメンテナンス費等が高額となる。
さらに、吊荷を一定高さまで吊上げるためには装置本体の高さ寸法だけクレーンフックを高く位置させるために、装置本体の高さ寸法だけ長いブームのクレーンが必要となるうえ、装置本体の重量だけ大型のクレーンを準備する必要が生じる。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、懸下された吊荷に外乱力によって意図しない回動運動を生じるのを簡単な構成により安定して抑制することが可能な吊荷介錯方法及び吊荷介錯装置を提供することを目的とする。
発明者らは、懸下された吊荷に外乱力によって回動運動を生じるのを簡単な構成によって安定して抑制することが可能な吊荷介錯方法及び吊荷介錯装置について鋭意研究した。
図19は吊荷介錯方法における吊荷の回動を概念的に説明する平面図である。図19に示すように、吊荷に外乱力が継続的に作用すると、仮に外乱力が一定であっても、t1、t2、t3、t4と時間が経過するにつれて、しだいに回動角度(振幅)θ1、θ2、θ3、θ4が増大する。このことは、回転運動エネルギーが角速度の二乗に比例するのを考慮すると、吊荷の回動運動に対する操作が遅れるほど回転運動エネルギーは加速度的に急増することを意味する。
このように回転運動エネルギーが増大した後に大きな力で制動しようとすると、衝撃的な力が吊荷に作用して振れてしまう。一方、回転運動エネルギーが増大した後に小さな力でゆっくり制動しようとすると回動運動が停止しきれずに継続されて近接物体と接触する可能性が生じることになる。これに対し、吊荷に外乱力が作用し始めた比較的初期の状態においては、回転運動エネルギーが比較的小さいため、小さな力で制動しても回動運動を停止させることが容易であるとの知見を得た。
また、作業者がロープを把持して引き寄せると、身体能力や力覚などの個人差によって、正確な制動力をロープに付与することや、両端部に接続されたロープの張力を釣り合わせること、突風などの大きな外乱力に抵抗することは困難なため、吊荷の回動運動を安定して抑制することができないとの知見を得た。
発明者らは、これらの知見に基づき、吊荷に外乱力が作用していない状態(介錯開始段階)において、吊荷の両端部に接続したロープに釣り合う張力を生じさせておくことで、吊荷に外乱力が作用した場合でも張力の変化によって自ずと外乱力が相殺されて外乱力による回動運動(揺動)が生じることが抑制されることを見いだした。そのためには、ロープに安定した張力を常に生じさせておくことが可能な吊荷介錯装置が重要であるとの知見を得た。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
(1)構成1の発明は、懸下された吊荷に外乱力による回動が生じるのを抑制する吊荷介錯方法であって、前記吊荷に外乱力が作用した場合に生じる回動中心を挟んで両側に位置される前記吊荷の第一端部と第二端部のそれぞれに対応させて吊荷介錯装置を配置し、前記第一端部と対応する吊荷介錯装置から伸びるロープの一方端を前記第一端部と接続するとともに前記第二端部と対応する吊荷介錯装置のロープの一方端を前記第二端部と接続して、前記ロープに繰出し抵抗力を付与しておくことにより、前記吊荷を移動すると自ずと前記第一端部と接続したロープと前記第二端部と接続したロープにそれぞれ釣り合う張力を生じさせることを特徴とする。
この発明に係る吊荷介錯方法によれば、吊荷の第一端部と第二端部のそれぞれに対応させて吊荷介錯装置を配置し、第一端部と第二端部にそれぞれ対応する吊荷介錯装置から繰出されたロープの一方端を接続して、ロープが繰出されると自ずとそれぞれのロープに釣り合う張力を生じさせるので、吊荷に外乱力が作用しても吊荷が揺動するのが抑制される。
その結果、ロープを繰込む動力を備える必要が無く、吊荷に外乱力によって回動運動を生じるのを簡単な構成により安定して抑制することができる。また、この発明に係る吊荷介錯方法によれば、回動中心から離れた吊荷の両端部に力を与えるため、装置に発生させる繰出し抵抗力が小さくても吊荷に大きな制動トルクを作用させ得る。このように、この発明に係る吊荷介錯方法によれば、正確な制動力を安定して付与することができ、両端部に接続したロープの張力(左右の力)の釣り合いを維持することができ、機械的に強い制動力を発揮することができる。
ここで、回動中心とは、懸下された吊荷に生じる回動運動における回動中心点をいい、概ねクレーンブーム先端部に配置された吊下げ基点(例えばクレーンフック)の鉛直下方に位置する。
また、吊荷は水平方向、鉛直方向の少なくともいずれか一方に移動されていてもよいし、ロープに張力を生じさせて停止状態で吊下げられていてもよい。
長尺で重い橋桁を吊荷とした試算によれば、吊荷の回動運動を抑制するために前記ロープのそれぞれに生じさせる張力は、前記吊荷の重量に対して0.1%以上1.0%以下が実用範囲である。
ロープに生じさせる張力が吊荷の重量に対して1.0%以下であれば、吊荷を移動するクレーンに作用する反力は十分に小さい。
また、重量40tonの吊荷の端部に張り渡し長さが約10mのロープ(例えば、繊維ロープ)を接続して、このロープに約40kgの張力が生じるように調整して動作試験を実施した結果、繊維ロープには約4cm(伸び率0.4%)の伸びが生じ、外乱力が作用した場合にロープが適度に伸縮して外乱力が相殺され、吊荷に外乱力の作用が影響しなくなり、吊荷の回動を安定して抑制することが可能であるとの知見が得られた。
この知見に基づき、例えばクレーンで吊下げる橋桁の最大重量は約60tonであって、ロープの最長の張り渡し長さが約30mであるとすれば、60kg(吊荷の重量に対して1.0%)の張力を生じさせたときのロープの伸びは約18cm(吊荷の制動距離)と推算され、吊荷と近接物体との間に確保する一般的な最小離隔距離(数m)と比べて十分に小さく、実用上好適であると考えられる。
(2)構成2の発明は、構成1の吊荷介錯方法において、前記第一端部に接続されたロープの繰出し抵抗力と前記第二端部に接続されたロープの繰出し抵抗力の少なくともいずれか一方を調整することにより、前記吊荷を移動する際に前記ロープ同士の張力に差異を生じさせて、前記吊荷を回動中心周りの向きを変えることを特徴とする。
この発明に係る吊荷介錯方法によれば、第一端部に接続されたロープの繰出し抵抗力と第二端部に接続されたロープの繰出し抵抗力の少なくともいずれか一方を調整して、第一端部に接続されたロープの張力と第二端部に接続されたロープの張力に差異を生じさせる。
その結果、第一端部と第二端部のうち、大きな繰出し抵抗力が付加される側のロープは繰出されにくく、小さな繰出し抵抗力が付加される側のロープは繰出され易くなる。さらに、第一端部と第二端部のうち、大きな張力を生じさせた側は、小さな張力を生じさせた側に対して相対的に吊荷の移動方向の反対側に引っ張られることになる。
その結果、吊荷の移動を利用して、ロープを繰込む動力を必要とすることなく回動中心周りに吊荷の向きを変えることができ、第一端部に接続されたロープの繰出し抵抗力と第二端部に接続されたロープの繰出し抵抗力を等しくすることにより吊荷の向きが変わるのを停止することができる。
(3)構成3の発明は、構成1から構成2のいずれか一項に記載の吊荷介錯方法に用いられる吊荷介錯装置であって、軸線周りに回転可能とされたドラムと、前記ドラムに巻回され一端側に繰出し可能とされたロープと、前記ロープの一方端に作用する引張力に基づいて前記ロープに発生する張力が所定の値に到達するまで前記ロープの繰出しに対する抵抗力を前記ロープに付与する繰出し制御部と、前記ドラムと前記繰出し制御部と連結され、前記ロープの前記吊荷とは反対側を支持する基台と、を備えることを特徴とする。
この発明に係る吊荷介錯装置によれば、基台にドラムと繰出し制御部とが連結され、一端側に繰出し可能とされたロープがドラムに巻回されていて、繰出し制御部は、ロープの一方端に作用する引張力に基づいてロープに発生する張力が所定の値に到達するまでロープの繰出しに対する抵抗力を付与するのでロープに設定値と対応する張力(吊荷に付加した力に応じた張力)を安定して生じさせることができる。さらに吊荷を移動させる際にはロープの張力が所定の値に維持できる。
その結果、ロープを繰込む動力を備えることなく、ロープに設定値と対応する張力を生じさせることができる。このように、この発明に係る吊荷介錯装置によれば、正確な制御力を安定して付与することができ、両端部の力(左右の力)の釣り合いを維持することができ、機械的に強い抵抗力を発揮することができる。
ここで、原動機は出力と逆方向の強制動作(逆入力)が負荷になり、定格出力の前記逆入力を長く続けると損傷する可能性が高く、高出力の原動機は大型になる。
この発明に係る吊荷介錯装置は、ロープの繰出しを利用して前記ロープに張力を生じさせることから、ロープを繰込む動力(原動機)を備えることなく、損傷の可能性や装置の大型化を避けることができて好適である。
(4)構成4の発明は、構成3の吊荷介錯装置であって、前記繰出し制御部は、前記ロープを挟持する一対の挟持ロールと、前記一対の挟持ロールに連結された制動力付与部と、を備えていることを特徴とする。
この発明に係る吊荷介錯装置によれば、繰出し制御部の構成が簡単でありドラム20Dに直接張力が作用することがないうえ、ロープに所定の張力で安定して繰り出すことができる。
(5)構成5の発明は、構成3の吊荷介錯装置であって、前記繰出し制御部は、前記ドラムに接続された制動力付与部を備えていることを特徴とする。
この発明に係る吊荷介錯装置によれば、ドラムに接続された制動力付与部を備えているので、繰出し制御部の構成を簡単にすることができ、ロープを所定の張力で安定して繰り出すことができる。
なお、制動力付与部としては、例えば、ブレーキ(ホイールブレーキ、ディスクブレーキ等)、クラッチ(電磁クラッチ、流体クラッチ等)を用いることができ、制動力の加減によってロープに付与する繰出し抵抗力を容易に変化させることができる。
(6)構成6の発明は、構成1の吊荷介錯装置であって、前記基台と連結され駆動部を備えた台車と、前記台車の位置を制御する台車制御部と、を備えることを特徴とする。
この発明に係る吊荷介錯装置によれば、台車制御部により台車の位置を制御することが可能とされるので、台車とともに吊荷介錯装置を容易に移動できて、吊上げ位置と設置位置が広範囲に移り変わる場合に好適である。
(7)構成7の発明は、構成6に記載の吊荷介錯装置を用いる吊荷介錯方法であって、前記第一端部に接続されたロープと前記第二端部に接続されたロープに張力を生じさせながら、前記吊荷介錯装置の位置を変化させて、前記吊荷の回動中心周りの向きを変えることを特徴とする。
この発明に係る吊荷介錯方法によれば、台車制御部により台車とともに吊荷介錯装置の位置を変化させることで、ロープを介して吊荷の両端部に回動動作の操作力を付与することが可能とされるので、クレーンのブームを動作させることなく、停止した状態の吊荷も回動中心周りの向きを変化させることができる。
この発明に係る吊荷介錯方法及び吊荷介錯装置によれば、吊荷の移動によりロープに自ずと張力を生じさせて、懸下された吊荷に外乱力による回動が生じるのを簡単な構成により安定して抑制することができる。
本発明の第1実施形態に係る吊荷介錯装置の概略構成の一例を説明する斜視図である。 第1実施形態に係る吊荷介錯装置の概略構成を説明するドラムの正面図である。 第1実施形態に係る吊荷介錯装置の概略構成を説明するドラムの側面図である。 第1実施形態に係る吊荷介錯装置の概略構成を説明する図であり、繰出し制御部のロープ挟持機構をロープの繰出し方向後方から見た正面図である。 第1実施形態に係る吊荷介錯装置の概略構成を説明する図であり、繰出し制御部のロープ挟持機構の側面図である。 第1実施形態に係る吊荷介錯装置の概略構成を説明する図であり、繰出し制御部のロープ挟持機構の平面図である。 第1実施形態に係る吊荷介錯方法の一例の概略を説明する斜視図である。 第1実施形態に係る吊荷介錯方法の作用を説明する図であり、吊荷に外乱力が作用していない状態のロープを直交する向きから見た概念図である。 第1実施形態に係る吊荷介錯方法の作用を説明する図であり、吊荷に操作力と反対向きの外乱力が作用した状態のロープを直交する向きから見た概念図である。 第1実施形態に係る吊荷介錯方法の作用を説明する図であり、吊荷に操作力と同じ向きの外乱力が作用した状態のロープを直交する向きから見た概念図である。 第1実施形態に係る吊荷介錯装置により吊荷の向きを変える吊荷介錯方法の変形例を説明するフローチャートである。 第1実施形態の変形例に係る吊荷介錯方法を説明する斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る吊荷介錯装置の概略構成を説明する斜視図である。 本発明の第3実施形態に係る吊荷介錯装置の繰出し制御部の概略構成を説明する正面図である。 第3実施形態に係る吊荷介錯装置の繰出し制御部の概略構成を説明する側面図である。 本発明の第4実施形態に係る吊荷介錯装置の繰出し制御部の概略構成を説明する正面図である。 第4実施形態に係る吊荷介錯装置の繰出し制御部の概略構成を説明する側面図である。 本発明の第5実施形態に係る吊荷介錯装置の概略構成を説明するドラムの側面図である。 本発明の第6実施形態に係る吊荷介錯装置の概略構成の一例を説明する斜視図である。 第6実施形態に係る吊荷介錯装置の概略構成を説明するブロック図である。 第6実施形態に係る吊荷介錯装置により停止状態および移動中の吊荷の向きを変更する吊荷介錯方法の一例を概念的に説明するフローチャートである。 第6実施形態に係る吊荷介錯方法の一例を説明する斜視図である。 第6実施形態の変形例に係る吊荷介錯方法を説明するフローチャートである。 第6実施形態の変形例に係る吊荷介錯方法を説明する斜視図である。 従来の吊荷介錯方法の概略を説明する図である。 吊荷介錯方法における吊荷の回動動作を概念的に説明する平面図である。
<第1実施形態>
以下、図1~図5A、5Bを参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1~図3Cは第1実施形態に係る吊荷介錯装置の概略構成の一例を説明する図であり、図4、図5A、5Bは第1実施形態に係る吊荷介錯方法の概略を説明する図である。図において、符号100は吊荷介錯装置を、符号Tは張力を示している。
吊荷介錯装置100は、図1に示すように、例えば、重量基台(基台)10と、重量基台10の上部に配置されたドラム20と、ドラム20に巻回されたロープLと、ドラム20から繰り出されるロープLに繰出し抵抗力を付与する繰出し制御部30と、を備えている。
吊荷介錯装置100は、図1に示すように、例えば、地面や床面等に設置した際に、ロープLに生じた張力によって移動しない程度の重量を有する直方体ブロックとされている。
なお、重量基台の構成は、ドラム、繰出し制御部が上部に固定された重量基台に限定されず、不意の移動が生じない範囲で任意に設定することが可能であり、例えば、ドラム、繰出し制御部が側面に固定される構成や、ドラム、繰出し制御部を地面に固定するアンカー機能を有する軽量な部材であってもよいし、ドラム、繰出し制御部を安定的にトラック等に取付けるための取付け部材であってもよい。
ドラム20は、図2A、図2Bに示すように、例えば、ドラム本体21と、ドラム本体21を回転可能に支持するドラム支持体24と、減速機25とを備え、ドラム支持体24により重量基台10の上面に配置されている。
ドラム本体21は、ロープLが巻回される円筒形胴部22と、円筒形胴部22の両端部に配置された鍔部23とを備え、軸線O1周りに回転可能とされている。
また、減速機25はドラム支持体24の一方端に配置され、入力軸(不図示)がドラム本体21の20の円筒形胴部22と連結され、円筒形胴部22のトルクを低減して出力軸25Sから出力するようになっている。
出力軸25Sには、繰出し抵抗力調整部40が連結されている。
ロープLは、ドラム20に巻回されていて一端側L0に繰出し可能とされていて、他端側は円筒形胴部22に接続(例えば、固定)されている。
ロープLは、例えば、繊維ロープが適用されている。
なお、ロープLの形式は繊維ロープに限定されず任意に設定することが可能であり、例えば、ワイヤロープを適用してもよい。
繰出し制御部30は、図3Aから図3Cに示すように、繰出し制御部本体31と、繰出し制御部本体31に回転可能に配置されたロープ挟持機構32と、ガイドローラ38と、ドラム20に配置された繰出し抵抗力調整部40と、制動力付与部(不図示)を備え、吊荷に付与された力に応じた繰出し抵抗力をロープLに付与してロープLに所定の張力を生じさせるように構成されている。
ロープ挟持機構32は、固定ローラ32Aと、可動ローラ32Bとを備え、固定ローラ32Aと可動ローラ32BによってロープLを挟持して、ロープLに作用する引張力でロープLが繰り出される際に、ロープLを安定して繰り出すことができるように構成されている。
また、ロープ挟持機構32は、挟持間隔調整部(不図示)を備えている。
挟持間隔調整部(不図示)の形式は任意に設定することが可能であり、例えば、固定枠(不図示)に回転可能に配置された送りねじ(不図示)にスライドブロック(不図示)が送りねじの軸線に沿って移動可能に配置され、送りねじを回転させることによりスライドブロックが送りねじの軸方向に沿って進退する構成とされたものなど、周知の種々の形式ものを適用することが可能である。
固定ローラ32A、可動ローラ32Bは、例えば、軟質弾性樹脂により形成され高さ方向中央部が径方向に膨出する略樽形の中空円筒状とされていて、外周面には高さ方向に沿って筋状突起が周方向に間隔をあけて配列されている。固定ローラ32A、可動ローラ32Bは、一対の挟持ロールを構成する。
このような構成により、固定ローラ(挟持ロール)32A、可動ローラ(挟持ロール)32BはロープLを挟持する際にロープLの外形に応じてわずかにくぼむとともに筋状突起により適度な摩擦抵抗を生じさせてロープLを安定的に挟持することができる。
また、固定ローラ32A、可動ローラ32Bは、平面視中心部に回転軸33が配置されていて、それぞれ軸線O2の周りに回転可能とされている。
固定ローラ32Aは、回転軸33を介して繰出し制御部本体31に配置されている。
また、この実施形態では、可動ローラ32Bは、例えば回転軸33を介して挟持間隔調整部(不図示)のスライドブロック(不図示)に配置されて、送りねじ(不図示)を回転させて可動ローラ32Bの位置を矢印T0方向に進退させて固定ローラ32Aに対して接近、離間させて、固定ローラ32Aと可動ローラ32Bの間隔を調整するようになっている。
固定ローラ32Aと可動ローラ32Bの間隔を調整することでロープLに対する挟持力が調整されるようになっている。
ガイドローラ38は、例えば、ロープLの外径と対応する凹形状部が周方向に形成されたローラ本体36と、支持部材37とを備え、ローラ本体36が支持部材37を介して重量基台10の上面に取付けられている。そして、繰り出されたロープLがロープ挟持機構32の所定位置(挟持部)に挟持されて繰り出されるように構成されている。
繰出し抵抗力調整部40は、図2A、図2Bに示すように、パウダークラッチ(電磁クラッチ)42と、電磁クラッチ操作部44とを備えていてドラム20に配置されている。
減速機25は、入力側がドラム20の連結軸(不図示)に連結されていて、出力側がパウダークラッチ(電磁クラッチ)42と連結されている。
その結果、ロープLに生じた張力によってロープLが引き出される際に、パウダークラッチ42に伝達されるトルクが小さくなるように構成されている。
減速機25の形式は任意に設定することが可能であり、周知の種々の形式のものを適用してもよい。
パウダークラッチ(電磁クラッチ、制動力付与部)42は、入力軸(不図示)は減速機25の出力軸25Sに連結されている。
また、パウダークラッチ42の出力軸42Sは、例えば、繰出し抵抗力で動くことのないストッパーやブラケット等の剛体(制動力付与部)(不図示)に連結されている。なお、ストッパーやブラケット等の剛体(制動力付与部)に代えて、繰出し抵抗力よりも大きな制動力を付与するブレーキ等の(制動力付与部)に連結してもよい。
また、電磁クラッチ操作部44は、例えば、パウダークラッチ42に対する通電を操作する。
なお、電磁クラッチ操作部44はパウダークラッチ42に対する電流値を調整できることが好適である。
パウダークラッチ42は、例えば、入力軸と、出力軸と、入力軸と出力軸の間に形成されたギャップと、ギャップに充填されたパウダー(磁性粉末体)と、パウダーを磁化させるための励磁コイルとを備えていて、励磁コイルに電流を流すとギャップ内のパウダー(磁性粉末体)が磁化されて入力軸と出力軸が連結され、電流を遮断するとパウダーが磁化されなくなって入力軸と出力軸の連結が解除される。また、励磁コイルに流す電流値を制御すると伝達可能なトルクを調整することが可能な構成とされている。
パウダークラッチ(電磁クラッチ)42の形式は任意に設定することが可能であり、周知の種々の形式のものを適用してもよい。
なお、繰出し制御部30が、パウダークラッチ(電磁クラッチ、制動力付与部)42に加えて、ロープ挟持機構32(固定ローラ32A、可動ローラ32B)に制動力を付与して繰出し抵抗力を調整するための制動力付与部(不図示)(例えば、回転軸33に連結されたブレーキ等)を制御部本体31内部に備えていてもよい。
回動軸線Ocは、吊荷に外乱力が作用した場合に形成される回動中心を鉛直方向に通過する概念的な軸線である。なお、回動中心は、吊荷の重量分布や吊荷を吊下げるロープの状態によって変化するものであり一義的に定義されることは要さない。
次に、図4、図5A、図5Bを参照して、第1実施形態に係る吊荷介錯方法の一例について説明する。図において、符号Wは吊荷を、符号Tは張力を、符号Ocは回動軸線を示している。
まず、図4を参照して、第1実施形態に係る吊荷介錯方法の一例の概略について説明する。図4は第1実施形態に係る吊荷介錯方法の一例の概略を説明する斜視図である。
〔吊荷介錯方法の実施手順〕
(1)まず、吊荷Wの第一端部Waと第二端部Wbのそれぞれに対応させて吊荷介錯装置100(100a、100b)を配置する。
(2)繰出し抵抗力調整部40を操作して、繰出し制御部30によってロープLa、Lbにそれぞれ互いに釣り合う張力Ta、Tbが生じるように調整する。ここで、吊荷Wの向きを変えずに移動させる場合には張力Ta、Tbを概ね等しくするように繰出し抵抗力を設定する。
また、吊荷Wの移動を伴う場合には、張力Ta、Tbは吊荷Wに付与する操作力F0よりも小さく、かつ外乱力Fdよりも大きく設定することがより好適である。
ロープLに生じる張力Ta、Tbは、吊荷Wの重量に対して0.1%以上1.0%以下に設定することにより回動が生じるのを安定的に抑制可能である。
(3)吊荷介錯装置100aのロープLaを第一端部Waに接続し、吊荷介錯装置100bのロープLbを第二端部Wbに接続する。
(4)そして、図4に示すように、吊荷Wを吊荷介錯装置100(100a、100b)から離れる方向(矢印S方向)に移動させる。ここで、移動とは、クレーンにより吊荷Wの吊上げ(吊荷の鉛直方向の移動)と水平方向移動の少なくともいずれか一方を含んでいてロープに張力を生じさせることができればよい。
(5)吊荷Wを移動させる際には、繰出し制御部30によってロープLa、Lbが繰り出される。
その結果、ロープLa、Lb(L)にそれぞれ釣り合う張力Ta、Tb(T)が自ずと生じる。吊荷が最長でも18cm程移動すれば、ロープの張力は所定の値に到達し、その後は吊荷Wの吊上げた状態で停止させても、吊荷Wを吊上げる際の移動で生じた張力Ta、Tbを保持できる。
その結果、吊荷には常に互いに釣り合う張力Ta、Tb(T)が生じているので吊荷Wが外乱力Fdによって回動するのが抑制される。
次に、図5A、図5B、図5Cを参照して、第1実施形態に係る吊荷介錯方法の作用について説明する。
図5Aは、第1実施形態に係る吊荷介錯方法の作用を説明する吊荷に外乱力が作用していない状態のロープを直交する向きから見た概念図であり、図5B、図5Cは吊荷に外乱力が作用した状態のロープを直交する向きから見た概念図である。
図5A、図5B、図5Cにおいて、符号F1は外乱力が作用していない状態でのクレーンが吊荷を移動させる操作力のロープに沿った分力(成分)を、符号F2、F3は外乱力が作用した状態でのクレーンが吊荷を移動させる操作力のロープに沿った分力(成分)を、符号Fdは外乱力のロープに沿った分力(成分)を、符号Tは外乱力が作用していない状態の張力を、符号T2、T3は外乱力が作用した状態の張力を示している。
なお、操作力F1は、吊荷の移動に要する力及び吊荷が吊下げ起点の鉛直真下に復元するための復元力等を含む。
吊荷Wの端部に外乱力が作用していない状態では、図5Aに示すように、吊荷Wの一方端に付与された操作力F1に抗して張力Tが生じる(移動をともなう場合に限定されず、張力が生じた後に移動を停止する場合を含む)。張力T(=F1)は、例えば、図4において張力Taと張力Tbが等しい場合には吊荷Wの一方端には操作力F1(=F0/2)が作用することになる。また、ロープLには張力Tに応じた伸び変形(縦歪)が形成される。
例えば、図5Bに示すように、吊荷Wに操作力F1の反対向き(図5Bにおいて下向き)の外乱力Fdが作用すると、張力Tを生じさせた操作力F1は外乱力Fdと相殺されるので、ロープLの伸び変形(この場合は、収縮してロープが緩む)は外乱力Fdに相当する分小さくなる。また、ロープLに生じる張力T2(<張力T)は(操作力F1-外乱力Fd)に応じて小さくなり、吊荷Wの一方端は張力Tより小さい張力T2で図の下向きに引っ張られる。すなわち、吊荷Wの一方端を下向きに引っ張る力は外乱力Fdに応じて小さくなる。このように、外乱力が作用すると、ロープLの伸びが変わるにつれて、外乱力Fdを打ち消すように張力が変化する(張力Tが張力T2となる)。
その結果、吊荷Wの回動変位(揺動)が小さくなり吊荷Wに回動が生じるのを抑制することができる。
一方、図5Cに示すように、吊荷Wの一方端に図5Bとは反対向きの外乱力が作用すると、ロープLの伸び変形及び張力は対応する繰出し抵抗力が設定値に到達するまで外乱力に応じて増大するのでロープLは緊張し、吊荷Wの一方端を下向きに引っ張る力は外乱力に応じて大きくなる。この場合においても、外乱力Fdが作用すると、ロープLの伸びが変わるにつれて、外乱力Fdを打ち消すように張力が変化する。
その結果、吊荷Wの回動変位(揺動)が小さくなり吊荷Wに回動が生じるのを抑制することができる。
第1実施形態に係る吊荷介錯方法、吊荷介錯装置100によれば、吊荷Wの第一端部Waと第二端部WbにロープLa、Lbを接続して、それぞれ釣り合う張力Ta、Tbを安定して生じさせることが可能であるので、吊荷Wに張力Tより小さな外乱力Fdが作用しても、外乱力Fdを打ち消すように張力Ta、Tbと操作力F1が変化することができ、吊荷Wに回動運動(揺動)が生じるのを抑制することができる。
また、第1実施形態に係る吊荷介錯方法、吊荷介錯装置100によれば、繰出し抵抗力と対応する張力TでロープLが繰り出されるので、所定の張力TをロープLに生じさせながら吊荷Wを移動させることができる。
また、第1実施形態に係る吊荷介錯方法、吊荷介錯装置100によれば、ロープLに生じる張力Tが吊荷Wを移動する際の操作力F1よりも小さく設定するので吊荷Wを容易に移動させることができる。
また、ロープLに生じる張力Tを外乱力Fdよりも大きく設定するので、外乱力Fdによる吊荷Wの回動運動が生じるのを抑制することができる。
その結果、吊荷Wに回動運動が生じるのを抑制しつつ容易かつ安定して移動することができる。
また、ロープLに生じる張力Tを吊荷Wの重量に対して0.1%以上1.0%以下に設定することで、現実的な外乱力Fdによる揺動が抑制され、吊荷Wを移動する際の反力が増大するのを抑制することができる。
また、吊荷介錯装置100によれば、繰出し制御部30が繰出し抵抗力調整部40を備えているので、繰出し抵抗力調整部40によりロープLを繰出す際にロープLに生じる張力Tを容易に調整することができる。
また、繰出し制御部30がパウダークラッチ(電磁クラッチ)42を備えているのでロープLに対する繰り出し抵抗力を容易に設定することができる。
また、パウダークラッチ(電磁クラッチ)42の電流値を変化させることにより伝達トルクを変化させることで繰出し抵抗力を容易かつ効率的に調整することができる。
次に、図6、図7を参照して、第1実施形態に係る吊荷介錯方法の変形例について説明する。
まず、図6を参照して、第1実施形態の変形例に係る吊荷介錯方法について説明する。図6は、第1実施形態に係る吊荷介錯方法の変形例を説明するフローチャートである。図7は、第1実施形態の変形例に係る吊荷介錯方法における吊荷の動作を説明する斜視図である。
第1実施形態に係る〔吊荷介錯方法の実施手順〕で示した(1)吊荷介錯装置100(100a、100b)の配置、(2)繰出し抵抗力の設定、(3)吊荷WへのロープLa、Lbの接続は同様であるので説明を省略する。
まず、図6に示すように、上記(2)において概ね等しく張力Ta、Tb(T)を生じさせたロープLのうち、少なくとも遅らせる側(吊荷Wの回動軸線Ocよりも吊荷介錯装置100に位置する側)のロープLに対する繰出し抵抗力を増加して張力Tを増加する(S101)。
次いで、図7に示すように、仮にロープLaの張力Taを増加させて、吊荷Wを吊荷介錯装置100(100a、100b)から離れる方向(矢印S方向)に移動する(S102)。
このとき、例えば、ロープLaの張力Ta>ロープLbの張力Tbであるので、ロープLaの繰出しが遅れてロープLbがロープLaより大きく繰り出される。
その結果、図7に示すように、吊荷Wは矢印R方向に回動される。
そして、吊荷Wが所定の向きまで回動されたらクレーンを停止する(S103)。
次いで、必要に応じて、繰出し抵抗力を元の設定値に戻す(S104)。
第1実施形態の変形例に係る吊荷介錯方法、吊荷介錯装置100によれば、ロープLa、Lbに生じる張力Ta、Tbに差異を生じさせることで、張力Tが相対的に大きい側のロープLは繰出されにくく、小さい側のロープLは繰出され易くなる。その結果、吊荷Wを移動させるだけで、大きな張力が付加される側は小さな張力が生じる側に対して相対的に移動方向の反対側に引っ張られて、吊荷Wを回動中心周りに回動させて吊荷Wの向きを変えることができる。
また、吊荷介錯装置100によれば、繰出し制御部30がパウダークラッチ(電磁クラッチ)42を有する繰出し抵抗力調整部40を備えているので、吊荷Wの向きが変化した後にロープLに対する繰出し抵抗力を容易に設定して張力Ta、Tbを容易かつ効率的に等しい値に戻すことができる。
また、パウダークラッチ(電磁クラッチ)42の電流値を変化させることにより繰出し抵抗力を容易かつ効率的に変化させて張力Ta、Tbを等しい設定値に調整することができる。
<第2実施形態>
以下、図8を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。
図8は、第2実施形態に係る吊荷介錯装置の概略構成を説明する斜視図である。
図8において、符号100Aは符号を、符号30Aは繰出し制御部を示している。
第2実施形態に係る吊荷介錯装置100Aは、図8に示すように、例えば、重量基台(基台)10と、重量基台10の上部に配置されたドラム20と、ドラム20に巻回されたロープLと、ドラム20から繰り出されるロープLに繰出し抵抗力を付与する繰出し制御部30Aと、を備えている。
吊荷介錯装置100Aが第1実施形態に係る吊荷介錯装置100と異なるのは、繰出し制御部30に代えて繰出し制御部30Aを備えている点である。そのほかは吊荷介錯装置100と同様であるので同じ符号を付して説明を省略する。
繰出し制御部30Aは、ガイドローラ38と、ドラム20に配置された繰出し抵抗力調整部40と、制動力付与部(不図示)とを備え、吊荷に付与された力に応じた繰出し抵抗力をロープLに付与してロープLに所定の張力を生じさせるように構成されている。
すなわち、繰出し制御部30Aは、第1実施形態の繰出し制御部30の繰出し制御部本体31、ロープ挟持機構32を備えない構成とされている。
第2実施形態に係る吊荷介錯装置100Aによれば、繰出し制御部30Aの構成が繰出し制御部30に比べて簡単であるのでメンテナンスが容易でコストを低減することができる。
<第3実施形態>
以下、図9A、図9Bを参照して、本発明の第3実施形態について説明する。
図9Aは第3実施形態に係る吊荷介錯装置の繰出し制御部の概略構成を説明する正面図であり、図9Bは側面図である。
図9A、図9Bにおいて、符号30Bは繰出し制御部を、符号40Bは繰出し抵抗力調整部を、符号45はブレーキシュー(制動力付与部)を、符号45Aはブレーキシュー操作レバー(制動力調整部)を示している。
この実施形態において、繰出し抵抗力調整部40Bは、図9A、図9Bに示すように、例えば、ブレーキシュー45(制動力付与部)と、ブレーキシュー操作レバー(繰出し抵抗力調整部)45Aとを備えている。
ブレーキシュー45は、減速機25の出力軸25Sの軸線に沿って見たときに、出力軸25Sの外周面と相補的な円弧状に形成され出力軸25Sの外周面と当接可能な面を有していて、一対のブレーキシュー操作レバー45Aの出力軸25S側のそれぞれの面に配置されている。
また、ブレーキシュー操作レバー45Aは一方端がピンで連結されていて、他端側を接近させてブレーキシュー45により出力軸25Sを挟持すると制動力が生成されて繰出し抵抗力を付与するようになっている。また、ブレーキシュー操作レバー45Aの他端側の間隔を調整してブレーキシュー45による出力軸25Sの挟持力を調整することで繰出し抵抗力調整部40Bによる繰出し抵抗力を調整するように構成されている。
そして、ブレーキシュー操作レバー45Aの他端側を接近させて、繰出し抵抗力に応じてブレーキシュー45により出力軸25Sを挟持してロープLに所定の張力を生じさせる。
<第4実施形態>
以下、図10A、図10Bを参照して、本発明の第4実施形態について説明する。
図10Aは第4実施形態に係る吊荷介錯装置の繰出し制御部の概略構成を説明する正面図であり、図10Bは側面図である。
図10A、図10Bにおいて、符号30Cは繰出し制御部を、符号40Cは繰出し抵抗力調整部を、符号46はブレーキディスク(制動力付与部)を、符号47はブレーキパッド(制動力付与部)を、符号47Aはキャリパー(繰出し抵抗力調整部)を示している。
この実施形態において、繰出し抵抗力調整部40Cは、図10A、図10Bに示すように、例えば、ブレーキディスク(制動力付与部)46と、ブレーキパッド(制動力付与部)47と、キャリパー(繰出し抵抗力調整部)47Aとを備えている。
ブレーキディスク46は、例えば、円形平板状に形成され、減速機25の出力軸25Sの端部にその面が出力軸25Sの軸線と直交するとともに出力軸25Sと同軸に連結されている。
ブレーキパッド47は、例えば、ブレーキディスク46の面と当接可能な平板状の小片とされていて、と当接可能な面を有していて、キャリパーのブレーキディスク46と対向する側のそれぞれの面に配置されている。
キャリパー47Aは、例えば、ピストンロッドがブレーキディスク46と対向する面に、ブレーキディスク46に対して進退可能なピストンを備えていて、ピストンロッドの先端部にはブレーキパッド47が配置されている。
そして、ピストンロッドが前進するとブレーキパッド47がブレーキディスク46に当接して制動力が生成され繰出し抵抗力を付与するようになっている。また、ピストンロッドが後退してブレーキディスク46に対するブレーキパッド47の当接力を解除または調整することで繰出し抵抗力を調整するように構成されている。
第4実施形態に係る吊荷介錯装置の繰出し制御部40Cによれば、制動力付与部がブレーキディスク46とブレーキパッド47により構成されているので、大きな繰出し抵抗力を容易に付与することができ、繰出し抵抗力を効率的に調整することができる。
<第5実施形態>
以下、図3A~図3C、図11を参照して、本発明の第5実施形態について説明する。
図11は、第5実施形態に係る吊荷介錯装置の概略構成を説明する斜視図である。
図11において、符号100Dは吊荷介錯装置を、符号30Dは繰出し制御部を示している。
第5実施形態に係る吊荷介錯装置100Dは、図11に示すように、例えば、重量基台(基台)10と、重量基台10の上部に配置されたドラム20Dと、ドラム20Dに巻回されたロープLと、ドラム20Dから繰り出されるロープLに繰出し抵抗力を付与する繰出し制御部30Dと、を備えている。
吊荷介錯装置100Dが第1実施形態に係る吊荷介錯装置100と異なるのは、ドラム20Dが減速機25を備えていない点と、繰出し制御部30に代えて繰出し制御部30Dを備えている点である。そのほかは吊荷介錯装置100と同様であるので同じ符号を付して説明を省略する。
繰出し制御部30Dは、図11に示すように、繰出し制御部本体31と、繰出し制御部本体31に回転可能に配置されたロープ挟持機構32と、ガイドローラ38と、繰出し抵抗力調整部(制動力付与部)40Dとを備え、吊荷に付与された力に応じた繰出し抵抗力をロープLに付与してロープLに所定の張力を生じさせるように構成されている。
繰出し制御部30Dは、第1実施形態のロープ挟持機構32に繰出し抵抗力調整部40Dが連結された構成とされている。
ロープ挟持機構32は、第1実施形態と同様のものを適用することができ、固定ローラ32Aと、可動ローラ32Bとを備え、固定ローラ32Aと可動ローラ32BによってロープLを挟持して設定された張力でロープLを安定して繰り出すことができるように構成されている。固定ローラ32A、可動ローラ32Bは一対の挟持ロールを構成している。
また、ロープ挟持機構32は、挟持間隔調整部(不図示)を備えている。
挟持間隔調整部(不図示)の形式は任意に設定することが可能であり、例えば、固定枠(不図示)に回転可能に配置された送りねじ(不図示)を回転させて、送りねじに配置されたスライドブロック(不図示)を送りねじの軸方向に沿って進退する第1実施形態と同様のものなど、周知の種々の形式ものを適用することが可能である。
固定ローラ32A、可動ローラ32Bは、例えば、図3A~図3Cに示す第1実施形態と同様のものを適用することができ、固定ローラ32A、可動ローラ32BによってロープLを挟持するとともに、固定ローラ32A、可動ローラ32Bが回転してロープLを安定的に繰り出すことができる。
固定ローラ32Aは、回転軸33を介して繰出し制御部本体31に配置されている。
また、可動ローラ32Bは、第1実施形態と同様に回転軸33を介して挟持間隔調整部(不図示)のスライドブロック(不図示)に配置されていて、送りねじ(不図示)を回転させて可動ローラ32Bの位置を進退させて固定ローラ32Aに対して接近、離間させて固定ローラ32Aと可動ローラ32Bの間隔を調整することで、ロープLに対する挟持力を調整することができるようになっている。
繰出し抵抗力調整部(制動力付与部)40Dは、例えば制御部本体31等に配置され、ロープ挟持機構32(例えば、固定ローラ32Aまたは/および可動ローラ32B)に連結されていて繰出し抵抗力を調整可能とされている。繰出し抵抗力調整部(制動力付与部)40Dとしては、例えば、固定ローラ32A、可動ローラ32Bに連結された回転軸33に連結されたディスクブレーキやホイールブレーキ等、公知の種々のブレーキを適用してもよいし、特開2019-165560号公報に記載の制動機構等を適用してもよい。
また、特開2019-165560号公報に記載のように、固定ローラ32Aと可動ローラ32Bをチェーン、ベルト等の回転伝達手段(同期機構)によって接続することが固定ローラ32Aと可動ローラ32Bの回転を同期させてロープLを安定して繰出すことができる点で好適である。
なお、繰出し制御部30が、パウダークラッチ(電磁クラッチ、制動力付与部)42に加えて、ロープ挟持機構32(固定ローラ32A、可動ローラ32B)に制動力を付与して繰出し抵抗力を調整するための制動力付与部(不図示)(例えば、回転軸33に連結されたブレーキ等)を制御部本体31内部に備えていてもよい。
第5実施形態に係る吊荷介錯装置100Dによれば、繰出し制御部30Dの構成は繰出し制御部30に比べて簡単でありドラム20Dに直接張力が作用することがなく、また、ガイドローラ38にロープLを安定して導くことができる。
また、固定ローラ32A、可動ローラ32Bを同期させて回転させることで、ロープLをさらに安定して繰り出すことができる。
<第6実施形態>
以下、図12~図15を参照して、本発明の第6実施形態について説明する。
まず、図12、図13を参照して第6実施形態に係る吊荷介錯装置について説明する。
図12、図13は第6実施形態に係る吊荷介錯装置の概略構成の一例を説明する図であり、図12は本発明の第6実施形態に係る吊荷介錯装置の概略構成の一例を説明する斜視図であり、図13は吊荷介錯装置の概略構成を説明するブロック図である。図において、符号200は吊荷介錯装置を、符号50は重量台車(台車)を示している。
吊荷介錯装置200は、図12に示すように、例えば、重量台車(台車)50と、重量台車(台車)50の上部に配置されたドラム20と、ドラム20に巻回されたロープLと、ドラム20から繰り出されるロープLに繰出し抵抗力を付与する繰出し制御部30と、繰出し抵抗力調整部40と、制御システム60とを備えている。
吊荷介錯装置200が第1実施形態に係る吊荷介錯装置100と異なるのは、重量基台(基台)10に代えて重量台車(台車)50を備えている点であり、その他は第1実施形態と同様であるので同じ符号を付して説明を省略する。
重量台車(台車)50は、図12に示すように、例えば、重量基台(基台)10と、重量基台(基台)10を搭載する台車本体52とを備えている。
重量基台(基台)10は、第1実施形態と同様のものを用いることができる。
この実施形態では、台車本体52は、例えば、移動手段として無限軌道を備えている。
なお、無限軌道に代えて、車輪による移動手段を備えていてもよい。
制御システム60は、図13に示すように、例えば、位置センサ62a、62b(62)と、操作部64と、制御部66と、台車本体52の駆動部(不図示)とを備えている。
位置センサ62a、62b(62)は、例えば、GPS信号を受信して制御部66に吊荷第一端部Waの位置情報信号、吊荷第二端部Wbの位置情報信号を送信する。
操作部64は、向きを変えた後における吊荷Wの位置及び向き(例えば、方位)と繰出し抵抗力の調整限度を入力する。
ここで、吊荷Wの位置は任意に設定してもよく、吊荷第一端部Wa、吊荷第二端部Wbの位置、吊荷Wの回動中心の位置や他のパラメーターで入力してもよい。
台車制御部66は、位置センサ62a、62b(62)から受信した吊荷第一端部Waの位置情報信号、吊荷第二端部Wbの位置情報信号に基づいて、吊荷第一端部Wa、吊荷第二端部Wbの位置及び吊荷Wの向き(例えば、方位)を算出する。
また、台車制御部66は、操作部64から入力した、回動させて変更した後における吊荷Wの位置及び向きと、現在の吊荷第一端部Wa、吊荷第二端部Wbの位置及び吊荷Wの向きとを対比して、回動させて変更した後における重量台車50a、50bの位置及びロープLa、Lbの繰出し長さを算出する。そして、ロープLa、Lbをその繰出し長さにするために適した繰出し制御部30a、30bの繰出し抵抗力を算出する。
そして、重量台車(台車)50a、50bの駆動部に台車移動信号を送信して重量台車50を移動させる。
また、繰出し制御部30a、30bに繰出し抵抗力設定信号を送信して繰出し抵抗力を設定する。
なお、繰出し制御部30a、30bの繰出し抵抗力を操作部64から入力する構成としてもよい。
次に、図14、図15を参照して、第6実施形態に係る吊荷介錯方法の一例について説明する。
図14は、第6実施形態に係る通常状態および移動中の吊荷の向きを変更する吊荷介錯方法の一例を概念的に説明するフローチャートであり、図15は吊荷介錯方法の一例を説明する斜視図である。
まず、重量台車(台車)50を移動させずに吊荷介錯装置200を停止させて行う通常状態の吊荷介錯方法について説明する。
吊荷介錯装置200を停止させて通常状態の吊荷介錯を行う場合は、第1実施形態及び第1実施形態の変形例に係る吊荷介錯方法と同様であるので説明を省略する。
なお、吊荷介錯準備時に重量台車(台車)50を駆動して吊荷介錯装置を移動させてもよいし、吊荷介錯開始時にロープに張力を生じさせる際に、クレーンCによる吊荷Wの移動に加えて、または吊荷Wの移動に代えて重量台車(台車)50を移動させてもよい。
次に、重量台車(台車)50を駆動して吊荷介錯装置200を移動させて吊荷介錯する場合について説明する。
なお、第1実施形態に係る〔吊荷介錯方法の実施手順〕で示した(1)吊荷介錯装置の配置、(2)繰出し抵抗力の設定、(3)吊荷WへのロープLの接続は同様であるので説明を省略する。
(1)まず、図14に示すように、台車制御部66が位置センサ62a、62b(62)の吊荷第一端部Waの位置情報信号、吊荷第二端部Wbの位置情報信号に基づいて、吊荷第一端Wa、吊荷第二端Wbの位置及び吊荷Wの向きを算出し監視する(S201)。
(2)次に、概ね等しく張力Ta、Tb(T)を生じさせたロープLのうち、少なくとも吊荷Wからより大きく離れる側に移動する吊荷介錯装置200(200a、200b)の繰出し抵抗を相対的に大きくする。このとき一方の吊荷介錯装置200の繰出し抵抗力を増加してもよいし、両方の吊荷介錯装置200の繰出し抵抗力を増加してもよい。また吊荷Wから相対的に離れない側の吊荷介錯装置200(200a、200b)の繰出し抵抗を小さく設定してもよい(S202)。
(3)次いで、クレーンCにより吊荷Wを矢印S方向に移動させるとともに、少なくとも吊荷介錯装置200(200a、200b)のうち一方の重量台車50を駆動して矢印V方向に移動させる(S203)。
このとき、台車制御部66は、クレーンの移動及び吊荷介錯装置200(200a、200b)によって変化した吊荷第一端部Wa、吊荷第二端部Wbの位置及び吊荷Wの向きを併せて監視する。
その結果、図15に示すように、例えば、吊荷介錯装置200aの繰出し抵抗力を相対的に大きくしてクレーンCを矢印S方向に移動させると、ロープLaの張力Ta>ロープLbの張力Tbになるので、ロープLaの繰出しが遅れてロープLbがロープLaより大きく繰り出される。そして、吊荷介錯装置200aを矢印V方向に移動させると、ロープLaが接続された吊荷の端部Waが引き寄せられることで吊荷Wが位置を変化させて移動(運搬)されるとともに吊荷Wが矢印R方向に回動されて向きが変化する。
次いで、台車制御部66が、吊荷Wが所定の位置及び向きに変わったのを検知したらクレーンC及び吊荷介錯装置200aの重量台車50の移動を停止する(S204)。
次いで、必要に応じて、繰出し抵抗力を元の設定値に戻す(S205)。
なお、S203において、ロープLが緩んで張力Tが失われない範囲で、吊荷介錯装置200(200a、200b)の一方を矢印V方向または矢印Vの反対向きに移動させてもよい。
また、クレーンCの速度よりも遅い速度で移動させることで吊荷介錯装置200(200a、200b)の一方または双方をクレーンCの移動方向と同じ矢印S方向側に移動させてもよい。
第6実施形態に係る吊荷介錯方法及び吊荷介錯装置200によれば、制御システム60により吊荷介錯装置200(200a、200b)の位置を制御することが可能とされるので、クレーンCと吊荷介錯装置200(200a、200b)の少なくとも一方を移動させて吊荷Wの位置及び向きを変えることができる。
次に、図16、図17を参照して、第6実施形態の変形例に係る吊荷介錯方法について説明する。
図16は、第6実施形態に係る停止中の吊荷の向きを変更する吊荷介錯方法の一例を示すフローチャートであり、図17は吊荷介錯方法の変形例を説明する斜視図である。
第6実施形態の変形例に係る吊荷介錯方法では、吊荷停止中の吊荷の向きを変更することから、吊荷Wの吊上げ移動及び水平移動は行わないのでクレーンは停止する。
そして、繰出し抵抗力調整部40により概ね等しく張力Ta、Tb(T)を生じさせたロープLのうち、吊荷Wからより大きく離れる側に移動する吊荷介錯装置200(200a、200b)の繰出し抵抗力が相対的に大きくなるように、少なくとも一方の吊荷介錯装置200の繰出し抵抗力を増加する(S301)。
次に、図17に示すように、少なくとも吊荷Wからより大きく離れる側の吊荷介錯装置200の重量台車(台車)50を駆動して吊荷介錯装置200を移動する(S302)。
図17は、吊荷介錯装置200aの繰出し抵抗力を増加して吊荷介錯装置200aの重量台車(台車)50を矢印Va(V)方向に移動させる例を示している。
このとき、移動する吊荷介錯装置とロープLaで接続された吊荷の第一端部Waは矢印Va(V)方向に引き寄せられ、第二端部Wbは接続されたロープLbが繰出されつつ矢印Va(V)と反対方向に移動する。 その結果、図17に示すように、吊荷Wは矢印R方向に回動される。
次いで、吊荷Wが所定の向きに変わったら吊荷介錯装置200aの重量台車(台車)50の移動を停止する(S303)。
次いで、繰出し抵抗力を元の設定値に戻す(S304)。
なお、必要に応じて繰出し抵抗力を元の設定値よりも大きく設定してブレーキをかけてもよい。
第6実施形態に係る吊荷介錯方法、吊荷介錯装置200によれば、吊荷Wの第一端部Wa側と第二端部Wb側にロープLa、Lbを接続して、それぞれ釣り合う張力Ta、Tbを安定して生じさせることが可能であるので、吊荷Wに張力Tより小さな外乱力Fdが作用しても、外乱力Fdを打ち消すように張力Ta、Tbが変化することができ、吊荷Wに回動運動(揺動)が生じるのを抑制することができる。
第6実施形態の変形例に係る吊荷介錯方法によれば、ロープLa、Lbに生じる張力Ta、Tbに差異を生じさせて、一方の張力Tを相対的に大きくして少なくとも一方の重量台車50を移動させることで、ロープLの繰出し量が調整されて吊荷Wを停止させたままで吊荷Wの向きを変えることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更をすることが可能である。
例えば、上記実施形態においては、ロープLが繊維ロープである場合について説明したが、繊維ロープに限定されず、例えば、ワイヤロープや他の形式のロープを適用してもよい。
また、上記第1、第2、第5、第6実施形態においては、吊荷介錯装置100、100Aが繰出し抵抗力調整部40を備える場合について説明したが、繰出し抵抗力調整部40を備えるかどうかは任意に設定してもよい。また、繰出し抵抗力調整部40の構成は任意に設定してもよい。
例えば、繰出し制御部30がパウダークラッチ(電磁クラッチ)42を備える場合について説明したが、パウダークラッチ42に代えて他の形式の電磁クラッチを適用してもよいし、電磁クラッチに代えて流体クラッチを備える構成としてもよい。
また、上記第2、第6実施形態において抵抗力調整部40を適用するかどうかは任意に設定してもよく、例えば、繰出し抵抗力調整部40に代えて、繰出し抵抗力調整部40B、繰出し抵抗力調整部40Cを適用してもよい。
また、上記実施形態においては、繰出し制御部30が、繰出し抵抗力調整部40に配置された制動力付与部(不図示)により繰出し抵抗力を調整、付与する場合について説明したが、繰出し抵抗力調整部40に配置された制動力付与部(不図示)とともに又は繰出し抵抗力調整部40に配置された制動力付与部(不図示)に代えて、ロープ挟持機構32(固定ローラ32A、可動ローラ32B)に制御部本体31等に配置された制動力付与部(不図示)によって制動力を付与して繰出し抵抗力を調整してもよく、繰出し制御部30の構成は任意に設定してもよい。
また、上記実施形態においては、ロープLに生じる張力Tを吊荷重量に対して0.1%以上1.0%以下に設定する場合について説明したが、それぞれのロープに生じさせる張力Tは任意に設定してもよい。例えば、吊荷に与える力よりも小さく、かつ外乱力よりも大きくなるように対応させて設定してもよいし、ロープに常に張力が生じるように設定してもよい。
また、上記実施形態においては、吊荷の両端部に対応する吊荷介錯装置を個別に配置する場合について説明したが、1台の基台あるいは台車を共有して吊荷両端部の介錯をしてもよい。
この発明に係る吊荷介錯方法及び吊荷介錯装置によれば、吊荷の移動によりロープに自ずと張力を生じさせて、懸架された吊荷に外乱力による回動が生じるのを簡単な構成により安定して抑制することができるので産業上利用可能である。
L、La、Lb ロープ
L0 (ロープの)一方端
Oc 回動軸線
O1 ドラム軸線
T、Ta、Tb、T2、T3 張力
F0、F1、F2、F3 操作力のロープに沿った分力(成分)
Fd 外乱力のロープに沿った分力(成分)
W 吊荷
Wa (吊荷の)第一端部
Wb (吊荷の)第二端部
100、100A、100D、200 吊荷介錯装置
10 重量基台(基台)
20、20D ドラム
25 減速機
30、30A、30B、30C、30D 繰出し制御部
32 ロープ挟持機構
32A 固定ローラ(挟持ロール)
32B 可動ローラ(挟持ロール)
33 回転軸
38 ガイドローラ
40、40B、40C、40D 繰出し抵抗力調整部
42 パウダークラッチ(電磁クラッチ)(制動力付与部、繰出し抵抗力調整部)
42S 出力軸
44 繰出し抵抗力操作部
45 ブレーキシュー(制動力付与部)
45A ブレーキシュー操作レバー(繰出し抵抗力調整部)
46 ブレーキディスク(制動力付与部)
47 ブレーキパッド(制動力付与部)
47A キャリパー(繰出し抵抗力調整部)
50 重量台車(台車)
52 重量台車本体
60 制御システム
62、62a、62b 位置センサ
64 操作部
66 台車制御部

Claims (5)

  1. 懸下された長尺な吊荷に外乱力による回動が生じるのを抑制する吊荷介錯方法であって、
    前記吊荷に外乱力が作用した場合に生じる回動中心を挟んで両側に位置される前記吊荷の第一端部と第二端部のそれぞれに対応させて吊荷介錯装置を配置し、
    前記第一端部と対応する吊荷介錯装置から伸びるロープの一方端を前記第一端部と接続するとともに前記第二端部と対応する吊荷介錯装置のロープの一方端を前記第二端部と接続して、
    前記ロープを繰込む動力を備えることなく、前記ロープの繰出しに対して前記吊荷の重量の0.1%~1%の範囲の張力を付与するように制動力付与部によって、前記吊荷に外乱力が作用していない介錯開始段階から、前記第一端部と接続したロープと前記第二端部と接続したロープに繰出し抵抗力をそれぞれ付与ることを特徴とする吊荷介錯方法。
  2. 請求項1に記載の吊荷介錯方法において、
    前記第一端部に接続されたロープの繰出し抵抗力と前記第二端部に接続されたロープの繰出し抵抗力の少なくともいずれか一方を調整することにより、
    前記吊荷を移動する際に前記ロープ同士の張力に差異を生じさせて、
    前記吊荷の回動中心周りの向きを変えることを特徴とする吊荷介錯方法。
  3. 請求項1から請求項2のいずれか一項に記載の吊荷介錯方法において、
    軸線周りに回転可能とされたドラムと、
    前記ドラムに巻回され一端側に繰出し可能とされた前記ロープと、
    前記吊荷に外乱力が作用していない介錯開始段階から、前記繰出し抵抗力を前記ロープに付与する前記制動力付与部と、
    前記ドラムと前記制動力付与部と連結され、前記ロープの前記吊荷とは反対側を支持する基台と、
    を備える吊荷介錯装置を用いることを特徴とする吊荷介錯方法。
  4. 請求項3に記載の吊荷介錯方法であって、
    前記制動力付与部は、
    前記ロープを挟持する一対の挟持ロールに連結されていることを特徴とする吊荷介錯方法。
  5. 請求項3に記載の吊荷介錯方法であって、
    前記制動力付与部は、
    前記ドラムに接続されていることを特徴とする吊荷介錯方法。
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