JP7471933B2 - 建物設備評価装置及びプログラム - Google Patents
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Description
本発明は、建物設備評価装置及びプログラム、特に設備の改修の必要性に関する評価に関する。
ビル設備監視サービスを提供する会社は、ビル設備監視サービスを提供するビルに対し、省エネを目的に設備の改修を提案する場合がある。特にビルの空調設備や照明設備は、改修や現行設備の仕様によって省エネ効果が大きく変わるので、ビル毎に空調設備及び照明設備の改修の必要性を評価し、改修の必要性が高いと推測されるビルから優先的に設備の改修を提案したい。
そのためには、設備毎の消費電力量を情報として入手し、改修による省エネ効果を提示できるようにすることが望まれる。ただ、ビル全体の消費電力量は把握できるものの、設備毎の消費電力量まで把握することは困難な場合がある。ビルに設置されている全ての設備が記載されている図面を入手できれば、設備毎の消費電力量を推測することは可能かもしれないが、図面を入手できない場合は、現地に赴いて調査するなどの多大な手間がかかる。
そこで、従来では、ビル全体の消費電力量から設備毎の消費電力量を計算する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、従来においては、OA(Office Automation)機器の消費電力量が一定であるなどの仮定が前提となっていることから、建物の用途によっては、改修の必要性の指標となる設備毎の消費電力量が正しく推定できているとは限らない。このため、省エネを目的とした設備の改修の必要性を正しく評価できるとは限らない。
本発明は、省エネを目的とした設備の改修の必要性をより正しく評価できるようにすることを目的とする。
本発明に係る建物設備評価装置は、建物の規模を示す情報及び前記建物全体の所定期間における各日の消費電力量を含む建物情報を取得する建物情報取得手段と、前記建物の単位時間毎の所在人数を含む所在人数情報を取得する所在人数取得手段と、前記所在人数情報を参照して前記建物における評価対象とする設備以外の設備の各日の消費電力量を日別除外消費電力量として算出し、各日の消費電力量から当該日の日別除外消費電力量を減算することで前記評価対象とする設備により消費された消費電力量を日別消費電力量として推定する日別消費電力量推定手段と、前記建物情報及び前記日別消費電力量を用いて、前記所定期間における前記建物全体の消費電力量のうち、前記評価対象とする設備の消費電力量が占める割合を示す指標を算出する指標算出手段と、前記指標算出手段により算出された指標値を参照して前記評価対象とする設備の改修の必要性を評価する評価手段と、を有するものである。
また、前記指標算出手段は、前記建物が複数存在する場合、前記指標を建物毎に算出し、前記評価手段は、各建物の前記指標に基づき複数の建物それぞれの評価結果に優先順位を付けるものである。
また、前記日別消費電力量推定手段は、前記建物の単位時間毎の所在人数に、人数当たりのOA機器による消費電力量を示すOA機器係数を乗算することによって前記日別除外消費電力量を算出するものである。
また、前記日別消費電力量推定手段は、居住者と非居住者それぞれ設定されている前記OA機器係数を用いて前記建物の居住者と非居住者に分けて算出した消費電力量を合算して前記日別除外消費電力量を算出するものである。
また、前記日別消費電力量推定手段は、前記建物全体の所定期間に含まれる各日の消費電力量から、更に前記建物に人がいない状態でも消費される消費電力量を定常消費電力量として減算することで前記日別消費電力量を推定するものである。
また、前記指標算出手段は、前記評価対象とする設備が空調設備の場合、前記日別消費電力量の中から選出した最大値から前記日別消費電力量の最小値を減算した値を、前記建物の規模を示す情報で除算することで空調設備に関する前記指標を算出するものである。
また、前記指標算出手段は、前記空調設備が使用される期間の中から前記日別消費電力量の最大値を選出するものである。
また、前記指標算出手段は、前記空調設備が使用されない期間の中から前記日別消費電力量の最小値を選出するものである。
また、前記指標算出手段は、前記日別消費電力量の最大値又は最小値は、前記建物を使用する企業の営業日の中から選出するものである。
また、前記指標算出手段は、前記評価対象とする設備が照明設備の場合、前記日別消費電力量の中から選出した最小値に、各日の消費電力量のうち照明設備による消費電力量が示す割合によって定まる照明係数を乗算した値を、前記建物の規模を示す情報で除算することで照明設備に関する前記指標を算出するものである。
また、前記指標算出手段は、前記建物の単位時間当たりの所在人数を参照して前記照明係数を算出するものである。
本発明に係るプログラムは、コンピュータを、建物の規模を示す情報及び前記建物全体の所定期間における各日の消費電力量を含む建物情報を取得する建物情報取得手段、前記建物の単位時間毎の所在人数を含む所在人数情報を取得する所在人数取得手段、前記所在人数情報を参照して前記建物における評価対象とする設備以外の設備の各日の消費電力量を日別除外消費電力量として算出し、各日の消費電力量から当該日の日別除外消費電力量を減算することで前記評価対象とする設備により消費された消費電力量を日別消費電力量として推定する日別消費電力量推定手段、前記建物情報及び前記日別消費電力量を用いて、前記所定期間における前記建物全体の消費電力量のうち、前記評価対象とする設備の消費電力量が占める割合を示す指標を算出する指標算出手段、前記指標算出手段により算出された指標値を参照して前記評価対象とする設備の改修の必要性を評価する評価手段、として機能させるものである。
本発明によれば、省エネを目的とした設備の改修の必要性をより正しく評価することができる。
以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施の形態について説明する。本実施の形態におけるビル設備評価装置は、本発明に係る建物設備評価装置の一形態である。本実施の形態におけるビル設備評価装置は、主として建物の一形態であるビルに設置された設備の監視サービスを提供する会社によって使用され、監視サービス対象となる設備の評価に使用される。以降に説明する各実施の形態では、改修による省エネ効果が相対的に大きい空調設備及び照明設備を評価対象とする場合を例にして説明する。空調設備又は照明設備の少なくとも一方を評価対象としてもよいし、例えば昇降機等その他の設備を評価対象としてもよい。
また、空調設備及び照明設備に対する改修の必要性の評価結果に基づき空調設備及び照明設備を備えるビルを評価し、設備の改修の提案先となるビルに優先付けをすることになるので、以降の説明では、ビルが評価対象という場合もある。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態におけるビル設備評価装置を示すブロック構成図である。図2は、本実施の形態におけるビル設備評価装置を形成するコンピュータのハードウェア構成図である。本実施の形態におけるビル設備評価装置10は、パーソナルコンピュータ(PC)等の従前から存在する汎用的なハードウェア構成で実現できる。すなわち、ビル設備評価装置10は、図2に示すようにCPU1、ROM2、RAM3、記憶手段としてのハードディスクドライブ(HDD)4、通信手段として設けられたネットワークインタフェース(IF)5、マウスやキーボード等の入力手段及びディスプレイ等の表示手段を含むユーザインタフェース(UI)6を内部バス7に接続して構成される。
図1は、本実施の形態におけるビル設備評価装置を示すブロック構成図である。図2は、本実施の形態におけるビル設備評価装置を形成するコンピュータのハードウェア構成図である。本実施の形態におけるビル設備評価装置10は、パーソナルコンピュータ(PC)等の従前から存在する汎用的なハードウェア構成で実現できる。すなわち、ビル設備評価装置10は、図2に示すようにCPU1、ROM2、RAM3、記憶手段としてのハードディスクドライブ(HDD)4、通信手段として設けられたネットワークインタフェース(IF)5、マウスやキーボード等の入力手段及びディスプレイ等の表示手段を含むユーザインタフェース(UI)6を内部バス7に接続して構成される。
図1に戻り、本実施の形態におけるビル設備評価装置10は、ビル情報取得部11、所在人数算出部12、日別消費電力量推定部13、指標算出部14、評価部15、表示制御部16、ビル情報記憶部17及び所在人数情報記憶部18を有している。なお、本実施の形態の説明に用いない構成要素については、図から省略している。
本実施の形態におけるビル設備評価装置10は、社内のビル管理サーバ及び評価対象とする各ビルの入退管理システムとネットワーク(図示せず)を介して接続されている。ビル情報取得部11は、ビル管理サーバ又はビルを保有する顧客のシステム等からビル情報を取得する。取得したビル情報は、ビル情報記憶部17に記憶される。また、所在人数算出部12は、各ビルの入退管理システムから当該ビルの入退情報を取得し、当該ビルにおける所在人数を算出する。算出した所在人数を含む所在人数情報は、所在人数情報記憶部18に記憶される。本実施の形態では、単位時間毎、例えば1時間毎の所在人数を算出する。日別消費電力量推定部13は、所在人数情報及びビル情報を参照して、日別消費電力量を推定する。本実施の形態では、所定期間として過去1年間を想定して説明するので、日別消費電力量推定部13は、過去1年間における各日の消費電力量を日別消費電力量として推定する。指標算出部14は、ビル情報及び日別消費電力量を用いて、所定期間におけるビル全体の消費電力量のうち、評価対象とする設備の消費電力量が占める割合を示す指標を算出する。本実施の形態では、前述したようにビル設備のうち評価対象とする空調設備に対する指標(以下、「空調指標」)及び照明設備に対する指標(以下、「照明設備」)を算出する。評価部15は、指標算出部14により算出された指標値を参照して、評価対象とする設備の改修の必要性を評価、ひいては評価対象とする設備を備えるビルを評価する。表示制御部16は、評価部15による評価結果の表示を制御する。
図3は、本実施の形態におけるビル情報記憶部17に記憶されるビル情報のデータ構成例を示す図である。図3には、本実施の形態の説明において用いる情報項目のみ示している。ビル情報は、ビル情報取得部11により取得される、契約対象とするビルに関する情報である。ビル情報は、ビル基本情報、電力情報及びビル用途情報を含む。
図3(a)に示すビル基本情報は、ビルの使用や契約等に関する基本的な情報である。ビル基本情報は、ビルを識別する識別情報であるビル識別子に、当該ビルのビル用途及びビルの規模を示す情報として延床面積を対応付けして設定される。
図3(b)に示す電力情報は、ビル全体における各日の消費電力量を示す情報である。電力情報は、前述したビル識別子に、当該ビル全体で電力を消費した年月日及び当該日における消費電力量を対応付けして設定される。本実施の形態における「消費電力量」は、実際に消費(使用)された電力量を示し、ビルの受電点で計測された消費電力量である。消費電力量は、電力消費量や使用電力量と呼ばれることもある
図3(c)に示すビル用途情報は、設備監視サービスの提供会社が契約するビルに限らず、ビルに関する一般的な指標値等を含む。ビル用途情報は、OA機器係数及び照明係数を含む。OA機器係数は、人数当たりのOA機器による消費電力量を想定した係数であり、例えば「平成25年省エネルギー基準に準拠した算定・判断の方法及び解説 1 非住宅建築物(第2版)」等で定められた係数を用いてもよい。照明係数は、ビル用途毎に定められ、各日の消費電力量のうち照明設備による消費電力量が示す割合に応じて定まる係数である。
図4は、本実施の形態における所在人数情報記憶部18に記憶される所在人数情報のデータ構成例を示す図である。所在人数情報は、各ビルの単位時間毎の所在人数を示す情報である。所在人数情報は、前述したビル識別子に、所在人数を得る年月日及び時刻と、当該日時における所在人数を対応付けして設定される。本実施の形態では、単位時間が1時間と設定された場合を例にして説明するので、各ビルにおける所在人数情報は、1時間毎に得られる。本実施の形態では、所在人数を、直前の日時から所在人数情報に含まれる日時の間における平均人数を想定している。例えば、2020年4月1日の1時00分に対応する所在人数は、2020年4月1日の0時00分から同日1時00分までの間の平均人数である。もちろん、この例に限る必要はなく、例えば、図4に示す時刻の時点における所在人数を用いてもよい。
ビル設備評価装置10における各構成要素11~16は、ビル設備評価装置10を形成するコンピュータと、コンピュータに搭載されたCPU1で動作するプログラムとの協調動作により実現される。また、各記憶部17,18は、ビル設備評価装置10に搭載されたHDD4にて実現される。あるいは、RAM3又は外部にある記憶手段をネットワーク経由で利用してもよい。
また、本実施の形態で用いるプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD-ROMやUSBメモリ等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して提供することも可能である。通信手段や記録媒体から提供されたプログラムはコンピュータにインストールされ、コンピュータのCPUがプログラムを順次実行することで各種処理が実現される。
ビル設備監視サービスの提供会社は、設備の改修の必要性が高いと推測される設備を備えるビルから優先的に設備の改修を提案したい場合がある。本実施の形態においては、空調設備及び照明設備の改修の必要性を示す指標(すなわち、空調指標及び照明指標)をビル全体の消費電力量から導出し、導出した空調指標及び照明指標から空調設備及び照明設備の改修の必要性を評価し、ひいてはビルを評価することを特徴としている。以下、設備の改修の必要性に応じてビルを評価するビル評価処理について図5に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、ビル情報取得部11は、図4に示すビル情報を、評価対象とするビルを保有する顧客や社内のビル管理サーバ等から取得し、ビル情報記憶部17に保存する(ステップ101)。続いて、所在人数算出部12は、評価対象とする各ビルの入退管理システムから当該ビルに入退館に関する入退情報を取得する(ステップ102)。入退情報は、一般に、いつ誰が入館若しくは退館したかの記録を含んでいるので、所在人数算出部12は、単位時間毎に入館者数及び退館者数を集計することで図4に示す所在人数を算出し(ステップ103)、算出した所在人数に対応する時間情報を付加して所在人数情報記憶部18に保存する。
本実施の形態では、所定期間として過去1年間のデータを参照してビルを評価するので、電力情報及び所在人数情報は、過去1年分の実績データを含む。なお、前述したビル情報取得部11及び所在人数算出部12が実施する処理は、逆の順番でもよいし、同時並行して実施されてもよい。
続いて、日別消費電力量推定部13は、評価対象とする各ビルに対して以下に説明する処理を実施する。まず、日別消費電力量推定部13は、評価対象とするビルの中から処理対象としていないビルを選出する(ステップ104)。そして、日別消費電力量推定部13は、次のようにして日別除外消費電力量を算出する(ステップ105)。
前述したように、本実施の形態では、空調設備及び照明設備を改修の必要性の評価対象としているので、「除外消費電力量」というのは、空調設備及び照明設備における消費電力量を推定する際に、電力情報に含まれる各日の消費電力量から除外したい消費電力量のことをいう。「日別除外消費電力量」というのは、所定期間(過去1年間)における各日における除外消費電力量を意味する。除外消費電力量に含まれるのは、主として電話、コンピュータ、コピー、ファクシミリなどのOA機器による消費電力量である。本実施の形態においては、OA機器による消費電力量(以下、「OA機器消費電力量」)によって除外消費電力量が構成されると仮定して説明する。
各日のOA機器消費電力量(以下、「日別OA機器消費電力量」)は、当該日の各単位時間における所在人数とOA機器係数との乗算の総和により算出される。つまり、OA機器消費電力量は、所在人数に応じて変動するという考えに基づいている。前述したように、本実施の形態で、1時間毎に所在人数を得ているので、所在人数情報を参照して各時間における所在人数(24データ分)それぞれにOA機器係数を乗算することになる。なお、所在人数と乗算されるOA機器係数は、図3(c)に示すようにビル用途毎に設定されているが、処理対象のビルのビル用途は、図3(a)に示すビル基本情報を参照することで得られる。
本実施の形態における日別OA機器消費電力量は、空調設備及び照明設備以外の設備(本実施の形態では、OA機器)によって消費される電力量なので、図3(b)に示す処理対象のビルにおける各日の消費電力量から当該日の日別OA機器消費電力量を減算することによって、当該日において評価対象とする空調設備及び照明設備による消費電力量を含む日別消費電力量が得られる。日別消費電力量推定部13は、このように各日の消費電力量から当該日の日別除外消費電力量(本実施の形態においては、日別OA機器消費電力量)を減算することで得られる算出結果を、当該日における日別消費電力量と推定する(ステップ106)。本実施の形態では、各日の消費電力量から当該日の日別除外消費電力量を減算することで得られる当該日の消費電力量を、上記のように「日別消費電力量」と称することにする。日別消費電力量推定部13は、以上のようにして過去1年間、すなわち過去365(あるいは366)日分の日別消費電力量を推定する。
続いて、指標算出部14は、空調指標及び照明指標を算出することになるが、そのために、まず日別消費電力量推定部13が算出した過去1年間の日別消費電力量の中から最大値及び最小値となる日別消費電力量を選出する(ステップ107)。そして、次の式にて空調指標及び照明指標を算出する(ステップ108)
空調指標=(日別消費電力量の最大値-日別消費電力量の最小値)/延床面積
照明指標=(日別消費電力量の最小値×照明係数)/延床面積
上記式において、延床面積はビル基本情報から得られる。処理対象のビルのビル基本情報から当該ビルのビル用途が特定できるので、照明係数は、ビル用途情報を参照することで得られる。
ところで、ビル全体の消費電力量に対する空調設備における消費電力量が示す割合は、相対的に大きいと考えられる。日別消費電力量は、空調設備及び照明設備における消費電力量を含む各日の消費電力量であるが、ここで、夏期及び冬期以外の中間期には空調設備が使用されない、若しくは無視できるほどの消費電力量であると仮定すると、中間期におけるいずれかの日の日別消費電力量の中から日別消費電力量の最小値が選出されると推測できる。この日別消費電力量の最小値は、主として照明設備の消費電力量である。従って、日別消費電力量の最小値に照明係数を乗算して、延床面積で除算することで算出される面積当たりの照明設備における平均的な消費電力量を照明指標として算出する。
一方、中間期以外の夏期及び冬期には、空調設備が相対的に多く使用されることになるので、夏期及び冬期におけるいずれかの日の日別消費電力量の中から日別消費電力量の最大値が選出されると推測できる。そして、空調設備が使用されない中間期における日の中から日別消費電力量の最小値が選出されているので、日別消費電力量の最大値から日別消費電力量の最小値を減算した日別消費電力量は、空調設備における日別消費電力量と推測できる。この空調設備における日別消費電力量を延床面積で除算することで算出される面積当たりの空調設備における平均的な消費電力量を空調指標として算出する。
空調指標又は照明指標が示す指標値が相対的に大きいと言うことは、それだけ空調設備又は照明設備が電力を消費していることになる。この電力消費が設備の経年劣化や旧機種の継続使用等が原因によるものと推測すると、設備が改修されることによって消費電力量の削減が期待できる。そして、空調指標又は照明指標の指標値が大きいビルほど、設備が改修されることによって得られる省エネ効果が大きくなる。
以上説明した処理(ステップ104~108)を全ての評価対象とするビルに対して実施していない場合(ステップ109でN)、全ての評価対象とするビルに対して実施するよう上記処理を繰り返す。そして、全ての評価対象とするビルに対して上記処理を実施すると(ステップ109でY)、評価部15は、指標算出部14が算出した指標値を参照して、評価対象とする空調設備及び照明設備の改修の必要性を次のようにして評価する。
すなわち、全ての評価対象のビルに対して空調指標及び照明指標が算出されているので、評価部15は、各ビルにおける空調指標は基準空調指標と、照明指標は基準照明指標と、それぞれ比較する。基準空調指標及び基準照明指標は、各設備が改修の必要性があるかないかを判断するための閾値である。算出された空調指標又は照明指標の少なくとも一方が、対応する閾値以上の場合、当該設備は改修の必要性があるため、当該設備を備えるビルは、設備の改修の提案先として選出される。
図6は、評価部15によるビルの評価結果の一例を示す図である。図6には、優先順位に、ビル、指標合計、空調指標及び照明指標が対応付けされている例が示されている。空調指標及び照明指標は、指標算出部14による当該ビルに対する算出結果である。指標値合計は、空調指標及び照明指標の合計値であり、ビルに対する評価結果に相当する。ビルは、指標値合計に紐付くビルのビル識別子である。そして、各ビルには、評価結果に応じて優先順位が付けられる。つまり、評価部15は、図6に示すように、指標値合計の大きい順に各ビルに対して優先順位を付ける(ステップ110)。そして、表示制御部16は、評価部15により優先付けられたビルの評価結果をディスプレイに表示することによって、ビル設備監視サービスの提供会社における設備の改修を提案する業務担当者等に提示する(ステップ111)。なお、評価結果の出力先は、表示画面に限らず、ファイルに保存したり、ネットワークを介して送信したりしてもよい。
業務担当者は、図6に示す各ビルの評価結果を参照し、ビルの保有者に対し、優先順位の高い順に提案を行うのが効果的かつ効率的である。
なお、本実施の形態では、空調指標及び照明指標の合計値に基づき各ビルに優先順位を付けたが、これに限る必要はない。例えば、空調設備と照明設備とを別個に取り扱うようにしてもよい。すなわち、空調指標のみによってビルに優先順位を付けて、空調設備の改修について提案を行うようにしてもよい。同様に、照明指標のみによってビルに優先順位を付けて、照明設備の改修について提案を行うようにしてもよい。
また、図6には、空調指標及び照明指標を示したが、基準空調指標及び基準照明指標との差分を提示するようにしてもよい。これにより、設備の改修の必要性の程度が判断しやすくなる。
実施の形態2.
上記実施の形態1では、空調設備の運転期間(つまり、空調設備が使用される夏期及び冬期)の中から日別消費電力量の最大値が選出され、空調設備の停止期間(つまり、中間期)の中から日別消費電力量の最小値が選出されると説明した。ただ、例えば、空調設備が使用されない中間期にビル内において設備のメンテナンスや工事等が行われることによって中間期における消費電力量が増加してしまう可能性がある。そうすると、空調設備の運転期間ではなく中間期の中から日別消費電力量の最大値が選出されてしまう可能性が生じてくる。同様に、空調設備の運転期間に故障等が原因で空調設備が使用できなくなり、このため、中間期ではなく空調設備の運転期間の中から日別消費電力量の最小値が選出されてしまう可能性が生じてくる。このような設備が正常に運用されていない日から日別消費電力量の最大値及び最小値が選出されてしまうのは好ましくない。
上記実施の形態1では、空調設備の運転期間(つまり、空調設備が使用される夏期及び冬期)の中から日別消費電力量の最大値が選出され、空調設備の停止期間(つまり、中間期)の中から日別消費電力量の最小値が選出されると説明した。ただ、例えば、空調設備が使用されない中間期にビル内において設備のメンテナンスや工事等が行われることによって中間期における消費電力量が増加してしまう可能性がある。そうすると、空調設備の運転期間ではなく中間期の中から日別消費電力量の最大値が選出されてしまう可能性が生じてくる。同様に、空調設備の運転期間に故障等が原因で空調設備が使用できなくなり、このため、中間期ではなく空調設備の運転期間の中から日別消費電力量の最小値が選出されてしまう可能性が生じてくる。このような設備が正常に運用されていない日から日別消費電力量の最大値及び最小値が選出されてしまうのは好ましくない。
そこで、本実施の形態においては、空調設備が使用される夏期及び冬期に該当する期間及び空調設備が使用されない中間期に該当する期間をそれぞれ予め定めておく。この場合、1年間は、空調設備が使用される期間、空調設備が使用されない期間、双方の期間に属さない期間に分類される。なお、双方の期間に属さない期間を必ずしも設けなくてもよい。そして、指標算出部14は、空調設備が使用される期間の中から日別消費電力量の最大値を選出する。また、指標算出部14は、空調設備が使用されない期間の中から日別消費電力量の最小値を選出する。このように、日別消費電力量の最大値及び最小値が本来選出されるべき期間を予め特定しておくことで、通常でない電力の使用によって日別消費電力量の最大値及び最小値が選出されることを回避することができる。
また、上記実施の形態1では、図5に示すステップ107において、過去1年間の日別消費電力量の中から最大値及び最小値を選出しているが、空調設備が使用される期間と空調設備が使用されない期間を予め設定しておけば、上記2期間に含まれない期間においては、ステップ105,106の処理を省略することができる。
なお、本実施の形態におけるビル設備評価装置10は、実施の形態1と同じでよい。また、ビル評価処理も、基本的には図5に示す実施の形態1と同じでよい。ただ、ステップ107における日別消費電力量の最大値及び最小値の選出方法が実施の形態1と異なる。
実施の形態3.
ビルでは、人が全くいないことから空調設備や照明設備が使用されていない状態であっても、24時間運転する設備等によって電力が定常的に消費される場合がある。上記実施の形態1では、評価対象とする空調設備及び照明設備以外の設備であるOA機器における消費電力量を除外消費電力量とした。本実施の形態では、空調設備や照明設備が使用されていない状態において定常的に消費される電力量を除外消費電力量に含めることによって空調指標及び照明指標の算出精度を向上させるようにした。
ビルでは、人が全くいないことから空調設備や照明設備が使用されていない状態であっても、24時間運転する設備等によって電力が定常的に消費される場合がある。上記実施の形態1では、評価対象とする空調設備及び照明設備以外の設備であるOA機器における消費電力量を除外消費電力量とした。本実施の形態では、空調設備や照明設備が使用されていない状態において定常的に消費される電力量を除外消費電力量に含めることによって空調指標及び照明指標の算出精度を向上させるようにした。
本実施の形態におけるビル設備評価装置10は、実施の形態1と同じでよい。ただ、本実施の形態では、単位時間毎の消費電力量が必要となるので、図7に示すように、ビル情報記憶部17に記憶される電力情報において、日別ではなく日別かつ単位時間毎の消費電力量を取得しておく必要がある。消費電力量を取得する単位時間は、所在人数情報と同様に1時間とする。また、本実施の形態におけるビル評価処理は、図5に示す実施の形態1と同じでよい。ただ、ステップ105における処理に、図8を用いて説明する以下の処理が加わる。以下、本実施の形態において定常的に消費される電力量(以下、「定常消費電力量」という)を算出する処理について図8に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、日別消費電力量推定部13は、所在人数情報を参照して、所定期間(過去1年間)の中からが全くいない時間帯、つまり所在人数が0人の期間を抽出する(ステップ121)。この抽出した期間は、所在する人によって空調設備及び照明設備が使用されていない期間に相当する。
続いて、日別消費電力量推定部13は、抽出した期間の中から消費電力量が0Kwhでない期間を抽出する(ステップ122)。ここで抽出した期間は、ビルに人が全くいないのにもかかわらず電力が定常的に消費されている期間である。従って、ここで抽出した期間における消費電力量から定常消費電力量を推定することができる。
例えば、日別消費電力量推定部13は、ステップ122において抽出した期間における消費電力量の平均値を計算する。そして、この平均値を定常消費電力量として採用する(ステップ123)。なお、定常消費電力量は、日に関係なく定常的に消費される電力量を意味するので、各日とも定常消費電力量は同値となる。
以上のようにして定常消費電力量を推定すると、日別消費電力量推定部13は、日別OA機器消費電力量に定常消費電力量を加算することで日別除外消費電力量を算出する。そして、日別消費電力量推定部13は、電力情報に含まれている日別単位時間別の消費電力量を集計して求めた各日の消費電力量から、算出した日別除外消費電力量を減算することで日別消費電力量を算出する。
本実施の形態によれば、電力情報から求められる各日の消費電力量から、日別OA機器消費電力量に加えて定常消費電力量を減算することによって空調指標及び照明指標の算出精度を向上させることができる。
なお、以上説明したように、本実施の形態では、所在人数が0人の期間を抽出し(ステップ121)、その抽出した期間の中から消費電力量が0Kwhでない期間を更に抽出し(ステップ122)、消費電力量の平均を定常消費電力量とした(ステップ123)。ただ、定常消費電力量の算出は、上記説明した方法に限る必要はない。例えば、定常的に消費される電力量を求めるのだから、本来消費電力量が0Kwhとなることはない。仮に0Kwhとなっていたならば、0Kwhと測定された単位時間における消費電力量が以降の時間において反映され、つまり、加算されることで以降の時間における消費電力量が大きくなると考えられる。例えば、計測機器の仕様により消費電力量が1Kwh単位で計測される場合において、ある期間の実際の消費電力量が0.9Kwhの場合、記録上の消費電力量は0Kwhとなる。次の期間の実際の消費電力量が1.1Kwhの場合、当該期間における記録上の消費電力量は1Kwhとなるべきところ、直前の期間の消費電力量(0.9Kwh)が反映されて2Kwhとなる。このような場合を考慮すると、消費電力量が0Kwhでない期間を抽出せずに消費電力量の平均を求めて定常消費電力量としてもよい。
実施の形態4.
上記実施の形態1では、OA機器消費電力量は、所在人数に応じて変動するという考えに基づき、各単位時間における所在人数とOA機器係数とを乗算した値を日毎に総和することで日別OA機器消費電力量を算出している。OA機器係数は、人数当たりのOA機器による消費電力量を想定した係数であるが、所在する人の種別にかかわらず同じ値を用いている。
上記実施の形態1では、OA機器消費電力量は、所在人数に応じて変動するという考えに基づき、各単位時間における所在人数とOA機器係数とを乗算した値を日毎に総和することで日別OA機器消費電力量を算出している。OA機器係数は、人数当たりのOA機器による消費電力量を想定した係数であるが、所在する人の種別にかかわらず同じ値を用いている。
ところで、ビルには、ビルで従事する居住者のみならず、ビルに訪問してくる訪問者(以下、「非居住者」という)も入退館する。この場合、ビルの居住者と非居住者とでは、ビルに設置されているOA機器の使用頻度が異なるため、OA機器の消費電力量は、ビルの所在人数が同じ場合でも、居住者と非居住者の比率によって異なってくると考えられる。
そこで、本実施の形態においては、居住者と非居住者に対して個別にOA機器係数を設定して、日別OA機器消費電力量の算出精度を向上させ、ひいては空調指標及び照明指標の精度を向上させることを特徴としている。
本実施の形態におけるビル設備評価装置10は、実施の形態1と同じでよい。ただ、本実施の形態では、ビルに所在している人を、居住者と非居住者に分類して取り扱うため、利用するデータ構成が実施の形態1と若干異なる。
図9は、本実施の形態におけるビル用途情報のデータ構成例を示す図である。実施の形態1において用いた図3(c)と比較すれば明らかなように、本実施の形態におけるビル用途情報に含まれるOA機器係数は、居住者用と非居住者用に分けて設定される。居住者用は、実施の形態1と同じ係数を用いる。非居住者用は、居住者に対してOA機器の使用頻度は少ないためOA機器の消費電力量は少なくなると考えられる。そこで、本実施の形態においては、居住者用の所定の割合を非居住者用として設定する。本実施の形態では、図9に示すように、居住者用の半分の値を非居住者用として設定する。もちろん、これは一例であり、例えばビル用途に応じて適切な値を設定すればよい。
図10は、本実施の形態における所在人数情報記憶部18に記憶される所在人数情報のデータ構成例を示す図である。実施の形態1において用いた図4と比較すれば明らかなように、本実施の形態における所在人数情報に含まれる所在人数は、居住者と非居住者に分けてカウントされている。なお、入退管理システムでは、ビルの利用者は、個々に携帯するICカードを、出入口に設置されているカードリーダに読み取らせる。これにより、ICカードに記録されている識別情報によって入館又は退館する人が識別され、居住者と非居住者が判別できる。
本実施の形態におけるビル評価処理は、図5に示す実施の形態1と同じでよい。ただ、ビルの所在者を居住者と非居住者に分けて取り扱うので、ステップ103及びステップ105における処理が若干異なる。
すなわち、ステップ103において、所在人数算出部12は、単位時間毎に入館者数及び退館者数を集計することで図4に示す所在人数を算出するが、この際、入退情報に含まれている入退館者の識別情報によって居住者と非居住者に分けて集計し、所在人数情報記憶部18に保存する。なお、所在人数算出部12は、入館者数及び退館者が居住者であるか、あるいは非居住者であるかを判別するための情報を入退管理システムから事前に取得しているか、居住者と非居住者を判別する情報が付加されて入退管理システムから情報を取得する。
また、ステップ105において、日別消費電力量推定部13は、日別OA機器消費電力量を算出する際、居住者と非居住者に分けて計算する、すなわち、居住者に関しては、当該日における各単位時間における居住者の所在人数と居住者用のOA機器係数との乗算の総和により居住者の日別OA機器消費電力量を算出する。一方、非居住者に関しては、当該日における各単位時間における非居住者の所在人数と非居住者用のOA機器係数との乗算の総和により非居住者の日別OA機器消費電力量を算出する。そして、居住者の日別OA機器消費電力量と非居住者の日別OA機器消費電力量を合算することで日別OA機器消費電力量を算出する。
以上説明したように、OA機器の使用頻度の異なる居住者と非居住者に分けて日別OA機器消費電力量を算出して合算するようにしたので、日別OA機器消費電力量を精度良く算出することができる。
実施の形態5.
上記実施の形態2では、日別消費電力量の最大値を空調設備が使用される期間から選出し、日別消費電力量の最小値を空調設備が使用されない期間から選出した。
上記実施の形態2では、日別消費電力量の最大値を空調設備が使用される期間から選出し、日別消費電力量の最小値を空調設備が使用されない期間から選出した。
ただ、日別消費電力量の最大値を選出する場合、空調設備が使用される期間であっても、例えば、ビルを使用する企業の営業日(「就業日」でもよい)でない日に、ビル内において設備のメンテナンスや工事等が行われることによって最大の電力量が消費されてしまう可能性がある。このように、通常の運用がされていない日における消費電力量が日別消費電力量の最大値として選出されてしまうのは好ましくない。日別消費電力量の最小値を選出する場合も同様で、空調設備が使用されない期間であっても、例えば、ビルを使用する企業の営業日でない日の電力の使用状況によって最小値が選出されるのは好ましくない。
そこで、本実施の形態においては、更に日別消費電力量の最大値及び最小値を、ビルを使用する企業の営業日の中から選出するようにすることを特徴とする。
なお、本実施の形態におけるビル設備評価装置10は、実施の形態1,2と同じでよい。また、ビル評価処理も、基本的には図5に示す実施の形態1と同じでよい。ただ、ステップ107における日別消費電力量の最大値及び最小値の選出方法が実施の形態1、2と異なる。
実施の形態6.
照明指標を算出する際に用いる照明係数は、各日の消費電力量のうち照明設備による消費電力量が示す割合に応じて定まる係数であり、上記実施の形態1では、ビル用途毎に予め定められている照明係数を用いて照明指標を算出していた。本実施の形態においては、ビルの照明環境に応じて照明係数をビル毎に算出することを特徴としている。
照明指標を算出する際に用いる照明係数は、各日の消費電力量のうち照明設備による消費電力量が示す割合に応じて定まる係数であり、上記実施の形態1では、ビル用途毎に予め定められている照明係数を用いて照明指標を算出していた。本実施の形態においては、ビルの照明環境に応じて照明係数をビル毎に算出することを特徴としている。
本実施の形態におけるビル設備評価装置10は、実施の形態1と同じでよい。また、ビルを評価する処理も実施の形態1と同じでよい。ただ、本実施の形態では、ステップ108において照明指標を算出する際に利用する照明係数を、上記の通り建物用途情報にて付与される値を用いるのではなく算出する。本実施の形態においては、照明係数を、以下の式にて算出する。
照明係数=照明器具の台数×照明器具の定格消費電力×単位時間×f(単位時間当たりの所在人数)
ここでは、照明器具の台数は、当該ビルにおいて当該単位時間内において使用されている照明器具の(平均)台数である。照明器具の定格消費電力は、使用されている照明器具における定格消費電力であり、管理上、既知の値[W]とする。照明器具の機種によって異なる場合もあるので、この場合は機種毎に分けて照明係数を算出し、平均を算出することで当該単位時間における照明係数とする。単位時間は、本実施の形態の場合、1時間である。fは、当該単位時間における所在人数を応じて0~1の値をとる関数である。詳細は、図11を用いて説明する。
図11に示すグラフは、横軸はビルの所在人数であり、縦軸は関数fの出力値である。図11では、関数fは、所在人数が0人のときは0、1人のときは0.3、1人から人数が増えるに連れ出力値が正比例的に増加し、n人に到達した以降は1を、それぞれ出力する関数であることを示している。nは、例えば、ビルにおいて照明器具が設置されている空間、例えば部屋について、各部屋の所在人数とビル全体の所在人数の比から、あるビルの所在者がその部屋の所在者である確率を示し、各部屋に少なくとも1人いる期待値をEとしたとき、Eを超える最小の自然数である。換言すると、関数fは、所在人数が0のときには照明設備は使用されていないため0を出力し、所在人数がn人のときには全ての照明設備が使用されているため1を出力する。0人からn人の間は、照明設備の使用状況に応じて0から1の間の値を出力する。
期待値Eは、例えば図12に示す計算式によって算出される。但し、xは、まだ所在者が入場していない部屋、ExはXに少なくとも1人いるようになるために必要なビルへの入場者数(の期待値)、pxはある入場者が部屋Xに入場する確率である。なお、期待値Eの求め方は、既存技術を利用してよい。また、本実施の形態では、シグモイド関数とステップ関数を合成したかたちで関数fを定義したが、これに限る必要はない。
照明係数は、単位時間毎に算出されるので、指標算出部14は、計算対象期間、本実施の形態では1年間分の照明係数の平均値を計算し、これを照明係数として照明指標を算出する。
本実施の形態によれば、ビルの用途毎ではなく各ビルの照明環境に依存した照明係数を用いて照明指標を算出するようにしたので、各ビルにおける照明指標の算出精度を向上させることができる。
上記各実施の形態において説明した内容は、適宜組み合わせて実施してもよい。
1 CPU、2 ROM、3 RAM、4 ハードディスクドライブ(HDD)、5 ネットワークインタフェース(IF)、6 ユーザインタフェース(UI)、7 内部バス、10 ビル設備評価装置、11 ビル情報取得部、12 所在人数算出部、13 日別消費電力量推定部、14 指標算出部、15 評価部、16 表示制御部、17 ビル情報記憶部、18 所在人数情報記憶部。
Claims (12)
- 建物の規模を示す情報及び前記建物全体の所定期間における各日の消費電力量を含む建物情報を取得する建物情報取得手段と、
前記建物の単位時間毎の所在人数を含む所在人数情報を取得する所在人数取得手段と、
前記所在人数情報を参照して前記建物における評価対象とする設備以外の設備の各日の消費電力量を日別除外消費電力量として算出し、各日の消費電力量から当該日の日別除外消費電力量を減算することで前記評価対象とする設備により消費された消費電力量を日別消費電力量として推定する日別消費電力量推定手段と、
前記建物情報及び前記日別消費電力量を用いて、前記所定期間における前記建物全体の消費電力量のうち、前記評価対象とする設備の消費電力量が占める割合を示す指標を算出する指標算出手段と、
前記指標算出手段により算出された指標値を参照して前記評価対象とする設備の改修の必要性を評価する評価手段と、
を有することを特徴とする建物設備評価装置。 - 前記指標算出手段は、前記建物が複数存在する場合、前記指標を建物毎に算出し、
前記評価手段は、各建物の前記指標に基づき複数の建物それぞれの評価結果に優先順位を付ける、
ことを特徴とする請求項1に記載の建物設備評価装置。 - 前記日別消費電力量推定手段は、前記建物の単位時間毎の所在人数に、人数当たりのOA機器による消費電力量を示すOA機器係数を乗算することによって前記日別除外消費電力量を算出することを特徴とする請求項2に記載の建物設備評価装置。
- 前記日別消費電力量推定手段は、居住者と非居住者それぞれ設定されている前記OA機器係数を用いて前記建物の居住者と非居住者に分けて算出した消費電力量を合算して前記日別除外消費電力量を算出することを特徴とする請求項3に記載の建物設備評価装置。
- 前記日別消費電力量推定手段は、前記建物全体の所定期間に含まれる各日の消費電力量から、更に前記建物に人がいない状態でも消費される消費電力量を定常消費電力量として減算することで前記日別消費電力量を推定することを特徴とする請求項3に記載の建物設備評価装置。
- 前記指標算出手段は、前記評価対象とする設備が空調設備の場合、前記日別消費電力量の中から選出した最大値から前記日別消費電力量の最小値を減算した値を、前記建物の規模を示す情報で除算することで空調設備に関する前記指標を算出することを特徴とする請求項1に記載の建物設備評価装置。
- 前記指標算出手段は、前記空調設備が使用される期間の中から前記日別消費電力量の最大値を選出することを特徴とする請求項6に記載の建物設備評価装置。
- 前記指標算出手段は、前記空調設備が使用されない期間の中から前記日別消費電力量の最小値を選出することを特徴とする請求項6に記載の建物設備評価装置。
- 前記指標算出手段は、前記日別消費電力量の最大値又は最小値は、前記建物を使用する企業の営業日の中から選出することを特徴とする請求項7又は8に記載の建物設備評価装置。
- 前記指標算出手段は、前記評価対象とする設備が照明設備の場合、前記日別消費電力量の中から選出した最小値に、各日の消費電力量のうち照明設備による消費電力量が示す割合によって定まる照明係数を乗算した値を、前記建物の規模を示す情報で除算することで照明設備に関する前記指標を算出することを特徴とする請求項1に記載の建物設備評価装置。
- 前記指標算出手段は、前記建物の単位時間当たりの所在人数を参照して前記照明係数を算出することを特徴とする請求項10に記載の建物設備評価装置。
- コンピュータを、
建物の規模を示す情報及び前記建物全体の所定期間における各日の消費電力量を含む建物情報を取得する建物情報取得手段、
前記建物の単位時間毎の所在人数を含む所在人数情報を取得する所在人数取得手段、
前記所在人数情報を参照して前記建物における評価対象とする設備以外の設備の各日の消費電力量を日別除外消費電力量として算出し、各日の消費電力量から当該日の日別除外消費電力量を減算することで前記評価対象とする設備により消費された消費電力量を日別消費電力量として推定する日別消費電力量推定手段、
前記建物情報及び前記日別消費電力量を用いて、前記所定期間における前記建物全体の消費電力量のうち、前記評価対象とする設備の消費電力量が占める割合を示す指標を算出する指標算出手段、
前記指標算出手段により算出された指標値を参照して前記評価対象とする設備の改修の必要性を評価する評価手段、
として機能させるためのプログラム。
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