次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態による洗浄水タンク装置及びそれを備えた水洗便器装置を説明する。
図1は本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置を備えた水洗便器装置全体を示す斜視図である。図2は本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置の概略構成を示す断面図である。図3は本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置に備えられた水圧駆動部及び排水弁の断面図である。図4は本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置において、図3のIV-IV線に沿う断面図である。
図1に示すように、本発明の第1実施形態による水洗便器装置1は、水洗便器である水洗便器本体2と、この水洗便器本体2の後部に載置された洗浄水タンク装置4とを備えている。本実施形態の水洗便器装置1は、使用後に、壁面に取り付けられたリモコン装置6を操作するか、便座に設けられた人体検知センサである人感センサ8が使用者の離座を検知した後、所定時間経過することにより、水洗便器本体2のボウル部2aの洗浄が行われるように構成されている。本実施形態による洗浄水タンク装置4は、リモコン装置6又は人感センサ8からの指示信号に基づいて、水洗便器本体2への洗浄水の供給を行うように構成され、より具体的には、内部に貯留されている洗浄水を水洗便器本体2に排出し、この洗浄水によりボウル部2aを洗浄するように構成されている。このように、水洗便器本体2は洗浄水タンク装置4から供給される洗浄水により洗浄される。
なお、本実施形態では人感センサ8は便座に設けられているが、本発明はこの形態に限るものではなく、使用者の着座、離座や接近、離脱、手をかざす動作を検知できる位置に設けられていればよく、例えば、水洗便器本体2や洗浄水タンク装置4に設けることもできる。また、人感センサ8は、使用者の着座、離座や接近、離脱、手をかざす動作を検知できるものであればよく、例えば、赤外線センサやマイクロ波センサを人感センサ8として使用することができる。
図2に示すように、洗浄水タンク装置4は、水洗便器本体2に供給すべき洗浄水を貯留する貯水タンク10と、この貯水タンク10に設けられた排水口10aを開閉するための排水弁12と、供給された水道水の給水圧を利用して排水弁12を駆動する排水弁水圧駆動部である水圧駆動部14と、を有する。さらに、洗浄水タンク装置4は、水圧駆動部14及び貯水タンク10内への給水を制御する給水制御装置18と、給水制御装置18に取り付けられた電磁弁20と、を貯水タンク10の内部に有する。
貯水タンク10は、水洗便器本体2に供給すべき洗浄水を貯留するように構成されたタンクであり、その底部には貯留した洗浄水を水洗便器本体2へ排出するための排水口10aが形成されている。また、貯水タンク10内において、排水口10aの下流側にはオーバーフロー管10bが接続されている。このオーバーフロー管10bは、排水口10aの近傍から垂直に立ち上がり、貯水タンク10内に貯留されている洗浄水の水面よりも上方まで延びている。従って、オーバーフロー管10bの上端から流入した洗浄水は、排水口10aをバイパスして、水洗便器本体2へ直接流出する。
次に、図2乃至図4を参照して、水圧駆動部及び排水弁の構造を説明する。図3は水圧駆動部14及び排水弁12の断面図であり、図4は、図3における切断面に対して直角な方向に切断した断面図である。
排水弁12は、排水口10aを開閉するように配置された直動式の弁体であり、棒状の弁軸12aと、その下端に取り付けられた弁体部12bから構成されている。排水弁12は、排水口10aを開閉することにより水洗便器本体2への洗浄水の供給、停止を行う。この排水弁12が鉛直方向に引き上げられることにより、排水口10aが開弁され、貯水タンク10内の洗浄水が水洗便器本体2に排出されて、ボウル部2aが洗浄される。
水圧駆動部14は、排水弁12の上方に設けられ、水道から供給された洗浄水の給水圧を利用して、排水弁12を駆動するように構成されている。具体的には、水圧駆動部14は、給水制御装置18(図2)から流入管24aを介して供給された洗浄水が流入するシリンダ14aと、このシリンダ14a内に摺動可能に配置されたピストン14bと、ピストン14bの第2の位置H2(図20参照)よりもシリンダ14aの端部側に設けられ、シリンダ14a内の洗浄水を流出させる排水口から延びると共に流出管24bが接続される接続部14oと、シリンダ14aの内部から外部まで延び、排水弁12と連結可能な駆動部材であるロッド15と、を備える。さらに、ロッド15はピストン14bに取り付けられ、このロッド15は、シリンダ14aの下端から突出して排水弁12に向けて延びている。また、ロッド15は、排水弁12の弁体部12bの中心から立ち上がる弁軸12aと同一直線上に位置するように配置されており、排水弁12とロッド15は同軸上に配置されている。
ピストン14bは、シリンダ14a内をピストン14bの手前側の圧力室14gと、ピストン14bの背側の背圧室14hとに区画し、さらに、ピストン14bは圧力室14gに流入した洗浄水の圧力により第1の位置H1から第2の位置H2(図20参照)に移動される。
ピストン14bの外周には弾性部材である環状のパッキン14eが取り付けられており、このパッキン14eは下側が開いた逆U字形断面に形成されている。さらに、パッキン14eは、弾性変形した状態でシリンダ14aの内壁面に接触され、シリンダ14aの内壁面とピストン14bの間の水密性が確保されている。また、ロッド15の下端と排水弁12の接続部には、クラッチ機構22が設けられており、このクラッチ機構22により、ロッド15と排水弁12が連結され、所定のタイミングでロッド15と排水弁12の連結が解除される。
シリンダ14aは、ほぼ円筒形の部材であり、その軸線が鉛直方向に向けて配置されると共に、内部にピストン14bを摺動可能に受け入れている。また、シリンダ14aは、下端から上方に向けて内径が連続的に僅かに拡大するようにテーパ状に形成されている。シリンダ14aは、シリンダ14aの遠位の端部側に向けて開口する筒状の第1部材14lと、第1部材14lと接続する筒状の第2部材14nであって、第2部材14nは、第1部材14lの開口を覆う蓋部を形成する第2部材14nと、を備えている。第1部材14lは、円筒状に形成されると共に概ね円形の底部を備えている。第2部材14nは、概ね円形の天井部を備えている。第1部材14lと第2部材14nとは水密に連結されている。また、図3に示すように、シリンダ14aの第1部材14lの下端部には、駆動部給水路である流入管24aが接続されており、給水制御装置18(図2)から流出した水がシリンダ14a内に流入するようになっている。このため、シリンダ14a内のピストン14bは、シリンダ14aに流入した水により押し上げられる。
一方、シリンダ14aの上部の第2部材14nには流出口が設けられている。接続部14oは、第2部材14nの流出口から延びている。接続部14oは、内面に螺合面を形成している。接続部14oは第2部材14nの天井壁に設けられる。流出部である流出管24bは、接続部14oに取付けられ、接続部14oの基部の流出口を介してシリンダ14aの内部と連通している。流出管24bは、シリンダ14a内の洗浄水を流出させるようになっている。従って、シリンダ14a下部に接続された流入管24aからシリンダ14a内に水が流入すると、ピストン14bは、流入した水の圧力により、第1の位置H1(図3参照)であるシリンダ14aの下部から上方の第2の位置H2(図20参照)へ押し上げられる。そして、シリンダ14aに流入した水は流出孔から流出管24bを通って流出する。即ち、ピストン14bは、水道水の圧力により、シリンダ14aの第1の位置H1から第2の位置H2へ移動される。流出管24bは、シリンダ14aにおいて、ピストン14bの第2の位置H2よりもさらにピストン14bの背面側(遠位側)の位置に設けられる。
上述のように流出管24bは、ピストン14bの第2の位置H2よりもさらにピストン14bの背面側(遠位側)の位置で接続部14oを介してシリンダ14aに接続されればよい。従って、接続部14oは、図3等に示すような第2部材14nのほぼ中央の位置に限られず、第2部材14nの天井壁の端部側や側壁等に設けられてもよい。また、接続部14oは、第2部材14nから特定の方向に延びて流出管24bと接続するように形成されていてもよい。このように接続部14oが端部側や側壁等に設けられる等して流出管24bの接続の位置や方向を特定することとなる場合、接続部14oが複数種類の方向のうち選択した方向、例えば第1部材14lに対して予め設定された4つの方向のうち選択した1つの方向、に向けられるように第2部材14nと第1部材14lとの取付け構造が形成される。このような取付け構造により第2部材14nが第1部材14lに対して複数の回転された位置において係止される。よって、接続部14oが所望の方向に向くように第2部材14nを取付けることができる。なお、第2部材14nが第1部材14lに対して複数の回転された位置において係止される場合においても、後述するように第2係合部92(図19参照)には複数のシリンダ側山形部分92aが形成され、第1係合部88には複数の山形部分88aが形成されており、第2部材14nが第1部材14lに対して回転されたそれぞれの位置において、第2係合部92と第1係合部88とが噛み合う(山形部分と谷形部分とが噛み合う)ように形成されている。また、このような構造を達成できるように第1部材14lと第2部材14nとは嵌合されて接続されているが、第2部材14nが第1部材14lに対して回転しないように構成される場合には、第1部材14lと第2部材14nとは溶着、接合等により接続されていてもよい。
また、図2に示すように、シリンダ14aから延びる流出管24bの先端部には流出管分岐部24cが設けられている。流出管分岐部24cにおいて分岐した流出管24bは、その一方が貯水タンク10内に水を流出させ、他方がオーバーフロー管10bの中に水を流出させるように構成されている。従って、シリンダ14aから流出した水の一部は、オーバーフロー管10bを通って水洗便器本体2に排出され、残りは貯水タンク10内に貯留される。なお、流出管24bの先端(流出開口部)は、所定水位L1よりも上方且つオーバーフロー管10bの頂部の高さにより規定されるオーバーフロー水位よりも上方に位置する。よって、流出管24bは、常に空気が吸入され得るように配置されている。従って、後述するように、ピストン14bがシリンダ14a内で第2の位置H2から第1の位置H1に向けて戻るときに、空気が流出管24bから吸入されることができ、ピストン14bがよりスムーズに移動しやすくされている。
図3及び図4に示すように、ロッド15は、棒状の部材であり、シリンダ14aの底面に形成された貫通孔14fを通って、シリンダ14aの中から下方に突出するように延びている。また、ロッド15の下端は、クラッチ機構22を介して排水弁12に連結されている。このため、シリンダ14aに水が流入してピストン14bが押し上げられると、ピストン14b又は後述する弁構成部材に接続されたロッド15が排水弁12を上方に吊り上げ、排水弁12が開弁される。
また、シリンダ14aの下方から突出するロッド15と、シリンダ14aの貫通孔14fの内壁との間には、隙間が設けられ、シリンダ14aの圧力室14gに流入した水の一部は、この隙間から流出する。隙間から流出した水は、貯水タンク10内に流入する。なお、この隙間は比較的流路断面積が狭く、流路抵抗が大きい。このため、隙間から水が流出する状態であっても、水勢が強い場合には、流入管24aからシリンダ14aに流入する水によりシリンダ14a内の圧力が上昇し、ピストン14bが押し上げられる。
さらに、ロッド15と排水弁12の弁軸12aの間には、クラッチ機構22が設けられている。クラッチ機構22は、排水弁12と水圧駆動部14のロッド15とを連結して水圧駆動部14の駆動力により排水弁12を引き上げる。クラッチ機構22は、排水弁12が所定の位置まで吊り上げられたとき、ロッド15の回転により、排水弁12の弁軸12aをロッド15から切り離すように構成されている。クラッチ機構22が切り離された状態では、排水弁12は、ピストン14b及びロッド15の動きに連動しなくなり、浮力に抵抗しながら重力により降下する。
また、図4に示すように、排水弁12の弁軸12aの近傍には、フロート機構である排水弁フロート機構26が設けられている。この排水弁フロート機構26は、ロッド15が所定距離吊り上げられ、クラッチ機構22により排水弁12が切り離された後、排水弁12が降下して、排水口10aを閉弁させるのを遅延させるように構成されている。具体的には、排水弁フロート機構26は、フロート部26aと、このフロート部26aと連動した係合部26bと、フロート部26aと係合部26bを連結するフロート軸26cを有する。排水弁フロート機構26は貯水タンク10内の水位に応じて作動される。排水弁フロート機構26は、クラッチ機構22の切断後に排水弁12と係合して排水弁12の降下を規制する保持姿勢と、排水弁12の降下を規制しない非保持姿勢とが切り替えられるように構成されている。
一方、排水弁12の弁軸12aには係合突起12cが設けられており、排水弁12が吊り上げられた状態では、係合突起12cは、排水弁フロート機構26の係合部26bよりも上方に位置する(なお、図4は排水弁12が降下した状態を示している)。吊り上げられた排水弁12がクラッチ機構22により切り離されると、降下してきた排水弁12の係合突起12cが、係合部26bと係合し、排水弁12の降下を阻止する。次いで、貯水タンク10内の水位低下と共にフロート部26aが下降し、貯水タンク10内の水位が所定水位まで低下すると、フロート部26aは係合部26bを、図4に想像線で示す解除位置まで回動させる。係合部26bが解除位置へ回動されると、係合部26bと係合突起12cの係合が解除される。係合が解除されることにより、排水弁12が降下して、排水口10aに着座する(図4に示す状態)。これにより、排水弁12の閉弁が遅延され、適正量の洗浄水が、排水口10aから排出されるようになっている。
一方、図2に示すように、給水制御装置18と水圧駆動部14の間の流入管24aには、排水/真空破壊弁30が設けられている。流入管24a内の給水制御装置18側が負圧になった場合には、排水/真空破壊弁30により、流入管24aに外気が吸引され、水圧駆動部14側からの水の逆流が防止される。
また、図2に示すように、給水制御装置18は、電磁弁20の作動に基づいて水圧駆動部14への給水を制御すると共に、貯水タンク10への給水、停止を制御するように構成されている。即ち、給水制御装置18は、水道に接続された給水管32と、水圧駆動部14に接続された流入管24aとの間に接続されており、コントローラ28からの指示信号に基づいて、給水管32から供給された水の、水圧駆動部14への供給、停止を制御する。本実施形態においては、給水制御装置18から流出した水は、流入管24aを通って水圧駆動部14に供給される。水圧駆動部14に供給された水の一部は、シリンダ14aの貫通孔14fの内壁とロッド15の間の隙間から流出して貯水タンク10へ流入する。また、水圧駆動部14に供給された水の多くは、流出管24bを通ってシリンダ14aから流出し、流出管分岐部24cにおいて貯水タンク10に流入する部分と、オーバーフロー管10bを介して水洗便器本体2に流入する部分に分岐される。
さらに、水道から供給された水は、貯水タンク10の外側に配置された止水栓32a、この止水栓32aの下流側の、貯水タンク10の中に配置された定流量弁32bを介して給水制御装置18に供給される。止水栓32aは、メンテナンス時等に洗浄水タンク装置4への水の供給を停止させるために設けられており、通常は開栓された状態で使用される。定流量弁32bは、水道から供給された水を、所定流量で給水制御装置18に流入させるために設けられており、水洗便器装置1の設置環境に関わらず一定流量の水が給水制御装置18に供給されるように構成されている。
また、給水制御装置18には電磁弁20が取り付けられており、この電磁弁20の作動に基づいて、給水制御装置18から水圧駆動部14への給水が制御される。具体的には、リモコン装置6や人感センサ8からの信号をコントローラ28が受信し、コントローラ28は電磁弁20に電気信号を送り、これを作動させる。
一方、給水制御装置18には、給水弁フロート34も接続されており、貯水タンク10内の貯水水位を所定水位L1に設定するように構成されている。給水弁フロート34は貯水タンク10内に配置されており、貯水タンク10の水位上昇と共に上昇して、水位が所定水位L1まで上昇すると、給水制御装置18から水圧駆動部14への給水を停止させるように構成されている。
給水制御装置18は、給水管32及び流入管24aが接続された本体部36と、この本体部36の中に配置された主弁体38と、この主弁体38が着座する弁座40と、給水弁フロート34によって回動されるアーム部42と、このアーム部42の回動によって移動されるフロート側パイロット弁44と、電磁弁側パイロット弁50と、を有する。
本体部36は、下部に給水管32の接続部、一側に流入管24aの接続部が設けられた部材であり、流入管24aの反対側の側面には、電磁弁20が取り付けられるように構成されている。また、本体部36の内部には、弁座40が形成されており、この弁座40は、接続部に接続された流入管24aに連通するようになっている。さらに、本体部36の内部には、弁座40を開閉するように主弁体38が配置されており、開弁時においては、給水管32から流入した水道水が、弁座40を通って、流入管24aに流出するように構成されている。
主弁体38は、概ね円板状のダイヤフラム式の弁体であり、弁座40に対して着座、離座できるように、本体部36の中に取り付けられている。また、本体部36内には、主弁体38に対して、弁座40の反対側に、圧力室36aが形成されている。即ち、圧力室36aは、本体部36の内壁面と主弁体38によって画定され、この圧力室36a内の圧力が高くなると、この圧力によって主弁体38が弁座40に押しつけられて、弁座40に着座する。
一方、電磁弁20は、本体部36に取り付けられており、電磁弁側パイロット弁50を進退させることができるように構成されている。即ち、電磁弁側パイロット弁50は、圧力室36aに設けられたパイロット弁口(図示せず)を開閉させるように構成されている。また、フロート側パイロット弁44は、圧力室36aに設けられたフロート側パイロット弁口(図示せず)を開閉させるように構成されている。
給水弁フロート34はアーム部42によって支持されており、このアーム部42にはフロート側パイロット弁44が連結されている。そして、貯水タンク10内の水位が所定水位L1まで上昇している状態では給水弁フロート34が上方に押し上げられ、これに伴いフロート側パイロット弁44が、圧力室36aのフロート側パイロット弁口(図示せず)を閉弁させている。一方、貯水タンク10内の洗浄水が排水され、貯水タンク10内の水位が低下すると、給水弁フロート34が下方に下がり、フロート側パイロット弁44が移動して、フロート側パイロット弁口が開弁される。
この構成により、貯水タンク10内の水位が所定水位L1にあり、電磁弁20に通電されていない、便器洗浄の待機時においては、主弁体38のパイロット弁口(図示せず)、及び本体部36のフロート側パイロット弁口(図示せず)は、共に閉弁状態となっている。
また、給水管32から供給された水道水は圧力室36a内に流入する。ここで、電磁弁側パイロット弁50がパイロット弁口(図示せず)を閉弁させ、且つフロート側パイロット弁44がフロート側パイロット弁口(図示せず)を閉弁させている状態では、流入した水道水により圧力室36a内の圧力が上昇する。このように圧力室36a内の圧力が上昇すると、この圧力により主弁体38が弁座40に向けて押圧され、主弁体38により弁座40が閉弁される。
一方、電磁弁20に通電が行われ、電磁弁側パイロット弁50がパイロット弁口(図示せず)を開弁させると、圧力室36a内の圧力が低下し、これにより主弁体38が弁座40から引き離され、弁座40が開弁される。また、貯水タンク10内の水位が所定水位L1よりも低下している状態においては、給水弁フロート34が下がり、フロート側パイロット弁44がフロート側パイロット弁口(図示せず)を開弁させる。これにより、圧力室36a内の圧力が低下し、弁座40が開弁される。このように、主弁体38のパイロット弁口又はフロート側パイロット弁口の何れか一方でも開弁されている状態では、圧力室36a内の圧力が低下し、弁座40は開弁される。
次に、図5及び図6を新たに参照して、給水制御装置18と水圧駆動部14との間に接続された排水/真空破壊弁30を説明する。
図5は給水制御装置18からの給水が行われていない状態における排水/真空破壊弁30の断面図であり、図6は給水が行われている状態における排水/真空破壊弁30の断面図である。
図5及び図6に示すように、排水/真空破壊弁30は、弁体ケース72と、フラップ弁体80と、パッキン82と、を有する。弁体ケース72は、箱状の本体部74と、この本体部74の上面に取り付けられた流入管接続部材76と、本体部74の下部側面に取り付けられた流出管接続部材78から構成されている。
弁体ケース72の本体部74は、下側の一方の隅が切り欠かれた概ね直方体の箱状に構成されている。本体部74の上面は開口されており、この開口部74aを塞ぐように流入管接続部材76が取り付けられている。また、本体部74の、切り欠かれていない方の下部側面には流出管接続部材78の取付部74bが設けられており、そこに流出管接続部材78が取り付けられている。さらに、本体部74の側面、且つ取付部74bの上側には、吸気/排水開口74cが設けられている。この吸気/排水開口74cは、概ね鉛直方向に向けられた、縦長の長方形の開口である。フラップ弁体80が開弁された状態では、この吸気/排水開口74cを介して外気が吸入されると共に、流入管24aから逆流した水が流出し、貯水タンク10内に排出される。
流入管接続部材76には、上方に向けて突出するように通水管取付部76aが設けられており、この通水管取付部76aに、給水制御装置18(図2)から延びる通水管が接続されている。このため、給水制御装置18から流出した水は、排水/真空破壊弁30の上部に設けられた通水管取付部76aから、鉛直下方に向けて弁体ケース72内に流入する。
流出管接続部材78には、水平方向に向けて突出するように通水管取付部78aが設けられており、この通水管取付部78aに、流入管24aが接続されている。このため、給水制御装置18から供給され、弁体ケース72内に流入した水は、通水管取付部78aを通って排水/真空破壊弁30から流出し、流入管24aを介して水圧駆動部14に供給される。
フラップ弁体80は、弁体ケース72内に回動可能に取り付けられた概ねL字形の部材であり、図5に示す状態と、図6に示す状態の間で回動される。L字形のフラップ弁体80の交点近傍には、水平方向に延びる支軸80aが形成され、この支軸80aは、流入管接続部材76に設けられた軸受部76bによって回動可能に支持されている。また、フラップ弁体80は、横方向に延びるアーム部を備え、このアーム部の先端に供給水受部80bが設けられている。供給水受部80bは、通水管取付部76aの下方に、通水管取付部76aを覆うように配置されている。このため、通水管取付部76aを介して水が流入すると、フラップ弁体80の供給水受部80bが下方に押され、フラップ弁体80は、図5に示す状態から図6に示す状態に回動される。
さらに、フラップ弁体80は、支軸80aから下方に延びる弁板部80cと、弁板部80cの下側に設けられた排水受部80dと、を有する。弁板部80cは、本体部74側面に設けられた吸気/排水開口74cに対向するように配置され、フラップ弁体80が図6に示す状態に回動されると、吸気/排水開口74cを覆うように構成されている。また、弁板部80cの、吸気/排水開口74cに対向する側の面には、薄板状のパッキン82が取り付けられており、フラップ弁体80が図6に示す状態に回動されたとき、弁板部80cと吸気/排水開口74cの間がシールされる。
排水受部80dは、弁板部80cの下側に形成され、流出管接続部材78の通水管取付部78aに対向するように配置される。このため、流入管24aから通水管取付部78aに水が逆流してくると、排水受部80dが押されて、図6に示す状態から図5に示す状態に回動される。通水管取付部78aから逆流した水は、吸気/排水開口74cを通って流出し、貯水タンク10内に排出される。
さらに、弁板部80cには、吸気/排水開口74cから突出するように、取付シャフト80eが設けられ、この取付シャフト80eの先端部には、錘82aが取り付けられている。この錘82aを取り付けることにより、フラップ弁体80全体の重心が、支軸80aよりも吸気/排水開口74cに近い側(図5、図6における右側)に位置するようになる。この結果、フラップ弁体80を、支軸80aを中心に図6における時計回りに回動させる力のモーメントが作用し、水の静圧及び動圧が作用しない状態では、フラップ弁体80は図5に示す位置に回動される。
また、本体部74の切欠部分の底面には、コイルスプリング84が、鉛直上方に向けて取り付けられている。このコイルスプリング84の上端は、フラップ弁体80の供給水受部80bの下方に位置する。図6に示すように、吸気/排水開口74cが弁板部80cによって閉塞されている状態では、コイルスプリング84の上端が供給水受部80bに当接し、フラップ弁体80は時計回りに回動する方向に付勢される。一方、フラップ弁体80が図5に示す位置に回動された状態では、コイルスプリング84の上端と供給水受部80bは当接せず、コイルスプリング84による付勢力は作用しない。
次に、図3、図4、図7乃至図13を参照して、水圧駆動部14のより詳細な構造を説明する。
水圧駆動部14のピストン14bは、圧力室14gに流入した洗浄水の給水圧力を受けて第1の位置H1から第2の位置H2に向けて第1方向D1(図3参照)に移動されるように形成されている。また、ピストン14bは、シリンダ14a内への洗浄水の流入が停止又は減少されることにより第1方向D1に移動されていたピストン14bが戻るとき、シリンダ14a内において第2の位置H2から第1の位置H1に向けて第1方向D1と逆向きの第2方向D2に移動するように形成されている。
図8、図11等に示すように、ピストン14bは、内側においてシリンダ14aの中心軸線A(図3参照)に平行に延びる縦壁を形成する内側筒部54と、内側筒部54から外側に延びると共に環状のディスク状に形成されている第1プレート部56と、第1プレート部56の外側部分からシリンダ14aの中心軸線A(図3参照)に平行に延びる縦壁を形成する外側筒部58と、外側筒部58の頂部からシリンダ14aの中心軸線Aと平行にさらに突出する背圧室側突出部59と、第1プレート部56から圧力室14g側に延びる圧力室側突出部61とを備えている。
内側筒部54は、第1プレート部56から背圧室14h側に立ち上がるように形成されている。内側筒部54は、外側筒部58よりも低い高さの縦壁を形成している。内側筒部54は、その内側に、弁構成部材14iの第1係合部88を回動可能に受け入れるように形成されている。
第1プレート部56は、圧力室14g側に平坦なシート面56a(図8参照)を形成している。第1プレート部56は、薄い厚みの平板状に形成されている。第1プレート部56には、ピストン開口57が形成されている。ピストン開口57は、4つ形成され、環状の第1プレート部56において90度おきに均等な間隔で配置されている。なお、ピストン開口57は、1つでもよく、又は4つ以外の複数で形成されてもよい。さらに、ピストン開口57は、環状の第1プレート部56において均等な間隔で配置されていなくてもよい。複数のピストン開口57は、第1プレート部56の周方向に並ぶように配置されている。ピストン開口57は、第1プレート部56を圧力室14g側から見たときに、長方形の開口を形成しており、その短辺が第1プレート部56の円周方向に延び、その長辺が第1プレート部56の半径方向に延びている。ピストン開口57は、第1プレート部56を圧力室14g側から背圧室14h側まで中心軸線Aに沿って貫通する貫通口を形成している。
外側筒部58は、第1プレート部56から背圧室14h側に立ち上がるように形成されている。外側筒部58は、その外側面にパッキン14eを取付けるように形成されている。
背圧室側突出部59は、環状の外側筒部58のうち2か所の対向する位置に形成されている。すなわち、背圧室側突出部59は、環状の外側筒部において180度おきに均等な間隔で配置されている。背圧室側突出部59は、頂部に平坦部分を形成するように台状に形成されている。背圧室側突出部59は、1つ1つでもよく、又は2つ以外の複数で形成されてもよい。
圧力室側突出部61は、第1プレート部56から棒状に延びている。圧力室側突出部61は、中心軸線Aと平行に延びている。
水圧駆動部14は、さらに、ピストン14bと共に第1の位置H1から第2の位置H2まで移動可能に形成されると共にピストン14bの第1プレート部56に沿うように取付けられる弁構成部材14iを備えている。弁構成部材14iは、ピストン14bと組合せることにより、シリンダ14a内の圧力室14gと背圧室14hとを連通させる流路の複数の開口を開閉する連通弁16(図8及び図9参照)を形成している。連通弁16は複数の開口を開閉するように少なくとも1つ形成される。弁構成部材14iは、第1の位置H1から第2の位置H2までの移動とは別にピストン14bに対して相対的に移動可能に形成されている。弁構成部材14iは、ロッド15と平行な軸線の周りに回動するように形成される。
弁構成部材14iは、ロッド15の外側において環状のディスク状に形成されている第2プレート部86と、第2プレート部86の内側部分から背圧室14h側に向けて立ち上がる第1係合部88と、洗浄水の流れを受けて回転される受力部90とを備えている。
第2プレート部86は、背圧室14h側に平坦面86aを形成すると共に圧力室14g側に平坦面を形成している。第2プレート部86は、背圧室14h側に平坦面86aを形成しているので、第2プレート部86は、第1プレート部56に沿って平行に配置されると共に、第2プレート部86は第1プレート部56に沿って平行に回動することが可能である。弁構成部材14iは、ピストン14bのシート面56aに対して平行に移動するように形成される。例えば、弁構成部材14iの平坦面86aがシート面56aに対して平行に回転移動するように形成されている。第2プレート部86は、薄い厚みの平板状に形成されている。第2プレート部86には、弁構成部材側開口87が形成されている。弁構成部材側開口87は、4つ形成され、環状の第2プレート部86において90度おきに均等な間隔で配置されている。なお、弁構成部材側開口87は、1つでもよく、又は4つ以外の複数で形成されてもよい。さらに、弁構成部材側開口87は、環状の第2プレート部86において均等な間隔で配置されていなくてもよい。複数の弁構成部材側開口87は、第2プレート部86の周方向に並ぶように配置されている。弁構成部材側開口87は、第2プレート部86を圧力室14g側から見たときに、長方形の開口を形成しており、その短辺が第2プレート部86の円周方向に延び、その長辺が第2プレート部86の半径方向に延びている。弁構成部材側開口87は、第2プレート部86を圧力室14g側から背圧室14h側まで中心軸線Aに沿って貫通する貫通口を形成している。弁構成部材側開口87は、ピストン開口57よりもわずかに大きな開口を形成している。
第2プレート部86には、弁構成部材側開口87を囲うようにリブ94(図9参照)が形成されている。リブ94は、弁構成部材14iのピストン14bに対向する面の一部に、突出するように形成されている。リブ94は、第2プレート部86の表面からわずかに隆起した突出部を形成している。リブ94は、全ての弁構成部材側開口87及びガイド開口89の周りを覆うように形成されると共に同じ高さに形成されている。従って、第2プレート部86と、シート面56aとがリブ94を介して接するようになっている。リブ94は、弁構成部材側開口87の周囲以外の第2プレート部86上に形成されていてもよい。また、リブ94は、ピストン14bの弁構成部材14iに対向するシート面56a側の面の一部に形成されていてもよい。
第2プレート部86には、さらに、圧力室側突出部61を受け入れるガイド開口89も形成されている。ガイド開口89は、第2プレート部86において、円周方向に延び、円弧状の開口部を形成している。よって、ガイド開口89は、圧力室側突出部61を受け入れた状態で、弁構成部材14iがピストン14bに対して回動する範囲を規制し、弁構成部材14iの回動範囲及び回転方向を規定している。ガイド開口89は、例えば、弁構成部材14iの回動範囲を、例えば約15度乃至45度の範囲内の角度、より好ましくは30度とするように形成されている。ガイド開口89は、弁構成部材側開口87の一つと接続されているが、ガイド開口89は、弁構成部材側開口87の一つと別に形成されていてもよい。
第1係合部88は、シリンダ14aの遠位側の端部14kに向けて延びる突出部分を形成している。第1係合部88は、円筒状の筒状部分の先端部が複数の山形部分88aを形成するように形成されている。第1係合部88は、4つの三角形状の山形部分88aを形成している。山形部分88aはその側面に傾斜部である傾斜面88bを形成している。後述するように、この傾斜面88bが、相対するシリンダ側山形部分92aのシリンダ側傾斜面92bに当接することにより、第1係合部88及び弁構成部材14iに円周方向への回転力を生じさせ、弁構成部材14iを連通弁16の開状態に対応する位置まで回動させるようになっている。よって、第1係合部88は、ピストン14bが第2の位置H2(図20参照)に到達して第1係合部88と第2係合部92とが係合されるときに、弁構成部材14iをピストン14bの移動の向きとは異なる向きにピストン14bに対して相対的に移動させる傾斜面88bを備える。連通弁16を開状態とするように弁構成部材14iがピストン14bに対して相対的に移動される向きは、ピストン14bの移動の向きとは異なる向きである。弁構成部材14iは、ピストン14bの移動の向きに対して直交する向きに移動するように形成される。山形部分88aは、4つ形成され、環状の第1係合部88において90度おきに均等な間隔で配置されている。なお、山形部分88aは、1つでもよく、又は4つ以外の複数で形成されてもよい。さらに、山形部分88aは、シリンダ側山形部分92aと当接して第1係合部88に回転力を生じさせるように形成されていれば、第1係合部88において均等な間隔で配置されていなくてもよい。
受力部90は、水平断面が航空機の翼状に形成される羽根を複数備えている。受力部90の羽根は、ロッド15の外周に沿って配置され、流入管24aから圧力室14gに流入する洗浄水の流れを受けてロッド15を中心に回転されるように配置されている。受力部90は、第2プレート部86と接続され、受力部90の回転に合わせて第2プレート部86が回転される。受力部90は、待機状態から1方向のみに回転されるように回転方向が規制されて配置されている。よって、受力部90は、待機状態から所定の1方向のみに回転され、合わせて第2プレート部86が同方向に回転される。
なお、図3に示すように、シリンダ14aは、シリンダ14aの第2の位置H2よりも遠位側の端部14kから背圧室14h側に向けて内側に立ち上がる第2係合部92を備えている。第2係合部92は、シリンダ14aの内側に向けて延びる突出部分を形成している。第2係合部92は、第1係合部88と対になるように第1係合部88と同様に形成され、円筒状の筒状部分の先端部が複数のシリンダ側山形部分92aを形成する。第2係合部92は、4つの三角形状のシリンダ側山形部分92aを形成している。シリンダ側山形部分92aはその側面に傾斜部であるシリンダ側傾斜面92bを形成している。よって、第2係合部92は、ピストン14bが第2の位置H2に到達して第1係合部88と第2係合部92とが係合されるときに、弁構成部材14iをピストン14bの移動の向きとは異なる向きにピストン14bに対して相対的に移動させるシリンダ側傾斜面92bを備える。シリンダ側山形部分92aは、4つ形成され、環状の第2係合部92において90度おきに均等な間隔で配置されている。なお、シリンダ側山形部分92aは、1つでもよく、又は4つ以外の複数で形成されてもよい。さらに、シリンダ側山形部分92aは、山形部分88aと当接して第1係合部88に回転力を生じさせるように形成されていれば、第2係合部92において均等な間隔で配置されていなくてもよい。第1係合部88及び第2係合部92の少なくとも一方は、傾斜部である傾斜面88b又はシリンダ側傾斜面92bを備えている。
ロッド15は、ピストン14b又は弁構成部材14iに接続される。本実施形態においては、ロッド15は、弁構成部材14iに接続され、ピストン14bには接続されていない。再び本実施形態を説明すると、ロッド15は、弁構成部材14iに接続されているので、弁構成部材14iの回動に合わせてロッド15も回動するように形成されている。ロッド15が弁構成部材14iから延びる状態において、ロッド15の内部と第1係合部88の内部とが連続した第2ピストン内部流路52を形成している。
ここで、水圧駆動部14は、さらに、クラッチ機構22の切断後に、圧力室14gと流出管24bとを連通させる第1連通機構45(図8及び図9参照)を備えている。
第1連通機構45は、ピストン14b及び弁構成部材14iにより構成される。第1連通機構45は、ピストン14bの位置に応じて圧力室14gと背圧室14hとを連通させる第1ピストン内部流路51(図10及び図11参照)を形成することにより、圧力室14gと流出管24bとを連通弁16及び背圧室14hを介して連通させる。より具体的には、後述するように弁構成部材14iの弁構成部材側開口87がピストン14bのピストン開口57と同じ位置に位置する場合には、連通弁16は開状態とされ、圧力室14gと背圧室14hとを連通させる第1ピストン内部流路51が形成される。第1ピストン内部流路51は、弁構成部材側開口87とピストン開口57とが連通した流路として形成される。
よって、第1連通機構45は、弁構成部材側開口87がピストン開口57と同じ位置に位置するとき、圧力室14gと背圧室14hとを連通させる第1ピストン内部流路51を形成することにより、連通弁16を開状態とさせ、圧力室14gと流出管24bとを第1ピストン内部流路51及び背圧室14hを介して連通させる。
一方で、第1連通機構45は、弁構成部材側開口87がピストン開口57と異なる位置に位置するとき、圧力室14gと背圧室14hとを連通させる第1ピストン内部流路51を形成されていない状態(閉じられた状態)とさせ、連通弁16を閉状態とさせる。
水圧駆動部14は、さらに、クラッチ機構22の切断後に、圧力室14gと流出管24bとを連通させる第2連通機構46を備えている。第2連通機構46は、ピストン14bの位置に応じて圧力室14gと背圧室14hとを連通させる第2ピストン内部流路52を形成することにより、圧力室14gと流出管24bとを第2ピストン内部流路52及び背圧室14hを介して連通させる。第2ピストン内部流路52は、ロッド15及び第1係合部88の環状の構造体の内側において管状に形成され、円柱状の空間を形成している。第2ピストン内部流路52は、ロッド15のクラッチ機構22側に形成された入口部52aから、ピストン14bの背圧室14h側に開口するように形成された出口部52bまで延びている。入口部52aは、ロッド15の側壁に向けた開口として形成される。出口部52bは、第1係合部88の端部においてロッド15の軸方向に開口する中心開口を形成している。出口部52bは、ピストン14bの背圧室側の近傍に形成される。
これに対し、入口部52aは、ピストン14bの圧力室14g側且つピストン14bから所定距離離れた位置に形成される。例えば、入口部52aから出口部52bまでの長さは、シリンダ14aの内部の全長より短く、例えば、全長の5割乃至9割の長さとされている。よって、ピストン14bが第1の位置H1にあるとき、ピストン14b(出口部52b)から所定距離離れた入口部52aがシリンダ14a外に位置すると共にこの入口部52aが貯水タンク10内に開口するように位置決めされる。よって、圧力室14gと背圧室14hとを連通させる第2ピストン内部流路52は形成されていない状態(閉じられた状態)となっており、第2ピストン内部流路52は、貯水タンク10側に接続されている。
なお、ピストン14bが第1の位置H1から第2の位置H2に移動する途中においては、入口部52aがシリンダ14aの外部にあるときには、圧力室14gと背圧室14hとを連通させる第2ピストン内部流路52は閉じられた状態であり形成されていない状態となっている。また、入口部52aがシリンダ14aの貫通孔14fの内壁に面する位置にあるときには、入口部52aと貫通孔14fの内壁との間にわずかな隙間があるものの入口部52aはほぼ閉じられた状態とされ、圧力室14gと背圧室14hとを連通させる第2ピストン内部流路52は閉じられた状態であり形成されていない状態となっている。ピストン14bが第2の位置H2にあるとき、ピストン14b(出口部52b)から所定距離離れた入口部52aがシリンダ14a内の圧力室14gに開口するように位置決めされる。よって、第2連通機構46は、ピストン14bが第2の位置H2にあるとき、圧力室14gと背圧室14hとを連通させる第2ピストン内部流路52を形成することにより、圧力室14gと流出管24bとを第2ピストン内部流路52及び背圧室14hを介して連通させる。一方で、第2連通機構46は、ピストン14bが第1の位置H1にあるとき、圧力室14gと背圧室14hとを連通させる第2ピストン内部流路52を形成されていない状態(閉じられた状態)とさせると共に、第2ピストン内部流路52が背圧室14hとシリンダ14a外部の貯水タンク10内とを連通させている。なお、水圧駆動部14は、第2連通機構46を省略した状態で、第1連通機構45のみを備えていてもよい。
次に、図14及び図15を新たに参照して、排水弁12とロッド15を連結するクラッチ機構22を説明する。
図14は、本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置において、接続状態となっているクラッチ機構を示す部分拡大断面図である。図15は、本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置において、接続の解除状態となっているクラッチ機構を示す部分拡大断面図である。
クラッチ機構22は、例えば、図10に示すような連通弁16の開状態から図12に示すような連通弁16の閉状態に変化するように、弁構成部材14iが第1回転方向B1と逆の第2回転方向B2(図12参照)に回動されると共にロッド15が第2回転方向B2に回動されることにより、排水弁12とロッド15とが連結されるように形成される。
また、図12及び図15に示すように、クラッチ機構22は、弁構成部材14iがピストン14bに対して第1回転方向B1に回動されると共にロッド15が第1回転方向B1に回動されることにより、排水弁12とロッド15との連結が切断されるように形成される。
より具体的には、クラッチ機構22は、ロッド15の下端部におけるロッド係合部15aと、排水弁12の弁軸12aの上端部における弁軸係合部12kとを備えている。即ち、ロッド15は、水圧駆動部14のピストン14bの下面から下方に延びており、このロッド15の下端部におけるロッド係合部15aがクラッチ機構22の一部を構成する。また、弁軸12aの上端部における弁軸係合部12kがクラッチ機構22の一部を構成する。弁軸係合部12kがロッド係合部15aと係合/解除されることにより、ロッド15と排水弁12が連結・解除される。
図14に示すように、ロッド係合部15aは、ロッド15の下端部において、ロッド軸部15bの下方に形成される。ロッド係合部15aは、直方体形状に形成され、その外縁が円柱形状のロッド軸部15bよりも外側まで延びるように形成されている。弁軸係合部12kは、弁軸12aの上端部の第1側部12eから上方に延びた後に内側にL字状に曲がる第1係合爪部12lと、第1側部12eと対向する第2側部12fから上方に延びた後に内側にL字状に曲がる第2係合爪部12dとを備えている。第1係合爪部12lは、第1側部12e側において弁軸12aの第3側部12g側の位置に位置し、第2係合爪部12dは、第2側部12f側において弁軸12aの第4側部12h側の位置に位置している。第3側部12g及び第4側部12hは第1側部12eの側方に位置し、第4側部12hは第3側部12gと対向している。弁軸係合部12kは、第1係合爪部12lと、第1係合爪部12lと対向する第2係合爪部12dとにより、ロッド係合部15aと係合する係合部を形成している。
第1係合爪部12lは、内側に延びる係合部分のうち側方部分が斜めに切り欠かれた第1斜面部12iを形成している。第2係合爪部12dは、内側に延びる係合部分のうち側方部分が斜めに切り欠かれた第2斜面部12j(図3参照)を形成している。第1斜面部12iと、第2斜面部12jとは対向するように配置され、第1斜面部12iと、第2斜面部12jとは平行に延びている。第1斜面部12iと、第2斜面部12jとの間の距離は、ロッド係合部15aの短辺の長さよりもわずかに大きく且つ長辺の長さよりも短く形成されている。従って、図14に示すように、ロッド係合部15aが第1係合爪部12lや第2係合爪部12dと平行な姿勢をとっている状態でロッド係合部15aが上昇するときには、ロッド係合部15aが第1係合爪部12lや第2係合爪部12dと係合し、ロッド係合部15aが弁軸12aを引き上げるように弁軸係合部12kと連結される。一方、図15に示すように、ロッド係合部15aが回動され、第1係合爪部12lの第1斜面部12i及び第2係合爪部12dの第2斜面部12jと平行な姿勢をとっている状態のときは、ロッド係合部15aが、第1斜面部12iと第2斜面部12jとの間を通過し、ロッド係合部15aが第1係合爪部12lや第2係合爪部12dと係合しなくなり、又は係合したとしても係合が外れて、ロッド係合部15aと弁軸係合部12kとの連結が解除される。
次に、図14及び図15を参照して、クラッチ機構22の作用を説明する。
まず、待機状態においては、排水弁12が排水口10aに着座しており、クラッチ機構22は、図15に示すような、連結解除状態(非接続状態)となっている。クラッチ機構22が連結解除状態(非接続状態)となっている状態では、ロッド係合部15aが、上方に引き上げられた際に第1係合爪部12lや第2係合爪部12dと係合しないような向き(又は第1係合爪部12lや第2係合爪部12dを引き上げられる程度まで十分に係合しないような向き)、例えば上面視で第1斜面部12i及び第2斜面部12jとほぼ平行な姿勢の向きに配置されている。
水圧駆動部14(図2)への洗浄水の供給が開始されると、受力部90が洗浄水の流れを受けて、ロッド15を回転させる。よって、ロッド係合部15aが、図14に示すような、上方に引き上げられた際に第1係合爪部12lや第2係合爪部12dと係合するような向き、例えば上面視で第1係合爪部12lや第2係合爪部12dとほぼ平行な姿勢の向きとなるように回転される。この時点では、ロッド係合部15aと、弁軸係合部12kとの間には、依然として上方にクリアランスCが存在する。図14に示す状態から、ロッド15が上方に引き上げられた場合には、ロッド係合部15aと弁軸係合部12kとが係合して、排水弁12が引き上げられる。水圧駆動部14に洗浄水が供給され、図14に示す状態からロッド15が上方に引き上げられると、ロッド係合部15aによって弁軸係合部12kが鉛直上方に引き上げられる。即ち、ロッド15が引き上げられると、ロッド係合部15aが弁軸係合部12kとの連結状態(クラッチ機構22が連結された状態)を維持したまま、排水弁12が引き上げられる。
また、クラッチ機構22が連結された状態で、ロッド15と共に排水弁12が所定距離引き上げられると、ピストン14bが第2の位置H2に到達する。ピストン14bが第2の位置H2に到達するとき、弁構成部材14iが第1回転方向B1に回動され、ロッド15が第1回転方向B1に回動され、ロッド係合部15aが図14から図15に示すような、ロッド係合部15aと弁軸係合部12kとの連結が解除される姿勢に回動される。よって、ロッド係合部15aと弁軸係合部12kとの係合が解除され、クラッチ機構22の連結が解除される。
クラッチ機構22の連結が解除されると、排水弁12がロッド15から切り離され、排水弁12が下降して、排水口10aに着座する。これにより、貯水タンク10から水洗便器本体2への洗浄水の排出が停止される。
次いで、水圧駆動部14への洗浄水の供給が停止されると、ピストン14b及びロッド15が下降する。図15に示すように、ロッド係合部15aが回転された姿勢のまま下降され、弁軸係合部12kの先端の係合部よりも下方まで下降する。
ロッド15が更に下降すると、図15に示すように、ロッド15のロッド係合部15aが弁軸12aの頂部に当接して停止される。このとき、クラッチ機構22の連結は解除された状態のままとなり、以後洗浄水タンク装置は待機状態に戻る。
次に、図2、図16乃至図21等を参照して、本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置4、及びそれを備えた水洗便器装置1の一連の洗浄動作を説明する。
図16は、本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置において、ピストンの変位、シリンダ給水の状態、クラッチ機構の状態、第1ピストン内部流路の状態、及び排水/真空破壊弁からの排水の状態等の時間変化を示すタイミングチャートである。縦軸においてピストンの変位及びピストンの高さ位置、シリンダ給水のON状態とOFF状態の切換、クラッチ機構の接続状態と解除状態の切換、第1ピストン内部流路の開状態と閉状態の切換、及び排水/真空破壊弁からの排水のON状態とOFF状態の切換の変化を示し、横軸において時間経過を示している。
まず、図2に示す便器洗浄の待機状態(時刻T0)においては、貯水タンク10内の水位は所定水位L1(例えば満水水位)にあり、この状態では、給水制御装置18の電磁弁側パイロット弁50及びフロート側パイロット弁44(図2)は、共に閉弁状態となり、弁座40は主弁体38によって閉弁されている。よって、給水制御装置18から水圧駆動部14への給水は停止された状態(OFF状態)である。また、図3に示すように、待機状態において、水圧駆動部14のピストン14bはシリンダ14a内において第1の位置H1にある。ピストン14bの第1の位置H1は移動可能範囲のうちの下限の位置である。ピストン14bはシリンダ14a内において停止されている。このとき、ピストン14bが、貯水タンク10の所定水位L1より上方に位置する。ロッド15及び排水弁12は最も下降された状態で停止しており、クラッチ機構22は連結が解除された状態(非接続状態)となっている。
図10及び図11に示すように、ピストン14bが第1の位置H1にあるとき、弁構成部材14iの弁構成部材側開口87がピストン14bのピストン開口57とほぼ同じ位置に重なるように位置し、連通弁16が開状態とされるので、第1連通機構45により形成される第1ピストン内部流路51は、開状態とされている。
また、図3に示すように、第2連通機構46により形成される第2ピストン内部流路52は、ピストン14bが第1の位置H1にあり、入口部52aがシリンダ14aの外部且つ貯水タンク10の内部に位置するので、圧力室14gと背圧室14hとの連通の流路が閉じられた状態(圧力室14gと背圧室14hとの連通が形成されていない状態)とされている。第2ピストン内部流路52は、背圧室14hとシリンダ14a外部の貯水タンク10内とを連通させているが、待機状態においては、背圧室14h側に洗浄水が存在していないため、第2ピストン内部流路52を介した排水もなされていない状態となっている。また、流入管24aから逆流した水による排水/真空破壊弁30からの貯水タンク10内への排水は行われていない状態(OFF状態)とされている。
次に、時刻T1において、使用者がリモコン装置6の洗浄ボタンを押すと、リモコン装置6は、便器洗浄の指示信号をコントローラ28に送信する。なお、本実施形態の水洗便器装置1においては、人感センサ8によって使用者の離座が検知された後、リモコン装置6の洗浄ボタンが押されることなく、所定時間経過した場合にも、便器洗浄の指示信号がコントローラ28に送信される。
便器洗浄をすべき指示信号を受信すると、コントローラ28は、電磁弁20(図2)を作動させ、電磁弁側パイロット弁50をパイロット弁口から離座させる。これにより、圧力室36a内の圧力が低下し、主弁体38が弁座40から離座して、主弁体38が開弁される。給水制御装置18が開弁されると、給水管32から流入した洗浄水が、給水制御装置18を介して水圧駆動部14に供給される。これにより、図17において矢印F1に示すように、流入管24aからシリンダ14aへの給水が開始され、シリンダ給水がON状態となる。流入管24aからシリンダ14a内に流入した洗浄水が受力部90に当たり、受力部90が洗浄水の流れを受けて、弁構成部材14iを回転させる。このとき、弁構成部材14iは、第2回転方向B2(図12参照)に回動されると共にロッド15が第2回転方向B2に回動されることにより、排水弁12とロッド15とが連結され、接続状態となる。弁構成部材14iは、第2回転方向B2に、例えば約15度乃至45度の範囲内の角度、より好ましくは30度の角度で回動される。よって、弁構成部材14iは、ピストン14bに対して相対的に回転され、弁構成部材側開口87がピストン開口57と異なる位置(ずれた位置)に位置することとなる。よって、第1ピストン内部流路51は閉状態となり、連通弁16を閉状態とされる。
よって、水圧駆動部14のピストン14bが押し上げられ、ロッド15を介して排水弁12が引き上げられ、貯水タンク10内の洗浄水が排水口10aから水洗便器本体2へ排出される。即ち、排水弁12は、給水管32を介して給水された水道水の給水圧に基づく水圧駆動部14の駆動力により駆動され、開弁される。排水弁12が開弁されると、貯水タンク10内に貯留されていた洗浄水(水道水)が、排水口10aを通って水洗便器本体2のボウル部2aに排出され、ボウル部2aが洗浄される。
なお、第2ピストン内部流路52は、背圧室14hとシリンダ14a外部の貯水タンク10内とを連通させているが、基本的には背圧室14h側に洗浄水が存在していないため、第2ピストン内部流路52を介した排水は基本的にはなされていない状態となっている。 また、流入管24aから逆流した水による排水/真空破壊弁30からの貯水タンク10内への排水は行われていない状態(OFF状態)とされている。
また、貯水タンク10内の洗浄水が排出されると、貯水タンク10内の水位が所定水位L1よりも低下するので、給水弁フロート34が下がる。これにより、アーム部42(図2参照)が回動し、フロート側パイロット弁44が開弁される。なお、フロート側パイロット弁口(図示せず)が開弁した状態では、電磁弁側パイロット弁50を閉弁させても、圧力室36a内の圧力が上昇することはないため、主弁体38の開弁状態を維持することができる。このため、コントローラ28は電磁弁20に通電して主弁体38を開弁させた後、所定時間経過して、貯水タンク10内の水位が低下すると、電磁弁20への通電を停止させる。これにより、電磁弁側パイロット弁50は閉弁されるが、フロート側パイロット弁口が開弁されているため、主弁体38は弁座40から離座したままになる。即ち、コントローラ28は、電磁弁20に短時間通電するだけで、長時間主弁体38を開弁させることができる。
時刻T1において、給水制御装置18から水圧駆動部14への給水が開始された状態(ON状態)となり、シリンダ14aの圧力室14g内に洗浄水の流入が開始される。図16に示すように、シリンダ14aの圧力室14g内に流入した洗浄水は、第1の位置H1からピストン14bの上昇を開始させる。ピストン14bの上昇が開始されると、ピストン14bと共にロッド15が上昇し、クラッチ機構22は接続状態であるので、ロッド15の引き上げ開始直後にすぐにロッド15と排水弁12とが係合して排水弁12を引き上げる。
図18に示すように、時刻T1からT2までの間において、第1連通機構45は、弁構成部材側開口87がピストン開口57と異なる位置に位置し、第1ピストン内部流路51は閉じられた状態であり、連通弁16は閉状態となっている。よって、シリンダ14aの圧力室14g内に流入した洗浄水は、第1方向D1に、ピストン14bを押し上げて移動させる。このように、ピストン14bが第1方向D1に移動するとき(移動を開始する時)、弁構成部材14iは移動されており、連通弁16は閉状態とされている。
時刻T2まで、ピストン14bが押し上げられ、これに伴いロッド15及び排水弁12が所定位置である第3の位置H3まで引き上げられると(図19参照)、第1係合部88が第2係合部92に当接し始める。第3の位置H3は、第2の位置H2よりも低い高さの位置となっている。このとき、第1係合部88の山形部分88aの傾斜面88bが第2係合部92のシリンダ側山形部分92aのシリンダ側傾斜面92bと、当接を開始し、山形部分88aがシリンダ側山形部分92aに対して回動を開始する。すなわち、弁構成部材14iが第2回転方向B2に回動され、ロッド係合部15aと弁軸係合部12kとの連結が解除される姿勢に回動される。これにより、ロッド係合部15aと弁軸係合部12kとの係合が解除され、クラッチ機構22の連結が解除される。よって、排水弁12がロッド15から切り離され、排水弁12が下降を開始する。これにより、ロッド15はピストン14bと共に上方に押し上げられたままになる一方、排水弁12は自重により降下する。切り離された排水弁12の係合突起12c(図2参照)は、排水弁フロート機構26の係合部26b(図2参照)と係合し、排水弁12の降下が阻止される。これにより、貯水タンク10の排水口10aは開弁されたままとなり、貯水タンク10からの排水が継続される。
ここで、貯水タンク10内の水位が、所定水位L1よりも低い第2の所定水位まで低下すると、排水弁フロート機構26のフロート部26a(図4参照)が下降し、これが係合部26bを、図4に想像線で示す非係合位置に移動させる。これにより、排水弁12の係合突起12cと係合部26bとの係合が解除され、排水弁12は再び降下し始める。その後、排水弁12が貯水タンク10の排水口10aを閉弁させ、水洗便器本体2への洗浄水の排出が停止される。排水口10aが閉弁された後も、給水制御装置18内の弁座40は開弁された状態にあるため、給水管32から供給された水が水圧駆動部14内に流入し、水圧駆動部14から流出した水は、流出管24bを通って貯水タンク10内に流入するので、貯水タンク10内の水位が上昇する。
時刻T3において、弁構成部材14iが第1回転方向B1に回動され、弁構成部材14iの弁構成部材側開口87がピストン開口57とほぼ同じ位置に重なる(図20参照)。これにより、連通弁16が開状態とされる。よって、圧力室14gと背圧室14hとを連通させる第1ピストン内部流路51が形成され且つ開状態とされる。よって、洗浄水が、圧力室14gから第1ピストン内部流路51を介して背圧室14hに流出し、背圧室14hから流出管24bに流出される。連通弁16が開状態とされるとき、ピストン14bは第4の位置H4(図16参照)にある。
連通弁16が開状態とされるときとほぼ同時期に、入口部52aが圧力室14g内に開口する位置に到達する。よって、圧力室14gと背圧室14hとを連通させる第2ピストン内部流路52も形成され、開状態となる。よって、洗浄水が、圧力室14gから入口部52aを介して第2ピストン内部流路52に流入し、第2ピストン内部流路52から出口部52bを通って背圧室14hに流出し、背圧室14hから流出管24bに流出される。第4の位置H4は、第3の位置H3よりも高い位置に位置し且つ第2の位置H2よりもわずかに低い位置に位置している。ピストン14bが第4の位置H4から第2の位置H2までの位置にある間は、入口部52aが圧力室14gに開口され、第2ピストン内部流路52が圧力室14gと背圧室14hとを連通させる流路を形成している。
時刻T3以後も、圧力室14g内への洗浄水の給水は引き続き継続されており、ピストン14b及びロッド15は、クラッチ機構22の切断後も引き続き上昇する。クラッチ機構22は切断された状態となっている。弁構成部材14iが回動されながら上昇する。また、流入管24aから逆流した水による排水/真空破壊弁30からの貯水タンク10内への排水は行われていない状態(OFF状態)とされている。
時刻T4において、図20に示すように、ピストン14bがさらに押し上げられて第2の位置H2に到達するとき、ピストン14bは、背圧室側突出部59がシリンダ14aの遠位側の端部14kから突出する突起部である突出部14mに当接した状態で停止される。このときピストン14bの第1係合部88がシリンダ14aの第2係合部92と係合した状態となっている。よって、弁構成部材14iの回動は、図10に示すような、連通弁16が開状態とされている所定の位置で停止される。ピストン14bが突出部14mに当接して停止した状態で、背圧室14hの空間が依然として形成されるようになっている。突出部14mは、ピストン14bと当接してピストン14bの上下方向の摺動を第2の位置H2までに規制する。突出部14mは、排水口の半径方向外側且つシリンダ内の領域に形成される。突出部14mは縦壁を形成している。突出部14mは背圧室14hに流入する洗浄水が突出部14mから排水口側に流れやすくなるような縦壁面も形成している。ピストン14bが第2の位置H2に到達した後もシリンダ14a内への洗浄水の供給が維持されている状態においては、第1連通機構45(又は第2連通機構46)が圧力室14gと流出管124bとを連通させている状態が維持される。
第2の位置H2は、シリンダ14a内において、第1の位置H1から最も遠位側の位置、例えば最も高い位置となっている。このとき、圧力室14g内への洗浄水の給水は引き続き継続されており、ピストン14bは引き続き押し圧力を受けているが、背圧室側突出部59が突出部14mに当接しておりこれ以上押し上げられないようになって停止している。第1ピストン内部流路51が開状態となっているので、洗浄水が、圧力室14gから第1ピストン内部流路51を介して背圧室14hに流出し、背圧室14hから流出管24bに流出される。また、第2ピストン内部流路52が開状態となっているので、洗浄水が、圧力室14gから入口部52aを介して第2ピストン内部流路52に流入し、第2ピストン内部流路52から出口部52bを通って背圧室14hに流出し、背圧室14hから流出管24bに流出されている。よって、圧力室14g側の水圧と背圧室14h側の水圧とがほぼ等しくなっている。流出管24bに流出された洗浄水の一部は貯水タンク10内に流入するので、貯水タンク10内の水位が上昇する。クラッチ機構22は切断された状態となっている。また、流入管24aから逆流した水による排水/真空破壊弁30からの貯水タンク10内への排水は行われていない状態(OFF状態)とされている。
時刻T5において、貯水タンク10内の洗浄水の水位が所定水位L1まで上昇すると、給水弁フロート34(図2参照)が上昇し、アーム部42を介してフロート側パイロット弁44が移動され、フロート側パイロット弁44が閉弁される。これにより、フロート側パイロット弁口(図示せず)及び主弁体38のパイロット弁口(図示せず)が閉弁されるので、圧力室36a内の圧力が上昇し、主弁体38が弁座40に着座する。この結果、給水制御装置18から水圧駆動部14のシリンダ14aへの給水が停止されてOFF状態となる。水圧駆動部14のピストン14bは、圧力室14gへの洗浄水の供給が停止されると共にピストン14bの押し上げ力が低減され、重力により徐々に押し下げられる。ピストン14bが第2方向D2(図3参照)に移動するとき、弁構成部材14iがピストン14bに対して相対的に移動された状態となることにより、連通弁16は開状態とされる。連通弁16を開状態とするように弁構成部材14iがピストン14bに対して相対的に移動される向きは、ピストン14bの移動の第2方向D2の向きとは異なる向きである。
時刻T5においては、第1ピストン内部流路51及び第2ピストン内部流路52が圧力室14gと背圧室14hとを連通させる流路を形成している。しかしながら、図21に示すように、ピストン14bが下降を開始するとすぐに、入口部52aが圧力室14g内から貫通孔14fの内壁に面する位置まで下降されるため、第2ピストン内部流路52が閉状態となる。しかしながら、弁構成部材14iは、ほぼ回動しない状態で、シリンダ14a内で第1の位置H1に向けて移動するので、第1ピストン内部流路51は依然として開状態を継続する。よって、ピストン14bがシリンダ14a内で第1の位置H1に向けてより移動しやすくできる。以後もピストン14b及びロッド15が下降を継続する。なお、クラッチ機構22は切断された状態となっている。
時刻T5において、給水制御装置18からシリンダ14aへの給水が停止されるとき、流入管24aから逆流した水による排水/真空破壊弁30からの貯水タンク10内への排水が開始され、圧力室14g内の洗浄水が流入管24aを介して排水/真空破壊弁30から貯水タンク10内に排水される排水状態(ON状態)とされている。
時刻T6においては、ロッド15の下端が弁軸12aの上端近傍まで下降する。ロッド15のロッド係合部15aが、第1斜面部12iと第2斜面部12jとの間を通過して下降する。このとき、ロッド係合部15aは、第1斜面部12i及び第2斜面部12jと平行な姿勢をとっている状態であり、ロッド係合部15aと弁軸係合部12kとの連結は解除されている状態である。第2ピストン内部流路52が背圧室14hとシリンダ14aの外部の貯水タンク10内とを接続する流路を形成するので、背圧室14h内の洗浄水を効率的に貯水タンク10内に排水して、ピストン14bを効率的に動作させることができる。
時刻T7においては、さらにロッド15が下降して、ロッド係合部15aが弁軸12aの頂部に当接して停止される(図15参照)。このとき、ロッド係合部15aは、第1斜面部12i及び第2斜面部12jと平行な姿勢をとっている状態であり、ロッド係合部15aと弁軸係合部12kとの連結は解除されている状態である。このように、クラッチ機構22は待機状態の姿勢に戻る。このとき、図3に示すように、ピストン14bは、下降動作が終了し、シリンダ14a内において第1の位置H1に戻る。時刻T5乃至T7において、給水制御装置18からシリンダ14aへの給水は停止された状態のままとなっている。時刻T5乃至T7において、第1ピストン内部流路51は、開状態とされている。また、時刻T5乃至T7において、圧力室14g内の洗浄水は、流入管24aを介して排水/真空破壊弁30から貯水タンク10内に排水されると共に、シリンダ14aの貫通孔14fの内壁とロッド15の間の隙間14dから流出し、この水は、貯水タンク10に流入する。以上により、一回の便器洗浄が終了し、水洗便器装置1は、便器洗浄の待機状態に復帰する。
本発明を実施するための形態は上記に限定されるものではなく、さらなる他の変形例を適用することができる。
例えば、本発明の一実施形態の水圧駆動部14においてピストン14bにロッド15を接続するように構成してもよい。この変形例に関し、上述した一実施形態と同一部分には同一符号を付し説明は省略する。
図22は、本発明の一実施形態の水圧駆動部の変形例を示す概略断面図である。図22は、連通弁16が閉状態であり、ピストン14bが上昇する途中の状態を示している。変形例においても一実施形態の連通弁16と第1連通機構45とが同様の構成により形成されている。
ロッド15は、弁構成部材14iに接続されず、ピストン14bに接続されている。ロッド15は、ピストン14bに接続されているので、弁構成部材14iの回動に合わせてロッド15が回動されないように形成されている。なお、この変形例においても水圧駆動部14は、さらに、クラッチ機構22の切断後に、圧力室14gと流出管24bとを連通させる第1連通機構45(図8及び図9参照)を備えている。変形例においては、弁構成部材側開口87及びピストン開口57の形状及び数は、一実施形態の弁構成部材側開口87及びピストン開口57の形状及び数と同じであるが、変形例の弁構成部材側開口87及びピストン開口57の位置が一実施形態の弁構成部材側開口87及びピストン開口57の位置と少し円周方向にずれて配置されている。なお、変形例の第1連通機構45は、一実施形態の第1連通機構45と同様の動作により作動される。第1連通機構45は、上面視で弁構成部材側開口87(図示せず)がピストン開口57と同じ位置に位置するとき、圧力室14gと背圧室14hとを連通させる第1ピストン内部流路51を形成することにより、連通弁16を開状態とさせ、圧力室14gと流出管24bとを第1ピストン内部流路51及び背圧室14hを介して連通させる。第1係合部88と弁構成部材14iとは他の断面において接続されており、同じ回転動作を行うように形成されている。
一方で、第1連通機構45は、弁構成部材側開口87がピストン開口57と異なる位置に位置するとき、圧力室14gと背圧室14hとを連通させる第1ピストン内部流路51は閉じられた状態であり形成されていない状態とさせ、連通弁16を閉状態とさせる。
この変形例においては、ロッド15の内部と第1係合部88の内部とが連通した第2ピストン内部流路52が形成されない構造となっている。すなわち、水圧駆動部14は、クラッチ機構122の切断後に、圧力室14gと流出管24bとを連通させる第2連通機構46を省略した構造となっている。このように、水圧駆動部14は、第1連通機構45を備えた状態で、第2連通機構46を省略してもよい。
この変形例においては、上述のようにロッド15が回動されない。従って、排水弁12とロッド15を連結するクラッチ機構122は、ロッド15の中心軸線を中心とした回転動作を前提としないクラッチ機構により構成される。このようなクラッチ機構122は、ロッド15の下端と排水弁12の接続部に設けられ、このクラッチ機構122により、ロッド15と排水弁12が連結され、所定のタイミングでロッド15と排水弁12の連結が解除される。クラッチ機構122は、上面視でT字状に形成され、紙面の奥方向に横向きに延びるベースプレート122aと、ベースプレート122aから上方向に立ち上がるアーム122bと、ベースプレート122aとアーム122bとを水平方向軸を中心に回動させる回転軸122cとを備える。クラッチ機構122は、排水弁12が所定の位置まで吊り上げられると、規制部70によりベースプレート122aが押され排水弁12の弁軸12aのアーム122bをロッド15から切り離すように構成されている。クラッチ機構22が切り離された状態では、排水弁12は、ピストン14b及びロッド15の動きに連動しなくなり、浮力に抵抗しながら重力により降下する。クラッチ機構122は、ロッド15が所定の位置まで下降するとロッド15とアーム122bとが連結されるように構成されている。
また、変形例においては、弁構成部材14iは、ピストン14bに対して相対的に回転されるように構成されていたが、他の変形例として、弁構成部材14iは、ピストン14bに対して相対的に移動されるように構成されていればよい。例えば、弁構成部材14iは、ピストン14bに対して相対的に平行移動されるように構成されることができる。よって、第1連通機構45は、弁構成部材14iは、ピストン14bに対して相対的に平行移動されることにより、弁構成部材側開口87がピストン開口57と同じ位置に位置するとき、圧力室14gと背圧室14hとを連通させる第1ピストン内部流路51を形成することにより、連通弁16を開状態とさせ、圧力室14gと流出管24bとを第1ピストン内部流路51及び背圧室14hを介して連通させる。一方で、第1連通機構45は、弁構成部材14iは、ピストン14bに対して相対的に平行移動されることにより、弁構成部材側開口87がピストン開口57と異なる位置に位置するとき、圧力室14gと背圧室14hとを連通させる第1ピストン内部流路51は形成されていない状態(閉じられた状態)とさせ、連通弁16を閉状態とさせる。
またこのような他の変形例において、弁構成部材14iは、ピストン14bに対して相対的に平行移動しつつピストン14bから離れる移動をするように構成されてもよい。弁構成部材14iがピストン14bに対して相対的に平行移動しつつピストン14bから離れる移動をすることにより、移動前又は移動後の各位置において、第1連通機構45は、連通弁16(第1ピストン内部流路51)を開状態又は閉状態とするように切換構造を形成できる。このように、弁構成部材14iが、ピストン14bに対する回動に限られず、ピストン14bに対して相対的に移動されることにより、連通弁16(第1ピストン内部流路51)が開状態又は閉状態とされることができる。
上述した本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置4によれば、ピストン14bが第2方向D2に移動するとき、弁構成部材14iがピストン14bに対して相対的に移動された状態で、連通弁16は開状態とされ、連通弁16を開状態とするように弁構成部材14iがピストン14bに対して相対的に移動される向きは、ピストン14bの移動の向きとは異なる向きである。これにより、ピストン14bが第2方向D2に移動するとき、弁構成部材14iがピストン14bの移動の向きとは異なる向きにピストン14bに対して相対的に移動されて連通弁が開状態とされるので、弁構成部材14iがピストン14bの移動の向きに対して作用する水圧の影響を受けにくくできる。よって、ピストン14bが第2方向D2に移動するとき、弁構成部材14iが連通弁16を開状態に維持しやすくできると共に連通弁16が開状態であるのでピストン14bの第2方向D2への移動速度を高くしやすくできる。
さらに、本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置4によれば、弁構成部材14iは、ピストン14bのシート面56aに対して平行に移動するように形成される。これにより、弁構成部材14iがピストン14bの移動の向きとは異なる向きにピストン14bのシート面56aに対して平行に相対的に移動されるので、弁構成部材14iがピストン14bの移動の向きに対して作用する水圧の影響をより受けにくくできる。よって、ピストン14bが第2方向D2に移動するとき、弁構成部材14iが連通弁16を開状態により維持しやすくできる。
さらに、本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置4によれば、弁構成部材14iは、ピストン14bの移動の向きに対して直交する向きに移動するように形成される。これにより、弁構成部材14iがピストン14bの移動の向きに対して直交する向きに相対的に移動されるので、弁構成部材14iがピストン14bの移動の向きに対して作用する水圧の影響をさらに受けにくくできる。よって、ピストン14bが第2方向D2に移動するとき、弁構成部材14iが連通弁16を開状態にさらに維持しやすくできる。
さらに、本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置4によれば、第1係合部88及び第2係合部92の少なくとも一方は、ピストン14bが第2の位置H2に到達して第1係合部88と第2係合部92とが係合されるときに、弁構成部材14iをピストン14bの移動の向きとは異なる向きにピストン14bに対して相対的に移動させる傾斜部を備える。これにより、水圧による力以外の外力、例えば電気による駆動力等を必要とせずに、弁構成部材14iをピストン14bの移動の向きとは異なる向きにピストン14bに対して相対的に移動させることができる。
さらに、本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置4によれば、ピストン14bの弁構成部材14iに対向する面の一部又は弁構成部材14iのピストン14bに対向する面の一部に、突出するリブ94が形成される。これにより、ピストン14bの弁構成部材14iに対向する面と、弁構成部材14iのピストン14bに対向する面とが、リブ94を介さずに全面的に当接している場合と比べて、ピストン14bの弁構成部材14iに対向する面と、弁構成部材14iのピストン14bに対向する面との間の摩擦を低下させることができ、ピストン14bに対する弁構成部材14iの摺動性を向上できる。また、例えばリブ94が圧力室14gと背圧室14hとを連通させる流路の開口の周囲を囲むようにほぼ同じ高さに形成される場合には、連通弁16が開状態のときにピストン14bと弁構成部材14iとの間のシール性を向上させることができる。
さらに、本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置4によれば、弁構成部材14iは、ロッド15と平行な軸線の周りに回動するように形成されるので、弁構成部材14iが回動以外の方法でピストン14bに対して移動する方法と比べて、弁構成部材14iの構造を比較的コンパクトに形成することができると共に、圧力室14gと背圧室14hとを連通させる流路を比較的大きく形成しやすくできる。
さらに、本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置4によれば、弁構成部材14iが、ロッド15と平行な軸線の周りに回動するように形成されるので、弁構成部材14iが、比較的小さい距離の回動により、ピストン14bの周方向に並ぶように配置された複数の開口を開閉できると共に複数の開口により圧力室14gと背圧室14hとを連通させる流路を比較的大きく形成できる。
さらに、本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置4によれば、クラッチ機構22は、弁構成部材14iがピストン14bに対して第1回転方向B1に回動されると共にロッド15が第1回転方向B1に回動されることにより、排水弁12とロッド15との連結が解除されるように形成され、クラッチ機構22は、弁構成部材14iが第1回転方向B1と逆の第2回転方向B2に回動されると共にロッド15が第2回転方向B2に回動されることにより、排水弁12とロッド15とが連結されるように形成される。これにより、クラッチ機構22が排水弁12と排水弁水圧駆動部との連結及び連結の解除をするように可動する可動体をさらに別部材として備えるような構造と比べて、クラッチ機構22が連通弁16の開閉に応じたロッド15の回動により連結及び連結解除でき、クラッチ機構22の部品点数を低減し、クラッチ機構22を比較的シンプルに構成できる。
さらに、本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置4によれば、ピストン14bが第1の位置H1にあるとき、連通弁16は開状態とされ、ピストン14bが第1方向D1に移動を開始するときに、連通弁16を閉状態とするように、弁構成部材14iが移動される。これにより、ピストン14bが第1の位置H1にあるときに、シリンダ14a内の背圧室14hから圧力室14gに向けて洗浄水を排水しやすくでき、さらにシリンダ14aへの洗浄水の供給が開始される直後の、ピストン14bが受ける洗浄水の供給開始の衝撃を抑制できると共に、洗浄水の供給が安定するまでわずかにピストン14bの第1方向D1への移動開始を遅延させ、ピストン14bの第1方向D1への移動をより安定させることができる。
さらに、本発明の一実施形態は、水洗便器装置1であって、水洗便器本体2と、弁構成部材14iがピストン14bの移動の向きに対して作用する水圧の影響を受けにくくできる洗浄水タンク装置4と、を有することを特徴としている。