JP7439943B2 - 方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

方向性電磁鋼板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7439943B2
JP7439943B2 JP2022551749A JP2022551749A JP7439943B2 JP 7439943 B2 JP7439943 B2 JP 7439943B2 JP 2022551749 A JP2022551749 A JP 2022551749A JP 2022551749 A JP2022551749 A JP 2022551749A JP 7439943 B2 JP7439943 B2 JP 7439943B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
rolling
hot
annealing
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2022551749A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2022255258A5 (ja
JPWO2022255258A1 (ja
Inventor
雅紀 竹中
猛 今村
真理 ▲高▼橋
公二 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Publication of JPWO2022255258A1 publication Critical patent/JPWO2022255258A1/ja
Publication of JPWO2022255258A5 publication Critical patent/JPWO2022255258A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7439943B2 publication Critical patent/JP7439943B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D8/00Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
    • C21D8/12Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of articles with special electromagnetic properties
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/60Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing lead, selenium, tellurium, or antimony, or more than 0.04% by weight of sulfur
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/12Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials
    • H01F1/14Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials metals or alloys
    • H01F1/147Alloys characterised by their composition
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Manufacturing Of Steel Electrode Plates (AREA)

Description

本発明は、結晶粒がミラー指数で板面に{110}、圧延方向に<001>に高度に集積した、いわゆる方向性電磁鋼板の製造方法に関するものである。
方向性電磁鋼板は、軟磁性材料であり、主に変圧器等の電気機器の鉄芯として用いられている。この方向性電磁鋼板は、二次再結晶を利用して、結晶粒を{110}<001>方位(以降、「ゴス方位」という)に高度に集積させることで、低鉄損で高磁束密度という優れた磁気特性を付与している。なお、方向性電磁鋼板の磁気特性を評価する指標としては、一般に、磁場の強さが800(A/m)における磁束密度B(T)と、励磁周波数が50(Hz)の交流磁場で1.7(T)まで磁化したときの鋼板1kgあたりの鉄損W17/50(W/kg)が用いられている。
上記の方向性電磁鋼板の製造方法としては、インヒビターと呼ばれる微細な析出物を仕上焼鈍中に析出させて粒界に易動度差を付与することで、ゴス方位粒のみを優先的に成長させる方法が一般的に使用されている。例えば、特許文献1には、インヒビターとしてAlN、MnSを利用する方法が、特許文献2には、インヒビターとしてMnS、MnSeを利用する方法が開示されており、いずれも工業的に実用化されている。これらのインヒビターを用いる方法は、インヒビターの均一微細分散が理想状態であり、そのため、熱間圧延前に素材である鋼スラブを1300℃以上の高温に加熱することが必要とされている。
一方、スラブを高温度で長時間加熱すると、スラブの結晶組織が粗大化して組織の不均一化を助長するという問題が発生する。この問題に対しては、特許文献3に開示されているように、1300~1450℃程度の高温に短時間で加熱する方式が主流になりつつある。上記のスラブ加熱方式としては、特許文献4や特許文献5に開示されている誘導加熱や通電加熱がある。この技術を適用することで、結晶組織の粗大化を抑えることが可能となるだけでなく、スラブを個別に処理できるため、熱間圧延のチャンスの自由度が増すこと、また、生産効率の面、さらには設備の建設費や維持・管理コストの面でも有利であるとされている。
一般的に、方向性電磁鋼板は、Siを約2.5mass%以上含有しているが、Siはフェライト安定化元素であるため、高温域でもオーステナイト変態が起こり難く、フェライトが大半を占める組織となる。フェライトは、熱間圧延では再結晶し難いため、方向性電磁鋼板用の熱延板は、大半が未再結晶組織となる。未再結晶組織を有する熱延板を冷間圧延すると、冷間圧延後にリジングと呼ばれる圧延方向に平行な縦縞状のうねりが発生する。リジングが発生した鋼板は、その後のライン通板時に、ルーパー内で蛇行したり、破断したりするトラブルが発生する危険性がある。また、最終製品板において、板厚偏差が発生し、品質が低下したり、鋼板を積層して変圧器等を組み立てた時の占積率の低下をもたらしたりする。そのため、リジングの抑制は重要な解決課題の1つとなっている。
リジングの発生は、結晶組織の不均一性に起因すると考えられており、結晶組織の均一化、つまり、再結晶の促進や結晶粒の微細化が有効であることが知られている。そこで、リジングを抑制する技術として、例えば、特許文献6には、鋼中のMn量を増加させることで、熱間圧延中にオーステナイト変態を積極的に促進する技術が開示されている。また、特許文献7には、1190~960℃の温度域で高圧下圧延を行って再結晶を促進する方法が、特許文献8には、1230~960℃の温度でオーステナイト相を3%以上含んだ状態で30%以上の高圧下圧延を行う方法が、特許文献9には、粗圧延を行う温度を1250℃以下に制限する方法が、また、特許文献10には、1050~1200℃温度域での圧延を、歪速度15s-1以下、圧下率15%/パス以上とする方法などが提案されている。
さらに、特許文献11には、粗圧延における1パス目を1350℃以上の温度域で、圧下率3%以上20%未満で行い、次いで粗圧延における2パス目を高圧下で圧延する方法が、特許文献12には、粗圧延における1パス目および2パス目を高圧下で圧延する方法が提案されている。さらに、特許文献12~15には、板幅方向の端部における不良組織の生成を抑制する方法として、粗圧延における累積圧下率を75%未満とし、かつ、粗圧延の最終圧下での圧下率を50%未満とし、最終圧下直後の粗バーの板厚中心温度を1350℃以上とする方法が提案されている。
特公昭40-015644号公報 特公昭51-013469号公報 特開昭60-190520号公報 実公昭58-024397号公報 特開昭60-145318号公報 特開平01-119644号公報 特開昭54-120214号公報 特開昭55-119126号公報 特開昭57-011614号公報 特開昭59-093828号公報 特開平03-115526号公報 特開平03-115527号公報 特開2020-169366号公報 特開2020-169367号公報 特開2020-169368号公報
しかしながら、上記特許文献6の技術は、MnSやMnSeをインヒビターとして利用する場合には、スラブ加熱時にMnSやMnSeが固溶し難くいため、熱間圧延時に微細なインヒビターの形成が不十分となり、安定的に高い磁気特性を得ることが難しくなるという問題がある。また、上記特許文献7~10の技術は、いずれも、高温での圧延は再結晶には寄与せず、低温の再結晶域での大きな歪付加のみが再結晶に寄与するという技術思想の下、1200℃付近の温度域で高圧下圧延を行い、組織の微細化を図るという点で共通している。しかし、これらの技術を適用しても、リジングは殆ど改善されない。一方、特許文献11~12の技術は、いずれも、高温域で高圧下圧延を行って組織の微細化を図るという点で共通しており、組織微細化に対してある程度の効果が確認されている。しかし、これらの技術を適用してもなお、リジングの撲滅できていない。また、特許文献13~15の技術は、いずれも、磁気特性の不良部をなくす技術であるが、リジングの抑制という観点では逆効果である。
本発明は、従来技術が抱える上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、リジングの発生がなく、形状が良好な方向性電磁鋼板の製造方法を提案することにある。
発明者らは、上記に課題を解決するため、熱間圧延の粗圧延の工程に着目して鋭意検討を重ねた。その結果、熱間圧延の粗圧延のいずれかの圧延パスを1200℃以上の温度域で行った後、5s以上時間を空けて逆方向に次の圧延パスを行い、かつ、粗圧延の総圧下率を75%以上とすることで、リジングを大きく抑制できることを見出し、本発明を開発するに至った。
上記知見に基づく本発明は、C:0.02~0.10mass%、Si:2.5~5.5mass%、Mn:0.01~0.30mass%、SとSeのうちの少なくとも1種を合計で0.001~0.040mass%含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する鋼スラブを加熱した後、熱間圧延し、次いで、熱延板焼鈍を施した後もしくは施すことなく、1回もしくは中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延して最終板厚の冷延板とし、脱炭焼鈍を兼ねた一次再結晶焼鈍し、焼鈍分離剤を塗布し、仕上焼鈍を施す方向性電磁鋼板の製造方法において、上記スラブの加熱温度は1300℃以上とし、上記熱間圧延の粗圧延では、いずれかの圧延パスを1200℃以上の温度域で行った後、5s以上時間を空けて逆方向に次の圧延パスを行い、かつ、粗圧延の総圧下率を75%以上とすることを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法を提案する。
本発明の上記方向性電磁鋼板の製造方法は、上記熱間圧延した後、600℃から800℃までの間の平均昇温速度を1℃/s以上とし、800~1250℃間の温度域で保持する熱延板焼鈍を施すことを特徴とする。
本発明の上記方向性電磁鋼板の製造方法における上記工程は、下記の条件を満たすことを特徴とする。

・鋼スラブを加熱し、1100~1400℃の温度域で1パス以上の粗圧延をした後、800~1300℃の温度域で2パス以上の仕上圧延をして熱延板とし、その後、400~750℃の巻取温度でコイルに巻き取る熱間圧延工程
・熱延板焼鈍を行う場合は、800~1250℃の温度域で5s以上保持した後、800℃から350℃まで5~100℃/sで冷却する熱延板焼鈍工程
・冷間圧延を1回行う場合は、その総圧下率を50~92%の範囲とし、冷間圧延を2回以上行う場合は、最終板厚に仕上げる最終冷間圧延の総圧下率を50~92%の範囲とする冷間圧延工程
・中間焼鈍を行う場合は、800~1250℃の温度域で5s以上保持した後、800℃から350℃まで5~100℃/sで冷却する中間焼鈍工程
・HとNとを含み、かつ露点が20~80℃以下の湿潤雰囲気下で、750~950℃の温度域で10s以上保持する脱炭焼鈍を兼ねた一次再結晶焼鈍工程
・MgOを主成分とする焼鈍分離剤を鋼板表面に片面当たり3g/m以上塗布する焼鈍分離剤塗布工程
・少なくとも1050~1300℃の温度に3hr以上保持する純化処理を含む、800℃以上の温度域の一部の雰囲気をH含有雰囲気とする仕上焼鈍工程
また、本発明の上記方向性電磁鋼板の製造方法に用いる上記鋼スラブは、上記成分組成に加えてさらに、Ni:0~1.00mass%、Sb:0~0.50mass%、Sn:0~0.50mass%、Cu:0~0.50mass%、Cr:0~0.50mass%、P:0~0.50mass%、Mo:0~0.50mass%、Nb:0~0.020mass%、V:0~0.010mass%、B:0~0.0025mass%、Bi:0~0.50mass%およびZr:0~0.10mass%のうちから選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする。
また、本発明の上記方向性電磁鋼板の製造方法に用いる上記鋼スラブは、上記成分組成に加えてさらに、Co:0~0.0500mass%、Pb:0~0.0100mass%のうちから選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする。
また、本発明の上記方向性電磁鋼板の製造方法に用いる上記鋼スラブは、上記成分組成に加えてさらに、As:0~0.0200mass%、Zn:0~0.0200mass%、W:0~0.0100mass%、Ge:0~0.0050mass%、Ga:0~0.0050mass%のうちから選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする。
本発明によれば、優れた磁気特性を有するだけでなく、形状においても優れた方向性電磁鋼板を提供することが可能となる。
粗圧延の総圧下率および熱延板焼鈍条件が、熱延板の最大高さ粗さRzに及ぼす影響を示したグラフである。
まず、本発明を開発するに至った実験について説明する。
<実験1>
C:0.05mass%、Si:2.9mass%、Mn:0.09mass%、S:0.011mass%およびSe:0.010mass%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する厚さ220mmの鋼スラブを8本製造し、1440℃の温度に加熱した後、熱間粗圧延を行った。粗圧延は3パスで行い、各パスの圧延方向、圧延温度、圧延後の板厚および粗圧延の総圧下率は表1に示した。その後、6パスの熱間仕上圧延行って板厚2.0mmの熱延板とした後、水冷して600℃の温度でコイルに巻き取った。
上記のようにして得た熱延板について、以下の方法でリジングを評価した。熱延板の表面および裏面をそれぞれ0.1mmずつ研削した後、#600の研磨紙で研磨した。その後、圧延方向を試験片の引張方向とするJIS5号引張試験片を採取し、室温で歪速度1×10-3で公称歪20%まで引張変形させた。次いで、引張試験後の試験片平行部の長さ方向中央部について、レーザー顕微鏡(レーザースポット径0.2μm)を用いて幅方向中央の10mm部分の幅方向に沿った表面粗さ曲線を測定した。得られた粗さ曲線からその平均線を引き、山頂線と谷底線との間隔を測定し、その値を最大高さ粗さ(Rz)とし、その結果を表1中に示した。このRzは、リジングの程度を表す指標であり、Rzが大きいほどリジングの程度が大きいことを、逆に、Rzが小さいほどリジングが抑制されていることを示している。
表1から、熱間圧延の粗圧延のいずれかの圧延パスを1200℃以上で行った後、次の圧延パスを、5s以上時間を空けて1200℃以上で逆方向に行うことで、熱延板を引張試験した後のRzが50μm以下となり、リジングが大きく抑制されることがわかった。
上記の条件で粗圧延を行うことで、熱延板のリジングが大きく抑制される理由について、発明者らは以下のように考えている。
フェライトを主体とした方向性電磁鋼板は、熱間圧延後には再結晶し難いが、粗圧延を高温で行うことで再結晶し易くなる。また、圧延パス後、5s以上時間をあけることで、当該パスで導入された歪エネルギーによって部分的に再結晶が起こり、組織が微細化するとともに、歪エネルギーが蓄積し難い圧延組織は、この時点では圧延組織のまま残存すると考えられる。この状況で、逆方向に次の圧延パスを行うと、一方向に圧延パスを行う場合よりも、歪エネルギーが蓄積し難い圧延組織内にも効果的に歪エネルギーが蓄積され、その結果、当該圧延パス後に再結晶組織が占める割合が増加し、熱延板組織が微細化する。このような微細組織を有する熱延板は、冷間圧延時に幅方向で均一な塑性流動が起こり、リジングを強く抑制すると考えられる。
Figure 0007439943000001
次に、上記の熱延板を用いて方向性電磁鋼板を製造し、製品板としての磁気特性を評価する以下の実験を行った。
熱延板を酸洗して表面のスケールを除去した後、冷間圧延して最終板厚(製品板厚)0.23mmの冷延板とした。次いで、上記冷延板に、HとNを含む露点60℃の湿潤雰囲気下で820℃×60sの脱炭焼鈍を兼ねた一次再結晶焼鈍を施した。次いで、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を鋼板表面に片面当たり4g/mで塗布、乾燥した。その後、二次再結晶させた後、1200℃×5hrで純化処理する仕上焼鈍を施した。上記仕上焼鈍では、850℃以上の温度域ではHを主成分とする雰囲気とした。次いで、上記仕上焼鈍後の鋼板表面から未反応の焼鈍分離剤を除去した後、リン酸塩系の絶縁張力被膜を塗布し、被膜の焼付けと鋼板の形状矯正を目的とする平坦化焼鈍を施して製品板とした。
斯くして得た製品コイルの最内巻部および最外巻部から磁気特性測定用の試験片を採取し、磁化力800A/mにおける磁束密度BをJIS C2550-1(2011)記載の方法で測定し、磁束密度が最も低い値をコイル内保証値とし、その結果を表1に併記した。これらの結果から、熱間圧延の粗圧延のいずれかの圧延パスを1200℃以上で行った後、次の圧延パスを、5s以上時間を空けて1200℃以上で逆方向に行う条件で製造された熱延板を素材とした製品板は、いずれも、B≧1.84Tの良好な磁束密度が得られている。
上記の条件で粗圧延を行い製造された製品板で良好な磁束密度が得られた理由について、発明者らは、上記条件で粗圧延を行うことで、熱延板組織が微細化し、組織が均一化したことで、仕上焼鈍において方位の揃ったゴス方位粒が二次再結晶し易くなったためであると考えている。
<実験2>
C:0.04mass%、Si:3.1mass%、Mn:0.08mass%、S:0.008mass%およびSe:0.015mass%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する厚さ250mmの鋼スラブを8本製造し、1350℃の温度に加熱した後、熱間粗圧延を行った。熱間粗圧延は4パスで行い、各パスの圧延方向、圧延温度、圧延後の板厚および粗圧延の総圧下率は表2に示した。その後、6パスの熱間仕上圧延行って板厚2.6mmの熱延板とした後、水冷して500℃の温度でコイルに巻き取った。その後、上記熱延板は、表2に示したように、一部の熱延板については、バッチ焼鈍炉または連続焼鈍炉で熱延板焼鈍を施した。バッチ焼鈍炉を用いた熱延板焼鈍では、600~800℃間を平均昇温速度20℃/hrで900℃まで加熱し、20hr間保持した後、炉冷した。一方、連続焼鈍炉を用いた熱延板焼鈍では、600~800℃間を平均昇温速度10℃/sで900℃まで加熱し、60s間保持した後、800℃から350℃まで30℃/sで水冷した。
上記のようにして得た熱延板および熱延板焼鈍板について、実験1と同様の方法で、リジングの程度を評価し、得られたRzの結果を表2に併記した。また、図1には、粗圧延の総圧下率および熱延板焼鈍条件が、熱延板の最大高さ粗さRzに及ぼす影響を示した。これらの結果から、熱間圧延の粗圧延のいずれかの圧延パスを1200℃以上で行った後、次の圧延パスを、5s以上時間を空けて1200℃以上で逆方向に行い、かつ、熱間圧延の粗圧延の総圧下率を75%以上とすることで、熱延板を引張試験した後のRzが50μm以下となり、熱延板のリジングが大きく抑制されることがわかる。また、熱延板焼鈍を連続焼鈍炉で行うことで、熱延焼鈍板を引張試験した後のRzが20μm以下となり、リジングがさらに抑制されることもわかる。
上記のように、熱間圧延の粗圧延の総圧下率を75%以上とすることで、熱延板のリジングが大きく抑制される理由について、発明者らは以下のように考えている。
前述したように、熱間圧延の粗圧延のいずれかの圧延パスを1200℃以上で行った後、次の圧延パスを、5s以上時間を空けて1200℃以上で逆方向に行うことで熱延板組織が微細化すると考えられるが、さらに、粗圧延の総圧下率を75%以上とすることで上記効果が増大し、再結晶組織が占める割合が増加する結果、熱延板組織がより微細化すると考えられる。
また、熱延板焼鈍を連続焼鈍で施すことで、熱延板のリジングが大きく抑制される理由について、発明者らは以下のように考えている。
バッチ焼鈍炉で熱延板焼鈍を施した場合には、昇温速度が遅いため、再結晶温度域に到達する前に回復が進行して歪エネルギーが減少し、再結晶の駆動力が失われる結果、再結晶率の増加には繋がらない。一方、熱延板焼鈍を連続焼鈍炉で施した場合には、昇温速度が高いため、歪エネルギーが再結晶を起こす高温域まで保持されて再結晶の駆動力が高まるため、再結晶率が顕著に増加し、結晶粒がより微細化したものと考えられる。
なお、連続焼鈍炉での熱延板焼鈍による再結晶率の増加効果は、熱間圧延の粗圧延のいずれかの圧延パスを1200℃以上で行った後、次の圧延パスを、5s以上時間を空けて1200℃以上で逆方向に行うという条件を満たした場合にのみ加算される効果であると考えられる。上記の条件を満たさない場合、熱延板組織に含まれる加工・回復組織には歪エネルギーの蓄積量が少なく、連続焼鈍炉で熱延板焼鈍を施しても再結晶率の増加には繋がらないと考えられるからである。
このような再結晶組織を多く含む微細組織を有する熱延板および連続焼鈍炉で熱延板焼鈍を施した熱延焼鈍板は、冷間圧延時に幅方向で均一な塑性流動が起こり、リジングを強く抑制すると考えられる。
Figure 0007439943000002
次に、上記の熱延板を用いて方向性電磁鋼板を製造し、製品板としての磁気特性を評価する以下の実験を行った。
熱延板を酸洗して表面のスケールを除去した後、冷間圧延して最終板厚(製品板厚)0.27mmの冷延板とした。次いで、上記冷延板に、HとNを含む露点50℃の湿潤雰囲気下で900℃×60sの脱炭焼鈍を兼ねた一次再結晶焼鈍を施した。次いで、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を鋼板表面に片面当たり7g/mで塗布、乾燥した。その後、二次再結晶させた後、1150℃×20hrの純化処理する仕上焼鈍を施した。仕上焼鈍では、1150℃以上の温度域ではHを主成分とする雰囲気とした。次いで、上記仕上焼鈍後の鋼板表面から未反応の焼鈍分離剤を除去した後、リン酸塩系の絶縁張力被膜を塗布し、被膜の焼付けと鋼帯の平坦化を目的とする平坦化焼鈍を施して製品板とした。
斯くして得た製品コイルの最内巻部および最外巻部から磁気特性測定用の試験片を採取し、磁化力800A/mにおける磁束密度BをJIS C2550-1(2011)記載の方法で測定し、磁束密度が最も低い値をコイル内保証値とし、その結果を表2に併記した。これらの結果から、熱間圧延の粗圧延のいずれかの圧延パスを1200℃以上で行った後、次の圧延パスを、5s以上時間を空けて1200℃以上で逆方向に行い、かつ、粗圧延の総圧下率を75%以上とする条件で製造された製品板は、いずれも、B≧1.84Tの良好な磁束密度が得られている。さらに、熱延板焼鈍を連続焼鈍炉で施して製造された製品板は、B≧1.87Tのさらに良好な磁束密度が得られている。
上記の条件で粗圧延を行い製造された製品板で良好な磁束密度が得られた理由について、発明者らは、上記条件で粗圧延を行うことで、熱延板組織が微細化し、組織が均一化したことで、仕上焼鈍において方位の揃ったゴス方位粒がより二次再結晶し易くなったためであると考えている。
次に、本発明の方向性電磁鋼板の製造に用いる鋼素材(スラブ)の成分組成の限定理由について説明する。
C:0.02~0.10mass%
Cは、熱延時および熱延板焼鈍の均熱時に起こるオーステナイト-フェライト変態を利用して熱延板組織の改善を図るために必要な元素である。また、C含有量が0.02mass%に満たないと、Cによる粒界強化効果が失われ、スラブに割れが生じるなど、製造に支障を来たす欠陥を引き起こす。一方、C含有量が0.10mass%を超えると、脱炭処理の負荷が増大するばかりでなく、脱炭自体が不完全となり、製品板において磁気時効を起こす原因ともなる。そのため、Cの含有量は0.02~0.10mass%の範囲とする。好ましくは0.03~0.08mass%の範囲である。
Si:2.5~5.5mass%
Siは、鋼の比抵抗を高めて鉄損の一部を構成する渦電流損を低減するのに極めて有効な元素である。Si含有量が2.5mass%未満では、上記低減効果が小さく、良好な鉄損特性を得ることができない。一方、鋼の比抵抗は、Si含有量が11mass%までは単調に増加するものの、5.5mass%を超えると加工性が著しく低下し、圧延して製造することが困難となる。そのため、Siの含有量は2.5~5.5mass%の範囲とする。好ましくは3.0~4.0mass%の範囲である。
Mn:0.01~0.30mass%
Mnは、MnSおよびMnSeを形成し、仕上焼鈍の昇温過程で正常粒成長を抑制するインヒビターとして機能するため、方向性電磁鋼板の製造においては重要な元素である。しかし、Mn含有量が0.01mass%に満たないと、インヒビターの絶対量が不足し、正常粒成長の抑制力が不十分となる。一方、Mn含有量が0.30mass%を超えると、スラブ加熱で十分に固溶させることが難しくなり、磁気特性が劣化するようになる。そのため、Mnの含有量は0.01~0.30mass%の範囲とする。好ましくは0.05~0.20mass%の範囲である。
SおよびSe:少なくとも1種を合計で0.001~0.040mass%
SおよびSeは、Mnと結合してインヒビターとなるMnSやMnSeを形成する。しかし、合計含有量が0.001mass%に満たないと、インヒビター量が不足し、磁気特性向上効果が十分に得られない。一方、合計含有量が0.040mass%を超えると、スラブ加熱で十分に固溶させることが難しくなり、磁気特性が大きく劣化するようになる。また、Sは0.040mass%を超えると、熱間圧延時に耳割れが発生するようになる。そこで、磁気特性と製造性を両立するため、SとSeの合計含有量は0.001~0.040mass%の範囲とする。好ましくは0.002~0.015mass%の範囲である。
本発明に用いる鋼素材は、上記必須成分以外に、磁気特性の向上を目的として、Ni:0~1.00mass%、Sb:0~0.50mass%、Sn:0~0.50mass%、Cu:0~0.50mass%、Cr:0~0.50mass%、P:0~0.50mass%、Mo:0~0.50mass%、Nb:0~0.020mass%、V:0~0.010mass%、B:0~0.0025mass%、Bi:0~0.50mass%およびZr:0~0.10mass%のうちから選ばれる少なくとも1種を含有することができる。それぞれの元素の添加量が上記上限値を超えると、二次再結晶粒の発達が抑制され、却って磁気特性が劣化するようになる。なお、磁気特性をより向上する観点からは、Ni:0.01mass%以上、Sb:0.005mass%以上、Sn:0.005mass%以上、Cu:0.01mass%以上、Cr:0.01mass%以上、P:0.005mass%以上、Mo:0.005mass%以上、Nb:0.001mass%以上、V:0.001mass%以上、B:0.0002mass%以上、Bi:0.005mass%以上およびZr:0.001mass%以上添加するのが望ましい。
また、本発明に用いる鋼素材は、上記成分組成に加えてさらに、磁気特性の向上を目的として、Co:0~0.0500mass%、Pb:0~0.0100mass%のうちから選ばれる少なくとも1種を含有することができる。それぞれの元素の添加量が上記上限を超えると、二次再結晶粒の発達が抑制され、却って磁気特性が劣化するようになる。なお、磁気特性をより向上する観点からは、Co:0.0020mass%以上、Pb:0.0001mass%以上添加するのが望ましい。
また、本発明に用いる鋼素材は、上記成分組成に加えてさらに、磁気特性の向上を目的として、As:0~0.0200mass%、Zn:0~0.0200mass%、W:0~0.0100mass%、Ge:0~0.0050mass%、Ga:0~0.0050mass%のうちから選ばれる少なくとも1種を含有することができる。それぞれの元素の添加量が上記上限を超えると、二次再結晶粒の発達が抑制され、却って磁気特性が劣化するようになる。なお、磁気特性をより向上する観点からは、As:0.0010mass%以上、Zn:0.0010mass%以上、W:0.0010mass%以上、Ge:0.0001mass%以上、Ga:0.0001mass%以上添加するのが望ましい。
なお、TiやAlやNは、窒化物を形成し、MnSやMnSeのインヒビター効果を損ねる有害元素であり、できる限り低減するのが好ましい。しかし、これらの元素の低減は精錬コストを増大させるが、Ti:0.010mass%以下、Al:0.010mass%以下およびN:0.005mass%以下であれば許容され得る。より好ましい含有量は各々0.0020mass%以下である。
本発明に用いる鋼スラブにおいて、上記成分以外の残部はFeおよび不可避的不純物である。ここで、上記不可避的不純物とは、鋼を溶製する際、原料やスクラップ、溶製用の鍋等から不可避的に混入する元素のことを意味する。
次に、本発明の方向性電磁鋼板の製造方法について説明する。
本発明の方向性電磁鋼板の製造に用いる鋼素材(スラブ)は、上記した成分組成を有する鋼を通常公知の精錬プロセスで溶製した後、通常公知の造塊法あるいは連続鋳造法で製造してもよいし、100mm以下の厚さの薄鋳片を直接鋳造法で製造してもよい。
上記のスラブや薄鋳片は、通常の方法で加熱した後、熱間圧延に供するが、熱間圧延前のスラブ加熱温度は1300℃以上としてインヒビター形成成分を完全に固溶させることが望ましい。
上記加熱したスラブは、粗圧延と仕上圧延からなる熱間圧延に供する。
上記熱間圧延の粗圧延は、1100~1400℃間の温度域で1パス以上の粗圧延を行うが、本発明の特徴は、上記粗圧延のいずれかの圧延パスを1200℃以上の温度域で行った後、次の圧延パスを、5s以上時間を空けて逆方向に行い、かつ、粗圧延の総圧下率を75%以上とすることにある。上記条件を満たして粗圧延を行うことで、後工程でのリジング発生が抑制され、製造ラインでの通板トラブルの発生リスクを低減したり、最終製品板の表面品質の低下を防止し、積層して変圧器等を組み立てるときの占積率の低下リスクを低減したりすることが可能となる。さらに、上記のように逆方向の圧延パスを行う際には1200℃以上で行うことが望ましい。
上記粗圧延に続く仕上圧延は、熱延板の組織を適正化するため、800~1300℃の範囲内において2パス以上の条件で行うのが好ましい。また、仕上圧延後のコイル巻取温度は、炭化物の組織制御と割れ等の欠陥を防止する両方の観点から、400~750℃の範囲とするのが好ましい。より好ましくは500~700℃の範囲である。
上記熱間圧延後の鋼板(熱延板)は、鋼板組織を均一化し、磁気特性のばらつきを小さくする観点から、800~1250℃の温度で5s以上保持する熱延板焼鈍を施すことが好ましい。より好ましくは900~1150℃の温度で10~180s間保持する条件である。さらに、再結晶率を高めてリジングの発生を防止する観点から、600℃~800℃間の平均昇温速度を1℃/s以上とするのが好ましい。あるいはさらに、上記均熱処理後は、第二相や析出物の形態制御の観点から、800℃から350℃までの温度域を5~100℃/sの冷却速度で冷却することが好ましい。より好ましくは15~80℃/sである。
次いで、上記熱間圧延後または熱延板焼鈍後の鋼板(熱延板)は、熱間圧延時に生成した鋼板表面の酸化膜を除去するため、脱スケール処理を施すことが好ましい。脱スケール処理の方法は、加熱した酸を用いて酸洗する方法、機械的にスケールを除去するメカニカルデスケーリング方法、それらを組み合わせた方法など、公知の方法を用いることができる。
スケールを除去した熱延板は、1回の冷間圧延または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延をして最終板厚の冷延板とする。上記中間焼鈍は、800~1250℃の温度で5s以上保持する条件で行うのが好ましい。温度が800℃未満では、再結晶粒が細かくなり過ぎ、一次再結晶組織におけるゴス核が減少し、磁気特性が劣化する虞れがある。一方、1250℃を超えると、インヒビターの急激な成長や分解が生じるため、やはり、磁気特性の劣化を招く虞れがある。より好ましくは900~1150℃の温度で10~180s間保持する条件である。
上記均熱処理後の冷却は、第二相や析出物の形態制御の観点から、800℃から350℃までを5~100℃/sの速度で冷却するのが好ましい。より好ましくは15~80℃/sである。なお、中間焼鈍を行う場合は、その前に、圧延油を除去することが好ましい。また、中間焼鈍後は、焼鈍で生じた鋼板表面のスケールを除去することが望ましい。脱スケールの方向は、加熱された酸を用いて酸洗する方法、機械的にスケールを除去するメカニカルデスケーリング方法、それらを組み合わせた方法など、公知の方法を用いることができる。
また、冷間圧延では、圧延荷重の低減と圧延後の鋼板形状を向上するため、圧延油等の潤滑剤を使用することが望ましい。また、組織制御の観点から、1回の冷間圧延で最終板厚とする場合は、該冷間圧延の総圧下率を50~92%の範囲とするのが好ましい。一方、冷間圧延を2回以上行う場合は、最終板厚に仕上げる最終冷間圧延の総圧下率を50~92%の範囲とするのが好ましい。
最終板厚に冷間圧延した鋼板(冷延板)は、その後、脱炭焼鈍を兼ねた一次再結晶焼鈍を施すが、その前に、脱脂や酸洗を行い、鋼板表面を清浄化しておくことが好ましい。一次再結晶焼鈍における脱炭焼鈍は、750~950℃の温度に10s以上保持する条件とするのが好ましい。より好ましい条件は800~900℃×30~180sの範囲である。また、上記脱炭焼鈍時の雰囲気は、HとNからなる、露点が20~80℃の湿潤雰囲気とすることが好ましい。より好ましい露点は40~70℃の範囲である。上記脱炭焼鈍を施すことにより、鋼中のCは磁気時効が起き難い0.0050mass%以下に低減される。
上記した一次再結晶焼鈍後の鋼板は、その後、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を鋼板表面に片面当たり3g/m以上の目付量で塗布することが好ましい。目付量の上限は特に制限しないが、製造コストの観点から、10g/m程度とするのが好ましい。なお、MgOは、スラリー状にして鋼板表面に塗布してもよいし、静電塗装で乾式塗布してもよい。スラリーで塗布する場合は、スラリーの粘度上昇を抑制するため、スラリー溶液を15℃以下の一定温度に保持することが好ましい。また、スラリー濃度を一定に維持するため、スラリー溶液は、調合用のタンクと、塗布に供するタンクとを分別することが望ましい。なお、上記のMgOが主成分とは、焼鈍分離剤全体に対するMgOの含有量が60mass%以上であることをいう。
焼鈍分離剤を塗布した鋼板は、コイルに巻き取り、アップエンドの状態にして、仕上焼鈍を施し、二次再結晶粒を発達させるととともに、鋼板表面にフォルステライト被膜を形成させる。この際、コイルの外巻が巻ほぐれるのを防止するため、コイル外周にバンド等を巻き付けることが望ましい。
上記仕上焼鈍は、二次再結晶を完了させるためには、800℃以上の温度に加熱することが好ましい。また、鋼板表面にフォルステライト被膜を形成させる場合は、1050℃以上に加熱することが好ましく、また、インヒビター形成成分や不純物を鋼中から排除し、良好な磁気特性を得るためには、1050~1300℃の温度で3hr以上保持する純化処理を施すことが好ましい。上記純化処理を施すことで、インヒビター形成成分を不純物レベルまで低減することができる。この際、少なくとも1050~1300℃の温度に3hr以上保持する純化処理を含む、800℃以上の温度域の一部の雰囲気を、Hを含む雰囲気とするのが好ましい。
上記仕上焼鈍を施した鋼板は、その後、未反応の焼鈍分離剤を除去するため、水洗やブラッシング、酸洗等を施した後、仕上焼鈍時の鋼板の巻き癖等を矯正したり、鉄損を低減したりするため、平坦化焼鈍を施すことが好ましい。
なお、方向性電磁鋼板は、鋼板を積層して使用することが多いが、その場合の絶縁性を確保するため、鋼板表面に絶縁被膜を被成することが好ましい。上記絶縁被膜は、鉄損を低減する効果のある張力付与型を採用するのが好ましい。上記絶縁被膜の鋼板表面への被成は、平坦化焼鈍前に被膜液を塗布し、平坦化焼鈍で焼き付けてもよいし、別のラインで行ってもよい。また、被膜密着性を高めて鉄損低減効果をより向上するため、バインダーを介して張力付与被膜を形成したり、物理蒸着法や化学蒸着法を用いて無機物を鋼板表層に蒸着させる方法を採用したりしてもよい。
さらに、より鉄損を低減する観点から、冷間圧延後のいずれかの工程で、鋼板表面にエッチング等で溝を形成したり、絶縁被膜を形成した後、鋼板表面にレーザーやプラズマ等の熱エネルギービームを照射して熱歪領域を形成したり、突起を有するロール等を鋼板表面に押し当てて加工歪領域を形成したりすることで、磁区細分化処理を施してもよい。
C:0.06mass%、Si:3.0mass%、Mn:0.13mass%、S:0.012mass%およびSe:0.010mass%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する厚さ200mmの鋼スラブを12本製造し、1400℃の温度に加熱した後、熱間粗圧延を行った。粗圧延は3パスで行い、各パスの圧延方向、圧延温度、圧延後の板厚および粗圧延の総圧下率を表3に示した。その後、7パスの熱間仕上圧延行って板厚2.2mmの熱延板とした後、水冷して500℃の温度でコイルに巻き取った。
表3に示した各熱間粗圧延条件につき、各3本の熱延コイルを製造し、そのうちの1本は、熱延ままの熱延板とし、残りの2本のうち1本は、連続焼鈍炉で600~800℃間を平均昇温速度1℃/sで1000℃まで加熱し、上記温度に30s間保持した後、800℃から350℃まで20℃/sで水冷する熱延板焼鈍を施し、残りの1本は、連続焼鈍炉で600~800℃間を平均昇温速度30℃/sで1000℃まで加熱し、上記温度に30s間保持した後、800℃から350℃まで20℃/sで水冷する熱延板焼鈍を施した。
上記のようにして得た熱延板および熱延焼鈍板について、実験1と同様の方法でリジングの程度を評価し、最大高さ粗さRzを表3に併記した。これらの結果から、本発明に適合する製造条件で製造された熱延板は、引張試験した後のRzが50μm以下となり、リジングが大きく抑制されていることがわかる。また、本発明に適合する製造条件で製造された熱延焼鈍板は、引張試験した後のRzが20μm以下となり、リジングがさらに抑制されていることがわかる。
Figure 0007439943000003
次に、上記のようにして得た種々の熱延板および熱延板焼鈍板を用いて、最終製品板の磁気特性を評価する実験を行った。具体的には、上記熱延板および熱延板焼鈍板を酸洗して表面のスケールを除去した後、冷間圧延して中間板厚0.5mmとし、900℃の温度に120s間保持した後、800℃から350℃まで80℃/sで水冷する中間焼鈍を施し、酸洗した後、2回目の冷間圧延して最終板厚0.18mmの冷延板とした。次いで、HとNを含む露点53℃の湿潤雰囲気下で800℃×120sの脱炭焼鈍を兼ねた一次再結晶焼鈍を施した。次いで、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を鋼板表面に片面当たり5g/m塗布、乾燥した。その後、二次再結晶させた後、1220℃×5hrで純化処理する仕上焼鈍を施した。なお、仕上焼鈍では、1050℃以上の温度域はHを主成分とする雰囲気とした。次いで、上記仕上焼鈍後の鋼板表面から未反応の焼鈍分離剤を除去した後、リン酸塩系の絶縁張力被膜を塗布し、被膜の焼付けと鋼板の形状矯正を目的とする平坦化焼鈍を施して製品板とした。
斯くして得た製品コイルの最内巻部および最外巻部から磁気特性測定用の試験片を採取し、磁化力800A/mにおける磁束密度BをJIS C2550-1(2011)記載の方法で測定し、磁束密度が最も低い値をコイル内保証値とし、その結果を表3に併記した。これらの結果から、本発明に適合する製造条件で製造された熱延板を用いて製造された製品板は、いずれもB≧1.84Tの良好な磁束密度が得られていることがわかる。また、本発明に適合する条件で熱延板焼鈍を施して製造した製品板は、いずれもB≧1.87Tのさらに良好な磁束密度が得られていること、さらに、熱延板焼鈍の昇温速度は速いほど磁束密度が向上することがわかる。
表4に示した種々の成分を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する厚さ200mmの鋼スラブをそれぞれ2本ずつ製造し、1400℃に加熱した後、熱間粗圧延を行った。粗圧延は5パスで行い、各パスの圧延方向、圧延温度、圧延後の厚みおよび粗圧延の総圧下率は表5に示した。その後、7パスの熱間仕上圧延行って板厚2.2mmの熱延板とした後、水冷して約600℃でコイルに巻き取った。なお、表4に示した1成分につき、各2本の熱延コイルを製造し、そのうちの1本は熱延板ままとし、残りの1本については、連続焼鈍炉で600~800℃間を平均昇温速度15℃/sで1050℃まで加熱し、該温度に60s間保持した後、800℃から350℃まで40℃/sで水冷する熱延板焼鈍を施した。
上記のようにして得た熱延板および熱延板焼鈍板について、実験1と同様の方法でリジングの程度を評価し、得られた最大高さ粗さRzを表4に併記した。これらの結果から、本発明に適合する条件で製造された熱延板は、Rzがいずれも50μm以下となり、リジングが大きく抑制されていることがわかる。また、本発明に適合する条件で製造された熱延焼鈍板は、Rzがいずれも20μm以下となり、リジングがさらに抑制されていることがわかる。
Figure 0007439943000004
Figure 0007439943000005
Figure 0007439943000006
Figure 0007439943000007
次に、上記の種々の熱延板および熱延板焼鈍板を用いて、最終製品板の磁気特性を評価する実験を行った。具体的には、上記熱延板および熱延板焼鈍板を酸洗して表面のスケールを除去した後、冷間圧延して中間板厚0.6mmとし、1050℃の温度に20s間保持した後、800℃から350℃まで80℃/sで水冷する中間焼鈍を施し、酸洗した後、2回目の冷間圧延して最終板厚0.23mmの冷延板とした。次いで、HとNを含む露点53℃の湿潤雰囲気下で800℃×120sの脱炭焼鈍を兼ねた一次再結晶焼鈍を施した。次いで、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を鋼板表面に片面当たり5g/m塗布、乾燥した。その後、二次再結晶させた後、1220℃×5hrの純化処理する仕上焼鈍を施した。なお、仕上焼鈍では、1050℃以上の温度域はHを主成分とする雰囲気とした。次いで、上記仕上焼鈍後の鋼板表面から未反応の焼鈍分離剤を除去した後、リン酸塩系の絶縁張力被膜を塗布し、被膜の焼付けと鋼板の形状矯正を目的とする平坦化焼鈍を施して製品板とした。
斯くして得た製品コイルの最内巻部および最外巻部から磁気特性測定用の試験片を採取し、磁化力800A/mにおける磁束密度BをJIS C2550-1(2011)記載の方法で測定し、磁束密度が最も低い値をコイル内保証値とし、その結果を表4に併記した。これらの結果から、本発明に適合する製造条件で製造された熱延板を用いて製造した製品板は、いずれも、熱延板焼鈍無しでB≧1.84T、熱延板焼鈍有りでB≧1.87Tの良好な磁束密度が得られていることがわかる。また、熱延板焼鈍無し、熱延板焼鈍有りの場合とも、必須の成分に加えてさらに適切な成分を添加した製品板では、より良好な磁束密度(熱延板焼鈍無し:B≧1.87T、熱延板焼鈍有り:B≧1.90T)が得られていることがわかる。

Claims (3)

  1. C:0.02~0.10mass%、Si:2.5~5.5mass%、Mn:0.01~0.30mass%およびSとSeのうちの少なくとも1種を合計で0.001~0.040mass%含有し、
    任意選択的に、さらに、下記のA群からC群のうちの1群以上の成分を含有し、
    A群;
    Ni:0~1.00mass%、Sb:0~0.50mass%、Sn:0~0.50mass%、Cu:0~0.50mass%、Cr:0~0.50mass%、P:0~0.50mass%、Mo:0~0.50mass%、Nb:0~0.020mass%、V:0~0.010mass%、B:0~0.0025mass%、Bi:0~0.50mass%およびZr:0~0.10mass%のうちから選ばれる少なくとも1種、
    B群;
    Co:0~0.0500mass%、Pb:0~0.0100mass%のうちから選ばれる少なくとも1種、
    C群;
    As:0~0.0200mass%、Zn:0~0.0200mass%、W:0~0.0100mass%、Ge:0~0.0050mass%、Ga:0~0.0050mass%のうちから選ばれる少なくとも1種、
    残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する鋼スラブを加熱した後、熱間圧延し、次いで、熱延板焼鈍を施した後もしくは施すことなく、1回もしくは中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延して最終板厚の冷延板とし、脱炭焼鈍を兼ねた一次再結晶焼鈍し、焼鈍分離剤を塗布し、仕上焼鈍を施す方向性電磁鋼板の製造方法において、
    上記スラブの加熱温度は1300℃以上とし、上記熱間圧延の粗圧延では、いずれかの圧延パスを1200℃以上の温度域で行った後、5s以上20s以下の時間を空けて逆方向に次の圧延パスを1200℃以上で行い、かつ、粗圧延の総圧下率を75%以上とすることを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
  2. 上記熱間圧延した後、600℃から800℃までの間の平均昇温速度を1℃/s以上とし、800~1250℃間の温度域で保持する熱延板焼鈍を施すことを特徴とする請求項1に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  3. 上記工程は、下記の条件を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。

    ・鋼スラブを加熱し、1100~1400℃の温度域で1パス以上の粗圧延をした後、800~1300℃の温度域で2パス以上の仕上圧延をして熱延板とし、その後、400~750℃の巻取温度でコイルに巻き取る熱間圧延工程
    ・熱延板焼鈍を行う場合は、800~1250℃の温度域で5s以上保持した後、800℃から350℃まで5~100℃/sで冷却する熱延板焼鈍工程
    ・冷間圧延を1回行う場合は、その総圧下率を50~92%の範囲とし、冷間圧延を2回以上行う場合は、最終板厚に仕上げる最終冷間圧延の総圧下率を50~92%の範囲とする冷間圧延工程
    ・中間焼鈍を行う場合は、800~1250℃の温度域で5s以上保持した後、800℃から350℃まで5~100℃/sで冷却する中間焼鈍工程
    ・HとNとを含み、かつ露点が20~80℃以下の湿潤雰囲気下で、750~950℃の温度域で10s以上保持する脱炭焼鈍を兼ねた一次再結晶焼鈍工程
    ・MgOを主成分とする焼鈍分離剤を鋼板表面に片面当たり3g/m以上塗布する焼鈍分離剤塗布工程
    ・少なくとも1050~1300℃の温度に3hr以上保持する純化処理を含む、800℃以上の温度域の一部の雰囲気をH含有雰囲気とする仕上焼鈍工程
JP2022551749A 2021-05-31 2022-05-27 方向性電磁鋼板の製造方法 Active JP7439943B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021090806 2021-05-31
JP2021090806 2021-05-31
PCT/JP2022/021772 WO2022255258A1 (ja) 2021-05-31 2022-05-27 方向性電磁鋼板の製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JPWO2022255258A1 JPWO2022255258A1 (ja) 2022-12-08
JPWO2022255258A5 JPWO2022255258A5 (ja) 2023-05-15
JP7439943B2 true JP7439943B2 (ja) 2024-02-28

Family

ID=84324160

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022551749A Active JP7439943B2 (ja) 2021-05-31 2022-05-27 方向性電磁鋼板の製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7439943B2 (ja)
WO (1) WO2022255258A1 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005262217A (ja) 2004-03-16 2005-09-29 Jfe Steel Kk 磁気特性に優れた方向性電磁鋼板の製造方法
WO2017155057A1 (ja) 2016-03-09 2017-09-14 Jfeスチール株式会社 方向性電磁鋼板の製造方法
WO2017159507A1 (ja) 2016-03-15 2017-09-21 Jfeスチール株式会社 方向性電磁鋼板の製造方法および製造設備列
WO2020067136A1 (ja) 2018-09-27 2020-04-02 Jfeスチール株式会社 方向性電磁鋼板とその製造方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4204891A (en) * 1978-11-27 1980-05-27 Nippon Steel Corporation Method for preventing the edge crack in a grain oriented silicon steel sheet produced from a continuously cast steel slab
JPH0310020A (ja) * 1989-05-08 1991-01-17 Kawasaki Steel Corp 磁気特性及び表面性状の優れた方向性珪素鋼板の製造方法
JPH0892644A (ja) * 1994-09-29 1996-04-09 Kawasaki Steel Corp 磁気特性に優れる一方向性珪素鋼板の製造方法
JP3849146B2 (ja) * 1994-12-05 2006-11-22 Jfeスチール株式会社 一方向性けい素鋼板の製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005262217A (ja) 2004-03-16 2005-09-29 Jfe Steel Kk 磁気特性に優れた方向性電磁鋼板の製造方法
WO2017155057A1 (ja) 2016-03-09 2017-09-14 Jfeスチール株式会社 方向性電磁鋼板の製造方法
WO2017159507A1 (ja) 2016-03-15 2017-09-21 Jfeスチール株式会社 方向性電磁鋼板の製造方法および製造設備列
WO2020067136A1 (ja) 2018-09-27 2020-04-02 Jfeスチール株式会社 方向性電磁鋼板とその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2022255258A1 (ja) 2022-12-08
WO2022255258A1 (ja) 2022-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9831020B2 (en) Method of production of grain-oriented silicon steel sheet grain oriented electrical steel sheet and use thereof
JP5988026B2 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JP6191826B2 (ja) 磁気特性に優れる方向性電磁鋼板の製造方法
JP6443355B2 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JP5375694B2 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JP5794409B2 (ja) 電磁鋼板およびその製造方法
JP7197069B1 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JP6432671B2 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
KR102427606B1 (ko) 방향성 전자 강판
JP6947147B2 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JP7439943B2 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JP7239077B1 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JP7537505B2 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JP7338812B1 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JP5310510B2 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JP7197068B1 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JP2009155731A (ja) 高磁場鉄損の優れた高磁束密度一方向性電磁鋼板
JP2014173103A (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JP7414145B2 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法および方向性電磁鋼板用熱延鋼板
JP6607176B2 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
KR20230159874A (ko) 방향성 전자 강판의 제조 방법
KR20230159875A (ko) 방향성 전자 강판의 제조 방법
JP2015193921A (ja) 鉄損特性に優れる方向性電磁鋼板の製造方法
JP2021138984A (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JP2018090851A (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220826

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220826

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230829

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231027

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240116

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240129

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7439943

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150