以下、本技術を実施するための形態について説明する。説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(内部時刻の送信)
2.第2の実施の形態(無線資源の送信)
3.第3の実施の形態(無線資源(符号以外)の送信)
4.第4の実施の形態(複数回のデータフレームの送信)
5.第5の実施の形態(コンピュータ)
<1.第1の実施の形態(内部時刻の送信)>
<無線通信システムの構成例>
図1は、本技術の一実施の形態に係る無線通信システムの構成例を示すブロック図である。
図1の無線通信システムは、センサ端末11-1乃至11-N、および受信装置12が、無線通信により接続されることによって構成される。
センサ端末11-1乃至11-Nと受信装置12との間の無線通信は、センサ端末11-1乃至11-Nから受信装置12への片方向通信とする。
センサ端末11-1乃至11-Nは、それぞれ、送信局を構成する。センサ端末11-1乃至11-Nは、1つ、または複数のセンサを備えるIoT(Internet of Things)デバイスである。センサ端末11-1乃至11-Nは、例えば、カメラ、マイクロフォン、加速度センサ、角速度センサ、地磁気センサ、照度センサ、温度センサ、湿度センサ、水分センサ、光センサ、気圧センサ、および測位センサなどのうち、少なくとも1つのセンサを備える。
以下、適宜、センサ端末11-1乃至11-Nをそれぞれ区別する必要がない場合、まとめてセンサ端末11と称する。
センサ端末11は、例えば、測定対象の測定を行い、測定結果を表すセンサデータを含むデータフレームを受信装置12に送信する。
その際、センサ端末11は、データフレームの送信に先立ち、制御フレームを受信装置12に送信する。制御フレームは、送信側の内部時刻および端末IDに基づいて決定される送信時刻および送信周波数に関する送信関連情報を含む。
送信関連情報は、送信側(センサ端末11)の内部時刻および端末IDであってもよいし、その内部時刻および端末IDに基づいて決定される送信時刻および送信周波数であってもよい。なお、第1の実施の形態においては、制御フレームには、送信関連情報として、内部時刻および端末IDが含まれる。
受信装置12は、受信局を構成する。受信装置12は、センサ端末11から送信されてくる制御フレームを受信した後、その制御フレームを受信することで得られる送信関連情報を用いて、センサ端末11から送信されてくるデータフレームを受信する。
受信装置12は、制御フレームを受信することで得られる送信関連情報により、制御フレームの後に送信されてくるデータフレームの送信時刻および送信周波数を特定(認識)することができるので、受信装置12における受信のための待機時間を減らすことができる。
これにより、図1の無線通信システムによれば、低消費電力の無線通信システムを提供することができる。
<センサ端末の構成例>
図2は、センサ端末11の構成例を示すブロック図である。
センサ端末11は、センサデータ取得部21、端末IDメモリ22、内部時計23、無線資源決定部24、フレーム生成部25、無線制御部26、および無線送信部27から構成される。
センサデータ取得部21は、上述したセンサによる測定結果を表すセンサデータを取得する。センサデータは、定期的に取得されるようにしてもよいし、センサデータの変化量が一定値を超えた場合に取得されるようにしてもよい。取得されたセンサデータは、センサデータ取得部21からフレーム生成部25に供給される。
端末IDメモリ22は、センサ端末11の固有の識別子である端末IDを記憶する。端末IDは、例えば、32ビットで定義される。端末IDは、端末IDメモリ22から無線資源決定部24およびフレーム生成部25に供給される。
内部時計23は、センサ端末11に搭載されている図示せぬ発振器の出力信号をもとにカウントアップすることで、電源投入後からの経過時間を計時する。内部時計23が計時する経過時間は、内部時刻として、無線資源決定部24およびフレーム生成部25に供給される。
無線資源決定部24は、端末IDメモリ22から供給される端末ID、および内部時計23から供給される内部時刻などに基づいて、無線資源を決定する。無線資源は、フレームの送信時刻、送信周波数、スクランブル符号、およびSYNC符号などである。無線資源の決定方法は、詳しく後述するが、制御フレームとデータフレームとで異なる。
決定された無線資源は、無線資源決定部24からフレーム生成部25に供給される。さらに、無線資源のうち、送信時刻と送信周波数とは、無線制御部26にも供給される。
フレーム生成部25は、制御フレームとデータフレームとを生成する。制御フレームとデータフレームとの生成には、センサデータ取得部21から供給されるセンサデータ、端末IDメモリ22から供給される端末ID、内部時計23から供給される内部時刻、無線資源決定部24から供給される無線資源などが必要に応じて用いられる。制御フレームとデータフレームとは、フレーム生成部25から無線送信部27に供給される。
無線制御部26は、無線資源決定部24から供給される送信時刻と送信周波数とに応じて、無線信号を送信するように無線送信部27を制御する。
無線送信部27は、無線制御部26からの制御に従って、フレーム生成部25から供給される制御フレームやデータフレーム(以下、まとめてフレームともいう)を無線信号に変換して、受信装置12に送信する。
<フレームの構成例>
図3は、フレームの構成例を示す図である。
フレームは、SYNC符号とPayloadのフィールドとで構成される。Payloadは、ID、DATA、CRC(Cyclic Redundancy Check)などのフィールドを有する。
制御フレームとデータフレームとでは、DATAに格納される情報が異なる。
まず、制御フレームの構成について説明する。
IDには、端末IDが含まれる。DATAには、内部時計23から供給される内部時刻が含まれる。例えば、内部時刻は、制御フレームを送信するときや制御フレームを生成するときなどに内部時計23からフレーム生成部25に供給される内部時刻である。CRCには、IDとDATAに対して計算した値で、受信側で受信成功の判定に用いられる値が含まれる。
フレーム生成部25は、ID、DATA、およびCRCを連結した系列に対して、誤り訂正(FEC: Forward Error Correction)やInterleaveを行い、Payloadを生成する。誤り訂正には、例えば、畳み込み符号やLDPC符号などが用いられる。
フレーム生成部25は、Payloadと制御フレームのSYNC符号とを連結した後で、制御フレームのスクランブル符号(scramble code)でビット毎に排他的論理和(XOR)をとり、制御フレーム(frame)を生成する。
次に、データフレームの構成について説明する。
IDには、端末IDが含まれる。DATAには、センサデータが含まれる。CRCには、制御フレームと同様に、IDとDATAに対して計算した値で、受信側で受信成功の判定に使用される値が含まれる。
フレーム生成部25は、制御フレームの場合と同様に、ID、DATA、およびCRCを連結した系列に対して、誤り訂正やInterleaveを行い、Payloadを生成する。
フレーム生成部25は、PayloadとデータフレームのSYNC符号とを連結した後で、データフレームのスクランブル符号でビット毎に排他的論理和をとり、データフレーム(frame)を生成する。
<制御フレームの無線資源>
図4は、制御フレームの送信に用いられる無線資源の例を示す図である。
制御フレームの無線資源には、送信時刻、送信周波数、制御フレームのスクランブル符号、および制御フレームのSYNC符号がある。
制御フレームの送信時刻は、内部時計23からの現在の内部時刻(任意の時刻)に、制御フレームを送信するのに要する時間αを足した時刻とされる。制御フレームの送信時刻は、時間α経過後には、内部時刻となる時刻であり、内部時刻として、制御フレームの生成時にDATAに含まれてもよい。
制御フレームの送信周波数は、制御フレームを送信する周波数(帯)であり、使用可能な周波数から任意の周波数が選択されることで決定される。例えば、送信周波数は、ランダムに決定される。
制御フレームのスクランブル符号は、後述する図5の擬似乱数生成器によって生成される。擬似乱数生成器の詳細な説明は、図5を参照して後述される。
制御フレームのスクランブル符号の初期値は、無線通信システムの共通の値が用いられる。制御フレームのスクランブル符号の長さは、フレーム長に一致する長さである。
制御フレームのSYNC符号は、後述する図6の擬似乱数生成器によって生成される。擬似乱数生成器は、M系列の2つの擬似乱数生成器を用いて構成されるゴールド符号生成器である。ゴールド符号生成器の詳細な説明は、図6を参照して後述される。
制御フレームのSYNC符号を生成するためのM系列の2つの擬似乱数生成器の初期値は、それぞれ無線通信システムの共通の値である。制御フレームのSYNC符号の長さは、フレームのSYNC長に一致する長さである。
<擬似乱数生成器の構成>
図5は、スクランブル符号の生成に用いられる擬似乱数生成器の構成例を示す図である。
図5に示される四角は、デジタルの遅延素子を表している。右から順番に、デジタルの遅延素子#1乃至#24が1列に並んで配置されている。クロックを1つ進めると、遅延素子#1乃至#24に保持されている0または1のデジタルデータが後段に出力され、遅延素子#1乃至#24には、入力から入ってくるデータが保持される。
図中に円にバツ印のマークは、排他的論理和(XOR)の演算器を表している。演算器は、遅延素子#1の前段、遅延素子#3乃至#7の各前段、遅延素子#10の前段、遅延素子#11の前段、遅延素子#14の前段、遅延素子#17の前段、遅延素子#18の前段、遅延素子#23の前段に配置されている。
図5の擬似乱数生成器において、クロックを1つ進めると、遅延素子#1に保持されているデータが、各演算器にそれぞれ出力される。
また、各演算器には、前段の各遅延素子から、保持されていたデータが入力される。遅延素子#1から出力されたデータが各演算器に入力されると、各演算器においては、演算素子#1から出力されたデータと各前段の遅延素子から入力されたデータとの排他的論理和の処理が行われ、処理結果が、演算器の後段に位置する遅延素子に、それぞれ出力される。
このようにして、遅延素子#1乃至#24に保持される値が更新されながら、出力が生成されていく。
また、出力として必要な長さ分だけクロックを進めることで、所望の長さのランダムなデジタルデータが得られる。なお、演算器または遅延素子の番号の関係を表した式は、生成多項式と呼ばれる。図5は、生成多項式を図式化した図であり、式と図とは一意の関係となるため、生成多項式は、式と図とのどちらで表してもよい。
例えば、図5の擬似乱数生成器の生成多項式は、次の式(1)で表される。
擬似乱数生成器の初期値とは、初期状態において、擬似乱数生成器の遅延素子#iに保持されているデジタルデータのことを意味する。初期値(図5の場合、無線通信システムの共通の値)としてのデジタルデータの各ビットが各遅延素子#iの初期状態の値として設定される。各遅延素子#iの初期状態、すなわち初期値が同じであれば、クロックを進めたときに生成される出力(擬似乱数)は、同じ値となる。
<擬似乱数生成器の構成>
図6は、SYNC符号の生成に用いられる擬似乱数生成器としてのゴールド符号生成器の構成例を示す図である。
図6のゴールド符号生成器は、M系列を出力する2つの擬似乱数生成器と排他的論理和(XOR)の演算器とにより構成される。
図6において、2つの擬似乱数生成器は、次の2つの生成多項式である式(2)および式(3)で表される。
2つの擬似乱数生成器の各動作は、図5の擬似乱数生成器の動作と同様であるので、その説明は省略される。上述したように、2つの各擬似乱数生成器の初期値は、それぞれ無線通信システムの共通の値である。クロックを進めたときに生成される2つの各擬似乱数生成器の出力であるM系列の排他的論理の演算結果が、図6のゴールド符号生成器からの出力(擬似乱数)となる。
<データフレームの無線資源>
図7は、データフレームの送信に用いられる無線資源の例を示す図である。
データフレームの無線資源には、データフレームの送信時刻、送信周波数、スクランブル符号、およびSYNC符号がある。
データフレームの送信時刻は、そのデータフレームが送信される(直)前に送信された制御フレームに含まれる内部時刻と端末IDとに基づいて決定される。
データフレームの送信周波数も、データフレームの送信時刻と同様に、そのデータフレームが送信される(直)前に送信された制御フレームに含まれる内部時刻と端末IDとに基づいて決定される。
データフレームのスクランブル符号は、制御フレームのスクランブル符号と同様に、図5を参照して上述した擬似乱数生成器により生成される。データフレームのスクランブル符号の初期値は、端末IDである。データフレームのスクランブル符号の長さは、フレーム長に一致する長さである。
データフレームのSYNC符号は、制御フレームのSYNC符号と同様に、図6を参照して上述したゴールド符号生成器によって生成される。
ただし、ゴールド符号生成器を構成する一方の擬似乱数生成器の初期値は、端末IDであり、他方の擬似乱数生成器の初期値は、無線通信システムの共通の値である。データフレームのSYNC符号の長さは、フレームのSYNC長に一致する長さである。
<データフレームの送信例>
図8は、データフレームの送信の例を示すタイミングチャートである。
データフレームを送信する際、同一のデータフレームが4回送信される。データフレームは、図8の上部に示されるSuperframe(SP)と呼ばれる所定の区間内で4回送信される。なお、4回の送信には、それぞれ異なる送信周波数が使用される。
SPは、制御フレームに含まれる内部時刻を基準として所定の区間毎に、SP(1)、SP(2)、…、SP(n-1)のSP、SP(n)、SP (n+1)、…のように設定されている。括弧内の1、2、…n-1、n、n+1、…は、SP番号を表している。
SPは、さらにTimeslot(TS)と呼ばれる4つの区間に分けられ、それぞれのTSで同一のデータフレームが1回ずつ送信される。データフレームは、図8において、横長の矩形で表されている。
TS内は、gridと呼ばれる区間に分けられ、データフレームは、いずれかのgridの先頭を開始時点として送信される。
図8において、TS(0)では、tx-grid0で示されるgridのときにtx-freq0で示される送信周波数で1回目のデータフレームが送信される。TS(1)では、tx-grid1で示されるgridのときにtx-freq1で示される送信周波数で2回目のデータフレームが送信される。TS(2)では、tx-grid2で示されるgridのときにtx-freq2で示される送信周波数で3回目のデータフレームが送信される。TS(3)では、tx-grid3で示されるgridのときにtx-freq3で示される送信周波数で4回目のデータフレームが送信される。
データフレームを送信するSP番号nのSPの開始時刻(Tsp_tx)は次の式(4)で決定される。
ここで、SPは、SPの長さを表す。tは、制御フレームに含まれる内部時刻を表す。Floor(t/SP)は、t/SPの小数点以下を切り捨てた整数を表す。IDは、端末IDを表し、例えば、32ビットで表される。Nは、センサ端末11をSPに割り当てる周期を表す。mod(ID/N)は、ID/Nの余りを表す。
次に、各TS内におけるデータフレームの送信時刻の決定には、M系列の2つの擬似乱数生成器を用いて構成されるゴールド符号生成器が用いられる。各TS内におけるデータフレームの送信時刻の決定に用いられるゴールド符号生成器は、生成多項式が異なる以外は、図6を参照して上述したゴールド符号生成器と同じ構成であるため、その説明は省略される。
各TS内におけるデータフレームの送信時刻の決定に用いられるゴールド符号生成器を構成する2つの擬似乱数生成器は、次の生成多項式である、式(5)および式(6)で表される。
式(5)および式(6)の生成多項式で表される擬似乱数生成器の初期値に、決定されたSP番号nのSPの開始時刻と端末IDとが用いられる。無線資源決定部24は、ゴールド符号生成器において、上述した式(5)および式(6)の生成多項式で表される擬似乱数生成器を動かし、必要な長さの擬似乱数系列を生成する。擬似乱数系列の長さは、送信時刻の決定と後述する周波数の決定とに必要な長さとする。
<TS内におけるデータフレームの送信時刻の決定方法>
図9は、TS内におけるデータフレームの送信時刻と送信周波数との決定方法の例を示す図である。
図9には、左側から、式(5)および式(6)の生成多項式で表される擬似乱数生成器を用いて構成されるゴールド符号生成器で生成した擬似乱数系列のMSBからLSBまでが示されている。LSB側(右側)から4ビット毎に、送信時刻tx-grid0、送信時刻tx-grid1、送信時刻tx-grid2、送信時刻tx-grid3が割り当てられる。
図9において割り当てられている送信時刻tx-grid0は、図8のTS番号(0)のTS内のデータフレームの送信時刻である。図9において割り当てられている送信時刻tx-grid1は、図8のTS番号(1)のTS内のデータフレームの送信時刻である。図9において割り当てられている送信時刻tx-grid2は、図8のTS番号(2)のTS内のデータフレームの送信時刻である。図9において割り当てられている送信時刻tx-grid3は、図8のTS番号(3)のTS内のデータフレームの送信時刻である。
すなわち、TS内の送信時刻は、上述した式(5)および式(6)の生成多項式で表される擬似乱数生成器を用いて構成されるゴールド符号生成器で生成した擬似乱数系列のLSB側から、例えば、4ビット毎に切り出された値に基づいて、次の式(7)で決定される。
ここで、Tts(m)は、各TS内におけるデータフレームの送信時刻を表す。mは、0,1,…,TS数-1を表す。図8の場合、m=0,1,2,3である。GPは、TS内のgrid間隔を表す。GPmax_nは、TS内のgrid数を表す。xは、擬似乱数系列から切り出した値を表す。mod(x/GPmax_n)は、x/GPmax_nの余りを表す。
すなわち、無線資源決定部24は、擬似乱数系列から切り出すビットをずらして切り出した値に基づいて、SP内の4つのTS内におけるデータフレームの送信時刻を決定する。
データフレームは、4回送信されるが、上述したように4回とも異なる送信周波数で送信される。4回の送信周波数の決定方法は、送信時刻の決定方法と同様に、制御フレームに含まれる内部時刻および端末IDから決定される。
再度、図9を参照するに、図9の擬似乱数系列においては、送信時刻tx-grid3が割り当てられたビットに続いて、4ビット毎に、送信周波数tx-freq0、送信周波数tx-freq1、送信周波数tx-freq2、送信周波数tx-freq3が割り当てられている。
図9において割り当てられている送信周波数tx-freq0は、図8のTS番号(0)のTS内のデータフレームの送信周波数である。図9において割り当てられている送信周波数tx-freq1は、図8のTS番号(1)のTS内のデータフレームの送信周波数である。図9において割り当てられている送信周波数tx-freq2は、図8のTS番号(2)のTS内のデータフレームの送信周波数である。図9において割り当てられている送信周波数tx-freq3は、図8のTS番号(3)のTS内のデータフレームの送信周波数である。
図9に示すように、TS内のデータフレームの送信周波数は、送信時刻の決定に用いられた擬似乱数系列に上位16ビットから、例えば、4ビット毎に切り出された値に基づいて、次の式(8)で決定される。
ここで、Fts(m)は、各TS内で送信するデータフレームの送信周波数を示す番号を表す。Fnは、使用可能な周波数の上限値であり、無線通信システムで予め決められた固定値を表す。xは、擬似乱数系列から切り出した値を表す。mod(x/Fn)は、x/Fnの余りを表す。
以上のようにして、データフレームの送信を開始する時刻である送信時刻および送信周波数が決定される。以上のように、データフレームの送信時刻および送信周波数は、制御フレームに含まれる内部時刻および端末IDに基づいて決定することができる。
次に、センサ端末11から送信される制御フレームおよびデータフレームを受信する受信装置12について説明する。
<受信装置の構成>
図10は、受信装置12の構成例を示すブロック図である。
受信装置12は、無線受信部41、フィルタ42-1乃至42-N、フィルタ42-(N+1)、相関器43-1乃至43-N、相関器43-(N+1)、検出部44-1および44-2、制御フレーム復調部45、および復調部46から構成される。
無線受信部41は、無線信号を受信し、受信した無線信号を、例えば、複数の周波数を含む広帯域信号に変換する。無線信号は、無線通信システムで対応する周波数すべてを含む広帯域信号に変換される。例えば、国内の920MHz帯に対応する無線通信システムで、CH33(922.4MHz)乃至CH64(928.0MH)の周波数に対応する場合、広帯域信号は、CH33乃至CH64を含む。変換された広帯域信号は、無線受信部41からフィルタ42-1乃至42-Nおよびフィルタ42-(N+1)に供給される。
フィルタ42-1乃至42-N、およびフィルタ42-(N+1)は、無線受信部41から供給される広帯域信号から、周波数帯の信号を取り出すためのフィルタである。例えば、フィルタ42-1は、CH33の周波数帯の信号を取り出すフィルタである。例えば、フィルタ42-Nは、CH64の周波数帯の信号を取り出すフィルタである。
フィルタ42-1乃至42-Nは、広帯域信号から取り出した周波数帯の信号を、対応する相関器43-1乃至43-Nと、制御フレーム復調部45に供給する。
フィルタ42-(N+1)は、広帯域信号から、復調部46により設定された周波数帯の信号を取り出し、取り出した周波数帯の信号を相関器43-(N+1)と、復調部46に供給する。
以下、フィルタ42-1乃至42-N,42-(N+1)を特に区別する必要がない場合、フィルタ42と称する。
相関器43-1乃至43-Nは、フィルタ42-1乃至42-Nから供給される信号と、指定された指定系列との相関値を計算する。相関器43-1乃至43-Nは、制御フレームのSYNC符号とスクランブル符号とを組み合わせた系列を指定系列として相関値を計算する。相関値は、相関器43-1乃至43-Nから検出部44-1に供給される。
相関器43-(N+1)は、フィルタ42-(N+1)から供給される信号と、指定された指定系列との相関値を計算する。相関器43-(N+1)は、復調部46からのデータフレームのSYNC符号とスクランブル符号とを組み合わせた系列を指定系列として、相関値を計算する。相関値は、相関器43-(N+1)から検出部44-2に供給される。データフレームのSYNC符号とスクランブル符号は、端末IDに基づいて決定される。
以下、相関器43-1乃至43-N,43-Mを特に区別する必要がない場合、相関器43と称する。
検出部44-1は、相関器43-1乃至43-Nから供給される相関値のいずれかが一定以上の値を持つ場合、制御フレームを検出したと判定する。検出部44-1は、制御フレームを検出した時刻を、制御フレーム復調部45に供給する。
検出部44-2は、相関器43-(N+1)から供給される相関値が一定以上の値を持つ場合、データフレームを検出したと判定する。検出部44-2は、データフレームを検出した時刻を、復調部46に供給する。
制御フレーム復調部45は、検出部44-1から供給される時刻をもとに、フィルタ42から供給される信号から制御フレームを復調する。制御フレーム復調部45は、検出部44-1から供給される時刻をもとに、フィルタ42から供給される信号から、制御フレームを抽出する。制御フレーム復調部45は、無線通信システムの共通のスクランブル符号で、抽出した制御フレームのスクランブルを解除する。
制御フレーム復調部45は、スクランブルが解除された制御フレームから、Payloadを取り出し、Interleaveを解除し、誤り訂正の復号を行い、CRCを用いて誤り検出を行う。制御フレーム復調部45は、制御フレームが正しく受信された場合、Payloadから、端末IDと、DATAに含まれる内部時刻とを取得し、取得した端末IDと内部時刻とを、復調部46に供給する。
復調部46は、制御フレーム復調部45から供給される端末IDと内部時刻に応じて、フィルタ42-(N+1)および相関器43-(N+1)を制御し、検出部44-2から供給される時刻をもとに、フィルタ42-(N+1)から供給される信号から、データフレームを復調する。
復調部46は、無線資源計算部51、無線制御部52、およびデータフレーム復調部53から構成される。
無線資源計算部51は、制御フレーム復調部45から供給される端末IDと内部時刻とに基づいて、データフレームの受信に使用される無線資源を計算する。無線資源の計算には、上述したセンサ端末11での計算方法と同じ計算方法が用いられる。
無線資源の計算により、データフレームが受信される受信時刻、受信周波数、スクランブル符号、およびSYNC符号が得られる。受信時刻の値は、センサ端末11で送信される送信時刻の値と同じ値である。受信周波数の値は、センサ端末11で送信される送信周波数の値と同じ値である。
受信時刻および受信周波数は、無線資源計算部51から無線制御部52に供給される。スクランブル符号およびSYNC符号は、端末IDに基づいて決定された符号であり、無線資源計算部51から相関器43-(N+1)に供給される。スクランブル符号は、無線資源計算部51からデータフレーム復調部53に供給される。
無線制御部52は、無線資源計算部51から供給される受信時刻に応じて、フィルタ42-(N+1)を動作させる。その際、無線制御部52は、無線資源計算部51から供給される受信周波数の信号が取り出されるように、フィルタ42-(N+1)の受信周波数を設定する。
データフレーム復調部53は、検出部44-2から供給される時刻をもとに、フィルタ42-(N+1)から供給される信号からデータフレームを復調する。データフレーム復調部53は、検出部44-2から供給される時刻をもとに、フィルタ42-(N+1)から供給される信号から、データフレームを抽出する。データフレーム復調部53は、無線資源計算部51から供給されるスクランブル符号で、データフレームのスクランブルを解除する。
データフレーム復調部53は、スクランブルが解除されたデータフレームから、Payloadを取り出し、Interleaveを解除し、誤り訂正の復号を行い、CRCを用いて誤り検出を行う。データフレーム復調部53は、データフレームが正しく受信された場合、DATAに含まれるセンサデータを取得する。
図11は、相関器43の構成例を示す回路図である。
図11においては、指定された系列C1,C2,C3,C4との相関値を計算する例が示されている。なお、図中の系列の長さは4である。通常、必要な長さの相関器が用いられる。
相関器43は、遅延器61-1乃至61-4、乗算器62-1乃至62-4、および加算器63から構成される。
遅延器61-1乃至61-4は、入力信号を1クロックずつ遅延する。遅延器61-4は、入力信号を1クロック遅延し、遅延により得られた遅延信号を、後段の遅延器61-3と、対応する乗算器62-4とに供給する。遅延器61-3は、遅延器61-4からの遅延信号を入力信号として、その入力信号を1クロック遅延し、遅延により得られた遅延信号を、後段の遅延器61-2と、対応する乗算器62-3とに供給する。
遅延器61-2は、遅延器61-3からの遅延信号を入力信号として、その入力信号を1クロック遅延し、遅延により得られた遅延信号を、後段の遅延器61-1と、対応する乗算器62-2とに供給する。遅延器61-1は、遅延器61-2からの遅延信号を入力信号として、その入力信号を1クロック遅延し、遅延により得られた遅延信号を、対応する乗算器62-1に供給する。
乗算器62-1乃至62-4は、遅延器61-1乃至61-4から供給される各遅延信号を、指定された系列C1,C2,C3,C4それぞれの値と乗算し、加算器63に供給する。加算器63は、乗算器62-1乃至62-4から供給される乗算後の値を加算し、相関値として後段に出力する。
図12は、相関器43の出力の例を示す図である。
図12に示すように、相関器43は、相関器43からの出力が、入力信号と指定された指定系列とが一致するタイミングで大きい値を示し、それ以外の部分では小さな値を示すように、動作する。
制御フレームの場合、相関器43においては、制御フレームのスクランブル符号とSYNC符号とを組み合わせた系列が上述した指定系列として設定される。制御フレームのスクランブル符号とSYNC符号とを組み合わせた系列は、制御フレームの先頭に配置される。これにより、検出部44-1は、図3に示された制御フレームの先頭を検出することができる。
データフレームの場合、相関器43-(N+1)においては、データフレームのスクランブル符号とSYNC符号とを組み合わせた系列が指定系列として設定される。データフレームのスクランブル符号とSYNC符号とを組み合わせた系列は、データフレームの先頭に配置される。これにより、検出部44-2は、図3に示されたデータフレームの先頭を検出することができる。
<各装置の動作>
図13は、センサ端末11の送信処理を説明するフローチャートである。図14は、受信装置12の受信処理を説明するフローチャートである。図15は、図13の送信処理と図14の受信処理との対応関係を示すフローチャートである。なお、図13および図14の説明において、図15が適宜参照される。
まず、図13のフローチャートを参照して、センサ端末11の送信処理を説明する。
ステップS51において、フレーム生成部25は、送信要求が発生したと判定するまで待機している。フレーム生成部25には、センサデータ取得部21からセンサデータが供給される。
フレーム生成部25においては、定期的、またはセンサデータの変化量が一定値を超えた場合、送信要求が発生する。ステップS51において、送信要求が発生したと判定された場合、処理は、ステップS52に進む(図15のステップS111)。
ステップS52において、無線資源決定部24は、内部時計23から供給される現在の内部時刻を取得する。無線資源決定部24は、取得した現在の内部時刻に、制御フレームを送信するのに要する時間αを足した時刻を、制御フレームの送信時刻に決定する。無線資源決定部24は、制御フレームの他の無線資源(送信周波数、スクランブル符号、SYNC符号)も決定する(図15のステップS112)。
決定された制御フレームの無線資源は、無線資源決定部24からフレーム生成部25に供給される。さらに、制御フレームの無線資源のうちの送信時刻と送信周波数とは、無線資源決定部24から無線制御部26にも供給される。
ステップS53において、フレーム生成部25は、無線資源決定部24から供給される制御フレームの無線資源のうちのスクランブル符号およびSYNC符号を用いて、制御フレームを生成する。制御フレームには、内部時計23から供給される内部時刻および端末IDメモリ22から供給される端末IDが含まれる。制御フレームは、フレーム生成部25から無線送信部27に供給される。
ステップS54において、無線送信部27は、無線資源決定部24から供給される制御フレームの無線資源のうちの送信時刻と送信周波数とに応じて、フレーム生成部25から供給される制御フレームを送信する(図15のステップS113)。
ステップS55において、無線資源決定部24は、制御フレームに含まれる内部時刻および端末IDメモリ22から供給される端末IDに基づいて、データフレームの無線資源(送信時刻、送信周波数、スクランブル符号、SYNC符号)を決定する(図15のステップS114)。
決定されたデータフレームの無線資源は、無線資源決定部24からフレーム生成部25に供給される。さらに、データフレームの無線資源のうちの送信時刻と送信周波数とは、無線資源決定部24から無線制御部26にも供給される。
ステップS56において、フレーム生成部25は、無線資源決定部24から供給されるデータフレームの無線資源のうちのスクランブル符号およびSYNC符号を用いて、センサデータを含むデータフレームを生成する。データフレームは、フレーム生成部25から無線送信部27に供給される。
ステップS57において、無線制御部26は、無線資源決定部24から供給されるデータフレームの無線資源のうちの送信時刻を、データフレームを送信する時刻に設定する。
ステップS58において、無線制御部26は、時刻が、送信時刻になったと判定するまで待機する(図15のステップS115)。
ステップS58において、送信時刻になったと判定された場合、処理は、ステップS59に進む。
ステップS59において、無線制御部26は、無線資源決定部24から供給されるデータフレームの無線資源のうちの送信周波数に応じて、フレーム生成部25から無線送信部27に供給されるデータフレームを送信するように無線送信部27を制御する。無線送信部27は、無線制御部26の制御に応じて、データフレームを送信する(図15のステップS116)。
ステップS60において、無線制御部26は、送信回数が上限(例えば、4回)に達したか否かを判定する。
ステップS60において、送信回数が上限に達していないと判定された場合、ステップS57に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
ステップS60において、送信回数が上限に達したと判定された場合、送信処理は終了される。
次に、図14のフローチャートを参照して、受信装置12の受信処理を説明する。
ステップS81において、制御フレーム復調部45は、制御フレームの受信が成功したと判定するまで待機している。
無線受信部41は、無線信号を受信する。フィルタ42により所定の周波数帯の信号が取り出され、相関器43により相関値が出力された後、検出部44-1から、制御フレームが検出された時刻が制御フレーム復調部45に供給される。制御フレーム復調部45は、検出部44-1供給される制御フレームが検出された時刻をもとに、フィルタ42から供給される信号から、制御フレームを抽出し、抽出した制御フレームを復調する。
ステップS81において、制御フレーム復調部45は、制御フレームの受信が成功したと判定した場合、処理は、ステップS82に進む(図15のステップS131)。制御フレーム復調部45は、制御フレームのPayloadから、端末IDと、DATAに含まれる内部時刻を取得し、無線資源計算部51に供給する。
ステップS82において、無線資源計算部51は、制御フレーム復調部45から供給される端末IDと内部時刻とに基づいて、データフレームの無線資源を決定する(図15のステップS132)。
データフレームの無線資源のうちの受信時刻および受信周波数は、無線資源計算部51から無線制御部52に供給される。データフレームの無線資源のうちのスクランブル符号およびSYNC符号は、無線資源計算部51から相関器43-(N+1)に供給される。データフレームの無線資源のうちのスクランブル符号は、無線資源計算部51からデータフレーム復調部53に供給される。
ステップS83において、無線制御部52は、無線資源計算部51から供給されるデータフレームの無線資源のうちの受信時刻を、データフレームを受信する時刻に設定する。
ステップS84において、無線制御部52は、時刻が、受信時刻になったと判定するまで待機する(図15のステップS133)。無線制御部52においては、制御フレームが受信された(検出された)時刻から、センサ端末11によるデータフレームの送信時刻(無線資源計算部51により決定された受信時刻)まで、待機される。
ステップS84において、受信時刻になったと判定された場合、処理は、ステップS85に進む。
無線受信部41は、無線信号を受信する。フィルタ42-(N+1)により無線資源計算部51から無線制御部52に供給された周波数帯の信号が取り出され、相関器43-(N+1)により相関値が出力された後、検出部44-2から、データフレームが検出された時刻がデータフレーム復調部53に供給される。データフレーム復調部53は、検出部44-2から供給されるデータフレームが検出された時刻をもとに、フィルタ42-(N+1)から供給される信号から、データフレームを抽出し、抽出したデータフレームを復調する。
ステップS85において、データフレーム復調部53は、データフレームの受信が成功したか否かを判定する。
ステップS85において、データフレームの受信が成功したと判定された場合、処理は、ステップS86に進む(図15のステップS134)。
ステップS86において、データフレーム復調部53は、データフレームのPayloadから、DATAに含まれるセンサデータを取得する。その後、受信処理は終了される。
一方、ステップS85において、データフレームの受信が成功しなかったと判定された場合、処理は、ステップS87に進む。
ステップS87において、データフレーム復調部53は、受信回数が上限(4回)に達したか否かを判定する。
ステップS87において、受信回数が上限に達していないと判定された場合、ステップS83に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
ステップS87において、受信回数が上限に達したと判定された場合、受信処理は終了される。
以上のように、第1の実施の形態の無線通信システムにおいては、送信関連情報として、センサ端末11で計時される内部時刻および端末IDを含む制御フレームが送信される。そして制御フレームが送信された後に、その制御フレームに含まれる送信関連情報に基づいて決定された送信時刻および送信周波数に応じて、所定のデータとしてのセンサデータを含むデータフレームが送信される。
これにより、受信側で、データフレームを受信する際の無線資源を認識することができるので、データフレームを受信する際に、待機時間を少なくすることができる。
以上のことは、GPS信号を用いることなしに実現可能であるので、本技術によれば、センサ端末が、場所に関係なく、どこの場所(例えば、GPS信号を受信することができない場所)に配置されていても、低消費電力の無線通信システムを提供することができる。
<2.第2の実施の形態(無線資源の送信)>
第2の実施の形態においては、制御フレームには、送信関連情報として、第1の実施の形態で上述した内部時刻および端末IDの代わりに、内部時刻および端末IDに基づいて決定される無線資源(送信時刻、送信周波数、スクランブル符号、およびSYNC符号)が含まれる。
第2の実施の形態のセンサ端末11の構成は、図2のセンサ端末11の構成と基本的に同じであるので、その説明を省略する。第2の実施の形態の受信装置12の構成は、図10の受信装置12の構成と基本的に同じであるので、その説明を省略する。
<各装置の動作>
図16は、センサ端末11の送信処理を説明するフローチャートである。図17は、受信装置12の受信処理を説明するフローチャートである。図18は、図16の送信処理と図17の受信処理との対応関係を示すフローチャートである。なお、図16および図17の説明において、図18が適宜参照される。
まず、図16のフローチャートを参照して、センサ端末11の送信処理を説明する。
ステップS151において、フレーム生成部25は、送信要求が発生したと判定するまで待機している。ステップS151において、送信要求が発生したと判定された場合、処理は、ステップS152に進む(図18のステップS211)。
ステップS152において、無線資源決定部24は、内部時計23から供給される現在の内部時刻を取得する。無線資源決定部24は、取得した現在の内部時刻に、制御フレームを送信するのに要する時間αを足した時刻を、制御フレームの送信時刻に決定する。無線資源決定部24は、制御フレームの他の無線資源(送信周波数、スクランブル符号、SYNC符号)も決定する(図18のステップS212)。
ステップS153において、無線資源決定部24は、内部時計23から供給される内部時刻および端末IDメモリ22から供給される端末IDに基づいて、データフレームの無線資源(送信時刻、送信周波数、スクランブル符号、SYNC符号)を決定し、フレーム生成部25に供給する(図18のステップS213)。
ステップS154において、フレーム生成部25は、無線資源決定部24から供給される制御フレームの無線資源のうちのスクランブル符号およびSYNC符号を用いて、無線資源決定部24から供給されるデータフレームの無線資源が含まれる制御フレームを生成する。
ステップS155において、無線送信部27は、無線資源決定部24から供給される制御フレームの無線資源のうちの送信時刻と送信周波数とに応じて、制御フレームを送信する(図15のステップS214)。
ステップS156において、フレーム生成部25は、無線資源決定部24から供給されるデータフレームのスクランブル符号およびSYNC符号を用いて、センサデータを含むデータフレームを生成する。
ステップS157において、無線制御部26は、無線資源決定部24から供給されるデータフレームの無線資源のうちの送信時刻を、データフレームを送信する時刻に設定する。
ステップS158において、無線送信部27は、時刻が、送信時刻になったと判定するまで待機する(図18のステップS215)。
ステップS158において、送信時刻になったと判定された場合、処理は、ステップS159に進む。
ステップS159において、無線制御部26は、無線資源決定部24から供給されるデータフレームの無線資源のうちの送信周波数に応じて、フレーム生成部25から無線送信部27に供給されるデータフレームを送信するように無線送信部27を制御する。無線送信部27は、無線制御部26の制御に応じて、データフレームを送信する(図18のステップS216)。
ステップS160において、無線制御部26は、送信回数が上限に達したか否かを判定する。
ステップS160において、送信回数が上限に達していないと判定された場合、ステップS157に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
ステップS160において、送信回数が上限に達したと判定された場合、送信処理は終了される。
次に、図17のフローチャートを参照して、受信装置12の受信処理を説明する。
ステップS181において、制御フレーム復調部45は、制御フレームの受信が成功したと判定するまで待機している。
ステップS181において、制御フレーム復調部45は、制御フレームの受信が成功したと判定した場合、処理は、ステップS182に進む(図18のステップS231)。制御フレーム復調部45は、制御フレームのPayloadから、端末IDと、DATAに含まれる無線資源を取得し、無線資源計算部51に供給する。
無線資源のうちの受信時刻および受信周波数は、無線資源計算部51から無線制御部52に供給される。無線資源のうちのスクランブル符号およびSYNC符号は、無線資源計算部51から相関器43-(N+1)に供給される。無線資源のうちのスクランブル符号は、無線資源計算部51からデータフレーム復調部53に供給される。
ステップS182において、無線制御部52は、無線資源計算部51から供給されるデータフレームの無線資源のうちの受信時刻を、データフレームを受信する時刻に設定する。
ステップS183において、無線制御部52は、時刻が、受信時刻になったと判定するまで待機する。ステップS183において、受信時刻になったと判定された場合、処理は、ステップS184に進む(図18のステップS232)。
無線受信部41は、無線信号を受信する。フィルタ42-(N+1)により無線資源計算部51から無線制御部52に供給された周波数帯の信号が取り出され、相関器43-(N+1)により相関値が出力された後、検出部44-2から、データフレームが検出された時刻がデータフレーム復調部53に供給される。データフレーム復調部53は、検出部44-2から供給されるデータフレームが検出された時刻をもとに、フィルタ42-(N+1)から供給される信号から、データフレームを抽出し、抽出したデータフレームを復調する。
ステップS184において、データフレーム復調部53は、データフレームの受信が成功したか否かを判定する。
ステップS184において、データフレーム復調部53は、データフレームの受信が成功したと判定した場合、処理は、ステップS185に進む(図18のステップS233)。
ステップS185において、データフレーム復調部53は、データフレームのPayloadから、DATAに含まれるセンサデータを取得する。その後、受信処理は終了される。
一方、ステップS184において、データフレームの受信が成功しなかったと判定した場合、処理は、ステップS186に進む。
ステップS186において、データフレーム復調部53は、受信回数が上限に達したか否かを判定する。
ステップS186において、受信回数が上限に達していないと判定された場合、ステップS182に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
ステップS186において、受信回数が上限に達したと判定された場合、受信処理は終了される。
以上のように、第2の実施の形態の無線通信システムにおいては、送信関連情報として、内部時刻および端末IDに基づいて決定されるデータフレームの送信時刻および送信周波数を含む制御フレームが送信される。そして、制御フレームが送信された後に、その制御フレームに含まれる送信時刻および送信周波数に応じて、所定のデータとしてのセンサデータを含むデータフレームが送信される。
これにより、受信側で、データフレームを受信する際の無線資源がわかるので、データフレームを受信する際に、待機時間を少なくすることができる。
また、第2の実施の形態の場合、制御フレームには、データフレームの送信時刻および送信周波数の他に、端末IDから生成されるデータフレームのスクランブル符号およびSYNC符号も含まれる。これにより、受信側において、データフレームの無線資源計算を行う必要をなくす、あるいは無線資源計算を省略することができるので、受信側の処理を軽減することができる。
<3.第3の実施の形態(無線資源(符号以外)の送信)>
第3の実施の形態においては、制御フレームに、送信関連情報として、第2の実施の形態で上述した内部時刻および端末IDに基づいて決定される無線資源のうちの送信時刻および送信周波数が含められ、無線資源のうちのスクランブル符号、およびSYNC符号の代わりに、符号生成時の初期値が含まれる。
第3の実施の形態のセンサ端末11の構成は、図2のセンサ端末11の構成と基本的に同じであるので、その説明を省略する。第3の実施の形態の受信装置12の構成は、図10の受信装置12の構成と基本的に同じであるので、その説明を省略する。
<各装置の動作>
図19は、センサ端末11の送信処理を説明するフローチャートである。図20は、受信装置12の受信処理を説明するフローチャートである。図21は、図19の送信処理と図20の受信処理との対応関係を示すフローチャートである。なお、図19および図20の説明において、図21が適宜参照される。
まず、図19のフローチャートを参照して、センサ端末11の送信処理を説明する。
ステップS251において、フレーム生成部25は、送信要求が発生したと判定するまで待機している。ステップS251において、送信要求が発生したと判定された場合、処理は、ステップS252に進む(図21のステップS311)。
ステップS252において、無線資源決定部24は、内部時計23から供給される現在の内部時刻を取得する。無線資源決定部24は、取得した現在の内部時刻に、制御フレームの送信に要する時間αを足した時刻を、制御フレームの送信時刻に決定する。無線資源決定部24は、制御フレームの他の無線資源(送信周波数、スクランブル符号、SYNC符号)も決定する(図21のステップS312)。
ステップS253において、無線資源決定部24は、内部時計23から供給される内部時刻および端末IDメモリ22から供給される端末IDに基づいて、データフレームの無線資源(送信時刻、送信周波数)を決定し、フレーム生成部25および無線制御部26に供給する(図21のステップS313)。
ステップS254において、フレーム生成部25は、無線資源決定部24から供給される制御フレームの無線資源のうちのスクランブル符号およびSYNC符号を用いて、データフレームの無線資源(送信時刻、送信周波数)と、符号生成時の初期値とが含まれる制御フレームを生成する。
符号生成時の初期値の例としては、端末IDと無線通信システムの共通の値とがある。符号生成時の初期値は、それ以外にも、内部時刻や他の値であってもよい。なお、符号生成時の初期値が、端末IDである場合は、制御フレームにもともと含まれているので、改めて含める必要がない。また、符号生成時の初期値が、無線通信システムの共通の値である場合、既知の値であるので、制御フレームには含まれない。
ステップS255において、無線送信部27は、無線資源決定部24から供給される制御フレームの無線資源のうちの送信時刻および送信周波数に応じて、制御フレームを送信する(図21のステップS314)。
ステップS256において、無線資源決定部24は、端末IDメモリ22から供給される端末IDに基づいて、データフレームの無線資源(スクランブル符号、SYNC符号)を決定し、フレーム生成部25および無線制御部26に供給する(図21のステップS315)。
ステップS257において、フレーム生成部25は、無線資源決定部24から供給されるデータフレームの無線資源のうちのスクランブル符号およびSYNC符号を用いて、センサデータを含むデータフレームを生成する。
ステップS258において、無線制御部26は、無線資源決定部24から供給されるデータフレームの無線資源のうちの送信時刻を、データフレームを送信する時刻に設定する。
ステップS259において、無線制御部26は、時刻が、送信時刻になったと判定するまで待機する(図21のステップS316)。
ステップS259において、送信時刻になったと判定された場合、処理は、ステップS260に進む。
ステップS260において、無線制御部26は、無線資源決定部24から供給されるデータフレームの無線資源のうちの送信周波数に応じて、フレーム生成部25から無線送信部27に供給されるデータフレームを送信するように、無線送信部27を制御する。無線送信部27は、無線制御部26の制御に応じて、データフレームを送信する(図21のステップS317)。
ステップS261において、無線制御部26は、送信回数が上限に達したか否かを判定する。
ステップS261において、送信回数が上限に達していないと判定された場合、ステップS258に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
ステップS261において、送信回数が上限に達したと判定された場合、送信処理は終了される。
次に、図20のフローチャートを参照して、受信装置12の受信処理を説明する。
ステップS281において、制御フレーム復調部45は、制御フレームの受信が成功したと判定するまで待機している。
ステップS281において、制御フレーム復調部45は、制御フレームの受信が成功したと判定した場合、処理は、ステップS282に進む(図21のステップS331)。
制御フレーム復調部45は、端末IDと、DATAに含まれる無線資源(受信時刻と受信周波数)を取得し、無線資源計算部51に供給する。符号生成時の初期値がある場合には、符号生成時の初期値も無線資源計算部51に供給される。受信時刻および受信周波数は、無線資源計算部51から無線制御部52に供給される。
ステップS282において、無線制御部52は、無線資源計算部51から供給される受信時刻を、データフレームを受信する時刻に設定する。
ステップS283において、無線資源計算部51は、制御フレーム復調部45から供給される符号生成時の初期値に基づいて、データフレームの無線資源(スクランブル符号およびSYNC符号)を決定する(図21のステップS332)。符号生成時の初期値が端末IDと無線通信システムの共通の値である場合、端末IDと無線通信システムの共通の値が用いられて、データフレームの無線資源(スクランブル符号およびSYNC符号)が決定される。
データフレームの無線資源のうちのスクランブル符号およびSYNC符号は、無線資源計算部51から相関器43-(N+1)に出力される。データフレームの無線資源のうちのスクランブル符号は、無線資源計算部51からデータフレーム復調部53に出力される。
ステップS284において、無線制御部52は、時刻が、受信時刻になったと判定するまで待機する。ステップS284において、受信時刻になったと判定された場合、処理は、ステップS285に進む(図21のステップS333)。
無線受信部41は、無線信号を受信する。フィルタ42-(N+1)により無線資源計算部51から無線制御部52に供給された周波数帯の信号が取り出され、相関器43-(N+1)により相関値が出力された後、検出部44-2から、データフレームが検出された時刻がデータフレーム復調部53に供給される。データフレーム復調部53は、検出部44-2から供給されるデータフレームが検出された時刻をもとに、フィルタ42-(N+1)から供給される信号から、データフレームを抽出し、抽出したデータフレームを復調する。
ステップS285において、データフレーム復調部53は、データフレームの受信が成功したか否かを判定する。
ステップS285において、データフレーム復調部53は、データフレームの受信が成功したと判定した場合、処理は、ステップS286に進む(図21のステップS334)。
ステップS286において、データフレーム復調部53は、データフレームのPayloadから、DATAに含まれるセンサデータを取得する。その後、受信処理は終了される。
一方、ステップS285において、データフレームの受信が成功しなかったと判定した場合、処理は、ステップS287に進む。
ステップS287において、データフレーム復調部53は、受信回数が上限に達したか否かを判定する。
ステップS287において、受信回数が上限に達していないと判定された場合、ステップS282に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
ステップS287において、受信回数が上限に達したと判定された場合、受信処理は終了される。
以上のように、第3の実施の形態の無線通信システムにおいては、送信関連情報として、内部時刻および端末IDに基づいて決定されるデータフレームの送信時刻および送信周波数を含む制御フレームが送信される。そして、制御フレームが送信された後に、送信時刻および送信周波数に応じて、所定のデータとしてのセンサデータを含むデータフレームが送信される。
これにより、受信側で、データフレームを受信する際の無線資源がわかるので、データフレームを受信する際に、待機時間を少なくすることができる。
また、第3の実施の形態において、制御フレームは、データフレームの無線資源の符号の代わりに、符号を生成する際の初期値を含むようにした。すなわち、データ量が多い符号自体を制御フレームで送信することなく、その初期値を送信することで、制御フレームを短くすることができる。これにより、センサ端末11の送信電力を削減することが可能となる。
さらに、符号を生成する際の初期値の一方が端末IDの場合、制御フレームに元々含まれているので、端末IDを、改めて含める必要がない。符号を生成する際の初期値の他方が、無線通信システムの共通の値の場合、受信側で既知の値であるので、無線通信システムの共通の値を含める必要がない。したがって、制御フレームをさらに短くすることができるので、センサ端末11の送信電力を削減することが可能となる。
<4.第4の実施の形態(複数のデータフレームの送信)>
第4の実施の形態においては、1回の制御フレームの送信に対して、それぞれ異なるデータフレームの送信が複数回行われる。
第4の実施の形態のセンサ端末11の構成は、図2のセンサ端末11の構成と基本的に同じであるので、その説明を省略する。第4の実施の形態の受信装置12の構成は、図10の受信装置12の構成と基本的に同じであるので、その説明を省略する。
図22は、1回の制御フレームの送信に対して、異なるデータフレームの送信を複数回行う例を示す図である。
図22の例においては、1回の制御フレームの送信に対して、4回のデータフレームの送信を、周期Pで、M(M=3)回行う例が示されている。以下、4回のデータフレームをメッセージと称する。なお、異なるメッセージのデータフレームには、同一の異なるセンサデータが含まれる。
制御フレームの送信後、図22に示すように、周期P毎に、1回目のメッセージ#1、2回目のメッセージ#2、3回目のメッセージ#3の送信が行われる。
メッセージ#1の無線資源は、上述した実施の形態1乃至3のいずれかと同様に決定される。メッセージ#2の無線資源は、以下のように決定される。
送信時刻の場合、上述した式(4)で決定されるメッセージ#1を送信するSPのSP番号に周期Pが加算される。メッセージ#2の送信時刻は、次の式(9)のように求められる。
TS内のデータフレームの送信時刻は、式(9)により決定された時刻と端末IDを、式(5)および式(6)の生成多項式で表される擬似乱数生成器の初期値として、第1の実施の形態に記載の方法で決定される。
メッセージ#2の送信周波数は、式(8)を用いた方法と同様の方法で決定される。ただし、メッセージ#2の場合、式(5)および式(6)の生成多項式で表される擬似乱数生成器の初期値として、制御フレームの送信時刻に、周期Pを加算した値と端末IDとを用いる点がメッセージ#1の場合と異なる。
また、メッセージ#3の場合の送信時刻および送信周波数は、メッセージ#2で加算している周期Pの値を2倍して加算して決定される。すなわち、送信時刻および送信周波数は、メッセージの送信を繰り返す回数に応じて、加算する周期Pの数を増加させることになる。
なお、スクランブル符号およびSYNC符号は、第1の実施の形態と同様に、端末IDを用いて決定される。
また、周期Pと送信回数Mは、端末IDに対して予め決定しておくことで、送信側と受信側で既知の値として扱うことができる。さらに、送信側が、周期Pと送信回数Mを決定し、制御フレームのDATAに含めて、受信側に送信するようにしてもよい。
<各装置の動作>
図23は、センサ端末11の送信処理を説明するフローチャートである。図24は、受信装置12の受信処理を説明するフローチャートである。図25は、図23の送信処理と図24の受信処理との対応関係を示すフローチャートである。なお、図23および図24の説明において、図25が適宜参照される。
まず、図23のフローチャートを参照して、センサ端末11の送信処理を説明する。
ステップS351において、フレーム生成部25は、送信要求が発生したと判定するまで待機している。ステップS351において、送信要求が発生したと判定された場合、処理は、ステップS352に進む(図25のステップS411)。
ステップS352において、無線資源決定部24は、内部時計23から供給される現在の内部時刻を取得する。無線資源決定部24は、取得した現在の内部時刻に、制御フレームを送信するのに要する時間αを足した時刻を、制御フレームの送信時刻に決定する。無線資源決定部24は、制御フレームの他の無線資源(送信周波数、スクランブル符号、SYNC符号)も決定し、フレーム生成部25および無線制御部26に供給する(図25のステップS412)。
ステップS353において、フレーム生成部25は、無線資源決定部24から供給される制御フレームの無線資源のうちのスクランブル符号およびSYNC符号を用いて、制御フレームを生成する。制御フレームには、内部時計23から供給される内部時刻および端末IDメモリ22から供給される端末IDが含まれる。制御フレームは、フレーム生成部25から無線送信部27に供給される。
ステップS354において、無線送信部27は、無線資源決定部24から供給される制御フレームの無線資源のうちの送信時刻と送信周波数に応じて、フレーム生成部25から供給される制御フレームを送信する(図25のステップS413)。
ステップS355において、無線資源決定部24は、制御フレームに含まれる内部時刻および端末IDメモリ22から供給される端末IDに基づいて、データフレームの無線資源(送信時刻、送信周波数、スクランブル符号、SYNC符号)を決定し、フレーム生成部25および無線制御部26に供給する(図25のステップS414)。
ステップS356において、フレーム生成部25は、内部時計23から供給される内部時刻および端末IDメモリ22から供給される端末IDに応じて、データフレームの無線資源のうちのスクランブル符号およびSYNC符号を用いて、センサデータを含むデータフレームを生成する。なお、フレームの生成毎に、データフレームには、異なるセンサデータが含まれる。
ステップS357において、無線制御部26は、無線資源決定部24から供給されるデータフレームの無線資源のうちの送信時刻を、データフレームを送信する時刻に設定する。
ステップS358において、無線制御部26は、時刻が、送信時刻になったと判定するまで待機する(図5のステップS415,S417,S419)。
ステップS358において、送信時刻になったと判定された場合、処理は、ステップS359に進む。
ステップS359において、無線制御部26は、無線資源決定部24から供給されるデータフレームの無線資源のうちの送信周波数に応じて、フレーム生成部25から無線送信部27に供給されるメッセージ#n(n=1乃至3)のデータフレームを送信するように無線送信部27を制御する。無線送信部27は、無線制御部26の制御に応じて、データフレームを送信する(図25のステップS416,S418,S420)。
ステップS360において、無線制御部26は、送信回数が上限に達したか否かを判定する。
ステップS360において、送信回数が上限に達していないと判定された場合、ステップS357に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
ステップS360において、送信回数が上限に達したと判定された場合、処理は、ステップS361に進む。
ステップS361において、無線制御部26は、メッセージ回数が上限(例えば、3回)に達したか否かを判定する。ステップS361において、メッセージ回数が上限に達していないと判定された場合、ステップS356に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
ステップS361において、メッセージ回数が上限に達したと判定された場合、送信処理は終了される。
次に、図24のフローチャートを参照して、受信装置12の受信処理を説明する。
ステップS381において、制御フレーム復調部45は、制御フレームの受信が成功したと判定するまで待機している。
ステップS381において、制御フレーム復調部45は、制御フレームの受信が成功したと判定した場合、処理は、ステップS382に進む(図25のステップS431)。制御フレーム復調部45は、制御フレームのPayloadから、端末IDとDATAに含まれる内部時刻を取得し、無線資源計算部51に出力する。
ステップS382において、無線資源計算部51は、制御フレーム復調部45から供給される端末IDと内部時刻とに応じて、データフレームの無線資源を決定し、無線制御部52とデータフレーム復調部53に供給する(図25のステップS432)。
ステップS383において、無線制御部52は、無線資源計算部51から供給されるデータフレームの無線資源のうちの受信時刻を、データフレームを受信する時刻に設定する。
ステップS384において、無線制御部52は、時刻が、受信時刻になったと判定するまで待機する。ステップS384において、受信時刻になったと判定された場合、処理は、ステップS385に進む(図25のステップS433,S435,S437)。
無線受信部41は、無線信号を受信する。フィルタ42-(N+1)により無線資源計算部51から無線制御部52に供給された周波数帯の信号が取り出され、相関器43-(N+1)により相関値が出力された後、検出部44-2から、データフレームが検出された時刻がデータフレーム復調部53に供給される。データフレーム復調部53は、検出部44-2から供給されるデータフレームが検出された時刻をもとに、フィルタ42-(N+1)から供給される信号から、データフレームを抽出し、抽出したデータフレームを復調する。
ステップS385において、データフレーム復調部53は、メッセージ#n(n=1乃至3)のデータフレームの受信が成功したか否かを判定する。
ステップS385において、データフレーム復調部53は、データフレームの受信が成功したと判定した場合、処理は、ステップS386に進む(図25のステップS434,S436,S438)。
ステップS386において、データフレーム復調部53は、Payloadから、データフレームのDATAに含まれるセンサデータを取得する。その後、処理は、ステップS388に進む。
一方、ステップS385において、データフレームの受信が成功しなかったと判定した場合、処理は、ステップS387に進む。
ステップS387において、データフレーム復調部53は、受信回数が上限に達したか否かを判定する。
ステップS387において、受信回数が上限に達していないと判定された場合、ステップS383に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
ステップS387において、受信回数が上限に達したと判定された場合、処理は、ステップS388に進む。
ステップS388において、データフレーム復調部53は、メッセージ回数が上限に達したか否かを判定する。ステップS388において、メッセージ回数が上限に達していないと判定された場合、ステップS383に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
ステップS388において、メッセージ回数が上限に達したと判定された場合、受信処理は終了される。
以上のように、第4の実施の形態の無線通信システムにおいては、1回の制御フレームを送信した後に、それぞれ異なるデータフレームが、複数回送信される。
これにより、制御フレームの送信頻度を軽減することができ、センサ端末の低消費電力化に寄与することが可能である。
なお、上述した第4の実施の形態の技術は、第1乃至第3の実施の形態の技術と組み合わせて用いることが可能である。
以上のように、本技術においては、送信側の内部時刻および端末IDに基づいて決定される送信時刻および送信周波数に関する送信関連情報を含む制御フレームが送信される。そして、制御フレームが送信された後に、制御フレームに含まれる送信関連情報に応じて、所定のデータとしてのセンサデータを含むデータフレームが送信される。
したがって、本技術によれば、GPS信号を受信できない場所であっても利用できる、低消費電力な無線通信システムを提供することができる。
また、低消費電力の無線通信システムを安価に提供することができる。
さらに、受信側の処理を軽減することができる。
なお、上述した無線通信システムにおいては、送信側の端末が、センサ端末である例を説明したが、本技術は、センサを有していない端末にも適用することができる。
<5.第5の実施の形態(コンピュータ)>
<コンピュータの構成例>
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
図26は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
CPU(Central Processing Unit)301、ROM(Read Only Memory)302、RAM(Random Access Memory)303は、バス304により相互に接続されている。
バス304には、さらに、入出力インタフェース305が接続されている。入出力インタフェース305には、キーボード、マウスなどよりなる入力部306、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部307が接続される。また、入出力インタフェース305には、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる記憶部308、ネットワークインタフェースなどよりなる通信部309、リムーバブルメディア311を駆動するドライブ310が接続される。
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU301が、例えば、記憶部308に記憶されているプログラムを入出力インタフェース305及びバス304を介してRAM303にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
CPU301が実行するプログラムは、例えばリムーバブルメディア311に記録して、あるいは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供され、記憶部308にインストールされる。
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
なお、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
例えば、本技術は、1つの機能をネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
<構成の組み合わせ例>
本技術は、以下のような構成をとることもできる。
(1) 送信側の内部時刻および端末IDに基づいて決定される送信時刻および送信周波数に関する送信関連情報を含む制御フレームを送信した後に、前記送信時刻および前記送信周波数に応じて、所定のデータを含むデータフレームを送信する送信部を備える
送信装置。
(2) 前記制御フレームを生成するとともに、前記端末IDに基づいて決定される所定の符号を用いて前記データフレームを生成するフレーム生成部をさらに備える
前記(1)に記載の送信装置。
(3) 前記フレーム生成部は、前記内部時刻および前記端末IDを含む前記制御フレームを生成する
前記(2)に記載の送信装置。
(4) 前記フレーム生成部は、前記送信時刻および前記送信周波数を含む前記制御フレームを生成する
前記(2)に記載の送信装置。
(5) 前記フレーム生成部は、前記所定の符号を含む前記制御フレームを生成する
前記(4)に記載の送信装置。
(6) 前記フレーム生成部は、前記所定の符号を決定する際の初期値として、前記端末IDを含む前記制御フレームを生成する
前記(4)に記載の送信装置。
(7) 前記送信部は、前記制御フレームを送信した後に、複数の異なる前記データフレームを送信する
前記(1)乃至(6)のいずれかに記載の送信装置。
(8) 送信装置が、
送信側の内部時刻および端末IDに基づいて決定される送信時刻および送信周波数に関する送信関連情報を含む制御フレームを送信した後に、前記送信時刻および前記送信周波数に応じて、所定のデータを含むデータフレームを送信する
送信方法。
(9) 送信側の内部時刻および端末IDに基づいて決定される送信時刻および送信周波数に関する送信関連情報を含む制御フレームを受信した後に、前記送信時刻および前記送信周波数に応じて、所定のデータを含むデータフレームを復調する復調部を備える
受信装置。
(10) 前記復調部は、前記端末IDに基づいて決定される所定の符号に応じて、前記データフレームを復調する
前記(9)に記載の受信装置。
(11) 前記制御フレームは、前記内部時刻および前記端末IDを含み、
前記復調部は、前記制御フレームに含まれる前記内部時刻および前記端末IDに基づいて決定される前記送信時刻および前記送信周波数に応じて、前記データフレームを復調する
前記(10)に記載の受信装置。
(12) 前記制御フレームは、前記送信時刻および前記送信周波数を含み、
前記復調部は、前記制御フレームに含まれる前記送信時刻および前記送信周波数に応じて、前記データフレームを復調する
前記(10)に記載の受信装置。
(13) 前記制御フレームは、前記所定の符号を含み、
前記復調部は、前記制御フレームに含まれる前記所定の符号を用いて、前記データフレームを復調する
前記(12)に記載の受信装置。
(14) 前記制御フレームは、前記所定の符号を決定する際の初期値として、前記端末IDを含み、
前記復調部は、前記制御フレームに含まれる前記端末IDを初期値として決定される前記所定の信号を用いて、前記データフレームを復調する
前記(12)に記載の受信装置。
(15) 前記復調部は、前記制御フレームが受信された後に、送信されてくる複数の異なる前記データフレームを復調する
前記(9)乃至(14)のいずれかに記載の受信装置。
(16) 受信装置が、
送信側の内部時刻および端末IDに基づいて決定される送信時刻および送信周波数に関する送信関連情報を含む制御フレームが受信された後に、前記送信時刻および前記送信周波数に応じて、所定のデータを含むデータフレームを復調する
受信方法。