JP7427517B2 - ヒータ - Google Patents

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Description

本開示は、ヒータに関する。
従来、半導体製造装置などに用いられるヒータが知られている。このようなヒータとして、たとえば、セラミックスからなる円板状の基体と、基体に埋設されるコイルとを有するヒータが知られている(特許文献1参照)。コイルは、たとえば、抵抗発熱体からなる線材がコイル軸の周りに螺旋状に巻き回されて構成され、コイル軸が基体の主面に沿って渦巻状またはミアンダ状に延びるように基体内に配置される。
特開2004-006242号公報
上述した従来技術には、耐久性を向上させるという点で更なる改善の余地がある。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、耐久性を向上させることができるヒータを提供することを目的とする。
本開示の一態様によるヒータは、加熱面を有する絶縁性の基体と、基体の内部に位置し、ミアンダ形状を有する仮想的な軸に沿って延在する線材を含む抵抗発熱体とを有する。また、線材は、加熱面と直交する面で切断した場合に基体の断面に表れる複数の軸の位置が、加熱面と直交する方向において不均一である。
本開示によれば、耐久性を向上させることができる。
図1は、実施形態に係るヒータの構成を示す模式的な斜視図である。 図2は、図1に示すII-II線における模式的な断面図である。 図3は、基体の上方から第1抵抗発熱体を見た平面透視図である。 図4は、実施形態に係る複数の第2抵抗発熱体の加熱領域を模式的に示した図である。 図5は、実施形態に係る第2抵抗発熱体における線材と線材軸との関係を説明するための図である。 図6は、基体の上方から複数の第2抵抗発熱体を見た平面透視図である。 図7は、図6に示すVII-VII線矢視断面図である。 図8は、図7に示すVIII部の拡大図である。 図9は、1つの第2抵抗発熱体における、基体の断面に表れる線材の複数の切断面の位置関係の例を示した図である。 図10は、1つの第2抵抗発熱体における、基体の断面に表れる線材の複数の切断面の位置関係の例を示した図である。 図11は、1つの第2抵抗発熱体における、基体の断面に表れる線材の複数の切断面の位置関係の例を示した図である。 図12は、1つの第2抵抗発熱体における、基体の断面に表れる線材の複数の切断面の位置関係の例を示した図である。 図13は、第2抵抗発熱体における線材軸の一部を示す拡大図である。 図14は、X1断面の形状およびX2断面の形状の組み合わせの例を示す図である。 図15は、2つの第2抵抗発熱体の線材軸の一部を示す拡大図である。 図16は、図15に示すXVI-XVI線矢視における断面図である。 図17は、変形例に係る第2抵抗発熱体の平面透視図である。 図18は、変形例に係る第2抵抗発熱体の側面透視図である。 図19は、コイル軸に沿った方向に第2抵抗発熱体を投影した投影図である。 図20は、線材の断面形状の他の例を示す模式的な断面図である。 図21は、図20に示すXXI部の拡大図である。
以下に、本開示によるヒータを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示によるヒータが限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
また、以下に示す実施形態では、「一定」、「直交」、「垂直」あるいは「平行」といった表現が用いられる場合があるが、これらの表現は、厳密に「一定」、「直交」、「垂直」あるいは「平行」であることを要しない。すなわち、上記した各表現は、たとえば製造精度、設置精度などのずれを許容するものとする。
また、以下参照する各図面では、説明を分かりやすくするために、互いに直交するX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする直交座標系を示す場合がある。
また、以下で参照する各図は、説明の便宜上の模式的なものである。したがって、細部は省略されることがあり、また、寸法比率は必ずしも現実のものとは一致していない。
(ヒータの構成について)
まず、実施形態に係るヒータの構成について図1および図2を参照して説明する。図1は、実施形態に係るヒータの構成を示す模式的な斜視図である。また、図2は、図1に示すII-II線における模式的な断面図である。図2では、図1に示すパイプ7および複数の配線部材9を省略して示している。また、図2では、第1抵抗発熱体5および複数の第2抵抗発熱体6の端子13も省略して示している。
図1および図2に示すように、実施形態に係るヒータ1は、たとえば、円板状の基体3と、基体3の内部に位置する第1抵抗発熱体5および複数の第2抵抗発熱体6と、基体3の下面32から下方へ延びるパイプ7と、パイプ7内に挿通されている複数の配線部材9とを有する。
基体3は、加熱対象物の一例としてのウエハ(不図示)が載置される上面31(加熱面の一例に相当)を有する。第1抵抗発熱体5および複数の第2抵抗発熱体6は、通電によって発熱する。
基体3の内部において、第1抵抗発熱体5は基体3の下面32側に配置され、複数の抵抗発熱体6は基体3の上面31側に配置される。言い換えれば、複数の抵抗発熱体6は、第1抵抗発熱体5と加熱面である基体3の上面31との間に位置する。
パイプ7は、たとえば、基体3を下方から支持する。また、パイプ7は、内部に挿通される複数の配線部材9を保護する。
複数の配線部材9は、第1抵抗発熱体5および複数の第2抵抗発熱体6に後述する端子13(図3および図5参照)を介して電気的に接続され、端子13を介して第1抵抗発熱体5および複数の第2抵抗発熱体6に電力を供給する。後述する端子13は、各抵抗発熱体5,6の両端に1つずつ設けられており、各抵抗発熱体5,6には、両端に設けられた2つの端子13を介して2つの配線部材9が接続される。
上記のように構成されたヒータ1は、配線部材9および端子13を介した通電によって第1抵抗発熱体5を発熱させることによって加熱面である基体3の上面31を加熱する。後述するように、第1抵抗発熱体5は、基体3の上面31に対して全体的に広がっている。したがって、第1抵抗発熱体5を発熱させることにより、上面31に載置されたウエハを全体的に加熱することができる。
また、ヒータ1は、配線部材9および端子13を介した通電によって第2抵抗発熱体6を発熱させることによって加熱面である基体3の上面31を加熱する。後述するように、個々の第2抵抗発熱体6は、基体3の上面31における一部の領域をカバーしている。このため、第2抵抗発熱体6を発熱させた場合、当該第2抵抗発熱体6がカバーする上面31の一部の領域のみが加熱されることとなる。したがって、第1抵抗発熱体5と第2抵抗発熱体6とを併用することにより、第1抵抗発熱体5によって基体3の上面31を全体的に加熱させつつ、第2抵抗発熱体6を用いて局所的な温度制御を行うことが可能となる。
なお、ヒータ1は、用途によっては、基体3の厚み(Z軸方向の幅)を薄くすることが望まれる場合がある。これは、たとえば、基体3を薄くするほどヒータ1全体の熱容量がさくなり、発熱効率が高まるためである。また、基体3を薄くするほど昇温・降温の応答が早まり、温度制御の容易性が高まるためである。ここで、第2抵抗発熱体6は、加熱温度の微調整に用いられるものであり、第1抵抗発熱体5と比べて発熱量は少なくてよい。そこで、図2に示すように、第2抵抗発熱体6の線材の径は、第1抵抗発熱体5の線材よりも径小さくてもよい。これにより、第1抵抗発熱体5の線材と同径のものを使用する場合と比べて、基体3の厚みを薄くすることができる。
(基体について)
基体3の上面31は、概ね平面である。基体3の平面形状及び各種の寸法は、加熱対象物の形状および寸法等を考慮して適宜に設定されてよい。たとえば、実施形態では、基体3の平面形状が円形である場合を例に挙げて説明するが、基体3の平面形状は、四角形等の多角形状であってもよい。
基体3は、たとえばセラミックスからなり、絶縁性を有する。基体3を構成するセラミックスは、たとえば、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al、アルミナ)、炭化珪素(SiC)、窒化珪素(Si)等を主成分とする焼結体である。なお、主成分は、たとえば、その材料の50質量%以上または80質量%以上を占める材料である(以下、同様。)なお、基体3の主成分が窒化アルミニウムである場合、基体3は、イットリウム(Y)の化合物を含んでいてもよい。Y化合物としては、たとえば、YAG(YAl12)およびYを挙げることができる。
(パイプについて)
パイプ7は、上下が開口した中空状の部材である。パイプ7の形状は適宜に設定されてよい。たとえば、実施形態では、パイプ7が、径が一定の円筒形状を有する場合を例に挙げて説明するが、パイプ7の径は必ずしも一定であることを要しない。また、パイプ7には、冷媒またはパージガスが流れる流路が形成されてもよい。
パイプ7は、セラミックス等の絶縁材料から構成されてもよいし、金属等の導電材料から構成されてもよい。パイプ7を構成するセラミックスは、たとえば、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al、アルミナ)、炭化珪素(SiC)、窒化珪素(Si)等を主成分とする焼結体である。
(配線部材について)
配線部材9は、パイプ7の内部に挿通されている。基体3の下面32には、端子13が露出しており、配線部材9は、その一端が後述する端子13に接続される。
配線部材9は、たとえば、可撓性の電線であってもよいし、可撓性を有さないロッド状のものであってもよい。
(端子について)
複数の端子13は、たとえば、第1抵抗発熱体5および複数の第2抵抗発熱体6の長さ方向両端に接続されている。端子13は、基体3の厚み方向(厚み方向)に延在しており、基体3の下面32から露出している。これにおり、基体3の外部から第1抵抗発熱体5および複数の第2抵抗発熱体6へ電力を供給可能となっている。複数の端子13は、たとえば、基体3の中央部に位置している。
(第1抵抗発熱体について)
次に、第1抵抗発熱体5の構成について図3を参照して説明する。図3は、基体3の上方から第1抵抗発熱体5を見た平面透視図である。図3では、複数の第2抵抗発熱体6を省略して示している。
図3に示すように、第1抵抗発熱体5は、たとえば1本の細長い線材50を有しており、かかる線材50がコイル軸100の回りに螺旋状に巻き回されることによって構成されるコイルである。コイル軸100は、仮想的な軸であり、所定のパターンを描きながら基体3の上面31に沿って(たとえば、上面31と平行に)延在している。図示の例において、コイル軸100は、基体3を半円状に2分割した各領域において、円周方向に往復するように所謂ミアンダ状に延びている。
具体的には、コイル軸100は、円周の一部が途切れた欠円状に湾曲するとともに互いに並列(たとえば平行)に延びている複数の延伸部110と、互いに隣り合う2つの延伸部110の一方から他方への折り返し部分を構成している複数の折り返し部120とを有している。言い換えれば、延伸部110は、2つの折り返し部120を繋ぐ部分である。
線材50は、電流が流れることによって熱を生じる金属等の導体である。線材50を構成する導体は、適宜に選択されてよく、たとえば、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、プラチナ(Pt)、インジウム(In)またはこれらを主成分とする合金である。また、線材50は、上記金属を含む導電ペーストを焼成して得られるものであってもよい。すなわち、線材50は、ガラス粉末および/またはセラミックス粉末等の添加剤を含むものであってもよい。
基体3を構成する材料は、第1抵抗発熱体5の全体を覆っているとともに第1抵抗発熱体5の内側にも充填されており、ひいては、線材50の外周面の全面に接している。
なお、本明細書では、コイル軸100の他に、線材軸の用語が用いられる場合がある。これは、たとえば、第1抵抗発熱体5に直交する断面という場合に、第1抵抗発熱体5の経路すなわちコイル軸100に直交する断面、および、線材50の経路すなわち線材軸200に直交する断面のいずれであるかを明確にするためである。コイル軸100の位置は、第1抵抗発熱体5の形状等から合理的に判断されてよく、線材軸200の位置は、線材50の形状等から合理的に判断されてよい。
平面透視において、コイル軸100の回りに螺旋状に巻き回されている線材50は、コイル軸100を基準として振動する波形状をなしている。実施形態において、第1抵抗発熱体5は、基体3に対して1つのみ設けられており、コイル軸100は、その一端から他端まで自己に対して交差することなく延びている。
(第2抵抗発熱体について)
次に、複数の第2抵抗発熱体6の構成について図4~図6を参照して説明する。図4は、実施形態に係る複数の第2抵抗発熱体6の加熱領域を模式的に示した図である。図5は、実施形態に係る第2抵抗発熱体6における線材と線材軸との関係を説明するための図である。図6は、基体3の上方から複数の第2抵抗発熱体6を見た平面透視図である。図6には、第2抵抗発熱体6が有する線材60の中心軸200を示しており、線材60自体の図示を省略している。
図4に示すように、加熱面である基体3の上面31は、たとえば6つの個別加熱領域31a~31fを有する。各個別加熱領域31a~31fは、複数の第2抵抗発熱体6の各々に対応している。すなわち、実施形態に係るヒータ1は、6つの第2抵抗発熱体6を有しており、各第2抵抗発熱体6は、基体3の内部において、対応する個別加熱領域31a~31fの直下に位置する。
図5に示すように、実施形態に係る第2抵抗発熱体6は、線材60を有する。本実施形態において線材60は、第1抵抗発熱体5の線材50と異なりコイル形状を有していない。図6に示すように、実施形態に係る第2抵抗発熱体6は、線材60の線材軸200自体がミアンダ形状を有している。線材60の線材軸200は、線材60に内包される仮想的な軸である。具体的には、線材軸200は、線材60の中心軸に相当する。
各第2抵抗発熱体6の線材軸200は、円周の一部が途切れた欠円状に湾曲するとともに互いに並列(たとえば平行)に延びている複数の延伸部210と、互いに隣り合う2つの延伸部210の一方から他方への折り返し部分を構成している複数の折り返し部220とを有している。言い換えれば、延伸部210は、2つの折り返し部220を繋ぐ部分である。
線材60を構成する導体は、線材50と同様、たとえば、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、プラチナ(Pt)、インジウム(In)またはこれらを主成分とする合金である。また、線材60は、上記金属を含む導電ペーストを焼成して得られるものであってもよい。すなわち、線材60は、ガラス粉末および/またはセラミックス粉末等の添加剤を含むものであってもよい。
各第2抵抗発熱体6の両端には、端子13が接続される。複数の端子13は、基体3の中央部に寄せて配置される。複数の端子13は、下方に延びており、基体3の下面32からパイプ7の内部に露出し、複数の配線部材9にそれぞれ接続される(図1参照)。
図7は、図6に示すVII-VII線矢視断面図である。VII-VII線は、基体3の中心を通る線である。図7では、図6において省略していた線材60も図示されている。また、図8は、図7に示すVIII部の拡大図である。
図7に示すように、複数の第2抵抗発熱体6の各線材60は、断面視において複数の断面を有する。これら複数の断面の位置は、基体3の厚み方向(Z軸方向)において不均一である。言い換えれば、基体3の断面に表れる複数の線材軸200の位置が基体3の厚み方向において不均一である。
このように、実施形態に係るヒータ1において、複数の第2抵抗発熱体6の各線材60は、加熱面である基体3の上面31と直交し且つ基体3の中心を通る面で基体3を切断した場合に基体3の断面に表れる複数の線材軸200の位置が、加熱面である基体3の上面31と直交する方向において不均一である。
かかる構成とすることで、基体3にクラックが発生することを抑制することができる。すなわち、基体3には、線材60が熱膨張および熱収縮を繰り返すことによって、クラックが生じるおそれがある。仮に、断面に表れる複数の線材軸200の位置が基体3の厚み方向において均一である場合、言い換えれば、複数の線材軸200が同一平面状に並ぶ場合、線材60の熱膨張・熱収縮が同一平面上で生じることとなる。この場合、隣り合う2つの線材60に挟まれた領域に大きな熱応力が加わるため、基体3にクラックが生じるおそれがある。これに対し、実施形態に係るヒータ1では、複数の線材軸200、特に隣り合う線材軸200同士が基体3の厚み方向にずれているため、隣り合う2つの線材軸200間の領域に加わる熱応力を緩和させることができる。
したがって、実施形態に係るヒータ1によれば、基体3にクラックが発生することを抑制することができる。すなわち、ヒータ1の耐久性を向上させることができる。
「基体3の断面に表れる複数の線材軸200の位置が基体3の厚み方向において不均一である」とは、具体的には、図8に示すように、基体3の断面に表れる線材60の切断面のうち、基体3の上面31に最も近い切断面における上面31に最も近い位置と、上面31から最も遠い切断面における上面31から最も遠い位置との、基体3の厚み方向における距離を第2距離H2としたとき、第2距離Hが、線材60の径Dよりも大きいことを意味する。
第2距離Hが大きすぎると、均熱性が低下するおそれがある。このため、第2距離Hは、線材60の径Dの1.5倍以上3.0倍以下であることが好ましい。
また、図2に示すように、基体3の上面31と直交し且つ基体3の中心を通る面で基体3を切断した場合に基体3の断面に表れる線材50の切断面のうち、基体3の上面31に最も近い切断面における上面31に最も近い位置と、上面31から最も遠い切断面における上面31から最も遠い位置との、基体3の厚み方向における距離を第1距離Hとすると、各第2抵抗発熱体6における第2距離H2は、第1抵抗発熱体5における第1距離H1よりも小さいことが好ましい。
この理由について説明する。加熱対象物(たとえばウエハ)は、第1抵抗発熱体5の発熱と、複数の第2抵抗発熱体6の発熱とによって加熱される。第2抵抗発熱体6は、加熱温度の微調整に用いられる。このため、第1抵抗発熱体5の発熱量は、各第2抵抗発熱体6を合算した発熱量よりも多いことが好ましい。
第1抵抗発熱体5は、第2抵抗発熱体6よりも、加熱面である基体3の上面31から離れている分、第2抵抗発熱体6よりも熱応答性が遅い。ここで、熱応答性とは、ヒータ1の発熱量の変化後、加熱面である基体3の上面31の温度が変化するまでの経過時間が遅く、かつ、経過時間に対する温度変化が緩やかであることをいう。よって、第1抵抗発熱体5の発熱量を変化させても、基体3の上面31の温度を一定に保持することは困難である。
一方、第2抵抗発熱体6は、第1抵抗発熱体5と比較して基体3の上面31に近いため、第1抵抗発熱体5よりも熱応答性が速い。なお、「第2抵抗発熱体6は、・・・基体3の上面31に近い」とは、第2抵抗発熱体6のどの位置を見ても。基体3の下面32よりも上面31に近いことをいう。ただし、第2抵抗発熱体6のうち基体3の下面32に向かって延びる、端子13およびその付近の部分は除く。第2抵抗発熱体6は、基体3の厚みを3等分した3つの領域のうち、上面31に最も近い領域に位置していることが好ましい。
第2抵抗発熱体6の発熱量を増やすと、第2抵抗発熱体6のうち基体3の上面31に近い部分では温度が急激に上昇するのに対し、基体3の上面31から遠い部分における温度上昇は緩やかである。このため、第2抵抗発熱体6の第2距離Hが大きすぎると、各個別加熱領域31a~31fにおいて、基体3の上面31の温度を一定に保持することが困難である。
以上を鑑みると、第2距離H第1距離Hとした場合、基体3の上面31の温度を一定に保持することは困難である。言い換えれば、第2距離H第1距離Hとすることで、基体3の上面31の温度を一定に保持することが容易となる。第2距離Hは、好ましくは第1距離Hの1/2以下、より好ましくは第1距離Hの1/3である。
別の観点によれば、第2抵抗発熱体6における「第2距離H-線材60の径D」は、第1抵抗発熱体5における「第1距離H-線材50の巻き径」よりも小さいことが好ましい。これにより、基体3の上面31の温度を一定に保持することが容易となる。
なお、第1抵抗発熱体5の線材50の径は、たとえば、0.1mm以上1.0mm以下、好ましくは、0.2mm以上0.8mm以下、より好ましくは、0.3mm以上0.6mm以下である。第2抵抗発熱体6の線材60の径についても同様である。
図9~図12は、1つの第2抵抗発熱体6における、基体3の断面に表れる線材60の複数の切断面の位置関係の例を示した図である。なお、図9~図12では、一例として、個別加熱領域31dに対応する第2抵抗発熱体6を示しているが、他の第2抵抗発熱体6についても同様である。
たとえば、図9に示すように、第2抵抗発熱体6は、基体3の断面に表れる線材60の複数の切断面のうち、基体3の外周部に近い第1領域に位置する切断面60aが、基体3の中央部に近い第2領域に位置する切断面60bよりも基体3の上面31に近くてもよい。
基体3の外周部は、中央部と比べて基体3の周囲の雰囲気に熱が奪われやすい。このため、基体3の外周部は、中央部と比べて温度が低くなるおそれがある。この場合、線材60のうち基体3の外周部に近い部分を基体3の上面31に近づけることで、基体3の外周部に近い第1領域における発熱量を相対的に増やすことができる。これにより、周囲の雰囲気に奪われる分の発熱量が補われるため、均熱性の向上を図ることができる。
また、図10に示すように、第2抵抗発熱体6は、基体3の断面に表れる線材60の複数の切断面のうち、基体3の外周部に近い第1領域に位置する切断面60aが、基体3の中央部に近い第2領域に位置する切断面60bよりも基体3の上面31から遠くてもよい。
基体3の中央部には、パイプ7が位置している。このため、基体3の中央部は、パイプ7からの熱引きによって、基体3の外周部よりも温度が低くなるおそれがある。この場合、線材60のうち基体3の中央部に近い部分を基体3の上面31に近づけることで、基体3の中央部に近い第2領域における発熱量を相対的に増やすことができる。これにより、パイプ7に奪われる分の発熱量が補われるため、均熱性の向上を図ることができる。
また、図9および図10の例に限らず、第2抵抗発熱体6は、たとえば、図11に示すように、基体3の外周部に近い第1領域と基体3の中央部に近い第2領域とに挟まれた第3領域に位置する切断面60cが、第1領域に位置する切断面60aおよび第2領域に位置する切断面60bよりも基体3の上面31の近くに位置していてもよい。また、図12に示すように、第2抵抗発熱体6は、第3領域に位置する切断面60cが、第1領域に位置する切断面60aおよび第2領域に位置する切断面60bよりも基体3の上面31から離れていてもよい。
(第2抵抗発熱体における線材の断面形状)
次に、第2抵抗発熱体6における線材60の断面形状について説明する。図13は、第2抵抗発熱体6における線材軸200の一部を示す拡大図である。
以下では、線材軸200に直交する線材60の断面のうち、延伸部210における断面、すなわち、図13に示すX1-X1線矢視断面の形状(以下、「X1断面」と記載する)と、折り返し部220における断面、すなわち、図13に示すX2-X2線矢視断面(以下、「X2断面」と記載する)の形状とを比較する。図14は、X1断面の形状およびX2断面の形状の組み合わせの例を示す図である。
図14(a),(b)に示すように、線材60のX1断面の形状は、真円よりも厚み方向に潰れた形状であってもよい。具体的には、X1断面の厚み方向の幅D1(最上点から最下点までの距離)は真円の直径(以下、「線材60の円相当径」と呼ぶ場合がある)よりも短く、水平方向の幅D2(水平方向の一端から他端までの距離)は円相当径より長くてもよい。
この場合、線材60のX2断面の形状は、図14(a)に示すように、真円であってもよい。すなわち、X2断面における厚み方向の幅D3は、X1断面における厚み方向の幅D1より長く、X2断面における水平方向の幅D4は、X1断面における水平方向の幅D2より短くてもよい。また、線材60のX2断面の形状は、図14(b)に示すように、X1断面の形状よりもさらに厚み方向に潰れた形状であってもよい。すなわち、X2断面における厚み方向の幅D3は、X1断面における厚み方向の幅D1より短く、X2断面における水平方向の幅D4は、X1断面における水平方向の幅D2より長くてもよい。
また、図14(c),(d)に示すように、線材60のX1断面の形状は、真円であってもよい。具体的には、X1断面の厚み方向の幅D1および水平方向の幅D2は、円相当径と同一であってもよい。
この場合、線材60のX2断面の形状は、図14(c)に示すように、X1断面の形状よりも水平方向に潰れた形状であってもよい。すなわち、X2断面における厚み方向の幅D3は、X1断面における厚み方向の幅D1より長く、X2断面における水平方向の幅D4は、X1断面における水平方向の幅D2より短くてもよい。また、線材60のX2断面の形状は、図14(d)に示すように、X1断面の形状よりも厚み方向に潰れた形状であってもよい。すなわち、X2断面における厚み方向の幅D3は、X1断面における厚み方向の幅D1より短く、X2断面における水平方向の幅D4は、X1断面における水平方向の幅D2より長くてもよい。
図14(e),(f)に示すように、線材60のX1断面の形状は、真円よりも水平方向に潰れた形状であってもよい。具体的には、X1断面の厚み方向の幅D1は線材60の円相当径よりも長く、水平方向の幅D2は円相当径より短くてもよい。
この場合、線材60のX2断面の形状は、図14(e)に示すように、X1断面の形状よりもさらに水平方向に潰れた形状であってもよい。すなわち、X2断面における厚み方向の幅D3は、X1断面における厚み方向の幅D1より長く、X2断面における水平方向の幅D4は、X1断面における水平方向の幅D2より短くてもよい。また、線材60のX2断面の形状は、図14(f)に示すように、X1断面の形状は真円であってもよい。すなわち、X2断面における厚み方向の幅D3は、X1断面における厚み方向の幅D1より短く、X2断面における水平方向の幅D4は、X1断面における水平方向の幅D2より長くてもよい。
このように、第2抵抗発熱体6の線材60は、線材軸200に直交する断面の形状のうち、ミアンダ形状の折り返し部220における形状をX1断面形状(第1断面形状の一例)とし、2つの折り返し部220を繋ぐ延伸部210における形状をX2断面形状(第2断面形状の一例)としたとき、X1断面形状とX2断面形状とが異なっている。
かかる構成とすることで、ヒータ1の耐久性を高めることができる。すなわち、第2抵抗発熱体6は、加熱温度の微調整に用いられるため、第1抵抗発熱体5と比較して、発熱量を増減させる頻度が高い。言い換えれば、第2抵抗発熱体6は、第1抵抗発熱体5と比較して、熱膨張および熱収縮のサイクルをより多く繰り返す。したがって、基体3のうち第2抵抗発熱体6に接する部分が第2抵抗発熱体6の線材60から剥離して、第2抵抗発熱体6と基体3との間に隙間が生じるおそれがある。
第2抵抗発熱体6と基体3との間に隙間が生じると、基体3の内部において第2抵抗発熱体6が回動し、これによって隙間がさらに大きくなったり、場合によっては基体3にクラックが生じたりするおそれがある。特に、線材60の延伸部210と折り返し部220との境界部分は、熱応力が集中しやすいため、上記剥離および回動が生じ易い。これに対し、実施形態に係るヒータ1のように、延伸部210における断面形状(X1断面形状)と折り返し部における断面形状(X2断面形状)とを異ならせることで、仮に基体3と線材60との間に隙間が生じたとしても、第2抵抗発熱体6の回動を抑制することができる。したがって、実施形態に係るヒータ1によれば、線材60の回動に伴うクラックの発生を好適に抑制することができる、すなわち、ヒータ1の耐久性を向上させることができる。
また、X1断面形状とX2断面形状とを比較した場合、X2断面形状における厚み方向の幅D3は、X1断面形状における厚み方向の幅D1よりも長いことが好ましい。この点について図15および図16を参照して説明する。図15は、2つの第2抵抗発熱体6の線材軸200の一部を示す拡大図である。また、図16は、図15に示すXVI-XVI線矢視における断面図である。
図15には、基体3のうち、基体3の周方向において隣り合う2つの折り返し部220に挟まれる領域は、他の領域と比較して温度が低いクールスポットになるおそれがある。
そこで、図16に示すように、クールスポットに近い折り返し部220における断面を厚み方向に長い形状とすることで、クールスポットを厚み方向においてより広い領域で加熱することができるため、クールスポットにおける温度低下を抑制することができる。すなわち、ヒータ1の均熱性を向上させることができる。
また、図16に示す例では、折り返し部220における線材60が延伸部210における線材60よりも基体3の上面31側に延びている。言い換えれば、折り返し部220における線材60は、延伸部210における線材60よりも基体3の上面31に近い。この場合、クールスポット近傍における発熱量を相対的に増やすことができることから、ヒータ1の均熱性をさらに向上させることができる。
なお、ここでは、第2抵抗発熱体6の断面形状について言及してきたが、第1抵抗発熱体5の線材50も同様の断面形状を有していてもよい。すなわち、第1抵抗発熱体5の線材50は、コイル軸100に直交する断面の形状のうち、ミアンダ形状の折り返し部120における形状を第1断面形状とし、2つの折り返し部を繋ぐ延伸部110における形状を第2断面形状としたとき、第1断面形状と第2断面形状とが異なっていてもよい。
(第2抵抗発熱体の他の例)
第2抵抗発熱体6の線材60は、第1抵抗発熱体5の線材50と同様、コイル形状を有していてもよい。図17は、変形例に係る第2抵抗発熱体6の平面透視図である。また、図18は、変形例に係る第2抵抗発熱体6の側面透視図である。なお、平面透視図とは、基体3の上面31を上方から見た場合の透視図であり、側面透視図とは、基体3の側面を側方から見た場合における透視図である。
図17および図18に示すように、第2抵抗発熱体6は、平面透視および側面透視において、コイル軸300を基準として波状に振動している。ここで、図17および図18には、第2抵抗発熱体6における同一の部分が図示されている。この点についての理解を容易にするために、図17および図18には、第2抵抗発熱体6における同一の部分をc1~c10で示している。図17に示す平面透視において、部分c1,c3,c5,c7,c9は、波の腹(部分c1,c5,c9は山、部分c3,c7は谷)に相当するが、図18に示す側面透視においては、コイル軸300と交わる波の中点(節)に相当する。また、図17に示す平面透視において、部分c2,c4,c6,c8,c10は、波の中点(節)に相当するが、図18に示す側面透視においては、波の腹(部分c4,c8は山、部分c2,c6,c10は谷)に相当する。
図17および図18に示すように、図17に示す平面透視において、山(たとえば、部分c1)と谷(たとえば、部分c3)とのコイル軸300に直交する方向に沿った距離を第2抵抗発熱体6の幅Wと規定する。また、図18に示す側面透視において、山(たとえば、部分c4)と谷(たとえば、部分c2)とのコイル軸300に直交する方向に沿った距離を第2抵抗発熱体6の高さHと規定する。
この場合、第2抵抗発熱体6の幅Wは、第2抵抗発熱体6の高さHよりも大きい。すなわち、第2抵抗発熱体6は、基体3の厚み方向と比較して、加熱面である上面31に沿った方向である基体3の水平方向に相対的に広がっている。したがって、実施形態に係るヒータ1によれば、均熱性を向上させることができる。
コイル形状を有する第2抵抗発熱体6も、加熱面である基体3の上面31と直交する面で切断した場合に基体3の断面に表れる複数のコイル軸300の位置が、基体3の上面31と直交する方向において不均一である。すなわち、基体3の断面に表れる線材60の複数の切断面のうち、基体3の上面31に最も近い切断面の上面31に最も近い位置と、上面31から最も遠い切断面の上面31から最も遠い位置との上面31に直交する方向における距離が、線材60のコイル径よりも大きい。かかる構成を有することにより、上述したようにヒータ1の耐久性を向上させることができる。
(コイル軸に沿って第2抵抗発熱体を投影した形状について)
図19は、コイル軸300に沿った方向に第2抵抗発熱体6を投影した投影図である。なお、図19には、コイル軸300が直線であると仮定した場合における第2抵抗発熱体6の投影図を示している。
図19に示すように、コイル軸300に沿った方向に第2抵抗発熱体6を投影した場合の外輪郭65および内輪郭66は、いずれも、厚み方向に潰れた楕円形状である。具体的には、外輪郭65の厚み方向における幅D11は、外輪郭65の水平方向における幅D12よりも短い。同様に、内輪郭66の厚み方向における幅D13は、内輪郭66の水平方向における幅D14よりも短い。
このように、コイル軸300に沿った方向に第2抵抗発熱体6を投影した場合の外輪郭65および内輪郭66の形状は、真円よりも潰れた形状であってもよい。これにより、投影した形状が真円である場合と比較して、第2抵抗発熱体6の位置が変動しにくくなることから、第2抵抗発熱体6が変動することによって基体3の内部にクラックが生じることを抑制することができる。したがって、実施形態に係るヒータ1によれば、耐久性を向上させることができる。
また、厚み方向における外輪郭65と内輪郭66との間隔D15は、水平方向における外輪郭65と内輪郭66との間隔D16よりも小さい。すなわち、第2抵抗発熱体6は、厚み方向における厚みが水平方向における厚みと比較して薄い。線材50の径が小さくなるほど線材50の電気抵抗は高くなる。したがって、第2抵抗発熱体6の水平方向における厚みを相対的に薄くすることで、基体3の上面31に沿った方向における発熱量を相対的に増やすことができる。これにより、均熱性の向上を図ることができる。
なお、ここでは、外輪郭65および内輪郭66の両方が楕円形状である場合の例を示したが、外輪郭65および内輪郭66のうち少なくとも外輪郭65が楕円形状であればよい。すなわち、たとえば外輪郭65が楕円形状であるのに対し、内輪郭66は真円であってもよい。
(第2抵抗発熱体における線材の断面形状の変形例について)
次に、線材60の断面形状の変形例について図20および図21を参照して説明する。図20は、線材60の断面形状の他の例を示す模式的な断面図である。また、図21は、図20に示すXXI部の拡大図である。なお、図20に示す断面は、図17に示すXX-XX線矢視における断面に相当する。
図20に示すように、線材60の断面形状は、曲線状の輪郭の一部に平坦部67を有する形状であってもよい。平坦部67は、線材60の線材軸200に沿って延在するものとする。平坦部67に対応する線材60の表面は、線材軸200が直線的に延びていれば平面を有し、曲線的に延びていれば曲面形状を有する。
このように、線材60の断面形状の一部に平坦部67が存在することで、たとえば線材60の断面形状が真円である場合と比べて、線材60の線材軸200まわりの回動が抑制される。これにより、基体3の内部において線材60が回動することによって基体3の内部にクラックが生じることが抑制される。したがって、実施形態に係るヒータ1によれば、耐久性を向上させることができる。
ここでは、平坦部67が線材60の下部すなわち基体3の下面32側に位置する場合の例を示したが、平坦部67は、線材60の上部すなわち基体3の上面31側に位置していてもよい。また、平坦部67は、線材60の下部と上部の間、すなわち基体3の上面32と下面31の間に位置しても良い。
また、図21に示すように、線材60の断面形状は、曲線状の輪郭の少なくとも一部に微小な凹凸形状を有していてもよい。かかる凹凸形状のうち、突出量68aおよび根元径68bのそれぞれが30μm以上のものを凸部68と定義する。
突出量68aは、たとえば、凸部68の両側の谷のうち最も低い位置から凸部68の頂部までの線材60の径方向の長さとされてよい。また、根元径68bは、たとえば、凸部68の両側の谷のうち最も低い位置同士の距離とされてよい。両側の谷のうち最も低い位置の線材60の径方向における位置のずれが大きい場合には、谷の最も低い位置が高い方の谷における最も低い位置における凸部68の幅が根元径68bとされてよい。
凸部68の突出量68aおよび根元径68bの上限値は特に限定されない。ただし、たとえば、線材60の横断面が矩形である場合における当該矩形の角部のように、線材60の横断面の概略形状の一部として捉えられるような大きな凸部は、当然に、凸部68から排除されてよい。その判断は、線材60の横断面の形状および凸部の大きさから合理的に判断されてよい。また、たとえば、複数の凸部68の全部または大部分(たとえば8割以上)において、突出量68aおよび根元径68bのそれぞれは、線材60の円相当径の1/10以下、好ましくは、1/20以下とされてよい。
このように、線材60の断面形状の少なくとも一部に微小な凹凸が存在することにより、凹凸の内部に基体3の材料が入り込んで線材60を拘束することで、線材60の線材軸200まわりの回動を抑制することができる。したがって、実施形態に係るヒータ1によれば、耐久性を向上させることができる。
(ヒータの製造方法)
次に、ヒータ1の製造方法の一例について説明する。ヒータ1の製造方法においては、たとえば、基体3、パイプ7および配線部材9が個別に作成される。その後、これらの部材が互いに固定される。なお、基体3とパイプ7は一部または全部が一体的に作成されてもよい。パイプ7および配線部材9の製造方法は、たとえば、公知の種々の方法と同様とされてよい。
基体3は、たとえばホットプレスを用いた方法により製造される。まず、第1抵抗発熱体5および第2抵抗発熱体6の作成が行われる。第1抵抗発熱体5および第2抵抗発熱体6の作成方法は、公知の種々の方法と同様とされてよい。たとえば、第1抵抗発熱体5は、線材50を熱間加工することによって作成される。具体的には、直線状に延びる軸状部材に線材50を巻き回し、その後、軸状部材を引き抜くことによって第1抵抗発熱体5が作成される。第2抵抗発熱体6をコイル形状とする場合も同様である。
つづいて、ホットプレスが行われる。まず、第1抵抗発熱体5とセラミックス原料粉末とを型の内部に配置し、型を介して第1抵抗発熱体5およびセラミックス原料粉末を加圧する。その後、第2抵抗発熱体6とセラミックス原料粉末とを型の内部に配置して再度加圧する。加圧は、たとえば、上型と下型とが基体3の厚み方向に接近することによってなされる。その後、第1抵抗発熱体5、第2抵抗発熱体6およびセラミックス原料粉末は加圧された状態で焼成される。これにより、第1抵抗発熱体5および第2抵抗発熱体6を内蔵した基体3が作成される。
上述してきたように、実施形態に係るヒータ(一例として、ヒータ1)は、加熱面(一例として、上面31)を有する絶縁性の基体(一例として、基体3)と、基体の内部に位置し、ミアンダ形状を有する仮想的な軸(一例として、コイル軸100、線材軸200およびコイル軸300)に沿って延在する線材(一例として、線材50,60)を含む抵抗発熱体(一例として、第1抵抗発熱体5および第2抵抗発熱体6)とを有する。また、線材は、加熱面と直交する面で切断した場合に基体の断面に表れる複数の軸の位置が、加熱面と直交する方向において不均一である。
また、実施形態に係るヒータ(一例として、ヒータ1)は、加熱面(一例として、上面31)を有する絶縁性の基体(一例として、基体3)と、基体の内部に位置し、ミアンダ形状を有する仮想的な軸(一例として、コイル軸100、線材軸200およびコイル軸300)に沿って延在する線材(一例として、線材50,60)を含む抵抗発熱体(一例として、第1抵抗発熱体5および第2抵抗発熱体6)とを有する。また、線材は、軸に直交する断面の形状のうち、ミアンダ形状の折り返し部(一例として、折り返し部120,220)における形状を第1断面形状とし、2つの折り返し部を繋ぐ延伸部(一例として、延伸部110,120)における形状を第2断面形状としたとき、第1断面形状と第2断面形状とが異なる。
したがって、実施形態に係るヒータによれば、耐久性を高めることができる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 :ヒータ
3 :基体
5 :第1抵抗発熱体
6 :第2抵抗発熱体
7 :パイプ
9 :配線部材
13 :端子
31 :上面
32 :下面
50 :線材
60 :線材
65 :外輪郭
66 :内輪郭
67 :平坦部
100 :コイル軸
110 :延伸部
120 :折り返し部
200 :線材軸
210 :延伸部
220 :折り返し部
300 :コイル軸

Claims (8)

  1. 加熱面を有する絶縁性の基体と、
    前記加熱面を全体的に加熱する第1抵抗発熱体と、
    前記基体の内部に位置し、ミアンダ形状を有する仮想的な軸に沿って延在する線材を含む複数の第2抵抗発熱体と
    を有し、
    各前記第2抵抗発熱体は、前記第1抵抗発熱体と前記加熱面との間に位置し、前記加熱面の一部分を加熱し、
    前記線材は、
    前記加熱面と直交する面で切断した場合に前記基体の断面に表れる複数の前記軸の位置が、前記加熱面と直交する方向において不均一である、ヒータ。
  2. 前記複数の第2抵抗発熱体の各々において、前記線材は、前記基体の断面に表れる複数の前記軸の位置が、前記加熱面と直交する方向において不均一である、請求項に記載のヒータ。
  3. 前記第2抵抗発熱体における前記軸は、前記線材の中心軸であり、
    前記第2抵抗発熱体は、
    前記基体の断面に表れる前記線材の複数の切断面のうち、前記加熱面に最も近い前記切断面における前記加熱面に最も近い位置と、前記加熱面から最も遠い前記切断面における前記加熱面から最も遠い位置との、前記加熱面に直交する方向における距離を第2距離としたとき、該第2距離が、前記線材の径よりも大きい、請求項またはに記載のヒータ。
  4. 前記基体の断面に表れる前記第1抵抗発熱体の複数の切断面のうち、前記加熱面に最も近い前記切断面における前記加熱面に最も近い位置と、前記加熱面から最も遠い前記切断面における前記加熱面から最も遠い位置との、前記加熱面に直交する方向における距離を第1距離としたとき、
    前記第2抵抗発熱体における前記第2距離は、前記第1抵抗発熱体における前記第1距離よりも小さい、請求項に記載のヒータ。
  5. 前記第2抵抗発熱体は、
    前記基体の断面に表れる前記線材の複数の切断面のうち、前記基体の外周部に近い第1領域に位置する前記切断面が、前記基体の中央部に近い第2領域に位置する前記切断面よりも前記加熱面に近い、請求項の何れか一つに記載のヒータ。
  6. 前記第2抵抗発熱体は、
    前記基体の断面に表れる前記線材の複数の切断面のうち、前記基体の外周部に近い第1領域に位置する前記切断面が、前記基体の中央部に近い第2領域に位置する前記切断面よりも前記加熱面から遠い、請求項の何れか一つに記載のヒータ。
  7. 前記第2抵抗発熱体は、
    前記基体の断面に表れる前記線材の複数の切断面のうち、前記基体の外周部に近い第1領域と前記基体の中央部に近い第2領域とに挟まれた第3領域に位置する前記切断面が、前記第1領域に位置する前記切断面および前記第2領域に位置する前記切断面よりも前記加熱面に近い、請求項の何れか一つに記載のヒータ。
  8. 前記第2抵抗発熱体は、
    前記基体の断面に表れる前記線材の複数の切断面のうち、前記基体の外周部に近い第1領域と前記基体の中央部に近い第2領域とに挟まれた第3領域に位置する前記切断面が、前記第1領域に位置する前記切断面および前記第2領域に位置する前記切断面よりも前記加熱面から離れている、請求項の何れか一つに記載のヒータ。
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