JP7412244B2 - 布基礎 - Google Patents

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Description

本発明は、布基礎に関する。
建物の基礎の一種である布基礎には、床下の点検用開口が設けられることがあり、この点検用開口周りには様々な補強が施されている。例えば、床下点検用開口の補強を確実に行うことができ、取り付けや取り外し作業を簡単に行うことができる床下点検用開口の開口補強ユニットが提案されている。具体的には、開口補強ユニットにおいて、補強用枠板と、その前面および背面に着脱可能に取り付けられているせん断補強用の前面板及び背面板とにより、上方に開口する箱型補強枠体が構成される。箱型補強枠体の内部には、左右の側板部分の間に突っ張り状態を形成できるように、座屈防止用の横架部材が着脱可能に架け渡されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2017-155576号公報
特許文献1に記載の開口補強ユニットによれば、横架部材が取り付けられた箱型補強枠体の剛性により、点検用開口部分における鉄筋やコンクリートの欠損に起因する布基礎の耐力低下を補うことができるとしている。ところで、布基礎に設けられる開口は、このような点検用開口やダクト用開口であり、その幅(布基礎の長手方向に沿う方向の幅)はせいぜい500mm程度かそれ以下である。そのため、布基礎を施工するコンクリート打設においては、開口周りに特許文献1に記載されるような補強を施し、型枠を取り付けた後、他の一般部と同様にコンクリート打設が行われている。
上記するように比較的小さな開口を備えた布基礎の施工では、開口直下のコンクリート打設(バイブレータによる脱泡処理や締め固め処理を含む)を何ら支障なく行うことができる。これに対して、布基礎に対して例えば900mm以上の大きな開口を設ける必要がある場合に、従来の施工方法では、開口直下のコンクリート打設に支障が生じることが十分に想定される。このような大きな開口は、布基礎が例えば成の高い深基礎である場合に、高さ及び幅ともに大きな開口をその一部に設けることにより、この開口が建物の外部収納やガレージ等の扉やシャッターなどの建具の収まり部等に適用される。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、大きな開口を備える布基礎に関し、高い開口補強強度を有し、開口下方における良好なコンクリート打設を可能とした、布基礎を提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明による布基礎の一態様は、
布基礎を構成する立ち上がり部の一部において、該立ち上がり部の上端からその途中位置に亘る開口を備えている、布基礎であって、
前記開口が、対向する一対の側面と、該一対の側面の下端同士を繋ぐ底面とを有し、
前記一対の側面と前記底面の内側に、一対の側方部材と、該一対の側方部材の下端同士を繋ぐ下方部材とを備えた、コの字状の鋼製枠が取り付けられており、
前記下方部材には貫通孔が開設されており、該貫通孔は、前記開口の下方のコンクリート打設用孔であることを特徴とする。
本態様によれば、布基礎の開口をその内側から補強する、上方に開いたコの字状の鋼製枠を形成する下方部材が貫通孔を備え、この貫通孔が開口の下方のコンクリート打設用孔であることにより、布基礎の開口下方のコンクリート打設においては、この貫通孔を介してコンクリートを開口の下方に打設することができる。さらに、貫通孔を介してバイブレータを開口の下方に挿入し、フレッシュコンクリートに振動を付与して脱泡処理や締め固め処理を行うことができる。ここで、下方部材には、複数の貫通孔が設けられているのが好ましく、複数の貫通孔を介して、コンクリートの打設やバイブレータの挿入が可能になり、さらには、コンクリート表面に浮上する気泡やブリージング水、レイタンスの排出が可能になる。従って、布基礎の有する開口の幅(鋼製枠を構成する一対の側面の間の長さが例えば900mm以上)が大きな場合であっても、開口下方における良好なコンクリート打設が可能になる。尚、幅や高さの大きな開口を備える本態様の布基礎は、全体の成が1000mm以上である深基礎が一例として挙げられる。
また、布基礎の開口の内側において、対向する一対の側方部材と、一対の側方部材の下端同士を繋ぐ下方部材を備えたコの字状の鋼製枠が取り付けられていることにより、高い開口補強強度を有する布基礎となる。
また、本発明による布基礎の他の態様において、前記側方部材は平鋼もしくは形鋼材により形成され、前記下方部材は複数の平鋼もしくは形鋼材が井桁状に組み付けられて形成されており、
前記一対の側方部材の上方において、該一対の側方部材の間に鉄骨梁が架け渡されていることを特徴とする。
本態様によれば、鋼製枠を形成する側方部材が平鋼等により形成されている形態においても、一対の側方部材の上方において双方の間に鉄骨梁が架け渡されていることにより、幅の広い開口に対して高い開口補強強度が付与された布基礎を形成できる。例えば、側方部材と下方部材がいずれも平鋼により形成されている鋼製枠のみでは、特に幅の大きな開口を十分に補強するのは難しい。本態様のように一対の側方部材に架け渡されている鉄骨梁が構成要素となることにより、例えば鋼製枠が平鋼のみにより形成される形態であっても、幅の広い開口を高い強度で補強することができる。尚、この鉄骨梁には、H形鋼や溝形鋼等の形鋼材や、鋼管、角形鋼管等が適用できる。
また、本発明による布基礎の他の態様において、前記側方部材は少なくとも形鋼材により形成され、前記下方部材は少なくとも複数の形鋼材が井桁状に組み付けられて形成されており、
前記一対の側方部材の上方において、該一対の側方部材の間に鉄骨梁が架け渡されていないことを特徴とする。
本態様によれば、鋼製枠を構成する側方部材と下方部材がいずれも、少なくとも形鋼材にて形成されていることにより、全体的に剛性のある鋼製枠を形成することができるため、一対の側方部材の間に架け渡される鉄骨梁を不要としながら、高強度な開口補強を実現できる。ここで、「少なくとも形鋼材により形成され」とは、H形鋼等の形鋼材のみにより形成される形態の他、平鋼とH形鋼等の形鋼材の組み合わせ形態等が含まれる。例えば、開口の奥行きが長い場合、この奥行きに対応した形鋼材が存在しない事態も生じ得る。このような場合は、開口の奥行きに対応した幅の平鋼にて鋼製枠を形成し、開口の側面や底面に鋼製枠を当接させる。そして、この鋼製枠の内側に、H形鋼等の形鋼材により形成される鉄骨フレーム等を配設することにより、側方部材の間に架け渡される鉄骨梁を廃しながら、様々な奥行きの開口に対応した高強度の開口補強を実現できる。
また、本発明による布基礎の他の態様において、前記側方部材には、第一ボルト孔が開設されており、
前記側方部材の外側面のうち、前記第一ボルト孔に対応する位置には、第二ボルト孔を備える長ナットが固定されており、
前記布基礎の施工の際に前記一対の側方部材の内側に架け渡される仮設鉄骨であって、該仮設鉄骨はその両端部に第三ボルト孔が開設されている平鋼を備えており、
前記第三ボルト孔が前記第一ボルト孔に位置決めされ、該第三ボルト孔と該第一ボルト孔にボルトが螺合されることにより、前記鋼製枠に対して前記仮設鉄骨が取り外し自在に接合されるようになっており、
前記長ナットの外側から前記第二ボルト孔に対して、前記布基礎の内部に埋設されるアンカーボルトの先端のネジ溝が螺合しており、該アンカーボルトが前記布基礎の上端主筋に重ね継ぎされていることを特徴とする。
本態様によれば、一対の側方部材の間に仮設鉄骨が架け渡される構成を有することにより、例えば布基礎の施工に際してコンクリートを打設する際には仮設鉄骨を取り付けておき、コンクリート打設後、仮設鉄骨を取り外して本設の鉄骨梁を取り付けることが可能になる。布基礎の施工においてコンクリートを打設する際には、一対の側方部材の上方において、中央に打設用開口を設けるようにして二本の仮設鉄骨を架け渡すのが好ましい。さらに、本態様では、側方部材の外側面に長ナットが固定され、長ナットの外側からアンカーボルトの先端が螺合され、アンカーボルトが布基礎の上端主筋に重ね継ぎされていることにより、例えば大きな開口によって布基礎の上端主筋が分断されている場合においても、アンカーボルトと鋼製枠を介して、開口の左右にある上端主筋の間の引張力伝達構造を形成できる。
さらに、本態様では、側方部材に第一ボルト孔が開設され、側方部材の外側面における第一ボルト孔に対応する位置に第二ボルト孔を備える長ナットが固定され、仮設鉄骨の両端部にある平鋼の備える第三ボルト孔が第一ボルト孔と位置決めされて双方のボルト孔にボルトが螺合される。そのため、ボルトの長さが長い場合であっても、第三ボルト孔を介し、側方部材の第一ボルト孔を介して、長ナットの第二ボルト孔までボルトを螺合させることができる。そして、このように仮設鉄骨を固定するボルトが螺合している状態において、長ナットの第二ボルト孔の反対側からは、アンカーボルトの先端を螺合させることが可能になる。このように、本態様によれば、開口周囲の補強強度を高めることができ、仮設時の良好な施工性を享受できる。
また、本発明による布基礎の他の態様は、前記側方部材から外側にせん断補強鋼材が突設して、前記布基礎に埋設されていることを特徴とする。
本態様によれば、側方部材から外側に頭付きスタッド等のせん断補強鋼材が突設して布基礎に埋設されていることにより、開口の左右側方に作用する上下方向のせん断力をせん断補強鋼材を介して鋼製枠に伝達することが可能になり、高い補強構造を有する布基礎が形成できる。
また、本発明による布基礎の他の態様は、前記開口の前記一対の側面の間の長さが900mm以上であり、該開口が収納開口であることを特徴とする。
本態様によれば、布基礎が900mm以上の幅の収納開口を有することにより、高い開口補強強度を備え、従来には無い機能性を備えた布基礎を提供することができる。この収納開口の幅としては、例えば、2P(1Pは910mm程度)程度が挙げられる。
以上の説明から理解できるように、本発明の布基礎によれば、大きな開口を備える布基礎に関し、高い開口補強強度を有し、開口下方における良好なコンクリート打設が可能になる。
第1実施形態に係る布基礎の一例を示す斜視図である。 第1実施形態に係る布基礎の施工における、開口周辺の仮設構造を説明する図である。 第2実施形態に係る布基礎の一例を示す正面図である。
以下、各実施形態に係る布基礎について、添付の図面を参照しながら説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く場合がある。
[第1実施形態に係る布基礎]
はじめに、図1及び図2を参照して、第1実施形態に係る布基礎の一例について説明する。ここで、図1は、第1実施形態に係る布基礎の一例を示す斜視図である。
図示する布基礎100は、一般の布基礎の有する開口に比べて大寸法の開口30を有する例えば深基礎であり、フーチング20と立ち上がり部10を有し、その高さt1は例えば1300mm程度であり、フーチング20が完全に埋め戻されている地盤Gの地表から立ち上がり部10の上端までの高さt2は1000mm程度である。
布基礎100は、立ち上がり部10の上方の断面中心付近において、その長手方向に延設する上端主筋12を有する。また、フーチング20の断面中心付近であって上端主筋12と対応する位置において、その長手方向に延設する下端主筋14を有する。さらに、上端主筋12と下端主筋14に亘る長さを有する複数のばら筋16が、布基礎100の長手方向に所定のピッチで配設されている。
布基礎100の立ち上がり部10には、その上端から途中位置に亘り開口30が設けられている。開口30の寸法は、例えば、布基礎100の長手方向の幅t3が1800mm程度(2Pの幅であり、1Pは910mm程度)であり、奥行き方向の幅t4は180mm程度であり、高さt5は700mm程度である。尚、開口30の長手方向の幅t2は少なくとも900mm以上であり、一般の布基礎に設けられる開口の幅が500mm以下であることを勘案すると、一般の布基礎の有する開口に比べて格段に大きな寸法に設定されている。
この大寸法の開口30は、例えば、外部収納開口やシャッターの収まり開口、引き戸収まり開口等に適用される。このように、大寸法の開口30ゆえに、布基礎100においては断面欠損が大きくなり、布基礎100の耐力低下を解消するための開口補強が必要になる。図示する布基礎100においては、以下で説明するように様々な開口補強手段が設けられている。
正面視が横長の長方形である開口30は、対向する一対の側面31と、一対の側面31の下端同士を繋ぐ底面32とを有する。上端主筋12は、開口30によりその途中で分断されている。
開口30の内側には、上方に開いたコの字状の鋼製枠40が取り付けられている。鋼製枠40は、一対の側面31の内側に配設される一対の側方部材41と、底面32の上面に配設されて一対の側方部材41の下端同士を繋ぐ下方部材42とを有する。
側方部材41は平鋼により形成され、その上方には、複数(図示例は二つ)の第一ボルト孔41bが開設されている。尚、側方部材41は、山形鋼や溝形鋼等の形鋼材、さらには角形鋼管等により形成されてもよい。
側方部材41の外側面41aのうち、第一ボルト孔41bに対応する位置には、第二ボルト孔46aを備える長ナット46が溶接により固定されている。そして、長ナット46の外側からその第二ボルト孔46aに対して、布基礎100の内部に埋設されるアンカーボルト50の先端のネジ溝が螺合している。図示例では、二つの長ナット46に対して計二本のアンカーボルト50が螺合され、布基礎100の立ち上がり部10の内部に埋設されている。
長ナット46とアンカーボルト50は、上端主筋12に対して、所定の重ね継手長さで重ね継ぎされている。この構成により、開口30にて分断された開口30の左右の上端主筋12同士を、アンカーボルト50を介し、コの字状の鋼製枠40を介して連続させることができ、立ち上がり部10の上方における引張力伝達構造が形成される。
また、側方部材41の外側面41aのうち、長ナット46が固定されている箇所よりも下方位置には、複数(図示例では、四本)のせん断補強鋼材47が溶接により固定され、せん断補強鋼材47が側方に突設して、立ち上がり部10に埋設されている。このせん断補強鋼材47は、例えば頭付きスタッドにより形成される。
側方部材41から外側にせん断補強鋼材47が突設して立ち上がり部10に埋設されていることにより、開口30の左右側方に作用する上下方向のせん断力に対抗できる。例えば、上記するように、開口30の左右の上端主筋12の間を、アンカーボルト50と鋼製枠40にて引張力を伝達可能に繋ぐ構造において、鋼製枠40の側方部材41には上下方向のせん断力が作用することになるが、立ち上がり部10の内部に埋設されるせん断補強鋼材47を介して、鋼製枠40や鋼製枠40内に架け渡される鉄骨梁60にこのせん断力を伝達させ、当該せん断力に対抗することができる。
また、鋼製枠40を形成する下方部材42は、布基礎100の長手方向に延設して、相互に間隔を置いて配設されている二本の第一桟43と、二本の第一桟43を繋ぐ複数(図示例は四本)の第二桟44とを有し、複数の第一桟43と第二桟44が相互に井桁状に組み付けられることにより形成されている。図示例では、第一桟43と第二桟44はいずれも平鋼により形成され、相互に溶接にて接合されている。尚、第一桟43と第二桟44は、山形鋼や溝形鋼等の形鋼材、さらには角形鋼管等により形成されてもよい。
井桁状の下方部材42は複数(図示例は三つ)の貫通孔45を備えており、この貫通孔45は、開口30の下方のコンクリート打設用孔として機能する。既述するように、布基礎100の備える開口30は、従来一般の布基礎の有する開口に比べて格段に大きな寸法を有している。そのため、下方部材が貫通孔を備えていない平板等により形成される場合、下方部材の下方のコンクリートを十分に打設することができず、さらには、下方部材の下面に気泡やレイタンス等が残存し、構造弱部となる恐れがある。
これに対して、図示する布基礎100では、下方部材42が複数のコンクリート打設用孔45を備えていることにより、このコンクリート打設用孔45を介してコンクリートを打設し、バイブレータを挿入して脱泡処理や締め固め処理を行うことができ、浮上する気泡やレイタンス(ブリーディング水を含む)を排出(もしくは除去)することができる。
布基礎100においては、さらに、鋼製枠40を形成する一対の側方部材41の上方において、一対の側方部材41の間に鉄骨梁60が架け渡されている。鉄骨梁60はH形鋼により形成され、その両端にはエンドプレート65が溶接により接合されている。そして、エンドプレート65のうち、側方部材41に開設されている第一ボルト孔41bに対応する位置には、第四ボルト孔65aが開設されている。それぞれのエンドプレート65が側方部材41の内側面に当接され、第一ボルト孔41bと第四ボルト孔65aが位置決めされ、これらのボルト孔に対して留め付けボルト70が螺合されることにより、一対の側方部材41の内側に鉄骨梁60が固定される。
ここで、側方部材41の外側面41aのうち、第一ボルト孔41bに対応する位置には第二ボルト孔46aを備える長ナット46が固定されている。従って、第一ボルト孔41bと第四ボルト孔65aは、第二ボルト孔46aにも連通することになる。そのため、留め付けボルト70は、第四ボルト孔65aと第一ボルト孔41bを介し、さらに第二ボルト孔46aに亘り螺合させることができる。このことにより、十分な長さの留め付けボルト70にて、鉄骨梁60を側方部材41と長ナット46に対して固定することが可能になる。また、長ナット46が適用されていることにより、その一端からアンカーボルト50の先端を螺合させ、その他端から留め付けボルト70の先端を螺合させることができるとともに、双方のボルトの先端が干渉する恐れがない。
一対の側方部材41が図示例のように平鋼により形成されている場合であっても、双方の側方部材41の間に鉄骨梁60が架け渡されることにより、開口30やその周辺において高い補強強度を有する布基礎100が形成される。
次に、図2を参照して、布基礎100の施工の際の開口周辺の仮設構造について説明する。
図示するように、開口30用の刳り抜き部を備えた立ち上がり部用の型枠92と、フーチング用の型枠93が相互に組み付けられる。そして、開口30の周囲には、長ナット46やせん断補強鋼材47を備えた鋼製枠40が型枠92に組み付けられる。ここで、型枠92,93には、例えば鋼製型枠(メタルフォーム)が適用できる。
一対の側方部材41には、図1を参照して既に説明した二つの第一ボルト孔41bが開設されており、この第一ボルト孔41bに対応する位置に長ナット46の有する第二ボルト孔46aが連通している。
コンクリートの打設に際し、一対の側方部材41の内側には、二本の仮設鉄骨90を架け渡し、双方の側方部材41に固定する。すなわち、仮設時には、仮設鉄骨90にて開口30を補強し、型枠92の内部に充填されたフレッシュコンクリートからの側圧に対抗させる。
仮設鉄骨90は溝形鋼により形成され、溝形鋼の両端にはエンドプレート91が溶接により接合されている。また、エンドプレート91には第三ボルト孔91aが開設されている。
二本の仮設鉄骨90を開口30の上方へX1方向に移載し、側方部材41の第一ボルト孔41bにエンドプレート91の第三ボルト孔91aを位置決めし、留め付けボルト95を、第三ボルト孔91aと第一ボルト孔41b、さらには長ナット46の第二ボルト孔46aへX2方向に螺合することにより、二本の仮設鉄骨90が一対の側方部材41の間に架け渡される。この際、二本の仮設鉄骨90は、相互に間隔を置いて架け渡されるようになっており、この間隔がコンクリート打設用の隙間となる。
また、長ナット46の第二ボルト孔46aの他端には、アンカーボルト50の先端をX3方向に螺合し、コンクリート打設の準備が完了する。
一般の立ち上がり部は、対向する型枠92の上方開口を介してコンクリートを打設し、バイブレータを挿入して脱泡処理や締め固め処理を図る。一方、開口30の下方のコンクリート打設においては、二本の仮設鉄骨90の間の隙間を介し、鋼製枠40の下方部材42の備えるコンクリート打設用孔45を介してコンクリートの打設を行い、バイブレータを挿入して同様に脱泡処理等を図る。
コンクリートを打設した後、養生期間を経てコンクリートの強度が発現した段階で型枠92,93の脱型を行うとともに、仮設鉄骨90を撤去する。そして、仮設鉄骨90に代わり、図1に示す鉄骨梁60を一対の側方部材41の間に架け渡すことにより、大寸法の開口30を備えた布基礎100が施工される。
[第2実施形態に係る布基礎]
次に、図3を参照して、第2実施形態に係る布基礎の一例について説明する。ここで、図3は、第2実施形態に係る布基礎の一例を示す正面図である。
図示する布基礎200は、大寸法の開口30の周囲において、平鋼により形成されるコの字状の鋼製枠40と、鋼製枠40の内側に配設された鉄骨フレーム80とを備えている。鋼製枠40に加えて高剛性の鉄骨フレーム80を有することにより、布基礎100の備える鉄骨梁60を廃しながらも、高い開口補強強度を有する布基礎が形成できる。
ここで、鉄骨フレーム80は、三本のH形鋼がコの字状に組み付けられ、相互に溶接にて接合される。また、鋼製枠40を形成する側方部材41には、縦方向に複数(図示例では三本)の長ナット46が溶接にて接合され、下方部材42には横方向に複数(図示例では三本)の長ナット46が溶接にて接合されている。
側方部材41の最上段の長ナット46にはアンカーボルト50が螺合され、その下の長ナット46にはせん断補強鋼材47Aが螺合される。また、下方部材42に固定されている長ナット46にもせん断補強鋼材47Aが螺合される。尚、必要に応じて、下方部材42の下方のせん断補強鋼材47Aが省略された構造が適用されてもよい。
鉄骨フレーム80を構成する各H形鋼のうち、鋼製枠40側のフランジには第五ボルト孔80aが開設されている。また、鋼製枠40の下方部材42(の例えば第二桟)には、第六ボルト孔42aが開設されている。
鋼製枠40の内側に鉄骨フレーム80が配設された際に、縦方向に延設するH形鋼の第五ボルト孔80aと第一ボルト孔41bが位置決めされて連通孔を形成し、横方向に延設するH形鋼の第五ボルト孔80aと第六ボルト孔42aが位置決めされて連通孔を形成する。そして、各連通孔に対して留め付けボルト82が螺合されることにより、鋼製枠40に対して鉄骨フレーム80が固定される。
布基礎200によれば、開口30の上方に鉄骨梁60が存在しないことから、より一層開放感があり、利便性に優れた開口を備えた布基礎が形成される。
尚、上記実施形態に挙げた構成等に対し、その他の構成要素が組み合わされるなどした他の実施形態であってもよく、ここで示した構成に本発明が何等限定されるものではない。この点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
10:立ち上がり部
12:上端主筋
14:下端主筋
16:あばら筋
20:フーチング
30:開口
31:側面
32:底面
40:鋼製枠
41:側方部材
41a:外側面
41b:第一ボルト孔
42:下方部材
43:第一桟
44:第二桟
45:貫通孔(コンクリート打設用孔)
46:長ナット
46a:第二ボルト孔
47,47A:せん断補強鋼材
50:アンカーボルト
60:鉄骨梁
65:エンドプレート
65a:第四ボルト孔
70:留め付けボルト
80:鉄骨フレーム
80a:第五ボルト孔
82:留め付けボルト
90:仮設鉄骨
91:エンドプレート
91a:第三ボルト孔
92,93:型枠
95:留め付けボルト
100,200:布基礎(深基礎)
G:地盤

Claims (5)

  1. 布基礎を構成する立ち上がり部の一部において、該立ち上がり部の上端からその途中位置に亘る開口を備えている、布基礎であって、
    前記開口が、対向する一対の側面と、該一対の側面の下端同士を繋ぐ底面とを有し、
    前記一対の側面と前記底面の内側に、一対の側方部材と、該一対の側方部材の下端同士を繋ぐ下方部材とを備えた、コの字状の鋼製枠が取り付けられており、
    前記下方部材には貫通孔が開設されており、該貫通孔は、前記開口の下方のコンクリート打設用孔であり、
    前記側方部材は平鋼もしくは形鋼材により形成され、前記下方部材は複数の平鋼もしくは形鋼材が井桁状に組み付けられて形成されており、
    前記一対の側方部材の上方において、該一対の側方部材の間に鉄骨梁が架け渡されていることを特徴とする、布基礎。
  2. 布基礎を構成する立ち上がり部の一部において、該立ち上がり部の上端からその途中位置に亘る開口を備えている、布基礎であって、
    前記開口が、対向する一対の側面と、該一対の側面の下端同士を繋ぐ底面とを有し、
    前記一対の側面と前記底面の内側に、一対の側方部材と、該一対の側方部材の下端同士を繋ぐ下方部材とを備えた、コの字状の鋼製枠が取り付けられており、
    前記下方部材には貫通孔が開設されており、該貫通孔は、前記開口の下方のコンクリート打設用孔であり、
    前記側方部材は少なくとも形鋼材により形成され、前記下方部材は少なくとも複数の形鋼材が井桁状に組み付けられて形成されており、
    前記一対の側方部材の上方において、該一対の側方部材の間に鉄骨梁が架け渡されていないことを特徴とする、布基礎。
  3. 布基礎を構成する立ち上がり部の一部において、該立ち上がり部の上端からその途中位置に亘る開口を備えている、布基礎であって、
    前記開口が、対向する一対の側面と、該一対の側面の下端同士を繋ぐ底面とを有し、
    前記一対の側面と前記底面の内側に、一対の側方部材と、該一対の側方部材の下端同士を繋ぐ下方部材とを備えた、コの字状の鋼製枠が取り付けられており、
    前記下方部材には貫通孔が開設されており、該貫通孔は、前記開口の下方のコンクリート打設用孔であり、
    前記側方部材には、第一ボルト孔が開設されており、
    前記側方部材の外側面のうち、前記第一ボルト孔に対応する位置には、第二ボルト孔を備える長ナットが固定されており、
    前記布基礎の施工の際に前記一対の側方部材の内側に架け渡される仮設鉄骨であって、該仮設鉄骨はその両端部に第三ボルト孔が開設されている平鋼を備えており、
    前記第三ボルト孔が前記第一ボルト孔に位置決めされ、該第三ボルト孔と該第一ボルト孔にボルトが螺合されることにより、前記鋼製枠に対して前記仮設鉄骨が取り外し自在に接合されるようになっており、
    前記長ナットの外側から前記第二ボルト孔に対して、前記布基礎の内部に埋設されるアンカーボルトの先端のネジ溝が螺合しており、該アンカーボルトが前記布基礎の上端主筋に重ね継ぎされていることを特徴とする、布基礎。
  4. 前記側方部材から外側にせん断補強鋼材が突設して、前記布基礎に埋設されていることを特徴とする、請求項1乃至のいずれか一項に記載の布基礎。
  5. 前記開口の前記一対の側面の間の長さが900mm以上であり、該開口が収納開口であることを特徴とする、請求項1乃至のいずれか一項に記載の布基礎。
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