JP7386072B2 - 光偏向装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光フェーズドアレイ技術を用いた光偏向装置に関する。
空間光通信や距離センサ、レーダー、立体ディスプレイ等への応用を目的に、ビームの方向を制御するデバイス(光偏向装置)の研究開発が進められている。特に、光フェーズドアレイを用いたものは、機械的な操作なしでビームを掃引することができることから、小型、軽量なデバイスに応用できるものと期待されている(非特許文献1~3)。このような光偏向装置は、複数本の光導波路を基板上に並設した平面光導波路回路(PLC:Planar Lightwave Circuit)を利用し、これに光導波路毎の光の位相調整手段を備えることで実現することができる。光の位相調整手段は、例えば、光導波路を両面または両側から挟んで電界を印加する一対の電極(特許文献1)、電荷を注入する金属電極の配置、または熱を加える抵抗ヒータである。光導波路のそれぞれは、外部からの電界の印加、注入電荷による内部電界、または加熱によって屈折率が変化し、伝播する光の位相を変化させる。このような構造により、光偏向装置は、図4に示すように、複数の光導波路11のそれぞれを伝播して光Lo0,Lo1,Lo2,…が末端から出射すると、これらの光が合成されて、光導波路11の延設方向(光導波路方向)を軸に、光Lo0,Lo1,Lo2,…の位相差δに応じた角度θに偏向したビームLosynを出力する。また、近接して並設された光導波路は、光をそれぞれの内部で当該光導波路に沿って伝播させるだけでなく、相互に交換する性質を有し(非特許文献2,4)、断面形状が同一で、かつ隣接する光導波路間で交換が起きる場合には、位相がπ/2だけ変化することが知られている。
光偏向装置は、下式(1)に表すように、光導波路の光の出力側の端におけるピッチdが狭いほど、出力するビームの偏向角θを位相差δに対して大きくすることができる。一方、下式(2)に近似的に表すように、光導波路の本数Nが多いほど、また、光導波路のピッチdが広いほど、ビームの幅(拡がり角)ψが狭くなる。したがって、光偏向装置は、光導波路のピッチdが狭く、かつ本数Nが多いほど、性能指標である解像点数(2θMAX/ψ)が大きくなる。なお、式中のλは、光導波路に入力する光の波長である。
Figure 0007386072000001
光偏向装置は、光導波路を多数備えると、光導波路毎に設けられる位相調整手段によって電力消費量が増大する上、位相調整手段を構成する電極に接続する信号線を配置するために大型化したり、構造が複雑になったりする。この問題を解決するために、例えば特許文献2によれば、隣り合う所定本数の光導波路を1つのグループとして電極を共有し、かつグループ内で、光導波路毎に異なる長さで対向するような電極形状として、共通の電極で異なる位相に設定することができる。
特許第3512429号公報 特開2018-10118号公報
高橋 徹、"電子情報通信学会知識ベース知識の森 4群-2編-7章 アレーアンテナ"、[online]、2010年4月、一般社団法人電子情報通信学会、[2019年4月11日検索]、インターネット〈URL:http://www.ieice-hbkb.org/files/04/04gun_02hen_07.pdf〉 山内 潤治、足達 慎、中野 久松、"ビーム伝搬法による光導波路アレイのビーム偏向解析"、信学技報 A・P95-1、一般社団法人電子情報通信学会、1995年4月 平野 芳邦、本山 靖、田中 克、町田 賢司、菊池 宏、"電気工学ポリマーを用いた光フェーズドアレーの動作解析"、NHK技研R&D,No.166,p.46-51,2017年11月 ヤリーヴ著、多田邦雄、神谷武志監訳、"エレクトロニクス 展開編"、原書5版、丸善株式会社、2000年、p. 650-656
特許文献2に記載された構造では、信号線の数を減らして小型化することはできるが、電力消費量の低減が不十分であり、改良の余地がある。
本発明は前記問題点に鑑み創案されたものであり、電力消費量の増大を抑制しつつ解像点数を大きくすることのできる光偏向装置を提供することを課題とする。
本発明者らは、光導波路を伝播する光が外へ漏れて近接する他の光導波路に進入することにより、光を入力されていない光導波路でも光が伝播することに着目し、一部の光導波路に光を入力しない構成とすることに想到した。
すなわち本発明に係る光偏向装置は、複数本の光導波路が透光性部材を介在して並設されて、前記光導波路の一端から出射した光をビームとして出力するものであって、前記複数本の光導波路は、前記一端まで互いに平行に並設された出力準備部を有し、前記光導波路は、隣り合う2本以上で主光導波路束を1以上構成し、かつ、前記主光導波路束に含まれない1本または隣り合う2本以上で副光導波路束を構成し、前記主光導波路束の光導波路毎に、当該光導波路を伝播する光の位相を調整する位相調整手段を備え、前記主光導波路束の光導波路の他端から光を入力される構成とする。
かかる構成により、光偏向装置は、一部の光導波路に光を入力することにより、これらの光導波路に限定して位相調整手段を備えて、それ以外の光導波路には電圧印加等を不要とする。
本発明に係る光偏向装置によれば、光導波路の本数に対して電力消費量が少なくて済み、電力消費量の増大を抑制しつつ、光導波路の本数を増やして解像点数を大きくすることができる。
本発明の第1実施形態に係る光偏向装置の外観図である。 図1に示す光偏向装置の出力側の部分の拡大平面図である。 図1に示す光偏向装置の構造を説明する模式図であり、光導波路の位相調整部における幅方向の部分断面図である。 図1に示す光偏向装置の構造を説明する模式図であり、光導波路の位相調整部における光導波路方向の部分断面図である。 光偏向装置における光導波路からの出力光の合成を説明する模式図であり、光偏向装置の部分拡大図である。 本発明の第1実施形態に係る光偏向装置の隣り合う光導波路における光の伝播と移行を説明する模式図であり、位相差0の場合である。 本発明の第1実施形態に係る光偏向装置の隣り合う光導波路における光の伝播と移行を説明する模式図であり、位相差のある場合である。 本発明の第2実施形態に係る光偏向装置の隣り合う光導波路における光の伝播と移行を説明する模式図である。 シミュレーションにおける、本発明に係る実施例の光偏向装置のレイアウトデザインの画像であり、位相調整部から出力準備部の一部までを示す。 シミュレーションにおける、拡散光導波路を備えない比較例の光偏向装置のレイアウトデザインの画像であり、位相調整部から出力準備部の一部までを示す。 シミュレーションによる、本発明に係る実施例の光偏向装置における光強度分布である。 シミュレーションによる、拡散光導波路を備えない比較例の光偏向装置における光強度分布である。 シミュレーションによる、本発明に係る実施例の光偏向装置から出力されるビームのパターン像における光強度分布である。 シミュレーションによる、拡散光導波路を備えない比較例の光偏向装置から出力されるビームのパターン像における光強度分布である。
本発明に係る光偏向装置を実現するための形態について、図面を参照して説明する。
本発明に係る光偏向装置は、可視光放射や赤外線通信等を行うものである。図面に示す光偏向装置およびその要素は、明確に説明するために、大きさや位置関係等を誇張していることや、形状や構造を単純化していることがあり、また、複数個設けられた要素については個数を少なくしていることがある。
〔光偏向装置〕
本発明の実施形態に係る光偏向装置10は、図1および図2に示すように、8本の光導波路11およびその両外側に4本ずつ設けられた拡散光導波路(光導波路)12の合計16本の光導波路と、光導波路11および拡散光導波路12のそれぞれの間を埋めるクラッド層(透光性部材)3と、光導波路11毎に当該光導波路11を伝播する光の位相を調整する一対の電極4,5(位相調整手段)と、を備える構造であり、さらにこれらの部品を支持する基板6を備える。詳しくは、図3Aおよび図3Bに示すように、光偏向装置10は、第1電極4と第2電極5(適宜まとめて、電極4,5)が設けられている領域において、下から、基板6、第1電極4、クラッド層3、光導波路11、クラッド層3、第2電極5、の順に配置されている。光偏向装置10はさらに、光偏向装置10の側面に先端が露出して設けられた光入力部1i、および光入力部1iから8本の光導波路11の先端に分岐して接続する分配器1dを備える。そして、光偏向装置10は、光入力部1iに入力光Litotを入力されることによって光導波路11の先端から光を入射されて、光導波路11および拡散光導波路12(適宜まとめて、光導波路11,12)のそれぞれの末端から出射した光が結合されて1本のビーム(出力光)Losynを出力する。光偏向装置10は、平面(xz面を指す)視でz方向に長い長方形の平板形状であり、x方向に対称(z軸対称、左右対称)な構造で、光導波路11,12の末端を+z方向の端に有する。なお、図1では、クラッド層3は透明であるとして破線で輪郭線のみを表し、図2では、クラッド層3は省略する。
光偏向装置10は、光導波路11,12の光の出力側の端(末端)における並び方向であるx方向にビームLosynの方向を制御する、一次元の光偏向装置である。そして、光偏向装置10は、公知の光フェーズドアレイ(例えば、非特許文献3の1図)に対して、一部の光導波路を、光の入力側を切り離して短くし、この短くした光導波路の分の位相調整手段を減らした構造であるといえる。以下、本実施形態に係る光偏向装置を構成する各要素を詳細に説明する。
(光入力部、分配器)
光入力部1iは、光導波路11を伝播する光を外部から入力するための入力ポートであり、光偏向装置10の側面(端面)の1箇所、ここでは、光導波路11,12の末端面が露出した側面と対向する側面の中心に、露出して形成される。光偏向装置10は、この光入力部1iの端面に、赤外線等の所定の波長の光源(図示省略)を対向させて使用される。光源としては、レーザー光源が好ましく、あるいは発光ダイオード(LED)等の一般光源を適用することもできる。光偏向装置10は、さらに必要に応じて、光源と光入力部1iの間に、ボールレンズやシリンドリカルレンズ等の光学素子(図示省略)が設けられる。光偏向装置10はさらに、その他の光学素子として、光入力部1iにおける入力光Litotの偏光を特定方向に揃えるために、光の偏光方向を保持する偏波保持ファイバを光源に接続し、あるいは、光入力部1iに入射する光の偏光方向を選別するフィルタを設置することが好ましい。入力光Litotの偏光方向については、後記の光導波路11の説明において説明する。分配器1dは、1本の光入力部1iから入力された光をすべての(8本の)光導波路11に等分配する光学素子であり、公知の構造を適用することができる。具体的には、図1に示すような、光を2分岐ずつ分配する3dBカプラ(結合器)や、多モード干渉(MMI:Multi Mode Interference)型カプラと呼ばれる1入力多出力の光ビームスプリッタが挙げられる。本実施形態において、光入力部1iおよび分配器1dは、光導波路11,12と同一の光学材料で形成され、さらに光導波路11と連続して一体に形成される。一体に形成された光導波路11、分配器1d、および光入力部1i、ならびに拡散光導波路12を、適宜まとめてコア層1と称する。コア層1の材料については、後記の光導波路11の説明において記載する。
(光導波路、拡散光導波路)
光導波路11および拡散光導波路12は、末端から長さlzまでの部分が出力準備部1oとして、z方向に沿った直線状に形成されてピッチdでx方向に並設され、光の出射口となる末端面が光偏向装置10の1側面で揃えられている。本実施形態に係る光偏向装置10においては、合計N本(図1、図2では、N=16)の光導波路11,12のうちの中央に配置されたNr本(図1、図2では、Nr=8)が光導波路11であり、この隣り合うNr本の光導波路11からなる群を主光導波路束110と称する。そして、光導波路11,12のうちの主光導波路束に含まれない両最外側からの各Nd本(図1、図2では、Nd=4)が拡散光導波路12であり、隣り合うNd本の光導波路12からなる群を副光導波路束120と称する。
光導波路11は、先端が光の入射口として分配器1dに接続されて、光入力部1iおよび分配器1dを経由して入力された光を伝播させて末端へ導く。1組の主光導波路束110を構成する光導波路11の本数Nrは2以上とし、Nrが大きいほどビームLosynの偏向角θの誤差が生じ難い。ただし、光偏向装置10は、光導波路11の本数に比例して電力消費量が増大する。一方、拡散光導波路12は、先端面で途切れて形成されて1本ずつ分離し、先端から光が入射しないように構成されるが、後記するように、末端からは光導波路11と同様に光が出射する。1組の副光導波路束120を構成する拡散光導波路12の本数Ndは1以上とし、Ndが大きいほど電力消費量を増大させずにビームLosynの拡がり角ψを狭くすることができる。ただし、Ndが過大であると、主光導波路束110から大きく離れた外側に配置された拡散光導波路12において十分な強度の光を出射させることが困難となり、効果が向上し難くなる。Ndの適正な値は、後記するように、出力準備部1oの長さlz等に応じて設計され、lzが長いほどNdを大きくすることができる。また、2組の副光導波路束120,120は、拡散光導波路12の本数が同数であること、すなわち、光偏向装置10は、少なくとも出力準備部1oにおいてx方向に対称な構造であることが好ましい。
光導波路11および拡散光導波路12は、出力準備部1oの先端に連続して、先端側に向けて間隔が漸増する間隔変換部1sを有する。さらに光導波路11は、間隔変換部1sの先端に連続して、ピッチdよりも広いピッチで並設された位相調整部1tを含む部分を有し、そのさらに先端で分配器1dに接続する。したがって、光導波路11,12は、ピッチdで平行に並設された出力準備部1oから、間隔変換部1sが扇状に広がって形成され、さらに光導波路11のみが先端側へ延長されて位相調整部1tが形成されて、分配器1dに接続する。
光導波路11は、屈折率が変化することによって、伝播する光の位相を調整する。そのために、光導波路11は、入力光Litotの波長λの光を透過させ、波長λでの屈折率が電気的なまたは熱的な手段により変化させられる電気光学(EO)材料や熱光学(TO)材料からなる。また、前記したように、拡散光導波路12は光導波路11と同じ材料で形成される。以下、本明細書においては、別途記載のない限り、光とは波長λの光を指し、屈折率とは波長λの光の屈折率を指す。このような材料は公知の光偏向装置のコア層の材料が適用され、無機材料としては、LiNbO3(LN)、LiTaO3(LT)、(Pb,La)(Zr,Ti)O3(PLZT)、NH42PO4(ADP)、KH2PO4(KDP)、Bi12SiO20(BSO)、Bi12GeO20(BGO)、TiO2,SrTiO3,GaAs,InP,Siのような誘電体材料、半導体材料等から選択される一種または二種以上の混合物(例えばTi拡散LN結晶)が挙げられる。有機材料としては、ポリメチルメタクリレート(PMMA)や非晶質ポリカーボネート(APC)等の光を透過するポリマーに電気光学(EO)効果を有する低分子化合物(EO色素分子)を分散させたEOポリマーが挙げられる。EO色素分子は、アゾ色素やメロシアニン系色素、例えば、4-[N-(2-ヒドロキシエチル)-N-エチルアミノ]-4'-ニトロアゾベンゼン(DR-1:Disperse Red 1)、2-メチル-6-(4-N,N-ジメチルアミノベジリデン)-4H-ピラン-4-イリデンプロパンジニトリル、4-{[4-(ジメチルアミノ)フェニル]イミノ}-2、5-シクロヘキサジエン-1-オン、およびトリシアノフラン(TCF)をアクセプタとするFTC(Furan-Thiophene Chromophore)等が挙げられる。
EO材料からなる光導波路11は、第1電極4と第2電極5から厚さ方向(y方向)に印加される電界Eに応じて屈折率n(E)が変化して、この領域を伝播する光の位相を変化させる。光導波路11の電極4,5に挟まれた領域を、位相調整部1tと称する。位相調整部1tは、光導波路11の光の入力側(先端側)近傍に設けられ、光偏向装置10においてはz方向に沿った直線状に形成されている。光導波路11の屈折率を、電界を印加されていないときにおいてn0とすると、電界Eを印加されたときの変化量Δn(=n(E)-n0)は下式(3)で表される。r33は、光導波路11(コア層1)を構成するEO材料の電気光学(EO)効果の高さを示す物性値EO係数である。そして、光が光導波路11の長さltの位相調整部1tを伝播する際の位相の変化量φは、下式(4)で表される。必要な位相の変化量、例えば最大でπ(半波長分)が得られるように、光導波路11の屈折率n0およびEO係数r33ならびに入力光Litotの波長λに応じて、電界Eや位相調整部1tの長さltを設計する。また、分配器1dからの光路長差等によって光導波路11同士で位相のずれを生じた場合にも、位相調整部1tで補正することができる。光導波路11の位相調整部1tにおける間隙は、電極4,5の構成、主に第1電極4の形状に合わせて設計されると共に、隣り合う光導波路11,11間で電気的なクロストークが生じ難く、かつ、隣の光導波路11との結合等の光学的なクロストークが生じ難く、光が独立して伝播するように十分な広さであることが好ましい。
Figure 0007386072000002
ここで、多くのEO材料、具体的にはEOポリマー全般やLN,LT,PLZT等においては、式(3)に示す屈折率の変化は電界Eに沿った方向にのみ生じる。本実施形態では、図3Aおよび図3Bに示すように、位相調整部1tにおいて第2電極5と第1電極4が光導波路11の上下に配置されているので、電圧印加による光導波路11の屈折率変化は上下方向すなわちy方向に生じる。そこで、光導波路11に入射する光がy方向に主たる電界ベクトルを有するように、前記したように、光偏向装置10は、光源と光入力部1iの間に偏波保持ファイバや偏光フィルタのような光学素子を設置して、入力光Litotの偏光が特定方向に揃えられることが好ましい。また、第1電極4と第2電極5が光導波路11を挟んでx方向に配置されている場合には、電圧印加による屈折率変化はx方向に生じるため、入力光Litotがx方向に主たる電界ベクトルを有するように、前記光学素子を設置することが好ましい。
なお、拡散光導波路12は、屈折率が変化する光学材料である必要はないが、光導波路11と同一の光学特性(電界無印加時の屈折率等)とし、また、光偏向装置10の製造が簡易になるので、光導波路11と同じEO材料で形成されることが好ましい。また、拡散光導波路12は、先端面から光が入射し難いように設計され、あるいは、先端面に光を吸収する遮光膜等を設けてもよい。
光導波路11,12は、基板6上(xz面)に一定の太さ(幅および厚さ)の線状に形成される。光導波路11,12は、本実施形態においては、図3Aに光導波路11で示すように、断面が略正方形であるが、幅または厚さの方が大きい長方形や台形等でもよく、特に規定されない。光導波路11,12は、光を伝播させるために、径(幅、厚さ)を(λ/2nMIN)以上とすることが好ましい。なお、nMINは、光導波路11の最小屈折率であり、位相調整部1tにおいて電界を印加されて位相の変化量φが最大となるときの屈折率である。また、光導波路11,12は、少なくとも出力準備部1oおよび間隔変換部1sにおいて、断面の寸法(幅、厚さ)の誤差が5%以内であることが好ましい。
出力準備部1oは、光導波路11,12のそれぞれにおいて、末端面から光を出射する放射チャネルである。さらに出力準備部1oは、光導波路11を伝播する光を、後記するように結合により拡散光導波路12に移行させるための領域であり、z方向に沿った直線状に形成される。光導波路11,12の出力準備部1oにおけるピッチdは、隣り合う光導波路11や拡散光導波路12を伝播する光の結合が生じるように、光導波路11,11間等の間隙が十分に狭くなるように設定されることが好ましい。さらに、下式(1)に示すように、入力光Litotの波長λに対するピッチdの比が小さいほど、ビームLosynの偏向角θの範囲を広く設定することができる。一方で、下式(2)に示すように、ピッチdが大きいほど、ビームLosynの幅(拡がり角)ψを狭くすることができる。また、出力準備部1oの長さ(z方向長)lzは、後記するように、光導波路11を伝播する光が、光導波路11(主光導波路束110)から最も離れた拡散光導波路12まで移行し、かつこの拡散光導波路12において位相が揃って伝播するように十分に長いことが好ましい。具体的には、出力準備部1oの長さlzは、光導波路11,12の完全移行距離lcの1/10以上が好ましい。完全移行距離lcとは、1本ずつピッチdで並設した光導波路11と拡散光導波路12において、光を光導波路11に入力して、光導波路11,12を伝播する光が同位相、同振幅になるまでの距離であり、シミュレーション等で求めることができる。ただし、出力準備部1oが過剰に長いと、光が吸収等によって減衰し、入力光Litotに対してビームLosynの輝度が低くなり、また、光偏向装置10が大型化する。
Figure 0007386072000003
間隔変換部1sは、光導波路11の位相調整部1tにおける広いピッチを出力準備部1oのピッチdに整合させるピッチコンバータであり、光導波路11,12共に、光の伝播方向に向けて間隙が漸減するように形成されている。また、間隔変換部1sにおいて、隣り合う光導波路11または拡散光導波路12の間隙が光結合可能に狭くなった出力準備部1o側の部分は、出力準備部1oと同様に、光導波路11を伝播する光を拡散光導波路12に移行させる領域となる。なお、拡散光導波路12の間隔変換部1sは、光導波路11の間隔変換部1sと同じ長さでなくてよい。ただし、拡散光導波路12の間隔変換部1sは、少なくとも先端において、隣の拡散光導波路12または光導波路11との結合等の光学的なクロストークが生じ難く、光が独立して伝播するような十分に広い間隙に形成されるように設けることが好ましい。光導波路11,12は、出力準備部1o等で主に直線状に形成され、出力準備部1oと間隔変換部1sの間等に必要に応じて屈曲部や曲線部を有するが、伝播する光の損失(屈曲損)を抑制するように、屈曲角度(屈曲なしを0°とする)や曲率が十分に小さいことが好ましい。
光導波路11は、出力準備部1oおよび間隔変換部1s以外の、すなわち位相調整部1t等のxz面内における向き(光導波路方向)は特に規定されない。また、光入力部1iは外部から入力光Litotを入力することができるように、分配器1dは光入力部1iと光導波路11の位相調整部1tの先端側とに接続するように、それぞれ配置されていればよい。
(クラッド層)
クラッド層3は、光導波路11,12等のコア層1を被覆して設けられ、適宜、コア層1の下側を下部(アンダー)クラッド、コア層1と同じ高さ位置およびコア層1の上側を上部(オーバー)クラッドと称する。クラッド層3は、入力光Litotの波長λの光においてコア層1よりも屈折率の低い誘電体や絶縁体からなり、さらにコア層1との屈折率の差が大きいことがコア層1の光閉込め効果を高くするので好ましい。したがって、クラッド層3は、コア層1を構成するEO材料の屈折率、さらにその形成方法等に応じて選択される。具体的には、SiO2、Al23、Si窒化物(Si34等)、MgF2のような半導体素子の絶縁体に適用される無機化合物、ガラス、樹脂、ならびに前記の光導波路11(コア層1)に挙げた材料から選択される。例えば、コア層1がEOポリマーからなり、クラッド層3を樹脂で形成する場合には、先に形成したコア層1または当該クラッド層3が溶解しないように、光硬化型樹脂のような無溶剤の樹脂、水溶性の樹脂、または架橋性ポリマーのような硬化後に有機溶剤に不溶となる樹脂を選択する。また、クラッド層3は、光偏向装置10の全体で同一材料でなくてもよく、下部クラッドと上部クラッド、さらに上部クラッドにおけるコア層1の高さ位置と上側とで異なる材料を適用することができ、また、空隙(空気、不活性ガス、真空等)を含んでいてもよい。
(電極)
第1電極4および第2電極5は、光導波路11毎にその屈折率を変化させる位相調整手段である。本実施形態において、第1電極4および第2電極5は対となって、光導波路11毎にその位相調整部1tでy方向(上向きまたは下向き)に所望の強さの電界を印加するために設けられる。光偏向装置10においては、光導波路11の下側に第1電極4が、上側に第2電極5が、それぞれクラッド層3を挟んで設けられる。第1電極4は、光導波路11毎に分離しかつ光導波路11の幅以上の幅の帯状に形成され、位相調整部1tにおける光導波路方向に沿って設けられる。一方、第2電極5は、すべての光導波路11の位相調整部1tを内包する1つの膜状に形成される。したがって、第2電極5はすべての光導波路11の共通の電位(例えば0V)であり、これに対して第1電極4は、それぞれ個別の可変電源の電位に接続される。また、平面視で、光導波路11の、第1電極4と第2電極5が共に重複する領域が位相調整部1tであり、その長さ(ここではz方向長)がltになるように第1電極4および第2電極5が設計される。光偏向装置10においては、図3Bに示すように、第2電極5の光導波路方向(z方向)長がltであり、第1電極4は、第2電極5に対して光導波路方向に長く形成されている。第1電極4はさらに、外部電源(可変電源)との接続のために、図1に示すように、平面視で、位相調整部1tの外側で直角に屈曲させて基板6のx方向の端まで延設したL字型に形成されている。第1電極4および第2電極5は、後記するそれぞれの材料の抵抗や印加する電界の強さ等に応じた寸法および間隔に形成される。
第1電極4および第2電極5は、Cu,Al,Au,Ag,Ta,Cr,Pt,Ru等の金属やその合金のような一般的な金属電極材料、また、インジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide:IZO)、インジウム-スズ酸化物(Indium Tin Oxide:ITO)、酸化スズ(SnO2)、酸化アンチモン-酸化スズ系(ATO)、酸化亜鉛(ZnO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化インジウム(In23)等の導電性酸化物、あるいはSi等の半導体で形成することができ、これらの材料の2種類以上を積層してもよい。これらの材料は、スパッタリング法、真空蒸着法、塗布法等の、当該材料に応じた公知の方法によって成膜される。さらに、第1電極4は、フォトリソグラフィ、およびエッチングやリフトオフ法等によって、所定の形状に加工される。一方、後記の光偏向装置の製造方法にて説明するように、コア層1やクラッド層3を形成した後に形成される第2電極5は、成膜や加工の条件(温度等)が、コア層1等の特性を損なわないような材料を選択する。
(基板)
基板6は、光導波路11,12等のコア層1、クラッド層3、および電極4,5等を形成するための、また、光偏向装置10全体を支持するための土台である。そのために、基板6は、公知の基板材料、具体的には、表面に熱酸化膜を形成されたSi(シリコン)基板、SiO2、Si窒化物(Si34等)、ガラス、コア層1やクラッド層3に挙げた結晶材料、メチルアクリレート等の樹脂から、前記コア層1等の成膜、加工条件に適応したものが選択される。基板6の形状、すなわち光偏向装置10の平面視形状は、z方向に長い長方形に規定されず、光導波路11,12の本数やコア層1の平面視形状および配置に対応して、これら全体を支持する形状に設計される。
(光偏向装置の製造方法)
本実施形態に係る光偏向装置10は、コア層1およびクラッド層3の材料に応じて、公知の方法で製造することができる。一例として、コア層1にEOポリマーを適用し、また、ナノインプリント法で成形する場合を説明する。まず、基板6上に、第1電極4が設けられる領域を空けたパターンのレジストマスクをフォトリソグラフィで形成し、その上からスパッタリング法等で金属電極材料を成膜して第1電極4を形成し、レジストマスクを除去する(リフトオフ)。この第1電極4を形成した基板6の上に、クラッド層3を構成する光硬化性樹脂をスピンコート法等で塗布する。光硬化性樹脂の塗膜に、拡散光導波路12も含めたコア層1の形状に突出した石英製のモールドを押圧し、紫外線等の所定の波長の光をモールド越しに照射して硬化させた後、モールドを離型する。これにより、コア層1の形状の溝(トレンチ)が形成されたクラッド層3(下部クラッドおよび上部クラッドの一部)となる。次に、EOポリマーを塗布して、このクラッド層3の溝に充填して硬化させ、コア層1を形成する。さらにその上に、光硬化性樹脂を所定の厚さに塗布して硬化させて、クラッド層3(上部クラッドの残部)を形成する。クラッド層3の上に、第2電極5が設けられる領域を空けたステンレス板やポリイミドフィルム等からなるマスクを被覆し、その上から導電性材料を含有する塗料を塗布して硬化させて第2電極5を形成した後、マスクを外す。第2電極5を構成する導電性材料は、クラッド層3およびコア層1の耐熱温度以下の処理で形成することのできるものであり、例えば、Agや導電性酸化物の微粒子を有機溶剤に分散させた塗料で形成される。
このように、有機溶剤を塗料に使用せずかつ有機溶剤に不溶な樹脂をクラッド層3に適用することにより、コア層1を形成する際に溶解せず、かつ形成したコア層1を溶解させない。また、クラッド層3の下部クラッド等をナノインプリント法で成形することにより、モールドを作製しておけば、コア層1を少ない工程で容易に形成することができる。モールドは、電子線リソグラフィ等で加工して作製することができる。
架橋性ポリマーをホストとするEOポリマーを適用する場合には、さらに以下のポーリング(電場配向)処理を行ってEOポリマーのEO効果を発現させる。そのために、クラッド層3には、耐有機溶媒性の他に、ポーリング処理の加熱温度に対する耐熱性を有する、架橋性ポリマーや光硬化性樹脂を適用する。ポーリング処理は、コア層1を構成するEOポリマーのホストポリマーのガラス転移温度近傍に加熱して、この温度でコア層1に電界を印加することにより、EOポリマーの側鎖のEO色素分子の極性を揃え、印加した状態で室温に冷却する。ポーリング処理は、少なくとも光導波路11の位相調整部1tに施されればよいので、電界の印加には電極4,5を使用することができ、また、例えば2枚の板状の電極(図示せず)を使用して光偏向装置10の両面全体を挟んでもよい。
光偏向装置10は、クラッド層3を、硬化後に有機溶剤に不溶となる樹脂や、SiO2等の無機材料で形成する場合には、コア層1の形状の溝(トレンチ)をフォトリソグラフィとエッチングにより形成することができる。この場合、下部クラッドにSiO2よりもさらに低屈折率のMgF2を適用してもよく、その上に成膜される、コア層1の高さ位置部分を構成するSiO2膜のエッチングストッパ膜とすることができる。そのために、平坦に形成した第1電極4とSiO2膜の上に、MgF2、SiO2を順次成膜して積層する。エッチングストッパ膜を設けることで、コア層1の厚さ(クラッド層3の溝の深さ)を制御し易い。また、コア層1に半導体材料等の無機材料や、前記の架橋性ポリマーをホストとするEOポリマーを適用して、平坦な下部クラッド上にコア層1を構成する材料を成膜して、これを加工してコア層1に成形してもよい。
第1電極4を、コア層1やクラッド層3が溶解、変形、変質等しないように形成することができる場合、コア層1およびクラッド層3を形成した後に形成してもよい。すなわち、第2電極5を基板6の表面に形成し、その結果、第1電極4と第2電極5の上下の配置が入れ替わる。また、第2電極5は、xz面全体に形成されてもよく、この場合には、第1電極4は、光導波路方向長をltとして、その上(クラッド層3に接触する面の反対側)に絶縁膜を介して外部電源との接続端子を形成する(図示せず)。さらに、基板6に金属板等の導電性材料を適用して、第2電極5は基板6と一体とすることもできる。
あるいは、光偏向装置10は、SOI(Silicon on Insulator)MOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)製造用のSi基板(SOI基板)を利用して製造することができる。SOI基板は、MOSFETとなる表層のSiの下に、埋込み酸化膜(SiO2膜)であるBOX(Buried Oxide)層が形成されていて、それぞれコア層1と下部クラッドとすることができる。また、BOX層の下のSiは、基板6であると共に、xz面全体に形成された第2電極5とすることができる。したがって、成形したコア層1の上に無機絶縁材料を成膜して上部クラッドとして、その上に光導波路方向長がltの第1電極4を形成する。あるいは、SOI基板の表層のSiを、コア層1に加えて、位相調整部1tにおいてコア層1の両側を挟む第1電極4と第2電極5に成形してもよい。
(光偏向装置の動作)
光偏向装置によるビームの出力について、図4を参照して説明する。図4では、簡潔に説明するために、光導波路11の末端(出射口)近傍を拡大して示す。
r本の光導波路11のそれぞれにおいては、光Lo0,Lo1,Lo2,Lo3,…,LoNr-1(図中、波形で表す)が、当該光導波路11の光導波路方向に伝播して末端から出射する。これらの光Lo0,Lo1,Lo2,…(以下、区別しない場合は、光Loと表す)は、位相調整部1tで、一定ずつの位相差δ(=φk+1-φk)を設けて位相をずらされている。位相は2π周期であるから、例えば、δ=2π/5の場合には、φ=π/5,3π/5,π,7π/5,9π/5,π/5,…を順に繰り返す。光Loは、それぞれ球面波となって出射し、出射口(光導波路11の末端面)における伝播方向すなわち光導波路方向(z方向)を軸に、偏向角θの方向へ出力する1本のビームLosynに合成される。電極4,5から電圧を印加して、位相調整部1tを伝播する光の位相の変化量φを調整して(式(3)、式(4)参照)所望の位相差δを設けることにより、下式(1)に示すように偏向角θを制御することができる。
Figure 0007386072000004
ここで、光導波路11を+z方向に伝播する光は、一部が低屈折率のクラッド層3に漏れて、近接した両隣りの光導波路11や拡散光導波路12に進入するため、x方向に光電界分布を形成する。Nr本の光導波路11にそれぞれ光Li0,Li1,Li2,…,LiNr-1が入力されたときに光導波路11からの出射光がx方向に形成する電界振幅分布E{Nr,Nr}(θ)は、1本の光導波路11が形成する光電界分布がg(θ)であり、Nr本すべての光導波路11のg(θ)が共通であるとすると、下式(5)で与えられることが知られている(例えば、非特許文献1)。なお、式中、am(lz)は、(m+1)番目の光導波路11の出力準備部1oにおける入射端から出射端までの、伝播距離lzにおける光振幅であり、mδは1番目の光導波路11の入力光Li0に対する(m+1)番目の光導波路11の入力光Limの位相である。また、u(θ)は下式(6)で与えられる。
Figure 0007386072000005
一方、1番目の光導波路11に振幅1の光が入力されたとき、(m+1)番目の光導波路11の伝播距離lにおける振幅am0(l)は、下式(7)で与えられることが知られている(例えば、非特許文献1)。ここで、Jmはm次の第1種ベッセル関数であり、κは光導波路11の結合係数である。式(7)より、(n+1)番目の光導波路11に振幅1の光が入力されたときの(m+1)番目の光導波路11の伝播距離lにおける振幅amn(l)は、下式(8)のように計算することができる。
Figure 0007386072000006
式(8)は、光を入力されていない拡散光導波路12にも、光導波路11との結合によって光振幅が発生することを示す。すなわち、合計N本の光導波路11,12のうちの例えば1本にのみ光が入力されても、結合による光振幅が十分に大きければ、光導波路11,12の合計本数Nに対応したパターンのビームが出力される。
図5を参照して、光導波路11のそれぞれに同位相(δ=0)の光Li0,Li1,Li2,…,LiNr-1(以下、区別しない場合は、光Liと表す)を入力した場合で説明する。図5および後記の図6においては、光偏向装置10を光導波路11,12のみで表す。光Liが、光導波路11に位相調整部1tから入力されると、間隔変換部1s、または出力準備部1oにおいて隣り合う光導波路11または拡散光導波路12の間隙が光結合可能に狭くなった地点から、主光導波路束110(図2参照)に近い側から順に拡散光導波路12で光が伝播し始める。さらに、出力側(+z方向)に進行するにしたがい、拡散光導波路12を伝播する光は、振幅が大きくなると共に位相が光Liに近付き、一方、光導波路11を伝播する光Liは振幅が小さくなる(非特許文献2の図8、非特許文献4の図13-17参照)。そして、最終的には、すべての光導波路11,12で同じ振幅かつ同位相の光Loが伝播する。その結果、入力光Litotを分配器1dから直接に入力されない2Nd本の拡散光導波路12を含めた光導波路11,12のすべてから同位相の光Loが出力し、これらの光によってビームLosynが生成される。このビームLosynは、幅(拡がり角)ψが、下式(2)で表されるように、光導波路11,12の合計本数N(=Nr+2Nd)に依拠した狭いものとなる。
Figure 0007386072000007
また、Nr本の光導波路11のそれぞれに振幅1の光を入力された光偏向装置10が形成する電界振幅分布E{Nr,N}(θ)を見積もる。式(5)に式(8)を代入すると、(n+1)番目の光導波路11に光が入力されたときに得られる電界振幅分布E{(n),N}(θ)として下式(9)が得られる。
Figure 0007386072000008
さらに、1番目の光導波路11に対する(n+1)番目の光導波路11の入力光の位相差をnδとして、すべての光導波路11に光を入力すると、その電界振幅分布E{Nr,N}(θ)は、式(9)の重ね合わせである下式(10)で与えられる。
Figure 0007386072000009
ここで、三角関数と指数関数との関係を表すオイラーの公式(下式(11))と、整数次のベッセル関数の性質(下式(12))を考慮すると、式(10)は下式(13)で表される。なお、オイラーの公式が適用できない項をerr(θ)で表す。また、式(13)は、nが((N-1)/2)以下の場合であり、それよりも大きい場合には、nを(N-1-n)に置き換える。
Figure 0007386072000010
式(13)において、伝播距離lが十分に短い場合には高次のベッセル関数の影響を無視することができるので、nを小さな数で打ち切ることができる。そこで、nをNdで打ち切ると、式(13)で表される。また、式(13)のベッセル関数を含む項はnに無関係な関数F(θ)と表せるので、簡略されて下式(14)で表される。
Figure 0007386072000011
式(14)によれば、本実施形態に係る光偏向装置10の構成で得られる電界振幅分布は、結合によってF(θ)の空間的な振動が重畳された分布となり、ビームの方向(偏向角θ)やビーム幅には大きな影響を与えないことがわかる。この結果は、結合によるビームの遠視野像(FFP:Far-Field Pattern)が結合のない場合よりも包絡線に空間的な強弱の振動成分が乗った分布となり、ビームの方向や幅には大きな影響を与えないとする研究報告(非特許文献2)と定性的に一致する。したがって、図6に示すように、主光導波路束110のNr本の光導波路11のそれぞれに位相差δ(=2π/5)を有した光Li0,Li1,Li2,…,LiNr-1を入力した場合には、拡散光導波路12を伝播する光は、隣の光導波路11または拡散光導波路12を伝播する光に対して同じ位相差δを有する光Loとなって出力する。
このように、光導波路11に入力した光Liが、すべての拡散光導波路12に移行し、さらに光Liと同じ位相差δの光Loとして、好ましくは同じ振幅で出力するように、光偏向装置10が設計される。具体的には、まず、光導波路11と拡散光導波路12を1本ずつピッチdで並設したモデルでの完全移行距離(光導波路11,12を伝播する光が同位相、同振幅になるまでの距離)lcを、シミュレーション等で求める。そして、出力準備部1oの長さlzとの比の2倍(2lz/lc)をパラメータとして、n次のベッセル関数の値が例えば0.01を超える最大のnを、1組の副光導波路束120の拡散光導波路12の本数Ndに設計することができる。ただし、光導波路11の本数Nrに比して拡散光導波路12の本数Ndが大きいと、1本の光導波路11に入力する光Liの光量に対して、光導波路11,12のそれぞれから出力する光Loの光量が大きく減少し、ビームLosynの輝度が低下する。具体的には、副光導波路束120は、拡散光導波路12の本数Ndが、隣に配置された主光導波路束110の光導波路11の本数Nr以下であることが好ましい。
なお、本実施形態に係る光偏向装置10において、2組の副光導波路束120は、拡散光導波路12の本数が同数に限られず、さらには片側が0本、すなわち一方の外側にのみ副光導波路束120を備えた構造であってもよい。このような構成であっても、ビームLosynの幅ψを光導波路11,12の合計本数Nに依拠して狭くすることができる。ただし、このようなx方向に非対称な構造においては、電界振幅分布が偏り、副光導波路束120を配置した側にだけ周波数制限を受けることにより、空間的に非対称なノイズが発生し易い。その結果、ビームLosynが明瞭さを損なう。
以上のように、本発明の第1実施形態に係る光偏向装置によれば、一部の光導波路に他の光導波路から移行した光を伝播させることにより、前記一部の光導波路への電界の印加や加熱を不要として電力消費量の増大を抑制しつつ、多数本の光導波路を備えて拡がり角の狭いビームを出力することができる。
〔第2実施形態〕
第1実施形態に係る光偏向装置は、両外側に副光導波路束を配置して、中央に配置された光導波路を主光導波路束として光を入力する構成としているので、光導波路の合計本数を多くするために副光導波路束の拡散光導波路の本数を増やそうとすると、出力準備部を長く設計する必要があって光偏向装置が大型化する。また、1組の副光導波路束の拡散光導波路の本数に限界がある。したがって、光導波路の合計本数をある程度を超えて多くするためには、その分、主光導波路束の光導波路を多数備える必要があり、電力消費量が増大することになる。そこで、並設された光導波路における最外側以外にも副光導波路束を配置する。以下、第2実施形態に係る光偏向装置について説明する。第1実施形態と同じ要素については同じ符号を付し、説明を省略する。
本発明の第2実施形態に係る光偏向装置10Aは、図7に示すように、2組の主光導波路束110,110の間に副光導波路束120が配置された構成である。光偏向装置10Aは、主光導波路束110(光導波路11)および副光導波路束120(拡散光導波路12)の配置以外は、第1実施形態に係る光偏向装置10と同様の構造であり、コア層1、クラッド層3、電極4,5、および基板6を備える(図1、図3Aおよび図3B参照)。なお、図7においては、光導波路11,12のみを示し、さらに光偏向装置10Aの1組の副光導波路束120とその両外側の主光導波路束110,110のみを示すが、最外側に副光導波路束120を配置することが、光効率上、好ましい。したがって、光偏向装置10Aは、例えば、x方向に順に、副光導波路束120、主光導波路束110、副光導波路束120、主光導波路束110、副光導波路束120が配置された構成とする。また、光偏向装置10Aは、第1実施形態に係る光偏向装置10と同様にx方向に対称な構造が好ましい。したがって、2組の主光導波路束110の光導波路11の本数Nr、最外側の2組の副光導波路束120の拡散光導波路12の本数Nd1は、それぞれ同数であることが好ましい。一方、最外側の副光導波路束120と中央の副光導波路束120とで、拡散光導波路12の本数Nd1,Nd2が異なっていてもよい。
本実施形態において、主光導波路束110、副光導波路束120、および光導波路11,12の各構成は、第1実施形態で説明した通りである。ただし、特に最外側以外に配置された副光導波路束120の1組における拡散光導波路12の本数Nd2が過剰に多いと、この副光導波路束120から出力した光にノイズが集光され、偏向角を変えることのできない強い固定パターンが発生して、1本のビームLosynとならない。したがって、この副光導波路束120の拡散光導波路12の本数Nd2を適正に設計することが好ましい。具体的には、第1実施形態で説明したように、完全移行距離lcと出力準備部1oの長さlzの比の2倍(2lz/lc)をパラメータとしたn次のベッセル関数における最大のnを、拡散光導波路12の本数Nd2の半数(Nd2/2)に設計することができる。
本実施形態に係る光偏向装置10Aの、光導波路11,12における光の伝播は、図4~図6を参照して説明した第1実施形態と同様である。ただし、本実施形態においては、主光導波路束110,110に挟まれた副光導波路束120の拡散光導波路12に、その両外側に配置された光導波路11から光Liが移行する。したがって、副光導波路束120において均等な位相差δの光Loとなるように、Nd2(図7では、Nd2=6)本の拡散光導波路12からなる副光導波路束120の両側でそれぞれ隣り合うNr番目の光導波路11に入力する光LiNr-1と(Nr+1)番目の光導波路11に入力する光LiNrとの位相差を((Nd2+1)δ)に設定する。言い換えると、光導波路11,12のすべてについての並び順でk番目(1≦k≦N)の光導波路11の位相をkδと設定する。
以上のように、本発明の第2実施形態に係る光偏向装置によれば、第1実施形態と同様に多数本の光導波路を備えて、その一部への電界の印加や加熱を不要として電力消費量の増大を抑制しつつ、拡がり角の狭いビームを出力することができる。
本発明の効果を確認するために、本発明の第1実施形態に係る光偏向装置を模擬したサンプルでシミュレーションを実行し、光導波路の出力準備部における光振幅・位相分布を基に計算して、出力されるビームのパターンを求めた。図8Aに示すように、図1および図2に示す光偏向装置と同様に、8本の光導波路からなる主光導波路束の両外側に4本の光導波路(拡散光導波路)からなる副光導波路束をそれぞれ備える構造のサンプルを使用した。また、比較例として、図8Bに示すように、実施例から拡散光導波路を除いた、8本の光導波路を備える光偏向装置のサンプルを使用した。
入力光の波長をλ=1.55μmに設定し、サンプルの構造を以下の通りとした。コア層は、屈折率n0=1.66のEOポリマーとし、クラッド層は、上部クラッドを屈折率1.58のポリマー、下部クラッドを屈折率1.48のSiO2とした。下部クラッドの厚さを3μmとし、その上に、光導波路および拡散光導波路を幅2μm×厚さ2μmで備え、上部クラッドの厚さを7μm(光導波路の上側で5μm)とした。光導波路および拡散光導波路の出力準備部は、ピッチ6μm(間隙4μm)とした。また、シミュレーションより、出力準備部の長さは15mmとした。光導波路の位相調整部は、強い電界による破壊を生じない程度の電圧印加による屈折率変化で、位相の変化量が2π超となるように、長さ10mmに設計し、また、電気的、光学的なクロストークのないようにピッチ10μmとした。また、光導波路の屈曲箇所における光損失を1%未満とするための屈曲角度が1°以下(シミュレーションによる)であることから、出力準備部と位相調整部の間の間隔変換部は、Z軸(出力準備部における光導波路方向)に対する傾斜角が最大で1°以下になるように設計して、Z方向長4mmとした。分配器はMMI型カプラの光ビームスプリッタとし、入力光を8本の光導波路の位相調整部に等分配するようにシミュレーションにより設計して、幅160μm、長さ1100mmに最適化した。第1電極および第2電極は、それぞれ厚さ100nmのAuとして、光導波路の位相調整部のクラッド層を介在させた上下に設けた。
シミュレーションは、ビーム伝搬法を用いたシミュレータ(Optiwave社製Optiwave)で解析して、光強度分布を得た。また、得られた光強度分布を用いて、シフト角スペクトル法によりビームパターン(FFP)を計算した(K. Matsushima, "Shifted angular spectrum method for off-axis numerical propagation", Optics Express, Vol.18, No.17, pp.18453-18463, Aug 2010)。また、位相差をδ=0(偏向角0°)に設定した。サンプルの光強度分布を図9A(実施例)および図9B(比較例)に、ビームのパターン像における光強度分布を図10A(実施例)および図10B(比較例)に、それぞれ示す。
実施例においては、図9Aに示すように、間隔変換部の出力準備部との境界の約1μm手前から、直接に光を入力されていない拡散光導波路に光が移行して伝播し始めたことが確認された。さらに出力準備部を伝播するにしたがい外側の拡散光導波路へ順番に光が移行し、出力準備部における約5μmの地点で最外側の拡散光導波路で光が伝播し始めたことが確認された。その結果、拡散光導波路を含めた16本すべての光導波路から光が出射し、X方向中心(16本の光導波路の中心)からZ方向(光導波路方向)に1本のビームを出力した。図10Aに示すビームのパターン像からビームのメインローブにおける幅を測定したところ、3.0°であった。これは、8本の光導波路を備えてそのすべてに直接に光を入力した比較例のビーム幅3.9°(図10B参照)よりも狭く、本発明の効果が確認された。
ここで、比較例においては、図9Bに示すように、8本の光導波路に同等の強度で入力した光が、出力準備部で互いに移行した結果、出力準備部における約8μm進行以降で互いの強度が偏り始めた。その結果、末端の出射時において、X方向中心に配置された2本の光導波路においては、入力時との強度の変化は殆ど見られなかったが、その隣のX方向中心から2本目の光導波路においては、入力時よりも強度が高くなった。そして、この光導波路から遠ざかるにしたがい強度が低くなり、最外側である4本目の光導波路から出力した光が最も低強度となった。図9Aに示すように、実施例においても同様の傾向が見られた。拡散光導波路においては、光の伝播が進行するにしたがい強度が増加したため、末端寄りで移行した最外側の拡散光導波路から出力した光が最も低強度となった。一方で、8本の光導波路における最外側である4本目の光導波路では、伝播する光が比較例ほど強度が低下しなかった。これは、隣の拡散光導波路と互いに光が移行したことによると推測される。
なお、式(2)より、実施例のサンプル(N=16)から出力するビームは、幅ψが1.20°となり、比較例のサンプル(N=8)から出力するビームは、幅ψが2.58°となる。実施例および比較例のサンプルのシミュレーションにおいては、前記したように、拡散光導波路を含めた光導波路同士で出力する光の強度が不均一であったため、ビーム幅が広がったと推測される。したがって、光導波路および拡散光導波路の各本数、ならびに出力準備部の長さをそれぞれ適切な値に設計することにより、光導波路同士で出力する光の強度のばらつきを低減して、ビーム幅を狭くして式(2)のψに近付けることができる。
Figure 0007386072000012
以上、本発明の光偏向装置を実施するための実施形態について述べてきたが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。
10,10A 光偏向装置
110 主光導波路束
11 光導波路
120 副光導波路束
12 拡散光導波路(光導波路)
1o 出力準備部
1s 間隔変換部
1t 位相調整部
3 クラッド層(透光性部材)
4 第1電極(位相調整手段)
5 第2電極(位相調整手段)
6 基板

Claims (6)

  1. 複数本の光導波路が透光性部材を介在して並設されて、前記光導波路の一端から出射した光をビームとして出力する光偏向装置であって、
    前記複数本の光導波路は、前記一端まで互いに平行に並設された出力準備部を有し、
    前記光導波路は、隣り合う2本以上で主光導波路束を1以上構成し、かつ、前記主光導波路束に含まれない1本または隣り合う2本以上で副光導波路束を構成し、
    前記主光導波路束の光導波路毎に、当該光導波路を伝播する光の位相を調整する位相調整手段を備え、前記主光導波路束の光導波路の他端から光を入力されることを特徴とする光偏向装置。
  2. 前記主光導波路束の光導波路は、前記出力準備部よりも前記他端側の領域において、前記位相調整手段によって光の位相を調整されることを特徴とする請求項1に記載の光偏向装置。
  3. 前記光導波路は、前記出力準備部から前記他端側へ向かって互いの間隔が漸増するように配置された間隔調整部を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光偏向装置。
  4. 同数本の前記光導波路からなる2つの前記副光導波路束が、前記主光導波路束の両外側に配置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の光偏向装置。
  5. 前記副光導波路束は、隣に配置された前記主光導波路束の光導波路の本数以下の光導波路で構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の光偏向装置。
  6. 前記主光導波路束の光導波路の前記他端に接続して、光を前記光導波路毎に分岐させる分配器を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の光偏向装置。
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