JP7382381B2 - 生産管理システム - Google Patents
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Description
かかる生産ラインでは、不良品の製造を抑える目的で、各加工装置でのワークに関する加工精度を厳密に管理することが強く要請される。
特に、冬季の生産ラインの停止期間(土曜日・日曜日)後の月曜日に生産ラインを立ち上げた直後において、ワーク加工精度の低下が顕著に現れることがわかった。
そこで、本発明者らは、さらなる研究を進めたところ、加工装置周りの温度推移とワーク加工精度の推移との間に相関関係があることを見出し、さらに、生産ライン特有の背景を踏まえて、本発明を遂に完成させた。
なお、以下に示す図面において、共通の機能を有する部材には同一の参照符号を付するものとする。また、部材のサイズ及び形状は、説明の便宜のため、変形又は誇張して模式的に表す場合がある。
はじめに、本発明の実施形態に係る生産管理システム11の概要について、図1A~図1Cを参照して説明する。
図1Aは、本発明の実施形態に係る生産管理システム11の概要を表すブロック構成図である。図1Bは、生産ライン13に備わる加工装置51及びワーク保持治具71を側方から視てその一部を透過して表わした図である。図1Cは、ワーク53の例であるクランクシャフト77の外観斜視図である。図2は、本発明の実施形態に係る生産管理システム11の動作説明に供するフローチャート図である。
なお、ワーク53に係る対象部55に対する加工装置51に係る加工部57の相対位置ずれDFについて、詳しくは後記する。
スピンドル59は、本発明の「加工装置51に係る加工部57」に相当する。
クランクシャフト77の軸端部79は、本発明の「ワーク53に係る対象部55」に相当する。
第1位置センサ23a、第2位置センサ23bは、本発明の「一対の位置センサ」に相当する。
センサ保持部材25は、加工装置51及びワーク保持治具71が載置された基台61に固定された基部25a、基部25aから垂直に延びる脚部25b、及び脚部25bの延長側基部25cから水平に延びる一対の腕部25dからなる。
第1位置センサ23a、第2位置センサ23bは、一対の腕部25dのうち延長側基部25cに対し対称となる部位(図1B参照)にそれぞれ設けられている。
情報取得部31により取得した前記各種の情報は、算出部33に送られる。
算出部33により算出された相対位置ずれDFの情報は、判定部35に送られる。
こうした実情をも踏まえて、補正テーブル37の記憶内容を適宜設定すればよい。
詳しく述べると、制御部39は、判定部35の判定結果として相対位置ずれDFが許容範囲外(DF>DFth)である旨の判定が下された場合、温調部43による前記対象物の温調制御を開始させる一方、相対位置ずれDFが許容範囲内(DF=<DFth)である旨の判定が下された場合、温調部43による前記対象物の温調制御を終了させる。
さらに、制御部39は、判定部35の判定結果として相対位置ずれDFが許容範囲外(DF>DFth)である旨の判定が下された場合、生産ライン13の稼働を待機させる。
温調部43による温度調節とは、加温及び冷却の両者を含む概念である。温調部43としては、特に限定されないが、例えば、PTCヒータ(加温用)、ペルチェ素子(冷却用)などを適宜採用すればよい。
なお、温調部43は、温度調節用の部材に加えて、温度調節能を補助的に高めるヒートシンク(不図示)を組み合わせて採用しても構わない。
次に、本発明の実施形態に係る生産管理システム11の動作について、図2を参照して説明する。
図2は、本発明の実施形態に係る生産管理システム11の動作説明に供するフローチャート図である。
なお、図2に示す生産管理システム11の動作は、起動スイッチ21のオン操作に伴い始まるものとする。
次に、本発明の実施形態に係る生産管理システム11の作用効果について説明する。
第1の観点に基づく生産管理システム11は、予め定められた加工手順が順次遂行され、該加工手順を遂行する加工装置51、及びワーク53を保持するワーク保持治具71が備わる生産ライン13の管理を行う生産管理システム11が前提となる。
第1の観点に基づく生産管理システム11は、ワーク保持治具71に保持された状態のワーク53に係る対象部55に対する加工装置51に係る加工部57の相対位置ずれDFを算出する算出部33と、加工装置51及びワーク保持治具71の両者又はいずれか一方に予め設定された対象物に係る温度調節を行う温調部43と、算出部33により算出された相対位置ずれDFに基づいて、当該相対位置ずれDFを抑制するように、温調部43において予め設定された対象物の温調制御を行わせる制御部39と、を備える。
制御部39は、加工手順の遂行前に、温調部43による対象物の温調制御を行わせる。
制御部39は、算出部33により算出された相対位置ずれDFに基づいて、当該相対位置ずれDFを抑制するように、加工手順の遂行前に、温調部43において予め設定された対象物の温調制御を行わせる。かかる対象物の温調制御によって、相対位置ずれDFの解消が促進される。
その結果、加工手順の遂行態勢に不備があるのに生産ライン13が稼働される事態を未然に防ぐ効果を期待することができるため、第1の観点に基づく生産管理システム11と比べて、生産ラインの稼働率及び製品品質の向上効果を一層高めることができる。
その結果、第2の観点に基づく生産管理システム11と比べて、生産ラインの稼働率及び製品品質の向上効果をより一層高めることができる。
しかも、第5の観点に基づく生産管理システム11によれば、適時かつ適正な温調制御によって電力の消費を抑制することが可能となる結果として、脱炭素に貢献するといった作用効果を奏する。
以上説明した実施形態は、本発明の具現化の例を示したものである。したがって、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならない。本発明はその要旨又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形態で実施することができるからである。
本発明が適用されるワーク53としては、穴あけ、切削等の何らかの加工を要するいかなるワークを適用対象として採用しても構わないことは言うまでもない。
13 生産ライン
21 起動スイッチ
23a 第1位置センサ(一対の位置センサ)
23b 第2位置センサ(一対の位置センサ)
25 センサ保持部材
25b 脚部
25c 延長側基部
25d 一対の腕部
31 情報取得部
33 算出部
35 判定部
39 制御部
41 報知部
43 温調部
51 加工装置
53 ワーク
55 対象部
57 加工部
61 基台
71 ワーク保持治具
DF 相対位置ずれ
Claims (4)
- 予め定められた加工手順が順次遂行され、該加工手順を遂行する加工装置、及びワークを保持するワーク保持治具が備わる生産ラインの管理を行う生産管理システムであって、
前記ワーク保持治具に保持された状態の前記ワークに係る対象部に対する前記加工装置に係る加工部の相対位置ずれを算出する算出部と、
前記加工装置及び前記ワーク保持治具の両者又はいずれか一方である対象物に係る温度調節を行う温調部と、
前記算出部により算出された前記相対位置ずれに基づいて、当該相対位置ずれを抑制するように、前記温調部において前記対象物の温調制御を行わせる制御部と、
前記算出部により算出された前記相対位置ずれが所定の許容範囲内にあるか否かの判定を行う判定部と、
前記加工手順の遂行態勢が整っているか否かに係る状況を報知する報知部と、を備え、
前記制御部は、前記加工手順の遂行前に、前記温調部による前記対象物の温調制御を行わせると共に、前記判定部の判定結果として前記相対位置ずれが前記許容範囲外である旨の判定が下された場合、前記加工手順の遂行態勢に不備がある旨の注意喚起を前記報知部に行わせる、
ことを特徴とする生産管理システム。 - 請求項1に記載の生産管理システムであって、
前記制御部は、前記判定部の判定結果として前記相対位置ずれが前記許容範囲外である旨の判定が下された場合、前記生産ラインの稼働を待機させる、
ことを特徴とする生産管理システム。 - 請求項1又は2に記載の生産管理システムであって、
前記ワークに係る対象部、及び前記加工装置に係る加工部の位置をそれぞれ検出する一対の位置センサと、前記加工装置及び前記ワーク保持治具が載置された基台から垂直に延びる脚部、及び当該脚部の延長側基部から水平に延びる一対の腕部からなるセンサ保持部材と、をさらに備え、
前記一対の位置センサは、前記一対の腕部のうち前記延長側基部に対し対称となる部位にそれぞれ設けられ、
前記算出部は、前記一対の位置センサによる検出結果に基づいて、前記相対位置ずれを算出する、
ことを特徴とする生産管理システム。 - 請求項1~3のいずれか一項に記載の生産管理システムであって、
前記制御部は、
前記判定部の判定結果として前記相対位置ずれが前記許容範囲外である旨の判定が下された場合、前記温調部による前記対象物の温調制御を開始させる一方、前記相対位置ずれが前記許容範囲内である旨の判定が下された場合、前記温調部による前記対象物の温調制御を終了させる、
ことを特徴とする生産管理システム。
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