JP7380275B2 - アークランナーおよびこれを用いた回路遮断器 - Google Patents
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Description
固定側アークランナー上をアークが走行する方向を「アーク伸長方向」とし、また、「アーク伸長方向」と交差する方向を「幅方向」として記載する。「上」、「下」、「左」、「右」等の位置関係を説明する場合は図1を基準にして説明するが、回路遮断器における固定側アークランナーの配置により、これらの位置関係を適宜変更してもよい。
なお以下の記載において、数式上における「=」、「等しい」、および「同一」という表現を用いるが、これらの表現は必ずしも数値面で完全に等しい(同一である)ことを意味するのではなく、製造における寸法誤差などを考慮したものである。すなわち、アークの走行を妨げない範囲であれば寸法の相違があってもよいことは言うまでもない。
以下、図1から図4を用いて本実施の形態1に係る回路遮断器の構成を簡単に説明する。図1は、本発明に実施の形態1に係る回路遮断器の全体図であり、回路遮断器の開極状態を表している。図2は、図1の要部(固定接点部1、ガイド部2、固定側アークランナー3、および固定側導体4)を抜き出して示した図であって、図1の要部斜視図である。図3はアーク移動方法の説明図である。図4は、図1の要部側面図である。
可動側導体6は図示しない電磁アクチュエータに回転可能に連結されている。なお、回路遮断器の開極動作時には電磁アクチュエータが可動側導体6を回転させ、この回転動作により、固定接点部1に対して可動接点部5が離間する。
なお、消弧室10内には、消弧室10内の消弧空間を複数に分割するための消弧グリッド11が設けられている。例えば、消弧グリッド11は横方向に伸びており、これを上下方向に離間させて複数配列される。なお、消弧グリッド11は上述の例に限らない。また、遮断性能が十分である場合には、消弧室10において消弧グリッド11を省略してもよい。
より詳細には、固定接点部1は一端部1a(「上端部1a」と呼ぶ場合あり。)がガイド部2の下端部2aと接続されることで第一の接続部20が構成される。同様に、ガイド部2の上端部2bが固定側アークランナー3の下端部3aに接続されることで第二の接続部30が構成される。
固定側アークランナー3は、消弧室10の開口部10a(図1)を介して消弧室10に接続される。固定側アークランナー3は遮断時に発生したアークaを下端部3aから上端部3bに向けて導くことで、アークaを消弧室10に導くことができる。
図1では、固定側アークランナー3の上端部3bを、消弧室10の開口部10aに接続する部分として図示しているが、この例に限らない。すなわち、固定側アークランナー3の上端部3bは、消弧室10にアークaを導くことができる位置に設けられていればよい。また、図中、固定側アークランナー3(および可動側アークランナー7)の一部は、消弧室10の下部外壁と一体に形成されているが、固定側アークランナー3(および可動側アークランナー7)は消弧室10と別体に形成されていてもよい。
W0 = W1 …(式1)
W2 = W3 …(式2)
W3 < W4 …(式3)
一般的に、図3に示すとおり、アークaは電極(固定接点部1、固定側アークランナー3等)のエッジを走行しやすい性質がある。ここでエッジとは幅方向の端部を意味する。このため、固定接点部1上で発生したアークaは、まず固定接点部1のエッジ(幅方向の端部)に移動し、固定接点部1のエッジ上を上方に走行し、固定接点部1の上端部1aに達する。次に、アークaは固定接点部1の上端部1aのエッジからガイド部2の下端部2aのエッジに走行する。
ここで、固定接点部1の上端部1aの幅W0とガイド部2の下端部2aの幅W1について、上記(式1)に示す関係より、固定接点部1のエッジ(幅方向の端部)とガイド部2のエッジ(幅方向の端部)が連続的に接続される。これによりアークaは、固定接点部1の上端部1aからガイド部2の下端部2aへ、第一の接続部20のエッジ上を滑らかに走行することができる。
同様に、ガイド部2の上端部2bの面G2と固定側アークランナー3の下端部3aの面Rとが同一面(第一の共通接続面)上に位置する。換言すると、第二の接続部30におけるガイド部2の面G2および第二の接続部30における固定側アークランナー3の面Rは、第二の共通接続面上に位置する。
ここで、第一の共通接続面(面G1及び面C)とは、固定接点部1の上端部1aとガイド部2の下端部2aとが互いに接続された接続面を意味する。第二の共通接続面(面G2及び面R)とは、ガイド部2の上端部2bと固定側アークランナー3の下端部3aとが互いに接続された接続面を意味する。
また、図4では、第一の共通接続面(面Cおよび面G1を含んで構成)および第二の共通接続面(面G2および面Rを含んで構成)が平面である場合を図示しているが、これに限るものではなく、滑らかに接続された曲面上にあってもよい。
ガイド部2は固定側導体4と一体に構成されているが、ガイド部2と固定側導体4とを別体としてもよい。ガイド部2は、例えば銅などの導電性の高い材料で構成されている。また、ガイド部2は磁性体であることが望ましいが、非磁性体により構成されていてもよい。固定側アークランナー3は、例えば鉄などの磁性材からなり、固定側導体4にロウ付け等で接着される。
さらに、第一の接続部20における固定接点部1の面Cおよび第一の接続部20におけるガイド部2の面G1を第一の共通接続面上に配置する構成により、接点(固定接点部1および可動接点部5)から両アークランナーに向かいアークaを一層走行させやすい構成とすることができる。また、第二の接続部30におけるガイド部2の面G2および第二の接続部30における固定側アークランナー3の面Rを第二の共通接続面上に配置する構成により、アークaの走行性をより一層、向上させることができる。
以下、実施の形態2に係る回路遮断器について図5を参照して説明する。図5は、実施の形態2に係る回路遮断器の要部、すなわち固定接点部1、ガイド部2、固定側アークランナー3A、および固定側導体4を示した要部斜視図である。実施の形態2に係る回路遮断器は、固定側アークランナー3Aの形状が実施の形態1のものと異なる。
上記(式4)に示すように固定側アークランナー3Aは下端部3aの幅W3と上端部3bの幅W4とが等しく構成されている。このように、遮断開始(可動接点部5の開極動作開始)から遮断終了までに発生する固定側アークランナー3の熱負荷に応じて、(式4)のとおり固定側アークランナー3Aを構成してもよい。
以下、実施の形態3に係る構成について図6を参照して説明する。図6は、実施の形態3に係る回路遮断器の要部、すなわち固定接点部1、ガイド部2、固定側アークランナー3B、および固定側導体4を示した要部斜視図である。実施の形態3に係る回路遮断器は、固定側アークランナー3Bの形状が実施の形態1に係る回路遮断器と異なる。
なお、この寸法増加位置は、固定接点部1から寸法増加位置までにアークが移動する長さが必要伸展長よりも長くなるように設定されることが望ましい。ここで、必要伸展長とは、電流遮断に際して必要となるアークを伸展させる長さを意味する。
以下、実施の形態4に係る構成について図7を参照して説明する。図7は、実施の形態4に係る回路遮断器の要部、すなわち固定接点部1、ガイド部2、固定側アークランナー3C、および固定側導体4を示した要部斜視図である。実施の形態4に係る回路遮断器は、固定側アークランナー3Cの形状が実施の形態1のものと異なる。
なお、固定側アークランナー3Cは磁性体とすると、固定接点部1と固定側アークランナー3Cとを共に磁性体部材で構成することができ、これにより固定接点部1上のアークに働く電磁力、すなわちアーク駆動力を向上させることができる。
Claims (8)
- 電流が供給される固定側導体と接続された固定接点部と、前記固定接点部と接離可能に設けられた可動接点部と、遮断時に前記可動接点部と前記固定接点部との間に発生するアークが導かれる消弧室と、を備えた回路遮断器のアークランナーにおいて、
前記固定接点部に接続された一端部、および他端部を有するガイド部と
前記ガイド部の他端部に接続された一端部、および、該一端部から前記消弧室に前記アークを導くための他端部を有する固定側アークランナーと、
を備え、
前記固定接点部の一端部と前記ガイド部の一端部とが接続されることで第一の接続部が構成され、
前記ガイド部の他端部と前記固定側アークランナーの一端部とが接続されることで第二の接続部が構成され、
前記第一の接続部における前記固定接点部の幅W0は、前記第一の接続部における前記ガイド部の幅W1と等しく、
前記第二の接続部における前記ガイド部の幅W2は、前記第二の接続部における前記固定側アークランナーの幅W3と等しく、
前記第一の接続部及び前記第二の接続部の少なくとも一方が、滑らか、かつ連続的に接続されている
アークランナー。 - 電流が供給される固定側導体と接続された固定接点部と、前記固定接点部と接離可能に設けられた可動接点部と、遮断時に前記可動接点部と前記固定接点部との間に発生するアークが導かれる消弧室と、を備えた回路遮断器のアークランナーにおいて、
前記固定接点部に接続された一端部、および他端部を有するガイド部と
前記ガイド部の他端部に接続された一端部、および、該一端部から前記消弧室に前記アークを導くための他端部を有する固定側アークランナーと、
を備え、
前記固定接点部の一端部と前記ガイド部の一端部とが接続されることで第一の接続部が構成され、
前記ガイド部の他端部と前記固定側アークランナーの一端部とが接続されることで第二の接続部が構成され、
前記第一の接続部における前記固定接点部の幅W0は、前記第一の接続部における前記ガイド部の幅W1と等しく、
前記第二の接続部における前記ガイド部の幅W2は、前記第二の接続部における前記固定側アークランナーの幅W3と等しく、
前記ガイド部と前記固定接点部とは前記第一の接続部において連続的に接続されており、
前記第一の接続部における前記固定接点部の面Cおよび前記第一の接続部における前記ガイド部の面G1は、第一の共通接続面上に位置する
アークランナー。 - 電流が供給される固定側導体と接続された固定接点部と、前記固定接点部と接離可能に設けられた可動接点部と、遮断時に前記可動接点部と前記固定接点部との間に発生するアークが導かれる消弧室と、を備えた回路遮断器のアークランナーにおいて、
前記固定接点部に接続された一端部、および他端部を有するガイド部と
前記ガイド部の他端部に接続された一端部、および、該一端部から前記消弧室に前記アークを導くための他端部を有する固定側アークランナーと、
を備え、
前記固定接点部の一端部と前記ガイド部の一端部とが接続されることで第一の接続部が構成され、
前記ガイド部の他端部と前記固定側アークランナーの一端部とが接続されることで第二の接続部が構成され、
前記第一の接続部における前記固定接点部の幅W0は、前記第一の接続部における前記ガイド部の幅W1と等しく、
前記第二の接続部における前記ガイド部の幅W2は、前記第二の接続部における前記固定側アークランナーの幅W3と等しく、
前記ガイド部と前記固定側アークランナーとは、前記第二の接続部において連続的に接続されており、
前記第二の接続部における前記ガイド部の面G2および前記第二の接続部における前記固定側アークランナーの面Rは、第二の共通接続面上に位置する
アークランナー。 - 前記固定側アークランナーの他端部における幅W4は、前記第二の接続部における前記固定側アークランナーの幅W3よりも大きい
請求項1から請求項3いずれか一項に記載のアークランナー。 - 前記ガイド部は前記固定側導体と一体物として構成される
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のアークランナー。 - 前記固定側アークランナーは磁性体からなり、かつ前記ガイド部は非磁性体からなる
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のアークランナー。 - 電流が供給される固定側導体と接続された固定接点部と、前記固定接点部と接離可能に設けられた可動接点部と、遮断時に前記可動接点部と前記固定接点部との間に発生するアークが導かれる消弧室と、を備えた回路遮断器のアークランナーにおいて、
前記固定接点部に接続された一端部、および他端部を有するガイド部と
前記ガイド部の他端部に接続された一端部、および、該一端部から前記消弧室に前記アークを導くための他端部を有する固定側アークランナーと、
を備え、
前記固定接点部の一端部と前記ガイド部の一端部とが接続されることで第一の接続部が構成され、
前記ガイド部の他端部と前記固定側アークランナーの一端部とが接続されることで第二の接続部が構成され、
前記第一の接続部における前記固定接点部の幅W0は、前記第一の接続部における前記ガイド部の幅W1と等しく、
前記第二の接続部における前記ガイド部の幅W2は、前記第二の接続部における前記固定側アークランナーの幅W3と等しく、
前記ガイド部と前記固定側アークランナーは一体物として構成され、
前記固定側アークランナーと前記ガイド部は磁性体からなる
アークランナー。 - 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のアークランナーを備えた回路遮断器。
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