JP7364847B2 - シート装置及び該シート装置の制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シート装置及び該シート装置の制御方法に関し、特に可動部を移動させる駆動機構を備えるシート装置及び駆動機構を制御する制御方法に関する。
車両用のシートには、シートバック、シートクッション、オットマン等を備えたものがあり、こうした車両用シートにおいてシートバック、シートクッション、オットマン等は可動でありその姿勢(位置や向き)が調整可能となっている。
また、近年では車両用シートに着座者が乗ったまま、車両用シートのシートバックを後傾させて着座者をリラックスさせるようにシートを自動で変形させる場合もある。しかしながら、シートの状態を自動的に変形させる際、例えばシートの可動部を順番に移動させると、着座者にとって違和感のある動きになっていた。
そのため、特許文献1には、シートを構成するシートバック、シートクッション等の複数の可動部の移動を同じタイミングで終了させるために、可動部を移動させる複数の駆動機構(特許文献1では可動機構と呼ばれる)と、複数の駆動機構のそれぞれの動作を制御するECU(Electronic Control Unit)と、を備えたシートユニットが開示されている。
特開2018-188137号公報
車両用シートのようなシート装置では、乗員が変わるとかかる荷重も変化する。そのため、駆動機構のモータに同様のトルクをかけた場合であってもモータの回転数が異なる、すなわち、駆動機構にかかる負荷の大小によって、シート装置を変形させるのに要する実移動時間にバラツキが発生するという課題があった。実移動時間にバラツキがあると、シート装置は常に同じように動作しないため、乗員に違和感を与える場合がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両用シートのようなシート装置にかかる荷重が異なる場合であっても、シート装置の変形に要する実移動時間のバラツキが抑えられ常に同じ動作をすることが可能なシート装置を提供することにある。
上記課題は、本発明に係るシート装置によれば、可動に設けられる複数のシート各部と、前記複数のシート各部を移動させる駆動機構と、該駆動機構により前記複数のシート各部のそれぞれの移動が開始されてから所定時間経過後の前記複数のシート各部それぞれの移動量に応じて、予め定められた予定移動時間で前記複数のシート各部それぞれの移動が完了するように前記駆動機構を調整する調整機構と、を備え、前記複数のシート各部の移動し終わるタイミングが揃うように、前記複数のシート各部それぞれの移動開始時点が設定されており、前記駆動機構はモータを備え、前記調整機構は、前記モータの出力を変更することにより、前記予定移動時間で前記複数のシート各部それぞれの移動が完了するよう前記駆動機構を調整し、前記モータは回転に応じて信号を発信する機能を有し、前記調整機構は、前記モータから前記信号を受信し、前記複数のシート各部それぞれが移動を開始してから所定時間内に発信された前記信号のカウント数を確認し、確認された前記信号のカウント数に応じて、前記予定移動時間で前記複数のシート各部それぞれの移動が完了するよう前記駆動機構を調整し、前記調整機構は、DUTY比を変更することにより前記モータの出力を変更して、前記予定移動時間で前記複数のシート各部それぞれの移動が完了するよう前記駆動機構を調整し、前記調整機構は、前記複数のシート各部それぞれが移動を開始してから所定時間内に発信された前記信号のカウント数に応じて設定されたDUTY比を記憶しており、前記調整機構は、DUTY比を、確認された前記信号のカウント数に応じた数値に変更することで、前記モータの出力を変更し、前記予定移動時間で前記複数のシート各部それぞれの移動が完了するよう前記駆動機構を調整し、前記調整機構は、前記複数のシート各部それぞれの移動が開始されてから完了するまでに要した実移動時間を算出するとともに、前記複数のシート各部それぞれを次回移動させる場合に、前記予定移動時間と前記実移動時間とを比較して、前記予定移動時間と前記実移動時間とが異なる場合、前記調整機構は、前記複数のシート各部それぞれの前記予定移動時間と前記実移動時間の差分からDUTY比を演算し、前記複数のシート各部それぞれの前記信号のカウント数とDUTY比との対応関係を補正して、前記複数のシート各部それぞれの前回計測された前記実移動時間が、前記予定移動時間に近づくように、記憶されている前記信号の数に応じて設定されたDUTY比の数値を変更し、確認された前記信号のカウント数に応じて、変更されたDUTY比の前記数値を適用することにより解決される。
シート装置は、駆動機構を所定時間、実際に駆動させた後、その所定時間に移動した可動部の移動量に応じて、予定移動時間で可動部の移動が完了するよう駆動機構を調整する調整機構を備える。そのため、シート装置の可動部にかかる荷重が異なる場合であっても、駆動機構による可動部の移動時間のバラツキが抑えられ予定移動時間で移動を完了することが可能なシート装置を提供することできる。
調整機構が、駆動機構のモータの出力を変更することで、変形に要する可動部の移動時間(以下、実移動時間)を調整することができる。
また、発信された信号の数をカウントし確認することで、確認された信号のカウント数に応じて、実移動時間を調整することができる。
また、DUTY比を変更することでモータの出力を変更し、実移動時間を調整することができる。
また、所定時間内に発信された信号の数に応じたDUTY比にすることで、モータの出力を変更して、実移動時間を予定移動時間に近づくよう駆動機構を調整することができる。
また、実際の移動に要した時間を計測して算出し実移動時間を基にしてモータの出力を変更することで、実移動時間を予定移動時間に近づけることができる。
また、カウントして確認された信号の数に対応するDUTY比の数値を変更することにより、より正確に実移動時間を予定移動時間に近づけることが可能になる。
また、上記課題は、本発明に係るシート装置の制御方法によれば、可動に設けられる複数のシート各部と、回転に応じて信号を発信するモータを有し該モータにより前記複数のシート各部を移動させる駆動機構と、前記モータが出力した前記信号を受信し、所定時間内に受信する前記信号のカウント数とDUTY比との対応関係を記憶し、DUTY比に基づいて前記複数のシート各部それぞれの移動が完了するよう前記駆動機構を調整する調整機構と、を備え、前記対応関係では、前記駆動機構により前記複数のシート各部それぞれの移動が開始されてから前記所定時間経過した後、前記複数のシート各部それぞれの移動量に応じて予め定められた予定移動時間に前記複数のシート各部それぞれの移動が完了するよう、前記信号の数に対してDUTY比が設定されている、シート装置の制御方法であって、前記調整機構が、前記駆動機構を駆動させ前記複数のシート各部それぞれを移動させることと、前記調整機構が、前記駆動機構を前記所定時間駆動させた後、前記所定時間内に受信した前記信号のカウント数を確認することと、前記調整機構が、前記対応関係を用いて、確認された前記信号のカウント数に応じたDUTY比の数値を求めることと、前記調整機構が、求められたDUTY比の数値により前記駆動機構の駆動力を変更して、前記予定移動時間で前記複数のシート各部それぞれの移動を完了させることと、前記調整機構が、前記複数のシート各部それぞれの移動が完了した実移動時間を算出することと、前記調整機構が、前記複数のシート各部それぞれの前記予定移動時間と前記実移動時間とを比較して、前記複数のシート各部それぞれの前記予定移動時間と前記実移動時間が異なる場合、前記複数のシート各部それぞれの前記予定移動時間と前記実移動時間の差分からDUTY比を演算して、前記複数のシート各部それぞれの前記信号の数とDUTY比との前記対応関係を補正することと、を備え、前記複数のシート各部の移動し終わるタイミングが揃うように、前記複数のシート各部それぞれの移動開始時点が設定されていることにより解決される。
シート装置の調整機構が、所定時間経過後の移動量に基づく信号の数に対応したDUTY比により駆動機構の駆動力を変更することで、予定移動時間で可動部の移動を完了させることができる。そのため、シート装置にかかる荷重が異なる場合であっても、シート装置の変形に要する実移動時間のバラツキが抑えられ常に同じ動作をすることが可能なシートを提供することができる。
調整機構は、移動が完了した実移動時間を算出し、予定移動時間と比較することで、予定移動時間と実移動時間が異なった場合、それらの差分からDUTY比を演算して信号の数とDUTY比との対応関係を補正する。そのため、可動部を次回移動させる場合に、実働時間がより正確に予定移動時間に近づくよう、駆動機構を調整することができる。
本発明に係るシート装置によれば、シート装置にかかる荷重が異なる場合であっても、シート装置の変形に要する実移動時間のバラツキが抑えられ予定移動時間に変形が可能なシート装置を提供することができる。
また、駆動機構のモータの出力を変更することで、変形に要する可動部の移動時間(以下、実移動時間)を調整することができる。
また、駆動機構のモータから発信される回転に応じた信号の数をカウントすることで、カウントした信号の数に応じて、実移動時間を調整することができる。
また、DUTY比を変更することにより、実移動時間を調整することができる。
また、所定時間内に発信された信号の数に応じて、モータの出力を変更して実移動時間を調整することができる。
また、実際移動時間を計測して移動後完了後に算出することで、実移動時間を基にしてモータの出力を変更し、実移動時間を予定移動時間に近づけることができる。
また、カウントされた信号の数に対応するDUTY比の数値を変更することにより、より正確に実移動時間を予定移動時間に近づけることができる。
また、本発明に係るシート装置の制御方法によれば、シート装置にかかる荷重が異なる場合であっても、シート装置の変形に要する実移動時間のバラツキが抑えられ常に同じ動作をすることが可能なシートを提供することができる。
また、算出した実移動時間と予定移動時間とを比較して、DUTY比を演算しカウントした信号の数とDUTY比との対応関係を補正する。そのため、可動部を次回移動させる場合に、実移動時間がより正確に予定移動時間に近づかせることができる。
本実施形態に係る車両用シートユニットの斜視図である。 車両用シートユニットの構成を模式的に示す側面図である。 車両用シートユニットの起立姿勢と倒れ姿勢の状態を示す図である。 ECUの制御対象を示す図である。 シートの姿勢変形時における各駆動機構の動作のタイミングチャートである。 モータのパルス数と経過時間との関係を示す図である。 ECUが行う処理のフロー図である。 移動時間予測制御の処理のフロー図である。 学習機能制御の処理のフロー図である。
以下、図1から図9を参照しながら、本発明の実施の形態(以下、本実施形態)に係るシート装置としての車両用シートユニット1について説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、以下に説明する部材の形状、寸法、配置等については、本発明の趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
以下の説明中、「前後方向」とは、車両用シートユニット1の乗員(着座者と呼ぶ場合がある)から見たときの前後方向を意味し、車両の走行方向と一致する方向である。
「シート幅方向」とは、車両用シートユニット1の横幅方向を意味し、車両用シートユニット1の乗員から見たときの左右方向と一致する。
また、「上下方向」とは、車両用シートユニット1の高さ方向を意味し、車両用シートユニット1を正面から見たときの上下方向と一致する。
まず、図1から図4を参照しながら、車両用シートユニット1の構成について説明する。車両用シートユニット1は、自動車に搭載され、乗員が着座可能なシートである。
そして、本実施形態に係る車両用シートユニット1は、シートバック10が起立した起立姿勢から、シートバック10が後傾した倒れ姿勢の少なくとも二つの状態に変形可能である。なお、車両用シートユニット1が起立姿勢にある状態では、乗員は車両用シートユニット1に対して通常の立位姿勢(例えば運転姿勢)をとる。一方で、車両用シートユニット1が倒れ姿勢にある状態では、乗員は車両用シートユニット1に対して中立姿勢をとる。
図1~図4に示されるように、車両用シートユニット1は、乗員が着座する車両用シートとして複数の可動部Mと、複数の可動部Mのそれぞれを移動させる複数の駆動機構Dと、駆動機構Dの動作を制御し動作を調整する調整機構としてのECU40と、を備える。
なお、図1は、車両用シートユニット1が倒れ姿勢である状態の斜視図を示し、図2は、車両用シートユニット1が起立姿勢である状態の側面図を模式的に示したものである。図3は、車両用シートユニット1が点線で示された起立姿勢から実線で示された倒れ姿勢に移行することを模式的に示していている。図4は、ECUの制御対象を示す。
本実施形態において具体的な可動部Mは、シートバック10、シートクッション11、オットマン12、ヘッドレスト13、支持部材32である。これらが組み合わさることで車両用シートユニット1を構成している。
また、複数の駆動機構Dは、複数の可動部Mのそれぞれを移動または回動させる機構である。具体的には、シートバック10を移動させるリクライニング機構15、シートクッション11をチルトさせるチルト機構16、オットマンを移動させるオットマン展開機構17及びオットマン延長機構18、ヘッドレストを移動させるヘッドレスト移動機構19、支持部材32をスライドさせるスライド機構20である。
シートバック10は、乗員の背を後方から支持し、不図示のフレームにクッション材を支持させて当該クッション材を表皮で覆うことで構成される。シートバック10は、上下二分割されており、シートバック上部10a及びシートバック下部10bを有する。シートバック上部10aは、乗員の背のうち、胸部と同じ高さに位置する部分を支持する。シートバック下部10bは、乗員の背のうち、腹部から腰部に亘る部分を支持する。
また、シートバック10は、リクライニング機構15により、シートクッション11に対して後傾するように移動(厳密には回動)すること、いわゆるリクライニングさせることが可能である。
リクライニング機構15は、モータ15aを有し、モータ15aによりシートバック10の倒れ角度が変わるようにシートバック10を移動(回動)させる機構である。リクライニング機構15が動作することでシートバック10とシートクッション11を連結する軸部材を中心として、シートバック10が回動する。リクライニング機構15に設けられたモータ15aにはホールIC(不図示)が設けられ、モータ15aが1回転するたびにパルス信号が出力される。
シートクッション11は、乗員の臀部を下方から支持し、不図示のフレームにクッション材を載せて当該クッション材を表皮で覆うことで構成されている。シートクッション11の後端部は、シート幅方向に沿って延びた軸を介して、シートバック10の下端部(厳密には、シートバック下部10bの下端部)と連結している。
また、本実施形態に係るシートクッション11は、チルト機構16により、その前端部が上下方向に昇降するように回動することが可能である。
チルト機構16は、モータ16aを有し、シートクッション11の前端部が昇降するようにシートクッション11を移動(回動)させる機構であり、例えば、ジャッキ型の電動リフト機構によって構成されている。チルト機構16が動作することでシートクッション11の前端が、シートクッション11の後端に対して回動する。チルト機構16を駆動するモータ16aにもホールICが設けられ、モータ16aが1回転するたびにパルス信号が出力される。
オットマン12は、乗員の下腿部を下方から支持し、不図示のフレームボードにクッション材を載せて当該クッション材を表皮で覆うことで構成されている。オットマン12は、シート幅方向に沿って延出した回動軸を介して、シートクッション11の前端部に支持されている。すなわち、オットマン12は、上記の回動軸周りに回動可能である。
そして、オットマン12は、回動することにより展開位置と収納位置との間を移動する。収納位置とは、オットマン12の不使用時の位置であり、オットマン12が垂下しておりオットマン12の先端部(自由端部)がシートクッション11に最も近接しているときの位置である。展開位置とは、オットマン12が使用される位置(分かり易くは、乗員の下腿部を支持可能な位置)であり、シートクッション11の前端よりも前側にオットマン12が張り出しているときの位置である。
また、オットマン12については、シートクッション11に支持されている基端部から自由端部である先端部までの長さ(以下、全長)が伸縮可能となっている。つまり、オットマン12は、収納位置にあるときに全長が最も短くなり、展開位置に近付くにつれて全長が徐々に長くなるように構成される。
そして、オットマン展開機構17は、オットマン12が収納位置から展開位置へ、あるいは展開位置から収納位置へ向かうようにオットマン12を移動(回動)させる機構である。オットマン展開機構17は、モータ17aを有する揺動アーム型の電動アクチュエータによって構成される。オットマン12は、オットマン展開機構17が動作することで、オットマン12の前端が、オットマン12の後端に対して回動する。
また、オットマン延長機構18は、オットマン12が縮小された状態から伸びた状態に延長させる機構である。オットマン延長機構18はモータ18aと、モータ18aに連結されたピニオン(不図示)とを備えている。オットマン12は、オットマン延長機構18が動作することで、オットマン12が収納位置にあるときは全長が最も短くなり、展開位置に近づくにつれて全長が徐々に長くなるよう変化する。オットマン展開機構17及びオットマン延長機構18に使用されるモータ17a、18aについてもホールICが取り付けられていて、モータ17a、18aが1回転するたびにパルス信号が出力される。
ヘッドレスト13は、乗員の頭部を後方から支持し、不図示のフレームの周りに発泡材やクッション材を配置し、その周りを表皮材で覆うことで構成されている。また、ヘッドレスト13の下端から、支柱であるピラーが下方に延出している。このピラーは、シートバック10の上端部に差し込まれている。したがって、車両用シートユニット1の姿勢が起立姿勢であるときに、ヘッドレスト13は、シートバック10より上方に位置することになる。
また、本実施形態において、ヘッドレスト13は、ヘッドレスト移動機構19により、シートバック10に対して上下に移動することが可能である。つまり、本実施形態では、ヘッドレスト移動機構19によるヘッドレスト13の移動に応じて、乗員の頭部を支持する位置を変更することが可能である。
ヘッドレスト移動機構19はモータ19aを有し、シートバック10の延出方向に沿ってヘッドレスト13をシートバック10に対して移動(上下動)させる機構である。ヘッドレスト移動機構19は、シートバック10内において不図示のシートバックフレームに固定されており、ヘッドレスト13のピラーと係合している。
具体的には、ヘッドレスト移動機構19は、モータ19aに連結されたピニオン(不図示)を備えている。このピニオンは、ヘッドレスト13のピラーに形成されたラック(不図示)と係合している。以上のように構成されたヘッドレスト移動機構19が動作すると、ピニオンとラックとの係合位置が動き、これに伴ってピラーを含むヘッドレスト13が、シートバック10の延出方向に移動するようになる。モータ19aについてもホールICが取り付けられていて、モータ19aが1回転するたびにパルス信号が出力される。
支持部材32は、シート本体Sを下方から支持する部材であり、シートクッション11の下部に取り付けられる。具体的には、支持部材32は、シート本体Sとスライド機構20を連結するフレーム部材を、カバー部材で覆って構成される。なお、支持部材32の内部には、車両用シートユニット1の駆動機構Dのそれぞれを制御する制御部としてのECU40が収容されることとする。もちろん、ECU40は、支持部材32に限られず、シートバック10、シートクッション11等の内部に収容されてもよいし、シート本体Sに対して外付けされてもよい。
スライド機構20は、車体フロアFに対してシート本体Sを前後方向にスライドさせるための機構である。スライド機構20は、アッパーレール21、ロアレール22、及びアッパーレール21をロアレール22に対しスライドさせるためのスライド用モータ20aを備える。スライド用モータ20aについてもホールICが取り付けられていて、モータが1回転するたびに、パルス信号が出力される。
アッパーレール21は、支持部材32を介してシート本体Sに固定され、ロアレール22は、車体フロアFに固定される。ここで、上記のスライド用モータ20aを動作させて、アッパーレール21をロアレール22に対して前後にスライドさせることで、シート本体S、すなわちシートバック10、シートクッション11及びオットマン12を一体として車体フロアFに対して前後に移動させることができる。
アームレスト33は、シートバック10の両サイドに設けられた腕置き部である。アームレスト33は、シートバック10に対して軸部33aを中心に回動可能に取り付けられている。なお、アームレスト33の回動は図示しない回動用モータにより電動で実行するようにしてもよい。
また、車両用シートユニット1は、操作スイッチ31を備える。操作スイッチ31は、車両用シートユニット1のシートクッション11の側部に設けられ、車両用シートユニット1の姿勢変形を指示するための操作部である。例えば、操作スイッチ31は、車両用シートユニット1を起立姿勢から倒れ姿勢に変形させるための第1スイッチ、車両用シートユニット1を倒れ姿勢から起立姿勢に変形させるための第2スイッチを含むこととしてよい。
ECU40は、本実施形態の調整機構として動作し、上述した駆動機構Dの動作を制御・調整すると共に、駆動機構Dに設けられたモータ15a~19aからパルス信号を受信する。図4に示されるように、ECU40は、プロセッサ41(制御部)、メモリ42(記憶部)、入出力インターフェース43を備える。
プロセッサ41は、メモリ42に記憶されるプログラムやデータ、入出力インターフェース43を介して接続される各デバイスから受信した信号に基づいて各種の演算処理を実行するとともに、車両用シートユニット1の各部を制御する中央処理装置である。メモリ42は、例えば半導体メモリであり、各種のプログラムやデータを記憶するほか、プロセッサ41のワークメモリとしても機能する。入出力インターフェース43は、リクライニング機構15、チルト機構16、オットマン展開機構17、オットマン延長機構18、ヘッドレスト移動機構19、スライド機構20、操作スイッチ31と接続し、各デバイスと通信する。
また、上述したように、車両用シートユニット1には姿勢切り替え用の操作スイッチ31が設けられている。操作スイッチ31は、車両のドアやアームレストに設けられた押しボタン型のスイッチであり、車両用シートユニット1に着座している乗員がシートバック10の姿勢を切り替える際に操作される。
操作スイッチ31が操作されると、その操作内容に応じた信号が操作スイッチ31から出力され、ECU40のプロセッサ41は、操作スイッチ31からの出力信号に基づいて駆動機構Dのそれぞれを制御する。具体的に説明すると、起立姿勢にあるシートバック10の姿勢を倒れ姿勢へ切り替えるように操作スイッチ31が操作されると、プロセッサ41は、車両用シートユニット1の前後位置、シートバック10、シートクッション11、オットマン12の各々を倒れ姿勢時の位置に移動するようにリクライニング機構15、チルト機構16、オットマン展開機構17、オットマン延長機構18、ヘッドレスト移動機構19、スライド機構20を制御する。
<<車両用シートユニット1の変形時の動作について>>
以下、図1から図3を参照しながら、車両用シートユニット1の起立姿勢から倒れ姿勢への変形時の動作の詳細について説明する。
なお、以降の説明では、車両用シートユニット1が起立姿勢にあるときのシートバック10の位置を「第1起立位置」、車両用シートユニット1が倒れ姿勢にあるときのシートバック10の位置を「倒れ位置」とする。
また、車両用シートユニット1が起立姿勢にあるときのシートクッション11の位置を「第2起立位置」、車両用シートユニット1が倒れ姿勢にあるときのシートクッション11の位置を「立ち上げ位置」とする。
また、車両用シートユニット1が起立姿勢にあるときのオットマン12の位置を「第3起立位置」、車両用シートユニット1が倒れ姿勢にあるときのオットマン12の位置を「展開位置」とする。
以下に説明する例においては、車両用シートユニット1の動作を図3に点線で示す起立姿勢から、実線で示す倒れ姿勢に変形させることとする。
なお、「倒れ姿勢」とは、シートバック10が後傾し、シートクッション11の前端がやや上昇し、オットマン12が展開位置にある、延長された状態の姿勢である。そして、乗員が倒れ姿勢にある車両用シートユニット1に着座しているとき、乗員の姿勢は、いわゆる中立姿勢となる。中立姿勢とは、シート着座者にとって最も負担が少なく疲れ難い姿勢である。
図2には、車両用シートユニット1が、起立姿勢である状態を示している。この状態において、乗員により操作スイッチ31により倒れ姿勢への切り替え操作が入力されると、ECU40は、倒れ姿勢への移行処理を開始する。
すなわち、ECU40は、乗員が車両用シートユニット1を倒れ姿勢へ切り替えるための操作を行うと、操作スイッチ31がその操作を受け付けて操作内容に応じた信号を出力する。ECU40は、操作スイッチ31からの出力信号を受信すると、これをトリガーとして倒れ姿勢移行フローの処理を実行する。
次に、ECU40は、倒れ姿勢への移行に必要なシートバック10、シートクッション11、オットマン12、ヘッドレスト13及びアッパーレール21の移動量を演算する。
詳しく説明すると、ECU40は、先ず、駆動機構Dを構成するモータやアクチュエータのホールICから可動部Mであるシートバック10、シートクッション11、オットマン12、ヘッドレスト13及びアッパーレール21の各々の現在位置を特定する。
次いで、ECU40は、シートバック10、シートクッション11、オットマン12及びヘッドレスト13及びアッパーレール21の各々について、上記特定した現在位置(現在状態)から倒れ姿勢における目標位置(目標状態)までの移動量を算出する。ここで、倒れ姿勢における目標位置としては、シートバック10については「倒れ位置」、シートクッション11については「立ち上げ位置」、オットマン12については「展開位置」が該当する。また、アッパーレール21の目標位置は、予め定められた前後方向における位置(例えばアッパーレール21が移動可能な最大の後方位置)であることとする。
次に、ECU40は、シートバック10、シートクッション11、オットマン12、ヘッドレスト13及びアッパーレール21の各々の移動量を算出した後に、それらの移動量を駆動機構Dにより実現するために時間を算出し、予め定めた予定移動時間ETとして設定する。ここでは、リクライニング機構15の予定移動時間を第1予定移動時間ET1、チルト機構16の予定移動時間を第2予定移動時間ET2、オットマン展開機構17の予定移動時間を第3予定移動時間ET3、オットマン延長機構18の予定移動時間を第4予定移動時間ET4、ヘッドレスト移動機構19の予定移動時間を第5予定移動時間ET5、スライド機構20の予定移動時間を第6予定移動時間ET6とする。これらの予定移動時間ETは予めECU40のメモリ42に記憶されていてもよい。
具体的には、第1予定移動時間ET1から第6予定移動時間ET6に関しては、リクライニングさせるためのシートバック10の第1予定移動時間ET1が最も長く、その次にオットマン展開機構17の第3予定移動時間ET3が長い。そして、チルト機構16の第2予定移動時間ET2、オットマン延長機構18の第4予定移動時間ET4、ヘッドレスト移動機構19の第5予定移動時間ET5の順に短くなる。これは、車両用シートユニット1を起立姿勢から倒れ姿勢に切り替える際、シートバック10の移動量が最も大きく、次いでオットマン12が展開する移動量が大きく、シートクッション11の移動量、アッパーレール21がスライドする移動量、オットマン12の延長量、ヘッドレスト13の移動量が順に小さいことを反映している。
次に、ECU40は、上記の第1予定移動時間ET1から第6予定移動時間ET6に基づいて、駆動機構Dのそれぞれによるシートバック10、シートクッション11、オットマン12、ヘッドレスト13、シート本体Sの各々の移動開始時点(移行開始タイミング)を設定(決定)する。具体的には、ECU40は、シートバック10、シートクッション11、オットマン12、ヘッドレスト13及びアッパーレール21の各々が移動し終わるタイミングが揃うように、それぞれの移動開始時点を設定する。
移動開始時点の設定手順については、図5を参照しながら説明する。図5に示すタイミングチャートにおいては、リクライニング機構15の動作時間が最も長いこととし、ECU40は、操作スイッチ31の操作入力を受け付けた時点から後に、シートバック10を傾けるようリクライニング機構15を駆動させることとする。そして、リクライニング機構15の移動完了時点t8の前に、シートクッション11及びオットマン12、ヘッドレスト13及びアッパーレール21の各々の共通の移動完了時点t7を設定する。リクライニング機構15によるシートバック10の移動完了時点t8と他の可動部Mの移動完了時点t7とは同じであってもよい。
各駆動機構Dの予定移動時間ETは、上述したようにET1>ET3>ET6>ET2>ET4>ET5の関係にある。
そして、ECU40は、チルト機構16の動作の開始タイミングである第2開始タイミング(t2)を、移動終了時点(t7)に対し第2予定移動時間ET2だけ前の時点に設定する。また、ECU40は、オットマン展開機構17の動作の開始タイミングである第3開始タイミング(t3)を、移動終了時点(t7)に対し第3予定移動時間ET3だけ前の時点に設定する。ECU40は、オットマン延長機構18の動作の開始タイミングである第4開始タイミング(t4)を、移動終了時点(t7)に対し第4予定移動時間ET4だけ前の時点に設定する。ECU40は、ヘッドレスト移動機構19の動作の開始タイミングである第5開始タイミング(t5)を、移動終了時点(t7)に対し第5予定移動時間ET5だけ前の時点に設定する。ECU40は、スライド機構20の動作の開始タイミングである第6開始タイミング(t6)を、移動終了時点(t7)に対し第6予定移動時間ET6だけ前の時点に設定する。
ECU40は、上記の処理により設定された第1開始タイミング(t1)でリクライニング機構15の駆動を開始し、第2開始タイミング(t2)でチルト機構16の駆動を開始し、第3開始タイミング(t3)でオットマン展開機構17の駆動を開始する。また、第4開始タイミング(t4)でオットマン延長機構18の駆動を開始し、第5開始タイミング(t5)でヘッドレスト移動機構19の駆動を開始し、第6開始タイミング(t6)でスライド機構20の駆動を開始する。
本実施形態では、シートバック10、シートクッション11、オットマン12、ヘッドレスト13、アッパーレール21の各々の移動終了時点が一致することになっている。換言すると、本実施形態では、シートバック10が倒れ位置に、シートクッション11が立ち上げ位置に、オットマン12が展開位置に、いずれも略同じタイミングで到達する。このようにシート各部の移動が同じタイミングで終了することで、車両用シートユニット1に着座している乗員は、シートの姿勢変形の終了時点を感覚的に認識できるようになる。また、乗員は、姿勢切り替え中も車両用シートユニット1に着座しているため、シート各部の動作の終了が順番に訪れる場合に比べて、シート各部の動きが同時に終了する方が乗員にとって心地良く感じるようになる。
なお、本実施形態では、駆動機構Dのそれぞれがその駆動を完了するタイミングが一致するよう設定、すなわち可動部Mのそれぞれが移動を完了するタイミングが一致するよう設定した。しかしながら、駆動機構Dのそれぞれが駆動を開始するタイミングが一致する、すなわち可動部Mのそれぞれが移動を同時に開始するよう設定してもよい。ただし、最も長い駆動時間の駆動機構D(例えばリクライニング機構15)がその駆動を完了する前に、他の駆動機構Dが駆動を完了、すなわち可動部Mが移動を完了させている必要がある。
また、他の駆動機構Dの動作は、必ずしも開始するタイミングや完了するタイミングが一致していなくてもよい。最も長い予定移動時間の駆動機構が動作している時間内に動作を完了してれば、乗員に対して違和感なく状態を移行させることができる。
ところで、本実施形態では、最も予定移動時間が長いリクライニング機構15の予定移動時間を設定して、他の駆動機構が動作する開始タイミングを定めている。
しかしながら、実際には車両用シートユニット1に乗員が乗った場合と載っていない場合とを比較すると、モータが受ける負荷が異なることからモータの駆動時間にバラツキが発生する。そのため、例えばリクライニング機構15は、移動を開始する前に予想された第1予定移動時間ET1より、短い時間t9(図5参照)で完了する場合がある。リクライニング機構15の実際の移動時間(以下、実移動時間RT)が短いと、他の駆動機構Dの動作の完了が、リクライニング機構15の完了より遅れてしまい、違和感のある移行となる可能性がある。
そのため、本実施形態の車両用シートユニット1では、常にリクライニング機構15が、第1予定移動時間ET1に、リクライニング機構15がリクライニング動作を完了するよう制御する。
図6にチルト機構16のモータ16aから発信されるパルス信号のカウント数(以下、パルス数と呼ぶ場合がある)と、動作を開始してからの時間との関係を示す。車両用シートユニット1のシートクッション11に誰も着座していない状態、すわなち、無負荷の場合を実線で、約60kgの体重の乗員が着座した状態でチルト機構16を動作させた場合を点線で示す。動作を開始してから1秒経過した際のパルス数を見ると、無負荷状態においてパルス信号は330個カウントされているが、負荷が有る状態ではパルス信号は180個カウントされている。シートクッション11に負荷がかかることで、1秒後にカウントされたパルス数に差が出ることが分かる。すなわち、同じ電圧(13.5V)をモータにかけても、負荷によりモータの回転数が少なくなる。本実施形態では、負荷の状態にかかわらず予定移動時間に移動が完了することができるよう、図7~図9に示す制御方法により、駆動機構Dを駆動させる。
図7に示すように、本実施形態の制御方法は2段階の工程を経て制御する。移動時間予測制御工程S100は、駆動機構Dが動作を開始してから動作を完了するまで、すなわち可動部Mが移動を開始してから移動を完了するまで実施される処理である。学習機能制御工程S200は、駆動機構Dが動作を完了してから実施される処理である。
図8のフロー図を用いて移動時間予測制御工程S100について説明する。ECU40から駆動機構Dの駆動開始の指示があった場合、駆動機構Dのモータが駆動する(S101)。そして、開始してから所定時間T(例えば1秒)経過しているかを判定(S102)し、所定時間T経過した場合(Yesの場合)、ECU40のプロセッサ41は、モータから所定時間T内に受信したパルス信号のカウント数を確認する(S103)。次に、確認したパルス信号のカウント数から、メモリ42に記憶されている所定時間T内に計測されるパルス信号のカウント数と、予定移動時間に移動を完了させるために必要なDUTY比との対応関係を示す表1(下記参照)に基づいてDUTY比を求める(S104)。なお、本実施形態においてパルス信号をカウントする所定時間Tは約1秒としているが、適用される駆動機構Dに合わせて所定時間Tは変更されてよく、例えば0.5秒から3秒の間で設定されてよい。
Figure 0007364847000001
DUTY比は、モータの電圧をPWM(Puls Width Modulation)で制御する際に用いられる値であり、パルスの周期を“C”、パルスのHighの時間(すなわちホールICがONになっている時間)を“H”とすると、以下の式で求められる。
DUTY比[%]=(H/C)×100
駆動機構Dにかかる負荷が大きく確認されたパルス信号のカウント数が通常より小さい場合は、残りの時間で動作を完了させるため、より大きな駆動力(モータの出力)を出す必要があるため、より大きいDUTY比が求められる。そのため、ECU40は、DUTY比の数値を大きくして、モータの出力を変更しより大きな駆動力になるよう調整する。また、確認されたパルス信号のカウント数が通常より大きい場合は、駆動機構Dに係る負荷が小さく、同じ駆動力を継続した場合、予定移動時間より早く完了してしまう可能性がある。そのため、ECU40はDUTY比の数値を小さくして、より小さな駆動力になるように調整する。
次に求められたDUTY比を用いて電圧を変更し、駆動機構Dのモータの出力を変更する(S105)。その駆動力により動作を継続して完了させる(S106)。駆動機構Dの動作を開始してから、所定時間T内に発生したパルス信号のカウント数により、実際の負荷状態に基づいてその後のモータの出力を変更するため、予定移動時間ETで駆動機構Dの駆動を完了させることができる。このような手順により、ECU40は、駆動機構Dのモータの出力を変更することにより、予定移動時間ETで可動部Mの移動が完了するよう駆動機構Dを調整することが可能になる。
次に、動作完了後の手順について説明する。移動時間予測制御工程S100において、移動開始から所定時間T経過したときのパルス信号のカウント数により、その後に駆動させる駆動力を決定している。そのため、予定移動時間ETと実際の移動時間(実移動時間RT)との間に誤差が発生する場合がある。
そのため、本実施形態では、動作が完了した後、さらにパルス信号のカウント数とDUTY比との対応関係を、予定移動時間ETと実移動時間RT時間との差分を用いて補正する学習機能制御工程S200を実行する。
学習機能制御工程S200では、駆動機構Dの駆動、すなわち可動部Mの移動が完了した後、ECU40は、実際にかかった実移動時間RTを算出する(S201)。次に、記憶されている予定移動時間ETと実移動時間RTとを比較する(S202)。予定移動時間ETと実移動時間RTとが一致する場合(S203でYesの場合)は学習機能制御工程S200を終了する。
予定移動時間ETと実移動時間RTとが異なる場合(S203でNoの場合)、それらの差分をなくすため、時間のずれ分のDUTY比を演算する(S204)。次に、演算した結果を基に、ECU40は、メモリ42に記憶されている、パルス信号のカウント数とDUTY比との対応関係を補正する(S205)。この対応関係は、次回、車両用シートユニット1の状態を移行、すなわち可動部Mを移動させる際に実施される、移動時間予測制御工程S100で使用される。対応関係を前回計測した実移動時間RTを用いて補正することから、駆動機構Dを駆動させる毎に、より正確なDUTY比を設定することができ、予定移動時間ETで可動部Mの移動が完了するよう駆動機構Dを駆動させることが可能になる。
移動時間予測制御工程S100及び学習機能制御工程S200は、車両用シートユニット1が備える全ての駆動機構Dに適用されてよい。また、最も駆動時間の長い駆動機構D、例えばリクライニング機構15を動作させる際にのみ適用されてもよい。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明に係るシート装置は、車両用シートへの適用に限定されるものではなく、乗員が内部に乗り込む他の乗物のシート(例えば、鉄道を含む自動車以外の車両、航空機又は船舶)や病院や歯科医院等の診察用シートに対しても適用可能である。
また、車両用シートユニット1のリクライニング機構15、チルト機構16、オットマン展開機構17、オットマン延長機構18、ヘッドレスト移動機構19及びスライド機構20の制御は、起立姿勢から倒れ姿勢に変形する場合に限らず、倒れ姿勢から起立姿勢に変形する場合や、その他の第1の姿勢から第2の姿勢に変形する処理一般に適用可能である。また、車両用シートユニットにおいて稼働する部位(駆動機構)は、上記したリクライニング機構15等以外にも、バック又はクッションのサイドサポート機構23、使用位置と収納位置との間を移動するアームレスト移動機構24、シートバック中折れ機構25等がある(図2参照)。これらの機構の制御についても、倒れ姿勢から起立姿勢又は起立姿勢から倒れ姿勢に変形する場合や、その他の第1の姿勢から第2の姿勢に変形する処理一般に適用することができる。
また、車両用シートユニット1が運転席に配される場合と、助手席に配される場合とにおいて、起立姿勢や、倒れ姿勢におけるシートバック10、シートクッション11、オットマン12、ヘッドレスト13の目標位置等を各々異なるように設定してもよい。
また、作動時間が最も長い駆動機構Dは、リクライニング機構15に限られるものではなく、チルト機構16、オットマン展開機構17、オットマン延長機構18、ヘッドレスト移動機構19、スライド機構20のうちいずれであってもよい。
また、車両用シートユニット1は自動運転車両に搭載されてもよい。この場合、自動運転に切り替える際に、車両用シートユニット1を起立姿勢から倒れ姿勢に移行させることとしてもよい。
また、自動運転から手動運転に切り替える際に、倒れ姿勢から起立姿勢に移行させることとしてもよい。この際、起立姿勢から倒れ姿勢に移行するまでの時間と、倒れ姿勢から起立姿勢に移行するまでの時間との長さを変えてもよい。
また、車両用シートユニット1において、前後の車、左右の車線を走る車との距離に応じて、倒れ姿勢から起立姿勢に移行してもよい。この場合の移行時間は、例えば高速から降りる場合における姿勢の移行時間よりも短いこととしてよい。
1 車両用シートユニット(シート装置)
M 可動部
10 シートバック(可動部)
10a シートバック上部
10b シートバック下部
11 シートクッション(可動部)
12 オットマン(可動部)
13 ヘッドレスト(可動部)
D 駆動機構
15 リクライニング機構(駆動機構)
15a モータ
16 チルト機構(駆動機構)
16a モータ
17 オットマン展開機構(駆動機構)
17a モータ
18 オットマン延長機構(駆動機構)
18a モータ
19 ヘッドレスト移動機構(駆動機構)
19a モータ
20 スライド機構(駆動機構)
20a スライド用モータ
21 アッパーレール
22 ロアレール
23 サイドサポート機構
24 アームレスト移動機構
25 シートバック中折れ機構
31 操作スイッチ
32 支持部材
33 アームレスト
33a 軸部
34 サイドサポート
40 ECU(調整機構)
41 プロセッサ
42 メモリ
43 入出力インターフェース
F 車体フロア
S シート本体

Claims (3)

  1. 可動に設けられる複数のシート各部と、
    前記複数のシート各部を移動させる駆動機構と、
    該駆動機構により前記複数のシート各部それぞれの移動が開始されてから所定時間経過後の前記複数のシート各部それぞれの移動量に応じて、予め定められた予定移動時間で前記複数のシート各部それぞれの移動が完了するように前記駆動機構を調整する調整機構と、
    を備え、
    前記複数のシート各部の移動し終わるタイミングが揃うように、前記複数のシート各部それぞれの移動開始時点が設定されており、
    前記駆動機構はモータを備え、
    前記調整機構は、前記モータの出力を変更することにより、前記予定移動時間で前記複数のシート各部それぞれの移動が完了するよう前記駆動機構を調整し、
    前記モータは回転に応じて信号を発信する機能を有し、
    前記調整機構は、前記モータから前記信号を受信し、前記複数のシート各部それぞれが移動を開始してから所定時間内に発信された前記信号のカウント数を確認し、確認された前記信号のカウント数に応じて、前記予定移動時間で前記複数のシート各部それぞれの移動が完了するよう前記駆動機構を調整し、
    前記調整機構は、DUTY比を変更することにより前記モータの出力を変更して、前記予定移動時間で前記複数のシート各部それぞれの移動が完了するよう前記駆動機構を調整し、
    前記調整機構は、前記複数のシート各部それぞれが移動を開始してから所定時間内に発信された前記信号のカウント数に応じて設定されたDUTY比を記憶しており、
    前記調整機構は、DUTY比を、確認された前記信号のカウント数に応じた数値に変更することで、前記モータの出力を変更し、前記予定移動時間で前記複数のシート各部それぞれの移動が完了するよう前記駆動機構を調整し、
    前記調整機構は、前記複数のシート各部それぞれの移動が開始されてから完了するまでに要した実移動時間を算出するとともに、
    前記複数のシート各部それぞれを次回移動させる場合に、
    前記予定移動時間と前記実移動時間とを比較して、前記予定移動時間と前記実移動時間とが異なる場合、前記調整機構は、前記複数のシート各部それぞれの前記予定移動時間と前記実移動時間の差分からDUTY比を演算し、前記複数のシート各部それぞれの前記信号のカウント数とDUTY比との対応関係を補正して、前記複数のシート各部それぞれの前回計測された前記実移動時間が、前記予定移動時間に近づくように、記憶されている前記信号の数に応じて設定されたDUTY比の数値を変更し、確認された前記信号のカウント数に応じて、変更されたDUTY比の前記数値を適用することを特徴とするシート装置。
  2. 可動に設けられる前記複数のシート各部は、シートバック、シートクッション、オットマン、ヘッドレスト、及び、アッパーレールであり、
    前記駆動機構は、前記シートバックのリクライニング機構、前記シートクッションのチルト機構、前記オットマンの展開機構及び延長機構、前記ヘッドレストの移動機構、並びに、前記アッパーレールのスライド機構であることを特徴とする請求項に記載のシート装置。
  3. 可動に設けられる複数のシート各部と、回転に応じて信号を発信するモータを有し該モータにより前記複数のシート各部を移動させる駆動機構と、前記モータが出力した前記信号を受信し、所定時間内に受信する前記信号のカウント数とDUTY比との対応関係を記憶し、DUTY比に基づいて前記複数のシート各部それぞれの移動が完了するよう前記駆動機構を調整する調整機構と、を備え、前記対応関係では、前記駆動機構により前記複数のシート各部それぞれの移動が開始されてから前記所定時間経過した後、前記複数のシート各部それぞれの移動量に応じて予め定められた予定移動時間に前記複数のシート各部それぞれの移動が完了するよう、前記信号の数に対してDUTY比が設定されている、シート装置の制御方法であって、
    前記調整機構が、前記駆動機構を駆動させ前記複数のシート各部それぞれを移動させることと、
    前記調整機構が、前記駆動機構を前記所定時間駆動させた後、前記所定時間内に受信した前記信号のカウント数を確認することと、
    前記調整機構が、前記対応関係を用いて、確認された前記信号のカウント数に応じたDUTY比の数値を求めることと、
    前記調整機構が、求められたDUTY比の数値により前記駆動機構の駆動力を変更して、前記予定移動時間で前記複数のシート各部それぞれの移動を完了させることと、
    前記調整機構が、前記複数のシート各部それぞれの移動が完了した実移動時間を算出することと、
    前記調整機構が、前記複数のシート各部それぞれの前記予定移動時間と前記実移動時間とを比較して、前記複数のシート各部それぞれの前記予定移動時間と前記実移動時間が異なる場合、前記複数のシート各部それぞれの前記予定移動時間と前記実移動時間の差分からDUTY比を演算して、前記複数のシート各部それぞれの前記信号の数とDUTY比との前記対応関係を補正することと、を備え、
    前記複数のシート各部の移動し終わるタイミングが揃うように、前記複数のシート各部それぞれの移動開始時点が設定されていることを特徴とする制御方法。
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