JP7363865B2 - 積層体、ガスケット及び燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は積層体、ガスケット、膜電極接合体及び燃料電池に関する。
近年、環境問題やエネルギー問題の一対策として、燃料電池が注目されている。燃料電池とは、水素やメタンなどの還元性ガスを、酸素や空気等の酸化性ガスにより酸化する反応において、これに伴う化学エネルギーを電気エネルギーに変換し、電気を得るものである。原料となりうる物質が豊富に存在することや、発電による排出物が水のみであることから、クリーンなエネルギーとされる。
燃料電池は、電解質の種類によって、アルカリ形、リン酸形、高分子形、溶融炭酸塩形、固体酸化物形などに分類されるが、そのうち高分子形燃料電池(PEFC)は、低温作動、高出力密度であり、小型・軽量化が可能であることから、携帯用電源、家庭用電源、車載用動力源としての利用が期待されている。高分子形燃料電池は、高分子電解質膜の一方の面に燃料極(アノード触媒層)と、他方の面に空気極(カソード触媒層)とを、対向するように設けた構造を有するが、これを膜電極接合体と呼ぶ。
発電の際には、燃料極側に水素を含む燃料ガス、空気極側に酸素を含む酸化剤ガスを供給する。供給された燃料ガスは、アノード触媒層(燃料極触媒層、または単に電極触媒層、あるいは触媒層ともいう)にて、プロトンおよび電子になる。プロトンはアノード触媒層内の高分子電解質および高分子電解質膜を通り、カソード触媒層(空気極触媒層、または単に電極触媒層、あるいは触媒層ともいう)側に移動する。電子は、外部回路を通り、同じくカソード触媒層に移動する。カソード触媒層においては、プロトン、電子および外部から供給される酸化剤ガスが反応し、水が生成される。以上のように燃料極および空気極において化学反応が起こり、電荷が発生し、電池として機能する。
一般に膜電極接合体では、電解質膜に触媒層が形成された領域と形成されていない領域との厚みの差によって生じるガスの漏洩や、触媒層が形成されない領域の集中的な劣化を防ぐために、電解質膜上の触媒層の外側にガスケット部材を設けている。ガスケット部材はヒートシール剤によって電解質膜に接合され得る(特許文献1)。
特開2007-66768号公報
燃料電池において、水素と酸素は発熱を伴って反応し、さらに水が生成される。従ってガスケット部材を電解質膜に接合するヒートシール剤は高温高湿下での使用に耐え得るものでなければならない。即ち、本願は耐湿熱性に優れ、燃料電池のガスケットに適したヒートシール層を備えた燃料電池のガスケット用積層体、ガスケット、当該ガスケットを備える膜電極接合体及び燃料電池を提供することを目的とする。
本発明は、基材と、基材上に配置されたヒートシール層とを含み、ヒートシール層は、非晶性ポリエステルポリオール(A)と、エポキシ樹脂(B)と、イソシアネート化合物(C)とを含むヒートシール剤の反応生成物であり、非晶性ポリエステルポリオール(A)は多価カルボン酸と多価アルコールとの反応生成物であり、多価カルボン酸に占める芳香族多価カルボン酸の配合量が95質量%以上であり、非晶性ポリエステルポリオール(A)のガラス転移温度が-20℃以上40℃以下である積層体に関する。
本発明によれば、耐湿熱性に優れ、燃料電池のガスケットに適したヒートシール層を備えた燃料電池のガスケット用積層体、ガスケット、当該ガスケットを備える膜電極接合体及び燃料電池を提供することができる。
本発明の実施形態に係る固体高分子形燃料電池の構成例を示す概略図である。
<積層体>
(基材)
本発明は、基材と、基材上に配置されたヒートシール層とを有する。基材としては、燃料電池のガスケットとして使用されることを想定し、圧力を加えられても変形しにくいフィルムが好ましい。ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、シリコーンゴムやフッ素ゴム等からなるフィルムが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を積層して用いてもよい。基材の膜厚は一例として10μm以上200μm以下であり、後述する触媒層や拡散層の膜厚を鑑み適当な値に設定される。
(ヒートシール層)
ヒートシール層は、基材上に設けられ、非晶性ポリエステルポリオール(A)、エポキシ樹脂(B)、イソシアネート化合物(C)を含むヒートシール剤の反応生成物の塗膜である。
非晶性ポリエステルポリオール(A)は多価カルボン酸と多価アルコールとの反応生成物であり、多価カルボン酸に占める芳香族多価カルボン酸の配合量が95質量%以上であり、ガラス転移温度は-20℃以上40℃以下である。
なお、本願発明におけるガラス転移温度は次のようにして測定した値をいう。
示差走査熱量測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製DSC-7000、以下DSCとする)を用い、試料5mgを30mL/minの窒素気流下で室温から10℃/minで200℃まで昇温した後、10℃/minで-80℃まで冷却する。再び10℃/minで150℃まで昇温させてDSC曲線を測定し、二度目の昇温工程で観測される測定結果における低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状部分の曲線の勾配が最大になるような点で引いた接線との交点をガラス転移点とし、このときの温度をガラス転移温度とする。また、一度目の昇温で200℃まで昇温させているが、これはポリエステルポリオール(A)が十分に溶融する温度であればよく、200℃では不十分である場合は適宜調整する。同様に、冷却温度も-80℃では不十分な場合(ガラス転移温度がより低い場合など)には適宜調整する。
また、ポリエステルポリオールが非晶性であるか否かは上記の測定方法において、冷却工程、二度目の昇温工程で明確な結晶化ピークあるいは結晶融解ピークが観測されるか否かで判断する。本発明に用いられるポリエステルポリオール(A)は非晶性であるため、明確な結晶化ピーク、結晶融解ピークは観測されない。
ポリエステルポリオール(A)の合成に用いられる芳香族多価カルボン酸としては、 オルトフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,3-ナフタレンジカルボン酸無水物、ナフタル酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2-ビス(フェノキシ)エタン-p,p’-ジカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸等の芳香族多塩基酸;ジメチルテレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチル等の芳香族多塩基酸のメチルエステル化物;等が挙げられ、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
テレフタル酸およびイソフタル酸を用いることが好ましい。また、ポリエステルポリオール(A)の結晶性を低下させる観点から、合成に用いられる多価カルボン酸のうち、テレフタル酸の配合量が60質量%以下であり、イソフタル酸の配合量が40質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
芳香族多価カルボン酸と併用され得る多価カルボン酸としては、マロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、2,2-ジメチルコハク酸、無水コハク酸、アルケニル無水コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の脂肪族多塩基酸;
マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、ピメリン酸ジエチル、セバシン酸ジエチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル等の脂肪族多塩基酸のアルキルエステル化物;
1,1-シクロペンタンジカルボン酸、1,2-シクロペンタンジカルボン酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、4-メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロ無水フタル酸、シクロヘキサン-1,2,4-トリカルボン酸-1,2-無水物、無水ハイミック酸、無水ヘット酸等の脂環族多塩基酸等が挙げられる。
ポリエステルポリオール(A)の合成に用いられる多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2,2-トリメチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル-3-イソプロピル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘサン、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール等の脂肪族ジオール;
ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール等のエーテルグリコール;
前記脂肪族ジオールと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等の種々の環状エーテル結合含有化合物との開環重合によって得られる変性ポリエーテルジオール;
前記脂肪族ジオールと、ラクタノイド、ε-カプロラクトン等の種々のラクトン類との重縮合反応によって得られるラクトン系ポリエステルポリオール;
ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール;
ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノールにエチレンオキサイド、プロプレンオキサイド等を付加して得られるビスフェノールのアルキレンオキサイド付加物;
トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール等の脂肪族ポリオール;
前記脂肪族ポリオールと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等の種々の環状エーテル結合含有化合物との開環重合によって得られる変性ポリエーテルポリオール;
前記脂肪族ポリオールと、ε-カプロラクトン等の種々のラクトン類との重縮合反応によって得られるラクトン系ポリエステルポリオールなどが挙げられる。
耐熱性、耐湿熱性に優れたヒートシール層を形成できることから、多価アルコールが1,6-ヘキサンジオールを含むことが好ましい。多価アルコールに占める1,6-ヘキサンジオールの配合量が70質量%以上であることが好ましい。
また、ポリエステルポリオール(A)の結晶性を低下させる効果が期待できることから、ネオペンチルグリコールを用いることが好ましい。多価アルコールに占めるネオペンチルグリコールの配合量は、一例として3質量%以上30質量%以下である。
ポリエステルポリオール(A)は、上述した多価カルボン酸、多価アルコールに加え、ポリイソシアネートを含む組成物の反応生成物であるポリエステルポリウレタンポリオールであってもよい。あるいは、上述した多価カルボン酸と多価アルコールとの反応生成物をポリイソシアネートでウレタン伸長したポリエステルポリウレタンポリオールであってもよい。この際用いられるポリイソシアネートとしては特に限定されず、従来公知のポリイソシアネートを用いることができ、単独または2種以上を併用することができる。
ポリイソシアネートとしては例えば、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ポリメリックMDI、あるいはクルードMDIとも称される)、1,3-フェニレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、4,4’-トルイジンジイソシアネート、2,4,6-トリイソシアネートトルエン、1,3,5-トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”-トリフェニルメタントリイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、
m-又はp-キシリレンジイソシアネート(別名:XDI)、α,α,α’,α’-テトラメチルキシリレンジイソシアネート(別名:TMXDI)等の芳香脂肪族ジイソシアネート(分子中に1つ以上の芳香環を有する脂肪族イソシアネート)、
トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(別名:HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、2,3-ブチレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、
3-イソシアネートメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(別名:IPDI)、1,3-シクロペンタンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,6-シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート、
これらジイソシアネートのビュレット体、ヌレート体、アダクト体、アロファネート体、カルボジイミド変性体、ウレトジオン変性体、これらポリイソシアネートとポリオールを反応させたウレタンプレポリマー等が挙げられる。
ポリエステルポリオール(A)の数平均分子量(Mn)は、2,000~30,000の範囲であり、3,000~15,000がより好ましく、4,000~12,000がなお好ましい。数平均分子量がこの範囲にあることで、ヒートシール剤の硬化塗膜が適度な柔軟性を保つことができ、ヒートシール性に優れたヒートシール層を形成することができる。また、ヒートシール剤の粘度が高すぎず、塗工性が良好なものとなる。
尚、本願発明において数平均分子量(Mn)は、下記条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される値である。
測定装置 ;東ソー株式会社製 HLC-8320GPC
カラム ;東ソー株式会社製 TSKgel 4000HXL、TSKgel 3000HXL、TSKgel 2000HXL、TSKgel 1000HXL
検出器 ;RI(示差屈折計)
データ処理;東ソー株式会社製 マルチステーションGPC-8020modelII
測定条件 ;カラム温度 40℃
溶媒 テトラヒドロフラン
流速 0.35ml/分
標準 ;単分散ポリスチレン
試料 ;樹脂固形分換算で0.2質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100μl)
ポリエステルポリオール(A)の水酸基価は、接着強度により優れることから、1~40mgKOH/gの範囲であることが好ましく、より好ましくは3mgKOH/g以上であり、30mgKOH/g以下である。
ポリエステルポリオール(A)の固形分酸価は、特に限定はないが、10.0mgKOH/g以下であることが好ましい。5.0mgKOH/g以下であると耐湿熱性により優れ好ましい。また、固形分酸価の下限について特に制限はないが、一例として0.5mgKOH/g以上である。0mgKOH/gであってもよい。
ヒートシール剤の固形分に占めるポリエステルポリオール(A)の配合量は、20質量%以上95質量%以下であることが好ましい。
エポキシ樹脂(B)は特に制限なく従来公知のものを用いることができ、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂等のビフェニル型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン-フェノール付加反応型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、二種類以上を併用しても良い。これらの中でも、各種基材に対する接着性が高く、耐湿熱性に優れたヒートシール層を形成できることから、ビスフェノール型エポキシ樹脂を用いることが好ましい。
エポキシ樹脂(B)は、JIS K 7234の環球法によって求められる軟化点が150℃以下であることが好ましく、60℃以上100℃以下であることがより好ましい。
エポキシ樹脂(B)の数平均分子量(Mn)は、各種基材に対する接着性が高く、耐湿熱性に優れたヒートシール層を形成できることから、450~4,000の範囲であることが好ましい。また、エポキシ当量は、230~3,300g/当量の範囲であることが好ましい。
ヒートシール剤の固形分に占めるエポキシ樹脂(B)の配合量は、1質量%以上30質量%以下であることが好ましい。
イソシアネート化合物(C)は、一分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物であれば特に限定されず、各種の化合物を用いることができる。イソシアネート化合物(C)の具体例としては、ポリエステルポリオール(A)の原料として例示したポリイソシアネートと同様のものが挙げられ、単独または2種以上を併用することができる。
燃料ガスや、発電に伴って生じる水蒸気の透過を抑制するため、芳香族または芳香脂肪族のポリイソシアネートやその誘導体を用いることが好ましい。
イソシアネート化合物(C)は、ヒートシール剤に含まれる水酸基の合計モル数[OH]と、イソシアネート化合物(C)が有するイソシアネート基の合計モル数[NCO]との比[NCO]/[OH]が0.4~4.0であることが好ましく、0.4~1.4であることがより好ましい。これにより、耐熱性、耐湿熱性に優れるヒートシール層を形成することができる。
ヒートシール剤は、有機溶剤を含む。有機溶剤は、ポリエステルポリオール(A)、エポキシ樹脂(B)、イソシアネート化合物(C)を溶解させ、塗工に適した粘度に調整する。有機溶剤としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、イソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチレンクロリド、エチレンクロリド等のハロゲン化炭化水素類、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホアミド等が挙げられる。
ヒートシール剤は、非晶性ポリエステルポリオール(A)、エポキシ樹脂(B)、イソシアネート化合物(C)以外の成分を含んでいてもよい。
耐湿熱性により優れたヒートシール層を形成できることから、ヒートシール剤はガラス転移温度が50℃以上110℃以下である樹脂(D)を含むことが好ましい。また、樹脂(D)を含むことにより後述するヒートシール層の表面タックを抑制することもでき、作業性に優れたものとなる。樹脂(D)はガラス転移温度が50℃以上110℃以下であれば特に制限なく用いることができ、一例としてポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ロジン変性エポキシ樹脂等が挙げられる。ポリエステル樹脂(D1)が好ましい。
ポリエステル樹脂(D1)の合成に用いられる多価カルボン酸、多価アルコールとしては、非晶性ポリエステルポリオール(A)と同様のものを用いることができる。耐湿熱性に優れることから、多価カルボン酸に占める芳香族多価カルボン酸の配合量が95質量%以上であることが好ましい。
ポリエステル(D1)の数平均分子量(Mn)は、3,000~100,000であることが好ましく、3,500~50,000がより好ましく、4,000~30,000が最も好ましい。重量平均分子量(Mw)は、5,000~300,000の範囲であることが好ましく、10,000~200,000の範囲であることがなお好ましい。
樹脂(D)が水酸基を備える場合、その水酸基価は、1~40mgKOH/gの範囲であることが好ましく、より好ましくは3mgKOH/g以上であり、30mgKOH/g以下である。樹脂(D)がカルボキシル基を備える場合、その固形分酸価は、特に限定はないが、10.0mgKOH/g以下であることが好ましい。5.0mgKOH/g以下であると耐湿熱性により優れ好ましい。また、固形分酸価の下限について特に制限はないが、一例として0.5mgKOH/g以上である。
樹脂(D)のガラス転移温度は、60℃以上であることがより好ましく、65℃以上であることがより好ましい。また、樹脂(D)のガラス転移温度は100℃以下であることがより好ましく、90℃以下であることがより好ましい。
樹脂(D)の配合量は必要な耐湿熱性の程度により適宜調整されるため特に限定されないが、配合量が多すぎるとヒートシール温度を高くする必要があるため、ポリエステルポリオール(A)と樹脂(D)の合計100質量部に対し90質量部以下とすることが好ましい。より好ましくは3質量部以上80質量部以下であり、さらに好ましくは5質量部以上65質量部以下である。
ヒートシール層に初期タックが必要な場合、ヒートシール剤は粘着付与剤を含んでいてもよい。粘着付与剤としては、例えば、ロジン系又はロジンエステル系粘着付与剤、テルペン系又はテルペンフェノール系粘着付与剤、飽和炭化水素樹脂、クマロン系粘着付与剤、クマロンインデン系粘着付与剤、スチレン樹脂系粘着付与剤、キシレン樹脂系粘着付与剤、フェノール樹脂系粘着付与剤、石油樹脂系粘着付与剤、ケトン樹脂系粘着付与剤などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、二種類以上を併用しても良い。
ロジン系又はロジンエステル系としては、重合ロジン、不均化ロジン、水素添加ロジン、マレイン化ロジン、フマル化ロジン、及びこれらのグリセリンエステル、ペンタエリスリトールエステル、メチルエステル、エチルエステル、ブチルエステル、エチレングリコールエステル、ジエチレングリコールエステル、トリエチレングリコールエステルなどがあげられる。
テルペン系又はテルペンフェノール系としては、低重合テルペン系、α-ピネン重合体、β-ピネン重合体、テルペンフェノール系、芳香族変性テルペン系、水素添加テルペン系などあげられる。
フェノール樹脂系としては、フェノール類とホルムアルデヒドの縮合物を使用できる。該フェノール類としては、フェノール、m-クレゾール、3,5-キシレノール、p-アルキルフェノール、レゾルシンなどが挙げられ、これらフェノール類とホルムアルデヒドをアルカリ触媒で付加反応させたレゾールや、酸触媒で縮合反応させて得られるノボラックなどが例示できる。また、ロジンにフェノールを酸触媒で付加させ熱重合することにより得られるロジンフェノール樹脂なども例示できる。
石油樹脂系としては、ペンテン、ペンタジエン、イソプレンなどから得られる炭素数5個の石油留分を重合した石油樹脂、インデン、メチルインデン、ビニルトルエン、スチレン、α-メチルスチレン、β-メチルスチレンなどから得られる炭素数9個の石油留分を重合した石油樹脂、前記各種モノマーから得られるC5-C9共重合石油樹脂及びこれらを水素添加した石油樹脂、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエンから得られる石油樹脂;並びにそれらの石油樹脂の水素化物;それらの石油樹脂を無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、(メタ)アクリル酸、フェノールなどで変性した変性石油樹脂などを例示できる。
ケトン樹脂としては公知慣用のものを挙げることができるが、ホルムアルデヒド樹脂、シクロヘキサノン・ホルムアルデヒド樹脂また、ケトンアルデヒド縮合樹脂等を好適に用いることができる。
粘着付与剤は種々の軟化点を有するものが得られるが、ポリオールエステルポリオール(A)、エポキシ樹脂(B)等と混合した場合の相溶性、色調や熱安定性などの点から軟化点が70~160℃、好ましくは80~100℃のケトン樹脂系粘着付与剤、もしくは軟化点が80~160℃、好ましくは90~110℃のロジン系樹脂及びその水素添加誘導体が好ましく、軟化点が70~160℃、好ましくは80~100℃のケトン樹脂系粘着付与剤がより好ましい。また、酸価が2~20mgKOH/g、水酸基価が10mgKOH/g以下のケトン樹脂系粘着付与剤、水添ロジン系粘着付与剤であることが好ましく、酸価が2~20mgKOH/g、水酸基価が10mgKOH/g以下のケトン樹脂系粘着付与剤がより好ましい。
粘着付与剤を用いる場合、その配合量はヒートシール剤の固形分量の0.1~10質量%であることが好ましい。
ヒートシール剤は、その凝集力を向上させるとともに水蒸気バリア性やガスバリア性を向上させる効果が期待できることから無機充填剤を含むことも好ましい。無機充填剤としては、シリカ、アルミナ、アルミニウムフレーク、ガラスフレーク等が挙げられる。特に板状無機化合物を用いると、ガスバリア性が向上するため好ましい。板状無機化合物としては、含水ケイ酸塩(フィロケイ酸塩鉱物等)、カオリナイト-蛇紋族粘土鉱物(ハロイサイト、カオリナイト、エンデライト、ディッカイト、ナクライト等、アンチゴライト、クリソタイル等)、パイロフィライト-タルク族(パイロフィライト、タルク、ケロライ等)、スメクタイト族粘土鉱物(モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイト等)、バーミキュライト族粘土鉱物(バーミキュライト等)、雲母又はマイカ族粘土鉱物(白雲母、金雲母等の雲母、マーガライト、テトラシリリックマイカ、テニオライト等)、緑泥石族(クッケアイト、スドーアイト、クリノクロア、シャモサイト、ニマイト等)、ハイドロタルサイト、板状硫酸バリウム、ベーマイト、ポリリン酸アルミニウム等が挙げられる。これらの鉱物は天然粘土鉱物であっても合成粘土鉱物であってもよい。板状無機化合物は1種または2種以上を併用することができる。
板状無機化合物は、層間に電荷を有するイオン性のものであってもよいし、電荷を持たない非イオン性のものであってもよい。層間の電荷の有無はヒートシール層のガスバリア性に直接大きな影響を与えない。しかしながらイオン性の板状無機化合物や水に対して膨潤性を有する無機化合物は有機溶剤への分散性が劣り、添加量を増加させるとヒートシール剤が増粘したり、チキソ性となったりして塗工適性が低下するおそれがある。このため板状無機化合物層間電化を持たない非イオン性であることが好ましい。
板状無機化合物の平均粒径は、特に制限されないが、一例として0.1μm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましい。0.1μmよりも小さいと、酸素分子の迂回経路が長くならず、ガスバリア性の向上が十分には期待できない。平均粒径の上限は特に制限されないが、粒径が大きすぎると塗工方法によっては塗工面にスジ等の欠陥が生じる場合がある。このため、一例として平均粒径は100μm以下であることが好ましく、20μm以下であることが好ましい。なお本明細書において板状無機化合物の平均粒径とは、板状無機化合物の粒度分布を光散乱式測定装置で測定した場合の出現頻度が最も高い粒径をいう。
板状無機化合物のアスペクト比は酸素の迷路効果によるガスバリア性の向上のためには高い方が好ましい。具体的には3以上が好ましく、更に好ましくは10以上、最も好ましくは40以上である。
無機充填剤剤を用いる場合、その配合量はヒートシール剤の固形分量の5~50質量%であることが好ましく、より好ましくは20~40質量%である。
ヒートシール剤は、さらに他の成分、例えばワックス、フィラーなどの滑剤、消泡剤、可塑剤、レベリング剤、乳化剤、分散安定剤、界面活性剤、防腐剤、抗菌剤、防錆剤、酸化防止剤、硬化触媒、光安定剤、紫外線吸収剤、光触媒性化合物、染料、無機顔料、有機顔料、体質顔料、帯電防止剤等を含んでいてもよい。
本発明の積層体は、基材上にヒートシール層を設けてなる。ヒートシール剤の塗工方法としては、特に限定されないが、一例としてグラビアコート法、リバースコート法、キスコート法、エアナイフコート法、メイヤーバーコート法、ロールコート法、ディップコート法等が挙げられる。
基材上にヒートシール剤を塗布し、溶剤を乾燥させた後、硬化させることでヒートシール層が形成される。乾燥温度は50~180℃、乾燥時間は0.5秒~1分程度である。乾燥方法は特に限定されないが、一例として熱風乾燥が挙げられる。硬化温度は室温~90℃、硬化時間は2日~2週間である。
ヒートシール剤の塗布量(固形分)は特に制限されないが、一例として1.0~30.0g/mである。5.0~25.0g/mであることが好ましく、7.0~20.0g/mであることがより好ましい。
<ガスケット、燃料電池>
本発明の積層体は、燃料電池のガスケットとして好適に用いられる。図1は、本発明の一実施形態にかかる燃料電池11の構成を示す概略図である。図1に示されるように、燃料電池11は、1組のセパレータ10、10’の間に、膜電極接合体12が挟持されたセルを有する。セルは、セパレータ10、10’を解して複数が直列に積層されたスタック構造であってもよい。膜電極接合体12は、電解質膜1と、アノード電極2と、カソード電極3と、ガスケット4,4’と、ガス拡散層5,5’を有する。
電解質膜1はイオン伝導性の高い材用であれば特に限定されないが、多くはパーフルオロスルホン酸系や炭化水素系の固体高分子電解質膜が用いられる。具体的には、デュポン社(Du Pont社)のナフィオン(Nafion、登録商標)、日本ゴア株式会社製のゴアセレクト(Goreselect、登録商標)、旭硝子社製のフレミオン(Flemion、登録商標)等が挙げられる。電解質膜10の厚みは特に限定されないが、10μm~200μmが好ましく、これより薄いと破損しやすく、また扱いにくくなり、厚いと膜抵抗が大きくなり性能に問題を生じる。
アノード電極2、カソード電極3は、触媒と、電解質とからなる。触媒は、例えば白金やパラジウム、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、オスミウムの白金族元素や、鉄、鉛、銅、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウムなどの金属またはこれらの合金、酸化物や複酸化物等がからなる粒子が用いられる。活性及び安定性の観点から、粒径が0.5nm以上20nm以下程度のものが好ましい。
触媒粒子は単体で用いることもできるが、導電性担体に担持させて用いることが好ましい。導電性担体には、一般的にカーボン粒子が用いられるが、微粒子状で導電性および化学的耐性を有するものであれば特に限定するものではない。例えばカーボンブラックやグラファイト、黒鉛、活性炭、カーボンファイバ、カーボンナノチューブ、フラーレン等が挙げられる。カーボン粒子の粒径は10~1000nm程度が好ましく、これより小さいと電子伝導パスが形成されにくくなり、また大きいとアノード電極2と、カソード電極3の厚みが増して抵抗が増加してしまう。
アノード電極2、カソード電極3に用いられる電解質は、イオン伝導性を有するものであればよい。電解質膜1と同質の材料を用いると、アノード電極2、カソード電極3と電解質膜1との密着性が高められるため好ましい。
アノード電極2、カソード電極3は例えば、触媒粒子、導電性単体および電解質の混合物を分散させたスラリを電解質膜1に直接湿式塗布する方法や、転写基材またはガス拡散層5、5’に塗工した後に転写する方法により形成することができる。
スラリの溶媒または分散媒は、とくに限定されないが、電解質を溶解または分散できるものが良い。水、アルコール類(メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、3-ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、ジアセトンアルコール、1-メトキシ-2-プロパノールなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、ペンタノン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)等が挙げられ、単独若しくは複数種を組み合わせて使用できる。加熱によって除去しやすいものが好ましく、特に沸点が150℃以下のものが好適に用いられる。
アノード電極2、カソード電極3の形成には、必要に応じて乾燥工程を設ける。乾燥方法は特に限定されず、例えば温風乾燥、赤外乾燥、減圧乾燥が挙げられる。
ガス拡散層5、5’はガス透過性および電子伝導性を有する部材によって構成されており、例えば、発泡金属や金属メッシュなどの金属製部材、あるいは、カーボンクロスやカーボンペーパなどのカーボン製部材により形成することができる。
セパレータ10、10’は、導電性を有し、かつガスを透過しない材料、例えば耐食処理が施された金属板や焼成カーボン等のカーボン系材料よりなる。セパレータ10、10’には、ガス流通用のガス流路8、8’と、ガス流路8、8’の形成された面と相対する主面に冷却水流通用の冷却水流路9、9’が形成されてなる。セパレータ10,10’はガス拡散層5、5’に隣接して配置される。
アノード6側のセパレータ10のガス流路8からは燃料ガスが供給される。燃料ガスとしては、例えば水素ガスが挙げられる。カソード7側のセパレータ10’のガス流路8’からは、酸化剤ガスが供給される。酸化剤ガスとしては、例えば空気などの酸素を含むガスが供給される。
ガスケット4,4’は本発明の積層体からなり、枠状である。ガスケット4は、電解質膜1とセパレータ10との間に、ガスケット4の開口にアノード電極2とガス拡散層5が位置するように配置される。ガスケット4’は、電解質膜1とセパレータ10’との間に、ガスケット4’の開口にカソード電極3とガス拡散層5’が位置するように配置される。ガスケット4,4’は、上述したヒートシール層を介して電解質膜1に接合される。
本発明のガスケット4、4’が備えるヒートシール層は耐湿熱性に優れるため、燃料電池のように高温高湿下であっても劣化し難く、長期間にわたって安定に燃料ガス、酸化剤ガスの漏洩や、触媒層が形成されない領域の集中的な劣化を防ぐことができる。
以下、本発明を具体的な合成例、実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の例において、「部」及び「%」は、特に断りがない限り、「質量部」及び「質量%」をそれぞれ表す。
<ヒートシール剤の調製>
(ポリエステルポリオール(A)の合成)
攪拌棒、温度センサー、精留管を有するフラスコに、イソフタル酸(三菱ガス化学株式会社製)791重量部、テレフタル酸(三井化学株式会社製)339重量部、無水トリメリット酸(三菱ガス化学株式会社製)20重量部、1,6-ヘキサンジオール(BASF社製)738重量部、ネオペンチルグリコール(三菱ガス化学株式会社製)107重量部及び有機チタン化合物(マツモトファインケミカル株式会社製「オルガチックスTC-100」)4.0重量部を仕込み、攪拌しながら乾燥窒素をフラスコ内に流入させ、生成する水を留去しながら240℃まで昇温した。その後、真空度を30tоrrまで高めながらエステル化反応を行い、樹脂酸価が1.50mgKOH/g以下となったところで反応を停止させ、ポリエステルポリオール(A)を得た。ポリエステルポリオール(A)の数平均分子量(Mn)は7,000、重量平均分子量(Mw)は23,500、固形分水酸基価は22.4mgKOH/g、固形分酸価は1.26mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg)は2.1℃であった。ポリエステルポリオール(A)は酢酸エチルで希釈して用いた。
(ポリエステルポリオール(AH)の合成)
攪拌棒、温度センサー、精留管を有するフラスコに、セバシン酸310重量部、イソフタル酸420重量部、無水フタル酸212重量部、無水トリメリット酸11.1重量部、ネオペンチルグリコール610重量部及び有機チタン化合物0.7重量部を仕込み、撹拌しながら乾燥窒素をフラスコ内に流入させ、生成する水を留去しながら240℃まで昇温した。その後、真空度を30torrまで高めながらエステル化反応を行い、酸価が2.00mgKOH/g以下となったところで反応を停止し、ポリエステルポリオール(AH)を得た。ポリエステルポリオール(AH)の数平均分子量(Mn)は6,000、重量平均分子量(Mw)は17,000、固形分水酸基価は14.6mgKOH/g、固形分酸価は1.94mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg)は6.0℃であった。ポリエステルポリオール(AH)は酢酸エチルで希釈して用いた。
(ポリエステル(D1)の合成)
テレフタル酸697.2部、エチレングリコール72.9部、1,2-プロピレングリコール229.9部を用い、定法に従いポリエステルポリオールを得た。得られたポリエステルポリオールをメチルエチルケトンで樹脂固形分30%に希釈して、数平均分子量(Mn)が8,400、重量平均分子量(Mw)が61,300、樹脂水酸基価(固形分換算)が5.0mgKOH/g、樹脂酸価(固形分換算)が4.0mgKOH/g、ガラス転移温度が84℃のポリエステル(D1)を得た。
(ヒートシール剤の調製)
上記で合成したポリエステルポリオール(A)、エポキシ樹脂(B)、イソシアネート化合物(C)、ポリエステル(D1)を表1に示す割合で配合して実施例、比較例用のヒートシール剤を調製した。なお、表中における数値は全て固形分(または不揮発分)換算値である。表中における成分の詳細は以下の通りである。
エポキシ樹脂B-1:JER1001(三菱ケミカル社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量:450~500、軟化点:64℃、数平均分子量:900)
エポキシ樹脂B-2:JER1004(三菱ケミカル社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量:875~975、軟化点:97℃、数平均分子量:1650)
イソシアネート化合物(C):タケネートD-110N(三井武田ケミカル社製、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体)
<積層体の製造>
調製したヒートシール剤を、膜厚25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム( 東洋紡社製、E5102)に10g/mとなるように塗布し、溶剤を揮発させた後、60℃、3日間のエージングを行い実施例、比較例の積層体を得た。製造した積層体のヒートシール面に、膜厚25μmのポリエチレンテレフタレート(東洋紡社製、E5102)を重ね合わせ、加熱ローラーを用い、実施例1、2、比較例1、2については120℃、2.0MPa、15秒の条件でヒートシールし、テストピースを得た。実施例3については150℃、0.4MPa、30秒の条件でヒートシールしテストピースを得た。
<評価>
(ヒートシール強度)
サンプル幅を15mmとし、引張り速度300mm/minで180°ピール強度を測定し、結果を表1にまとめた。単位はN/15mmである。
(耐湿熱性)
テストピースを85℃の熱水中に500時間浸漬させた後、上記と同様にしてヒートシール強度を測定し、結果を表1にまとめた。
Figure 0007363865000001
1:電解質膜 2:アノード電極 3:カソード電極 4、4’:ガスケット 5、5’:ガス拡散層 6:アノード側 7:カソード側 8,8’:ガス流路 9、9’:冷却水流路 10、10’:セパレータ 11:固体高分子形燃料電池 12:膜電極接合体

Claims (12)

  1. 基材と、基材上に配置されたヒートシール層とを含み、
    前記ヒートシール層は、非晶性ポリエステルポリオール(A)と、エポキシ樹脂(B)と、イソシアネート化合物(C)とを含むヒートシール剤の反応生成物であり、
    前記非晶性ポリエステルポリオール(A)は多価カルボン酸と多価アルコールとの反応生成物であり、
    前記多価カルボン酸に占める芳香族多価カルボン酸の配合量が95質量%以上であり、
    前記非晶性ポリエステルポリオール(A)のガラス転移温度が-20℃以上40℃以下である積層体。
  2. 前記多価カルボン酸に占めるテレフタル酸の配合量が60質量%以下であり、前記多価カルボン酸に占めるイソフタル酸の配合量が40質量%以上である請求項1に記載の積層体。
  3. 前記多価アルコールが1,6-ヘキサンジオールを含み、前記多価アルコールに占める前記1,6-ヘキサンジオールの配合量が70質量%以上である請求項1または2のいずれか一項に記載の積層体。
  4. 前記ヒートシール剤の不揮発分に占める前記非晶性ポリエステルポリオール(A)の配合量が20質量%以上95質量%以下である請求項1~3のいずれか一項に記載の積層体。
  5. 前記エポキシ樹脂(B)の軟化点が60℃以上150℃以下である請求項1~4のいずれか一項に記載の積層体。
  6. 前記ヒートシール剤の不揮発分に占める前記エポキシ樹脂(B)の配合量が1質量以上30質量%以下である請求項1~5のいずれか一項に記載の積層体。
  7. 前記イソシアネート化合物(C)が芳香環を有するイソシアネート化合物である請求項1~6のいずれか一項に記載の積層体。
  8. 前記ヒートシール剤に含まれる水酸基の合計モル数[OH]と、前記イソシアネート化合物(C)が有するイソシアネート基の合計モル数[NCO]との比[NCO]/[OH]が0.4~4.0である請求項1~7のいずれか一項に記載の積層体。
  9. 前記基材がポリエチレンナフタレートである請求項1~8のいずれか一項に記載の積層体。
  10. 前記基材がポリイミドである請求項1~8のいずれか一項に記載の積層体。
  11. 請求項1~10のいずれか一項に記載の積層体からなる燃料電池用ガスケット。
  12. 請求項11に記載のガスケットを有する燃料電池。
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