JP7355365B2 - 密封装置 - Google Patents

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Description

本発明は、外側部材と、該外側部材に対して回転する内側部材との間の被シール空間を密封する密封装置に関する。
従来、外側部材と、該外側部材に対して回転する内側部材との間に装着され、内側部材に嵌合されるスリンガを有した第1部材と、第1部材に対向して配置され外側部材に嵌合される芯金を有した第2部材とを備えた密封装置としては、下記特許文献1及び特許文献2が挙げられる。特許文献1には、内側部材に嵌合されたスリンガの円環部の外面側に取り付けられた磁性ゴムと、外側部材に嵌合されたシール部材(芯金)のゴム部材との間に、半径方向隙間を軸方向外方へ半径方向外向きに傾斜させて形成したものが開示されている。また特許文献2には、芯金のスリンガと対向する端部を、スリンガ円板部の延出端と非接触に且つ径方向に対して一部オーバーラップさせるように延出端の方向へ突出させたものが開示されている。
特開2007-285499号公報 特開2009-168132号公報
ところでこのような密封装置は、泥水等のアタックを受けた場合に密封装置内への浸入を抑制するとともに、密封装置内に浸入してしまった泥水等を排出させやすい構造とすることが求められる。しかしながら、特許文献1に開示されているものの場合、半径方向隙間から直接泥水や異物が入ってしまう。また特許文献2に開示されているものの場合、一部オーバーラップした部分があるため、直接的な浸入は抑制できるが、密封装置内に浸入してしまった泥水等がスムーズに排出されにくい点が課題となる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、泥水等の浸入を防ぎ、且つ浸入してしまった泥水等が排出されやすい密封装置を提供することを目的としている。
本発明に係る密封装置は、外側部材と、該外側部材に対して軸回転する内側部材との間に装着され、前記内側部材に嵌合される第1部材と、該第1部材に対向して配置され前記外側部材に嵌合される第2部材とを備えた環状の密封装置において、前記第1部材は、前記内側部材の外周面に嵌合されるスリンガ嵌合円筒部と前記スリンガ嵌合円筒部の外方側の端部から径方向外方に延びるスリンガ円板部とを有したスリンガと、該スリンガ円板部の外方側の面を覆うように固着されるエンコーダ本体部と該エンコーダ本体部から径方向外方に延出して形成され、前記スリンガ円板部の外径側端部よりもさらに径方向外方に突出する突出部を有した磁気エンコーダとを含み、前記第2部材は、前記外側部材の内周面に嵌合される芯金嵌合円筒部と前記芯金嵌合円筒部の内方側の端部から径方向内方に延出する芯金円板部とを有した芯金と、前記芯金に固着され弾性体からなり前記芯金嵌合円筒部の内周を覆う内周覆い部を有したシールリップ部とを含み、前記内周覆い部の内周面と、前記磁気エンコーダの外径側の端部との間には、外方側の空間に通じる隙間を有したラビリンス部が設けられ、前記ラビリンス部は、最も外方側の空間側に設けられ径方向に隙間が形成された第1ラビリンスと、該第1ラビリンスに連続し且つ前記第1ラビリンスより隙間寸法が小さく形成されるとともに軸方向に隙間が形成された第2ラビリンスと、該第2ラビリンスに連続し径方向に隙間が形成された第3ラビリンスとを有し、該内周覆い部は、外方側の空間に向けて拡径するように軸方向に対して2°以上傾斜して設けられていることを特徴とする。
本発明に係る密封装置は、上述の構成としたことで、泥水等の浸入を防ぎ、且つ浸入してしまった泥水等が排出されやすい。
本発明に係る軸受密封装置が適用される軸受装置の一例を示す概略的縦断面図である。 図1のX部の拡大図であって、本発明に係る軸受密封装置の第1の実施形態を示す図であり、密封装置の概略的断面図である。 図1のX部の拡大図であって、本発明に係る軸受密封装置の第2の実施形態を示す図であり、密封装置の概略的断面図である。 図1のX部の拡大図であって、本発明に係る軸受密封装置の第3の実施形態を示す図であり、密封装置の概略的断面図である。
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、一部の図には、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
本発明に係る密封装置10は、外側部材2と、外側部材2に対して軸回転する内側部材5との間に装着され、内側部材5に嵌合される第1部材13と、第1部材13に対向して配置され外側部材2に嵌合される第2部材16とを備えた環状の密封装置に関する。第1部材13は、内側部材5の外周面に嵌合されるスリンガ嵌合円筒部140とスリンガ嵌合円筒部140の外方側の端部140aから径方向外方に延びるスリンガ円板部141とを有したスリンガ14と、スリンガ円板部141の外方側の面141bに固着されスリンガ円板部141の外径側端部141aよりもさらに径方向外方に突出する突出部151を有した磁気エンコーダ15とを含む。第2部材16は、外側部材2の内周面2bに嵌合される芯金嵌合円筒部170と芯金嵌合円筒部170の内方側の端部170aから径方向内方に延出する芯金円板部171とを有した芯金17と、芯金17に固着され弾性体からなり芯金嵌合円筒部170の内周170bを覆う内周覆い部184を有したシールリップ部18とを含む。内周覆い部184の内周面184aと、磁気エンコーダ15の外径側の端部151aとの間には、外方側の空間に通じる隙間を有したラビリンス部Rが設けられている。ラビリンス部Rは、最も外方側の空間側に設けられ径方向に隙間が形成された第1ラビリンスR1と、第1ラビリンスR1に連続し且つ第1ラビリンスR1より隙間寸法が小さく形成されるとともに軸方向に隙間が形成された第2ラビリンスR2と、第2ラビリンスR2に連続し径方向に隙間が形成された第3ラビリンスR3とを有する。内周覆い部184は、外方側の空間に向けて拡径するように軸方向に対して2°以上傾斜して設けられている。以下、詳述する。
<第1実施形態>
まずは第1実施形態について、図1、図2を参照しながら説明する。
図1は、自動車の車輪(不図示)を軸回転可能に支持する軸受ユニット1を示す。この軸受ユニット1は、大略的に、上述の外側部材に相当する外輪2と、上述の内側部材に相当する内輪5と、外輪2と内輪5との間に介装される2列の転動体(ボール)6…とを含んで構成される。内輪5は、ハブ輪3と内輪部材4とで回転部材として構成され、内輪部材4はハブ輪3の車体側に嵌合一体とされる。ハブ輪3にはドライブシャフト7が同軸的にスプライン嵌合され、ドライブシャフト7は等速ジョイント8を介して不図示の駆動源(駆動伝達部)に連結される。ドライブシャフト7はナット9によって、ハブ輪3と一体化され、ハブ輪3のドライブシャフト7からの脱落が防止されている。内輪5(ハブ輪3及び内輪部材4)は、外輪2に対して、軸L回りに回転可能な回転部材とされ、外輪2と、内輪5とにより、相対的に回転する2部材が構成され、環状の被シール空間Sが形成される。被シール空間S内には、2列の転動体6…が、リテーナ6aに保持された状態で、外輪2の軌道輪2a、ハブ輪3及び内輪部材4の軌道輪3a,4aを転動可能に介装されている。ハブ輪3は、円筒形状のハブ輪本体30と、ハブ輪本体30より立上基部31を介して径方向外方に延出するよう形成されたハブフランジ32とを有し、ハブフランジ32にボルト33及び不図示のナットによって車輪が取付固定される。以下において、軸L方向に沿って車輪に向く側(図1において左側)を車輪側、車体に向く側(図1において右側)を車体側と言う。
密封装置10は外輪2と内輪部材4との間(図1・X部)に装着され、密封装置11は外輪2とハブ輪3との間に装着される。そしてこれら密封装置10,11によって、被シール空間Sが密封され、被シール空間S内への泥水等の侵入や被シール空間S内に充填される潤滑剤(グリース等)の外部への漏出が防止される。
図2に示す第1実施形態に係る密封装置10には、車体側となる外輪2と内輪部材4との間の端部に装着されるパックシールタイプの密封装置10Aを示し、以下、説明する。
図2は、図1のX部を拡大した部分断面図である。密封装置10Aは、第1部材13と第2部材16とを備えている。第1部材13はスリンガ14と磁気エンコーダ15とを有している。スリンガ14は、SPCC又はSUS等の鋼板をプレス加工して形成され、図2に示すように、片側の断面が略L字形状の円筒形とされる。スリンガ14は、回転する内輪部材4の外周面4bに外嵌されるスリンガ嵌合円筒部140と、スリンガ嵌合円筒部140の外方側の端部140aから径方向外方に延びるスリンガ円板部141とを有している。スリンガ円板部141の外方側の面141bには、フェライト等の磁性粉末がゴム材により結合されてなる磁気エンコーダ15が加硫接着されている。図2のエンコーダ本体部150は、円環状のゴム磁石からなり、エンコーダ本体部150の周方向に多数のN極及びS極を着磁し、磁気エンコーダとされ、磁気センサ12と磁気エンコーダとにより、自動車の車輪の回転検出機構が構成される。また、磁気エンコーダ15がスリンガ円板部141の外径側端部141aよりも径方向外方に延びて形成されていることにより、磁気センサ12に対向する面の面積が大きく確保できるので、磁気センサ12はより磁気エンコーダ15の回転を検出しやすくなる。磁気エンコーダ15は、ゴムよりも硬く、スリンガ14を構成する鋼板よりも弾性を有する。磁気エンコーダ15は、スリンガ円板部141の外方側の面141bに覆うように固着されるエンコーダ本体部150と、スリンガ円板部141の外径側端部141aよりもさらに径方向外方に突出する突出部151と、スリンガ円板部141の外径側端部141aを覆う端部覆い部152とを有している。突出部151の外径側の角部は、傾斜した傾斜面151bを有している。端部覆い部152は、スリンガ円板部141の外径側端部141aに回り込み、スリンガ円板部141の内方側の面141cの外径側の一部を覆うように固着されている。これにより、磁気エンコーダ15は、より強固にスリンガ14に固着される。
第2部材16は、芯金17と、シールリップ部18とを有している。芯金17は、SPCC等の鋼板をプレス加工して形成され、図2に示すように片側の断面が略L字形状とされる。芯金17は、外輪2の内周面2bに嵌合される芯金嵌合円筒部170と、芯金嵌合円筒部170の内方側の端部170aから径方向内方に延出する芯金円板部171とを有している。シールリップ部18は、ゴム等の弾性材からなり、芯金17に対して加硫接着されることで一体成型されている。シールリップ部18は、シールリップ基部180と、シールリップ基部180から延出された2個のサイドリップ181,182及び1個のラジアルリップ183と、芯金嵌合円筒部170の内周170bを覆う内周覆い部184とを有している。サイドリップ181,182は、スリンガ円板部141の内方側の面141cに弾接し、ラジアルリップ183は、スリンガ嵌合円筒部140の外径側の面140bに弾接している。シールリップ基部180は、芯金17における芯金円板部171の内方側の面171aの一部から内周円縁部171bを回り込み、芯金円板部171の外方側の面171cの全面を覆うように芯金17に固着一体とされている。内周覆い部184は、芯金17の芯金嵌合円筒部170の内周170bを全面に亘って覆う。内周覆い部184は、外方側の空間に向けて拡径する空間を形成するように、軸方向に対して図2に示すθが2°以上傾斜して設けられている。また、内周覆い部184の外方側端部184bには、内周面184aを段差状の段差部184cが形成されている。段差部184cは、突出部151の径方向の面151cと対向する径方向の面184caと、突出部151の軸方向の面151dに対向する軸方向の面184cbとが形成されている。内周覆い部184は、外方側端部184bから、芯金嵌合円筒部170の外部側の端部170cを回り込んで芯金嵌合円筒部170の外径面170dに至るように芯金17に固着一体とされている。
内周覆い部184の芯金嵌合円筒部170の外径面170dに至る部分には、外径側に隆起する環状突部184dが形成され、この環状突部184dは、芯金17が外輪2に内嵌された際、外輪2の内周面2bと芯金嵌合円筒部170の外径面170dとの間に圧縮状態で介在するように形成されている。環状突部184dが、外輪2と芯金嵌合円筒部170との間で圧縮された状態で介在することにより、外輪2と芯金嵌合円筒部170との嵌合部位へ泥水等が浸入することを防止でき、発錆を防止する。なお、図中、環状突部184dの2点鎖線部は圧縮前の原形状を示している。
内周覆い部184の内周面184aと、磁気エンコーダ15の外径側の端部151aとの間には、外方側の空間に通じる隙間を有したラビリンス部Rが設けられている。ラビリンス部Rは、最も外方側の空間側に設けられ径方向に隙間が形成された第1ラビリンスR1と、第1ラビリンスR1に連続し且つ第1ラビリンスR1より隙間寸法が小さく形成されるとともに軸方向に隙間が形成された第2ラビリンスR2と、第2ラビリンスR2に連続し径方向に隙間が形成された第3ラビリンスR3とを有している。第1ラビリンスR1は、段差部184cの軸方向の面184cbと、突出部151の軸方向の面151dとの間に形成される隙間であり、第2ラビリンスR2は、段差部184cの径方向の面184caと、突出部151の径方向の面151cとの間に形成される隙間である。第3ラビリンスR3は、内周覆い部184の内周面184aと、端部覆い部152の外径側の面152aとの間に形成される隙間である。
以上の構成によれば、ラビリンス部Rは、第1ラビリンスR1、第2ラビリンスR2及び第3ラビリンスR3のそれぞれが、連続して連なった経路で構成されている。第1ラビリンスR1と第3ラビリンスR3とは径方向の隙間で構成され、第2ラビリンスR2は軸方向の隙間で構成されている。そのため、第1ラビリンスR1と第3ラビリンスR3とが直線的に連通して形成されず、ラビリンス部Rが全体として蛇行した経路を成すので、ラビリンス部Rが障壁となって密封装置10内に直接泥水等が浸入してしまうことを防止できる。また、第1ラビリンスR1の隙間の幅r1と第2ラビリンスR2の隙間の幅r2は、r1>r2の関係となっているので、ラビリンス部Rは、第1ラビリンスR1と第3ラビリンスR3とがより直線的に連通して形成されず、外方側の空間からの泥水等の浸入を抑制しやすくなる。なお、本実施形態では、第1,2,3ラビリンスR1,R2,R3の隙間の幅の関係は、r1,r3>r2となっている。
そして、内周覆い部184が、外方側の空間に向けて拡径するように軸方向に対して2°以上傾斜して設けられている。また、密封装置10A内には、シールリップ基部180の外方側の面180aと、内周覆い部184の内周面184aと、サイドリップ181の外径側の面181aとに囲まれたポケット形状の空間部100が形成されている。そのため、仮に泥水等が空間部100内に浸入してしまったとしても、泥水等は、鉛直方向下方側より内周覆い部184の内周面184aを伝ってラビリンス部Rに到達し、外方側の空間に向けて排出されやすくなっている。また、第3ラビリンスR3の隙間の幅r3と第2ラビリンスR2の隙間の幅r2は、r3>r2の関係となっているので、空間部100内に浸入してしまった泥水等がラビリンス部Rに戻りやすくなっており、泥水等がより外方側の空間に向けて排出されやすい構成となっている。なお、内周覆い部184の軸方向に対する傾斜が2°未満であると、空間部100内に侵入した泥水等の排出が外方側の空間に向けてスムーズに行われにくいため、内周覆い部184の軸方向に対する傾斜は2°以上が好ましい。
なお、上記第1実施形態では、第1,2,3ラビリンスR1,R2,R3の隙間の幅r1、r2、r3の関係は、r1,r3>r2となっているが、r1>r2の関係であれば、上記の実施形態に限定されることはない。例えば、第3ラビリンスR3の隙間の幅r3が、第2ラビリンスR2の隙間の幅r2より小さく形成されてもよく、第3ラビリンスR3の隙間の幅r3が第1ラビリンスR1の隙間の幅r1より大きく形成されてもよい。
<第2実施形態>
次に第2実施形態に係る密封装置として密封装置10Bについて、図3を参照して説明する。なお、第1実施形態と共通する部分には、可能な限り同一の符号を付し、その構成及び作用・効果等の説明は省略する。
図3の密封装置10Bは、図2の密封装置10Aに突出部151に端部覆い部152が形成されていない例を示している。密封装置10Bは、第1部材13と第2部材16とを備えている。第1部材13は、スリンガ14と磁気エンコーダ15とを有している。スリンガ14は、図3に示すように、片側の断面が略L字形状の円筒形とされ、スリンガ14は、スリンガ嵌合円筒部140と、スリンガ嵌合円筒部140の外方側の端部140aから径方向外方に延びるスリンガ円板部141とを有している。スリンガ円板部141の外方側の面141bには、磁気エンコーダ15が加硫接着されている。磁気エンコーダ15は、スリンガ円板部141の外方側の面141bを覆うエンコーダ本体部150と、スリンガ円板部141の外径側端部141aよりもさらに径方向外方に突出する突出部151とを有している。第2部材16は、芯金17とシールリップ部18とを有しており、芯金17、シールリップ部18は、図2の第1実施形態の芯金17、シールリップ部18と同様のものが使われる。
内周覆い部184が、外方側の空間に向けて拡径するように軸方向に対して2°以上傾斜して設けられている点、密封装置10B内には、シールリップ基部180の外方側の面180aと、内周覆い部184の内周面184aと、サイドリップ181の外径側の面181aとに囲まれたポケット形状の空間部100が形成されている点は第1実施形態の密封装置10Aと同様である。
また第2実施形態の第1ラビリンスR1も、段差部184cの軸方向の面184cbと、突出部151の軸方向の面151dとの間に形成される隙間であり、第2ラビリンスR2が、段差部184cの径方向の面184caと、突出部151の径方向の面151cとの間に形成される隙間であるのは第1実施形態と同様である。一方、第3ラビリンスR3は、突出部151に端部覆い部152が形成されていないため、内周覆い部184の内周面184aと、スリンガ円板部141の外径側端部141aとの間に形成される隙間である。それに伴い、スリンガ円板部141が図1の例と比べて外径側に若干延伸することで、第3ラビリンスR3の隙間の幅r3が、第1実施形態の第3ラビリンスR3の隙間の幅r3と略同寸法となっている。これにより、磁気エンコーダ15は、図2の例と比べて端部覆い部152が形成されていないシンプルな構成とすることができる。
なお、上記第2実施形態のラビリンス部Rの第1、2、3ラビリンスの隙間の幅r1、r2、r3は、第1実施形態のラビリンス部Rの第1、2、3ラビリンスの隙間の幅r1、r2、r3と略同寸法としているが、これに限定されることはない。
<第3実施形態>
次に第3実施形態に係る密封装置として密封装置10Cについて、図4を参照して説明する。なお、第1実施形態と共通する部分には、可能な限り同一の符号を付し、その構成及び作用・効果等の説明は省略する。
図4に示す密封装置10Cは、図2の密封装置10Aと比較して、第1部材13のスリンガ14と磁気エンコーダ15の構成が異なる。具体的にはスリンガ14が、図4に示すように、片側の断面が略U字形状の2重円筒形とされる点で異なり、スリンガ14は、回転する内輪部材4に外嵌されるスリンガ嵌合円筒部140と、スリンガ嵌合円筒部140の外方側の端部140aから径方向外方に延びるスリンガ円板部141と、外径側端部141aから軸方向に且つ外方側の空間とは反対側に延出して形成されたスリンガ外径円筒部142とを有している。スリンガ円板部141の外方側の面141bには、磁気エンコーダ15が加硫接着されている。磁気エンコーダ15は、スリンガ円板部141の外方側の面141bを覆うエンコーダ本体部150と、スリンガ円板部141の外径側端部141aよりもさらに径方向外方に突出する突出部151と、スリンガ外径円筒部142の外径側の面142aを覆う外径覆い部153と、外径覆い部153の内方側の端部153aから内径側へ延び、スリンガ外径円筒部142の内方側の端部142bを覆う端部覆い部154とを有している。突出部151の外径側の角部は、傾斜した傾斜面151bを有している。
第2部材16の構成は、第1実施形態の密封装置10Aの第2部材16の構成と同様とされ、芯金17とシールリップ部18とを備えている。芯金17とシールリップ部18は、第1実施形態と同様のものが適用可能とされる。
内周覆い部184の内周面184aと、磁気エンコーダ15の外径側の端部151aとの間には、外方側の空間に通じる隙間を有したラビリンス部Rが設けられている。ラビリンス部Rは、最も外方側の空間側に設けられ径方向に隙間が形成された第1ラビリンスR1と、第1ラビリンスR1に連続し且つ第1ラビリンスR1より隙間寸法が小さく形成されるとともに軸方向に隙間が形成された第2ラビリンスR2と、第2ラビリンスR2に連続し径方向に隙間が形成された第3ラビリンスR3と、第3ラビリンスR3に連続し軸方向に隙間が形成された第4ラビリンスR4とを有している。第1ラビリンスR1は、段差部184cの軸方向の面184cbと、突出部151の軸方向の面151dとの間に形成される隙間であり、第2ラビリンスR2は、段差部184cの径方向の面184caと、突出部151の径方向の面151cとの間に形成される隙間である。第3ラビリンスR3は、内周覆い部184の内周面184aと、外径覆い部153の外径側の面153bとの間に形成される隙間である。内周覆い部184は、外方側の空間に向けて拡径するように2°以上傾斜して設けられているので、第3ラビリンスR3は、内方側へ延びるにつれ、徐々に隙間の幅が小さくなっていく。そのため、第3ラビリンスR3の最も外方側の隙間の幅r3と、第3ラビリンスR3の最も内方側の隙間の幅r3’は、r3>r3’の関係となっている。第4ラビリンスR4は、シールリップ基部180の外方側の面180aと、端部覆い部154の内方側の面154aとの間に形成される隙間である。
以上の構成によれば、ラビリンス部Rは、第1ラビリンスR1、第2ラビリンスR2、第3ラビリンスR3及び第4ラビリンスR4のそれぞれが、連続して連なった経路で構成されている。第1ラビリンスR1と第3ラビリンスR3とが径方向の隙間で構成され、第2ラビリンスR2と第4ラビリンスR4とが軸方向の隙間で構成されている。さらに、第3ラビリンスR3が第1,2実施形態と比べて軸方向に延びて形成されている。そのため、第1ラビリンスR1と第3ラビリンスR3とが直線的に連通して形成されず、ラビリンス部Rが全体として蛇行した経路を成すので、ラビリンス部Rが障壁となって密封装置10内に直接泥水等が浸入してしまうことを防止できる。また、第1ラビリンスR1の隙間の幅r1と第2ラビリンスR2の隙間の幅r2は、r1>r2の関係となっているので、ラビリンス部Rは、第1ラビリンスR1と第3ラビリンスR3とがより直線的に連通して形成されにくくなっている。第3ラビリンスR3は、内方側に延出且つ幅方向の隙間が徐々に狭くなって形成され、さらに第4ラビリンスR4が形成されているので、泥水等がより、シールリップ基部180の外方側の面180aと、サイドリップ181の外径側の面181aと、スリンガ外径円筒部142の内径側の面142cに囲まれた空間部100内に到達しにくくなっている。
なお、上記第3実施形態は、磁気エンコーダ15に外径覆い部153、端部覆い部154が形成されない構成であってもよい。その場合、第1,2,3,4ラビリンスR1,R2,R3,R4の隙間の幅r1、r2、r3、r4の関係が変わらないように、スリンガ円板部141を外径側に延伸し、スリンガ外径円筒部142を内方側に延伸してもよい。また、スリンガ円板部141の外径側端部141aの外径側の面を覆い、スリンガ外径円筒部142の外径側の面142aと面一となる部材が磁気エンコーダ15から内方に突出して形成されてもよい。
上記各実施形態では、車体側の密封装置10に適用した例について述べたが、これに限らず、例えば、車輪側の密封装置11に適用してもよい。また第1部材13、第2部材16の形状・構成も図例のものに限定されず、シールリップ部18の構成も図例に限定されない。
10(10A,10B,10C) 密封装置
2 外輪部材
5 内輪部材
13 第1部材
14 スリンガ
140 スリンガ嵌合円筒部
140a 外方側の端部
141 スリンガ円板部
141a 外径側端部
141b 外方側の面
15 磁気エンコーダ
151 突出部
151a 外径側の端部
16 第2部材
17 芯金
170 芯金嵌合円筒部
170a 内方側の端部
170b 内周
171 芯金円板部
18 シールリップ部
184 内周覆い部
184a 内周面
R ラビリンス部
R1 第1ラビリンス
R2 第2ラビリンス
R3 第3ラビリンス

Claims (8)

  1. 外側部材と、該外側部材に対して軸回転する内側部材との間に装着され、前記内側部材に嵌合される第1部材と、該第1部材に対向して配置され前記外側部材に嵌合される第2部材とを備えた環状の密封装置において、
    前記第1部材は、前記内側部材の外周面に嵌合されるスリンガ嵌合円筒部と前記スリンガ嵌合円筒部の外方側の端部から径方向外方に延びるスリンガ円板部とを有したスリンガと、該スリンガ円板部の外方側の面を覆うように固着されるエンコーダ本体部と該エンコーダ本体部から径方向外方に延出して形成され、前記スリンガ円板部の外径側端部よりもさらに径方向外方に突出する突出部を有した磁気エンコーダとを含み、
    前記第2部材は、前記外側部材の内周面に嵌合される芯金嵌合円筒部と前記芯金嵌合円筒部の内方側の端部から径方向内方に延出する芯金円板部とを有した芯金と、前記芯金に固着され弾性体からなり前記芯金嵌合円筒部の内周を覆う内周覆い部を有したシールリップ部とを含み、
    前記内周覆い部の内周面と、前記磁気エンコーダの外径側の端部との間には、外方側の空間に通じる隙間を有したラビリンス部が設けられ、
    前記ラビリンス部は、最も外方側の空間側に設けられ径方向に隙間が形成された第1ラビリンスと、該第1ラビリンスに連続し且つ前記第1ラビリンスより隙間寸法が小さく形成されるとともに軸方向に隙間が形成された第2ラビリンスと、該第2ラビリンスに連続し径方向に隙間が形成された第3ラビリンスとを有し、
    該内周覆い部は、外方側の空間に向けて拡径するように軸方向に対して2°以上傾斜して設けられていることを特徴とする密封装置。
  2. 請求項1において、
    前記第1ラビリンス及び前記第2ラビリンスは、前記内周覆い部と、前記突出部とによって形成される隙間で構成されることを特徴とする密封装置。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記磁気エンコーダは、前記スリンガ円板部の前記外径側端部を覆う端部覆い部を有していることを特徴とする密封装置。
  4. 請求項1~請求項3のいずれか1項において、
    前記スリンガは、前記スリンガ円板部の前記外径側端部から軸方向に且つ前記外方側の空間とは反対側に延出して形成されたスリンガ外径円筒部を有していることを特徴とする密封装置。
  5. 請求項4において、
    前記磁気エンコーダは、前記スリンガ外径円筒部を覆う外径覆い部を有していることを特徴とする密封装置。
  6. 請求項1~請求項5のいずれか1項において、
    前記内周覆い部の外方側の空間側の端部には、段差状に形成された段差部が形成されており、
    前記第1ラビリンスは、前記段差部の径方向に向く面と、前記突出部の径方向に向く面との間に形成される隙間であり、
    前記第2ラビリンスは、前記段差部の軸方向に向く面と、前記突出部の軸方向に向く面との間に形成される隙間であることを特徴とする密封装置。
  7. 請求項1~請求項6のいずれか1項において、
    前記ラビリンス部は、前記第1ラビリンスと前記第3ラビリンスとが、直線的に連通して形成されないように設けられていることを特徴とする密封装置。
  8. 請求項1~請求項7のいずれか1項において、
    前記第1ラビリンスを構成する突出部の外径側の角部は、傾斜した傾斜面を有していることを特徴とする密封装置。
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