JP7352314B1 - 自立できるロッド装置 - Google Patents

自立できるロッド装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7352314B1
JP7352314B1 JP2022173028A JP2022173028A JP7352314B1 JP 7352314 B1 JP7352314 B1 JP 7352314B1 JP 2022173028 A JP2022173028 A JP 2022173028A JP 2022173028 A JP2022173028 A JP 2022173028A JP 7352314 B1 JP7352314 B1 JP 7352314B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rod
attitude
control unit
blower
posture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2022173028A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2024064440A (ja
Inventor
豊 合田
Original Assignee
株式会社空撮技研
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社空撮技研 filed Critical 株式会社空撮技研
Priority to JP2022173028A priority Critical patent/JP7352314B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7352314B1 publication Critical patent/JP7352314B1/ja
Publication of JP2024064440A publication Critical patent/JP2024064440A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Landscapes

  • Accessories Of Cameras (AREA)
  • Studio Devices (AREA)

Abstract

【課題】ロッド自体を自立させると共に、自立する姿勢を自由にコントロールして種々の用途に使用する。【解決手段】ロッド1と、ロッド1の上下の異なる位置に連結されて、ロッド1全体を自立姿勢に制御する複数の姿勢制御ユニット2とを備え、姿勢制御ユニット2は、ロッド1の上端部に連結される上端の姿勢制御ユニット2Aと、ロッド1の中間部に連結される中間の姿勢制御ユニット2Bとを備え、姿勢制御ユニット2が、ロッド1に連結されて、ロッド1の横方向に空気を強制送風する送風機5と、送風機の回転を制御する制御部6とを備え、姿勢制御ユニット2Bの制御部6が、目標姿勢からの偏差で送風機5の回転を制御する制御感度を調整するリモコンの感度調整部3または有線の感度調整部3を備える。【選択図】図1

Description

本発明は自立できるロッド装置に関する。
ロッドは種々の用途に使用できる。たとえば、ロッドの先端にカメラを固定して種々の撮影に使用できる。この用途のロッドは、高い位置にカメラを配置して高所からの撮影が可能となる。ロッドに代わって、ドローンなどの無人飛行体にカメラを搭載して高所からの撮影はできるが、ドローンは空中にホバリングして撮影するので、風などの影響を受け易く、長い時間、安定して撮影するのが難しいことがある。
先端にカメラを連結している分割ロッドの後端のグリップを撮影者が持って撮影する撮影ユニットは開発されている(特許文献1参照)。この撮影ユニットは、分割ロッドにプロペラを備える揚力装置を設けて、撮影者が軽い負担で思い通りの撮影ができる。
後端のグリップを握って操作する分割ロッドに揚力装置を連結している撮影装置は、撮影者の手にかかる分割ロッドと撮影部の重みを小さくして、撮影者はグリップを介して撮影部の位置をコントロールできる。しかしながら、この撮影装置は、撮影者が、グリップの向きで長い分割ロッドの姿勢を調整するので、グリップのわずかな変化で分割ロッド全体の姿勢が変化する。このため、分割ロッドを特定の姿勢で保持するのが難しい欠点がある。さらに撮影者がグリップを握って分割ロッドの姿勢を制御するので、長い時間一定の姿勢に保持し、あるいは特定の姿勢、たとえば分割ロッドを所定の傾斜角に保持して水平面内で回転し、あるいは先端を特定の軌跡に沿って移動させる等の制御が難しい。
本発明者は、以上の問題を解消することに加えて、さらに、ロッドに複数の姿勢制御ユニットを連結することで、より多用途に使用できるロッド装置を開発した(特許文献2参照)。
特開2017-40846号公報 特願2021-117301号
特許文献2のロッド装置は、ロッドに長手方向に離して複数の姿勢制御ユニットを連結している。このロッド装置は、各々の姿勢制御ユニットで連結部の姿勢を制御して、ロッド全体を自立姿勢に制御するが、ロッド全体を安定して目標姿勢に制御するのが難しい欠点がある。それは、風速や風向などの外的条件が変動する使用環境において、ロッド中間部のハンチングを防止しながら、速やかに目標姿勢に制御するのが難しいからである。
本発明は、さらに以上の欠点を解消することを目的として開発されたもので、本発明の一目的は、ロッド自体を自立させると共に、自立する姿勢を自由にコントロールして種々の用途に使用できる自立姿勢を制御できるロッド装置を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明のある実施の態様にかかる自立できるロッド装置は、ロッドと、ロッドの上下の異なる位置に連結されて、ロッド全体を自立姿勢に制御する複数の姿勢制御ユニットとを備えている。姿勢制御ユニットは、ロッドの上端部に連結される上端の姿勢制御ユニットと、ロッドの中間部に連結される中間の姿勢制御ユニットとを備え、姿勢制御ユニットが、ロッドに連結されて、ロッドの横方向に空気を強制送風する送風機と、送風機の回転を制御する制御部とを備え、中間の姿勢制御ユニットの制御部が、目標姿勢からの偏差で送風機の回転を制御する制御感度を調整する感度調整部を備える。送風機が空気を強制送風する「ロッドの横方向」とは、ロッドの横側に向けた方向を示すに過ぎず、これは水平方向に限定されず、送風する空気の反作用でロッドを横方向に移動できる範囲の方向が含まれる。
以上のロッド装置は、ロッド自体を自立させると共に、自立する姿勢を自由にコントロールして種々の用途に使用できる自立姿勢を制御できる特長がある。ロッド装置が、ロッドの上端側に加えて中間に姿勢制御ユニットを備え、複数の姿勢制御ユニットで長いロッドを安定して所定の姿勢に安定して自立できるからである。しかも中間の姿勢制御ユニットの制御部が感度調整部を備え、目標姿勢からの偏差で送風機の回転を制御する制御感度を調整することができるからである。
また、以上のロッド装置は、ロッドを長くしても安定して自立できる特長がある。とくに、以上のロッド装置は、風などの外的条件が変動する使用環境においても安定して自立させて、種々の用途に便利に使用できる特長がある。とくに、以上のロッド装置は、上端に加えてロッドの中間に姿勢制御ユニットを連結しているので、長いロッドを安定して垂直姿勢や所定の傾斜姿勢に安定して自立できる特長もある。さらに、以上のロッド装置は、材質や太さが異なるロッドを使用し、あるいは風速や風向等の外的条件がランダムに変動する使用環境においても、ロッドを垂直姿勢や傾斜姿勢に安定して自立できる特長がある。
ところで、ロッド装置は、ロッドの複数カ所に姿勢制御ユニットを連結して、自立用のステーを使用することなく、長いロッドを自立できる。このロッド装置は、ロッドの複数カ所に同一の姿勢制御ユニットを連結して、ロッドを自立できるが、長いロッドの全体を安定して自立姿勢に制御するのは難しい。それは、ロッドが長くなるにしたがって、上端と中間の姿勢制御ユニットがバランスよく協働して自立姿勢に制御できなくなって、制御の相補性が低下するからである。とくに、ステーのない長いロッドは、風速や風向などの外的条件がランダムに変動する環境で使用され、さらに上端部に連結されるカメラなどの重量も変化し、さらにまたロッドの局所的な偏位がロッドの長さや曲げ強度などで変動することから、色々の使用環境において安定して自立姿勢に維持するのが極めて難しい。
以上のロッド装置は、ロッドを自立姿勢に制御するタイミングにおいて、ロッドの状態を観察しながら中間の姿勢制御ユニットの制御感度を変更できるので、風などの外的条件が変動する色々の使用環境によって、さらに外的条件に対するロッドのずれをも観察しながら、ロッド全体を安定して自立姿勢に維持できる特長がある。
さらに、以上のロッド装置は、先端にカメラなどの撮影器を連結するロッドを、傾斜角度が時間と共に変化する自立姿勢にコントロールできる特長がある。たとえば日の出を、太陽の昇り初めから完全に上がるまでの所定の時間に連続して撮影するときに、カメラの撮影位置を次第に移動させて、上上がる太陽と風景を、時間が経過するに従って撮影位置を変更することで、変化する景色の中で太陽が昇る状態を撮影できる。この撮影方法は従来の装置で実現できるが、従来の装置は地面にレールを設置し、このレールに連結している走行台にカメラを乗せて走行台を移動させて、変化する風景を撮影しているが、この撮影方法ではレールを地面に安定に固定する必要があって設置に手間がかかり、さらに、地面からの撮影に特定されるので、撮影に最適な高さにカメラを配置できず、最適なアングルでの撮影が難しいことがある。これに対して、以上のロッド装置は、地面などの上にロッドを載せて設置できるので、極めて簡単に設置でき、しかも特定の傾斜姿勢に自立できるので、水平面内のX軸方向、Y軸方向、上下方向と立体的に最適位置に配置して、より最適なアングルで撮影できる特長がある。
ロッド装置は、カメラなどの撮影機のみでなく、先端に発光ダイオードなどの光源を固定して、先端を円形、ハート形に沿う軌跡に移動して、夜空に円形やハート形の光の軌跡を投影するなどの用途にも使用でき、また旗、幟、鯉のぼり等を連結して、ロッドを傾動させて、これらを風になびく状態とすることもできる。
本発明の他の実施態様に係る自立できるロッド装置は、中間の姿勢制御ユニットの制御部が、送風機を制御する制御回路と、制御回路の制御感度を調整する感度調整部とを備える。以上のロッド装置は、中間の姿勢制御ユニットの感度を調整してロッドを安定的に自立させるが、上端の姿勢制御ユニットの感度を調整してロッドを安定的に自立させることもできる。それは上端の姿勢制御ユニットと中間の姿勢制御ユニットとの感度の相対値を調整してロッドを安定的に自立できるからである。
本発明の他の実施態様に係る自立できるロッド装置は、ロッドが脱着自在に連結されてなる複数の分割ロッドを備え、分割ロッドの連結部に中間の姿勢制御ユニットを連結できる。以上のロッド装置は、脱着自在に連結される複数の分割ロッドでロッドの長さを調整できる特長がある。以上のロッド装置は、風などの影響を受けやすい分割ロッドの連結部に、中間の姿勢制御ユニットを連結することで、長いロッドを安定して垂直姿勢や所定の傾斜姿勢に自立できる特長がある。また、材質や太さが異なるロッドを使用した場合も同様に、長いロッドを安定して垂直姿勢や所定の傾斜姿勢に自立できる特長がある。なお、分割ロッドの連結部とは、複数の分割ロッドがソケットなど連結具を介して連結される部分を含む範囲及び連結される部分の付近を含むものとする。
本発明の他の実施態様に係る自立できるロッド装置は、ロッドが脱着自在に連結されてなる複数の分割ロッドを備え、分割ロッドの中間部に中間の姿勢制御ユニットを連結できる。以上のロッド装置は、脱着自在に連結される複数の分割ロッドでロッドの長さを調整できる特長がある。以上のロッド装置は、分割ロッドの連結部の位置に限定されず、中間の姿勢制御ユニットをロッドの長さ、直径などに応じた適切な位置に配置して、長いロッドを安定して垂直姿勢や所定の傾斜姿勢に自立できる特長がある。また、材質や太さが異なるロッドを使用した場合も同様に、長いロッドを安定して垂直姿勢や所定の傾斜姿勢に自立できる特長がある。なお、分割ロッドの中間部とは、分割ロッドの端部以外の部分を示す。
本発明の他の実施態様に係る自立できるロッド装置は、姿勢制御ユニットを介してロッドの自立姿勢をコントロールするコントローラを備える。以上のロッド装置は、コントローラを介して、ロッド自体を自立させると共に、自立する姿勢を自由に制御、コントロールして種々の用途に使用できる特長がある。
本発明の他の実施態様に係る自立できるロッド装置は、姿勢制御ユニットを介してロッドの自立姿勢をコントロールする無線式のコントローラ又は有線式のコントローラを備える。以上のロッド装置は、無線式のコントローラ又は有線式のコントローラを介して、ロッド自体を自立させると共に、自立する姿勢を自由に制御、コントロールして種々の用途に使用できる特長がある。
本発明の一実施形態に係るロッド装置の概略斜視図である。 本発明の一実施形態に係るロッド装置の姿勢制御ユニットの水平断面図である。 本発明の一実施形態に係るロッド装置の上端の姿勢制御ユニットの概略ブロック図である。 本発明の一実施形態にかかるロッド装置の中間の姿勢制御ユニットの概略ブロック図である。 図1に示すロッド装置の姿勢制御ユニットがロッドの傾斜を補正する原理図である。 複数の分割ロッドをソケットで連結する一例を示す拡大断面図である。 姿勢制御ユニットの他の一例を示す斜視図である。 姿勢制御ユニットの他の一例を示す水平断面図である。 姿勢制御ユニットの他の一例を示す概略斜視図である。 図9に示す姿勢制御ユニットの概略平面図である。 全ての送風機を同一平面に配置する姿勢制御ユニットの概略平面図である。 自立姿勢に制御されるロッド装置の上端がオーバーシュートしてハンチングする状態を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係るロッド装置の使用例を示す概略図である。 本発明の一実施形態に係るロッド装置の他の使用例を示す概略斜視図である。 本発明の他の実施形態に係るロッド装置の送風機の概略斜視図である。 本発明の他の実施形態に係るロッド装置の送風機の概略垂直断面図である。 本発明の他の実施形態に係るロッド装置の送風機の概略水平断面図である。
以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一もしくは同等の部分又は部材を示す。さらに以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するためのロッド装置を例示するものであって、本発明はロッド装置を以下に限定するものではない。また、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また、一の実施の形態、実施例において説明する内容は、他の実施の形態、実施例にも適用可能である。また、図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張していることがある。
(実施形態1)
本発明の実施形態1に係るロッド装置100を図1~図4に示す。図1はロッド装置100の概略斜視図を、図2は図1に示すロッド装置100の姿勢制御ユニット2の水平断面図を、図3はロッド装置100の上端の姿勢制御ユニット2Aの概略ブロック図を、図4はロッド装置100の中間の姿勢制御ユニット2Bの概略ブロック図を、図5は姿勢制御ユニット2がロッドの傾斜を補正する原理図をそれぞれ示している。図1のロッド装置100は、地面などの種々の物(設置面)の上に載せて自立するロッド1と、ロッド1を自立させる姿勢を目標姿勢として特定し、ロッド1全体を自立姿勢に制御する姿勢制御ユニット2とを備える。
(ロッド装置100)
図1のロッド装置100は、ロッド1と、ロッド1を自立姿勢に制御する複数の姿勢制御ユニット2とを備える。図のロッド装置100は、ロッド1の自立姿勢をコントロールするコントローラ4を備える。コントローラ4は、姿勢制御ユニット2に信号を出力してロッドの自立姿勢をコントロールする。コントローラ4は、ロッド1を自立させる姿勢を特定する入力部41と、入力部41から入力された自立姿勢を姿勢信号として姿勢制御ユニット2に出力する出力部42とを備える(図3、図4)。コントローラ4を備えるロッド装置100は、コントローラ4を介してロッド1の自立姿勢をコントロールでき、ロッド1の自立姿勢を垂直姿勢のみでなく傾斜姿勢に自立でき、また自立姿勢を変更微調整できる。ただし、本発明のロッド装置100は、必ずしもロッド1の自立姿勢を制御するコントローラ4を必要はとしない。それは、ロッドの自立姿勢を変更する必要のないロッド装置は、ロッドを垂直姿勢や特定の傾斜姿勢に自立させて使用できるからである。
(ロッド1)
ロッド1は、自立できる強度のパイプが使用できる。パイプには、たとえばプラスチックパイプや金属パイプが使用できるが、好ましくはカーボン繊維やガラス繊維などの繊維強化プラスチックパイプが適している。ロッド装置100は、図1に示すように、ロッド1の上端部に上端の姿勢制御ユニット2Aを連結して、ロッド1の中間部には中間の姿勢制御ユニット2Bを連結している。ロッド1の中間部に中間の姿勢制御ユニット2Bを連結しているロッド装置100は、各々の姿勢制御ユニット2が個別の自立姿勢に制御して、ロッド1全体の自立姿勢を制御する。可撓性のロッド1に複数の姿勢制御ユニット2を設けているロッド装置100は、中間に障害物がある使用環境において、障害物を避ける形状にロッド1を湾曲して自立姿勢に制御して、種々の用途に便利に使用できる。
ロッド1の全長は、用途を考慮して最適値に設定されるが、例えば3m以上、好ましくは5m以上、さらに好ましくは10m以上として用途に最適な長さとする。長いロッド1は、図6に示すように、複数の分割ロッド11をソケット12で脱着自在に連結して長くできる。ただ、長いロッドは、図示しないが、複数の分割ロッドの一部または全部を伸縮できるように連結することもできる。ただし、複数の分割ロッドを伸縮自在に連結するロッドは、伸ばした状態で収縮しないように固定して、軸方向の荷重に耐える構造とする。このことを実現するために、伸縮自在な分割ロッドは、所定の長さで固定状態に保持する固定機構を設けている。固定機構は、構造を特定するものではなく、たとえば、伸長状態で分割ロッドの連結部において、内側の分割ロッドと外側の分割ロッドの両方に直径方向に貫通する止めピンを挿通するロック機構、あるいは筒状の分割ロッドの連結部をテーパー状として、伸長した状態で、内側の分割ロッドの外面を外側の分割ロッドの内面に加圧状態で密着させて、内側と外側の分割ロッド同士の摩擦抵抗で固定する機構などとすることができる。
ロッド装置100は、複数本の分割ロッド11をソケット12を介して脱着自在に連結して、ロッド1の全長を長くできる。図1に示すロッド装置100は、2本の分割ロッド11をソケット12を介して連結している。ただし、ロッド1は、3本以上の分割ロッド11を連結して全長を長くすることもできる。複数の分割ロッド11を連結するロッド1は、連結する分割ロッド11の数を多くして長くできるので、全長を例えば5m以上、好ましくは10m以上、さらに好ましくは20m以上とすることができる。分割ロッド11は、同一または異なる長さや太さ、厚み、材質などのものを使用できる。例えば、上側の分割ロッド11が下側より細い、薄い、軽い材質などとして軽量化できる。また、強度の必要な部分に他の部分よりも硬質の材質、太さ、厚みのあるものにできる。さらに、分割ロッド11は、ロッド1の全長及び分割ロッド11の長さの他に、用途や自立姿勢(傾斜姿勢か垂直姿勢)、上端部の機材の重量などに応じた適切なものとする。
図1のロッド1は、上端にハンチング抑制用の重錘16を連結している。重錘16は、ロッド1の上端に直接連結できるが、図1のロッド1は垂直ロッド17を介して重錘16をロッド1の上端に連結している。垂直ロッド17は、ロッド1の上端に、ロッド1の長手方向に伸びる姿勢で脱着部18を介して連結される。垂直ロッド17を長くして重錘16による慣性モーメントを大きくして、ハンチングによる揺動をより小さくできる。
図1に示すロッド1は、下端にクッション材19を連結している。クッション材19はロッド1の下端が設置面でスリップ、滑ってロッド1が倒れること防止できるものであれば足り、形状、サイズ、材質などを特定するものではない。例えば、クッション材19は上面に凹部を設けて、この凹部にロッド1の下端を案内して接合できる。ただ、クッション材は、図示しないが、筒状のロッドの下端の開口部に挿入する挿入部を上部に設けると共に、下部にはロッドの下端開口縁に当接するフランジ部を設ける構造とすることもできる。このクッション材は、挿入部をロッドの下端から開口部に挿入して定位置に連結される。クッション材19は、プラスチック発泡体やゴム状弾性体が適している。プラスチック発泡体のクッション材19は、例えば連続気泡や独立気泡を有するウレタン発泡体が使用できるが、他のプラスチック発泡体も使用できる。クッション材19は、ロッド1の自重で弾性変形する硬さで、地面や尖った突出部等の上にロッド1を載せて、それ自体がロッド1で圧縮されて、スリップすることなく安定に種々の物の上に載せることができる。
(コントローラ4)
コントローラ4は、ロッド1を自立させる姿勢を目標姿勢として入力する姿勢の入力部41と、姿勢の入力部41から入力された目標姿勢を姿勢信号として出力する出力部42とを備える。出力部42は、好ましくは送信器42Aであって、姿勢信号を無線伝送して、ロッド1を目標姿勢にコントロールする。無線伝送する出力部42は、姿勢の入力部41から入力される信号で搬送波を変調して目標姿勢を特定する姿勢信号とし、姿勢信号を電力増幅して出力する。目標姿勢を無線で姿勢制御ユニット2に伝送してロッド1を目標姿勢に自立できる無線式のコントローラ4を備えるロッド装置100は、離れた位置からロッド1を自立させる姿勢をコントロールできるので便利に使用できる。ただし、ロッド装置100は、必ずしもロッド1を自立させる姿勢を無線式のコントローラ4からロッド1に無線伝送することなく、有線26(有線式)のコントローラ4からロッド1に伝送することもできる。
姿勢の入力部41は、ロッド1の傾斜方向と傾斜角度を入力できる全ての機構、例えばX軸方向とY軸方向に傾斜するスティック、X軸方向とY軸方向に伸びる十字状の押ボタンスイッチ、あるいはキーボードなどが使用できる。スティックの姿勢の入力部41は、操作しない状態でスティックを垂直姿勢に復帰させるバネ構造(図示せず)を備えており、X軸方向の傾斜角で電気抵抗が変化する可変抵抗器と、Y軸方向の傾斜角で電気抵抗が変化する可変抵抗器からなるポテンションメーターを備えている。この姿勢の入力部41は、スティックのX軸方向の傾斜角を一方のポテンションメーターで検出して、Y軸方向の傾斜角を他方のポテンションメーターで検出し、ポテンションメーターの電気抵抗でスティックの傾斜角を検出する。
スティックの傾斜角は電気抵抗で特定できるので、姿勢の入力部41はスティックにポテンションメーターを連結している。姿勢の入力部41は、スティックのX軸方向の傾斜を検出するX軸用のポテンションメーターと、Y軸方向の傾斜を検出するY軸用のポテンションメーターを備える。
出力部42は、X軸用のポテンションメーターとY軸用のポテンションメーターの電気抵抗を電圧信号に変換し、この電圧信号で搬送波を変調して、目標姿勢を特定する姿勢信号として出力する。出力部42は、好ましくはX軸とY軸のポテンションメーターの電気抵抗から変換された電圧信号で、パルス幅を変調するPWM信号として出力する。目標姿勢を特定する信号で変調したPWMの出力信号は、スティックのX軸方向の傾斜角を特定するパルス信号と、Y軸方向の傾斜角を特定するパルス信号を一定の周期で時系列に出力する。
十字状の押ボタンスイッチの入力部は、X軸方向とY軸方向に伸びる十字状の端部に押されてオン信号を出力する4個のスイッチを配置している。4個のスイッチはノーマルオフのスイッチで、X軸方向に伸びる両端部に配置される2個のスイッチは、X軸方向の傾斜角を特定し、Y軸方向に伸びる両端部に配置させる2個のスイッチはY軸方向の傾斜角を特定する。例えば、ロッドを右側に傾斜するには、X軸方向に伸びる右端部を押して、ここに配置しているスイッチをオン状態とし、ロッドを左側に傾斜するには、X軸方向に伸びる左端部を押して、ここに配置しているスイッチをオン状態とする。出力部は、各々のスイッチから入力されるオン信号から、ロッドを自立させる姿勢信号を演算し、姿勢信号で搬送波を変調して出力する。
キーボードの入力部は、十字状の押ボタンスイッチと同様に、X軸方向とY軸方向に配置している4組のスイッチでロッドの自立姿勢を制御できる。押ボタンスイッチと同じように、4個のスイッチのオン信号でロッドの自立姿勢を特定する。出力部は、キーボードから入力されるオン信号を演算してロッドを自立させる姿勢信号を演算し、姿勢信号で搬送波を変調して送信する。
(姿勢制御ユニット2)
姿勢制御ユニット2は、ロッド全体を自立姿勢に制御する機構である。姿勢制御ユニット2は、ロッド1の上端部に連結している上端の姿勢制御ユニット2Aと、ロッド1の中間部に連結している中間の姿勢制御ユニット2Bとからなり、各々の姿勢制御ユニット2でロッド1全体を目標姿勢に制御する。姿勢制御ユニット2は、ロッド1の横方向に空気を強制送風する送風機5と、送風機5の回転を制御して、ロッド1を目標姿勢で自立させる制御部6を備える。コントローラ4でロッド1の自立姿勢を目標姿勢にできるロッド装置100は、コントローラ4の姿勢の入力部41でロッド1の自立を姿勢させる目標姿勢として入力し、入力される姿勢信号で、各々の姿勢制御ユニット2の制御部6が送風機5の回転を制御して、ロッド1を姿勢の入力部41から入力される自立姿勢に制御して、ロッド1の自立姿勢を姿勢の入力部41から入力される自立姿勢に保持する。姿勢制御ユニット2の制御部6は、コントローラ4から伝送される姿勢信号を受信部7で受信し、受信する姿勢信号で送風機5を制御してロッド1を自立姿勢に制御する。コントローラを装備しないロッド装置の姿勢制御ユニットは、予め設定した自立姿勢、たとえばロッドを垂直姿勢に制御する。
ロッド装置100は、中間の姿勢制御ユニット2Bをロッド1の適切な位置に配置する。複数の分割ロッド11が連結されてなるロッド1の場合、中間の姿勢制御ユニット2Bは分割ロッド11の連結部または分割ロッド11の中間部に配置できる。図1のロッド装置100は、複数の分割ロッド11を連結するソケット12には中間の姿勢制御ユニット2Bを設けることなく、上下の分割ロッド11を連結する構造とするが、図6に示すように、上下の分割ロッド11を連結するソケット12に、連結アーム15を介して送風機5を備える中間の姿勢制御ユニット2Bを配置することもできる。さらに、3本以上の分割ロッドをソケットを介して連結するロッド装置においては、中間の姿勢制御ユニットを効率的に姿勢制御できる適切な位置に配置する。例えば、下部に配置された分割ロッドを連結するソケットには中間の姿勢制御ユニットを設けることなく、ロッドの全長の中間から上部において、上下の分割ロッドを連結するソケットには、連結アームを介して送風機を備える中間の姿勢制御ユニットを連結することもできる。このように、複数の分割ロッド11を連結してロッド1全体の高さを高くするロッド装置100は、上端の姿勢制御ユニット2Aと中間の姿勢制御ユニット2Bとで、ロッド1全体を目標姿勢に制御できる。
以上のロッド装置100は、ロッド1を挿通する筒状のソケット12を介して姿勢制御ユニット2をロッド1に連結しているが、上下の姿勢制御ユニット2は、図7の斜視図に示すように、ロッド1に沿って上下に伸びるケース23を設けて、このケース23をクランプ22でロッド1に脱着自在に連結することもできる。ケース23には制御部(図示せず)を内蔵して、上下の端部には送風機5を連結している。この構造は、ケース23をロッド1に沿わせる姿勢として、クランプ22でロッド1に連結できる。この構造の姿勢制御ユニットは、分割ロッド11の連結部に限らず、ロッド1のいずれの位置にも連結できる。したがって、この姿勢制御ユニット2は、分割ロッド11を連結しながらケース23を脱着できる特長がある。クランプ22は、ロッド1を緊締して脱着自在に連結できる全ての市販品、たとえば、自転車のフレームやハンドルバーに部品を脱着自在に連結するクランプなどが使用できる。クランプ22を介してロッド1に脱着自在に連結できる姿勢制御ユニット2は、送風機5の通風カバー24の上下に、ロッド1を通過できる貫通スペース25を設けている。この姿勢制御ユニット2は、貫通スペース25にロッド1を挿通して、ケース23をクランプ22でロッド1に脱着できる。
通風カバー24は、送風機5の送風を阻害することなく、回転する送風機5を覆い安全性を確保できる形状、構造とする。通風カバー24は、複数のリング24aと、複数のリング24a同士及びリング24aとロッド1を連結する連結部材24b、24cとを備える。図7の通風カバー24は、複数の八角形のリング24aが連結部材24bを介して平行姿勢に連結され、また上端及び下端の八角形のリング24aが連結部材24cを介してロッド1に連結される。リング24aは、プロペラ13の外側に配置される。ただし、通風カバーは、この形状、構造に特定されることなく、例えば、リングは図示する八角形以外の多角形、例えば六角形などにでき、また円形、直線部分のある整形または不整形などにできる。多角形のリング24aを有する通風カバー24は、直線部分を線材で構成して低コスト化でき、また線材の連結部で効率よく強度向上できる点で好ましい。また、多角形のリング24aの通風カバー24は、転動することなく静置でき、ロッド1を倒して貫通スペース25への挿通、クランプ22の脱着を容易に短時間で行うことができるメリットがある。
図3は上端の姿勢制御ユニット2A及びコントローラ4のブロック図を示し、図4は中間の姿勢制御ユニット2B及びコントローラ4のブロック図を示している。図3と図4の姿勢制御ユニット2の制御部6は、コントローラ4の信号を受信する受信部7と、ロッド1の姿勢を検出する姿勢検出部8と、姿勢検出部8で検出する検出姿勢を受信部7が受信する姿勢信号で特定される目標姿勢に比較して、検出姿勢の自立姿勢からの偏差を検出し、検出する偏差で送風機5の回転を制御する制御回路9とを備える。図4に示す中間の姿勢制御ユニット2Bは、制御部6に、目標姿勢からの偏差で送風機5の回転を制御する制御感度を調整する感度調整部3を設け、この感度調整部3を制御する感度の入力部31をコントローラ4に設けている。ただし、図示しないが、上端及び中間の姿勢制御ユニットの双方に感度調整部を設けて、中間の姿勢制御ユニットの制御感度を低くし、または/及び上端の姿勢制御ユニットの制御感度を高くするなど、上端及び中間の姿勢制御ユニットの制御回路の制御感度を相対的に調整することもできる。
(受信部7)
受信部7は、出力部42が送信する姿勢信号を受信して、ロッド1を自立させる自立姿勢を検出する。姿勢検出部8は、ロッド1自体の姿勢を検出する。制御回路9は、受信部7で受信する自立姿勢から得られる自立姿勢を目標姿勢として、ロッド1を目標姿勢となるように送風機5を制御する。
(姿勢検出部8)
姿勢検出部8は、ロッド1に固定している部位の傾斜方向と傾斜角を検出する。姿勢検出部8は、X軸方向とY軸方向の傾斜角を検出する傾斜センサを備える。姿勢検出部8は、加速度センサを備えることもできる。加速度センサは、X軸方向とY軸方向の加速度を検出し、検出する加速度から傾斜方向と傾斜角を演算する。加速度センサが検出する加速度は、時間で積分して移動速度を、さらに移動速度を時間で積分して変位量を演算し、変位量からロッド1の傾斜方向と傾斜角を演算できる。さらに、姿勢検出部8は、GPSセンサを設けることもできる。GPSセンサは、基準位置からの変位を検出して、ロッド1の傾斜方向と傾斜角を検出できる。したがって、姿勢検出部8は、好ましくは、傾動センサ、加速度センサ、GPSセンサの検出値を演算して、全てのセンサの検出値からロッド1の傾斜方向と傾斜角を演算することで、より高い精度でロッド1の傾斜方向と傾斜を検出できる。ただ、姿勢検出部8は、何れか一組のセンサの検出値でロッド1の傾斜角と傾斜方向を演算することもできる。
傾斜センサは、ロッド1の上部に連結される姿勢制御ユニット2に設けられるので、ロッド1の上部に配置される。ロッド1は水平面内においてX軸方向とY軸方向の両方に傾斜するので、互いに直交するX軸方向とY軸方向の両方の傾斜角を検出して、ロッド1の傾斜方向と傾斜角を検出できる。したがって、傾斜センサは、X軸方向の傾斜角を検出するX軸傾斜センサと、Y軸方向の傾斜角を検出するY軸傾斜センサとを備える。X軸傾斜センサとY軸傾斜センサは、互いに直交する方向の傾斜角を検出する。X軸傾斜センサとY軸傾斜センサで検出される傾斜角から、傾斜方向と傾斜角を演算する。
加速度センサは、連結している位置において、ロッド1の横方向、すなわちロッド1の軸方向に直交する方向の加速度を検出して、ロッド1の傾斜角と傾斜方向とを検出する。加速度センサは、加速度の方向と大きさから、傾斜の傾斜角と傾斜方向とを演算する。加速度センサは、ロッド1に固定される位置の傾斜角と傾斜方向を検出する。ロッド1は水平面内においてX軸方向とY軸方向の両方に加速されるので、互いに直交するX軸方向とY軸方向の両方の加速度を検出して、ロッド1の傾斜角と傾斜方向とを検出する。したがって、加速度センサは、X軸方向の加速度を検出するX軸加速度センサと、Y軸方向の加速度を検出するY軸加速度センサとを備える。X軸加速度センサとY軸加速度センサは互いに直交する方向の加速度を検出する。X軸加速度センサとY軸加速度センサで検出される加速度から、ロッド1の横方向における加速度を演算する。加速度センサを連結している部分におけるロッド1の加速度は、ロッド1の傾斜に比例して大きくなるので、X軸加速度センサとY軸加速度センサとでX軸方向及びY軸方向の加速度を検出して、ロッド1の横方向における傾斜角と傾斜方向とを演算する。
GPSセンサは、複数のGPS衛星からの電波を受信して位置、すなわち緯度と経度とを演算して地図上の位置を検出する。GPSセンサは、基準位置に対する相対位置を検出して、ロッド1の傾斜角と傾斜方向を検出する。GPSセンサは、ロッド1に連結している位置を基準位置として、この基準位置からのズレを相対位置として検出して、ロッド1の傾斜角と傾斜方向とを検出する。ロッド装置100において、基準位置はロッド1の下端にGPSセンサを配置して検出できるので、ロッド1に連結するGPSセンサをロッド1の下端、あるいはロッド1を立てる位置に配置して検出できる。相対位置は、ロッド1の上端や中間部にGPSセンサを連結して連結位置の位置を検出し、この連結位置と基準位置との差から検出される。ロッド1に連結されるGPSセンサは、ロッド1に傾斜が発生すると連結位置が変化するので、基準位置からのズレ、すなわち相対位置として連結位置の傾斜を検出する。
(送風機5)
送風機5は送風する空気の反作用でロッド1を横方向に移動させる機構である。図1及び図2などの送風機5は、モータ14でプロペラ13を回転して空気を送風する。送風機5は、モータ14の回転数やプロペラ13のピッチで風速を調整して、空気の反作用を調整して、ロッド1を自立姿勢に制御する。送風される空気の運動のエネルギーは、速度の二乗と空気の質量の積に比例して大きくなる。風速が2倍になると、空気の速度が2倍、単位時間に送風される空気量、すなわち質量は2倍になる。したがって、単位時間に送風される空気の運動のエネルギーは8倍に増加する。送風機5は、送風する空気に運動のエネルギーを与える反作用でロッド1を横方向に移動させるので、プロペラ13で強制送風する風速を速くして空気の反作用でロッド1を横方向に移動させる修正力をコントロールできる。
プロペラ13が強制送風する風速は、モータ14の回転を速くし、あるいはプロペラ13のピッチを大きくして速くできる。したがって、送風機5はモータ14の回転数を調整し、あるいはプロペラ13のピッチを調整して、風速、すなわちロッド1を横方向に移動する修正力をコントロールする。モータ14の回転数で風速を調整する送風機5は、固定ピッチのプロペラ13を回転して風速を調整する。プロペラ13のピッチで風速を調整する送風機5は、プロペラ13のピッチで風速を調整できるので、定回転のモータ14を使用して風速を調整することができる。ただ、可変ピッチのプロペラを備える送風機は、モータ14の回転数とプロペラ13のピッチの両方を調整して風速をコントロールすることもできる。
固定ピッチのプロペラ13を逆転しないモータ14で回転する送風機5は、風速を調整できるが、空気の送風方向を反転できない。この姿勢制御ユニット2は、図2に示すように、互いに反対方向に空気を送風する一対の送風機5からなる対向送風機10を備える。対向送風機10は、片方の送風機5のモータ14の回転数を他方の送風機5のモータ14の回転数よりも速くし、あるいは片方の送風機5のモータ14のみを回転して、他方のモータ14の回転を停止し、あるいは低回転でアイドル回転して、ロッド1を横方向に移動させる。
プロペラ13が可変ピッチの送風機5は、プロペラのピッチを反対方向として送風する空気の方向を反転できる。また、逆転するモータ14を使用する送風機5は、モータ14の回転方向を反転して、空気の送風方向を反転できる。その送風機5を備える姿勢制御ユニット2は、図8に示すように、2組の送風機5でロッド1を全方向に移動できるので、構造を簡単にできる。
逆転しないモータ14の姿勢制御ユニット2は、強い修正力を必要としない送風機5を低回転でアイドル回転して、応答速度を速くできる。モータ14がアイドル回転している送風機5は、所定の回転数に加速するまでの加速時間を短縮できるからである。応答速度の速い送風機5は、ロッド1を速やかに自立姿勢に制御できる。アイドル回転の回転数は、送風する空気による強い修正力が要求されないので低回転に設定される。たとえば、アイドル回転を最大回転数の1/10以下に設定して消費電力は極めて少なくできる。プロペラが強制送風する風の運動のエネルギーが風速を弱くすると急激に減少して、モータの消費電力が極減するからである。したがって、アイドル回転するモータ14は、少ない消費電力で応答速度を速くして、ロッド1を速やかに自立姿勢に制御できる特長がある。可変ピッチのプロペラを備える送風機は、常にモータを規定の回転数で連続的に回転しながら、ピッチを調整して強制送風して、モータをアイドル回転させる方式よりもさらに応答速度を速くできる。この送風機は、強い修正力を必要としない状態では、プロペラのピッチを送風しない位置とするので、この状態でモータの負荷は小さく消費電力も小さくできる。
また、図6に示す姿勢制御ユニット2は、複数の送風機5をロッド1の同じ位置、すなわち同じ高さに連結している。図6の姿勢制御ユニット2は、ロッド1の上端部に配置された上下の分割ロッド11を連結するソケット12の両側に、連結アーム15を介して送風機5を連結している。このように、同じ高さに送風機5を配置する構造においては、対向する送風機5同士を連結アーム15を介して離して配置することで、送風される風の干渉を少なくできる。また、対向して配置される送風機5は、ロッド1の傾斜を補正するために、両方が同時に強制送風することはないので、対向する送風機5の風が干渉することはない。
姿勢制御ユニット2は、図9に示すように、上段送風ユニット20と下段送風ユニット21を上下に離して配置して、上段送風ユニット20と下段送風ユニット21で互いに交差する方向に送風してロッド1を姿勢制御することができる。上段送風ユニット20と下段送風ユニット21は、両端部に一対の送風機5を設けて、上下にずれた位置に配置している送風機5で、互いに交差する方向、図においてはX軸方向とY軸方向に強制送風して、ロッド1の姿勢を制御することができる。一対の送風機5は互いに反対方向、例えばロッド1の中心から端部に向かって送風し、あるいは端部が中心に向かって送風して、ロッド1を所定の姿勢に制御する。上段送風ユニット20と下段送風ユニット21は、好ましくし図9に示すように互いに直交する姿勢、すなわちY軸方向とX軸方向に配置される。ただ、必ずしも直交して配置する必要はなく、たとえば、図示しないが上段送風ユニットと下段送風ユニットは、90±45度の範囲に配置して、ロッドを姿勢制御することができる。上段送風ユニット20と下段送風ユニット21は、送風機5のプロペラ13が緩衝しない間隔で上下に離して配置される。
図9に示すように、上段送風ユニット20と下段送風ユニット21を上下に離して配置する姿勢制御ユニット2は、上段送風ユニット20と下段送風ユニット21の上下間隔をプロペラ13が回転して衝突しない距離以上に離して、図10の平面図に示すように、上段送風ユニット20と下段送風ユニット20のプロペラ13を互いに接近して配置できる。図10に示すように、両端のプロペラ13を接近して配置できる姿勢制御ユニット2は、外形を鎖線Aで示すようにコンパクトにできる。図1に示すように、全ての送風機を同一平面に配置する姿勢制御ユニットは、図11に示すように、鎖線Bで示すように外形が大きくなる。外形をコンパクトにできる姿勢制御ユニット2は、取り扱いに便利で、しかもプロペラ13の通風カバー24も小さくできる特長がある。
さらに、ロッド1に上下に離して複数の姿勢制御ユニット2を連結しているロッド装置100は、図9に示すように、上下に配置される姿勢制御ユニットのプロペラ13を互いに逆方向に回転して、ロッド1を姿勢制御することで、回転するプロペラ13の反トルクによる弊害を防止して、ロッド1をより安定して姿勢制御できる特長がある。上下に配置する姿勢制御ユニット2のプロペラ13を同じ方向に回転すると、上下のプロペラ13の反トルクによる弊害を防止できない。プロペラ13の反トルクは、ロッド1に作用してロッド1の安定な姿勢制御を阻害する。プロペラ13を強制的に回転してロッド1を姿勢制御するかぎり、反トルクの弊害は皆無にできないが、上下のプロペラ13を逆転する簡単な方向でこの弊害は解消できる。上下に離して配置される送風機5は、制御回路でモータ14を互いに逆方向に回転し、かつ片方のプロペラ13を逆ピッチとして、ロッド1を姿勢制御できる。
送風機5は、図1及び図5に示すように、X軸方向とY軸方向に空気を送風して、各々の送風機5で送風する空気の風速を調整して、ロッド1を自立姿勢に制御できる。各々の送風機5は、制御回路9に制御されて、送風する空気の流速を制御してロッド1を自立姿勢に配置する。制御回路9は、コントローラ4から入力される自立姿勢を目標姿勢として、各々の送風機5を制御して、ロッド1をコントローラ4から入力される自立姿勢に制御する。図5は、姿勢制御ユニット2をロッド1の真上側から見た概略図を示している。この図において、A点は、コントローラ4から入力される自立姿勢にあるロッド1上端の位置を示している。B点は、姿勢検出部8で検出した姿勢にあるロッド1の上端の位置を示している。
(制御回路9)
制御回路9は、送風機5の回転を制御し(図3、図4参照)、送風機5が空気を送風して発生する修正力で、ロッド1の上端位置を、図1及び図5に示すように、B点からA点に移動して、ロッド1をコントローラ4から入力される自立姿勢に制御する。送風機5は、ロッド1の横方向に空気を強制送風して発生する修正力で、ロッド1を自立姿勢に制御する。
図1及び図5は、ロッド1の上端部を姿勢制御ユニット2でベクトルCで示す方向に移動して、検出姿勢のロッド1を自立姿勢に制御する状態を示している。ベクトルCは、検出姿勢にあるロッド1と自立姿勢に移動されたロッド1の上端部の位置ずれ、すなわち変位ベクトルを示している。姿勢制御ユニット2は送風機5を制御して、検出姿勢(図1において鎖線で表示)のロッド1を変位ベクトルCの方向に移動して自立姿勢に配置する。変位ベクトルCは、図5に示すように、X軸方向とY軸方向のベクトルDとEに分解できるので、姿勢制御ユニット2は、X軸方向に空気を送風する第1の送風機5Aと、Y軸方向に送風する第2の送風機5Bを備えている。制御回路9は、第1の送風機5Aの回転方向と回転数を制御して、ベクトルDの修正力を調整し、第2の送風機5Bの回転方向と回転数を制御して、ベクトルEの修正力を調整する。制御回路9は、ベクトルDの大きさに加えて、ロッド1のX軸方向の傾斜角から、第1の送風機5Aの回転方向と回転数を演算して、ロッド1の上端をX軸方向に移動し、ベクトルEの大きさに加えて、ロッド1のY軸方向の傾斜角から、第2の送風機5Bの回転方向と回転数を演算して、ロッド1の上端をY軸方向に移動して、ベクトルCで示す方向に移動して、ロッド1を自立姿勢に制御する。
地面に垂直な姿勢から所定の角度で傾斜する自立姿勢に制御されるロッド1は、それ自体の重力で倒れようとする傾倒力が作用する。制御回路9は、ロッド1の傾倒力も考慮して、送風機5の回転方向と回転数を演算する。ロッド1の傾倒力は、傾斜角(θ)が大きくなるに従って増加するので、制御回路9は、自立姿勢からの変位差に加えて、ロッド1自体の傾斜角(θ)も考慮して送風機5の回転方向と回転数とを演算する。制御回路9は、ロッド1の傾斜角(θ)が大きくなり、かつ自立姿勢との変位差が大きくなるにしたがって送風機5の回転数を高くして、ロッド1を速やかに自立姿勢に制御する。制御回路9は、姿勢検出部8で検出したロッド1の検出姿勢と、コントローラ4から入力される目標姿勢との偏差であるベクトルCをX軸方向とY軸方向に分解し、X軸方向のベクトルDの変位を第1の送風機5Aで調整し、Y軸方向のベクトルEの変位を第2の送風機5Bで調整して自立姿勢とする。
図1のロッド装置100は、各々4個の送風機5を有する上端及び中間の姿勢制御ユニット2A、2Bの2組の姿勢制御ユニット2をロッド1に設けて、この姿勢制御ユニット2の各送風機5の風速を調整して、ロッド1の傾斜を補正する構造である。ロッド装置100は、複数の中間の姿勢制御ユニット2Bを備えることもできる。このロッド装置は、ロッド1の長手方向に離れて複数組の姿勢制御ユニット2を連結することで、安定して自立姿勢に保持できる。とくに、長さの長いロッド1、すなわち、高さの高いロッド1において、中間部に複数組の姿勢制御ユニット2を配置することで、高いロッド1を安定して自立姿勢に保持できる。
(感度調整部3)
複数の姿勢制御ユニット2をロッド1の長手方向に離して連結しているロッド1は、中間の姿勢制御ユニット2Bの数を増加してロッド1を相当に長くできる。このロッド装置100は、上端の姿勢制御ユニット2Aと中間の姿勢制御ユニット2Bの両方でロッド1を自立姿勢に制御してロッド1全体を目標姿勢に制御できる。しかしながら、制御回路の制御感度を調整する感度調整部が設けられていないロッド装置は、種々の使用環境においてロッド全体の安定な自立を実現できない。それは、使用環境によっては、ロッドが局所的にハンチングを起こして不安定になって目標姿勢に制御できなくなるからである。ロッドの局所に発生する不安定な変位は、風速や風向等の外的条件の変動、ロッドの先端に連結するカメラ等の重量物の重さによるロッドの撓り程度、ロッドの物性、例えば曲げ強度や可撓性の相違等の種々の原因で発生する。ロッドの局所的なハンチングは、中間の姿勢制御ユニットの制御感度を低くして防止できるが、制御感度の低い中間の姿勢制御ユニットは、応答性が低下して中間の変位を速やかに解消できず、突風などで変位するロッド中間の姿勢を速やかに目標姿勢に制御できない。この弊害を防止するために、制御感度を高くすると、変位したロッドを速やかに目標姿勢に向かって制御できるが、ハンチングによる振動が発生して、安定に目標姿勢に自立できない。
ロッド1の中間部や分割ロッド11の連結部がハンチングで揺動するロッド1は、自立姿勢の安定性を阻害し、さらに、ハンチングの揺動を抑制するために送風機5が回転して、モータの消費電力を増加させる弊害も発生する。図12のグラフは、自立姿勢に制御されるロッド1が設定値をオーバーシュートしてハンチングする状態を示している。ロッド1のオーバーシュートによるハンチングは、制御回路9の制御感度で調整できる。制御回路9は、ロッド1の目標姿勢からの変位を減少させるように送風機5の回転を制御するが、ロッド1が速やかに目標姿勢となるように制御感度を高くするとハンチングが大きくなり、反対に制御感度を低くするとロッド1を速やかに目標姿勢に自立できなくなる。したがって、制御感度はハンチングを抑制しながら、できる限り速やかにロッド1が目標姿勢となるように制御感度を調整する必要がある。
図4は、中間の姿勢制御ユニット2Bのブロック図を示している。図の中間の姿勢制御ユニット2Bは、制御部6に、目標姿勢からの偏差で送風機の回転を制御する制御感度を調整する無線式のリモコンで制御される感度調整部3を設けている。無線式のリモコンで制御される感度調整部3は、ユーザーが使用現場において、ロッド1の実際の姿勢、自立姿勢との差、補正制御の状態、外部条件などを観察しながら、中間の姿勢制御ユニット2Bの制御感度を調整して、ロッド1の局所的ハンチングを防止しながら、可能な限り速やかに目標姿勢に自立させる。中間の姿勢制御ユニット2Bは、上下両方向にロッド1を延長して風の抵抗を受けやすく、変動する風による目標姿勢からの変位が大きくなるので、使用する環境によって安定な自立が難しいが、ユーザーがロッド1の状態を観察しながら、ハンチングを少なくしながら、できる限り安定して目標姿勢に自立できるように制御感度を調整して、ロッド1全体を安定して目標姿勢に自立できる。図4のロッド装置100は、無線式のコントローラ4で感度調整しているが、コントローラ4は鎖線で示すように有線26で接続して感度調整部3をコントロールすることもできる。無線式のコントローラ4又は有線式のコントローラ4は、ユーザーがロッド1の下部付近または離れた位置から感度調整してロッド1を目標姿勢に安定的に近づけることを可能とし便利に使用できる。また、ユーザーがロッド1から離れることでロッド1の状態を観察し易いメリットもある。
コントローラ4は、制御感度を調整するダイアルやレバー、ボタンなどを備える感度の入力部31と、この感度の入力部31から入力された制御感度の調整信号を制御回路9に伝送する出力部42とを備える。コントローラ4の感度の入力部31から感度調整部3への信号の伝送は、電波による無線式でも、有線式でもよく、ロッド1から離れた場所から遠隔操作が可能である。図4に示す無線式のリモコンの感度調整部3の場合、感度の入力部31を、ロッド1の傾斜姿勢を制御するコントローラ4に設けている。コントローラ4の送信器42Aは、感度の入力部31の調整信号と、姿勢の入力部41からの傾斜姿勢の信号の両方で搬送波を変調して送信する。送信された搬送波は、中間の姿勢制御ユニット2Bの受信器7が受信する。感度調整部3は、受信部7が受信した搬送波から調整信号を検出して制御回路9に出力する。感度調整部3は、受信部7から入力される調整信号で送風機5の回転を制御する制御回路9の制御感度を変更して、ロッド1を安定して自立させる。
図示しないが、制御感度を調整する感度調整の入力部(感度の入力部)をロッドに設けることができる。ロッドに設けられた感度調整入力部から直接入力し、調整信号で制御回路の制御感度を調整できる。感度調整入力部は、例えば、中間の姿勢制御ユニットが連結された部分またはその付近、もしくはこれら以外のロッドの部分、またはロッドに連結された部分に設けることができる。感度調整入力部に直接入力される調整信号で送風機の回転を制御する制御感度を変更して、ロッドを安定して自立させることができる。なお、ロッドに設けられる感度調整の入力部と、無線式のコントローラ4の感度調整の入力部の双方を備え、選択的に使用することもできる。
複数の姿勢制御ユニット2を連結している長いロッド1は、屋外で使用さることから風の影響を受けやすく、さらにロッド1は、全方向の曲げ強度を均等化が要求されることから、断面形状を流線型にはできずに円柱状とするので、風の圧力抵抗が相当に大きい。このため、風速や風向等の外的条件が変動する使用環境においては、長いロッド1を安定して目標姿勢に制御するが難しいが、以上のロッド装置100は、中間の姿勢制御ユニット2Bの制御感度を使用環境に最適な値に変更することで、長いロッド1を多種多様な用途において目標姿勢に自立できる。
ユーザーがロッド1の動きを観察しながら制御感度を変更できる感度の入力部31を無線式のコントローラ4に備えるロッド装置100は、ユーザーが種々の使用環境で使用されるロッド1の動きを観察して、無線式のコントローラ4の感度の入力部31で制御感度を最適値に変更できるので、外的条件が変動する種々の使用環境において、ハンチングを防止しながら最適な応答性を実現して、ロッド1全体を速やかに目標姿勢に自立できる。
ロッド1を傾斜姿勢に自立できるロッド装置100は、図1及び図13に示すように、ロッド1の先端に機材60としてカメラ60Aを連結して、高所の建造物等の構造物61の状態を撮影する用途に使用できる。このロッド装置100は、例えば障害物がある場合など、垂直姿勢のロッドではカメラを撮影に最適な位置に配置できない用途においても、図13に示すように、ロッド1を傾斜姿勢で自立させて、カメラ60Aを最適位置に安定に配置して理想的な位置から最適なアングルで撮影できる。とくに、ロッド装置100は、ロッド1を自由な傾斜姿勢で自立できるので、構造物61の近傍に電線62等の障害物があって、垂直姿勢のロッドではカメラを最適位置に配置できない環境においても、障害物の電線62を避ける傾斜姿勢でロッド1を自立させて、安全にカメラ60Aを最適位置に配置できる。
さらに、ロッド装置100は、カメラ60Aなどの撮影機のみでなく、図14に示すように、ロッド1の上端等に発光ダイオード等の光源63を固定して、照明やイルミネーションとして使用することができる。このロッド装置100は、たとえば、ロッド1の先端が円形やハート形に沿う軌跡を移動するように自立姿勢をコントロールすることで、夜空に円形やハート形の光の軌跡を投影する用途に使用できる。
図示しないが、さらに、ロッド装置は、ロッドの先端にアンテナを固定することでアンテナ設備として使用できる。このロッド装置は、アンテナを高所の所定の位置に静止状態で配置することで、このアンテナを利用した良好で安定した送受信が実現できる。
さらにまた、ロッド装置は、ロッドに、旗、幟、鯉のぼり等を連結して、これらの支柱として使用できる。旗や鯉のぼりの支柱として使用されるロッド装置は、支柱となるロッドを傾動させて、これらを風になびく状態とすることができる。また、ロッドの先端を所定の軌跡に沿って、たとえば8の字状に移動させることで、無風状態であっても、旗や鯉のぼりを理想的な状態で風になびかせることができる。
以上のように、ロッド1を自立姿勢に保持できるロッド装置100は、以下のようにして設置されて、所定の傾斜姿勢に保持される。
複数の分割ロッド11をソケット12で連結して10m以上の高さとするロッド装置は、以下のようにして設置される。
(1)最上段に配置される分割ロッド11の上端部にカメラ60Aなどの所望の機材60を取り付ける。
(2)さらに、最上段に配置される分割ロッド11に姿勢制御ユニット2を連結する。図1に示すロッド装置100は、上段の分割ロッド11に上端の姿勢制御ユニット2Aと中間の姿勢制御ユニット2Bを連結している。ただ、中間の姿勢制御ユニット2Bは、1段目の分割ロッド11と2段目の分割ロッド11との連結部に連結し、また2段目の分割ロッドに連結することもできる。
(3)機材60、姿勢制御ユニット2を連結した最上段の分割ロッド11を自立姿勢のまま持ち上げて、この分割ロッド11の下端に2段目の分割ロッド11を連結する。上下に配置される分割ロッド11同士は、ソケット12を介して直線上に連結される。なお、分割ロッド11を自立姿勢のまま持ち上げやすくするために、空気を下向きに送風してその反作用で分割ロッドを上方に引き上げる送風機を分割ロッドに設けることもできる。この構造によると、分割ロッドを楽に上方に持ち上げることができる。
(4)さらに、図示しないが、3段目の分割ロッドを連結する際には、2段目の分割ロッドを持ち上げて、この2段目の分割ロッドの下端に3段目の分割ロッドを連結する。この場合、2段目の分割ロッドに中間の姿勢制御ユニットを連結し、あるいは、2段目の分割ロッドと3段目の分割ロッドとの連結部に中間の姿勢制御ユニットし、あるいは又、3段目の分割ロッドに中間の姿勢制御ユニットを連結することもできる。
(5)以下同様にして、複数本の分割ロッド11を連結してロッド1全体の高さを高くして所望の高さとする。
(6)上端の姿勢制御ユニット2Aと中間の姿勢制御ユニット2Bでロッド1全体を目標姿勢に自立させる状態で、ユーザーがロッド1の状態を目視して、中間の姿勢制御ユニット2Bの制御感度を無線式のコントローラ4の感度の入力部31で調整して、ロッド1全体を安定して自立させる。
以上のロッド装置100は、ロッド1の自立姿勢を垂直姿勢、傾斜姿勢に制御するコントローラ4を備えているので、ロッド1を所定の角度に傾斜して自立させ、あるいはロッド1の中間部を変形する姿勢で自立できる。ただ、本発明のロッド装置は、ロッドを傾斜姿勢に自立させることなく、常に垂直姿勢に制御することもできるので、必ずしも姿勢の入力部を備えるコントローラを装備する必要はない。コントローラを装備しないロッド装置は、感度調整入力部と送信部を内蔵するリモコン操作部を設けて、制御感度を制御回路に無線伝送し、あるいは図示しないが、感度調整入力部を有線で中間の姿勢制御ユニットの制御回路に接続して、感度調整入力部の調整信号を有線で制御回路に伝送して、制御回路の制御感度を調整することもできる。
(実施形態2)
本発明の実施形態2に係るロッド装置200の送風機50を図15~図17に示す。ロッド装置200の送風機50は、実施形態1と同様に、プロペラ13を回転して空気を送風し、送風する空気の反作用でロッド1を横方向に移動する。図1ないし図11に示す送風機5は、最も単純な例として、筒状のカバーがなく、プロペラ13が表出し、回転するプロペラ13がそのままロッド1の横方向に空気を強制送風する構造を示す。ただし、送風機は、この構造に限定されない。送風機は、送風する空気の反作用でロッドを横方向に移動できる機構であれば足りる。図15~図17の送風機50は、中空の筒状形状の筒状ダクト51内にプロペラ13とモータ14を備える。図15に示すように、筒状ダクト51は、空気を吸入する吸入口52と、空気を排出、送風する送風口53を有する。送風機50は、プロペラ13が回転して、筒状ダクト51の吸入口52から矢印方向に空気が吸入されて、送風口53から矢印方向に空気を送風する。送風機50は、送風口53から送風する空気の反作用で、ロッド1を矢印の反対方向の横方向に移動させる。また、図の送風機50は吸入口52を送風口53の反対側に設けており、吸入口52から空気を吸入することで、ロッド1を矢印の反対方向の横方向に移動させ、またはロッド1を矢印と反対方向の横方向への移動を助力する。図において、送風口53から矢印方向(右方向)に送風する空気の反作用によりロッド1は矢印と反対方向(左方向)に移動、傾斜するが、さらに吸入口52から矢印方向(右方向)に吸入する空気でも同じくロッド1を矢印と反対方向(左方向)に移動、傾斜でき、またこの移動、傾斜を助力、促進できる。図の送風機50は、プロペラ13の回転軸をロッド1と平行に配置し、筒状ダクト51の送風口53がロッド1の横方向に空気を強制送風できるよう、筒状ダクト51の送風口53側を外側に向けて湾曲した形状とする。送風機50は、送風口53と反対側の筒状ダクト51に開口する吸入口52を設ける。送風機50は、筒状ダクト51内でプロペラ13が回転して、左から右の矢印方向に吸入する方向(水平方向)と、送風口53から送風する方向(水平方向)を同じ(平行の)方向とする。プロペラ13の外側を筒状のダクトで覆うことで、プロペラ13への接触防止による安全性を確保し、プロペラ13を保護するカバーとなり、また、エネルギー効率の向上や騒音減少に資することができる。
図15は、筒状ダクト51内にプロペラ13を設けた送風機50の一例である。筒状ダクトの形状、内形サイズ、個数、プロペラの形状、サイズ、個数、プロペラと内面壁との間隔、吸入口または送風口の形状、開口位置、開口面積、開口方向、ロッド上の配置位置などは、送風する空気がロッドの自立に資するよう、また調整可能に適切に定められる。図示しないが、例えば、プロペラの回転軸及び筒状ダクトを垂直以外の方向である、水平方向や斜め方向に配置できる。例えば、図1などに示すプロペラを筒状ダクトで覆うようにしてもよい。また、プロペラ及び筒状ダクトを斜め方向に配置して、斜め上から吸入し、斜め下に送風できる。この場合、ロッドが傾斜する所定の角度に対して垂直に送風及び吸入でき、効率的にロッドの傾斜を停止し、傾斜姿勢を修正できる。また例えば、図15とは逆に吸入口を上側、送風口を下側に配置できる。また、送風口の開口面積を小さくして送風速度を増加できる。送風口を開閉可能とし、また開口面積を変更して送風する空気の反作用を調整することもできる。送風口の開口面積以外にも、開口位置、開口方向、送風方向を変更、調整可能な構造にできる。例えば、ロッドの傾斜姿勢を修正するため送風が必要とされる方向において、送風口が開口され、または送風口の向きが変更されるなど、筒状ダクトの送風部分が開口、変形する構造、機構にできる。例えば、環状の筒状ダクトに開閉自在の複数の送風口が設けられ、送風が必要な方向の送風口が開口して送風できる構造にできる。この構造は、送風方向と共に、送風口の開閉面積と風量で送風量を調整できる。送風機は筒状ダクト内に1または複数のプロペラを配置できる。また、送風口の開口方向は図で示す以外の方向、例えばロッド側(内側)などにできる。4つの送風機を90度ずつずらして全て同一平面に配置でき(図16、図17)、また、互いに反対方向に送風する一対(2つ)の送風機を上下にずれた位置に配置できる。筒状ダクトは、円筒以外の形状にもでき、部分的に断面面積が異なる絞りなどを設けることもできる。送風口の開口面積とともに、開口位置、開口方向を変更して、送風量、送風速度、送風方向を調整可能にできる。吸入口も送風口と同様に、形状、開口位置、開口面積、開口方向などが適切に定められ、また変更や調整が可能な構造にできる。
本発明のロッド装置は、種々の使用環境において、安定して自立させる用途に好適に使用でき、たとえば、先端にカメラを固定してカメラによる撮影に使用し、またロッドの先端に光源を固定して照明やイルミネーションとして使用し、あるいは、アンテナを固定して非常用のアンテナとして使用し、あるいはまた旗やのぼりの支柱として好適に使用できる。
100、200…ロッド装置
1…ロッド
2…姿勢制御ユニット
2A…上端の姿勢制御ユニット
2B…中間の姿勢制御ユニット
3…感度調整部
4…コントローラ
5、50…送風機
5A…第1の送風機
5B…第2の送風機
6…制御部
7…受信部
8…姿勢検出部
9…制御回路
10…対向送風機
11…分割ロッド
12…ソケット
13…プロペラ
14…モータ
15…連結アーム
16…重錘
17…垂直ロッド
18…脱着部
19…クッション材
20…上段送風ユニット
21…下段送風ユニット
22…クランプ
23…ケース
24…通風カバー
24a…リング
24b、24c…連結部材
25…貫通スペース
26…有線
31…感度の入力部
41…姿勢の入力部
42…出力部
42A…送信器
51…筒状ダクト
52…吸入口
53…送風口
60…機材
60A…カメラ
61…構造物
62…電線
63…光源

Claims (3)

  1. ロッドと、
    前記ロッドの上下の異なる位置に連結されて、
    前記ロッド全体を自立姿勢に制御する上端の姿勢制御ユニット及び中間の姿勢制御ユニットと、
    前記姿勢制御ユニットを介して前記ロッドの自立姿勢をコントロールする無線式のコントローラ又は有線式のコントローラとを備え、
    前記姿勢制御ユニットが、
    前記ロッドに連結されて、前記ロッドの横方向に空気を強制送風する送風機と、
    前記送風機の回転を制御する制御部とを備え、
    前記中間の姿勢制御ユニットの前記制御部は、
    前記送風機を制御する制御回路と、
    前記制御回路の制御感度を調整する感度調整部とを備え、
    前記コントローラが、
    前記中間の姿勢制御ユニットの前記感度調整部を介して、
    前記制御回路の制御感度を調整する感度の入力部を備え、
    前記感度の入力部で前記中間の姿勢制御ユニットの制御感度が調整されて、
    前記ロッドの局所的ハンチングが防止されて自立できるロッド装置。
  2. 請求項1に記載の自立できるロッド装置であって、
    前記ロッドが脱着自在に連結されてなる複数の分割ロッドを備え、
    前記中間の姿勢制御ユニットが前記分割ロッドの連結部に連結されてなる自立できるロッド装置。
  3. 請求項1に記載の自立できるロッド装置であって、
    前記ロッドが脱着自在に連結されてなる複数の分割ロッドを備え、
    前記中間の姿勢制御ユニットが前記分割ロッドの中間部に連結されてなる自立できるロッド装置。
JP2022173028A 2022-10-28 2022-10-28 自立できるロッド装置 Active JP7352314B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022173028A JP7352314B1 (ja) 2022-10-28 2022-10-28 自立できるロッド装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022173028A JP7352314B1 (ja) 2022-10-28 2022-10-28 自立できるロッド装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP7352314B1 true JP7352314B1 (ja) 2023-09-28
JP2024064440A JP2024064440A (ja) 2024-05-14

Family

ID=88099240

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022173028A Active JP7352314B1 (ja) 2022-10-28 2022-10-28 自立できるロッド装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7352314B1 (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000221571A (ja) 1999-02-01 2000-08-11 Japan Aviation Electronics Industry Ltd カメラスタビライザ
JP2013079034A (ja) 2011-10-05 2013-05-02 Zero:Kk 空撮用回転翼機
WO2014027097A2 (en) 2012-08-17 2014-02-20 Markus Waibel Flying camera with string assembly for localization and interaction
JP2016225745A (ja) 2015-05-28 2016-12-28 キヤノン株式会社 電子機器及びそれを有する光学システム
JP2019184677A (ja) 2018-04-03 2019-10-24 株式会社空撮技研 支柱装置
JP2020034934A (ja) 2017-07-12 2020-03-05 株式会社エアロネクスト 高所観察装置
US20210278101A1 (en) 2014-05-28 2021-09-09 Leviton Manufacturing Co., Inc. Apparatus and methods for controlling a ventilation mechanism

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000221571A (ja) 1999-02-01 2000-08-11 Japan Aviation Electronics Industry Ltd カメラスタビライザ
JP2013079034A (ja) 2011-10-05 2013-05-02 Zero:Kk 空撮用回転翼機
WO2014027097A2 (en) 2012-08-17 2014-02-20 Markus Waibel Flying camera with string assembly for localization and interaction
US20210278101A1 (en) 2014-05-28 2021-09-09 Leviton Manufacturing Co., Inc. Apparatus and methods for controlling a ventilation mechanism
JP2016225745A (ja) 2015-05-28 2016-12-28 キヤノン株式会社 電子機器及びそれを有する光学システム
JP2020034934A (ja) 2017-07-12 2020-03-05 株式会社エアロネクスト 高所観察装置
JP2019184677A (ja) 2018-04-03 2019-10-24 株式会社空撮技研 支柱装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2024064440A (ja) 2024-05-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11140322B2 (en) Stabilizing platform
US8590829B2 (en) System, floating unit and method for elevating payloads
US11772782B2 (en) Rotary-wing aircraft
JP6086519B1 (ja) 配達用回転翼機
US8544788B1 (en) Aerostat assembly
US20130206919A1 (en) Systems and methods for controlling an aerial unit
JP6554258B1 (ja) ヘリコプター用吊上物姿勢安定装置、及びヘリコプター吊上物姿勢安定システム
KR101766751B1 (ko) 멀티콥터
US5752088A (en) Aerial photography device
JP6213968B2 (ja) 撮影ユニット
JPWO2019021414A1 (ja) 回転翼機
KR101753645B1 (ko) 카메라 안정화 기능이 구비된 다목적 로봇팔 장치
GB2486448A (en) Tilting mechanism for aircraft propulsion system
US11046456B2 (en) Takeoff and landing assist apparatus for flight vehicle, and flight device
JP7352314B1 (ja) 自立できるロッド装置
KR101812062B1 (ko) 드론
JP2017154595A (ja) 係留気球システム
JP6810467B2 (ja) 支柱装置
KR20170045525A (ko) 헬리콥터의 자유회전을 이용한 자유낙하 방식의 공중촬영장치
JP2006027588A (ja) 小型飛行装置
KR101910819B1 (ko) 항공 촬영 무인 비행 장치
JP2006142913A (ja) 小型飛行装置
CN202660187U (zh) 摄影平台
JPWO2020070779A1 (ja) 伸縮棒
KR101694955B1 (ko) 기계식 자세 제어 헬리캠

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221101

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230516

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230710

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230905

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230908

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7352314

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150