JP7347212B2 - 眼科装置 - Google Patents

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Description

本開示は、患者眼を撮影する眼科装置に関する。
患者眼に治療レーザ光を照射する検眼鏡が知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1の検眼鏡は、観察中は目を赤外光で照明してリアルタイム画像を生成し、治療用レーザービームを照射した際には、目を可視光の光パルスで照明して照射前後の瞬間画像を生成する。
特表2013-505751号公報
ところで、可視光による照明は患者眼に負担を強い易い。例えば可視光の照明光量が増える程、患者眼の負担が増加し易い。また例えば、可視光の照明時間が増える程、患者眼の負担が増加し易い。可視光の照明による患者眼の負担として、例えば、眩しさ、ライトハザードへの影響等が考えられる。
本開示は、上記した問題点を解決するためのものであり、可視光の照明による患者眼の負担を抑制できる眼科装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 患者眼を赤外光で照明して、前記患者眼を撮影する第1撮影手段と、前記患者眼を可視光で照明して、前記患者眼を撮影する第2撮影手段と、前記第1撮影手段を用いて取得した第1画像データの輝度情報と前記第2撮影手段を用いて取得した第2画像データの色情報とを組み合せた疑似カラー画像を生成する画像処理手段と、を備え、前記画像処理手段は、前記第1撮影手段を用いて取得した第1画像データの輝度情報で構成される高解像度のモノクロ観察画像を生成すると共に、前記第2撮影手段を用いて取得した第2画像データの輝度情報と色度情報で構成される低解像度のカラー観察画像を生成し、さらに、前記モノクロ観察画像を構成する前記第1画像データの輝度情報と、前記カラー観察画像を構成する前記第2画像データの色度情報とを組み合わせることによって、前記疑似カラー眼底画像を生成することを特徴とする。
本開示によれば、可視光の照明による患者眼の負担を抑制できる眼科装置を提供できる。
本実施形態の眼科装置の光学系を示す図である。 図1の眼科装置の制御系を示す図である。 光検出器の図である。 治療レーザ光の照射と観察像の表示に係わるタイミングチャートである。 治療レーザ光の照射前の表示部の表示を示す図である。 治療レーザ光の照射後の表示部の表示を示す図である。 レジストレーションの概念を示す図である。 治療レーザ光の照射と観察像の表示に係わるフローチャートである。 観察処理に係わるフローチャートである。 レジストレーション処理のフローチャートである。 前段処理のフローチャートである。 変容例のフローチャートである。
以下、本開示の実施形態を図面に基づき説明する。本実施形態の眼科装置1は、患者眼E(又は被検眼)を観察できる。また本実施形態の眼科装置1は、患者眼Eに治療レーザ光(治療光)を照射して患者眼Eの治療部位の治療を行なえる。本実施形態の眼科装置1は患者眼Eを可視光又は赤外光の少なくともいずれかで撮影(観察)するための撮影手段(観察手段)を有する。この観察手段は走査型レーザ検眼鏡(以下、SLO装置)と同等の機能を有する。本実施形態では走査型レーザ検眼鏡として、ラインスキャンSLO(ライン走査型検眼鏡)を用いている(図1参照)。本実施形態ではライン状の光束を走査させることによって患者眼Eの共焦点画像を取得でき、ライン状光束の短手方向に関して共焦点光学系が形成されている。以下の説明では患者眼Eの眼底Erを対象にするが、患者眼Eの前眼部を対象にする場合でも、本実施形態の適用は可能である。
本実施形態の眼科装置1は、投光光学系10、受光光学系20、光路分離部材30、結像レンズ35、光スキャナ40、対物レンズ45、駆動機構50(アクチュエータ)、治療レーザ光照射光学系60、および制御部70(演算制御部)を備えている。
<投光光学系>
本実施形態の投光光学系10は、対物レンズ45を介してライン状光束を眼底Erに投光するために設けられている。本実施形態では投光光学系10の一例として、SLO光源12(照明光源)と円柱レンズ14を備えている。SLO光源12は、例えば、レーザ光源であってもよいし、SLD(スーパー・ルミネッセント・ダイオート)光源であってもよい。SLO光源12を例えば、患者眼Eの眼底Erと共役な位置に配置してもよい。本実施形態のSLO光源12は、赤外光又は可視光の少なくともいずれかを発する。また本実施形態のSLO光源12は白色光を発することができる。一例として、SLO光源12が赤外光を発すると無散瞳状態での撮影(観察)に好適であり、SLO光源12が白色光を発するとカラー撮影(観察)に好適である。本実施形態の円柱レンズ14は、SLO光源12からの光を一次元方向に関して収束させるために設けられている。もちろん、光学系全体の構成によって、上記構成の変容は可能である。
<受光光学系>
本実施形態の受光光学系20は、ライン状光束による患者眼Eからの光(戻り光)を、対物レンズ45を介して受光するために設けられている。本実施形態の受光光学系20は光検出器22を備える。本実施形態の光検出器22は、患者眼Eの眼底Erと共役な位置に配置されている。
本実施形態では光検出器22として、カラー方式の2ラインセンサーを採用している。図3は本実施形態の光検出器22を受光面側(図1では紙面左側)から見た図である。本実施形態の光検出器22は複数の画素(受光素子)を有し、複数の画素は2列で配列されている。各画素にはカラーフィルターが配置されている。詳細には、光検出器22の各画素にはRフィルター(図3の符号R)とGフィルター(図3の符号G)とBフィルター(図3の符号B)の少なくともいずれかが組み込まれている。光検出器22の各画素はカラーフィルターを介して受光する。本実施形態のRフィルターは赤色帯域の光(可視光)と赤外帯域の光(赤外光)を透光し、Gフィルターは緑色帯域の光(可視光)と赤外帯域の光(赤外光)を透光し、Bフィルターは青色帯域の光(可視光)と赤外帯域の光(赤外光)を透光する分光透過特性を有している。なお光検出器22の各画素は同じサイズであり、赤外光と可視光の感度を有する。
本実施形態のカラーフィルターの配列は、ベイヤー(Bayer)配列と呼ばれることがある。図3の上段ラインではR,G,R,G,・・・の順で各カラーフィルターが配列され、下段ラインではG,B,G,B,・・・の順で各カラーフィルターが配列されている。本実施形態の光検出器22は、赤外光を受光できる画素が最も多く、次いで緑色の可視光を受光できる画素が多い。本実施形態の制御部70は、ベイヤー配列で配置された各画素の出力信号に対して補間処理を行い、1枚のカラー画像を生成する。
なお本実施形態の光検出器22は一例であり、例えば1ラインセンサー方式であってもよいし、R,G,B,R,・・・の順でカラーフィルターが配列されていてもよい。また光検出器22が、例えば、ベイヤー配列のカラーフィルターを備えた単板型の二次元撮像素子であってもよい。また、いわゆる3板型(3CCD,3CMOS等)と呼ばれる方式のように、複数の受光素子と色分解用の光学素子とが組み合わされた光検出器であってもよい。
光路分離部材30からの光は、平面ミラー24を介して光検出器22に受光される。本実施形態の光路分離部材30は、投光光学系10の光路と受光光学系20の光路を分離するために設けられている。光路分離部材30は、投光光学系10の光軸と受光光学系20の光軸とが光路分離部材30の下流側において同軸になるように配置されている。SLO光源12と光検出器22は、光路分離部材30を介して、結像レンズ35の光軸の延長線上に配置されている。本実施形態の光路分離部材30は、SLO光源12からの光及び患者眼Eからの光の一方を反射し、他方を透過(光の通過を含む)する特性を有する。光路分離部材30は、SLO光源12からの光を透過して患者眼E側に導くと共に、患者眼E側からの光を反射して光検出器22側に導く。
本実施形態の結像レンズ35は、SLO光源12からの光を対物レンズ45の前側焦点位置にて一旦結像させると共に、患者眼Eからの光を光検出器22上で結像させるために設けられている。本実施形態の結像レンズ35は、光スキャナ40と光路分離部材30の間に配置されている。なお本実施形態では、投光光学系10に関して、SLO光源12側を上流側、患者眼E側を下流側とし、受光光学系20に関して、光検出器22側を上流側、患者眼E側を下流側とする。
本実施形態の光スキャナ40(走査手段)は、ライン状光束によって患者眼Eを走査するために設けられている。走査方向は、例えば、鉛直方向であってもよいし、水平方向であってもよい。本実施形態の光スキャナ40はガルバノミラーであり、ミラーの反射角度が駆動機構によって任意に調整される。SLO光源12から出射された光の反射(進行)方向は、光スキャナ40によって変化され、患者眼E上で走査される。本実施形態の光スキャナ40は、投光光学系10と受光光学系20との共通光路に配置されている。光スキャナ40は、SLO光源12からの光をスキャンすると共に、患者眼Eからの光をデスキャンする。
本実施形態の対物レンズ45は、光スキャナ40からの光を患者眼E(眼底Er)に導くと共に、患者眼E(眼底Er)からの反射光を光スキャナ40に戻すために設けられている。本実施形態の対物レンズ45は、投光光学系10と受光光学系20の共通光路に配置されている。本実施形態の駆動機構50は、眼底撮影時(観察時)において、患者眼Eの眼底Erに対するフォーカスを調整するために設けられている。本実施形態の駆動機構50は、SLO光源12及び光検出器22を少なくとも含む光学部材群55を、光スキャナ40及び対物レンズ45に対して移動できる。
SLO光源12から発せられた光(例えば、レーザ光)は、円柱レンズ14によって一次元方向に関してコリメートされた後、光路分離部材30を透過する。光路分離部材30を透過した光は、結像レンズ35によって収束された後、光スキャナ40によって反射方向が変えられる。光スキャナ40によって偏向された光は、ミラー42、対物レンズ45、及びビームスプリッター62を介して患者眼Eの眼底Erに照射される。
この場合、光スキャナ40によって走査される方向の光に関して、光スキャナ40からの光は、ミラー42を介して一旦集光された後、対物レンズ45とビームスプリッター62を介して患者眼Eの眼底Er上で集光される。また、光スキャナ40の走査方向と直交する方向に関して、円柱レンズ14からの光は、結像レンズ35によって光スキャナ40上で一旦集光された後、ミラー42によって反射される。ミラー42によって反射された光は、対物レンズ45とビームスプリッター62を介して瞳孔上で一旦集光された後、患者眼Eの眼底Erに照射される。この結果、患者眼Eの眼底Er上には、ライン状(線上)の光束が投光される。また眼底Er上では、光スキャナ40の走査方向に関してライン状の光束が走査される。
眼底Erで反射した光は、ビームスプリッター62、対物レンズ45、ミラー42、光スキャナ40、結像レンズ35、光路分離部材30、平面ミラー24を経て、光検出器22によって受光される。本実施形態の構成は、光路分離部材30からの光を、共焦点開口を介さずに光検出器22に検出させているが、光検出器22が眼底共役位置に配置されることで、共焦点性が保持される。もちろん、光検出器22の前にスリット孔が配置されてもよい。
光検出器22によって検出された受光信号(つまり光検出器22の出力信号)は制御部70(図2参照)に入力される。制御部70は、光検出器22にて得られた受光信号に基づいて患者眼Eの撮影画像(正面画像であり本実施形態では眼底像)を生成する。なお本実施形態の光検出器22は赤外光と可視光の感度を有するため、光検出器22は赤外光に基づく撮影画像データ(第1画像データ)と可視光に基づく撮影画像データ(第2画像データ)の少なくともいずれかを出力できる。つまり本実施形態の制御部70は、赤外光に基づく患者眼Eの第1画像データと可視光に基づく患者眼Eの第2画像データとの少なくともいずれかを光検出器22から取得できる。
生成された撮影画像はメモリ72に記憶される。なお、撮影画像の取得は、光スキャナ40の走査にて行われる。撮影画像が、光スキャナ40の走査位置と受光信号との位置関係に基づいて生成されてもよい。なお、本実施形態の制御部70は、光スキャナ40を繰り返し駆動させることによって、撮影画像の動画像を取得できる。
つまり本実施形態の眼科装置1は、患者眼Eを赤外光で照明して、患者眼Eを撮影する第1撮影手段と、患者眼Eを可視光で照明して、患者眼Eを撮影する第2撮影手段を有している。詳細には、投光光学系10と受光光学系20とで第1撮影手段が構成され、投光光学系10と受光光学系20とで第2撮影手段が構成される。制御部70は、第1撮影手段を用いてモノクロ観察画像IMGa(第1画像データ)を取得でき、第2撮影手段を用いてカラー観察画像IMGb(第2画像データ)を取得できる。第1撮影手段と第2撮影手段は赤外光と可視光に感度を有する光検出器22を共用し、第1撮影手段は光検出器22の出力信号を用いてモノクロ観察画像IMGaを取得し、第2撮影手段は光検出器22の出力信号を用いてカラー観察画像IMGbを取得できる。
<治療レーザ光照射光学系>
本実施形態の治療レーザ光照射光学系60は、患者眼Eに治療レーザ光を照射するために設けられている。本実施形態の治療レーザ光照射光学系60は、レーザ光源61、スキャナ63、およびビームスプリッター62を含む。レーザ光源61は治療レーザ光を発する。レーザ光源61が治療レーザ光として、例えば緑色のレーザ光を出射できてもよい。スキャナ63は、レーザ光源61から発せられた治療レーザ光を偏向できる。ビームスプリッター62はレーザ光源61が発する治療レーザ光を患者眼Eに向ける。本実施形態ではスキャナ63が駆動されることで、治療レーザ光を眼底Er上で走査可能とされている。なお治療レーザ光の断続的な照射とスキャナ63の駆動とが同期して制御されることで、眼底Er上に所定パターンの複数のスポットを形成できてもよい。本実施形態は一例であり、治療レーザ光照射光学系60がスキャナ63を備えなくてもよい。
本実施形態の治療レーザ光照射光学系60は図示なき照準光学系(照準手段)を有する。照準手段は照準光源を有する。照準光源は照準光を発し、照準光は赤外光である。なお本実施形態では、治療レーザ光の光軸と照準光の光軸とがスキャナ63よりも下流側(患者眼E側)で同軸である。これにより、本実施形態の治療レーザ光照射光学系60は、照準光のスポットが形成される位置に治療レーザ光のスポットを形成できる。
<制御部>
本実施形態の制御部70は、CPU76(プロセッサ)、RAM77、ROM78等を備える(図2参照)。例えば、CPU76は、眼科装置1の制御を司る。RAM77は、各種情報を一時的に記憶する。ROM78には、眼科装置1の動作を制御するための各種プログラム、初期値等が記憶されている。制御部70には、メモリ72、操作部74、及び表示部75等が電気的に接続されている。メモリ72には、電源の供給が遮断されても記憶内容を保持できる非一過性の記憶媒体が用いられている。例えば、ハードディスクドライブ、フラッシュROM、及び、眼科装置1に着脱可能に装着されるUSBメモリ等が、メモリ72として使用されてもよい。
記憶手段であるRAM77又はメモリ72に、撮影画像(SLO画像)が記憶されてもよい。記憶手段に記憶される撮影画像として、後述するモノクロ観察画像IMGa(第1画像データ)、カラー観察画像IMGb(第2画像データ)、疑似カラー観察画像IMGc(レジストレーション画像)の少なくともいずれかが含まれてもよい。本実施形態の制御部70は表示部75を制御し、生成された撮影画像を表示部75に表示する。操作部74には、検者による各種操作指示が入力される。操作部74として、検者からの指示を受け付けるためのユーザー・インタフェース(例えば、マウス、タッチパネル、ジョイスティック等)が用いられてもよい。操作部74は、例えば、患者眼Eに対するフォーカス調整スイッチ、治療レーザ光の照射を開始するためのレリーズスイッチ、疑似カラー観察モードを解除するための解除スイッチ等として用いられる。
<使用方法>
以上のような構成を備える装置において、図4~図6を用いて、その使用方法を簡単に説明する。図4の一番上のタイミングチャートは、トリガスイッチの操作信号を示している。同図の上から2番目のタイミングチャートは、患者眼Eへの治療レーザ光の照射状態を示している。同図の上から3番目のタイミングチャートは、患者眼Eへの照明光の照明状態及び照明光の種類を示している。同図の上から4番目のタイミングチャートは、疑似カラー観察画像IMGcの生成時に用いるカラー画像データの種類を示している。同図の上から5番目のタイミングチャートは、表示部75に表示される観察像(動画)の種類を示している。図5は治療レーザ光の照射前の表示部75の表示である。図5で示す表示部75の表示は、図4にて符号M1で示した区間に対応する。つまり表示部75にはモノクロ観察動画が表示される。図6は治療レーザ光の照射後の表示部75の表示である。図6で示す表示部75の表示は、図4にて符号M2で示した区間に対応する。つまり表示部75にはカラー観察動画が表示される。
先ず術者は、患者眼Eに散瞳剤を点眼する。次いで術者(利用者,検者等)は、図示無き前眼部カメラで撮影された画面で、撮影光軸が患者眼E上に一致するようにアライメントする。次いで術者は、図示なき固視標投影光学系によって投影される固視灯を患者(又は被検者)に注視させ、所望の撮影部位に誘導する。眼底Erへの赤外光照明に基づくモノクロ観察画像IMGa(SLO画像であり第1画像データ)が表示部75に表示されると、術者は操作部74を用いて、表示部75上のモノクロ観察画像IMGaに基づいて眼底Erにフォーカスを合わせる。なお、表示部75に表示されるモノクロ観察画像IMGa(図5参照)は、所定タイミングで更新されて動画として表示される。また、制御部70は、取得したモノクロ観察画像IMGaをRAM77に逐次記憶する。
ここで制御部70は、操作部74からの操作信号に基づいて駆動機構50の駆動を制御する。例えば制御部70は、操作部74から入力される操作方向及び操作量に応じて、駆動機構50を患者眼Eのプラス方向又はマイナス方向(例えば、光学部材群55を光スキャナ40及び対物光学系に対して近づける方向、又はこれらから離れる方向)に移動させる。駆動機構50の駆動によって、眼底Er及び光検出器22に対するライン光束のフォーカス状態が調整される。これにより、モノクロ観察画像IMGaのフォーカス状態が調整され、フォーカスが合ったモノクロ観察画像IMGaが得られる。
上記のようにして患者眼Eの視度が補正された後、術者は、表示部75上に表示されるモノクロ観察画像IMGaの動画像を見ながら、治療レーザ光の照射条件(照射エネルギー,照射位置等)を設定する。図5は、表示部75に表示されるモノクロ観察画像IMGaの一例である。本実施形態のモノクロ観察画像IMGaには、患者眼Eの眼底Er(モノクロ眼底像)と照準光のスポットである照準スポットAMとが含まれる。眼底Erは赤外光の照明に基づくものであり、照準スポットAMは照準光(赤外光)の照射に基づくものである。なお本実施形態のモノクロ眼底像は無彩色であるが、有彩色(例えば紫色)であってもよい。患者眼Eの観察中は赤外光が連続点灯されている。なお赤外光による観察は患者眼Eへの負担(例えば眩しさによる不快感)が抑制される。
術者は治療レーザ光の照射予定部位に照準スポットAMを位置合わせすると、トリガスイッチ(操作部74)を操作して治療レーザ光の照射を開始する(図4のタイミングT1参照)。本実施形態では緑色(可視光)の治療レーザ光が患者眼Eに照射される。治療レーザ光が照射されると、眼底Erには治療レーザ光のスポットが形成される。本実施形態では治療レーザ光のスポットが形成された眼底Erの部位には、治療レーザ光にて光凝固された治療跡SP(凝固班)が形成される。
治療レーザ光の照射が完了されたのと略同時(図4のタイミングT2参照)に、患者眼Eには可視照明光が1発、パルス照射(例えば30ms)される。可視照明光の照射後、患者眼Eは赤外光で照明される。つまり本実施形態では、患者眼Eに照射される照明光の種類が、治療レーザ光の照射直後のみ、赤外光から可視光へと一時的に切り換わる。なお、患者眼Eを可視光で照明する間も、患者眼Eを赤外光で照明してもよい。また本実施形態では治療レーザ光の照射直後に可視光による撮影が行われるが、可視光の照射タイミングを前後にずらしても良い。ただし、治療レーザ光の照射後に可視光による撮影画行われることが好ましい。また、本実施形態では可視照明光を1発、パルス照射するが、これに限るものではない。例えば可視照明光を連続して照明しつつ患者眼Eをカラー観察する手法に対して、患者眼Eへの可視光の照明時間が短縮されればよい。
制御部70は前述した可視照明光に基づき、第1のカラー観察画像IMGbを取得する。次いで制御部70は、取得した第1のカラー観察画像IMGbをRAM77に記憶する。患者眼Eへの可視照明が完了すると、患者眼Eには赤外照明が再開される(図4のタイミングT3参照)。表示部75に表示される観察像(動画)は、モノクロ観察画像IMGaから疑似カラー観察画像IMGcへと切り換わる。換言するなら表示部75に表示される疑似カラー観察画像IMGc(図6参照)は、所定タイミングで更新されて動画として表示される。詳細には、赤外光による撮影画像の取得の度(例えば30ms毎)に疑似カラー観察画像IMGcが更新される。詳細は後述するが、本実施形態の疑似カラー観察画像IMGcは、モノクロ観察画像IMGa(第1画像データ)とカラー観察画像IMGb(第2画像データ)とを重ね合せたレジストレーション画像である。本実施形態ではカラー観察画像IMGbと識別するために疑似カラー観察画像と呼ぶが、疑似カラー観察画像IMGcのことを、カラー画像、合成画像、演算画像等と呼んでもよい。
図6は表示部75に表示される疑似カラー観察画像IMGcの一例である。本実施形態の疑似カラー観察画像IMGcには、眼底Er(カラー眼底像)と、治療レーザ光による治療跡SP(凝固班)と、眼底Erで反射した照準光の戻り光である照準スポットAMとが重畳されている。術者は治療跡SP等の眼底部位をカラー画像(動画)で確認できる。本実施形態の表示部75には、患者眼Eを赤外照明したまま、疑似カラー観察画像IMGcが動画として表示される。つまり本実施形態の眼科装置1は疑似カラー観察画像IMGcを動画として表示させるが、疑似カラー観察画像IMGcを動画として表現(表示)するために可視光を常時又は定期的に照明する必要がない。モノクロ観察画像IMGaの更新情報を用いて疑似カラー観察画像IMGcが動画表示される。本実施形態では、患者眼Eに可視光を照射して得た色情報(静止画)と、色情報の取得後に取得する患者眼Eに赤外光を照射して得る動き情報(輝度情報の変化)とが組み合わされてカラー動画が形成される。制御部70は、異なるタイミングで撮影されたモノクロ観察画像IMGaの各々に対して疑似カラー観察画像IMGcを生成する際に、共通のカラー観察画像IMGbを用いる。これにより例えば、患者眼Eへの可視光の時間を抑制できる。また本実施形態では共通のカラー観察画像IMGbを用いて生成した複数の疑似カラー観察画像IMGcを動画として表示させる。これにより、例えば、患者眼Eは赤外照明にて負担(眩しさ)が抑制され、且つ、術者はカラー動画にて治療跡SPの把握をし易い。
術者は治療跡SPをカラー動画で観察しつつ、次の治療予定部位へと照準スポットAMを位置合わせする。次いで術者は、次の治療予定部位への照準スポットAMの位置合わせが完了すると、トリガスイッチ(操作部74)を操作して治療レーザ光の照射を開始する(図4のタイミングT4参照)。患者眼Eには2回目の治療レーザ光の照射が行われ、治療レーザ光の照射直後に可視照明光のパルス照射が開始される(図4のタイミングT5参照)。つまり本実施形態では、疑似カラー観察画像IMGcに用いるカラー観察画像IMGbを更新するための可視光の照射は、治療レーザ光の照射状態の変化を契機として行われる。制御部70は可視光に基づき第2のカラー観察画像IMGb(第2画像データ)を取得し、取得した第2のカラー観察画像IMGbをRAM77に記憶する。
可視照明光の照射が完了されると、患者眼Eへの照明光の種類は可視光から赤外光へと切り換わる(図4のタイミングT6参照)。赤外光の照射再開に基づき、表示部75に表示される疑似カラー観察画像IMGcは、第1のカラー観察画像IMGbを用いた疑似カラー観察画像IMGcから第2のカラー観察画像IMGbを用いた疑似カラー観察画像IMGcへと切り換わる。図示を省略するが、2回目の治療レーザ光の照射が行われた後の疑似カラー観察画像IMGcには、1回目の治療レーザ光に基づく第1の治療跡SPと、2回目の治療レーザ光に基づく第1の治療跡SPとが含まれている。このようにして、患者眼Eを赤外光で観察しながら、眼底Erの観察と治療レーザ光の照射とが繰り返される。なお、治療レーザ光が照射される度に、疑似カラー観察画像IMGcの生成に用いられるカラー観察画像IMGb(第2画像データ)が更新されてゆく。
<制御の流れ>
次いで図7~図11を用いて、本実施形態の制御部70が実行する制御を、より詳細に説明する。図7は、本実施形態の制御部70(画像処理手段)が実行するレジストレーション処理の概念を説明する図である。図8~図11は制御部70が実行する制御の流れを示すフローである。
先ず図8を用いて説明する。ステップS101にて制御部70は、SLO光源12から赤外光を出射させると共に、眼科装置1の動作モードをモノクロ観察モードに設定する。次いでステップS102にて制御部70は、表示部75に観察像を表示させる。なお眼科装置1の動作モードがモノクロ観察モードに設定されている際には、表示部75にはモノクロ観察画像IMGaが表示され、眼科装置1の動作モードがカラー観察モードに設定されている際には、表示部75には疑似カラー観察画像IMGcが表示される。
ここで図9のフローチャートを参照する。図9のフローチャートは、制御部70がステップS102で実行する処理を示す。ステップS201にて制御部70は、患者眼Eを赤外光で撮影する。詳細には、制御部70は、SLO光源12から出射される赤外光を用いて、患者眼Eのモノクロ観察画像IMGa(二次元画像)を取得する。取得したモノクロ観察画像IMGaはRAM77に記憶される。
次いでステップS202にて制御部70は、観察モード(眼科装置1の動作モード)が疑似カラーか否かを判定する。観察モードが疑似カラーに設定されている場合はステップS204に進み、観察モードが疑似カラーに設定されていない場合はステップS203に進む。ステップS203にて制御部70は、ステップS201で取得したモノクロ観察画像IMGaを表示部75に表示させる。つまりステップS202にて制御部70は、眼科装置1の動作モードに基づき、後述するレジストレーション処理を行うか否かを判定する。
図8の説明に戻る。ステップS102(ステップS203)から移行した先のステップS103にて制御部70は、トリガスイッチ(操作部74)の操作状態を検出する。なおトリガスイッチは術者が治療レーザ光の照射を開始する際に用いる。制御部70は、トリガスイッチが押されていると検出するとステップS105に進み、トリガスイッチが押されていないと検出するとステップS104に進む。ステップS105にて制御部70は、レーザ光源61を制御して、患者眼Eへの治療レーザ光の照射を行う。なお治療レーザ光は予め設定された照射条件で照射される。制御部70はステップS105の処理(治療レーザ光の照射制御)が完了するとステップS106に進む。
次いでステップS106にて制御部70は、患者眼Eを可視光で撮影する。詳細には、制御部70は、SLO光源12から可視光(本実施形態では白色光)を出射させて、患者眼Eのカラー観察画像IMGb(二次元画像)を取得する。制御部70は、取得したカラー観察画像IMGbをRAM77に記憶する。なお制御部70は、カラー観察画像IMGbの取得が完了すると、SLO光源12からの出射光を可視光から赤外光に変更する。つまり本実施形態の制御部70は、後述する疑似カラー観察画像IMGcの生成に用いるカラー観察画像IMGbの取得時のみ、患者眼Eを可視光で照明する。
なお本実施形態の制御部70は、ステップS106にてカラー観察画像IMGbを取得する際に、RAW画像IMGrに対して、ビニング処理と色補間処理と色空間変換処理とを行う。図7と図11を用いて説明する。図11は、制御部70がステップS106にて行う処理の一部を示し、カラー観察画像IMGbを取得する際に行う前段処理の流れを示している。図7にて、図7(b)と図7(c)を囲んだ破線枠内が本実施形態の前段処理である。
図7を説明する。図7(a)は、制御部70が赤外撮影にて取得するモノクロ観察画像IMGaである。モノクロ観察画像IMGaはステップS201(図9)で取得される。図7(b)は、制御部70が可視撮影にて取得するRAW画像IMGrである。RAW画像IMGrはステップS106(図8)で取得される。なおモノクロ観察画像IMGaとRAW画像IMGrは、光検出器22の出力信号を用いて生成される。
図7(c)は、図7(b)のRAW画像IMGrに対してビニング処理と色補間処理と色空間変換処理とが行われた後のカラー観察画像IMGbである。図7(d)は、図7(c)のカラー観察画像IMGbが拡大されたカラー観察画像IMGb’である。図7(e)はモノクロ観察画像IMGaとカラー観察画像IMGb’が重ね合わされた疑似カラー観察画像IMGc(カラー画像)である。図7(a)~図7(e)の太枠内には同じ眼底領域が含まれる。図7(a)~図7(e)の格子は、各二次元画像を形成する各ピクセルの境界を示している。
ステップS401にて制御部70は、光検出器22の出力信号を用いて、カラー画像の一種であるRAW画像IMGrを生成する。RAW画像IMGrの各ピクセル(画素)には、赤色の階調値と、緑色の階調値と、青色の階調値の何れか1つが含まれている(図7(a)参照)。RAW画像IMGrの各ピクセル(画素)の色は、光検出器22の各受光素子に構成に基づくベイヤー配列とされている。
次いでステップS402にて制御部70は、RAW画像IMGrに対してビニング処理を行う。本実施形態のビニング処理では、少なくとも2ピクセル(同色)の階調値を合算する。例えば合算する2つのピクセルの階調値が同じなら、ビニング処理後の階調値は2倍になる。本実施形態ではベイヤー配列を維持したまま、ビニング処理にてRAW画像IMGrのサイズ(総ピクセル数)を1/4に圧縮する。圧縮後のカラー画像の単位ピクセルと、モノクロ観察画像IMGaの単位ピクセルとを比べると、単位ピクセルを構成するために用いた光検出器22の受光素子の面積は、モノクロ観察画像IMGaよりも圧縮後のカラー画像の方が大きい。また、単位ピクセルを構成するために用いた光検出器22の受光素子数は、モノクロ観察画像IMGaよりも圧縮後のカラー画像の方が多い。本実施形態では縦方向のピクセル数は1/2に圧縮され、横方向のピクセル数も1/2に圧縮される。つまり、本実施形態ではビニング処理を行い、光検出器22の感度を稼ぐ。これにより、患者眼Eを可視光で撮影する際の、照明光量を抑制できる。なお、ビニング処理での圧縮方法はこれに限るものではなく、適宜変更してもよい。
次いでステップS403にて制御部70は、ステップS402でビニング処理(圧縮)したベイヤー配列の画像に対して、色補間処理を行う。色補間処理後の画像(RGB画像と呼ぶ)の各ピクセルには、赤色の階調値、緑色の階調値、および青色の階調値が含まれる。制御部70がステップS403で行う処理は、CFA補間、ベイヤー配列画像からRGB画像への変換等と呼ばれることがある。なお例えば、色補間処理の後にビニング処理を行ってもよい。
次いでステップS404にて制御部70は、色補間処理後の画像(RGB画像)に対して、色空間変換処理を行う。RGB画像の各ピクセルには、赤色の階調値、緑色の階調値、および青色の階調値が含まれている。制御部70はRGB画像の各ピクセルの値(R値,G値,B値)を、Lab色空間の値(L*値,a*値,b*値)へと変換する。つまり、カラー観察画像IMGbを構成する各ピクセルの値として、輝度値(輝度情報)と色値(色情報)を各々設ける。このようにしてステップS404にて制御部70は、各ピクセルの値がLab空間値で構成されるカラー観察画像IMGbを生成する。なお、ステップS401~S404の処理を、後述するレジストレーション処理(ステップS205)時に行ってもよい。
次いでステップS107にて制御部70は、観察モードを疑似カラーに設定する。詳細には制御部70は、ステップS101で設定したモノクロ観察モードを疑似カラーモードへと変更する。制御部70はステップS107の処理が完了するとステップS102に進む。
ステップS107から移行したステップS102にて制御部70は、赤外光による患者眼Eの撮影(つまりモノクロ観察画像IMGaの取得)と、モノクロ観察画像IMGaとカラー観察画像IMGbを用いた疑似カラー観察画像IMGcの生成(つまりレジストレーション処理)と、疑似カラー観察画像IMGcの表示とを行う。再び図9を用いて説明する。ステップS201とステップS202の処理は既に説明済みのため省略する。観察モードが疑似カラーに設定されていると、ステップS202からステップS204へと進む。ステップS204にて制御部70は、カラー観察画像IMGbを取得する。本実施形態の制御部70は、RAM77に記憶されているカラー観察画像IMGbを読み出す(取得する)。なお、このカラー観察画像IMGbはステップS106(図8参照)で予め取得されたものである。制御部70はステップS204の処理が完了するとステップS205に進む。
次いでステップS205にて制御部70は、レジストレーション処理(レジストレーション画像の生成)を行う。図7と図10を併用する。図7は本実施形態のレジストレーション処理の概念図である。図10は制御部70が実行するレジストレーション処理の流れである。本実施形態の制御部70は、赤外光を用いて取得したモノクロ観察画像IMGa(第1画像データ)と可視光を用いて取得したカラー観察画像IMGb(第2画像データ)とを重ね合せて疑似カラー観察画像IMGc(レジストレーション画像)を生成する。
制御部70は、モノクロ観察画像IMGaを構成する各ピクセルの値をL*値として取扱い、カラー観察画像IMGbを構成する各ピクセルの値をLab値(本実施形態ではa*値とb*値のみ使用する)として取り扱う。なお前述したL*値とLab値は、公知のCIE 1976(L*,a*,b*)色空間を構成する各パラメータである。L*は輝度情報と言え、a*とb*は色度情報と言える。以降の説明では、この色空間をCIELABと称する。
ステップS301にて制御部70は、カラー観察画像IMGbを拡大する。詳細には、制御部70は、カラー観察画像IMGbの横方向のピクセル数を2倍にし、縦方向のピクセル数を2倍にする。つまりモノクロ観察画像IMGaと同じ縦横ピクセル数にする。換言するなら、モノクロ観察画像IMGaを構成する1ピクセルに対応する眼底領域とカラー観察画像IMGbを構成する1ピクセルに対応する眼底領域とが一致するようにカラー観察画像IMGbを拡大する。一例として、図7(a)の太枠内のピクセル数と図7(d)の太枠内のピクセル数は同じである。なお拡大にて生まれた各ピクセルには、同じLab値が収容(補間)される。例えば、図7(c)にて符号PQが付けられたピクセルの値(a*値,b*値)と、図7(d)にて符号PCa~PCdが付けられた各ピクセルの値(a*値,b*値)は同じである。
次いでステップS302にて制御部70は、モノクロ観察画像IMGaとカラー観察画像IMGbをレジストレーション(重ね合せ)する。制御部70は、モノクロ観察画像IMGaとカラー観察画像IMGbを重ね合せた疑似カラー観察画像IMGcを生成する際に、疑似カラー観察画像IMGcを構成する各画素を次のように構築する。疑似カラー観察画像IMGcのL*値はモノクロ観察画像IMGaのL*値を用い、a*値とb*値は拡大後のカラー観察画像IMGbのa*値とb*値を用いる。一例として、図7(e)にて符号PFaで示すピクセルのL*値には符号PMaのピクセル(図7(a))のL*値を用い、符号PFaで示すピクセルのa*値とb*値には符号PCaのピクセル(図7(d))のa*値とb*値を用いる。つまり、疑似カラー観察画像IMGcを構成する輝度情報にはモノクロ観察画像IMGaの輝度情報を採用し、疑似カラー観察画像IMGcを構成する色情報(色度情報)にはカラー観察画像IMGbの色情報を採用する。このようにして、本実施形態では疑似カラー観察画像IMGcの解像度(輝度の分解能)を稼いでいる。つまり、本実施形態の疑似カラー観察画像IMGcの分解能(解像度,解像力)は、RAW画像IMGrを単純に補間したカラー画像の分解能よりも高くし易い。なお、図7(e)にて符号PFa~PFdで示す各ピクセルは、L*値は異なる(詳細には図7(a)の符号PMa~PMdの各L*値に依存する)が、a*値とb*値は同じである。
本実施形態の制御部70は、モノクロ観察画像IMGaとカラー観察画像IMGbを重ね合せる際に、眼底部位が一致するように位置合わせ処理を行う。位置合わせ処理として、上下左右方向への相対移動や回転が含まれる。例えば制御部70が、各々の画像を解析し、各々の画像の相対的な位置ずれを評価して、重ね合せの可否判定をしてもよい。また制御部70が、各々の画像の画質を評価して重ね合せの可否判定をしてもよい。なお制御部70が重ね合せ出来ないと判定した際に、制御部70が観察画像(例えば可視光)の再取得を自動的に行ってもよい。
なお本実施形態では色空間としてCIELABを用いるが、YCbCr、YUV、HSV、HSL(HSI)等、他の色空間を用いてレジストレーション処理が行われてもよい。本実施形態ではモノクロ観察画像IMGaの輝度情報(L*値)とカラー観察画像IMGb’の色情報(a*値,b*値)を組み合わせて疑似カラー観察画像IMGcのL*b*c*値を形成させるが、疑似カラー観察画像IMGcのL*b*c*値に、カラー観察画像IMGb’の輝度情報が考慮されていてもよい。カラー画像よりも高精細なモノクロ画像の輝度情報を用いてカラー画像(レジストレーション画像)が生成されればよい。換言するなら、可視光を用いて取得した可視光画像よりも高精細(高分解能)となる、赤外光を用いて取得した赤外光画像を用いて、可視光画像と赤外光画像を重ね合せたレジストレーション画像が生成されればよい。
このように、本実施形態では低解像度(低分解能)のカラー画像と高解像度(高分解能)のモノクロ画像とを重ね合せて解像度(分解能)を改善した疑似カラー画像を生成できる。また本実施形態ではビニング処理を行いレジストレーション用のカラー観察画像IMGbを生成する。これにより、例えば、高分解能のカラー画像を得るために、可視光を大光量で点灯する必要がない。つまり、高精細なカラー画像を撮影するためには可視光の光量を大きくする必要が生じ易く、患者への眩しさによる負担が大きくなり易い場合があった。しかし本実施形態の眼科装置1は、患者への負担を軽減しつつ輝度情報が高精細なカラー画像を撮影できる。
図9の説明に戻る。ステップS205から移行した先のステップS203にて制御部70は、ステップS205で生成した疑似カラー観察画像IMGcを表示部75に表示させる。なお本実施形態の制御部70は、観察モードがモノクロに切り換わる(戻る)まで、観察処理(ステップS102)の度にレジストレーション処理を行う。したがって、表示部75には疑似カラー観察画像IMGcが動画として表示される。なお、疑似カラー観察画像IMGcの生成に用いられるモノクロ観察画像IMGaはステップS201にて逐次更新され、疑似カラー観察画像IMGcの生成に用いられるカラー観察画像IMGbは治療レーザ光が照射される度に更新される(図8のステップS106参照)。
図8の説明に戻る。ステップS103にてトリガスイッチが押されていないと判定された場合、制御部70はステップS104に進む。ステップS104にて制御部70は、解除スイッチ(操作部74)の操作状態を検出する。なお本実施形態の解除スイッチは操作部74に設けられており、術者が疑似カラー観察モードを解除(つまりモノクロ観察モードに戻す)するために用いられる。制御部70は、解除スイッチが押されていると判定すると図8のフローから抜け出て、解除スイッチが押されていないと判定するとステップS102に戻る。つまり解除スイッチが操作されない限り、表示部75には疑似カラー観察画像IMGcが動画として表示される。一例として、同一眼の治療中は疑似カラー観察画像IMGcを用いた観察状態を継続することが好適と考えられる。また、治療眼を変える(例えば右眼に対する左眼,他の患者の眼)の際には、解除スイッチを押して疑似カラー観察状態を解除(つまりモノクロ観察状態に戻す)することが好適と考えられる。
なお本実施形態の制御部70は図8のフローを繰り返すため、ステップS104にて解除スイッチが押されていると判定すると、ステップS101に戻ることになる。つまり眼科装置1の観察モードはモノクロ観察状態に戻る。モノクロ観察状態に戻った後は、トリガスイッチが押されるまで、ステップS102~ステップS104をループする。つまり、表示部75にはモノクロ観察動画が表示される。以上説明したように、本実施形態の眼科装置1は、可視光の照明による患者眼Eの負担(眩しさ,ライトハザード等)を抑制できる。つまり、眼科装置にて高精細な画像を撮影するには光量を大きくする必要があり、可視光だと患者への眩しさによる負担が大きかった。一方、赤外光だと眩しさを感じさせることはないが、カラー画像が得られなかった。本実施形態の眼科装置1は、可視光と赤外光とでそれぞれ撮影した画像を組み合わせることで、患者への負担を低減しつつカラー画像を得ることができる。
図12は変容例の眼科装置のフローチャートである。前述した眼科装置1と変容例の眼科装置とは、治療レーザ光照射光学系60を備えるか否かのみが異なる。つまり変容例の眼科装置は、患者眼Eを撮影する撮像手段のみを備える。変容例の眼科装置が、例えば無散瞳型眼底カメラであってもよい。この場合、例えば、赤外光と可視光に感度を有する2次元カラーセンサーを用いてもよい。また、変容例の眼科装置が、例えば散瞳型眼底カメラ又は細隙灯顕微鏡(細隙灯顕微鏡)であってもよい。散瞳型眼底カメラに本開示の観察技術を適用することで、例えば、患者の眩しさ又はライトハザードを抑制しつつ、術者はカラー動画(疑似カラー動画)で観察できる。もちろん、走査型レーザ検眼鏡に前述した眼科装置1のカラー動画技術を適用してもよい。
ステップS301にて制御部70は、赤外光による撮影(モノクロ画像の取得)を行う。次いでステップS302にて制御部70は、取得したモノクロ画像を表示部75に表示する。ステップS303にて制御部70は、トリガスイッチ(撮影開始手段)の操作状態を検出する。制御部70は、トリガスイッチが操作されたと検出すればステップ304に進み、トリガスイッチが操作されていないと検出すればステップ301に戻る。つまり、トリガスイッチが操作されない限り、制御部70はモノクロ撮影を繰り返し、表示部75には赤外光を用いた観察動画が表示される。
トリガスイッチが操作されたとする。ステップS304にて制御部70は、赤外光による撮影(モノクロ画像の取得)を行う。次いでステップS305にて制御部70は可視光による撮影(カラー画像の取得)を行う。次いでステップS306にて制御部70は取得済みのモノクロ画像とカラー画像を用いて、レジストレーション画像(疑似カラー画像)を生成する。次いでステップS307にて制御部70は、生成したレジストレーション画像を表示部75に表示する。なおステップS304を省略し、ステップS306でのレジストレーション処理時にステップS301で取得したモノクロ画像を用いてもよい。なお可視光による撮影の直前に赤外光による撮影を行うことで、画像間の位置ずれを抑制し易い。変容例の眼科装置も例えば、レジストレーション画像を構成する輝度情報にはモノクロ画像の輝度情報を採用し、レジストレーション画像を構成する色情報にはカラー画像の色情報を採用する。このようにして、レジストレーション画像の解像度(輝度の分解能)を稼ぐことができる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲及びこれと均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1:眼科装置
10:投光光学系
20:受光光学系
70:制御部
IMGa:モノクロ観察画像
IMGb:カラー観察画像
IMGc:疑似カラー観察画像

Claims (3)

  1. 患者眼を赤外光で照明して、前記患者眼を撮影する第1撮影手段と、
    前記患者眼を可視光で照明して、前記患者眼を撮影する第2撮影手段と、
    前記第1撮影手段を用いて取得した第1画像データの輝度情報と前記第2撮影手段を用いて取得した第2画像データの色情報とを組み合せた疑似カラー画像を生成する画像処理手段と、を備え、
    前記画像処理手段は、前記第1撮影手段を用いて取得した第1画像データの輝度情報で構成される高解像度のモノクロ観察画像を生成すると共に、前記第2撮影手段を用いて取得した第2画像データの輝度情報と色度情報で構成される低解像度のカラー観察画像を生成し、
    さらに、前記モノクロ観察画像を構成する前記第1画像データの輝度情報と、前記カラー観察画像を構成する前記第2画像データの色度情報とを組み合わせることによって、前記疑似カラー眼底画像を生成することを特徴とする眼科装置。
  2. 請求項1に記載の眼科装置であって、
    前記画像処理手段は、異なるタイミングで撮影された前記第1画像データの各々に対して前記疑似カラー画像を生成する際に、共通の前記第2画像データを用いる、
    ことを特徴とする眼科装置。
  3. 請求項2に記載の眼科装置であって、
    前記疑似カラー画像を表示する表示制御手段を有し、
    前記表示制御手段は前記共通の前記第2画像データを用いて生成した複数の前記疑似カラー画像を動画として表示させる、
    ことを特徴とする眼科装置。
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