以下、本発明の実施形態に係るラベル10について説明する。
図1及び図4に示すとおり、ラベル10は、被着物Dに剥離可能に貼付されるものである。図2に示すとおり、ラベル10は、平面視において、略矩形の形状とされている。図2(a)は、ラベル10を表面12a側から見た平面図であり、図2(b)は、ラベル10を裏面12b側から見た平面図である。図2(b)に示すとおり、ラベル10には、遮蔽対象とされる遮蔽情報48が印刷されている。
なお、本明細書において、「剥離可能接着層(接着層)」とは、接着剤あるいは粘着剤により形成される剥離可能な層であり、被着体(被着物)から人力で容易に剥離することが出来る層を意味する。言い方を換えれば、「剥離可能接着層(接着層)」は、剥離されることが想定される面(貼付面)に対して形成されていると言うことができる。すなわち、「剥離可能接着層(接着層)とは、人力で容易に剥離することが出来る程度の接着力あるいは粘着力を発揮する層である。
また、本明細書において、「接合層(剥離不可接着層)」とは、接着剤あるいは粘着剤を用いて、二つの基材を接合している剥離不能な層であり、被着体から人力で剥離が困難又は剥離すると材料破壊を起こす層を意味する。すなわち、「接合層」は、剥離されることが想定されていない二つの基材の間に形成されていると言うことができる。
さらに、本明細書において、「被着物D」とは、ラベルが貼付される物(有体物)を意味する。すなわち、「被着物D」には、ラベルが貼付される商品G、あるいは包材や容器等のパッケージP等の貼付対象物Xが含まれることに加え、1枚のラベルを製品等に巻き付けて両端を貼付する場合には、ラベル自体が被着物Dとなり得る。
なお、本明細書では、ラベルの貼付対象が商品GやパッケージP等とされており、商品GやパッケージP等に直接ラベルが貼付される場合には、商品GやパッケージP等を「貼付対象物X」と記載して説明する場合がある。また、ラベルが商品GやパッケージP等に直接貼付されず、ラベルを商品Gに巻き付けてラベルの一端に対して他端が貼付されて、ラベルが商品Gに装着される場合には、ラベルの取り付け対象である商品Gを、単に「装着対象物Y」と記載して説明する場合がある。
なお、本実施形態では、ラベル10が貼付される被着物Dが商品Gである例、すなわち商品Gがラベル10の貼付対象物X(被着物D)である例を示している。より具体的には、本実施形態では、貼付対象物Xとして、缶容器に飲料が収容されたものを一例として示している。ラベル10の貼付対象物X(被着物D)は特に限定されず、ラベル10を貼付することができる容器に収容された製品、あるいは製品に直接ラベル10を貼付することが出来るもの等、種々選択可能である。
図3に示すとおり、ラベル10は、意匠印刷層40、第一基材14(遮蔽層)、被遮蔽印刷層44、接合層16、第二基材18(保護層)、剥離可能接着層20(接着層)、及びマスキング層22を有している。また、ラベル10は、表面12aから裏面12bに向かって、意匠印刷層40、第一基材14(遮蔽層)、被遮蔽印刷層44、接合層16、第二基材18(保護層)、剥離可能接着層20(接着層)、マスキング層22の順に積層されて形成されている。具体的には、ラベル10は、第一基材14(遮蔽層)と第二基材18(保護層)とを積層した構成であり、第一基材14の表面に意匠印刷層40を設け、裏面に被遮蔽印刷層44を設け、その第一基材14と第二基材18とを積層したものである。
図3に示すとおり、ラベル10は、意匠印刷層40及び被遮蔽印刷層44が設けられた構成とされている。意匠印刷層40は、ラベル10が貼付対象物Xに貼付された状態において、表側となる表面12a側に設けられている。また、被遮蔽印刷層44は、ラベル10が貼付対象物Xに貼付された状態において、貼付対象物Xなどの被着物Dに貼付される面(貼付面12c)となる裏面12b側に設けられている。
図2(a)に示すとおり、ラベル10には、意匠印刷層40により表示される告知情報42が表示されている。告知情報42は、貼付対象物Xのキャンペーンが実施されている旨や、キャンペーンの応募要項等の文字情報等が表示されている。
意匠印刷層40は、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、凸版輪転印刷などによって単色又は多色刷りにて設けられている。
なお、意匠印刷層40により表示される情報は、特に限定されない。意匠印刷層40により表示される情報は、上述の告知情報42とするほか、必要に応じて、懸賞応募方法の説明、提供者名、商標などの一般表示が表示されるものであってもよい。
図2(b)に示すとおり、ラベル10には、被遮蔽印刷層44により表示される情報として、被遮蔽情報48が表示されている。被遮蔽情報48は、貼付対象物Xにラベル10が貼付された状態において、後述する第一基材14(遮蔽層)により遮蔽される。また、被遮蔽情報48は、貼付面12cをなす領域のうち、後述する弱接着部32に対応する位置に設けられている。
本実施形態の被遮蔽情報48は、貼付対象物Xや装着対象物Yのキャンペーンに関する情報として、機械により読み取り可能な二次元コード46及びシリアルナンバー47が表示されている。被遮蔽情報48は、表面12a側からは第一基材14により遮蔽されて視認することができず、裏面12b側から視認可能とされている。
また、被遮蔽情報48は、ラベル10が被着物Dに貼付された状態において、その内容が目視不可能な情報であり、その情報は、特に限定されない。例えば、被遮蔽情報48は、上述のキャンペーンの応募要項などの二次元コード(例えば、QRコード(登録商標))、あるいは一次元コード(例えば、バーコード)としてもよいし、文字により応募要項を記載したものであってもよい。さらに、被遮蔽情報48は、「当たり」、「ハズレ」等のくじの当否を記載したものであってもよいし、あるいはシリアルナンバーやポイント数を表示した可変情報であってもよく、その他のものとしてもよい。
被遮蔽印刷層44は、遮蔽対象とされる被遮蔽情報48を含む層であり、例えば、トナー印字、グラビア印刷、フレキソ印刷、凸版輪転印刷、IJP(インクジェットプリンタ)、デジタル印刷などによって単色又は多色刷りにて設けられている。
被遮蔽印刷層44により、二次元コードやキャンペーンの応募要項など一つの対象製品に対して統一して表示される情報(統一情報)を表示させる場合には、グラビア印刷、フレキソ印刷、凸版輪転印刷などにより印刷を設けることが望ましい。
また、被遮蔽印刷層44により、くじの当否を示す「当たり」、「はずれ」などの文字、あるいはシリアルナンバーやポイント数を表示し、一の対象製品に対して複数の文字や記号などが非統一で表示される可変情報(非統一情報)を表示させる場合には、統一情報の内容によって、デジタル印刷やIJP、あるいはグラビア印刷等を適宜選択して印刷可能である。
なお、被遮蔽印刷層44により表示される情報は、二次元コードなどの統一情報及びシリアルナンバーなどの非統一情報の双方を表示してもよいし、あるいは統一情報及び非統一情報のうちの一方を表示させてもよい。
図3に示すとおり、ラベル10は、第一基材14(遮蔽層)及び第二基材18(保護層)が、接合層16を介して積層されてシート状の基材をなしている。また、ラベル10は、裏面12b側に、貼付対象物Xに対して剥離可能な接着力とされた剥離可能接着層20(接着層)を備えている。ラベル10は、剥離可能接着層20の接着力により、貼付対象物Xに剥離可能に貼付される。さらに、剥離可能接着層20よりも裏面12b側には、マスキング層22が積層されている。
ラベル10は、第一基材14(遮蔽層)と、第二基材18とが、接合層16(剥離不可接着層)を介して積層されて、二層の基材をなしている。
第一基材14(遮蔽層)は、被遮蔽印刷層44の表面12a側から被遮蔽情報48を遮蔽するように設けられている。第一基材14は、不透明の合成樹脂フィルムにより形成される層である。第一基材14は、透光性を有しない不透明基材により構成されている。言い換えれば、本実施形態では、第一基材14は、被遮蔽情報48を表面12a側から視認できないように遮蔽する遮蔽層として設けられている。
第二基材18(保護層)は、被遮蔽印刷層44よりも裏面12b側に設けられている。言い換えれば、第二基材18は、被遮蔽印刷層44を保護するように設けられている。第二基材18は、透明の合成樹脂フィルムにより形成される層である。第二基材18は、第一基材14の裏面12b側に設けられた被遮蔽印刷層44を覆うように形成されている。なお、第二基材18は、透明の合成樹脂フィルムが好ましいが、被遮蔽情報を視認可能な範囲において着色されていてもよい。
ラベル10を構成する基材(第一基材14及び第二基材18)の材質は、特に限定されず、公知のフィルム(一般にシートと呼ばれるものも同義である)を用いることができる。ラベル10の基材は、例えば、紙、合成紙(例えば、ポリエステル合成紙、ポリオレフィン合成紙など)、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系フィルム、ポリプロピレン、プロピレン-エチレン共重合体などのオレフィン系フィルム、ポリスチレン系フィルムなどの合成樹脂フィルムなどの単層、金属蒸着を施したフィルム、又はこれらの積層体などが挙げられる。また、本発明のラベルは、本実施形態のラベル10のように、複数の基材が積層されたものであってもよいし、あるいは単層の基材としてもよい。
本発明のラベルを構成する基材は、熱収縮性及び/又は自己伸縮性を有するフィルムでもよく、或いは、実質的に熱収縮性及び自己伸縮性を有さないフィルムでもよい。熱収縮性は、熱収縮温度(例えば、70~100℃)に加熱されると主延伸方向に収縮する性質をいい、自己伸縮性は、引張ると拡張し、引張り力を解除するとほぼ元の形状に戻る性質をいう。なお、熱収縮性を有するフィルムは、自己伸縮性を併有していてもよい。
熱収縮性フィルムの主延伸方向における熱収縮率は、特に限定されないが、好ましくは20%以上であり、より好ましくは30%以上であり、さらに好ましくは40%以上である。熱収縮性フィルムの主延伸方向に対して直交する方向における熱収縮率は、例えば、-3~15%であり、好ましくは0~12%である。前記熱収縮率のマイナスは、熱伸長を意味する。ただし、熱収縮率は、加熱前のフィルムの長さ(元の長さ)と、それを85℃の温水中に10秒間浸漬した後のフィルムの長さ(浸漬後の長さ)の割合であり、下記式に代入して求められる。
熱収縮率(%)=[{(横方向又は縦方向の元の長さ)-(横方向又は縦方向の浸漬後の長さ)/(横方向又は縦方向の元の長さ)}]×100。
なお、ラベル10の基材は、本実施形態の第一基材14のように透光性を有しない基材(不透明基材)により遮蔽層を形成する場合には、合成樹脂フィルムなどの不透明素材により構成されるもののほか、紙などの不透明素材が用いられるものであってもよい。また、ラベルの基材は、透光性を有する基材(透明基材)、例えば合成樹脂フィルムなどの素材に印刷層を設けて、不透明層を印刷層により形成して遮蔽層が構成されるものであってもよく、金属蒸着を施したフィルムであってもよい。遮蔽層として機能する印刷層としては、例えば、白色印刷層、黒色系印刷層、銀印刷層等を一層又は複数積層した層が挙げられる。
ラベル10の厚みは、強度やラベル貼付作業性などを損なわない範囲で適宜選択でき、例えば10~200μm、好ましくは20~100μm程度である。また、ラベル10の表面又は裏面には、印刷性などを向上させるため、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、酸処理などの慣用の表面処理が施されていてもよい。
剥離可能接着層20(接着層)は、ラベル10が貼付対象物Xなどの被着物Dに貼付される貼付面12cを形成している。
本発明のラベルの剥離可能接着層(接着層)を構成する接着剤または粘着剤は、ラベルなどの分野で従来公知のものを用いることができ、貼付対象物Xなどの被着物Dに貼付でき、且つ手で剥離できる程度の接着力を有するものであれば特に限定されず、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤等の慣用の感圧型粘着剤、感熱型粘着剤、グルーなどの水系接着剤、ホットメルト型接着剤、溶剤型接着剤、水系エマルジョン型接着剤、感熱型接着剤などを用いることができる。感圧型粘着剤は、室温下で接着力を有する粘着剤であり、通常、剥離紙上に基材と共に貼付されて供給されるタイプの粘着剤である。感熱型粘着剤は、室温下で接着力を有さず、且つ加熱することによって粘着性を生じる粘着剤であり、ディレードタック型感熱粘着剤、パートコート型感熱粘着剤、ホットメルト型感熱粘着剤などが挙げられる。剥離可能接着層20の厚みは、接着性等を考慮して適宜設定できるが、一般には5~100μm、好ましくは10~30μm程度である。
剥離可能接着層20は、ラベル10を形成する基材として予め剥離可能接着層20が形成されたものを用いるほか、剥離可能接着層20が設けられていない基材に対して裏面全域に粘着剤をベタ状に塗工して設けることができる。「粘着剤をベタ状に塗工」とは、粘着剤を格子状、無数の点状などのように実質的に全体に亘って塗工した構成を含む意味である。なお、剥離可能接着層20は、ラベル10の裏面に部分的に設けられていてもよい。
マスキング層22は、剥離可能接着層20の接着力を隠蔽できるものでれば特に限定されない。マスキング層22は、例えば、紫外線硬化型インキなどを塗工することにより設けることができる。塗工方法は、凸版印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷などの公知の印刷法で行うことが簡便である。なお、マスキング層22は、紫外線硬化型インキなどの塗工による非接着処理に代えて、例えば、合成樹脂製フィルムなどのシート材を積層接着することにより設けることもできる。
なお、マスキング層22は、剥離可能接着層20に対して、ベタ塗り印刷(ベタ印刷)により形成してもよいし、剥離可能接着層20の接着力を低下又は喪失しうる範囲で縞状、格子状、網目状又は網点状に形成されるものであってもよい。マスキング層22の塗工形状によって、低粘着領域の接着力を適宜設定できる。本発明のラベルにおけるマスキング層は、無色透明が好ましいが、被遮蔽情報を視認可能な範囲において着色されていてもよい。
図3に示すとおり、剥離可能接着層20(接着層)は、第二基材18の裏面12b側の全域に形成されている。これに対して、マスキング層22は、剥離可能接着層20の一部を覆うように形成されている。ラベル10には、剥離可能接着層20が裏面12b側に露出する接着部30と、マスキング層22に剥離可能接着層20の接着力を低下又は喪失させた弱接着部32とが形成されている。このように、ラベル10の貼付面12cには、剥離可能接着層による接着力を有する接着部30と、接着部30よりも接着力が低く接着力をほとんど有しない弱接着部32とが形成されている。
図2(b)に示すとおり、接着部30は、ラベル10の周部の一部に形成されている。また、弱接着部32は、ラベル10の周部に形成された接着部30に対して中央側に位置するように形成されている。
より具体的に説明すると、マスキング層22は、ラベル10の幅方向(貼付対象物に貼付した際の縦方向)の一端から他端に至り、ラベル10の長手方向(貼付対象物に貼付した際の横方向)を中央において分断するように設けられている。これにより、剥離可能接着層20が裏面12bに露出する接着部30は、マスキング層22が裏面12bに露出する弱接着部32を挟むように形成されている。言い換えれば、接着部30は、ラベル10の長手方向における外縁13c,13dの両側から、弱接着部32を挟むように一定幅で形成されている。より具体的には、接着部30は、ラベル10の外縁13のうち、長手方向両側の外縁13c,13d側にそれぞれ独立して形成されている。また、弱接着部32は、ラベル10の外縁13c,13dよりも内側の中央に形成されている。
なお、本発明のラベルの接着部及び弱接着部は、いかなる手法により形成されるものであってもよい。例えば、上述のように、ラベル10の裏面12b全域に剥離可能接着層20を形成してマスキング層22を積層させたもののほか、マスキング層22を設けない構成としてもよい。例えば、本発明のラベルは、剥離可能接着層が積層されない領域を形成し、当該領域が弱接着部として形成されるものであってもよい。
さらに、弱接着部は、剥離可能接着層にマスキング層を所定の領域にベタ塗りで形成するほか、ドット状、縞状、格子状等に設けるなど、剥離可能接着層の粘着性を低下しうる態様で形成されるものであれば、いかなるものであってもよい。また、マスキング層に変えてシート体を積層させ、弱接着部が形成されるものであってもよい。
ラベル10には、弱接着部32に対応する位置に、被遮蔽情報48が設けられている。言い換えれば、被遮蔽情報48は、ラベル10の接着力が喪失された部分に設けられている。なお、被遮蔽情報48は、鏡文字で印刷される(いわゆる裏刷り)。
図4(a)に示すとおり、貼付対象物Xなどの被着物Dにラベル10が貼付された状態では、第一基材14(遮蔽層)により表面12a側から被遮蔽情報48が遮蔽される。また、貼付対象物Xなどの被着物Dに貼付されたラベル10を、被着物Dから剥がそうとする際に、接着部30に対応する部分の基材は、被着物Dに対する接着力に逆らうように剥がされる。
これに対して、弱接着部32に対応する部分の基材は、貼付対象物Xなどの被着物Dに対する接着力をほとんど有さず、基材が引っ張られて反るなどの変形が抑制される。そのため、弱接着部32に対応する位置に設けられた被遮蔽情報48は、表示される図形や文字の変形や剥がれが抑制され、視認性を維持することができる。また、被遮蔽情報48が二次元コード46である場合には、読み取り性を維持することができる。
これにより、ラベル10は、被遮蔽情報48が二次元コード46などの情報が印刷されたものである場合に、二次元コード46がラベル10の変形に伴って変形して、読み取りが困難となることを抑制することができる。
また、ラベル10の弱接着部32は、ラベル10の幅方向の一端から他端に至るように直線的に形成されている。このような形状とすると、図5に示すように、ラベル10を製造する際に長尺(例えばロール状)の基材を紙送りしながら印刷等を行う場合には、紙送り方向とラベル10の幅方向を一致させることで紙送り方向に沿って直線的にマスキング層22を印刷することができる。これにより、効率的にかつコストを抑えてマスキング層22を形成することができる。
なお、本発明のラベルの接着部及び弱接着部の形状は、上述の実施形態に限定されない。例えば、本発明のラベルは、図6(a)に示すラベル10’のように、ラベル10’の幅方向中央において長手方向の一端から他端に至るように弱接着部32が形成されるものであってもよい。
また、本発明のラベルは、図6(b)に示すラベル10’’のように、弱接着部32を取り囲むように接着部30が形成されるものであってもよい。言い換えれば、本発明のラベルは、ラベルの周縁に沿って接着部が形成され、接着部に取り囲まれるように弱接着部が形成されるものであってもよい。
さらに、本発明のラベルは、接着部よりもさらにラベルの外縁側に、小面積の弱接着部が形成されるものであってもよい。
また、本発明のラベルは、平面視において略矩形の形状のほか、円形、楕円形、台形等、いかなる外観を有するものであってもよい。
さらに、本発明のラベルは、二層の基材を積層させ、剥離可能接着層及びマスキング層を設けたもののほか、一層の基材に剥離可能接着層及びマスキング層を設けたものであってもよい。また、ラベルを構成する基材は二層以上の基材を積層させたものであってもよい。
続いて、本発明のラベルの他の例について説明する。
本発明のラベルは、例えば、図7に示すラベル100のように、透明基材118の表面112a側に被遮蔽印刷層144を設け、被遮蔽印刷層144のさらに表面112a側に
意匠印刷層114を設けたものであってもよい。なお、図7のラベル100には、剥離可能接着層120及びマスキング層122が設けられている。また、ラベル100の貼付面112cには、接着部130と、弱接着部132とが形成される。図7に示すラベル100では、意匠印刷層114が、被遮蔽情報148を遮蔽する遮蔽層として機能する。このように、本発明のラベルは、印刷層により遮蔽層が形成されるものであってもよい。なお、ラベル100の被遮蔽情報148は、鏡文字で印刷される(いわゆる裏刷り)。
本発明のラベルは、例えば、図8に示すラベル200のように、裏面212b側に予め剥離可能接着層220が形成されたタック紙などの不透明基材214を備えるものであってもよい。ラベル200は、不透明基材214に予め形成された剥離可能接着層220に対し、被遮蔽印刷層244が形成されている。
図8に示すラベル200では、不透明基材214が被遮蔽印刷層244により表示される被遮蔽情報248の遮蔽層として機能する。さらに、ラベル200では、被遮蔽印刷層244を覆うようにマスキング層222が設けられている。このように、予め剥離可能接着層が形成された不透明基材の粘着面に対して被遮蔽印刷層を設ける場合には、被遮蔽印刷層が設けられた部分を被覆するようにマスキング層を設けることが望ましい。これにより、本発明のラベルは、貼付対象物Xなどの被着物Dに被遮蔽印刷層のインクが付着したり、被遮蔽印刷層が剥がれたりすることを抑制することができる。なお、図8のラベル200の貼付面212cには、接着部230と、弱接着部232とが形成される。また、ラベル200の表面212aには、意匠印刷層240が設けられている。
また、本発明のラベルは、例えば、図9に示すラベル300のように、不透明基材314と透明基材318とを積層させる場合において、透明基材318の表面312a側に鏡文字とされた印刷(いわゆる裏刷り)を設けて不透明基材314と透明基材318とを積層させたものであってもよい。ラベル300は、表面312aから裏面312bに向かって、不透明基材314(遮蔽層)、接合層316(剥離不可接着層)、透明基材318、剥離可能接着層320、及びマスキング層322の順に積層されて形成されている。ラベル300には、透明基材318に鏡文字となるような裏刷りとして被遮蔽印刷層344が設けられている。なお、図9のラベル300の貼付面312cには、接着部330と、弱接着部332とが形成される。また、ラベル300の表面312aには、意匠印刷層340が設けられている。
このように、本発明のラベルは、材質や印刷により表示される情報等、種々選択可能である。
続いて、本発明のラベルを採用し得る種々の形態について、例を挙げて説明する。本発明のラベルは、図10に示すいわゆる「POPラベル」とすることができる。
以下の説明において、図10に示すラベル501、ラベル502、及びラベル503を総称して、単に「ラベル500」と記載して説明する場合がある。さらに、以下のラベル500の説明では、貼付対象物X(被着物D)の図示を省略して説明する。
なお、以下において、ラベル500,600,700の説明では、ラベル10と同様の構成(例えば、表面12a、貼付面12c、接着部30、弱接着部32など)については、ラベル10の説明において付した符号と同一の符号を用いて説明し、詳細な説明を省略する。
ラベル500は、商品G等を貼付対象物X(被着物D)として、貼付対象物Xに貼付されるものである。図10に示すとおり、ラベル500には、貼付対象物Xに貼付される部分(貼付領域520)と、被着物Dに貼付されない部分(非貼付領域510)とが形成されている。言い方を換えれば、ラベル500には、貼付面12cが含まれる裏面12b側において、被着物Dに貼付される貼付領域520と、被着物Dに貼付されない非貼付領域510とが形成されている。
貼付領域520には、上述したラベル10と同様に接着部30と弱接着部32とが形成されている。例えば、図10(a)に示すラベル501や図10(c)に示すラベル503では、弱接着部32を取り囲むように接着部30が形成されている。また、図10(b)に示すラベル502では、弱接着部32を挟むように接着部30が形成されている。
ラベル500の弱接着部32は、剥離可能接着層20(接着層)にマスキング層22を設けて形成したもの(糊抑え)としてもよいし、剥離可能接着層20を設けないことにより形成してもよい。なお、ラベル500の弱接着部32には、図示を省略した被遮蔽情報が設けられており、遮蔽層により遮蔽されている。
非貼付領域510には、商品の紹介やキャンペーンの告知など、ラベル500の表面12a側から視認可能な種々の情報やアイキャッチを設けることができる。非貼付領域510は、剥離可能接着層20(接着層)を設けないことにより形成してもよいし、マスキング層22を設けることにより剥離可能接着層20の接着力を低下あるいは喪失させて形成してもよい。ラベル500は、非貼付領域510を被着物Dから突出させることで、アイキャッチ効果が高まるなど、ラベル500の販促物としての機能を向上させることができる。
なお、ラベル500の形状は、種々選択可能である。例えば、図10(a)及び図10(b)に示すラベル501やラベル502のように、貼付領域520の面積よりも非貼付領域510の面積を大きいものとして、貼付領域520の輪郭に対して非貼付領域510の輪郭が突出するような形状としてもよい。また、例えば、図10(c)に示すラベル503のように、全体として丸形や楕円形、矩形等の形状としたものであってもよい。
本発明のラベルには、ラベルの外縁のいずれかの部分にめくり代522を設けてもよい。めくり代522は、被着物Dからラベルを剥離する際につまみとなる部分である。図10(d)に一例として示すとおり、めくり代522は、ラベルの角部や隅部などに接着力を低下させたあるいは喪失させた部分として設けることができる。なお、めくり代522は、剥離可能接着層20を設けないことにより形成してもよいし、剥離可能接着層20にマスキング層22を設けることにより形成してもよい。
次いで、本発明のラベルが、いわゆる「巻付けラベル」の形態とされた場合について説明する。図11~13に示すラベル601,602,603は、いわゆる「巻付けラベル」と称される形態のラベルの一例である。巻き付けラベルは、商品Gに対して巻き付けるように貼付、あるいは装着されるラベルである。なお、以下の説明において、ラベル601、ラベル602、及びラベル603を総称して、単に「ラベル600」と記載して説明する場合がある。
なお、本発明のラベルは、商品Gの周部に巻き付けられて貼付あるいは装着される「巻付けラベル」や、商品Gの少なくとも一部に被せるように装着される「シュリンクラベル」において、商品Gに直接貼付されるか否かは限定されない。具体的には、本発明のラベルは、以下に説明するラベル601やラベル602のように、商品Gに直接貼付されるもの(商品Gを貼付対象物Xとするもの)であってもよい。また、本発明のラベルは、商品Gに対して直接貼付される部分を備えず、貼付面12cをラベルに貼付させて筒状や袋状に形成され、商品Gに取り付けられるもの(商品Gを装着対象物Yとするもの)であってもよい。以下、具体例について図面を参照しつつ説明する。
図11に示すラベル601は、商品Gに貼付される貼付領域520と、ラベル601の表面12aに貼付される貼付領域520を備えている。図11(b)に示すとおり、ラベル601には、非貼付領域510が設けられており、非貼付領域510の両側方(ラベル601の巻付け方向両側方)にそれぞれ貼付領域520が設けられている。ラベル601の少なくとも一方の貼付領域520(図11(b)では右側の貼付領域520)は、接着部30及び弱接着部32が設けられた貼付面12cとされている。
図11(a)に示すとおり、ラベル601は、二つの貼付領域520のうちの一方が商品G(貼付対象物X、被着物D)に貼付され、非貼付領域510が商品Gの周部に巻き付けられ、他方の貼付領域520がラベル601(被着物D)の表面12aに貼付される。言い方を換えれば、ラベル601は、商品G及びラベル601自身の双方を被着物Dとされている。
なお、ラベル601は、図11(c-1)に示すとおり、接着部30及び弱接着部32が設けられた貼付面12cが、ラベル601の表面12aを被着物Dとして貼付されるものであってもよい。また、ラベル601は、図11(c-2)に示すとおり、接着部30及び弱接着部32が設けられた貼付面12cが、商品Gを被着物Dとして貼付されるものであってもよい。
図12に示すラベル602は、裏面12bの略全域に接着部30が設けられている。図12(a)に示すとおり、ラベル602は、略全域が商品Gに巻き付けるように貼付される。図12(b)に示すとおり、ラベル602の長手方向(ラベル602の巻付け方向)の一端(図12(b)では右側)に弱接着部32が設けられている。ラベル602は、ラベル601と同様に、弱接着部32が設けられた側が商品Gに直接貼付されるものであってもよいし、弱接着部32が設けられた側がラベル602の表面12aに貼付されるものであってもよい。
図13に示すラベル603は、ラベル603の表面12aに貼付される貼付領域520を備えている。図13(b)に示すとおり、ラベル603には、非貼付領域510が設けられており、非貼付領域510の一方の側方(図13(b)では右側)に貼付領域520が設けられている。ラベル603の貼付領域520には、接着部30及び弱接着部32が設けられている。
図13(a)に示すとおり、ラベル603は、非貼付領域510が商品Gの周部に巻き付けられ、貼付領域520がラベル601(被着物D)の表面12aに貼付される。言い方を換えれば、ラベル603は、ラベル603自身を被着物Dとしている。また、ラベル603は、商品Gを装着対象物Yとしている。
なお、ラベル603は、貼付領域520がラベル603に貼付されていない状態で商品Gに巻き付けられて装着されるものであってもよいし、貼付領域520をラベル603に貼付させた状態(筒状にされた状態)で商品Gに装着されるものであってもよい。また、ラベル603は、商品Gに装着された後に、少なくとも一部が熱により収縮される(シュリンクされる)ものであってもよい。さらに、ラベル603は、筒状とされるものに限定されず、袋状に形成されたものであってもよい。
本発明のラベルは、例えば図14に示すように、いわゆる「フラップラベル」として用いられるものであってもよい。
「フラップラベル」とは、取出口が形成されるパッケージP(包装体)に対して、取出口を塞ぐ蓋材として包装体に剥離可能に貼付されるラベルである。本発明のラベルは、パッケージPを被着物DとしてパッケージPに貼付されるものであってもよい。本発明のラベルは、例えば図14に示すフラップラベルとして用いられるラベル700のように、パッケージPに再接着可能な蓋部として貼付領域520を設けるとともに、貼付領域に弱接着部32を設け、さらに弱接着部32に被遮蔽情報(図14では図示を省略)を設けたものであってもよい。また、フラップラベルとして用いられるラベル700は、ストッパー710が設けられているものであってもよい。
なお、上述のラベル501,502,503(ラベル500)やラベル601,602,603(ラベル600)、ラベル700の弱接着部32には、図示を省略した被遮蔽情報が設けられている。また、ラベル500,600の被遮蔽情報は、遮蔽層により遮蔽されている。ラベル500,600,700の遮蔽層は、基材(第一基材)を不透明基材として設けてもよいし、基材を透明基材として設けて透明基材に印刷層を設けることで形成してもよい。
このように、本発明のラベルは、POPラベルや巻付けラベル、あるいはフラップラベル等、種々の形態のラベルに好適に用いることができる。また、本発明のラベルは、あらかじめ筒状や袋状に形成された後に、商品G等に装着されるものであってもよい。具体的には、本発明のラベルを熱収縮性のある素材により形成して、商品Gに取り付けられた後に少なくとも一部が加熱されて熱収縮により装着されるものであってもよい(例えばシュリンクラベル)。