JP7336221B2 - 硫黄変性クロロプレンゴム、加硫物及び該加硫物を用いた成形品並びに硫黄変性クロロプレンゴムの製造方法 - Google Patents

硫黄変性クロロプレンゴム、加硫物及び該加硫物を用いた成形品並びに硫黄変性クロロプレンゴムの製造方法 Download PDF

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硫黄変性クロロプレンゴムは、その優れた動的特性を生かし、一般産業用の伝動ベルトやコンベヤベルト、自動車用空気バネ、防振ゴム、スポンジ製品等の材料として広く使用されている。これらの製品は、動的な応力により変形-回帰が繰り返し行われるため、ゴム自体が発熱して劣化したり、製品寿命が短縮したりするという問題がある。このため、発熱性を低減させた硫黄変性クロロプレンゴムの開発が切望されていた。
ゴムの発熱性を低減させる技術としては、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体ゴム等のエラストマー、α,β-エチレン性不飽和カルボン酸の金属塩、BET比表面積が25m/g以下の酸化マグネシウム、及び有機過酸化物系架橋剤を含有してなる低発熱性ゴム組成物(特許文献1参照)が知られている。また、ゴム成分に特定の低発熱性カーボンブラックを含有させたゴム組成物(特許文献2参照)や、所定の性質を有する高分子量成分と、所定の性質を有する低分子量成分とを混合して得られる変性共役ジエン系重合体(特許文献3参照)が知られている。
一方で、圧縮永久歪に優れた硫黄変性クロロプレンゴムの開発も切望されている。ゴムの圧縮永久歪を改善する技術としては、クロロプレンゴム及び天然ゴムを合計で100質量部と、スチレンとブタジエンとの共重合体0.1~10質量部と、エチレンチオウレア0.1~3質量部と、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド0.1~3質量部と、を含有するクロロプレンゴム組成物が知られている(特許文献4参照)。
さらに、クロロプレンゴムの耐スコーチ性を改善する技術としては、クロロプレンゴム100重量部に対して、ジチオカルバミン酸のアミン塩を1~10重量部とチウラム系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤及びスルフェンアミド系加硫促進剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物0.1~5重量部を含有するゴム組成物が知られている(特許文献5参照)。
特開平9-268239号公報 特開平10-130424号公報 特開2010-121086号公報 特開2012-111899号公報 特開2016-141736号公報
上述の通り、硫黄変性クロロプレンゴムについては、その物性を向上させる技術が開発されつつある。しかしながら、耐スコーチ性に優れると共に、圧縮永久歪みや発熱性を低減させる技術はこれまでに存在しなかった。
そこで、本発明では、耐スコーチ性に優れ、かつ、圧縮永久歪みや発熱性が低減された加硫物が得られる硫黄変性クロロプレンゴムを提供することを主目的とする。
本願発明者らは、かかる課題を解決するために鋭意研究を行った結果、硫黄変性クロロプレンゴムの分子末端に特定の構造を導入するにより、耐スコーチ性に優れ、かつ、圧縮永久歪みや発熱性が低減された加硫物が得られる硫黄変性クロロプレンゴムを製造することに成功し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、分子末端に化学式1又は化学式2で表される構造のうち少なくとも1種を有する硫黄変性クロロプレンゴムであって、化学式1で表される末端官能基(A)と化学式2で表される末端官能基(B)の質量比率(B/A)が0~12かつ硫黄変性クロロプレンゴム100質量部中の末端官能基(A)と末端官能基(B)の合計量(A+B)が0.1~1質量部である硫黄変性クロロプレンゴムである。
(式中、R、Rはそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基又は置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアリールチオ基を示す。R、Rはそれぞれ同一のものでもよく、異なるものでも良い。また、R、Rは互いに結合して、置換基を有する環を形成しても良い。)
(式中、R、Rは置換基を有しても良い炭素数7~8のアルキル基を示す。R、Rはそれぞれ同一のものでもよく、異なるものでも良い。)
硫黄変性クロロプレンゴム100質量部中の末端官能基(A)の量は0.05~0.4質量部であることが好ましく、硫黄変性クロロプレンゴム100質量部中の末端官能基(B)の量は0~0.8質量部であることが好ましい。
硫黄変性クロロプレンゴムは、その100質量部に対して、イミダゾールを0.005~0.2質量部含有することが好ましい。
イミダゾールとしては、2-メルカプトイミダゾール、2-メルカプトベンズイミダゾール、N-シクロヘキシル-1H-ベンズイミダゾール-2-スルフェンアミド、2-メトキシカルボニルアミノ-ベンゾイミダゾール、2-メルカプトメチルベンズイミダゾール、2-メルカプト-5-メトキシベンズイミダゾール、2-メルカプト-5-カルボキシベンズイミダゾール、2-メルカプトベンズイミダゾール-5-スルホン酸ナトリウム二水和物、2-メルカプト-5-ニトロベンズイミダゾール、2-メルカプト-5-アミノベンズイミダゾールから選ばれる少なくとも一種の化合物が好ましい。
硫黄変性クロロプレンゴムには、その100質量部に対して、テトラアルキルチウラムジスルフィド及びジアルキルジチオカルバミン酸塩から選ばれるジチオカルバミン酸系化合物を0~2質量部含有させることが好ましい。
ジチオカルバミン酸系化合物としては、ジベンジルジチオカルバミン酸、ジベンジルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジベンジルジチオカルバミン酸カリウム、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸アンモニウム、ジベンジルジチオカルバミン酸ニッケル、ジ-2-エチルヘキシルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジ-2-エチルヘキシルジチオカルバミン酸カリウム、ジ-2-エチルヘキシルジチオカルバミン酸カルシウム、ジ-2-エチルヘキシルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ-2-エチルヘキシルカルバミン酸アンモニウム、テトラベンジルチウラムジスルフィド、テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィドから選ばれる少なくとも一種の化合物が好ましい。
硫黄変性クロロプレンゴムに含まれるイミダゾール(C)とジチオカルバミン酸系化合物(D)の質量比率(D/C)は0~120に調整することが好ましく、硫黄変性クロロプレンゴムのムーニー粘度は、20~80に調整することが好ましい。
硫黄変性クロロプレンゴムは、加硫することで加硫物とすることができる。この加硫物は、伝動ベルト、コンベヤベルト、防振ゴム、空気バネ、ホース製品又はスポンジ製品などの成形品として利用できる。
また本発明では、少なくとも、2-クロロ-1,3-ブタジエンと、硫黄と、を乳化重合して重合液を得る重合工程と、
該重合液中に、イミダゾールを添加することにより、前記重合液中の重合体を可塑化する可塑化工程と、
を有する、硫黄変性クロロプレンゴムの製造方法を提供する。
本発明によれば、耐スコーチ性に優れ、かつ、圧縮永久歪みや発熱性が低減された加硫物が得られる硫黄変性クロロプレンゴムを得ることができる。
以下、本発明を実施するための好適な形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
本発明に係る硫黄変性クロロプレンゴムは、硫黄の存在下で、2-クロロ-1,3-ブタジエン(以下「クロロプレン」とも称する)単独又はクロロプレンと他の単量体とを乳化重合して主鎖に硫黄を導入した硫黄変性クロロプレン重合体を、イミダゾールを用いて可塑化したラテックス、及び、このラテックスを一般的な方法で乾燥洗浄して得られた硫黄変性クロロプレンゴムを包含する。以下、硫黄変性クロロプレンゴムの製造工程に沿って、詳細に説明する。
<重合工程>
本発明に係る硫黄変性クロロプレンゴムの製造方法では、クロロプレンと硫黄、必要に応じてクロロプレンと共重合可能な単量体を乳化重合して重合液を得る。
クロロプレンと共重合可能な単量体としては、例えば、2,3-ジクロロ-1,3-ブタジエン、1-クロロ-1,3-ブタジエン、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、イソプレン、ブタジエン、並びにメタクリル酸及びこれらのエステル類などがあり、2種以上を併用することもできる。これらの単量体を用いる場合は、得られる硫黄変性クロロプレンゴムの特性を損なわない範囲で用いることが好ましく、クロロプレンを含む全単量体中10質量%以下とすることが好ましい。これらの単量体の使用量が10質量%を超えると、得られる硫黄変性クロロプレンゴムの耐熱性が向上しない場合や、加工特性が低下する場合もある。
これらの単量体のうち、例えば、2,3-ジクロロ-1,3-ブタジエンを用いると、得られる硫黄変性クロロプレンゴムの結晶化速度を遅くすることができる。結晶化速度が遅い硫黄変性クロロプレンゴムは、低温環境下においてもゴム弾性を維持することができ、例えば、低温圧縮永久歪みを改善することが可能となる。
乳化重合に際して、添加する硫黄(S)の量は、重合させる単量体の合計100質量部に対して、0.01~0.6質量部が好ましく、0.1~0.5質量部がより好ましい。硫黄(S)の量が0.01質量部未満であると、得られる硫黄変性クロロプレンゴムの機械的特性や動的特性が得られない場合がある。一方、硫黄(S)の量が0.6質量部を超えると、得られる硫黄変性クロロプレンゴムの金属への粘着性が強くなりすぎて加工できなくなる場合がある。
乳化重合に用いる乳化剤としては、クロロプレンの乳化重合に用いることが可能な公知の乳化剤や脂肪酸類を、1種又は2種以上、自由に選択して用いることができる。乳化剤としては、具体的には、ロジン酸類、芳香族スルフォン酸ホルマリン縮合物の金属塩、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルフォン酸カリウム、アルキルジフェニルエーテルスルフォン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルスルフォン酸カリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルフォン酸ナトリウム、ポリオキシプロピレンアルキルエーテルスルフォン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルフォン酸カリウム、ポリオキシプロピレンアルキルエーテルスルフォン酸カリウム等がある。この中でも特に、ロジン酸類を用いることが好ましい。なお、ここにロジン酸類とは、ロジン酸又は不均化ロジン酸、あるいは不均化ロジン酸のアルカリ金属塩、もしくはこれらの化合物などを意味する。好適に用いられる乳化剤としては、不均化ロジン酸のアルカリ金属塩と、炭素数が6~22である飽和又は不飽和の脂肪酸の混合物からなるアルカリ石鹸水溶液である。不均化ロジン酸の構成成分としては、例えば、セスキテルペン、8,5-イソピマル酸、ジヒドロピマル酸、セコデヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、デイソプロピルデヒドロアビエチン酸、デメチルデヒドロアビエチン酸などがある。
乳化重合開始時の水性乳化液のpHは、10.5以上であることが望ましい。ここで、水性乳化液とは、乳化重合開始直前の、クロロプレン及びクロロプレンと共重合可能な単量体、乳化剤、硫黄(S)等との混合液である。これらの単量体や硫黄(S)等の後添加、分割添加等によりその組成が変わる場合も包含される。pH10.5以上にすることで、乳化剤としてロジン酸類を用いた場合に、重合中のポリマー析出等を防止し、安定的に重合を制御することが可能となる。なお、水性乳化液のpHは、乳化重合時に存在している水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ成分量により調整できる。
乳化重合の重合温度は重合制御性と生産性の観点から0~55℃、好ましくは30~55℃である。
重合開始剤としては通常のラジカル重合で用いられる過硫酸カリウム、過酸化ベンゾイル、過硫酸アンモニウム、過酸化水素などを用いることができる。重合は重合率60~95%、好ましくは70~90%の範囲で行われ、ついで重合禁止剤を加えて停止させる。
生産性の面から、重合率は60%以上が好ましい。また、得られる硫黄変性クロロプレンゴムの加工性に影響を及ぼす分岐構造の発達やゲルの生成を抑制する観点から、重合率は95%以下が好ましい。重合体の重合禁止剤としては、例えばチオジフェニルアミン、4-第三ブチルカテコール、2,2’-メチレンビス-4-メチル-6-第三-ブチルフェノールなどがある。重合禁止剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<可塑化工程>
可塑化工程では、前記重合工程で得られた硫黄変性クロロプレン重合液に、イミダゾールを添加し、主鎖中に存在するポリスルフィド結合(S~S)と添加されたイミダゾールが反応することで、添加したイミダゾールに由来する前記化学式1で表される末端官能基(A)を形成しながら、重合液中の重合体を切断、解重合する工程である。以下、重合体を切断、解重合するために用いる薬品を可塑化剤とする。
添加するイミダゾールの種類は、公知のイミダゾールを1種又は2種以上、自由に用いることができる。本発明では特に2-メルカプトイミダゾール、2-メルカプトベンズイミダゾール、N-シクロヘキシル-1H-ベンズイミダゾール-2-スルフェンアミド、2-メトキシカルボニルアミノ-ベンゾイミダゾール、2-メルカプトメチルベンズイミダゾール、2-メルカプト-5-メトキシベンズイミダゾール、2-メルカプト-5-カルボキシベンズイミダゾール、2-メルカプトベンズイミダゾール-5-スルホン酸ナトリウム二水和物、2-メルカプト-5-ニトロベンズイミダゾール、2-メルカプト-5-アミノベンズイミダゾールから選ばれる少なくとも一種の化合物であることが好ましい。
重合液中の重合体100質量部に対し、添加するイミダゾールの量は、重合液中の重合体100質量部に対して、0.2~3質量部が好ましい。イミダゾールの添加量を0.2質量部以上とすることで、得られる加硫物の耐スコーチ性を向上させ、圧縮永久歪みを低減させることができる。また、イミダゾールの添加量を3質量部以下とすることで、適度なムーニー粘度の硫黄変性クロロプレンゴムを得ることができ、その結果、加硫成形性を向上させることができる。
可塑化工程では、可塑化剤として、テトラアルキルチウラムジスルフィド及びジアルキルジチオカルバミン酸塩から選ばれるジチオカルバミン酸系化合物を併用することもできる。重合液中において、ジチオカルバミン酸系化合物は、イミダゾールと反応し、イミダゾールやジチオカルバミン酸系化合物単体と比較し、よりポリスルフィド結合との反応性が高い反応物を形成し、ムーニー粘度調整を容易にする。反応物は硫黄変性クロロプレンゴム主鎖中のポリスルフィド結合と反応することで、末端官能基(A)と添加したジチオカルバミン酸系化合物に由来する前記化学式2で表される末端官能基(B)を形成する。前記の可塑化工程により得られた硫黄変性クロロプレンゴムの加硫物は耐スコーチ性が良好になり、得られる加硫物の圧縮永久歪み、及び発熱性の物性バランスも良好となる。添加するジチオカルバミン酸系化合物は、公知のジチオカルバミン酸系化合物を1種又は2種以上、自由に用いることができ、特に、ジベンジルジチオカルバミン酸、ジベンジルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジベンジルジチオカルバミン酸カリウム、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸アンモニウム、ジベンジルジチオカルバミン酸ニッケル、ジ-2-エチルヘキシルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジ-2-エチルヘキシルジチオカルバミン酸カリウム、ジ-2-エチルヘキシルジチオカルバミン酸カルシウム、ジ-2-エチルヘキシルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ-2-エチルヘキシルカルバミン酸アンモニウム、テトラベンジルチウラムジスルフィド、テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィドから選ばれる少なくとも一種の化合物を用いることが好ましい。
ジチオカルバミン酸系化合物を用いる場合、その添加量は特に限定されないが、重合液中の重合体100質量部に対して、0~8質量部添加することが好ましく、より好ましくは0.5~4である。アルキルキサントゲンジスルフィドの添加量を該範囲内とすることで、得られる硫黄変性クロロプレンゴムのムーニー粘度制御が一層容易となり、得られる加硫物の耐スコーチ性が一層向上し、圧縮永久歪み、及び発熱性が一層低減される。
前記可塑化工程を経た重合体のラテックスを、一般的な方法で、冷却、pH調整、凍結、乾燥等を行って、硫黄変性クロロプレンを得る。得られた硫黄変性クロロプレンは、その100質量部中に前記化学式1で表される末端官能基(A)を0.05~0.4質量部含有することを特徴とする。末端官能基(A)の含有量を調整するには可塑化工程で添加するイミダゾールの量や可塑化工程の可塑化時間及び可塑化温度を調整すれば良い。末端官能基(A)の含有量を該範囲内とすることで、得られる加硫物の耐摩耗性が向上し、圧縮永久歪み、及び発熱性の低減に資する。
得られた硫黄変性クロロプレンゴムは、その100質量部に対して、未反応のイミダゾールを0.005~0.2質量部残存させることで、得られる加硫物の耐スコーチ性が向上し、圧縮永久歪み、及び発熱性の低減に資する。未反応のイミダゾールの残存量を調整するには、可塑化工程で添加するイミダゾールの量や可塑化工程の可塑化時間及び可塑化温度を調整すれば良い。
前記可塑化工程において、ジチオカルバミン酸系化合物を用いる場合、得られる硫黄変性クロロプレンゴム中に存在する前記化学式2で表される末端官能基(B)の含有量は特に限定されない。例えば、前記可塑化工程において、重合液中の重合体100質量部に対して、ジチオカルバミン酸系化合物を0~12質量部添加した場合、得られる硫黄変性クロロプレンゴムには、その100質量部に対して、末端官能基(B)を0~0.8質量部含有し、未反応のジチオカルバミン酸系化合物を0~2質量部含有する。末端官能基(B)の含有量や未反応のジチオカルバミン酸系化合物の量を調整するにはジチオカルバミン酸系化合物の添加量や可塑化工程の時間及び可塑化温度を調整すれば良い。末端官能基Bの含有量を該範囲内とすることで、得られる加硫物の耐摩耗性が一層向上し、圧縮永久歪み、及び発熱性の更なる低減に資する。
末端官能基(A)の含有量と、末端官能基(B)の含有量の質量比(B/A)は、0~12であり、かつ末端官能基(A)と末端官能基(B)の含有量の質量合計(A+B)は0.1~1である。質量比(B/A)が12を超えてしまうと得られる加硫物の耐スコーチ性、耐発熱性が低下する。質量合計(A+B)が0.1に満たないと得られる硫黄変性クロロプレンゴムの耐スコーチ性、耐圧縮永久歪み性、耐発熱性が低下し、質量合計(A+B)が1を超えると得られる硫黄変性クロロプレンゴムのムーニー粘度の低下が著しく実用的でない。
硫黄変性クロロプレンゴム中の末端官能基(A)及び末端官能基(B)の含有量は以下の手順にて定量できる。
得られた硫黄変性ポリクロロプレンをベンゼンとメタノールで精製し、再度凍結乾燥して測定用試料とした。得られた測定用試料を、JIS K-6239に従ってH-NMR測定を行った。得られた測定データを、溶媒とした重水素化ジメチルスルホキシド中のジメチルスルホキシドのピーク(2.49ppm)を基準に補正し、補正した測定データに基づいて、6.99~7.23ppmにピークトップを有するピークの面積を算出して末端官能基(A)を定量し、溶媒とした重水素化クロロホルム中のクロロホルムのピーク(7.24ppm)を基準に補正し、補正した測定データに基づいて、5.05~5.50ppmにピークトップを有するピークの面積を算出して末端官能基(B)を定量する。
さらに、未反応のイミダゾールの含有量(C)と、未反応のジチオカルバミン酸系化合物の含有量(D)の比(D/C)は、0~120であることが好ましい。含有量の比(D/C)を該範囲内とすることで、得られる加硫物の耐摩耗性、圧縮永久歪み、及び発熱性の物性バランスが一層良好となる。
硫黄変性クロロプレンゴム中の未反応のイミダゾールの含有量(C)と、未反応のジチオカルバミン酸系化合物の含有量(D)は以下の手順にて定量できる。
得られた硫黄変性ポリクロロプレンゴム1.5gをベンゼン30mlで溶解した後、メタノール60mlを滴下し、ゴム成分を析出させ溶媒から分離し非ゴム分を溶媒可溶成分として回収した。析出したポリマー分に対し、再度、同様の手順でベンゼン溶解及びメタノール滴下を行い、ゴム成分を分離し、非ゴム分を同様に溶媒可溶成分として回収し、1回目と2回目の溶媒を混合して200mlに定容、これを測定用試料とした。測定用試料を液体クロマトグラフ(LC 日立製作所製 ポンプ:L-6200、L-600 UV検出器:L-4250)に20μL注入した。LCの移動相はアセトニトリル及び水の比率を変化させながら使用し、1ml/minの流量で流した。カラムはInertsil ODS-3(φ4.6×150mm 5μm GLサイエンス製)を用いた。イミダゾール(測定波長:300nm)、ジチオカルバミン酸系化合物(測定波長:280nm)のピーク検出時間を標準液で確認し、そのピーク面積から求めた検量線により定量値を求めた。本定量値と、分析に用いたサンプル量の比較により、硫黄変性クロロプレンゴム中の未反応のイミダゾール及び未反応のジチオカルバミン酸系化合物の含有量を求めた。
硫黄変性クロロプレンゴムのムーニー粘度は、特に限定されないが、20~80の範囲に調整することが好ましい。硫黄変性クロロプレンゴムのムーニー粘度を該範囲に調整することによって、得られる硫黄変性クロロプレンゴムの加工性を維持することができる。
硫黄変性クロロプレンゴムのムーニー粘度を調整するには、可塑化剤の添加量や可塑化工程の時間及び可塑化温度を調整すれば良い。
硫黄変性クロロプレンゴムには、貯蔵時のムーニー粘度変化を防止するため、少量の安定剤を含有させることもできる。本発明に用いることができる安定剤の種類は、クロロプレンゴムに用いることが可能な公知の安定剤を1種又は2種以上、自由に選択して用いることができる。例えば、フェニル-α-ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、2,6-ジ-ターシャリー-ブチル-4-フェニルフェノール、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-ターシャリー-ブチルフェノール)、及び4,4’-チオビス-(6-ターシャリー-ブチル-3-メチルフェノール)などがある。これらの安定剤のうち、4,4’-チオビス-(6-ターシャリー-ブチル-3-メチルフェノールが好ましい。
<加硫物・成形品>
硫黄変性クロロプレンゴムは、金属化合物、可塑剤、及び充填剤等と共に、ロールやバンバリーミキサー、押出機などで混合した後、所望する形状に成形して加硫、又は加硫物とした後に成形して、伝動ベルト、コンベヤベルト、防振ゴム、空気バネ、ホース製品及びスポンジ製品などの成形品とすることができる。
金属化合物は、硫黄変性クロロプレンゴムの加硫速度の調整や、硫黄変性クロロプレンゴムの脱塩酸反応によって生じる塩化水素などの塩素源を吸着して、硫黄変性クロロプレンゴムが劣化することを抑制するために添加するものである。金属化合物としては、例えば、亜鉛、チタン、マグネシウム、鉛、鉄、ベリリウム、カルシウム、バリウム、ゲルマニウム、ジルコニウム、バナジウム、モリブテン、タングステンなどの酸化物や水酸化物を用いることができる。これらの金属化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
金属化合物の添加量は、特に限定されないが、硫黄変性クロロプレンゴム100質量部に対して、3~15質量部の範囲が好ましい。金属化合物の添加量をこの範囲に調整することにより、得られる硫黄変性クロロプレンゴム組成物の機械的強度を向上させることができる。
可塑剤は、硫黄変性クロロプレンゴムの硬度を下げて、その低温特性を改良するために添加するものである。また、硫黄変性クロロプレンゴムを用いてスポンジを製造する際に、その風合いを向上させることもできる。可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート{アジピン酸ビス(2-エチルヘキシル)}、ホワイトオイル、シリコンオイル、ナフテンオイル、アロマオイル、トリフェニルフォスフェート、及びトリクレジルフォスフェートなどがある。これらの可塑剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
可塑剤の添加量は、特に限定されないが、硫黄変性クロロプレンゴム100質量部に対して、50質量部以下の範囲が好ましい。可塑剤の添加量をこの範囲に調整することにより、得られる硫黄変性クロロプレンゴムの引き裂き強度を維持しつつ、上述の効果を発揮することができる。
充填剤は、硫黄変性クロロプレンゴムの補強材として添加するものである。充填材としては、例えば、カーボンブラック、シリカ、クレー、タルク、及び炭酸カルシウムなどがある。これらの充填剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
充填材の添加量は、特に限定されないが、硫黄変性クロロプレンゴム100質量部に対して、100質量部以下の範囲が好ましい。充填材の添加量をこの範囲に調整することにより、硫黄変性クロロプレンゴムの成形加工性を維持しつつ、上述の効果を発揮することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例は、本発明の代表的な実施例の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
<硫黄変性クロロプレンゴムの作製>
(実施例1)
内容積30リットルの重合缶に、クロロプレン100質量部、硫黄0.55質量部、純水120質量部、不均化ロジン酸カリウム(ハリマ化成株式会社製)4.00質量部、水酸化ナトリウム0.60質量部、β-ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩(商品名デモールN:花王株式会社製)0.6質量部を添加した。重合開始前の水性乳化剤のpHは12.8であった。重合開始剤として過硫酸カリウム0.1質量部を添加し、重合温度40℃にて窒素気流下で重合を行った。転化率85%となった時点で重合停止剤であるジエチルヒドロキシアミンを加えて重合を停止させ、クロロプレンの重合液を得た。
得られた重合液に、溶剤としてクロロプレン単量体10質量部、可塑化剤として2-メルカプトベンズイミダゾール(商品名「ノクラックMB」大内新興化学工業株式会社製)1質量部及びテトラベンジルチウラムジスルフィド(商品名「ノクセラーTBzTD」大内新興化学工業株式会社製)4質量部、分散剤としてβ―ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩0.05質量部、乳化剤としてラウリル硫酸ナトリウム0.05質量部からなる可塑化剤乳化液を添加し、可塑化前の硫黄変性クロロプレン重合体ラテックスを得た。
ここで、β-ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩は、汎用に用いられる分散剤であり、少量添加することで安定性が向上し、製造過程において凝集や析出をすることなく、安定的にラテックスを製造することができる。また、本実施例では、乳化重合後の重合液に可塑化剤を添加しているが、その際、より安定した可塑化を可能とするため、溶剤として添加したクロロプレンに可塑化剤を溶解させた可塑化剤液に、ラウリル硫酸ナトリウムを添加して乳化状態にしたものを添加した。
得られた硫黄変性クロロプレン重合体ラテックスを減圧蒸留して未反応の単量体を除去し、撹拌しながら温度50℃で1時間保持して可塑化し、可塑化後のラテックスを得た(以下、この可塑化後のラテックスを「ラテックス」と略称する。)。
得られたラテックスを冷却し、常法の凍結-凝固法で重合体を単離して硫黄変性クロロプレンゴムを得た。
得られた硫黄変性クロロプレンゴムの末端官能基は、硫黄変性クロロプレンゴム100質量部に対し、化学式3で表される2-メルカプトベンズイミダゾールに由来する末端官能基(A)が0.13質量部及び、化学式4で表されるテトラベンジルチウラムジスルフィドに由来する末端官能基(B)が0.29質量部であった。
<末端官能基(A)及び末端官能基(B)の含有量の分析>
硫黄変性クロロプレンゴム中の末端官能基(A)の含有量は以下の手順にて定量した。
得られた硫黄変性ポリクロロプレンをベンゼンとメタノールで精製し、再度凍結乾燥して測定用試料とした。得られた測定用試料を、JIS K-6239に従ってH-NMR測定を行った。得られた測定データを、溶媒とした重水素化ジメチルスルホキシド中のジメチルスルホキシドのピーク(2.49ppm)を基準に補正し、補正した測定データに基づいて、6.99~7.23ppmにピークトップを有するピークの面積を算出して末端官能基(A)を定量し、溶媒とした重水素化クロロホルム中のクロロホルムのピーク(7.24ppm)を基準に補正し、補正した測定データに基づいて、5.05~5.50ppmにピークトップを有するピークの面積を算出して末端官能基(B)を定量する。
<実施例2~8及び比較例1~3>
可塑化剤の添加量を調整し、末端官能基及び可塑剤の含有量を変更すること以外は、実施例1と同様の方法にて、硫黄変性クロロプレンゴムを得た。
<実施例9>
可塑化剤である2-メルカプトベンズイミダゾールの添加量を1質量部から0.3質量部とし、可塑化の保持時間を1時間から3時間に変更すること以外は、実施例1と同様の方法にて、硫黄変性クロロプレンゴムを得た。
<実施例10>
可塑化剤である2-メルカプトベンズイミダゾールの添加量を1質量部から1.5質量部とし、可塑化の保持時間を1時間から15分に変更すること以外は、実施例1と同様の方法にて、硫黄変性クロロプレンゴムを得た。
<実施例11>
可塑化剤であるテトラベンジルチウラムジスルフィドの添加量を4質量部から8質量部とし、可塑化の保持時間を1時間から15分に変更すること以外は、実施例1と同様の方法にて、硫黄変性クロロプレンゴムを得た。
<実施例12>
可塑化剤として2-メルカプトベンズイミダゾールを2-メルカプト-5-カルボキシベンズイミダゾール:(商品名「2MB5C」川口化学工業株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて、硫黄変性クロロプレンゴムを得た。得られた硫黄変性クロロプレンゴムの末端官能基は、前記化学式4で表されるテトラベンジルチウラムジスルフィドに由来するジチオカルバミン酸末端種A0.14質量部に加え、化学式5で表される2-メルカプト-5-カルボキシベンズイミダゾールに由来するイミダゾール末端種Bが0.33質量部であった。
<実施例13>
可塑化剤としてテトラベンジルチウラムジスルフィドをテトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド:(商品名「ノクセラーTOT-N」大内新興化学工業株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて、硫黄変性クロロプレンゴムを得た。得られた硫黄変性クロロプレンゴムの末端官能基は、前記化学式3で表される2-メルカプトベンズイミダゾールに由来するイミダゾール末端種Aが0.15質量部と、化学式6で表されるテトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィドに由来するジチオカルバミン酸末端種Bが0.25質量部であった。
<実施例14>
可塑化剤として2-メルカプトベンズイミダゾールを2-メルカプト-5-カルボキシベンズイミダゾールとし、テトラベンジルチウラムジスルフィドをテトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィドに変更した以外は、実施例1と同様の方法にて、硫黄変性クロロプレンゴムを得た。得られた硫黄変性クロロプレンゴムの末端官能基は、前記化学式5で表される2-メルカプト-5-カルボキシベンズイミダゾールに由来するイミダゾール末端種Bが0.15質量部と、前記化学式6で表されるテトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィドに由来するイミダゾール末端種Bが0.32質量部であった。
<比較例4>
可塑化剤として、2-メルカプトベンズイミダゾールとテトラエチルチウラムジスルフィドに変更し、その添加量を2.5質量部とした以外は、実施例1と同様の方法にて、硫黄変性クロロプレンゴムを得た。得られた硫黄変性クロロプレンゴムの末端官能基は、化学式7で表されるテトラエチルチウラムジスルフィドに由来する末端官能基が0.26質量部であった。
<ムーニー粘度の測定>
前記で得られた実施例1~14及び比較例1~4の硫黄変性クロロプレンゴム(生ゴム)について、JIS K 6300-1に準拠して、L型ロータの予熱時間1分、回転時間4分、試験温度100℃にてムーニー粘度の測定を行った。
<評価用のサンプルの作製>
前記で得られた実施例1~13及び比較例1~4の硫黄変性クロロプレンゴム(生ゴム)100質量部に、ステアリン酸1質量部、オクチル化ジフェニルアミン2.0質量部、酸化マグネシウム4.0質量部、カーボンブラック(GPF)40質量部、酸化亜鉛5.0質量部を、8インチロールを用いて混合し、160℃で20分間プレス架橋して評価用のサンプルを作製した。
<圧縮永久歪みの測定>
前記で作製した各サンプルについて、JIS K 6262に準拠し、100℃、72時間の試験条件で測定した。
<耐スコーチ性の評価>
前記で作製した各サンプルについて、JIS K 6300-1に準拠して、ムーニースコーチ試験を実施した。
<発熱性>
発熱性の評価は、グッドリッチフレクソメーター(Goodrich Flexometer:JIS K 6265)により行った。グッドリッチフレクソメーターは、加硫ゴム等の試験片に動的繰り返し負荷を加えて、試験片内部の発熱による疲労特性を評価する試験方法であって、詳しくは、一定の温度条件で試験片に静的初期荷重を加え、更に一定振幅の正弦振動を加え、時間の経過と共に変化する試験片の発熱温度やクリープ量を測定するものである。試験方法はJIS K 6265に準拠し、50℃、歪み0.175インチ、荷重55ポンド、振動数毎分1,800回の条件で発熱量(ΔT)を測定した。
<結果>
実施例の結果を下記の表1に、比較例の結果を下記の表2に示す。
Figure 0007336221000008
表1及び表2に示すとおり、実施例1~14の硫黄変性クロロプレンゴムは、耐スコーチ性に優れ、かつ、圧縮永久歪みや発熱性が低減されることが確認できた。イミダゾールを用いていても、生ゴム中の末端官能基の含有量の合計(A+B)が1質量部を超える比較例1については、ムーニー粘度が低すぎて、評価サンプルを作製することができなかった。
実施例で比較すると、末端官能基(A)が0.4質量部以下である実施例1は、末端官能基(A)が0.4質量部を超える実施例4に比べて圧縮永久歪みと発熱性がより低減していた。また、実施例1は、末端官能基(B)が0.8質量部を超える実施例5に比べてスコーチタイムがより長くなり、圧縮永久歪み性や発熱性がより低減していた。
硫黄変性クロロプレンゴム中のイミダゾール(C)の含有量とジチオカルバミン酸化合物(D)の含有量の質量比率(D/C)120以下である実施例2は、(D/C)が120を超える実施例8に比べてスコーチタイムがより長くなり、圧縮永久歪みと発熱性がより低減していた。

Claims (2)

  1. 分子末端に化学式1で表される構造及び化学式2で表される構造を有する硫黄変性クロロプレンゴムであって、化学式1で表される末端官能基(A)と化学式2で表される末端官能基(B)の質量比率(B/A)が0.42~12かつ硫黄変性クロロプレンゴム100質量部中の末端官能基(A)と末端官能基(B)の合計量(A+B)が0.1~1質量部である硫黄変性クロロプレンゴム。
    (式中、R、Rはそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基又は置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアリールチオ基を示すか、また、R、Rは互いに結合して、環を形成しても良い。R 、R はそれぞれ同一のものでもよく、異なるものでも良い。
    (式中、R、Rは置換基を有しても良いアルキル基を示す。R、Rはそれぞれ炭素数7~8であり、同一のものでもよく、異なるものでも良い。)
  2. 硫黄変性クロロプレンゴム100質量部中の末端官能基(A)の量が0.05~0.4質量部である請求項1に記載の硫黄変性クロロプレンゴム。
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