JP7323875B2 - 茹麺の容積式すり切り計量方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、切断麺の発生を抑えられるものの、ゼロにはできない点で未だ問題があった。また、麺の小出し供給はホッパー底部の供給口における麺の詰まりを防ぐ効果があるものの、稀に許容重量に満たないものが生じ、手直しの計量により手間がかかる問題があった。
ところが、0.5食で計量したものを合算して1食にすると重量の偏差は増え、切断麺線の混入も2倍に増える問題があった。
本発明は、入口から下に向け容積4~20立方cmとなる水平断面A迄を非通水壁で構成することを特徴とするが、望ましくは、水平断面Aの断面積は入口の断面積2~8平方cmと同じか、または近い方がいい。そして、水平断面Aより下に通水壁を含む構成とする。
標準容量の計量容器43aと標準より大容量の計量容器43bは一つのスライドユニット43内に設ける。計量容器43aと43bは互いに平行な天板43cと底板43dの間にあって、天板43cには計量容器の入口となる天板開口Li、Siが、底板43dには出口となる底板開口Lo、Soがある。
スライドユニット43は、ホッパー底部供給口より通じる茹麺供給口44aが開けられたホッパー側摺接面asと、計量容器から茹麺を排出する開口b1、b2が開けられた固定板45の排出側摺接面bsにより摺動可能とし、茹麺供給口44aとスライドユニット43の二つの天板開口Li、Siが重なる区間でスライドさせると共に、茹麺供給口44aと、該天板開口LiとSiの中間点Biとが重なる位置で、スライドユニット43の二つの底板開口LoとSoが固定板45の二つの開口b2とb1にピッタリ重なる位置関係にする。
この位置は麺や水の流入がないため満量(麺の有無)を検知する場合のノイズがなくてよい。しかも、この位置は続く排出工程に移動する途中だから、停止させることなく通過中に検知させれば良いが、検知精度を更に高める場合は0.1~0.5秒間一時停止させるといい。排出工程では、茹麺供給口44aと2つの天板開口の中間点Biとが重なる位置(排出位置)に移動して一時停止させ、満量、非満量にかかわらず麺を排出する。麺は固定板の開口b1から排出する。
スライドユニット43の計量容器43aが満量検知工程で非満量の判別をしたときは、予め1食に抱き合わせが決められた隣のスライドユニット43の計量容器43bで計量するとよい。すなわち、隣同士2列のどちらかで非満量を検知したときは、残る1列の次回で大容量の計量を行う。
計量容器43bの充填では、茹麺供給口44aと天板開口Liとを連通させる。次に、満量検知工程は行わず、排出工程に移る。排出工程のスライドユニットの移動位置は、標準の計量容器43a排出の場合と同様で、茹麺供給口44aと2つの天板開口の中間点Biとが重なる位置(排出位置)に移動して一時停止させ、固定板45の開口b2から排出する。
例えば、玉取り機の列数と搬送ケースのコンベアの列数を合わせ、搬送ケースが玉取り機の同列の排出口の直下を通過するように配置し、満量の1玉は順次直下のケースに投入する。そして、非満量の1玉は直下の1ケースを空けた後のケースに投入し、次回計量の1玉を先の直下の空きのケースに投入する。これは単に1列中の前後の入れ替えに過ぎないが、これにより非満量の1玉は隣で1回遅れの大容量で計量した1玉と隣同士の位置関係にすることができる。そのように投入するシュートの動作条件は、スライドユニットの動作に加えて自動制御装置に予めプログラムする。
重量分布の上限はもともとすり切りによって制限されていたが、本発明の手段2によれば、重量分布の下限を水平断面Aに満たない麺の排出をなくし下限を制限することで、正量(許容範囲)通過率を高めることができる。
また、2玉に分けて計量しそれらを合算して目標の重量にする場合も、本発明の手段3によれば、2玉のうち1玉のみの排出を防止し正量通過率を高めることができる。更に、本発明の手段4によれば、処理能力に影響を与えることなく正量通過率を高めることができる。以上により玉取り機の計量を要する麺製造ラインにおいて重量の修正の手間を軽減し省人化に資することができる。
充填工程では、拡散状態の茹麺2をホッパーの底部供給口1dより水と共に流し出し、計量容器3aに充填する。底部供給口1dは幅25mm隙間6mmのスリット状で、麺の詰まりをなくすため1~2秒毎に、6mmの隙間を12mmに瞬間開いては閉じる拡縮の動作をロッド1drに繋がるエアシリンダー(図示せず)により行った。
充填工程では、計量容器3aは図3の配置でホッパー底部供給口1dと計量容器入口3a1が連通状態を成し、排出工程では、計量容器3aは3aaの配置に移動、計量容器入口3a1は遮閉状態となり、計量容器出口3a2と排出側固定板5の開口5aが連通状態となって、充填された麺を排出する。スライドユニット3はこの区間を、毎時500~550往復の速度で摺動させた。なお、3aaの停止位置では排出に必要な時間のみ停止した。また、図4の玉取り機は3連の構造だが、実施例1ではホッパー底部供給口3口のうち2口を閉じ1口のみ単発の状態で使用した。
実施例1で計量した茹麺は、うどん用小麦粉5kgに対し10%の塩水2Lを練り水として加え、減圧度60キロパスカルで10分ミキシング後、生地塊を2等分した。その半量に当たる約3kgの生地塊は30℃30分経過後、定法により製麺し断面矩形の切り刃番手#9番相当の茹うどんに連続的に切り出し、蒸気攪拌する茹で釜に順次投入、ほぐれた状態として攪拌停止後98~99℃を維持して14分茹で上げ、約5~5.5kgの茹麺とした。その後、常温に冷却し3~5分の間に15℃の水が循環する容量60Lのホッパー1に投入、直ちにドラム1aを回転し麺を拡散状態とした。
麺の採取は、充填時間の揃う2回目の計量から連続する20回計量した麺を20枚のトレーに受け、個々の麺重量、含まれる20cm以下の麺の本数と重量を電子量りで計量、記録し、記録した値は表1の実施例1-▲1▼にまとめた。
続いて、残る半量の生地(更に30~40分経過した。)についても、同様の調製を行い、同様の計量と麺の採取を行い、再現性を確認した。記録した値は表1の実施例1-▲2▼にまとめた。
実施例1の平均重量は、▲1▼127.4g、▲2▼127.5g、
実施例1の標準偏差σは、▲1▼2.9g、▲2▼2.6g、
実施例1のレンジは、▲1▼12g、▲2▼9g、
実施例1の20cm以下の短麺の平均本数は、▲1▼0.9本、▲2▼0.5本、
実施例1の20cm以下の短麺の平均重量は、▲1▼1.1g、▲2▼1.2gだった。
これに対し、
比較例1の平均重量は、▲1▼130.9g、▲2▼130.6g、
比較例1の標準偏差σは、▲1▼1.8g、▲2▼1.7g、
比較例1のレンジは、▲1▼7g、▲2▼7g、
比較例1の20cm以下の短麺の平均本数は、▲1▼2.5本、▲2▼3.0本、
比較例1の20cm以下の短麺の平均重量は、▲1▼3.5g、▲2▼3.9gだった。
実施例1は比較例1に対し、平均重量が3g程度軽く、標準偏差は1g程度大きく、レンジは3g程度大きくなったものの、実施例1のレンジは10g前後であるため一般的な製品の重量許容差に収まる範囲だった。一方20cm以下の短麺の混入率では、実施例1は比較例1に対し、本数、重量共に1/3に減少した。
これは実施例1の計量容器の通水壁が比較例1の計量容器に比べ、天板3bから下方に15mm塞がれたことで、充填された麺重量の減少は僅かに3gだったが、これにより入口であるすり切り面に届きにくくなったことを示していた。
そして、混入していた「20cm以下の短麺」の平均本数が1本に満たなかった実施例1の麺は品位の点で何ら問題のないものだった。
以上により本発明手段1の有効性が示された。
図3、4の玉取り機で0.5食相当の計量を2連並列(ホッパー底部供給口3口のうち中央の1口を閉じ両側2口を有効)に改装し、毎時510~530食の速度とした。
並列2連の内、1連を図5、6、7に示したように標準容量の計量容器と光電センサーの発光部と受光部を配置して検知側とし、もう1連は、図8と図10に示したように標準容量の計量容器と標準より大きい容量の計量容器をダブルで備えたスライドユニットを設置して選択側とした。
検知側の計量容器の容量と選択側の標準容量は136立法cmで同一とし、選択側の標準より大きい容量は143立法cmとし、7立法cm容積をアップした。
検知側の光電センサーはキーエンス社のPRG-51Nとし、その発光部6aと受光部6bは、計量容器3aを挟むように、計量容器3aが充填位置から排出位置のスライド途中の入口出口共に閉じられた位置(図7の6c)で、かつ計量容器3aに対する高さは、水平断面Aから鉛直方向に1cmのレベルで水平に設置した。
その後、空の計量容器3aで充填位置から排出位置のスライドを繰り返し、計量容器3aによって入光信号が途切れることなく発信することを確認し、次に満量の計量容器をスライドし、遮光信号の出力を確認した。
最後に、満量検知の場合の選択側の次回の計量は、図9同様に標準容量の計量容器43aを選択して充填し、非満量検知の場合の選択側の次回の計量は、図10に示したようにスライドユニットを大容量充填位置に移動して充填、いずれの場合も排出の際は図9および図10の(排出位置)にスライドユニット43を移動するよう、玉取り機のシーケンサー(三菱電機)に条件を入力し、スライドユニットの自動制御を可能とした。
茹麺の調製は実施例1と同様とし、ホッパー1投入後直ちにドラム1aを回転し麺を拡散状態として計量を開始した。麺の採取は、充填時間の揃う2回目の計量から連続する19回の麺をトレーに受け、其々の麺重量を電子量りで計量、記録し、検知側の0.5食と次回の選択側の0.5食を合算して1食重量とした。その後、玉取り機外の茹麺を全量回収してホッパーに再投入して行う同様のデータ取りを3回行い、4回の集計結果をそれぞれまとめ、表2には再投入計量による3回目と4回目をまとめた。なお、いずれの場合も90%以上の麺線が、長さ50~53cm、麺線重量10~13gの範囲に含まれていた。
計量1回目は、検知側で非満量はなし、
0.5食検知側 平均117.3g、標準偏差σ2.9g、レンジ9g、
0.5食選択側 平均117.3g、標準偏差σ2.3g、レンジ9g、
1食合計 平均234.6g、標準偏差σ3.9g、レンジ15g。
再投入計量2回目は、検知側で非満量はなし、
0.5食検知側 平均114.2g、標準偏差σ2.9g、レンジ11g、
0.5食選択側 平均113.2g、標準偏差σ2.4g、レンジ10g、
1食合計 平均227.4g、標準偏差σ4.3g、レンジ14g。
再投入計量3回目は、検知側で非満量はなし、
0.5食検知側 平均114.4g、標準偏差σ2.5g、レンジ9g、
0.5食選択側 平均113.2g、標準偏差σ2.4g、レンジ8g、
1食合計 平均227.6g、標準偏差σ4.2g、レンジ13g。
再投入計量4回目は、検知側で非満量が2回発生し、選択側で2回大計量で対応、
0.5食検知側平均108.7g、標準偏差σ5.9g、レンジ23g
0.5食選択側平均112.6g、標準偏差σ4.0g、レンジ15g
1食合計 平均221.3g、標準偏差σ4.6g、レンジ16gだった。
計量1回目、ホッパー再投入による計量2回目および計量3回目では、検知側で非満量はなく、選択側は全て標準容量の計量容器で計量された。ホッパー再投入による計量4回目では、麺のふやけが大きく進行したことで、検知側の計量順14回目と18回目で非満量が発生し、選択側の15回目と19回目で標準より大きい計量容器が選択された。
その結果、再投入計量4回目検知側の標準偏差σ5.9g、レンジ23gは、合算後の1食重量で標準偏差σは4.6g、レンジは16gに抑えることができた。
以上により本発明手段4の有効性が示された。
実施例2では、計量4回目の検知側の計量順14回目と18回目で非満量が発生し、選択側の15回目と19回目で標準より大きい計量容器が選択されたが、仮に、検知側の計量順14回目と18回目の非満量の麺を排出せず、次回の充填を継続した場合、高い確率で満量となり、その場合、4回目検知側の標準偏差σ5.9g、レンジ23gが低減することは明らかだった。
また、仮に、計量4回目の検知側の計量順14回目と18回目の非満量の麺を排出せず、次回の充填を継続すると共に、これらと合算する選択側の0.5食を排出せず、検知側次回の排出の際に同時に排出させれば、18食の麺は全て1食重量で揃えることができ、その結果、0.5食相当の2玉を含む場合と比べ、標準偏差σやレンジの値が大幅に低減することは明らかだった。これらにより本発明手段2および3の有効性を示すことができる。
1a ホッパー1内の回転ドラム
1b ホッパー1内の下降水流
1c ホッパー1内の噴上げ水流
1d ホッパー1内の底部供給口
1dr ホッパー1内の底部供給口を拡縮させるロッド
2 ホッパー1内の茹麺
3 本発明1~3に適用可能なスライドユニット
3a スライドユニット3の計量容器
3a1 計量容器3aの入口
3a2 計量容器3aの出口
3aa 計量容器3aの麺排出位置
3b スライドユニット3の天板
3c スライドユニット3の底板
3r スライドユニット3をスライドさせるロッド
4 スライドユニット3のホッパー側摺動面
4a 茹麺供給口
5 排出側固定板
5a 固定板5の茹麺を排出する開口
6a 実施例2の光電センサー発光部
6aL1 発光部6aの光線
6aL2 発光部6aの光線のうち計量容器の通水孔を抜けた透過光
6b 実施例2の光電センサー受光部
6c 実施例2の光電センサーによる検知位置
〔図8~10〕
43 本発明の手段4に適したスライドユニット
43a スライドユニット43の標準容量の計量容器
43b スライドユニット43の標準より大容量の計量容器
43c スライドユニット43の天板
43d スライドユニット43の底板
44a 茹麺供給口
45 排出側の固定板
46 光電センサー
Li スライドユニット43の計量容器43bの天板開口
Si スライドユニット43の計量容器43aの天板開口
Bi スライドユニット43の天板開口LiとSiの中間点
Lo スライドユニット43の計量容器43bの底板開口
So スライドユニット43の計量容器43aの底板開口
as スライドユニット43のホッパー側摺接面
b1,b2 固定板45の茹麺排出開口
bs スライドユニット43の排出側摺接面
Claims (4)
- ホッパー内の水中に貯留された複数食分の茹麺を水流と共に拡散し、該ホッパーの底部供給口より該茹麺を水と共に流し出し、該底部供給口より下方に配置され通水壁を有する計量容器に該茹麺を充填する充填工程と、該計量容器の下面を開口することで充填された茹麺を排出する排出工程と、を繰り返し、充填工程から排出工程の間で、該計量容器入口からはみ出た茹麺を切断する、すり切りの計量方法であって、
該計量容器が、該入口から下に向け水平断面積が同じか漸次拡大する形状で、該入口の断面積が2~8平方cm、該入口から下に向け容積4~20立方cmとなる水平断面A迄を非通水壁、
該水平断面Aより下に通水壁を含むことを特徴とする、茹麺の切断を低減する玉取り機による自動計量方法。 - 前記充填工程と前記排出工程の間に、前記計量容器の周囲から該計量容器内の茹麺の有無を検知可能なセンサーにより、前記計量容器内に充填された茹麺が満量か非満量かの検知を行う、満量検知工程を挟む容積式の計量方法において、
該センサーにより該計量容器内の茹麺の有無を検知する位置が、前記水平断面Aから鉛直方向の0~2cmの範囲で、
該満量検知工程で満量を検知しない場合、該満量検知工程に続く排出工程を少なくとも1回なくし、次回の充填工程に移ることを特徴とする請求項1に記載の玉取り機による自動計量方法。 - 前記充填工程と前記排出工程の間に、前記計量容器の周囲から該計量容器内の茹麺の有無を検知可能なセンサーにより、前記計量容器内に充填された茹麺が満量か非満量かの検知を行う、満量検知工程を挟む容積式の計量方法において、
該センサーにより該計量容器内の茹麺の有無を検知する位置が、前記水平断面Aから鉛直方向の0~2cmの範囲で、
2玉に分けて計量し、それらを合算して目標の重量にする場合に、
前記満量検知工程で、合算する2玉のいずれかが非満量を検知した場合、該2玉共に該満量検知工程に続く排出工程を少なくとも1回なくし、
非満量を検知した1玉が次回の充填工程に移ることを特徴とする請求項1に記載の玉取り機による自動計量方法。 - 前記充填工程と前記排出工程の間に、前記計量容器の周囲から該計量容器内の茹麺の有無を検知可能なセンサーにより、前記計量容器内に充填された茹麺が満量か非満量かの検知を行う、満量検知工程を挟む容積式の計量方法において、
該センサーにより該計量容器内の茹麺の有無を検知する位置が、前記水平断面Aから鉛直方向の0~2cmの範囲で、
2玉に分けて計量し、それらを合算して目標の重量にする場合に、
合算する2玉のいずれか1玉が、前記満量検知工程で、非満量を検知した場合、非満量の1玉は先に排出し、
合算する残りの1玉の計量を、次回の充填工程において通常の計量容器より大きい容積の計量容器を用いて充填工程を行い、該充填工程に続き排出工程を行い、
その後、先に排出した非満量の1玉と合算することを特徴とする、請求項1に記載の玉取り機による自動計量方法。
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