JP7310434B2 - タイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、トレッド部を具えたタイヤに関する。
下記の特許文献1は、冬用タイヤとして好適に使用可能な空気入りタイヤを提案している。この空気入りタイヤのトレッド部には、傾斜横溝、内の継ぎ溝、及び、外の継ぎ溝が設けられている。傾斜横溝は、接地端を越えた外側からタイヤ赤道近傍の内端まで、タイヤ軸方向内側に向かって傾斜してのびている。一方、内の継ぎ溝及び外の継ぎ溝は、傾斜横溝とは傾斜の向きが異なっており、タイヤ周方向で隣り合う傾斜横溝間を連通している。
特開2016-196288号公報
上記のような空気入りタイヤにおいて、雪路面及びドライ路面での操縦安定性については、さらなる改善の余地があった。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、雪路面及びドライ路面での操縦安定性を向上しうるタイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明は、第1トレッド端及び第2トレッド端で区画されるトレッド部を具えたタイヤであって、前記トレッド部には、前記第1トレッド端から前記第2トレッド端側に向かって第1の傾斜で延びる複数の第1傾斜溝と、前記第1傾斜溝のそれぞれから延びる第1副溝とが設けられ、前記第1傾斜溝は、前記第2トレッド端に至ることなく終端する第1内端を有し、前記第1副溝は、前記第1トレッド端と前記第1内端との間で、前記第1傾斜溝に連通し、かつ、前記第1の傾斜と逆向きの第2の傾斜で前記第1トレッド端側に延びており、前記第1副溝は、前記第1傾斜溝に向かって溝幅が拡大する溝幅拡大部を介して、前記第1傾斜溝に連通していることを特徴とする。
本発明に係る前記タイヤにおいて、前記溝幅拡大部は、平面視略三角形状であってもよい。
本発明に係る前記タイヤにおいて、前記溝幅拡大部は、タイヤ軸方向に対して±10°の角度でのびる軸方向縁を含んでもよい。
本発明に係る前記タイヤにおいて、前記軸方向縁は、タイヤ軸方向において、前記第1副溝に対して前記第1内端側に設けられてもよい。
本発明に係る前記タイヤにおいて、前記軸方向縁の溝壁は、タイヤ半径方向に対して0~60°の角度で傾斜してもよい。
本発明に係る前記タイヤにおいて、前記溝幅拡大部の最大溝幅は、前記第1副溝の溝中心線に沿って測定される前記溝幅拡大部の長さと前記第1傾斜溝の幅との和の0.8~1.2倍であってもよい。
本発明に係る前記タイヤにおいて、前記トレッド部は、回転方向が指定されており、前記第1傾斜溝は、前記第1トレッド端から前記第2トレッド端側に向かって、前記回転方向の先着側に傾斜してもよい。
本発明に係る前記タイヤにおいて、前記第1副溝は、タイヤ周方向で隣り合う前記第1傾斜溝に連通してもよい。
本発明に係る前記タイヤにおいて、前記第1傾斜溝は、前記第1トレッド端から前記第2トレッド端側に向かって溝幅が漸減する第1部分と、前記第1部分の前記第2トレッド端側に連なりかつ溝幅が前記第2トレッド端側に向かって漸増する第2部分と、前記第2部分の前記第2トレッド端側に連なりかつ溝幅が前記第2トレッド端側に向かって漸減する第3部分とを有してもよい。
本発明に係る前記タイヤにおいて、前記第3部分は、前記第1内端で終端していてもよい。
本発明に係る前記タイヤにおいて、前記第3部分は、タイヤ赤道と交差していてもよい。
本発明に係る前記タイヤにおいて、前記トレッド部は、タイヤ周方向で隣り合う前記第1傾斜溝と、前記第1副溝と、前記溝幅拡大部とで区分される陸部に、スタッドピンを固着するための孔を有してもよい。
本発明に係る前記タイヤにおいて、前記第1副溝は、最も前記第1内端側に設けられた内の第1副溝と、前記内の第1副溝よりも前記第1トレッド端側に設けられた外の第1副溝とを含み、前記溝幅拡大部は、前記内の第1副溝に設けられていてもよい。
本発明に係る前記タイヤにおいて、前記第1内端は、タイヤ赤道よりも前記第2トレッド端側に設けられていてもよい。
本発明に係る前記タイヤにおいて、前記トレッド部には、前記第2トレッド端から前記第1トレッド端側に向かって前記第2の傾斜で延びる複数の第2傾斜溝と、前記第2傾斜溝のそれぞれから延びる第2副溝とが設けられ、前記第2傾斜溝は、前記第1トレッド端に至ることなく終端する第2内端を有し、前記第2副溝は、前記第2トレッド端と前記第2内端との間で、前記第2傾斜溝に連通し、かつ、前記第1の傾斜で前記第2トレッド端側に延びており、前記第2副溝は、前記第2傾斜溝に向かって溝幅が拡大する溝幅拡大部を介して、前記第2傾斜溝に連通していてもよい。
本発明に係る前記タイヤにおいて、前記第2内端は、タイヤ赤道よりも前記第1トレッド端側に設けられており、前記第2内端は、前記第1傾斜溝及び前記第1副溝と接続していなくてもよい。
本発明のタイヤは、前記第1傾斜溝と前記第1副溝とにより、交差する2つの雪柱を、強固にかつ一体に形成することができる。さらに、前記溝幅拡大部は、前記2つの雪柱が交差する部分の体積を大きくすることができる。したがって、本発明のタイヤは、大きな雪柱せん断力を得ることができるため、雪路面での操縦安定性を高めることができる。
前記トレッド部は、前記第1内端で終端する前記第1傾斜溝により、その第1内端付近の陸部の剛性低下を抑制することができる。さらに、前記トレッド部は、前記溝幅拡大部の溝縁と前記第1傾斜溝の溝縁とがなす角度、及び、前記溝幅拡大部の溝縁と前記第1副溝の溝縁とがなす角度を大きくすることができる。これにより、前記トレッド部は、前記第1傾斜溝と前記第1副溝とが連通する部分の陸部の剛性を高くすることができる。したがって、本発明のタイヤは、ドライ路面での操縦安定性を高めることができる。
タイヤのトレッド部の一例を示す展開図である。 図1の第1傾斜溝及び第1副溝の輪郭の拡大図である。 図2の部分拡大図である。 溝幅拡大部の一例を示す斜視図である。 図1の部分拡大図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、タイヤ1のトレッド部2の一例を示す展開図である。本実施形態では、好ましい態様として、乗用車用の空気入りタイヤが示される。但し、本発明は、例えば、トラック・バスなどの重荷重用タイヤ、及び、エアレスタイヤ等、他のカテゴリーのタイヤにも適用しうるのは、言うまでもない。また、本実施形態のタイヤ1は、冬用タイヤとして構成されているが、このような態様に限定されない。
本実施形態のタイヤ1は、例えば、回転方向Rが指定された方向性パターンを具えている。回転方向Rは、例えば、サイドウォール部(図示省略)に、文字又は記号で表示される。なお、タイヤ1は、上記の方向性パターンに代えて、回転方向Rが指定されない非方向性パターンを具えていてもよい。
トレッド部2は、第1トレッド端Te1及び第2トレッド端Te2で区画されている。本実施形態のトレッド部2は、例えば、タイヤ赤道Cと第1トレッド端Te1との間の第1トレッド部2Aと、タイヤ赤道Cと第2トレッド端Te2との間の第2トレッド部2Bとを含んでいる。第1トレッド部2Aと第2トレッド部2Bとは、タイヤ周方向に位置ずれしている点を除いて、実質的に線対称に構成されている。このため、第1トレッド部2Aの各構成は、第2トレッド部2Bに適用することができる。
第1トレッド端Te1及び第2トレッド端Te2は、タイヤ1が空気入りタイヤの場合、正規状態のタイヤ1に正規荷重が負荷され、キャンバー角0°で平面に接地したときの最もタイヤ軸方向外側の接地位置である。
正規状態とは、タイヤ1が正規リム(図示省略)にリム組みされ、かつ、正規内圧が充填され、しかも、無負荷の状態である。本明細書において、タイヤ各部の寸法等は、特に断りがない場合、正規状態で測定された値である。
「正規リム」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば "標準リム" 、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim" である。
「正規内圧」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば "最高空気圧" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" である。
「正規荷重」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば "最大負荷能力" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY" である。
トレッド部2には、傾斜溝3と、副溝4とが設けられている。これにより、トレッド部2には、傾斜溝3と副溝4とで区分される陸部5が設けられる。また、本実施形態のトレッド部2には、サイプ6が設けられている。本明細書において、サイプ6とは、幅が1.5mm未満の切れ込みを意味している。このようなサイプ6を有するトレッド部2は、氷雪路において、高い摩擦力を発揮することができる。
傾斜溝3は、複数の第1傾斜溝3Aと、複数の第2傾斜溝3Bとを含んで構成されている。第1傾斜溝3Aは、主として、第1トレッド部2Aに設けられている。一方、第2傾斜溝3Bは、主として、第2トレッド部2Bに設けられている。本実施形態の第1傾斜溝3A及び第2傾斜溝3Bは、実質的に同様の構成を有している。このため、特に断りの無い限り、第1傾斜溝3Aの構成は、第2傾斜溝3Bに適用することができる。
傾斜溝3の溝幅W1及び深さ(図示省略)については、タイヤのカテゴリーに応じて、適宜設定することができる。溝幅W1は、本実施形態のような乗用車用の冬用タイヤの場合、例えば、トレッド幅Tの2.0%~6.0%に設定される。一方、本実施形態の深さは、例えば、6.0~12.0mmであり、好ましくは8.0~10.0mmである。なお、トレッド幅Tは、前記正規状態における第1トレッド端Te1から第2トレッド端Te2までのタイヤ軸方向の距離である。
副溝4は、複数の第1副溝7と、複数の第2副溝8とを含んで構成されている。第1副溝7は、第1トレッド部2Aに設けられている。一方、第2副溝8は、第2トレッド部2Bに設けられている。本実施形態の第1副溝7及び第2副溝8は、実質的に同様の構成を有しているため、特に断りの無い限り、第1副溝7の構成は、第2副溝8に適用することができる。
副溝4の溝幅W2及び深さ(図示省略)については、傾斜溝3と同様に、適宜設定することができる。溝幅W2は、例えば、トレッド幅Tの1.0%~3.0%に設定されている。一方、深さについては、傾斜溝3の深さ(図示省略)と同一の範囲で設定することができる。
第1傾斜溝3Aは、第1トレッド端Te1から第2トレッド端Te2側に向かって、第1の傾斜で延びている。本実施形態において、第1の傾斜は、第1トレッド端Te1から第2トレッド端Te2側に向かって、回転方向Rの先着側へ向かう傾きを示している。なお、第1の傾斜は、回転方向Rの後着側へ向かう傾きであってもよい。第1傾斜溝3Aは、第2トレッド端Te2に至ることなく終端する第1内端10を有している。
このような第1傾斜溝3Aは、雪路面での走行時において、タイヤ軸方向に対して斜めに延びる長い雪柱を形成することができる。したがって、第1傾斜溝3Aは、その雪柱をせん断することで、タイヤ周方向及びタイヤ軸方向にバランスよく雪柱せん断力(雪上トラクション)を得ることができるため、雪路面での操縦安定性を高めることができる。
本実施形態の第1内端10は、タイヤ赤道Cよりも第2トレッド端Te2側に設けられている。これにより、第1傾斜溝3Aは、第1トレッド端Te1からタイヤ赤道Cを越える長尺な雪柱を形成することができるため、雪路面での操縦安定性を効果的に高めることができる。タイヤ赤道Cから第1内端10までのタイヤ軸方向の距離L4については、適宜設定することができる。本実施形態の距離L4は、トレッド幅Tの1%~5%に設定されている。
トレッド部2は、第1内端10で終端する第1傾斜溝3Aにより、その第1内端10付近の陸部5の剛性低下が抑制される。さらに、本実施形態の第1傾斜溝3Aは、第2傾斜溝3Bとは交差せずに、その手前で途切れている。これにより、第1傾斜溝3Aは、第1内端10付近の陸部5の剛性低下を効果的に抑制することができる。したがって、本実施形態のタイヤ1は、ドライ路面での操縦安定性を高めることができる。
図2は、図1の第1傾斜溝3A及び第1副溝7の輪郭の拡大図である。図2では、図1に示したサイプ6及び孔48が省略されている。図2に示されるように、第1傾斜溝3Aの第1内端10から第2傾斜溝3Bまでの最短距離L7については、適宜設定することができる。本実施形態の最短距離L7は、トレッド幅T(図1に示す)の2~6%に設定されている。
本実施形態の第1傾斜溝3Aは、例えば、タイヤ軸方向に対する角度θ4が、タイヤ赤道C側に向かって漸増するように湾曲している。これにより、第1傾斜溝3Aは、氷雪路走行時において、タイヤ軸方向にも雪柱せん断力を発揮することができる。角度θ4については、適宜設定することができる。角度θ4は、5~75°に設定されるのが望ましい。
本実施形態の第1傾斜溝3Aは、第1部分11と、第2部分12と、第3部分13とを有している。
第1部分11は、第1トレッド端Te1から第2トレッド端Te2側に向かって、溝幅W1が漸減している。これにより、第1部分11は、第2トレッド端Te2側の端部に、最小の溝幅W1aが形成される。このような第1部分11は、大きな接地圧が作用するタイヤ赤道C側に向かって、陸部5(図1に示す)の剛性を高くすることができるため、ドライ路面での操縦安定性を高めることができる。さらに、第1部分11は、タイヤ軸方向外側に向かって、雪柱を大きく形成することができるため、雪路面での操縦安定性(旋回性)を効果的に高めることができる。さらに、第1部分11は、第1傾斜溝3Aにおける排雪性の向上にも役立つ。
第2部分12は、第1部分11の第2トレッド端Te2側に連なっており、その溝幅W1が第2トレッド端Te2側に向かって漸増している。このような第2部分12は、大きな接地圧が作用するタイヤ赤道C付近において、溝幅W1を部分的に拡大させることができる。これにより、第2部分12は、雪柱の体積を大きくできるため、より大きな雪柱せん断力を期待できる。
第2部分12の最大の溝幅W1bについては、適宜設定することができる。本実施形態の最大の溝幅W1bは、第1部分11の最小の溝幅W1aの1.1~2.0倍に設定されている。最大の溝幅W1bが最小の溝幅W1aの1.1倍以上に設定されることにより、タイヤ赤道C付近において、雪柱の体積を大きくすることができる。一方、最大の溝幅W1bが最小の溝幅W1aの2.0倍以下に設定されることで、大きな接地圧が作用するタイヤ赤道C側において、陸部5(図1に示す)の剛性低下を防ぐことができる。
第3部分13は、第2部分12の第2トレッド端Te2側に連なっており、その溝幅W1が第2トレッド端Te2側に向かって漸減している。本実施形態の第3部分13は、第1内端10で終端している。本実施形態の第3部分13は、タイヤ赤道Cと交差している。この第3部分13と、第2部分12とが連なることにより、第1傾斜溝3Aの第1内端10側を、平面視略三角形状に形成することができる。このような第3部分13は、大きな接地圧が作用するタイヤ赤道C付近において、第1内端10付近の陸部5(図1に示す)の剛性低下を抑制することができるため、雪路面及びドライ路面での操縦安定性を向上しうる。
第3部分13と第2部分12との境界点15から第1内端10までの長さL5と、第2部分12と第1部分11との境界点16から第1内端10までの長さL6との比L5/L6については、適宜設定することができる。なお、これらの長さL5及びL6は、第1傾斜溝3Aの回転方向Rの後着側の溝縁e2に沿って測定されるものとする。本実施形態の比L5/L6は、0.4~0.6に設定される。これにより、第2部分12及び第3部分13は、略同一の長さに形成されるため、第1内端10付近において、陸部5(図1に示す)の剛性低下を抑制しつつ、雪柱の体積を大きくすることができる。
図1に示されるように、第1副溝7は、第1傾斜溝3Aのそれぞれから延びている。この第1副溝7は、第1トレッド端Te1と第1内端10との間で、第1傾斜溝3Aに連通している。このような第1副溝7は、第1傾斜溝3Aで形成される雪柱と交差する雪柱を形成でき、これらの2つの雪柱を強固にかつ一体に形成することができる。したがって、本実施形態のタイヤ1は、大きな雪柱せん断力を得ることができるため、雪路面での操縦安定性を高めることができる。
第1副溝7は、第1の傾斜と逆向きの第2の傾斜で、第1トレッド端Te1側に延びている。本実施形態において、第2の傾斜とは、第2トレッド端Te2側から第1トレッド端Te1側に向かって、回転方向Rの先着側へ向かう傾きを示している。これにより、第1副溝7は、第1傾斜溝3Aで形成される雪柱とは逆向きに傾斜する雪柱を形成することができる。したがって、本実施形態のタイヤ1は、その雪柱をせん断することで、タイヤ周方向及びタイヤ軸方向にバランスよく雪柱せん断力(雪上トラクション)を得ることができるため、雪路面での操縦安定性を高めることができる。第1副溝7のタイヤ周方向に対する角度θ5については、適宜設定することができる。本実施形態の角度θ5(図2に示す)は、10~50°に設定されている。
本実施形態の第1副溝7は、タイヤ周方向で隣り合う第1傾斜溝3A、3Aに連通している。これにより、第1副溝7は、第1傾斜溝3A、3Aで形成される2つの雪柱とそれぞれ交差する雪柱を形成することができ、これらの3つの雪柱を、強固にかつ一体に形成することができるため、大きな雪柱せん断力を得ることができる。したがって、本実施形態のタイヤ1は、雪路面での操縦安定性を高めることができる。
本実施形態の第1副溝7は、内の第1副溝7iと、外の第1副溝7oとを含んで構成されている。内の第1副溝7iは、複数の第1副溝7のうち、最も第1内端10側(タイヤ赤道C側)に設けられている。一方、外の第1副溝7oは、内の第1副溝7iよりも第1トレッド端Te1側(タイヤ軸方向外側)に設けられている。これにより、陸部5は、タイヤ周方向で隣り合う第1傾斜溝3A、3A間において、内の第1副溝7iで区分されるセンター陸部5A、内の第1副溝7iと外の第1副溝7oとで区分されるミドルブロック5B、及び、外の第1副溝7oと第1トレッド端Te1で区分されるショルダーブロック5Cを含んで構成される。
図2に示されるように、内の第1副溝7iの溝中心線の回転方向Rの後着側と、第1傾斜溝3Aの溝中心線との交点を、第3交点P3とする。また、外の第1副溝7oの溝中心線の回転方向Rの後着側と、第1傾斜溝3Aの溝中心線との交点を第4交点P4とする。本実施形態では、第3交点P3での内の第1副溝7iの溝中心線と、第1傾斜溝3Aの溝中心線との角度θ6、及び、第4交点P4での外の第1副溝7oの溝中心線と第1傾斜溝3Aの溝中心線との角度θ7が、互いに異なっている。本実施形態の第3交点P3での角度θ6は、例えば、40~60°に設定されている。一方、第4交点P4での角度θ7は、例えば、60~80°に設定されている。
内の第1副溝7iの溝中心線C1(図3に示す)の回転方向Rの先着側と、第1傾斜溝3Aの回転方向Rの後着側の溝縁e2の仮想線29との交点を、第1交点P1とする。第1傾斜溝3Aの溝中心線と第1トレッド端Te1との交点を、第2交点P2とする。
図1に示されるように、第1交点P1と第2交点P2とを結ぶ直線を第1直線31とする。第1交点P1と第1内端10とを結ぶ直線を第2直線32とする。第1交点P1と第3交点P3とを結ぶ直線を第3直線33とする。第1直線31のタイヤ軸方向に対する角度θ1、第2直線32のタイヤ軸方向に対する角度θ2、及び、第3直線33のタイヤ軸方向に対する角度θ3は、以下の関係を満たすのが望ましい。
θ1<θ2<θ3
第3直線33の角度θ3が、第1直線31の角度θ1及び第2直線32の角度θ2よりも大きく設定されることで、内の第1副溝7iは、第1傾斜溝3Aとは異なる角度で傾斜する雪柱を形成することができ、タイヤ周方向及びタイヤ軸方向にバランス良く雪柱せん断力を提供することができる。このような作用を効果的に発揮させるために、第3直線33の角度θ3は、好ましくは120~140°である。
第1直線31の角度θ1が第2直線32の角度θ2よりも小さく設定されることで、第1傾斜溝3Aは、第1トレッド端Te1側において、タイヤ軸方向に対して小さく傾斜する雪柱を形成することができる。したがって、タイヤ1は、雪路面でのトラクション性能を発揮することができる。また、第2直線32の角度θ2が第1直線31の角度θ1よりも大きく設定されることで、第1傾斜溝3Aは、大きな接地圧が作用するタイヤ赤道Cにおいて、タイヤ軸方向に対して大きく傾斜する雪柱を形成することができる。したがって、タイヤ1は、雪路面において、優れたトラクション性能及び旋回性能を発揮することができる。このような作用を効果的に発揮させるために、第1直線31の角度θ1は、好ましくは15~30°であり、第2直線32の角度θ2は、好ましくは45~60°である。
そして、第1副溝7(本例では、内の第1副溝7i)は、第1傾斜溝3Aに向かって溝幅W2(図1に示す)が拡大する溝幅拡大部21を介して、第1傾斜溝3Aに連通している。すなわち、本実施形態の第1副溝7は、溝幅拡大部21と、溝幅拡大部21よりも溝幅W2が小さい主部22とを含んで構成されている。本実施形態の溝幅拡大部21は、第1副溝7(主部22)の回転方向Rの後着側に設けられている。なお、溝幅拡大部21は、外の第1副溝7oにも設けられてもよい。
溝幅拡大部21は、第1傾斜溝3Aと第1副溝7とで形成される2つの雪柱が交差する部分の体積を大きくすることができる。したがって、本実施形態のタイヤ1は、大きな雪柱せん断力を得ることができるため、雪路面での操縦安定性を高めることができる。本実施形態の溝幅拡大部21は、内の第1副溝7iに設けられているため、大きな接地圧が作用するタイヤ赤道C付近において、大きな雪柱せん断力を効果的に得ることができる。
図3は、図2の部分拡大図である。図3に示されるように、トレッド部2は、溝幅拡大部21の溝縁(本例では、タイヤ軸方向内側の溝縁)e4と第1傾斜溝3Aの溝縁(本例では、回転方向Rの先着側の溝縁)e1とがなす角度θ8、及び、溝幅拡大部21の溝縁(本例では、タイヤ軸方向内側の溝縁)e4と第1副溝7(主部22)の溝縁(本例では、タイヤ軸方向内側の溝縁)e6とがなす角度θ9を大きくすることができる。これにより、トレッド部2は、第1傾斜溝3Aと第1副溝7とが連通する部分において、陸部5(図1に示す)の剛性を高くすることができる。したがって、本実施形態のタイヤ1は、ドライ路面での操縦安定性(旋回性能)を高めることができる。
図2に示されるように、溝幅拡大部21が設けられている第3交点P3からタイヤ赤道Cまでの距離L5は、タイヤ赤道Cから第1トレッド端Te1(又は、第2トレッド端Te2)までのトレッド半幅T1(図1に示す)の10%~20%に設定されるのが望ましい。距離L5がトレッド半幅T1の20%以下に設定されることにより、溝幅拡大部21は、大きな接地圧が作用するタイヤ赤道C側において、大きな雪柱を形成することができる。したがって、本実施形態のタイヤ1は、雪路面での操縦安定性を高めることができる。また、距離L5がトレッド半幅T1の10%以上に設定されることにより、溝幅拡大部21は、タイヤ赤道Cよりもタイヤ軸方向外側に形成される。これにより、本実施形態のタイヤ1は、タイヤ赤道C上に配される陸部5の剛性を維持することができるため、ドライ路面での操縦安定性を高めることができる。
本実施形態の溝幅拡大部21は、溝幅拡大部21を形成する一対の溝縁e3、e4のうち、少なくとも一方に、タイヤ軸方向に対して±10°の角度(図示省略)でのびる軸方向縁24を含んでいる。このような軸方向縁24により、溝幅拡大部21は、タイヤ軸方向にのびる雪柱を形成することができる。したがって、溝幅拡大部21は、大きな雪柱せん断力を得ることができるため、雪路面での操縦安定性を効果的に高めることができる。
軸方向縁24は、溝幅拡大部21を形成する一対の溝縁e3、e4のいずれにも設けることができる。本実施形態の軸方向縁24は、タイヤ軸方向において、第1副溝7に対して第1内端10側(本例では、タイヤ赤道C側)に設けられている。この軸方向縁24は、タイヤ軸方向内側の溝縁e4に設けられている。これにより、軸方向縁24は、大きな接地圧が作用する第1内端10(タイヤ赤道C)付近において、タイヤ軸方向にのびる雪柱を形成することができるため、雪路面での操縦安定性を効果的に高めることができる。このような作用を効果的に高めるために、軸方向縁24の角度(図示省略)は、タイヤ軸方向に対して、好ましくは±5°であり、さらに好ましくは、±1°である。
第3交点P3から軸方向縁24までの最短距離L6については、適宜設定することができる。本実施形態の最短距離L6は、タイヤ赤道Cと、図1に示したセンター陸部5Aのタイヤ軸方向の外端との間の距離L1の0.1~0.5倍に設定されるのが望ましい。最短距離L6がセンター陸部5Aの距離L1の0.1倍以上に設定されることで、溝幅拡大部21において、大きな雪柱を形成することができる。一方、最短距離L6がセンター陸部5Aの距離L1の0.5倍以下に設定されることで、陸部5の剛性を維持することができるため、ドライ路面での操縦安定性を高めることができる。
軸方向縁24のタイヤ軸方向の長さL7については、適宜設定することができる。本実施形態の長さL7は、トレッド幅T(図1に示す)の4%~6%に設定されている。長さL7がトレッド幅Tの4%以上に設定されることで、大きな雪柱を形成することができる。一方、長さL7がトレッド幅Tの6%以下に設定されることで、雪柱の密度が小さくなるのを防ぐことができる。
図4は、溝幅拡大部21の一例を示す斜視図である。図4に示されるように、軸方向縁24の溝壁25は、タイヤ半径方向に対して0~60°の角度(図示省略)で傾斜するのが望ましい。溝壁25の角度が60°以下に設定されることで、溝幅拡大部21は、雪柱の体積を大きくすることができる。溝壁25の角度は、好ましくは0~40°であり、より好ましくは、0~30°である。
図2に示されるように、溝幅拡大部21は、平面視略三角形状に形成されるのが望ましい。なお、本実施形態において、平面視略三角形状は、溝幅拡大部21を形成する一対の溝縁(軸方向縁24を含む)e3、e4と、第1傾斜溝3Aの回転方向Rの先着側の溝縁e1の仮想線26と、軸方向縁24をタイヤ軸方向内側の溝縁e3側に延ばした仮想線27とで囲まれる領域28において特定されるものとする。このような溝幅拡大部21により、タイヤ1は、タイヤ周方向及びタイヤ軸方向にバランスよく雪柱せん断力(雪上トラクション)を得ることができるため、雪路面での操縦安定性を効果的に高めることができる。
図3に示されるように、溝幅拡大部21の最大溝幅W3については、適宜設定することができる。なお、最大溝幅W3は、第1傾斜溝3Aの溝縁(本例では、回転方向Rの先着側の溝縁e1)の仮想線26において測定されている。本実施形態の最大溝幅W3は、第1副溝7(本例では、内の第1副溝7i)の溝中心線C1に沿って測定される溝幅拡大部21の長さL7と第1傾斜溝3Aの幅W4との和(L7+W4)の0.8~1.2倍に設定されている。これにより、溝幅拡大部21は、第1副溝7の溝中心線C1に沿った方向、及び、第1傾斜溝3Aの溝縁e1の仮想線26に沿った方向において、第1傾斜溝3Aとともに、略均等の大きさを有する雪柱を形成することができる。したがって、溝幅拡大部21は、第1傾斜溝3Aで形成される雪柱と、第1副溝7で形成される雪柱とを強固に連結することができるため、雪路面での操縦安定性を高めることができる。
図1に示されるように、第2傾斜溝3Bは、第2トレッド端Te2から第1トレッド端Te1側に向かって、第2の傾斜で延びている。第2の傾斜については、上述のとおりである。第2傾斜溝3Bは、第1トレッド端Te1に至ることなく終端する第2内端35を有している。第2内端35は、タイヤ赤道Cよりも第1トレッド端Te1側に設けられている。第2内端35は、第1傾斜溝3A及び第1副溝7と接続していない。
上述したように、第2傾斜溝3Bは、第1傾斜溝3Aと実質的に同様の構成を有している。このため、第2傾斜溝3Bには、第1傾斜溝3Aの構成を適用することができる。したがって、第2傾斜溝3Bは、第1傾斜溝3Aと同一の効果を奏することができる。
第2副溝8は、第2傾斜溝3Bのそれぞれから延びている。第2副溝8は、第2トレッド端Te2と第2内端35との間で、第2傾斜溝3Bに連通し、かつ、第1の傾斜で第2トレッド端Te2側に延びている。第1の傾斜については、上述とおりである。また、第2副溝8は、内の第2副溝8iと、外の第2副溝8oとを含んで構成されている。図2に示されるように、第2副溝8(本例では、内の第2副溝8i)は、第2傾斜溝3Bに向かって溝幅W2(図1に示す)が拡大する溝幅拡大部40を介して、第2傾斜溝3Bに連通している。
第2副溝8(本例では、内の第2副溝8i)及び溝幅拡大部40は、第1副溝7及び溝幅拡大部21と実質的に同様の構成を有している。このため、第2副溝8及び溝幅拡大部40には、第1副溝7及び溝幅拡大部21の構成を適用することができる。したがって、第2副溝8及び溝幅拡大部40は、第1副溝7及び溝幅拡大部21と同一の効果を奏しうる。
図1に示されるように、本実施形態のセンター陸部5Aは、例えば、複数の第1傾斜溝3A及びこれらの間を連通する内の第1副溝7iと、複数の第2傾斜溝3B及びこれらの間を連通する内の第2副溝8iとの間に区分されている。これにより、センター陸部5Aは、例えば、トレッド部2のタイヤ軸方向の中央部、より具体的にはタイヤ赤道C上に設けられる。
センター陸部5Aは、第1傾斜溝3Aの第1内端10及び第2傾斜溝3Bの第2内端35により、サイプ6よりも大きい溝幅を有する溝で分断されずに、タイヤ1周に亘って連続して延びている。このようなセンター陸部5Aは、過度な変形が抑制され、ひいてはドライ路面での操縦安定性を高めることができる。
図5は、図1の部分拡大図である。センター陸部5Aには、例えば、タイヤ軸方向にジグザグ状に延びる複数のセンターサイプ6Aが設けられるのが望ましい。このようなセンターサイプ6Aは、そのエッジによって、氷雪路で大きな摩擦力を発揮し、トラクション性能を高めることができる。各センターサイプ6Aには、例えば、その両端がいずれかの溝に連通するフルオープンサイプが含まれるのが望ましい。このようなセンターサイプ6Aは、氷雪路での摩擦力をさらに高めることができる。
センター陸部5Aには、第1凸部分41及び第2凸部分42が形成されている。第1凸部分41は、タイヤ赤道Cに対して、タイヤ軸方向外側に向かって凸となっている。この第1凸部分41は、第1傾斜溝3A及び第2傾斜溝3Bの回転方向Rの後着側の溝縁e2と、内の第1副溝7i及び内の第2副溝8iのタイヤ軸方向内側の溝縁e6とで構成されている。一方、第2凸部分42は、回転方向Rの後着側に向かって凸となっている。この第2凸部分42は、第1傾斜溝3A及び第2傾斜溝3Bの回転方向Rの先着側の溝縁e1と、内の第1副溝7i及び内の第2副溝8iのタイヤ軸方向内側の溝縁e6と、溝幅拡大部21、40のタイヤ軸方向内側の溝縁e4とで構成されている。このような第1凸部分41及び第2凸部分42は、タイヤ周方向及びタイヤ軸方向のエッジを形成できるため、氷雪路で大きな摩擦力を発揮し、トラクション性能を高めることができる。
ミドルブロック5Bは、タイヤ周方向に複数並べられている。ミドルブロック5Bには、例えば、ラグ溝43が設けられるのが望ましい。ラグ溝43は、例えば、一端がミドルブロック5Bの回転方向Rの後着側の第1傾斜溝3A及び第2傾斜溝3Bに連なっている。また、ラグ溝43は、他端がミドルブロック5B内で途切れている。このようなラグ溝43は、ミドルブロック5Bの剛性低下を抑制できる。したがって、ラグ溝43は、ドライ路面での操縦安定性を維持しつつ、雪路面での操縦安定性を高めることができる。
ラグ溝43は、例えば、第1傾斜溝3A又は第2傾斜溝3Bを介して、内の第1副溝7i又は内の第2副溝8iと滑らかに連続するように形成されるのが望ましい。「滑らかに連続する」とは、内の第1副溝7i又は内の第2副溝8iをその長さ方向に延長したときに、ラグ溝43の第1傾斜溝3A又は第2傾斜溝3B側の端部の少なくとも一部と交わる態様を含んでいる。
ラグ溝43は、例えば、内の第1副溝7i又は内の第2副溝8iと同じ向きに傾斜しているのが望ましい。このようなラグ溝43は、ミドルブロック5Bの変形を促し、ひいては、第1傾斜溝3A、第2傾斜溝3B、内の第1副溝7i及び内の第2副溝8iの雪の詰まりを抑制することができる。ラグ溝43のタイヤ軸方向の角度θ13は、内の第1副溝7i及び内の第2副溝8iのタイヤ軸方向の角度(すなわち、図1に示した第3直線33のタイヤ軸方向に対する角度θ3)と同一範囲内で設定されるのが望ましい。
ミドルブロック5Bには、例えば、複数のミドルサイプ6Bが設けられるのが望ましい。本実施形態のミドルサイプ6Bは、例えば、ジグザグ状に延びている。ミドルサイプ6Bは、例えば、センターサイプ6Aとは異なる向きに延びている。本実施形態のミドルサイプ6Bは、例えば、内の第1副溝7i又は内の第2副溝8iと同じ向きに傾斜している。このようなミドルサイプ6Bは、氷雪路でのトラクション及び旋回性能を高めることができる。
ミドルブロック5Bには、第1傾斜溝3A又は第2傾斜溝3Bの回転方向Rの先着側の溝縁e1と、外の第1副溝7o又は外の第2副溝8oのタイヤ軸方向内側の溝縁e8とで形成される凸部に、面取り部46が設けられるのが望ましい。このような面取り部46は、ドライ路面でのミドルブロック5Bの損傷が抑制される。
ショルダーブロック5Cは、タイヤ周方向に複数並べられている。ショルダーブロック5Cには、例えば、複数のショルダーサイプ6Cが設けられるのが望ましい。本実施形態のショルダーサイプ6Cは、第1ショルダーサイプ37と、第1ショルダーサイプ37のタイヤ軸方向外側に配された第2ショルダーサイプ38とを含んで構成されている。本実施形態の第1ショルダーサイプ37及び第2ショルダーサイプ38は、例えば、ジグザグ状に延びている。
第1ショルダーサイプ37は、例えば、センターサイプ6A及びミドルサイプ6Bとは異なる向きに延びている。本実施形態の第1ショルダーサイプ37は、例えば、ミドルサイプ6Bとは逆向きに傾斜しており、第1傾斜溝3A又は第2傾斜溝3Bに沿って延びている。第1ショルダーサイプ37は、一端が外の第1副溝7o又は外の第2副溝8oに連なり、他端がショルダーブロック5C内で途切れるセミオープンサイプ、及び、両端がショルダーブロック5C内で途切れるクローズドサイプを含んでいる。このような第1ショルダーサイプ37は、氷雪路性能とドライ路面での操縦安定性とをバランス良く高めることができる。
第2ショルダーサイプ38は、例えば、タイヤ周方向に沿って延びている。本実施形態の第2ショルダーサイプ38は、例えば、両端がショルダーブロック5C内で途切れるクローズドサイプである。このような第2ショルダーサイプ38は、氷雪路でのワンダンリング性能を高めるのに役立つ。
図1に示されるように、本実施形態では、タイヤ赤道Cとセンター陸部5Aのタイヤ軸方向の外端との間の距離L1、センター陸部5Aの外端とミドルブロック5Bのタイヤ軸方向の外端との間の距離L2、及び、ミドルブロック5Bの外端とショルダーブロック5Cのタイヤ軸方向の外端との距離L3が、以下の関係を満たしている。
L1<L2<L3
距離L1、L2及びL3が上記の関係を満たすことにより、ミドルブロック5Bのタイヤ軸方向の剛性を、センター陸部5Aのタイヤ軸方向の剛性に比べて高くすることができる。さらに、ショルダーブロック5Cのタイヤ軸方向の剛性を、ミドルブロック5Bのタイヤ軸方向の剛性に比べて高くすることができる。このように、本実施形態のタイヤ1は、センター陸部5Aからショルダーブロック5Cに向かって、タイヤ軸方向の剛性を漸増させることができるため、ドライ路面及び雪路面での旋回性能を高めることができる。上記の作用を効果的に発揮させるために、距離L2は、好ましくは、距離L1の1.05~1.2倍である。また、距離L3は、好ましくは、距離L1の1.3~1.5倍である。
トレッド部2には、スタッドピン(図示省略)を固着するための孔48が設けられてもよい。このような孔48にスタッドピンが固着されることにより、タイヤ1を、スタッドタイヤとして構成することができる。このようなタイヤ1は、とりわけ氷路での操縦安定性を高めることができる。
図5に示されるように、孔48は、陸部5(本例では、センター陸部5A、ミドルブロック5B及びショルダーブロック5C)に適宜設けることができる。本実施形態では、タイヤ周方向で隣り合う第1傾斜溝3A(第2傾斜溝3B)と、第1副溝7(第2副溝8)と、溝幅拡大部21(溝幅拡大部40)とで区分される陸部5(本例では、センター陸部5A)に、少なくとも1つの孔48が設けられている。上述したように、陸部5(本例では、センター陸部5A)の剛性は、溝幅拡大部21によって高められるため、大きな接地圧が作用するタイヤ赤道Cにおいて、スタッドピン(図示省略)の保持性を高くすることができる。したがって、タイヤ1は、氷路での操縦安定性を効果的に高めることができる。
図1に示されるように、本実施形態のトレッド部2のランド比Lrは、例えば、60%~80%であるのが望ましい。これにより、雪路面、及びドライ路面での操縦安定性がバランス良く高められる。本明細書において、「ランド比」とは、各溝及びサイプを全て埋めた仮想接地面の全面積Saに対する、実際の合計接地面積Sbの比Sb/Saである。
同様の観点から、トレッド部2を形成するトレッドゴムのゴム硬度Htは、例えば、45~60°が望ましく、より望ましくは50~56°である。本明細書において、「ゴム硬度」は、JIS-K6253に準拠し、23℃の環境下におけるデュロメータータイプAによる硬さである。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1の基本トレッドパターンを有するタイヤが、表1の仕様に基づき試作された(実施例1~実施例12)。また、比較例として、溝幅拡大部を介さずに、第1傾斜溝に連通する第1副溝が設けられたタイヤが試作された。そして、これらのタイヤについて、雪路面及びドライ路面での操縦安定性、及び、スタッドピンの保持性能が評価された。各タイヤの共通仕様は、次のとおりである。
タイヤサイズ:205/55R16
リムサイズ:16×6.5
タイヤの装着位置:全輪
タイヤ内圧:
前輪:240kPa
後輪:240kPa
テスト車両:FF車(排気量2000cc)
トレッドゴムのゴム硬度:56°
ランド比:62%
トレッド幅T:173mm
センター陸部の距離L1:25.2mm
傾斜溝及び副溝の溝深さ:8.9mm
<ドライ路面での操縦安定性>
上記の条件で供試タイヤが装着されたテスト車両で、ドライ路面の周回コースを走行したときのハンドリングに関する特性が、ドライバーの官能によって10点法で評価された。結果は、数値が大きいほど、ドライ路面での操縦安定性が優れている。
<雪路面での操縦安定性>
上記の条件で供試タイヤが装着されたテスト車両で、雪路を走行したときのハンドリングに関する特性が、ドライバーの官能によって10点法で評価された。結果は、数値が大きいほど、雪路面での操縦安定性が優れている。
<スタッドピンの保持性能>
スタッドピンが固着された供試タイヤを、上記のテスト車両に上記の条件で装着し、予め定められた距離を走行した後に、供試タイヤのセンター陸部から脱落したスタッドピンの本数が測定され、10点法で評価された。結果は、数値が大きいほど、スタッドピンの保持性能が優れている。
テストの結果が表1及び2に示される。
Figure 0007310434000001
Figure 0007310434000002
テストの結果、実施例のタイヤは、比較例のタイヤに比べて、雪路面及びドライ路面での操縦安定性を向上させることができた。
2 トレッド部
3A 第1傾斜溝
7 第1副溝
10 第1内端
21 溝幅拡大部
Te1 第1トレッド端
Te2 第2トレッド端

Claims (16)

  1. 第1トレッド端及び第2トレッド端で区画されるトレッド部を具えたタイヤであって、
    前記トレッド部には、前記第1トレッド端から前記第2トレッド端側に向かって第1の傾斜で延びる複数の第1傾斜溝と、前記第1傾斜溝のそれぞれから延びる第1副溝とが設けられ、
    前記第1傾斜溝は、前記第2トレッド端に至ることなく終端する第1内端を有し、
    前記第1副溝は、前記第1トレッド端と前記第1内端との間で、前記第1傾斜溝に連通し、かつ、前記第1の傾斜と逆向きの第2の傾斜で前記第1トレッド端側に延びており、
    前記第1副溝は、前記第1傾斜溝に向かって溝幅が拡大する溝幅拡大部を介して、前記第1傾斜溝に連通し
    前記溝幅拡大部は、タイヤ軸方向に対して±10°の角度でのびる軸方向縁を含む、
    タイヤ。
  2. 前記溝幅拡大部は、平面視略三角形状である、請求項1記載のタイヤ。
  3. 前記軸方向縁は、タイヤ軸方向において、前記第1副溝に対して前記第1内端側に設けられる、請求項1又は2記載のタイヤ。
  4. 前記軸方向縁の溝壁は、タイヤ半径方向に対して0~60°の角度で傾斜する、請求項1ないし3のいずれかに記載のタイヤ。
  5. 前記溝幅拡大部の最大溝幅は、前記第1副溝の溝中心線に沿って測定される前記溝幅拡大部の長さと前記第1傾斜溝の幅との和の0.8~1.2倍である、請求項1ないし4のいずれかに記載のタイヤ。
  6. 前記トレッド部は、回転方向が指定されており、
    前記第1傾斜溝は、前記第1トレッド端から前記第2トレッド端側に向かって、前記回転方向の先着側に傾斜する、請求項1ないし5のいずれかに記載のタイヤ。
  7. 前記第1副溝は、タイヤ周方向で隣り合う前記第1傾斜溝に連通する、請求項1ないし6のいずれかに記載のタイヤ。
  8. 前記第1傾斜溝は、前記第1トレッド端から前記第2トレッド端側に向かって溝幅が漸減する第1部分と、
    前記第1部分の前記第2トレッド端側に連なりかつ溝幅が前記第2トレッド端側に向かって漸増する第2部分と、
    前記第2部分の前記第2トレッド端側に連なりかつ溝幅が前記第2トレッド端側に向かって漸減する第3部分とを有する、請求項1ないし7のいずれかに記載のタイヤ。
  9. 前記第3部分は、前記第1内端で終端している、請求項8記載のタイヤ。
  10. 前記第3部分は、タイヤ赤道と交差している、請求項8又は9記載のタイヤ。
  11. 前記トレッド部は、タイヤ周方向で隣り合う前記第1傾斜溝と、前記第1副溝と、前記溝幅拡大部とで区分される陸部に、スタッドピンを固着するための孔を有する、請求項1ないし10のいずれかに記載のタイヤ。
  12. 前記第1副溝は、最も前記第1内端側に設けられた内の第1副溝と、前記内の第1副溝よりも前記第1トレッド端側に設けられた外の第1副溝とを含み、
    前記溝幅拡大部は、前記内の第1副溝に設けられる、請求項1ないし11のいずれかに記載のタイヤ。
  13. 前記第1内端は、タイヤ赤道よりも前記第2トレッド端側に設けられている、請求項1ないし12のいずれかに記載のタイヤ。
  14. 前記トレッド部には、前記第2トレッド端から前記第1トレッド端側に向かって前記第2の傾斜で延びる複数の第2傾斜溝と、前記第2傾斜溝のそれぞれから延びる第2副溝とが設けられ、
    前記第2傾斜溝は、前記第1トレッド端に至ることなく終端する第2内端を有し、
    前記第2副溝は、前記第2トレッド端と前記第2内端との間で、前記第2傾斜溝に連通し、かつ、前記第1の傾斜で前記第2トレッド端側に延びており、
    前記第2副溝は、前記第2傾斜溝に向かって溝幅が拡大する溝幅拡大部を介して、前記第2傾斜溝に連通している、請求項1ないし13のいずれかに記載のタイヤ。
  15. 前記第2内端は、タイヤ赤道よりも前記第1トレッド端側に設けられており、
    前記第2内端は、前記第1傾斜溝及び前記第1副溝と接続していない、請求項14記載のタイヤ。
  16. 第1トレッド端及び第2トレッド端で区画されるトレッド部を具えたタイヤであって、
    前記トレッド部には、前記第1トレッド端から前記第2トレッド端側に向かって第1の傾斜で延びる複数の第1傾斜溝と、前記第1傾斜溝のそれぞれから延びる第1副溝とが設けられ、
    前記第1傾斜溝は、前記第2トレッド端に至ることなく終端する第1内端と、
    前記第1トレッド端から前記第2トレッド端側に向かって溝幅が漸減する第1部分と、
    前記第1部分の前記第2トレッド端側に連なりかつ溝幅が前記第2トレッド端側に向かって漸増する第2部分と、
    前記第2部分の前記第2トレッド端側に連なりかつ溝幅が前記第2トレッド端側に向かって漸減する第3部分とを有し、
    前記第1副溝は、前記第1トレッド端と前記第1内端との間で、前記第1傾斜溝に連通し、かつ、前記第1の傾斜と逆向きの第2の傾斜で前記第1トレッド端側に延びており、
    前記第1副溝は、前記第1傾斜溝に向かって溝幅が拡大する溝幅拡大部を介して、前記第1傾斜溝に連通している、
    タイヤ。
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