JP7293403B2 - 透明スクリーン - Google Patents

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Description

本開示は、透明スクリーンに関する。
投影機(例えば、映写機)から投射された光を映像(静止画、及び動画を含む。以下同じ。)として表示する物品(以下、「スクリーン」という。)として、例えば、反射型のスクリーン、及び透過型のスクリーンが知られている。反射型のスクリーンでは、スクリーンの表面又は内部で反射した光を利用して映像を表示する。透過型のスクリーンでは、スクリーンを透過した光を利用して映像を表示する。スクリーンは、自動車のヘッドアップディスプレイ、及び中間スクリーンとして使用することもできる。
一方、映像を表示するというスクリーンの性質上、スクリーンの前方に位置する観察者がスクリーンの後方の景色(すなわち、背景)を観察することは困難である。そこで、スクリーンの背景を前方から観察可能な半透過型反射スクリーンが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006-243693号公報
しかしながら、従来のスクリーン(例えば、特許文献1に開示されたスクリーン)では、例えば、スクリーンに対する観察者の位置(例えば、観察角度)に応じて視認される映像の色味が異なるという問題がある。観察位置に応じて映像の色味が異なる、すなわち、映像の色再現性が低いと、視認される映像の色味は映像の本来の色味と大きく異なってしまう。
本開示は、上記の事情に鑑みてなされたものである。
本開示の一態様は、映像の色再現性に優れる透明スクリーンを提供することを目的とする。
本開示は、以下の態様を含む。
<1> 2つの主面を有し、上記2つの主面のうち一方の主面に入射した波長が532nmである光のうち、上記2つの主面のうち他方の主面から出射した一次回折光の回折角に対する強度を示す分布において観察されるピークの半値幅が、2度以上である透明スクリーン。
<2> 液晶化合物を含む少なくとも1つのコレステリック液晶層を有し、かつ、上記コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、上記コレステリック液晶層の上記液晶化合物に由来するらせん軸が、上記コレステリック液晶層の互いに反対側に位置する2つの主面のうち少なくとも一方の主面に直交する直線に対して傾斜している<1>に記載の透明スクリーン。
<3> 上記コレステリック液晶層の互いに反対側に位置する2つの主面のうち少なくとも一方の主面で観察される上記液晶化合物が、上記コレステリック液晶層の面内方向のうち一方向に沿ってねじれながら配列している<2>に記載の透明スクリーン。
<4> 上記コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、上記らせん軸の平均角度が、上記コレステリック液晶層の互いに反対側に位置する2つの主面のうち少なくとも一方の主面に直交する直線に対して、20度~90度である<2>又は<3>に記載の透明スクリーン。
<5> 上記コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、上記らせん軸の一周期の平均長さが、0.1μm~5μmである<2>~<4>のいずれか1つに記載の透明スクリーン。
<6> 上記コレステリック液晶層の数が2つ以上であり、かつ、少なくとも2つのコレステリック液晶層の液晶化合物に由来するらせん軸の向きが互いに異なる<2>~<5>のいずれか1つに記載の透明スクリーン。
<7> 液晶化合物を含む少なくとも1つのコレステリック液晶層を有し、上記コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、上記コレステリック液晶層の上記液晶化合物に由来するらせん軸が、上記コレステリック液晶層の互いに反対側に位置する2つの主面のうち少なくとも一方の主面に直交する直線に対して傾斜しており、上記コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、上記コレステリック液晶層が、明部及び暗部が交互に並んだ縞模様を有し、上記コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、上記明部及び上記暗部の周期分布が、0.05μm以上である、透明スクリーン。
<8> 液晶化合物を含む第1コレステリック液晶層と、液晶化合物を含む第2コレステリック液晶層と、を有し、上記第1コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、上記第1コレステリック液晶層の上記液晶化合物に由来するらせん軸が、上記第1コレステリック液晶層の互いに反対側に位置する2つの主面のうち少なくとも一方の主面に直交する直線に対して傾斜しており、上記第1コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、上記第1コレステリック液晶層が、明部及び暗部が交互に並んだ縞模様を有し、上記第2コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、上記第2コレステリック液晶層の上記液晶化合物に由来するらせん軸が、上記第2コレステリック液晶層の互いに反対側に位置する2つの主面のうち少なくとも一方の主面に直交する直線に対して傾斜しており、上記第2コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、上記第2コレステリック液晶層が、明部及び暗部が交互に並んだ縞模様を有し、上記第1コレステリック液晶層及び上記第2コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、上記第1コレステリック液晶層における上記明部及び上記暗部の平均周期長と上記第2コレステリック液晶層における上記明部及び上記暗部の平均周期長との差の絶対値が、0.05μm以上である、透明スクリーン。
<9> 液晶化合物を含む少なくとも1つのコレステリック液晶層を有し、上記コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、上記コレステリック液晶層の上記液晶化合物に由来するらせん軸が、上記コレステリック液晶層の互いに反対側に位置する2つの主面のうち少なくとも一方の主面に直交する直線に対して傾斜しており、上記コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、上記コレステリック液晶層が、明部及び暗部が交互に並んだ縞模様を有し、上記コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、上記明部の角度分布が、3度以上である、透明スクリーン。
<10> 液晶化合物を含む第1コレステリック液晶層と、液晶化合物を含む第2コレステリック液晶層と、を有し、上記第1コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、上記第1コレステリック液晶層の上記液晶化合物に由来するらせん軸が、上記第1コレステリック液晶層の互いに反対側に位置する2つの主面のうち少なくとも一方の主面に直交する直線に対して傾斜しており、上記第1コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、上記第1コレステリック液晶層が、明部及び暗部が交互に並んだ縞模様を有し、上記第2コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、上記第2コレステリック液晶層の上記液晶化合物に由来するらせん軸が、上記第2コレステリック液晶層の互いに反対側に位置する2つの主面のうち少なくとも一方の主面に直交する直線に対して傾斜しており、上記第2コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、上記第2コレステリック液晶層が、明部及び暗部が交互に並んだ縞模様を有し、上記第1コレステリック液晶層及び上記第2コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、上記第1コレステリック液晶層における上記明部の平均角度と上記第2コレステリック液晶層における上記明部の平均角度との差の絶対値が、3度以上である、透明スクリーン。
<11> リアプロジェクションスクリーンとして用いられる<1>~<10>のいずれか1つに記載の透明スクリーン。
<12> 自動車の窓に貼付して用いられる<1>~<10>のいずれか1つに記載の透明スクリーン。
本開示の一態様によれば、映像の色再現性に優れる透明スクリーンが提供される。
本開示の第1実施形態に係るコレステリック液晶層の一例を示す概略断面図である。 本開示の第1実施形態に係るコレステリック液晶層の一例を示す概略平面図である。 本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンの製造方法の一例を示す概略図である。
以下、本開示の実施形態について詳細に説明する。本開示は、以下の実施形態に何ら制限されず、本開示の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
本開示の実施形態について図面を参照して説明する場合、図面において重複する構成要素、及び符号については、説明を省略することがある。図面において同一の符号を用いて示す構成要素は、同一の構成要素であることを意味する。図面における寸法の比率は、必ずしも実際の寸法の比率を表すものではない。
本開示において、「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ下限値及び上限値として含む範囲を示す。本開示に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する複数の物質の合計量を意味する。
本開示において、「工程」との用語には、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本開示において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示において、「透明」とは、全光線透過率が50%以上であることを意味する。全光線透過率は、公知の分光光度計(例えば、ヘイズメーター NDH 2000、日本電色工業株式会社)を用いて測定する。
本開示において、「主面」とは、対象物の表面のうち主要な面積を有する面を意味する。
本開示において、「分子軸」とは、分子構造の中心を分子構造の長手方向に沿って通る軸を意味する。ただし、円盤状液晶化合物に関して用いられる「分子軸」は、円盤状液晶化合物の円盤面と直角に交わる軸を意味する。
本開示において、「固形分」とは、対象物の全成分から溶媒を除いた成分を意味する。
本開示において、「固形分質量」とは、対象物の質量から溶媒の質量を除いた質量を意味する。
本開示において、序数詞(例えば、「第1」及び「第2」)は、構成要素を区別するために使用する用語であり、構成要素の数及び構成要素の優劣を制限するものではない。
<第1実施形態に係る透明スクリーン>
本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンは、2つの主面を有し、上記2つの主面のうち一方の主面に入射した波長が532nmである光のうち、上記2つの主面のうち他方の主面から出射した一次回折光の回折角に対する強度を示す分布において観察されるピークの半値幅が、2度以上である。本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンは、上記構成を有することで、映像の色再現性に優れる。
本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンが上記効果を奏する理由は、以下のように推察される。映像の色再現性が低下する要因の1つは、スクリーンの光学特性であると考えられる。例えば、光の回折角は、通常、光の波長によって変わることが知られている。本開示においては、光の回折に着目することで、従来のスクリーンに比べて映像の色再現性を向上させた。すなわち、本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンでは、2つの主面のうち一方の主面に入射した波長が532nmである光のうち、上記2つの主面のうち他方の主面から出射した一次回折光の回折角に対する強度を示す分布において観察されるピークの半値幅が2度以上であることで、光(特に可視光)の回折角の離散性を抑制することができる。つまり、本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンによれば、透明スクリーンから観察者に到達する光(特に可視光)の強度の波長依存性が観察位置(特に観察角度)に応じて大きく変化することを抑制することができるため、観察位置に影響されることなく、観察者に対して本来の色味を再現した映像を提供することができる。よって、本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンは、映像の色再現性に優れる。
[主面]
本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンは、2つの主面を有する。2つの主面は、後述する一次回折光の強度分布の測定において、光の入射面、及び光の出射面にそれぞれ対応する。上記の要件を満たす限り、2つの主面の態様は、制限されない。本開示において、「透明スクリーンが2つの主面を有する」という態様は、透明スクリーンに3つ以上の面が含まれることを制限するものではない。
2つの主面は、実用性、及び映像の色再現性の観点から、互いに反対側に位置することが好ましく、厚さ方向(透明スクリーンの厚さ方向をいう。以下、本段落において同じ。)において互いに反対側に位置することがより好ましい。互いに反対側に位置する2つの主面は、例えば、透明スクリーンの表側の面(すなわち、正面)、及び透明スクリーンの裏側の面(すなわち、背面)にそれぞれ対応する。厚さ方向において互いに反対側に位置する2つの主面は、それぞれ、厚さ方向と交差(好ましくは直交)する。
2つの主面は、実用性、及び映像の色再現性の観点から、互いに平行に配置されていることが好ましい。本開示において、「2つの主面が互いに平行に配置されている」という態様は、2つの主面の位置関係が厳密に平行である状態に限られず、2つの主面のうち一方の主面が、2つの主面のうち他方の主面に対して、±10度の範囲で傾斜している状態を包含する。
主面の面積は、制限されない。主面の面積は、例えば、用途、設置場所、及び表示する映像の大きさに応じて決定すればよい。2つの主面の合計面積は、例えば、0.01cm~1,000,000cmの範囲で決定すればよい。
2つの主面の合計面積率は、透明スクリーンの表面積に対して、50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、90%以上であることが特に好ましい。2つの主面の合計面積率の下限は、透明スクリーンの表面積に対して、95%、又は99%であってもよい。2つの主面の合計面積率は、透明スクリーンの表面積に対して、100%未満であることが好ましい。
2つの主面の面積は、同一、又は異なっていてもよい。2つの主面の面積は、実用性の観点から、同一であることが好ましい。例えば、2つの主面の面積が同一である場合、2つの主面は、透明スクリーンの表面のうち、最も広い面積を有する2つの面にそれぞれ対応する。例えば、2つの主面の面積が異なる場合、2つの主面は、透明スクリーンの表面のうち、1番目に広い面積を有する面、及び2番目に広い面積を有する面にそれぞれ対応する。ただし、2つの主面の特定は、面積のみならず、後述する一次回折光の強度分布の測定を考慮して行う。
主面の形状は、制限されない。主面の形状は、例えば、用途、及び設置場所に応じて決定すればよい。平面視における主面の形状としては、例えば、円形(例えば、真円、及び楕円)、多角形(例えば、三角形、四角形、五角形、及び六角形)、及び不定形が挙げられる。平面視における主面の形状は、透明スクリーンの生産性、及び透明スクリーンの取扱性の観点から、四角形であることが好ましい。四角形としては、例えば、正方形、及び長方形が挙げられる。2つの主面の形状は、同一、又は異なっていてもよい。2つの主面の形状は、同一であることが好ましい。
主面は、平面状、又は曲面状の主面であってもよい。
[光学特性]
以下、本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンの光学特性について説明する。
本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンにおいて、2つの主面のうち一方の主面に入射した波長が532nmである光のうち、上記2つの主面のうち他方の主面から出射した一次回折光の回折角に対する強度を示す分布(以下、「特定強度分布」という場合がある。)において観察されるピークの半値幅は、2度以上である。特定強度分布において観察されるピークの半値幅が2度以上であることで、透明スクリーンから観察者に到達する光(特に可視光)の強度の波長依存性が観察位置(特に観察角度)によって大きく変化することを抑制することができるため、映像の色再現性の低下を抑制することができる。
特定強度分布において観察されるピークの半値幅は、以下の方法によって測定する。透明スクリーンの2つの主面のうち一方の主面(以下、本段落において「第1の主面」という。)に対向して光源を配置する。透明スクリーンの2つの主面のうち他方の主面(以下、本段落において「第2の主面」という。)に対向して検出器を配置する。すなわち、光源と検出器との間に透明スクリーンを配置する。透明スクリーンの2つの主面のうち一方の主面(すなわち、第1の主面)に対して光源から放出される光(波長:532nm)を照射し、そして、検出器の角度(一次回折光の出射面に対する検出器の角度をいう。以下同じ。)を変えながら上記2つの主面のうち他方の主面(すなわち、第2の主面)から出射した一次回折光の強度を測定する。測定結果に基づいて、一次回折光の強度分布を作成する。一次回折光の強度分布においては、一次回折光の回折角を横軸に示し、かつ、一次回折光の強度を縦軸に示す。一次回折光の強度分布において観察されるピークの半値幅(半値全幅をいう。)を求める。一次回折光の強度分布において複数のピークが観察される場合には、最大強度を有するピークの半値幅を求めるものとする。具体的な測定条件を以下に示す。
(1)光源:波長が532nmである光を照射可能な光源(例えば、532nmレーザー、LPG350、東京磁石工業株式会社)
(2)検出器:公知の検出器(例えば、OPTICAL POWER SENSOR MA9411A、アンリツ株式会社)
(3)光計測器:公知の光計測器(例えば、光パワーメーター、OPTICAL POWER METER ML9001A、アンリツ株式会社)
(4)透明スクリーンと光源との距離:10cm
(5)透明スクリーンと検出器との距離:10cm
(6)入射角(光の入射方向と透明スクリーンの主面に直交する直線とのなす角):0度
(7)測定間隔(検出器の角度の間隔):1度
特定強度分布において観察されるピークの半値幅は、映像の色再現性の観点から、4度以上であることが好ましく、6度以上であることがより好ましく、8度以上であることが特に好ましい。特定強度分布において観察されるピークの半値幅の上限は、映像の色再現性という観点において制限されない。特定強度分布において観察されるピークの半値幅の上限は、例えば、60度、40度、又は20度であってもよい。特定強度分布において観察されるピークの半値幅は、4度~60度であることが好ましく、6度~60度であることがより好ましく、8度~60度であることが特に好ましい。
特定強度分布において観察されるピークの半値幅は、例えば、透明スクリーンの組成、及び透明スクリーンの構造に応じて制御することができる。例えば、後述するコレステリック液晶層を用いることで、特定強度分布において観察されるピークの半値幅を容易に制御することができる。
本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンの全光線透過率は、50%~100%であることが好ましく、80%~100%であることがより好ましく、90%~100%であることが特に好ましい。全光線透過率は、透明性を表す指標の1つである。全光線透過率が上記範囲であることで、透明スクリーンの透明性が向上するため、透明スクリーンの背景の視認性が向上する。全光線透過率は、公知の分光光度計(例えば、ヘイズメーター NDH 2000、日本電色工業株式会社))を用いて測定する。
[他の構成要素]
本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンにおいて2つの主面以外の構成要素は、特定強度分布において観察されるピークの半値幅が2度以上になる限り、制限されない。以下、2つの主面以外の好ましい構成要素について説明する。
(コレステリック液晶層)
本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンは、液晶化合物を含む少なくとも1つのコレステリック液晶層を有することが好ましい。液晶化合物を含むコレステリック液晶層によれば、特定強度分布において観察されるピークの半値幅を容易に制御することができる。
-分子配列-
コレステリック液晶層は、コレステリック液晶を含む層である。液晶の一形態として知られるコレステリック液晶は、複数の液晶化合物がらせん状に配列することによって形成されるらせん構造を有する。具体的に、コレステリック液晶においては、液晶化合物の分子配列が、ある1つの面内では一定方向に配向している一方で、隣り合う面内に対してねじれを形成している。隣り合う2つの液晶化合物の間でねじれが発生することで、らせん構造が形成される。らせん構造において、液晶化合物の分子軸は、液晶化合物に由来するらせん軸(以下、単に「らせん軸」という場合がある。)と略直交する。
走査型電子顕微鏡、又は偏光顕微鏡を用いてコレステリック液晶層(例えば、コレステリック液晶層の厚さ方向の断面)を観察すると、明部(相対的に明るく見える領域をいう。以下同じ。)、及び暗部(相対的に暗く見える領域をいう。以下同じ。)を含む縞模様が観察される。縞模様は、例えば、明部、及び暗部が交互に並んだ縞模様として観察される。縞模様が観察される理由は、らせん構造を形成する液晶化合物の分子軸の向きが観察方向に対して変化しているためである。例えば、棒状液晶化合物の分子軸の向きが観察方向に対して平行(平行に近い位置を含む。)となる領域は、相対的に暗く見える。一方、棒状液晶化合物の分子軸の向きが観察方向に対して直交(直交に近い位置を含む。)する領域は、相対的に明るく見える。上記した2つの領域が交互に並ぶことで、明部、及び暗部が交互に並んだ縞模様が観察される。
コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、上記コレステリック液晶層の液晶化合物に由来するらせん軸は、上記コレステリック液晶層の互いに反対側に位置する2つの主面のうち少なくとも一方の主面に直交する直線に対して傾斜していることが好ましい。上記のようにらせん軸が傾斜していることで、主面に屈折率が周期的に変化するパターンが形成されて、出射光が回折する。本開示において、曲面状の主面に関して「主面に直交する直線」との用語が使用される場合、「主面に直交する直線」とは、曲面状の主面の法線を意味する。本開示において、「らせん軸が主面に直交する直線に対して傾斜している」という態様は、らせん軸がコレステリック液晶層の主面に直交する直線に対して斜めになっている状態に限られず、らせん軸がコレステリック液晶層の主面に直交する直線に対して直交している(すなわち、らせん軸とコレステリック液晶層の主面に直交する直線とのなす角が90度である)状態を包含する。
本開示において、コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視は、走査型電子顕微鏡、又は偏光顕微鏡を用いて観察する。断面観察に用いる試料は、例えば、ミクロトームを用いて作製すればよい。
らせん軸の傾斜(らせん軸が主面に直交する直線に対して傾斜していることをいう。以下同じ。)は、コレステリック液晶層の厚さ方向の少なくとも1つの断面視において観察されればよい。例えば、任意の1つの断面視においてらせん軸の傾斜が観察されない場合であっても、他の断面視においてらせん軸の傾斜が観察されればよい。観察方向に応じて、観察されるらせん軸の向きが変わる可能性があるためである。コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、明部、及び暗部が交互に並んだ縞模様が観察される場合、らせん軸の傾斜の該当性は、上記縞模様に基づいて確認してもよい。明部、及び暗部が交互に並んだ縞模様において、らせん軸は、明部、及び暗部の配列方向と略直交しているためである。
コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、らせん軸の平均角度は、上記コレステリック液晶層の互いに反対側に位置する2つの主面のうち少なくとも一方の主面に直交する直線に対して、20度~90度であることが好ましく、30度~90度であることがより好ましく、40度~90度であることが特に好ましい。
らせん軸の平均角度は、以下の方法によって求める。走査型電子顕微鏡、又は偏光顕微鏡を用いて得られるコレステリック液晶層の断面画像に基づいて、5つのらせん軸とコレステリック液晶層の主面に直交する直線とのなす角をそれぞれ測定する。測定値を算術平均することによって得られた値を、らせん軸の平均角度とする。
コレステリック液晶層の互いに反対側に位置する2つの主面のうち少なくとも一方の主面で観察される液晶化合物は、上記コレステリック液晶層の面内方向のうち一方向に沿ってねじれながら配列していることが好ましい。コレステリック液晶層の互いに反対側に位置する2つの主面でそれぞれ観察される液晶化合物は、上記コレステリック液晶層の面内方向のうち一方向に沿ってねじれながら配列していることがより好ましい。上記のように液晶化合物が配列していることで、主面から出射する光が回折する効果を得ることができる。
本開示において、「液晶化合物がコレステリック液晶層の面内方向のうち一方向に沿ってねじれながら配列している」とは、走査型電子顕微鏡、又は偏光顕微鏡を用いてコレステリック液晶層の主面(観察対象となる主面に限る。)を観察(すなわち、平面視)した場合に、コレステリック液晶層の面内方向のうち一方向に沿って、明部、及び暗部が交互に並んだ縞模様が観察されることを意味する。
以下、上記観察結果について説明する。液晶化合物がコレステリック液晶層の面内方向のうち一方向に沿ってねじれながら配列していることで、上記一方向へ進むにつれて液晶化合物の分子軸の向きが変化する。液晶化合物の分子軸の向きの変化は、上記一方向に沿って隣り合う2つの液晶化合物がねじれの位置にあることに起因する。上記一方向へ進むにつれて液晶化合物の分子軸の向きが変化することで、観察方向に対する液晶化合物の分子軸の向きに応じて、明部、及び暗部が交互に並んだ縞模様が観察される。
コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、らせん軸の一周期の平均長さ(すなわち、らせん一回転あたりのらせん軸の長さ)は、0.1μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましく、1μm以上であることが特に好ましい。らせん軸の一周期の平均長さが小さい場合、光(特に可視光)の回折角が大きくなり、スクリーン正面(主面の正面)での映像の視認性が悪化するためである。らせん軸の一周期の平均長さは、映像の色再現性という観点においては、500μm以下であることが好ましく、200μm以下であることがより好ましく、100μm以下であることが特に好ましい。らせん軸の一周期の平均長さが大きい場合、回折効果が小さくなるためである。一方、コレステリック液晶層のらせん構造形成の観点においては、らせん軸の一周期の平均長さは、5μm以下であることが好ましく、3μm以下であることがより好ましく、2μm以下であることが特に好ましい。らせん軸の一周期の平均長さは、0.1μm~500μmであることが好ましく、0.5μm~200μmであることがより好ましく、1μm~100μmであることが特に好ましい。また、らせん軸の一周期の平均長さは、0.1μm~5μmであることが好ましく、0.5μm~3μmであることがより好ましく、1μm~2μmであることが特に好ましい。
らせん軸の一周期の平均長さは、以下の方法によって求める。走査型電子顕微鏡、又は偏光顕微鏡を用いて得られるコレステリック液晶層の断面画像に基づいて、5箇所のらせん軸の一周期の長さを測定する。測定値を算術平均することによって得られた値を、らせん軸の一周期の平均長さとする。コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、明部、及び暗部が交互に並んだ縞模様が観察される場合、らせん軸の一周期の長さは、上記縞模様に基づいて測定してもよい。上記縞模様におけるらせん軸の一周期の長さは、2つの明部、及び2つの暗部を含む領域(すなわち、暗部-明部-暗部-明部)の端から端までの距離(すなわち、幅)に相当する。
コレステリック液晶層における分子配向について、図1、及び図2を参照して説明する。図1は、コレステリック液晶層の一例を示す概略断面図である。図2は、コレステリック液晶層の一例を示す概略平面図である。
図1において、方向X、及び方向Zは、観察面において互いに直交する2つの座標軸の向きを示す。方向Zは、コレステリック液晶層10の厚さ方向と平行である。図1に示されるコレステリック液晶層10は、2つの主面(すなわち、主面11、及び主面12)を有する。コレステリック液晶層10は、棒状液晶化合物13を含む。棒状液晶化合物13は、らせん軸Cに沿ってらせん状に配列している。らせん軸Cは、棒状液晶化合物13の分子軸Lに対して直交している。らせん軸Cは、コレステリック液晶層10の2つの主面(すなわち、主面11、及び主面12)に直交する直線(不図示)に対してそれぞれ傾斜している。分子軸Lの向きが観察方向(観察面に対して直交する方向をいう。以下、本段落において同じ。)に対して平行(平行に近い位置を含む。)となる領域は、暗部として観察される。分子軸Lの向きが観察方向に対して直交(直交に近い位置を含む。)する領域は、明部として観察される。
図2において、方向X、及び方向Yは、観察面において互いに直交する2つの座標軸の向きを示す。図2に示されるコレステリック液晶層10の主面11で観察される棒状液晶化合物13は、コレステリック液晶層10の面内方向のうち一方向(すなわち、配列軸Dの一方向)に沿ってねじれながら配列している。上記のように棒状液晶化合物13がねじれながら配列しているため、配列軸Dの一方向へ進むにつれて棒状液晶化合物13の分子軸の向きが変化する。この結果、観察方向(観察面に対して直交する方向をいう。)に対する棒状液晶化合物13の分子軸の向きに応じて、明部、及び暗部が交互に並んだ縞模様が観察される。
図面に示されていないものの、図1に示されるコレステリック液晶層10の主面12で観察される棒状液晶化合物13も、コレステリック液晶層10の面内方向のうち一方向に沿ってねじれながら配列している。
-液晶化合物-
コレステリック液晶層は、液晶化合物を含む。コレステリック液晶層は、1種単独、又は2種以上の液晶化合物を含んでいてもよい。
液晶化合物の種類は、制限されない。液晶化合物としては、例えば、コレステリック液晶を形成する公知の液晶化合物を利用することができる。
液晶化合物は、重合性基を有していてもよい。液晶化合物は、1種単独、又は2種以上の重合性基を有していてもよい。液晶化合物は、同種の2つ以上の重合性基を有していてもよい。液晶化合物が重合性基を有することで、液晶化合物を重合させることができる。液晶化合物を重合させることで、コレステリック液晶の安定性を向上させることができる。
重合性基としては、例えば、エチレン性不飽和二重結合を有する基、環状エーテル基、及び開環反応を起こすことが可能な含窒素複素環基が挙げられる。
エチレン性不飽和二重結合を有する基としては、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニル基、ビニルフェニル基、及びアリル基が挙げられる。
環状エーテル基としては、例えば、エポキシ基、及びオキセタニル基が挙げられる。
開環反応を起こすことが可能な含窒素複素環基としては、例えば、アジリジニル基が挙げられる。
重合性基は、エチレン性不飽和二重結合を有する基、及び環状エーテル基からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。具体的に、重合性基は、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニル基、ビニルフェニル基、アリル基、エポキシ基、オキセタニル基、及びアジリジニル基からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、及びメタクリロイルオキシ基からなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましく、アクリロイルオキシ基、及びメタクリロイルオキシ基からなる群より選択される少なくとも1種であることが特に好ましい。
液晶化合物は、化学構造に応じて、例えば、棒状液晶化合物、及び円盤状液晶化合物に分類される。棒状液晶化合物は、棒状の化学構造を有する液晶化合物として知られている。棒状液晶化合物としては、例えば、公知の棒状液晶化合物を利用することができる。円盤状液晶化合物は、円盤状の化学構造を有する液晶化合物として知られている。円盤状液晶化合物としては、例えば、公知の円盤状液晶化合物を利用することができる。
液晶化合物は、コレステリック液晶層の光学特性(特に光の回折特性)の調整の観点から、棒状液晶化合物であることが好ましく、棒状サーモトロピック液晶化合物であることがより好ましい。
棒状サーモトロピック液晶化合物は、棒状の化学構造を有し、かつ、特定の温度範囲で液晶性を示す化合物である。棒状サーモトロピック液晶化合物としては、例えば、公知の棒状サーモトロピック液晶化合物を利用することができる。
棒状サーモトロピック液晶化合物としては、例えば、「Makromol. Chem.,190巻、2255頁(1989年)」、「Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)」、米国特許第4683327号明細書、米国特許第5622648号明細書、米国特許第5770107明細書、国際公開第95/22586号、国際公開第95/24455号、国際公開第97/00600号、国際公開第98/23580号、国際公開第98/52905号、特開平1-272551号公報、特開平6-16616号公報、特開平7-110469号公報、特表平11-513019号公報、特開平11-80081号公報、特開2001-328973号公報、又は特開2007-279688号公報に記載された化合物が挙げられる。棒状サーモトロピック液晶化合物としては、例えば、特開2016-81035号公報において一般式1で表される液晶化合物、及び特開2007-279688号公報において一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物も挙げられる。
棒状サーモトロピック液晶化合物は、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0007293403000001
一般式(1)中、Q、及びQは、それぞれ独立して、重合性基を表し、L、L、L、及びLは、それぞれ独立して、単結合、又は2価の連結基を表し、A、及びAは、それぞれ独立して、炭素原子数が2~20である2価の炭化水素基を表し、Mは、メソゲン基を表す。
一般式(1)中、Q、及びQで表される重合性基としては、例えば、既述の重合性基が挙げられる。Q、及びQで表される重合性基の好ましい態様は、既述の重合性基と同様である。
一般式(1)中、L、L、L、及びLで表される2価の連結基は、-O-、-S-、-CO-、-NR-、-CO-O-、-O-CO-O-、-CO-NR-、-NR-CO-、-O-CO-、-O-CO-NR-、-NR-CO-O-、及びNR-CO-NR-からなる群より選択される2価の連結基であることが好ましい。上記した2価の連結基におけるRは、炭素原子数が1~7であるアルキル基、又は水素原子を表す。
一般式(1)中、L、及びLの少なくとも一方は、-O-CO-O-であることが好ましい。
一般式(1)中、Q-L-、及びQ-L-は、それぞれ独立して、CH=CH-CO-O-、CH=C(CH)-CO-O-、又はCH=C(Cl)-CO-O-であることが好ましく、CH=CH-CO-O-であることがより好ましい。
一般式(1)中、A、及びAで表される、炭素原子数が2~20である2価の炭化水素基は、炭素原子数が2~12であるアルキレン基、炭素原子数が2~12であるアルケニレン基、又は炭素原子数が2~12であるアルキニレン基であることが好ましく、炭素原子数が2~12であるアルキレン基であることがより好ましい。2価の炭化水素基は、鎖状であることが好ましい。2価の炭化水素基は、互いに隣接していない酸素原子、又は互いに隣接していない硫黄原子を含んでいてもよい。2価の炭化水素基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、及び臭素)、シアノ基、メチル基、及びエチル基が挙げられる。
一般式(1)中、Mで表されるメソゲン基は、液晶形成に寄与する液晶化合物の主要骨格を形成する基である。Mで表されるメソゲン基については、例えば、「FlussigeKristalle in Tabellen II」(VEB DeutscheVerlag fur Grundstoff Industrie,Leipzig、1984年刊)の記載(特に第7頁~第16頁)、及び「液晶便覧」(液晶便覧編集委員会編、丸善、2000年刊)の記載(特に第3章)を参照することができる。
一般式(1)中、Mで表されるメソゲン基の具体的な構造としては、例えば、特開2007-279688号公報の段落[0086]に記載された構造が挙げられる。
一般式(1)中、Mで表されるメソゲン基は、芳香族炭化水素基、複素環基、及び脂環式炭化水素基からなる群より選択される少なくとも1種の環状構造を含む基であることが好ましく、芳香族炭化水素基を含む基であることがより好ましい。
一般式(1)中、Mで表されるメソゲン基は、2個~5個の芳香族炭化水素基を含む基であることが好ましく、3個~5個の芳香族炭化水素基を含む基であることがより好ましい。
一般式(1)中、Mで表されるメソゲン基は、3個~5個のフェニレン基を含み、かつ、上記フェニレン基が互いに-CO-O-によって連結された基であることが好ましい。
一般式(1)中、Mで表されるメソゲン基に含まれる環状構造(例えば、芳香族炭化水素基、複素環基、及び脂環式炭化水素基)は、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、炭素数が1~10であるアルキル基(例えば、メチル基)が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物の具体例を以下に示す。ただし、一般式(1)で表される化合物は、以下に示す化合物に制限されるものではない。以下に示す化合物の化学構造において、「-Me」は、メチル基を表す。
Figure 0007293403000002
Figure 0007293403000003
棒状サーモトロピック液晶化合物の具体例を以下に示す。ただし、棒状サーモトロピック液晶化合物は、以下に示す化合物に制限されるものではない。
Figure 0007293403000004
液晶化合物は、公知の方法によって合成した合成品、又は市販品であってもよい。液晶化合物の市販品は、例えば、東京化成工業株式会社、及びメルク社から入手可能である。
液晶化合物の含有率は、耐熱性の観点から、コレステリック液晶層の全質量に対して、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。液晶化合物の含有率の上限は、制限されない。液晶化合物の含有率は、コレステリック液晶層の全質量に対して、100質量%以下の範囲で決定すればよい。コレステリック液晶層が液晶化合物以外の成分を含む場合、液晶化合物の含有率は、コレステリック液晶層の全質量に対して、100質量%未満(好ましくは、98質量%以下、又は95質量%以下)の範囲で決定すればよい。液晶性化合物の含有率は、コレステリック液晶層の全質量に対して、70質量%以上100質量%未満であることが好ましく、80質量%以上100質量%未満であることがより好ましく、90質量%以上100質量%未満であることが特に好ましい。
-他の成分-
コレステリック液晶層は、液晶化合物以外の成分(以下、本段落において「他の成分」という。)を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、キラル剤、溶媒、配向規制剤、重合開始剤、レベリング剤、配向助剤、及び増感剤が挙げられる。
-液晶層の層構成-
本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンは、1つ、又は2つ以上のコレステリック液晶層を有していてもよい。コレステリック液晶層の数は、透明スクリーンの視野角の拡大という観点から、2つ以上であることが好ましい。
本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンが2つ以上のコレステリック液晶層を有する場合、少なくとも2つのコレステリック液晶層の液晶化合物に由来するらせん軸の向きは、互いに異なることが好ましい。少なくとも2つのコレステリック液晶層の液晶化合物に由来するらせん軸の向きが互いに異なることで、透明スクリーンの視野角を大きくすることができる。
本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンが2つ以上のコレステリック液晶層を有する場合、2つ以上のコレステリック液晶層は、隣り合って、又は離間して配置されていてもよい。本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンが2つ以上のコレステリック液晶層を有する場合、少なくとも2つのコレステリック液晶層(好ましくは、全てのコレステリック液晶)は、隣り合って配置(すなわち、積層)されていることが好ましい。
-液晶層の厚さ-
コレステリック液晶層の厚さは、制限されない。コレステリック液晶層の平均厚さは、膜強度の観点から、0.1μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましく、1μm以上であることが特に好ましい。コレステリック液晶層の平均厚さは、全光線透過率の観点から、500μm以下であることが好ましく、200μm以下であることがより好ましく、100μm以下であることが特に好ましい。
コレステリック液晶層の平均厚さは、以下の方法によって求める。走査型電子顕微鏡、又は偏光顕微鏡を用いて得られるコレステリック液晶層の断面画像に基づいて、5箇所の厚さを測定する。測定値を算術平均することによって得られた値を、コレステリック液晶層の平均厚さとする。ただし、本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンが2つ以上のコレステリック液晶層を有する場合、上記方法によって各コレステリック液晶層の厚さを求め、次いで、測定値を算術平均することによって得られた値をコレステリック液晶層の平均厚さとする。
(他の層)
本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンは、コレステリック液晶層に加えて、コレステリック液晶層以外の層(以下、本段落において「他の層」という。)を有していてもよい。他の層の種類は、本開示の趣旨を逸脱しない限り、制限されない。他の層としては、例えば、基材、配向層、及び易接着層が挙げられる。
-基材-
本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンは、基材を有していてもよい。基材によれば、透明スクリーンの強度を向上させることができる。
基材の全光線透過率は、70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることが特に好ましい。基材の全光線透過率の上限は、制限されない。基材の全光線透過率は、例えば、100%以下の範囲で決定すればよい。基材の全光線透過率は、公知の分光光度計(例えば、ヘイズメーター NDH 2000、日本電色工業株式会社))を用いて測定する。
基材としては、重合体を含む基材であることが好ましい。重合体を含む基材としては、例えば、ポリエステル系基材(例えば、ポリエチレンテレフタレート、及びポリエチレンナフタレート)、セルロース系基材(例えば、ジアセチルセルロース、及びトリアセチルセルロース(略称:TAC))、ポリカーボネート系基材、ポリ(メタ)アクリル系基材(例えば、ポリ(メタ)アクリレート(例えば、ポリメチルメタクリレート))、ポリスチレン系基材(例えば、ポリスチレン、及びアクリロニトリルスチレン共重合体)、オレフィン系基材(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状構造(例えば、ノルボルネン構造)を有するポリオレフィン、及びエチレンプロピレン共重合体)、ポリアミド系基材(例えば、ポリ塩化ビニル、ナイロン、及び芳香族ポリアミド)、ポリイミド系基材、ポリスルホン系基材、ポリエーテルスルホン系基材、ポリエーテルエーテルケトン系基材、ポリフェニレンスルフィド系基材、ビニルアルコール系基材、ポリ塩化ビニリデン系基材、ポリビニルブチラール系基材、ポリオキシメチレン系基材、及びエポキシ樹脂系基材が挙げられる。基材は、2種以上の重合体(すなわち、ブレンドポリマー)を含む基材であってもよい。基材は、セルロース系基材であることが好ましく、トリアセチルセルロースを含む基材であることがより好ましい。
基材の形状は、制限されない。基材の形状は、例えば、用途、及び設置場所に応じて決定すればよい。基材は、平板状の基材であることが好ましい。
基材の厚さは、製造適性、製造原価、及び光学特性の観点から、30μm~500μmの範囲であることが好ましく、40μm~250μmの範囲であることがより好ましい。
-配向層-
本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンは、配向層を有していてもよい。配向層によれば、液晶化合物に対して配向規制力を与えることができる。
配向層は、基材とコレステリック液晶層との間に配置されることが好ましい。
配向層としては、例えば、液晶化合物に対して配向規制力を与える機能を有する公知の配向層を利用することができる。配向層は、電場の付与、磁場の付与、又は光照射によって配向機能が生じる配向層であってもよい。
配向層の厚さは、0.1μm~10μmの範囲であることが好ましく、1μm~5μmの範囲であることがより好ましい。
-易接着層-
本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンは、易接着層を有していてもよい。易接着層によれば、被接着物(例えば、コレステリック液晶層)の表面に対して接着力を与えることができる。上記の結果、例えば、層間の接着性が向上する。
易接着層は、基材とコレステリック液晶層との間に配置されることが好ましい。基材とコレステリック液晶層との間に配置される易接着層は、基材、及びコレステリック液晶層にそれぞれ接していることが好ましい。易接着層は、基材と配向層との間に配置されていてもよい。
易接着層としては、例えば、被接着物の表面に対して接着力を与える機能を有する公知の易接着層を利用することができる。
易接着層の厚さは、0.01μm~10μmの範囲であることが好ましく、0.1μm~5μmの範囲であることがより好ましい。
[形状]
本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンの形状は、制限されない。本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンの形状は、例えば、用途、及び設置場所に応じて決定すればよい。本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンは、平板状の透明スクリーンであることが好ましい。
[厚さ]
本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンの厚さは、制限されない。本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンの厚さは、強度の観点から、1μm~500μmの範囲であることが好ましく、2μm~250μmの範囲であることがより好ましく、5μm~100μmの範囲であることが特に好ましい。
[用途]
本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンは、映像の色再現性に優れるため、映像を表示するためのスクリーンとして利用することができる。本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンにおいては、例えば、2つの主面のうち少なくとも一方の主面に映像を表示してもよい。
本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンは、透過型の透明スクリーンであることが好ましい。透過型の透明スクリーンにおいては、スクリーンを透過した光を利用して映像を表示する。透過型の透明スクリーンは、例えば、後述するリアプロジェクションスクリーンとして用いられる。
本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンは、例えば、リアプロジェクションスクリーンとして用いられることが好ましい。本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンをリアプロジェクションスクリーンとして用いる場合、上記透明スクリーンの背面側から映像を投射することで、観察者は、上記透明スクリーンの正面に表示される映像を視認することができる。本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンに映像を投射するための装置としては、公知の投影機(例えば、映写機)を用いることができる。
本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンは、例えば、自動車の窓に貼付して用いられることが好ましい。本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンを自動車の窓に貼付して用いることで、自動車の窓に映像を表示することができる。本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンを自動車の窓に貼付して用いる場合、自動車内に設置された投影機(例えば、映写機)を用いて、上記透明スクリーンの背面側(すなわち、自動車の内側)から映像を投射することが好ましい。
本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンは、自動車の窓以外の種々の構造物(好ましくは透明性を有する構造物)に貼付して用いられてもよい。また、本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンは、回折格子として用いられてもよい。
[製造方法]
本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンの製造方法は、特定強度分布において観察されるピークの半値幅が2度以上である透明スクリーンを製造可能な方法であれば制限されない。上記したように、例えば、コレステリック液晶層を形成することによって、特定強度分布において観察されるピークの半値幅を容易に制御することができる。以下、本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンの一例である、コレステリック液晶層を有する透明スクリーンの好ましい製造方法について説明する。ただし、本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンの製造方法は、以下に説明する方法に制限されるものではない。
本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンの製造方法は、基材上に、液晶化合物、及びキラル剤を含む組成物を塗布する工程(以下、「工程(A)」という場合がある。)と、上記基材上に塗布された上記組成物の表面にせん断力を与える工程(以下、「工程(B)」という場合がある。)と、を含むことが好ましい。工程(A)、及び工程(B)を経て、基材上に、コレステリック液晶層を形成することができる。工程(B)において、液晶化合物、及びキラル剤を含む組成物にせん断力を与えることで、特定強度分布において観察されるピークの半値幅を大きくすることができるため、映像の色再現性に優れる透明スクリーンを製造することができる。また、工程(A)、及び工程(B)を繰り返すことによって、基材上に複数のコレステリック液晶を形成することができる。以下、各工程について具体的に説明する。
(工程(A))
工程(A)においては、基材上に、液晶化合物、及びキラル剤を含む組成物を塗布する。
本開示において、「基材上に組成物を塗布する」とは、基材に組成物を直接接触させることに限られず、基材に任意の層を介して組成物を接触させることを包含する。任意の層は、基材の構成要素の1つであってもよく、又は組成物の塗布前に基材上に形成された層であってもよい。任意の層としては、例えば、上記「配向層」の項において説明した配向層が挙げられる。配向層の形成方法については後述する。
-基材-
工程(A)において用いられる基材としては、例えば、上記「基材」の項において説明した基材が挙げられる。工程(A)において用いられる基材の好ましい態様は、上記「基材」の項において説明した基材と同様である。工程(A)において用いられる基材の表面に、予め配向層が配置されていてもよい。
-液晶化合物-
組成物に含まれる液晶化合物としては、例えば、上記「液晶化合物」の項において説明した液晶化合物を利用することができる。組成物に含まれる液晶化合物の好ましい態様は、上記「液晶化合物」の項において説明した液晶化合物と同様である。
組成物は、1種単独、又は2種以上の液晶化合物を含んでいてもよい。
液晶化合物の含有率は、組成物の固形分質量に対して、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。液晶化合物の含有率の上限は、液晶化合物以外の成分の含有量に応じて決定すればよい。液晶化合物の含有率は、組成物の固形分質量に対して、100質量%未満(好ましくは、98質量%以下、又は95質量%以下)の範囲で決定すればよい。
-キラル剤-
キラル剤の種類は、制限されない。キラル剤としては、例えば、公知のキラル剤(例えば、「液晶デバイスハンドブック、第3章4-3項、TN、STN用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第一42委員会編、1989」に記載されたキラル剤)を利用することができる。
キラル剤の多くは、不斉炭素原子を含む。ただし、キラル剤は、不斉炭素原子を含む化合物に制限されない。キラル剤としては、例えば、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物、及び面性不斉化合物も挙げられる。軸性不斉化合物、又は面性不斉化合物としては、例えば、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファン、及びこれらの誘導体が挙げられる。
キラル剤は、重合性基を有していてもよい。例えば、重合性基を有するキラル剤と、重合性基を有する液晶化合物との反応により、上記キラル剤に由来する構成単位と、上記液晶化合物に由来する構成単位とを有する重合体が得られる。
キラル剤における重合性基としては、例えば、上記「液晶化合物」の項において説明した重合性基が挙げられる。キラル剤における重合性基の好ましい態様は、上記「液晶化合物」の項において説明した重合性基と同様である。キラル剤における重合性基の種類は、液晶化合物における重合性基の種類と同じであることが好ましい。
強いねじれ力を示すキラル剤としては、例えば、特開2010-181852号公報、特開2003-287623号公報、特開2002-80851号公報、特開2002-80478号公報、又は特開2002-302487号公報に記載されているキラル剤が挙げられる。上記のような文献に記載されているイソソルビド化合物類については、対応する構造のイソマンニド化合物類をキラル剤として用いることもできる。また、上記のような文献に記載されているイソマンニド化合物類については、対応する構造のイソソルビド化合物類をキラル剤として用いることもできる。
キラル剤の含有率は、組成物の固形分質量に対して、0.1質量%~20.0質量%であることが好ましく、0.2質量%~15.0質量%であることがより好ましく、0.5質量%~10.0質量%であることが特に好ましい。
-他の成分-
組成物は、上記した成分以外の成分(以下、本段落において「他の成分」という。)を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、溶媒、配向規制剤、重合開始剤、レベリング剤、配向助剤、及び増感剤が挙げられる。
溶媒としては、有機溶媒が好ましい。有機溶媒としては、例えば、アミド溶媒(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド)、スルホキシド溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例えば、ピリジン)、炭化水素溶媒(例えば、ベンゼン、及びヘキサン)、ハロゲン化アルキル溶媒(例えば、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル溶媒(例えば、酢酸メチル、及び酢酸ブチル)、ケトン溶媒(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、及びシクロヘキサノン)、及びエーテル溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、及び1、2-ジメトキシエタン)が挙げられる。有機溶媒は、ハロゲン化アルキル溶媒、及びケトン溶媒からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、ケトン溶媒であることがより好ましい。
組成物は、1種単独、又は2種以上の溶媒を含んでいてもよい。
組成物中の固形分の含有率は、組成物の全質量に対して、25質量%~40質量%であることが好ましく、25質量%~35質量%であることがより好ましい。
配向規制剤としては、例えば、特開2012-211306号公報の段落[0012]~段落[0030]に記載された化合物、特開2012-101999号公報の段落[0037]~段落[0044]に記載された化合物、特開2007-272185号公報の段落[0018]~段落[0043]に記載された含フッ素(メタ)アクリレートポリマー、及び特開2005-099258号公報に合成方法と共に詳細に記載された化合物が挙げられる。特開2004-331812号公報に記載されている、フルオロ脂肪族基含有モノマーの重合単位を全重合単位の50質量%超で含むポリマーを配向規制剤として用いてもよい。
配向規制剤としては、垂直配向剤も挙げられる。垂直配向剤としては、例えば、特開2015-38598号公報に記載されたボロン酸化合物及び/又はオニウム塩、並びに特開2008-26730号公報に記載されたオニウム塩が挙げられる。
組成物が配向規制剤を含有する場合においては、配向規制剤の含有率は、組成物の固形分質量に対して、0質量%を超えて5.0質量%以下であることが好ましく、0.3質量%~2.0質量%であることがより好ましい。
重合開始剤としては、例えば、光重合開始剤、及び熱重合開始剤が挙げられる。
重合開始剤は、熱による基材の変形、及び組成物の変質を抑制する観点から、光重合開始剤であることが好ましい。光重合開始剤としては、例えば、α-カルボニル化合物(例えば、米国特許第2367661号明細書、又は米国特許第2367670号明細書に記載された化合物)、アシロインエーテル(例えば、米国特許第2448828号明細書に記載された化合物)、α-炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(例えば、米国特許第2722512号明細書に記載された化合物)、多核キノン化合物(例えば、米国特許第3046127号明細書、又は米国特許第2951758号明細書に記載された化合物)、トリアリールイミダゾールダイマーとp-アミノフェニルケトンとの組み合わせ(例えば、米国特許第3549367号明細書に記載された化合物)、アクリジン化合物(例えば、特開昭60-105667号公報、又は米国特許第4239850号明細書に記載された化合物)、フェナジン化合物(例えば、特開昭60-105667号公報、又は米国特許第4239850号明細書に記載された化合物)、オキサジアゾール化合物(例えば、米国特許第4212970号明細書記載の化合物)、及びアシルフォスフィンオキシド化合物(例えば、特公昭63-40799号公報、特公平5-29234号公報、特開平10-95788号公報、又は特開平10-29997号公報に記載された化合物)が挙げられる。
組成物が重合開始剤を含有する場合においては、重合開始剤の含有率は、組成物の固形分質量に対して、0.5質量%~5.0質量%であることが好ましく、1.0質量%~4.0質量%であることがより好ましい。
-組成物の製造方法-
組成物の製造方法は、制限されない。組成物の製造方法としては、例えば、上記各成分を混合する方法が挙げられる。混合方法としては、公知の混合方法を利用することができる。組成物の製造方法においては、上記各成分を混合した後、得られた混合物をろ過してもよい。
-塗布方法-
組成物の塗布方法は、制限されない。組成物の塗布方法としては、例えば、エクストルージョンダイコータ法、カーテンコーティング法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、印刷コーティング法、スプレーコーティング法、スロットコーティング法、ロールコーティング法、スライドコーティング法、ブレードコーティング法、グラビアコーティング法、及びワイヤーバー法が挙げられる。
-塗布量-
組成物の塗布量は、制限されない。組成物の塗布量は、例えば、目的とするコレステリック液晶層の厚さ、又は下記「工程(B)」の項において説明するせん断力が与えられる前の組成物の厚さに応じて決定すればよい。
(工程(B))
工程(B)においては、塗布された組成物の表面にせん断力を与える。
-せん断力を付与する手段-
せん断力を付与する手段としては、例えば、ブレード、エアナイフ、バー、及びアプリケーターが挙げられる。工程(B)においては、ブレード、又はエアナイフを用いて組成物の表面にせん断力を与えることが好ましく、ブレードを用いて組成物の表面にせん断力を与えることがより好ましい。
ブレードを用いて組成物の表面にせん断力を与える方法においては、ブレードによって組成物の表面を掻き取ることが好ましい。上記方法においては、せん断力を付与する前後で組成物の厚さが変化する場合がある。ブレードによってせん断力が与えられた後の組成物の厚さは、せん断力が与えられる前の組成物の厚さに対して、1/2以下、又は1/3以下であってもよい。ブレードによってせん断力が与えられた後の組成物の厚さは、せん断力が与えられる前の組成物の厚さに対して、1/4以上であることが好ましい。
ブレードの材料は、制限されない。ブレードの材料としては、例えば、金属(例えば、ステンレス)、及び樹脂(例えば、テフロン(登録商標)、及びポリエーテルエーテルケトン(PEEK))が挙げられる。
ブレードの形状は、制限されない。ブレードの形状としては、例えば、板状が挙げられる。
ブレードは、組成物に対してせん断力を与えやすいという観点から、金属製の板状部材であることが好ましい。
組成物に接触するブレードの先端部の厚さは、組成物に対してせん断力を与えやすいという観点から、0.1mm以上であることが好ましく、1mm以上であることがより好ましい。ブレードの厚さの上限は、制限されない。ブレードの厚さは、例えば、10mm以下の範囲で決定すればよい。
エアナイフを用いて組成物の表面にせん断力を与える方法においては、組成物の表面にエアナイフによって圧縮空気を吹き付けることで、組成物の表面にせん断力が付与される。圧縮空気を吹き付ける速度(すなわち、流速)に応じて、組成物に付与するせん断速度を調整することができる。
エアナイフによる圧縮空気の吹き付け方向は、組成物の搬送方向に対して、同じ方向、又は反対方向であってもよい。エアナイフによる圧縮空気の吹き付け方向は、圧縮空気によって掻き取られた組成物の断片が基材上に残る組成物に付着することを防止するという観点から、組成物の搬送方向と同じ方向であることが好ましい。
-せん断速度-
工程(B)におけるせん断速度が大きいほど、配向精度が高いコレステリック液晶層を形成することができる。せん断速度は、1,000秒-1以上であることが好ましく、10,000秒-1以上であることがより好ましく、30,000秒-1以上であることが特に好ましい。せん断速度の上限は、制限されない。せん断速度は、例えば、1.0×10-1以下の範囲で決定すればよい。
以下、せん断速度の求め方について説明する。例えば、ブレードを用いてせん断力を与える場合、せん断速度は、ブレードと基材との最短距離を「d」とし、ブレードに接触する組成物の搬送速度(すなわち、組成物とブレードとの相対速度)を「V」としたとき、「V/d」によって求められる。また、例えば、エアナイフを用いてせん断力を与える場合、せん断速度は、せん断付与後の組成物の厚さを「h」とし、組成物表面と基材表面との相対速度を「V」としたとき、「V/2h」によって求められる。
-組成物の表面温度-
せん断力が与えられる際の組成物の表面温度は、組成物に含まれる液晶化合物の相転移温度に応じて決定すればよい。せん断力が与えられる際の組成物の表面温度は、50℃~120℃であることが好ましく、60℃~100℃であることがより好ましい。組成物の表面温度を上記範囲に調整することで、配向精度が高いコレステリック液晶層を得ることができる。組成物の表面温度は、非接触式温度計で測定した温度値によって放射率が校正された放射温度計を用いて測定する。組成物の表面温度は、測定面とは反対側(すなわち、裏側)の表面から10cm以内に反射物がない状態で測定する。
-組成物の厚さ-
せん断力が与えられる前の組成物の厚さは、配向精度が高いコレステリック液晶層を形成するという観点から、30μm以下の範囲であることが好ましく、15μm~25μmの範囲であることがより好ましい。
せん断力が与えられた後の組成物の厚さは、配向精度が高いコレステリック液晶層を形成するという観点から、10μm以下の範囲であることが好ましく、7μm以下の範囲であることがより好ましい。せん断力が与えられた後の組成物の厚さの下限は、制限されない。せん断力が与えられた後の組成物の厚さは、5μm以上の範囲であることが好ましい。
(工程(C))
組成物が溶媒を含む場合、本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンの製造方法は、工程(A)と工程(B)との間に、塗布された組成物中の溶媒の含有率を上記組成物の全質量に対して50質量%以下の範囲に調整する工程(以下、「工程(C)」という場合がある。)を有することが好ましい。組成物中の溶媒の含有率を50質量%以下の範囲に調整することで、配向精度が高いコレステリック液晶層を形成することができる。
工程(C)において、組成物中の溶媒の含有率は、上記組成物の全質量に対して、40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。塗布された組成物中の溶媒の含有率の下限は、制限されない。塗布された組成物中の溶媒の含有率は、上記組成物の全質量に対して、0質量%であってもよく、又は0質量%を超えてもよい。塗布された組成物中の溶媒の含有率は、塗布された組成物の表面状態の悪化を抑制しやすいという観点から、10質量%以上であることが好ましい。
組成物中の溶媒の含有率は、絶乾法によって測定する。以下、測定方法の具体的な手順を説明する。組成物から採取した試料を、60℃で24時間乾燥した後、乾燥前後の試料の質量変化(すなわち、乾燥後の試料の質量と乾燥前の試料の質量との差)を求める。乾燥前後の試料の質量変化に基づいて、試料中の溶媒の含有率を求める。上記操作を3回行うことで得られた値の算術平均を、溶媒の含有率とする。
工程(C)において、塗布された組成物中の溶媒の含有率を調整する方法としては、例えば、乾燥が挙げられる。
組成物の乾燥手段としては、公知の乾燥手段を利用することができる。乾燥手段として、例えば、オーブン、温風機、及び赤外線(IR)ヒーターが挙げられる。
温風機を用いる乾燥においては、組成物に対して温風を直接当ててもよく、又は基材の組成物が配置された面とは反対側の面に対して温風を当ててもよい。また、組成物の表面が温風によって流動することを抑制するために、拡散板を設置してもよい。
乾燥は、吸気によって行ってもよい。吸気による乾燥においては、例えば、排気機構を有する減圧室を用いることができる。組成物の周囲の気体を吸気することで、組成物中の溶媒の含有率を低減することができる。
乾燥条件は、組成物中の溶媒の含有率を50質量%以下の範囲に調整することができれば制限されない。乾燥条件は、例えば、組成物に含まれる成分、組成物の塗布量、及び搬送速度に応じて決定すればよい。
(工程(D))
組成物が重合性化合物(例えば、重合性基を有する液晶化合物、又は重合性基を有するキラル剤)を含む場合、本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンの製造方法は、工程(B)の後に、せん断力が与えられた組成物を硬化させる工程(以下、「工程(D)」という場合がある。)を有することが好ましい。工程(D)において組成物を硬化させることで、液晶化合物の分子配列を固定することができる。
組成物を硬化させる方法としては、例えば、加熱、及び活性エネルギー線の照射が挙げられる。工程(D)においては、製造適性の観点から、せん断力が与えられた組成物に活性エネルギー線を照射することによって、上記組成物を硬化させることが好ましい。
活性エネルギー線としては、例えば、α線、γ線、X線、紫外線、赤外線、可視光線、及び電子線が挙げられる。活性エネルギー線は、硬化感度、及び装置の入手容易性の観点から、紫外線であることが好ましい。
紫外線の光源としては、例えば、ランプ(例えば、タングステンランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、キセノンフラッシュランプ、水銀ランプ、水銀キセノンランプ、及びカーボンアークランプ)、レーザー(例えば、半導体レーザー、ヘリウムネオンレーザー、アルゴンイオンレーザー、ヘリウムカドミウムレーザー、及びYAG(Yttrium Aluminum Garnet)レーザー)、発光ダイオード、及び陰極線管が挙げられる。
紫外線の光源から発せられる紫外線のピーク波長は、200nm~400nmであることが好ましい。
紫外線の露光量(積算光量ともいう。)は、100mJ/cm~500mJ/cmであることが好ましい。
(他の工程)
本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンの製造方法は、上記した工程以外の工程を有していてもよい。本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンの製造方法は、例えば、基材上に配向層を形成する工程を有していてもよい。基材上に配向層を形成する工程は、工程(A)の前に実施されることが好ましい。
配向層の形成方法としては、例えば、有機化合物(好ましくは重合体)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、及びマイクログルーブを有する層の形成が挙げられる。
(製造方式)
本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンの製造方法は、ロールトゥロール(Roll to Roll)方式によって実施してもよい。ロールトゥロール方式においては、例えば、長尺の基材を連続搬送しながら各工程を実施する。本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンの製造方法は、1つずつ搬送される基材を用いて実施してもよい。
本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンの製造方法について、図3を参照して説明する。図3は、本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンの製造方法の一例を示す概略図である。
図3において、透明スクリーンは、ロールトゥロール方式によって製造される。ロール状に巻回された長尺の基材Fは、搬送ロール500によって矢印の方向へ搬送される。基材Fの搬送速度は、10m/分~100m/分であることが好ましい。
搬送ロール500を通過した基材Fに対して、塗布装置100によって組成物を塗布する(工程(A))。上記組成物は、液晶化合物、キラル剤、及び溶媒を含む。塗布装置100による組成物の塗布は、基材Fがバックアップロール600上に巻き掛けられた領域で行われる。以下、バックアップロール600の好ましい態様について説明する。
バックアップロール600の表面は、例えば、ハードクロムメッキが施されていてもよい。メッキの厚さは、40μm~60μmであることが好ましい。
バックアップロール600の表面粗Raは、0.1μm以下であることが好ましい。
バックアップロール600の表面温度は、温度制御手段によって任意の温度範囲に制御されていてもよい。バックアップロール600の表面温度は、組成物の組成、組成物の硬化性能、及び基材の耐熱性に応じて決定すればよい。バックアップロール600の表面温度は、例えば、40℃~120℃であることが好ましく、40℃~100℃であることがより好ましい。バックアップロール600の温度制御手段としては、例えば、加熱手段、及び冷却手段が挙げられる。加熱手段としては、例えば、誘導加熱、水加熱、及び油加熱が挙げられる。冷却手段としては、例えば、冷却水による冷却が挙げられる。
バックアップロール600の直径は、100mm~1,000mmであることが好ましく、100mm~800mmであることがより好ましく、200mm~700mmであることが特に好ましい。
バックアップロール600に対する基材Fのラップ角は、60度以上であることが好ましく、90度以上であることがより好ましい。また、ラップ角の上限は、例えば、180度に設定することができる。「ラップ角」とは、基材がバックアップロールに接触する際の基材の搬送方向と、バックアップロールから基材が離間する際の基材の搬送方向とのなす角を意味する。
塗布装置100によって基材Fに組成物を塗布した後、乾燥装置200によって組成物を乾燥する(工程(C))。組成物を乾燥することで、組成物中の溶媒の含有率を調整する。
乾燥装置200によって組成物を乾燥した後、搬送ロール510を通過した組成物の上面を、ブレード300を用いて掻き取ることによって、組成物の表面にせん断力を与える(工程(B))。せん断力は、組成物の搬送方向(すなわち、基材の搬送方向)に沿って与えられる。ブレード300によるせん断力の付与は、基材Fがバックアップロール610上に巻き掛けられた領域で行われる。
バックアップロール610の好ましい態様は、バックアップロール600と同様である。バックアップロール610の表面温度は、例えば、50℃~120℃であることが好ましく、60℃~100℃であることがより好ましい。
組成物にせん断力を与えた後、組成物に対して光源400から活性エネルギー線を照射することによって、組成物を硬化させる(工程(D))。組成物を硬化させることで、コレステリック液晶層を形成する。
以上の各工程を経て得られる透明スクリーンは、基材Fと、コレステリック液晶層と、をこの順で有する。また、図3に示される透明スクリーンの製造方法において、配向層を有する基材Fを用いることで、基材Fと、配向層と、コレステリック液晶層と、をこの順で有する透明スクリーンを製造することができる。
映像の色再現性の観点から、本開示の第1実施形態に係る透明スクリーンは、以下に示す各実施形態に係る透明スクリーンの構成要素の一部又は全部を有することが好ましい。
<第2実施形態に係る透明スクリーン>
本開示の第2実施形態に係る透明スクリーンは、液晶化合物を含む少なくとも1つのコレステリック液晶層を有し、上記コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、上記コレステリック液晶層の上記液晶化合物に由来するらせん軸が、上記コレステリック液晶層の互いに反対側に位置する2つの主面のうち少なくとも一方の主面に直交する直線に対して傾斜しており、上記コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、上記コレステリック液晶層が、明部及び暗部が交互に並んだ縞模様を有し、上記コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、上記明部及び上記暗部の周期分布が、0.05μm以上である。本開示の第2実施形態に係る透明スクリーンは、上記構成を有することで、映像の色再現性に優れる。
本開示の第2実施形態に係る透明スクリーンが上記効果を奏する理由は、以下のように推察される。本開示の第2実施形態に係る透明スクリーンは、上記構成を有することで、光(特に可視光)の回折角の離散性を抑制することができる。つまり、本開示の第2実施形態に係る透明スクリーンによれば、透明スクリーンから観察者に到達する光(特に可視光)の強度の波長依存性が観察位置(特に観察角度)に応じて大きく変化することを抑制することができるため、観察位置に影響されることなく、観察者に対して本来の色味を再現した映像を提供することができる。よって、本開示の第2実施形態に係る透明スクリーンは、映像の色再現性に優れる。
以下、本開示の第2実施形態に係る透明スクリーンの詳細を説明する。ただし、以下の説明において、上記「第1実施形態に係る透明スクリーン」の項に記載された事項は本開示の第2実施形態に係る透明スクリーンに参酌され、上記「第1実施形態に係る透明スクリーン」の項において説明した事項と重複する事項の説明は省略される。本開示の第2実施形態に係る透明スクリーンは、既述した第1実施形態に係る透明スクリーンの構成要素の一部又は全部を有することが好ましい。
コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、明部及び暗部の周期分布は、0.05μm以上である。後述する明部及び暗部の周期分布の測定方法によれば、明部及び暗部の周期分布の増大は、明部及び暗部が交互に並んだ縞模様が画一的でない様相を表している。上記のような特性は、広範囲の波長の回折及び散乱を引き起こし、映像の色再現性を向上させる。映像の色再現性の観点から、明部及び暗部の周期分布は、0.1μm以上であることがより好ましく、0.2μm以上であることがより好ましい。明部及び暗部の周期分布の上限は、制限されない。明部及び暗部の周期分布は、コレステリック液晶層に回折の作用を持たせる観点から100μm以下又は80μm以下であってもよい。
明部及び暗部の周期分布は、以下の方法によって測定される。
(1)コレステリック液晶層を厚さ方向に切断し、走査型電子顕微鏡、又は偏光顕微鏡を用いて、コレステリック液晶層の断面画像を得る。
(2)コレステリック液晶層の互いに反対側に位置する2つの主面のうち少なくとも一方の主面に平行であり、かつ、コレステリック液晶層の厚さを1μmごとに分割する複数の仮想線を、断面画像に示されるコレステリック液晶層に描く。ただし、対象のコレステリック液晶層の厚さが2μm以下である場合、「コレステリック液晶層の厚さを1μmごとに分割する複数の仮想線」にかえてコレステリック液晶層の厚さを3等分する2つの仮想線を描く。各仮想線の長さは、50μmである。
(3)断面画像で観察される「隣り合う明部及び暗部」と「仮想線」との交差領域における仮想線の長さを測定し、得られた値を明部及び暗部の周期長とする。明部及び暗部の周期長の測定は、50μmの仮想線に沿って、言い換えると、50μmの範囲で実施される。測定値を算術平均することによって得られた値を、平均値AM1とする。
(4)各仮想線を用いて得られた平均値AM1における最大値と最小値との差の絶対値を求める。得られた値を、明部及び暗部の周期分布とする。
明部及び暗部の周期分布を調整する方法としては、例えば、コレステリック液晶層の互いに反対側に位置する2つの主面の各々の近傍に存在する液晶化合物に与える配向規制力を制御する方法及びキラル剤の量を制御する方法が挙げられる。配向規制力は、例えば、配向制御剤及び配向層によって制御される。
<第3実施形態に係る透明スクリーン>
本開示の第3実施形態に係る透明スクリーンは、液晶化合物を含む第1コレステリック液晶層と、液晶化合物を含む第2コレステリック液晶層と、を有し、上記第1コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、上記第1コレステリック液晶層の上記液晶化合物に由来するらせん軸が、上記第1コレステリック液晶層の互いに反対側に位置する2つの主面のうち少なくとも一方の主面に直交する直線に対して傾斜しており、上記第1コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、上記第1コレステリック液晶層が、明部及び暗部が交互に並んだ縞模様を有し、上記第2コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、上記第2コレステリック液晶層の上記液晶化合物に由来するらせん軸が、上記第2コレステリック液晶層の互いに反対側に位置する2つの主面のうち少なくとも一方の主面に直交する直線に対して傾斜しており、上記第2コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、上記第2コレステリック液晶層が、明部及び暗部が交互に並んだ縞模様を有し、上記第1コレステリック液晶層及び上記第2コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、上記第1コレステリック液晶層における上記明部及び上記暗部の平均周期長と上記第2コレステリック液晶層における上記明部及び上記暗部の平均周期長との差の絶対値が、0.05μm以上である。本開示の第3実施形態に係る透明スクリーンは、上記構成を有することで、映像の色再現性に優れる。
本開示の第3実施形態に係る透明スクリーンが上記効果を奏する理由は、以下のように推察される。本開示の第3実施形態に係る透明スクリーンは、上記構成を有することで、光(特に可視光)の回折角の離散性を抑制することができる。つまり、本開示の第3実施形態に係る透明スクリーンによれば、透明スクリーンから観察者に到達する光(特に可視光)の強度の波長依存性が観察位置(特に観察角度)に応じて大きく変化することを抑制することができるため、観察位置に影響されることなく、観察者に対して本来の色味を再現した映像を提供することができる。よって、本開示の第3実施形態に係る透明スクリーンは、映像の色再現性に優れる。
以下、本開示の第3実施形態に係る透明スクリーンの詳細を説明する。ただし、以下の説明において、上記「第1実施形態に係る透明スクリーン」の項に記載された事項は本開示の第3実施形態に係る透明スクリーンに参酌され、上記「第1実施形態に係る透明スクリーン」の項において説明した事項と重複する事項の説明は省略される。本開示の第3実施形態に係る透明スクリーンは、既述した第1実施形態に係る透明スクリーンの構成要素の一部又は全部を有することが好ましい。
本開示の第3実施形態に係る透明スクリーンは、液晶化合物を含む第1コレステリック液晶層と、液晶化合物を含む第2コレステリック液晶層と、を有する。第1コレステリック液晶層における液晶化合物の種類は、第2コレステリック液晶層における液晶化合物の種類と同じであっても異なってもよい。第2コレステリック液晶層は、第1コレステリック液晶層の上に直接又は他の層を介して積層されてもよい。本開示の第3実施形態に係る透明スクリーンは、第1コレステリック液晶層及び第2コレステリック液晶層以外の液晶層を有してもよい。
第1コレステリック液晶層及び第2コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、第1コレステリック液晶層における明部及び暗部の平均周期長と第2コレステリック液晶層における明部及び暗部の平均周期長との差の絶対値は、0.05μm以上である。上記のような特性は、広範囲の波長の回折及び散乱を引き起こし、映像の色再現性を向上させる。映像の色再現性の観点から、第1コレステリック液晶層における明部及び暗部の平均周期長と第2コレステリック液晶層における明部及び暗部の平均周期長との差の絶対値は、0.1μm以上であることがより好ましく、0.2μm以上であることがより好ましい。第1コレステリック液晶層における明部及び暗部の平均周期長と第2コレステリック液晶層における明部及び暗部の平均周期長との差の絶対値の上限は、制限されない。第1コレステリック液晶層における明部及び暗部の平均周期長と第2コレステリック液晶層における明部及び暗部の平均周期長との差の絶対値は、コレステリック液晶層に回折の作用を持たせる観点から100μm以下又は80μm以下であってもよい。
明部及び暗部の平均周期長は、以下の方法によって測定される。
(1)コレステリック液晶層を厚さ方向に切断し、走査型電子顕微鏡、又は偏光顕微鏡を用いて、コレステリック液晶層の断面画像を得る。
(2)断面画像で観察される「隣り合う明部及び暗部」と「コレステリック液晶層の互いに反対側に位置する2つの主面のうち少なくとも一方の主面」との交差領域におけるコレステリック液晶層の主面の長さを測定し、得られた値を明部及び暗部の周期長とする。明部及び暗部の周期長の測定は、50μmのコレステリック液晶層の主面に沿って、言い換えると、50μmの範囲で実施される。測定値を算術平均することによって得られた値を、明部及び暗部の平均周期長とする。
第1コレステリック液晶層における明部及び暗部の平均周期長と第2コレステリック液晶層における明部及び暗部の平均周期長との差の絶対値を調整する方法としては、例えば、各コレステリック液晶層に含まれる液晶化合物に与える配向規制力を制御する方法が挙げられる。配向規制力は、例えば、配向制御剤及び配向層によって制御される。
<第4実施形態に係る透明スクリーン>
本開示の第4実施形態に係る透明スクリーンは、液晶化合物を含む少なくとも1つのコレステリック液晶層を有し、上記コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、上記コレステリック液晶層の上記液晶化合物に由来するらせん軸が、上記コレステリック液晶層の互いに反対側に位置する2つの主面のうち少なくとも一方の主面に直交する直線に対して傾斜しており、上記コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、上記コレステリック液晶層が、明部及び暗部が交互に並んだ縞模様を有し、上記コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、上記明部の角度分布が、3度以上である。本開示の第4実施形態に係る透明スクリーンは、上記構成を有することで、映像の色再現性に優れる。
本開示の第4実施形態に係る透明スクリーンが上記効果を奏する理由は、以下のように推察される。本開示の第4実施形態に係る透明スクリーンは、上記構成を有することで、光(特に可視光)の回折角の離散性を抑制することができる。つまり、本開示の第4実施形態に係る透明スクリーンによれば、透明スクリーンから観察者に到達する光(特に可視光)の強度の波長依存性が観察位置(特に観察角度)に応じて大きく変化することを抑制することができるため、観察位置に影響されることなく、観察者に対して本来の色味を再現した映像を提供することができる。よって、本開示の第4実施形態に係る透明スクリーンは、映像の色再現性に優れる。
以下、本開示の第4実施形態に係る透明スクリーンの詳細を説明する。ただし、以下の説明において、上記「第1実施形態に係る透明スクリーン」の項に記載された事項は本開示の第4実施形態に係る透明スクリーンに参酌され、上記「第1実施形態に係る透明スクリーン」の項において説明した事項と重複する事項の説明は省略される。本開示の第4実施形態に係る透明スクリーンは、既述した第1実施形態に係る透明スクリーンの構成要素の一部又は全部を有することが好ましい。
コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、明部の角度分布は、3度以上である。後述する明部の角度分布の測定方法によれば、明部の角度分布の増大は、明部及び暗部が交互に並んだ縞模様が画一的でない様相を表している。上記のような特性は、広範囲の波長の回折及び散乱を引き起こし、映像の色再現性を向上させる。映像の色再現性の観点から、明部の角度分布は、7度以上であることが好ましく、10度以上であることがより好ましい。明部の角度分布の上限は、制限されない。明部の角度分布は、180度以下又は175度以下であってもよい。
明部の角度分布は、以下の方法によって測定される。
(1)コレステリック液晶層を厚さ方向に切断し、走査型電子顕微鏡、又は偏光顕微鏡を用いて、コレステリック液晶層の断面画像を得る。
(2)コレステリック液晶層の互いに反対側に位置する2つの主面のうち一方の主面に平行であり、かつ、コレステリック液晶層の厚さを1μmごとに分割する複数の仮想線を、断面画像に示されるコレステリック液晶層に描く。ただし、対象のコレステリック液晶層の厚さが2μm以下である場合、「コレステリック液晶層の厚さを1μmごとに分割する複数の仮想線」にかえてコレステリック液晶層の厚さを3等分する2つの仮想線を描く。各仮想線の長さは、50μmである。
(3)仮想線によって分割されたコレステリック液晶層の各領域で観察される明部と仮想線とのなす角を測定する。明部と仮想線とのなす角の測定は、50μmの仮想線に沿って、言い換えると、50μmの範囲で実施される。測定値を算術平均することによって得られた値を、平均値AM2とする。
(4)各仮想線を用いて得られた平均値AM2における最大値と最小値との差の絶対値を求める。得られた値を、明部の角度分布とする。
明部の角度分布を調整する方法としては、例えば、コレステリック液晶層の互いに反対側に位置する2つの主面の各々の近傍に存在する液晶化合物に与える配向規制力を制御する方法が挙げられる。配向規制力は、例えば、配向制御剤及び配向層によって制御される。
<第5実施形態に係る透明スクリーン>
本開示の第5実施形態に係る透明スクリーンは、液晶化合物を含む第1コレステリック液晶層と、液晶化合物を含む第2コレステリック液晶層と、を有し、上記第1コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、上記第1コレステリック液晶層の上記液晶化合物に由来するらせん軸が、上記第1コレステリック液晶層の互いに反対側に位置する2つの主面のうち少なくとも一方の主面に直交する直線に対して傾斜しており、上記第1コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、上記第1コレステリック液晶層が、明部及び暗部が交互に並んだ縞模様を有し、上記第2コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、上記第2コレステリック液晶層の上記液晶化合物に由来するらせん軸が、上記第2コレステリック液晶層の互いに反対側に位置する2つの主面のうち少なくとも一方の主面に直交する直線に対して傾斜しており、上記第2コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、上記第2コレステリック液晶層が、明部及び暗部が交互に並んだ縞模様を有し、上記第1コレステリック液晶層及び上記第2コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、上記第1コレステリック液晶層における上記明部の平均角度と上記第2コレステリック液晶層における上記明部の平均角度との差の絶対値が、3度以上である。本開示の第5実施形態に係る透明スクリーンは、上記構成を有することで、映像の色再現性に優れる。
本開示の第5実施形態に係る透明スクリーンが上記効果を奏する理由は、以下のように推察される。本開示の第5実施形態に係る透明スクリーンは、上記構成を有することで、光(特に可視光)の回折角の離散性を抑制することができる。つまり、本開示の第5実施形態に係る透明スクリーンによれば、透明スクリーンから観察者に到達する光(特に可視光)の強度の波長依存性が観察位置(特に観察角度)に応じて大きく変化することを抑制することができるため、観察位置に影響されることなく、観察者に対して本来の色味を再現した映像を提供することができる。よって、本開示の第5実施形態に係る透明スクリーンは、映像の色再現性に優れる。
以下、本開示の第5実施形態に係る透明スクリーンの詳細を説明する。ただし、以下の説明において、上記「第1実施形態に係る透明スクリーン」の項に記載された事項は本開示の第5実施形態に係る透明スクリーンに参酌され、上記「第1実施形態に係る透明スクリーン」の項において説明した事項と重複する事項の説明は省略される。本開示の第5実施形態に係る透明スクリーンは、既述した第1実施形態に係る透明スクリーンの構成要素の一部又は全部を有することが好ましい。
本開示の第5実施形態に係る透明スクリーンは、液晶化合物を含む第1コレステリック液晶層と、液晶化合物を含む第2コレステリック液晶層と、を有する。第1コレステリック液晶層における液晶化合物の種類は、第2コレステリック液晶層における液晶化合物の種類と同じであっても異なってもよい。第2コレステリック液晶層は、第1コレステリック液晶層の上に直接又は他の層を介して積層されてもよい。本開示の第5実施形態に係る透明スクリーンは、第1コレステリック液晶層及び第2コレステリック液晶層以外の液晶層を有してもよい。
第1コレステリック液晶層及び第2コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、第1コレステリック液晶層における明部の平均角度と第2コレステリック液晶層における明部の平均角度との差の絶対値は、3度以上である。上記のような特性は、広範囲の波長の回折及び散乱を引き起こし、映像の色再現性を向上させる。映像の色再現性の観点から、第1コレステリック液晶層における明部の平均角度と第2コレステリック液晶層における明部の平均角度との差の絶対値は、7度以上であることが好ましく、10度以上であることがより好ましい。第1コレステリック液晶層における明部の平均角度と第2コレステリック液晶層における明部の平均角度との差の絶対値の上限は、制限されない。第1コレステリック液晶層における明部の平均角度と第2コレステリック液晶層における明部の平均角度との差の絶対値は、180度以下又は175度以下であってもよい。
明部の平均角度は、以下の方法によって測定される。
(1)コレステリック液晶層を厚さ方向に切断し、走査型電子顕微鏡、又は偏光顕微鏡を用いて、コレステリック液晶層の断面画像を得る。
(2)断面画像で観察される「明部」と「コレステリック液晶層の互いに反対側に位置する2つの主面のうち少なくとも一方の主面」とのなす角を測定する。「明部」と「コレステリック液晶層の互いに反対側に位置する2つの主面のうち少なくとも一方の主面」とのなす角の測定は、50μmのコレステリック液晶層の主面に沿って、言い換えると、50μmの範囲で実施される。測定値を算術平均することによって得られた値を、明部の平均角度とする。
第1コレステリック液晶層における明部の平均角度と第2コレステリック液晶層における明部の平均角度との差の絶対値を調整する方法としては、例えば、各コレステリック液晶層に含まれる液晶化合物に与える配向規制力を制御する方法が挙げられる。配向規制力は、例えば、配向制御剤及び配向層によって制御される。
以下、実施例により本開示を詳細に説明する。ただし、本開示は、以下の実施例に制限されるものではない。
<実施例1>
以下の手順によって、実施例1のスクリーンを製造した。実施例1のスクリーンは、基材、配向層、及びコレステリック液晶層をこの順で有する。実施例1のスクリーンの全光線透過率は、90%以上であった。
[基材の用意]
基材として、長尺のトリアセチルセルロース(TAC)フィルム(富士フイルム株式会社、屈折率:1.48、厚さ:80μm、幅:300mm)を用意した。
[配向層の形成]
80℃で保温された容器中で、純水(96質量部)、及びPVA-205(4質量部、株式会社クラレ、ポリビニルアルコール)を含む混合物を撹拌することによって、配向層形成用組成物を調製した。バー(バーの番手:6)を用いて、基材(トリアセチルセルロースフィルム)上に上記配向層形成用組成物を塗布し、次いで、100℃のオーブン内で10分間乾燥した。以上の手順によって、基材の上に配向層(厚さ:2μm)を形成した。
[コレステリック液晶層の形成]
以下の手順によって、配向層の上にコレステリック液晶層(厚さ:11μm)を形成した。
(液晶層形成用塗布液(1)の調製)
下記に示す各成分を混合した後、ポリプロピレン製フィルター(孔径:0.2μm)を用いてろ過することによって、液晶層形成用塗布液(1)を調製した。
-成分-
(1)棒状サーモトロピック液晶化合物(下記化合物(A)):100質量部
(2)キラル剤(下記化合物(B)、Palicolor(登録商標) LC756、BASF社):1.2質量部
(3)光重合開始剤(IRGACURE(登録商標) 907、BASF社):3質量部
(4)光重合開始剤(PM758、日本化薬株式会社):1質量部
(5)配向規制剤(下記化合物(C)):0.5質量部
(6)溶媒(メチルエチルケトン):184質量部
(7)溶媒(シクロヘキサノン):31質量部
化合物(A)は、以下に示す3つの化合物の混合物である。混合物中の各化合物の含有率は、上から順に、84質量%、14質量%、及び2質量%である。
Figure 0007293403000005
化合物(B)の化学構造を以下に示す。
Figure 0007293403000006
化合物(C)の化学構造を以下に示す。
Figure 0007293403000007
(塗布)
配向層を有する基材を70℃で加熱し、次いで、バー(バーの番手:18)を用いて、配向層の上に液晶層形成用塗布液(1)を塗布した。
(乾燥)
配向層の上に塗布された液晶層形成用塗布液(1)を、70℃のオーブン内で1分間乾燥することによって塗膜(厚さ:10μm、塗膜中の溶媒の含有率:1質量%以下)を形成した。
(せん断力の付与)
塗膜を70℃に加熱した状態で、70℃に加熱したステンレス製ブレードを塗膜に接触させ、次いで、上記塗膜に接触させたまま、上記ブレードを1.5m/分の速度で移動させることによって、上記塗膜に対してせん断力を与えた。上記ブレードの移動距離は、30mmであった。せん断速度は、2,500秒-1であった。
(硬化)
せん断力が与えられた塗膜に対して、窒素雰囲気下(酸素濃度:<100ppm)でメタルハライドランプを用いて紫外線(露光量:500mJ/cm)を照射することによって、上記塗膜を硬化させた。
<実施例2>
キラル剤の添加量を1.7質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様の手順によって、実施例2のスクリーンを製造した。実施例2のスクリーンの全光線透過率は、90%以上であった。
<実施例3>
液晶層形成用塗布液(1)を下記に示す成分を含む液晶層形成用塗布液(2)に変更したこと、及びせん断力の付与後に、メタルハライドランプからの紫外線を長波長カットフィルター(朝日分光株式会社、SH0325)を通してせん断後の塗膜に照射し(露光量:5mJ/cm)、その後、窒素雰囲気下(酸素濃度:<100ppm)でメタルハライドランプを用いて紫外線(露光量:500mJ/cm)を照射したこと以外は、実施例1と同様の手順によって、実施例3のスクリーンを製造した。実施例3のスクリーンの全光線透過率は、90%以上であった。
-成分-
(1)棒状サーモトロピック液晶化合物(化合物(A)):100質量部
(2)キラル剤(下記化合物(D)):1.5質量部
(3)光重合開始剤(PM758、日本化薬株式会社):1質量部
(4)配向規制剤(化合物(C)):0.5質量部
(5)溶媒(メチルエチルケトン):184質量部
(6)溶媒(シクロヘキサノン):31質量部
化合物(D)の化学構造を以下に示す。
Figure 0007293403000008
<比較例1>
比較例1のスクリーンとして、Edmund Optics社製の透過型回折格子1000GPMを用意した。
<特定強度分布において観察されるピークの半値幅>
以下の方法、及び測定条件によって、各スクリーンの特定強度分布において観察されるピークの半値幅を測定した。測定結果を表1に示す。
[方法]
試験片として、幅が3cmであり、長さが3cmであるスクリーンを用意した。スクリーンの2つの主面のうち一方の主面(実施例1~3においては基材が配置された側の表面をいう。以下、本段落において同じ。)に対向して光源を配置した。スクリーンの2つの主面のうち他方の主面(実施例1~3においてはコレステリック液晶層が配置された側の表面をいう。以下、本段落において同じ。)に対向して検出器を配置した。スクリーンの2つの主面のうち一方の主面に対して光(波長:532nm)を照射し、そして、検出器の角度を変えながら上記2つの主面のうち他方の主面から出射した一次回折光の強度を測定した。測定結果に基づいて、一次回折光の強度分布を作成した。一次回折光の強度分布においては、一次回折光の回折角を横軸に示し、かつ、一次回折光の強度を縦軸に示した。一次回折光の強度分布において観察されるピークの半値幅(半値全幅をいう。)を求めた。
[測定条件]
(1)光源:532nmレーザー、LPG350、東京磁石工業株式会社
(2)検出器:OPTICAL POWER SENSOR MA9411A、アンリツ株式会社
(3)光計測器:光パワーメーター、OPTICAL POWER METER ML9001A、アンリツ株式会社
(4)スクリーンと光源との距離:10cm
(5)スクリーンと検出器との距離:10cm
(6)入射角(光の入射方向とスクリーンの主面に直交する直線とのなす角):0度
(7)測定間隔(検出器の角度の間隔):1度
<映像の色再現性>
以下の方法、及び基準によって、各スクリーンの映像の色再現性を評価した。評価結果を表1に示す。
[方法]
試験片として、幅が10cmであり、長さが10cmであるスクリーンを用意した。スクリーンを重力方向に沿って配置した。スクリーンの背面(実施例1~3においては基材が配置された側の表面をいう。以下同じ。)の上方に設置された白色蛍光灯(FLR40S-W-NU/M、パナソニック株式会社)の光をスクリーンの背面に入射させ、そして、スクリーンの正面(実施例1~3においてはコレステリック液晶層が配置された側の表面をいう。以下同じ。)を目視で観察した。白色蛍光灯の光の入射方向とスクリーンの背面とのなす角は、60度に設定した。水平方向に観察角度(すなわち、観察方向とスクリーンの正面に直交する直線とのなす角)を±10度の範囲で変更しながら、スクリーンの正面を観察した。
[基準]
A:スクリーンの正面で視認される色味が観察角度に応じて変化しない。
B:スクリーンの正面で視認される色味が観察角度に応じて変化する。
Figure 0007293403000009
表1に示される評価結果より、実施例1~3における映像の色再現性は、比較例1に比べて優れていることがわかった。実施例1~3では、特定強度分布において観察されるピークの半値幅、明部及び暗部の周期分布並びに明度の角度分布が大きく、広範囲の波長の回折及び散乱が起こるため、映像の色再現性が優れていると推察される。
表1において、「らせん軸の一周期の平均長さ」は、コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視におけるせん軸の一周期の平均長さを表す。「らせん軸の一周期の平均長さ」の欄に記載された数値は、既述の方法によって測定した。
表1において、「らせん軸の平均角度」は、コレステリック液晶層の互いに反対側に位置する2つの主面のうち少なくとも一方の主面に直交する直線に対する、コレステリック液晶層の液晶化合物に由来するらせん軸の平均角度を表す。「らせん軸の平均角度」の欄に記載された数値は、既述の方法によって測定した。
表1において、「明部及び暗部の周期分布」は、コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視における明部及び暗部の周期分布を表す。「明部及び暗部の周期分布」の欄に記載された数値は、既述の方法によって測定した。
表1において、「明部の角度分布」は、コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視における明部の角度分布を表す。「明部の角度分布」の欄に記載された数値は、既述の方法によって測定した。
実施例1~3の各コレステリック液晶層の厚さ方向の断面を偏光顕微鏡を用いて観察したところ、コレステリック液晶層の液晶化合物に由来するらせん軸は、上記コレステリック液晶層の互いに反対側に位置する2つの主面のうち少なくとも一方の主面に直交する直線に対して傾斜していた。また、実施例1~3の各コレステリック液晶層の表面を偏光顕微鏡を用いて確認したところ、コレステリック液晶層の面内方向のうち一方向に沿って、明部、及び暗部が交互に並んだ縞模様が観察された。つまり、コレステリック液晶層の表面で観察される液晶化合物は、上記コレステリック液晶層の面内方向のうち一方向に沿ってねじれながら配列していた。
2019年12月26日に出願された日本国特許出願2019-237298号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記載された場合と同程度に、本明細書に参照により取り込まれる。
:らせん軸
:配列軸
F:基材
:分子軸
X、Y、Z:方向
10:コレステリック液晶層
11、12:主面
13:棒状液晶化合物
100:塗布装置
200:乾燥装置
300:ブレード
400:光源
500、510:搬送ロール
600、610:バックアップロール

Claims (12)

  1. 2つの主面を有し、
    前記2つの主面のうち一方の主面に入射した波長が532nmである光のうち、前記2つの主面のうち他方の主面から出射した一次回折光の回折角に対する強度を示す分布において観察されるピークの半値幅が、6.3度以上8.6度以下である
    透明スクリーン。
  2. 液晶化合物を含む少なくとも1つのコレステリック液晶層を有し、かつ、前記コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、前記コレステリック液晶層の前記液晶化合物に由来するらせん軸が、前記コレステリック液晶層の互いに反対側に位置する2つの主面のうち少なくとも一方の主面に直交する直線に対して傾斜している請求項1に記載の透明スクリーン。
  3. 前記コレステリック液晶層の互いに反対側に位置する2つの主面のうち少なくとも一方の主面で観察される前記液晶化合物が、前記コレステリック液晶層の面内方向のうち一方向に沿ってねじれながら配列している請求項2に記載の透明スクリーン。
  4. 前記コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、前記らせん軸の平均角度が、前記コレステリック液晶層の互いに反対側に位置する2つの主面のうち少なくとも一方の主面に直交する直線に対して、20度~90度である請求項2又は請求項3に記載の透明スクリーン。
  5. 前記コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、前記らせん軸の一周期の平均長さが、0.1μm~5μmである請求項2~請求項4のいずれか1項に記載の透明スクリーン。
  6. 前記コレステリック液晶層の数が2つ以上であり、かつ、少なくとも2つのコレステリック液晶層の液晶化合物に由来するらせん軸の向きが互いに異なる請求項2~請求項5のいずれか1項に記載の透明スクリーン。
  7. 液晶化合物を含む少なくとも1つのコレステリック液晶層を有し、
    前記コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、前記コレステリック液晶層の前記液晶化合物に由来するらせん軸が、前記コレステリック液晶層の互いに反対側に位置する2つの主面のうち少なくとも一方の主面に直交する直線に対して傾斜しており、
    前記2つの主面のうち一方の主面に入射した波長が532nmである光のうち、前記2つの主面のうち他方の主面から出射した一次回折光の回折角に対する強度を示す分布において観察されるピークの半値幅が、6.3度以上8.6度以下であり、
    前記コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、前記コレステリック液晶層が、明部及び暗部が交互に並んだ縞模様を有し、
    前記コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、前記明部及び前記暗部の周期分布が、0.05μm以上である、
    透明スクリーン。
  8. 液晶化合物を含む第1コレステリック液晶層と、液晶化合物を含む第2コレステリック液晶層と、を有し、
    前記第1コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、前記第1コレステリック液晶層の前記液晶化合物に由来するらせん軸が、前記第1コレステリック液晶層の互いに反対側に位置する2つの主面のうち少なくとも一方の主面に直交する直線に対して傾斜しており、
    前記第1コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、前記第1コレステリック液晶層が、明部及び暗部が交互に並んだ縞模様を有し、
    前記第2コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、前記第2コレステリック液晶層の前記液晶化合物に由来するらせん軸が、前記第2コレステリック液晶層の互いに反対側に位置する2つの主面のうち少なくとも一方の主面に直交する直線に対して傾斜しており、
    前記第2コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、前記第2コレステリック液晶層が、明部及び暗部が交互に並んだ縞模様を有し、
    前記第1コレステリック液晶層及び前記第2コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、前記第1コレステリック液晶層における前記明部及び前記暗部の平均周期長と前記第2コレステリック液晶層における前記明部及び前記暗部の平均周期長との差の絶対値が、0.05μm以上である、
    透明スクリーン。
  9. 液晶化合物を含む少なくとも1つのコレステリック液晶層を有し、
    前記コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、前記コレステリック液晶層の前記液晶化合物に由来するらせん軸が、前記コレステリック液晶層の互いに反対側に位置する2つの主面のうち少なくとも一方の主面に直交する直線に対して傾斜しており、
    前記2つの主面のうち一方の主面に入射した波長が532nmである光のうち、前記2つの主面のうち他方の主面から出射した一次回折光の回折角に対する強度を示す分布において観察されるピークの半値幅が、6.3度以上8.6度以下であり、
    前記コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、前記コレステリック液晶層が、明部及び暗部が交互に並んだ縞模様を有し、
    前記コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、前記明部の角度分布が、3度以上であ
    前記明部の角度分布が、透明スクリーンの、前記コレステリック液晶層の厚さ方向の断面画像に示される前記コレステリック液晶層に描かれた、前記コレステリック液晶層の互いに反対側に位置する2つの主面のうち少なくとも一方の主面に平行であり、かつ、前記コレステリック液晶層の厚さを1μmごとに分割する複数の仮想線によって分割された前記コレステリック液晶層の各領域で観察される明部と前記仮想線とのなす角を、前記仮想線に沿って50μmの範囲で測定された測定値を算術平均することによって得られた値における最大値と最小値との差の絶対値である(ただし、対象の前記コレステリック液晶層の厚さが2μm以下である場合、前記コレステリック液晶層の厚さを1μmごとに分割する複数の前記仮想線にかえて前記コレステリック液晶層の厚さを3等分する2つの仮想線とする)、
    透明スクリーン。
  10. 液晶化合物を含む第1コレステリック液晶層と、液晶化合物を含む第2コレステリック液晶層と、を有し、
    前記第1コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、前記第1コレステリック液晶層の前記液晶化合物に由来するらせん軸が、前記第1コレステリック液晶層の互いに反対側に位置する2つの主面のうち少なくとも一方の主面に直交する直線に対して傾斜しており、
    前記第1コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、前記第1コレステリック液晶層が、明部及び暗部が交互に並んだ縞模様を有し、
    前記第2コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、前記第2コレステリック液晶層の前記液晶化合物に由来するらせん軸が、前記第2コレステリック液晶層の互いに反対側に位置する2つの主面のうち少なくとも一方の主面に直交する直線に対して傾斜しており、
    前記第2コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、前記第2コレステリック液晶層が、明部及び暗部が交互に並んだ縞模様を有し、
    前記第1コレステリック液晶層及び前記第2コレステリック液晶層の厚さ方向の断面視において、前記第1コレステリック液晶層における前記明部の平均角度と前記第2コレステリック液晶層における前記明部の平均角度との差の絶対値が、3度以上であ
    前記明部の平均角度が、透明スクリーンの、前記第1のコレステリック液晶層又は前記第2のコレステリック液晶層を厚さ方向の断面画像で観察される明部と、前記第1のコレステリック液晶層又は前記第2のコレステリック液晶層の互いに反対側に位置する2つの主面のうち少なくとも一方の主面と、のなす角を50μmの前記第1のコレステリック液晶層又は前記第2のコレステリック液晶層の主面に沿って測定された測定値を算術平均することによって得られた値である、
    透明スクリーン。
  11. リアプロジェクションスクリーンとして用いられる請求項1~請求項10のいずれか1項に記載の透明スクリーン。
  12. 自動車の窓に貼付して用いられる請求項1~請求項10のいずれか1項に記載の透明スクリーン。
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